JP5176667B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置 Download PDF

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本発明は、亜鉛めっき鋼板を製造する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、及び連続亜鉛めっき法による溶融亜鉛めっき鋼板製造中に発生する沈殿物の堆積高さを監視する堆積物高さ監視装置に関するものである。
従来から行われている連続亜鉛めっき法による溶融亜鉛めっき鋼板の製造は、鋼板をめっき浴に浸潰して、めっき浴中を通過させることで行っている。
図17は、従来の製造方法の概略図を示す。同図に示すように、従来の製造方法では、鋼板100がスナウト101を介して溶融亜鉛で満たされているめっき浴槽102に送給され、めっき浴槽102内に設置されたシンクロール103を周回して通板され、めっき浴槽102内を上昇する。そして、鋼板100は、浴中サポートロール104を経て、めっき浴槽102外に出て行く。
このような製造工程において、めっき浴槽102では、鋼板100から溶出したFeがAl、Znと合金化することで、FeZnを成分に含むドロスが発生する。ドロスの成分中、FeZnは主にめっき浴槽102の底部にボトムドロス200として堆積し、FeAl等は、めっき浴表面に浮上しトップドロス201となる。
ボトムドロス200は、シンクロール103等の回転による浴内の流動によりその一部が巻き上げられて、めっき浴槽102中に浮遊するようになる。網を使う等してトップドロス201を汲み出す除去が可能であるが、めっき浴槽102中を浮遊するドロスを取り除くことは難しい。そのため、めっき浴槽102中を浮遊するドロスがめっき浴槽102中を通過する鋼板100表面に付着し、亜鉛めっきの表面品質を悪くしてしまう。その一方で、溶融亜鉛めっき法において、ドロスの発生を無くすこと自体は困難とされている。
このようなことから、これまでに、特許文献1には、めっき浴槽の底部の形状を変えて、堆積したドロスを巻き上げにくくする方法が開示されている。また、特許文献2には、ボトムドロスをサブポットに汲み出し、サブポット内でドロスの沈下を早める方法が開示されている。また、特許文献3には、めっき浴槽内の流動を整流板や底部の隆起物等で制御することで、ドロスの巻上げを防止する方法が開示されている。また、特許文献4には、溶融金属めっき浴内の流速が、堆積したボトムドロスが巻き上がらない流速範囲になるように、ライン速度やインダクター出力、亜鉛インゴット投入タイミングを制御する方法が開示されている。
特開平3−68746号公報 特開平5−17859号公報 特開平7−97669号公報 特開平9−170057号公報
ところで、特許文献1や特許文献3、特許文献4のようにしてめっき浴槽内の流動を制御しようとしても、ドロスの堆積量が増えた場合には、結局、ドロスの巻き上げが起きてしまう。よって、特許文献1や特許文献3、特許文献4のように、めっき浴槽内の流動を制御して、ドロスの巻き上げを防止するには、ドロスの除去を頻繁に行う必要がある。
しかし、めっき浴槽の形状は各ラインによって異なり、ラインによっては、シンクロールを上昇させてドロスの除去作業を行わなければならない場合もある。この場合、ドロス除去作業を行うとしても、そのドロス除去作業は、実質的には定期修理日毎になるが、定期修理日にドロス除去作業を行おうとすれば、めっき浴内でボトムドロスの堆積量が巻き上げの起こらない許容高さを超えているか否かを判断する必要がある、すなわちドロス除去作業の適切な作業時期を知る必要がある。そのためには、ボトムドロスの堆積量を頻繁に測定する必要がある。しかし、従来、ボトムドロスの堆積量の測定は、オペレータ等が手動で、長い棒を差し込む等して行われていることから、ボトムドロスの堆積量を頻繁に測定するとすれば、オペレータ等への負担が過大となる。
また、特許文献2に開示されているような方法により、確実に許容高さ以下のタイミングで、ボトムドロスをサブポットに汲み出すことができれば問題はない。しかし、その場合、汲み出すための装置の設置が必要となり、さらには、サブポットの場所の確保やサブポットを保温するためのコストもかかるため、設置には、かなりの制限がかかるようになる。また、ボトムドロスが零にならない限り、サブポットから再びポットに戻すことによる新たな流動も懸念される。
本発明の課題は、簡単な構成でボトムドロスの堆積量を測定し、最適なタイミングでボトムドロスの発生を抑制し、除去できるようにすることである。
前記課題を解決するために、本発明に係る請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、鋼板を溶融亜鉛めっき浴に浸潰して、溶融亜鉛めっき浴中を通過させることで、鋼板表面に亜鉛めっきを施し、亜鉛めっき鋼板を製造する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記溶融亜鉛めっき浴内の電気抵抗値を測定し、その測定結果を基に、前記溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを推定し、その推定結果を基に、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制しながら、亜鉛めっき鋼板を製造することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記溶融亜鉛めっき浴内にてその水平方向の複数箇所で電気抵抗値を測定し、その測定結果を基に、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項3に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記複数箇所で測定した電気抵抗値を重み付けして、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項4に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、請求項1〜3の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記鋼板の通板速度を低下させること、前記溶融亜鉛めっき浴の温度を上昇させること、前記溶融亜鉛めっき浴の浴中サポートロールの押付量を増加させること、前記溶融亜鉛めっき浴への亜鉛インゴットの投入間隔時間を大きくすることの少なくとも何れかを行うことで、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項5に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、請求項1〜4の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、直近の堆積物の除去時から所定期間経過している場合、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制する処理を実施することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項6に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、請求項1〜5の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、溶融亜鉛めっき鋼板を所定量生産している場合、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制する処理を実施することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項7に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置は、鋼板表面に亜鉛めっきを施すために該鋼板が通板される溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを監視する溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置であって、前記溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを監視する監視手段と、前記監視手段の監視結果を基に、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼帯への付着、を抑制する堆積物による不良発生抑制手段と、を備え、前記監視手段が、前記溶融亜鉛めっき浴内に電流を印加する電流印加用電極と、前記電流印加用電極により印加された電流によって発生する電圧を測定する電圧測定用電極と、前記電圧測定用電極で測定した電圧値を基に、前記堆積物の堆積高さを推定する堆積高さ推定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項8に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置は、請求項7に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置において、前記電流印加用電極と、前記電圧測定用電極とが1本のプローブを構成しており、前記堆積高さ推定手段が、複数の前記プローブを溶融亜鉛めっき浴内に配置してそれらプローブ毎に得た電圧値を基に、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項9に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置は、請求項8に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置において、前記堆積高さ推定手段が、前記プローブ毎に得た電圧値を重み付けして、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項10に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置は、請求項7〜9の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置において、前記堆積物による不良発生抑制手段が、前記溶融亜鉛めっき浴内での該鋼板の通板速度を低下させること、前記溶融亜鉛めっき浴の温度を上昇させること、前記溶融亜鉛めっき浴の浴中サポートロールの押付量を増加させること、前記溶融亜鉛めっき浴への亜鉛インゴットの投入間隔時間を大きくすることの少なくとも何れかを行うことを特徴とする。
また、本発明に係る請求項11に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置は、請求項7〜10の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置において、前記堆積物による不良発生抑制手段が、直近の堆積物の除去時から所定期間経過している場合に実施することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項12に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置は、請求項7〜11の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置において、前記堆積物による不良発生抑制手段が、溶融亜鉛めっき鋼板を所定量生産している場合に実施することを特徴とする。
本発明によれば、溶融亜鉛めっき浴内の電気抵抗の測定結果を基に、溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを推定しているので、簡単な構成でボトムドロスの堆積量を測定できる。そして、その推定した堆積高さを基に、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着を抑制しているので、最適なタイミングでボトムドロスの発生を抑制し、除去することができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(構成)
第1の実施形態は、本発明を適用した堆積物高さ監視システムである。堆積物高さ監視システムは、溶融亜鉛めっき鋼板製造システムに組み込まれている。
図1は、堆積物高さ監視システムの構成を示す。図1に示すように、堆積物高さ測定装置が備えるプローブ1、アラーム出力部2及び制御装置40を備える。
図2は、溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインのめっき浴槽102に取り付けたプローブ1を示す。図3は、プローブ1の構成を示す。
図2に示すように、プローブ1は、溶融亜鉛で満たされているめっき浴槽102内に配置されている。プローブ1は、該めっき浴槽102中のめっき浴内(溶融亜鉛、ボトムドロス、トップドロスなどを含む)の電気抵抗を測定するように構成されている。具体的には、図3に示すように、プローブ1は、4本の電極からなり、その4本の電極のうち、外側に位置(最上部及び最下部に位置)される2本の電極11,12が、電流印加用電極11,12を構成し、その電流印加用電極11,12に挟まれるように内側に位置される2本の電極21,22が電圧測定用電極21,22を構成している。
4本の電極は電線で構成されており、電線が耐熱絶縁ケース(カバー)1a内を通り、その先端部がケース1aの外に突出している。電線は、耐熱絶縁皮膜されており、先端部が、その皮膜が除去されて電極11,12,21,22となり、めっき浴槽102内の溶融亜鉛と接触する。なお、電極11,12,21,22(電線)の材質は、溶融亜鉛と反応しない材質が良い。電極11,12,21,22(電線)の材質は、例えばSUS等のように、耐食性があり、導電率の大きいものが良い。
このような電極11,12,21,22を備えたプローブ1をめっき浴槽102内のめっき浴内に浸漬させる。このとき、プローブ1は、4本の電極11,12,21,22がめっき浴槽102の深さ方向に並ぶように浸漬される。
図4は、堆積物高さ測定装置の電気回路構成を示す。図4に示すように、電気回路構成は、電流印加用電極11,12の間及び電圧測定用電極21,22の間がそれぞれ媒体(溶融亜鉛)を介して導通状態になることを前提とした構成になっている。電気回路構成は、このような構成において、定電流源31より電流印加用電極11,12に電流を印加する。そして、電流印加用電極11,12に電流が流れたときの電圧値を電圧測定用電極21,22間に取り付けた電圧測定器32で測定している。なお、制御装置10に定電流源31や電圧測定器32等の電気回路構成を備えている。
そして、電圧測定器32で測定した電圧値V(ボルト)を用いて、下記(1)式により、抵抗値R(Ω)を算出している。
R=V/A ・・・(1)
Aは、定電流値(アンペア)である。例えば、電線など、電流印加用電極や電圧測定電極に比べて細い対象物に電流を印加する場合には、どこに電圧測定用電極を配置しても、電圧測定用電極間の電流値は(1)式のAとなる。よって、電圧測定値から、その部分の電気抵抗の絶対値を求めることができる。しかし、電極に対して、大きい面積や体積を有する対象物(板形状や液状など)に電流を印加する場合は、電極間を流れる電流は広がり、場所で電流分布が異なってくる。一般的には、電流は広がるため、電極間の電流は、(1)式で示される電流値Aよりも小さくなると考えられるので、電気抵抗の絶対値を厳密に求めることは困難となる。
本実施形態において測定対象とする、めっき浴の場合、後者の場合に該当するので、電圧測定場所によって、電流値が変化し、電気抵抗の絶対値の測定は困難かもしれない。その一方で、電流分布については、時間的な変化がなく、一定であると考えられる。このようなことから、ある時刻の電圧測定値や算出した電気抵抗値を基準として、そこからの相対的な変化量を求めることは可能である。よって、本実施形態では、めっき浴内の堆積物高さの管理として、(1)式から電気抵抗値を求めて、相対的な評価をし、その堆積物高さの変動を把握するようにしている。例えば、電気抵抗と堆積高さとの関係を予め求めておき、電気抵抗の変動から、堆積物高さの変動を把握するようにする。また、このとき、プローブ1の設置については、図2に示すように、ボトムドロス200が堆積して問題となる高さ付近にプローブ1を設置するようにする。より詳細には、上側の電圧測定用電極21がその堆積物高さ(堆積物深さ)上限値付近に位置するようにプローブ1を設置する。ここで、堆積物高さ上限値とは、ボトムドロス200の巻き上げを制御可能な堆積物高さの上限値である。
図5は、ボトムドロスが沈殿しているめっき浴槽の底面からの位置(高さ方向位置)とその位置における局所的な抵抗値との関係を示す。
図5に示すようになるのは、ボトムドロスがめっき浴槽の底面から離れるほど、ボトムドロスが存在しなくなり、ボトムドロスの割合(ボトムドロスの濃度)が低くなるために、抵抗値が小さくなるからである。例えば、ボトムドロスの割合が高いところ(めっき浴の下部でめっき浴槽102の底面近傍)の抵抗値は、ボトムドロスの割合が低いところ(めっき浴の上部)の抵抗値(例えば約1.8×10−7Ωm(めっき浴の温度約500℃において))の5倍以上になるといったように、大きい値になる。これは、ボトムドロスの方が抵抗値が大きく、そのボトムドロスが増えると(密度が高くなると)、電流がそのボトムドロスを迂回して流れようとするが、迂回できる領域が少なくなるためである。このように、単なる溶融亜鉛の場合とボトムドロスの場合とで抵抗値が異なり、ボトムドロスの方が大きい値になる。
このような関係を利用して、例えば、ボトムドロスの割合(濃度)と抵抗値との関係を示す特性図を予め得ておき、測定電圧値を基に得た抵抗値からボトムドロスの堆積量を推定する。例えば、抵抗値が所定のしきい値を超えた場合、ボトムドロス堆積量が許容量(堆積高さの上限値)を超えたと判定する。制御装置40は、そのような判定処理を行うように構成されている。
制御装置40は、図1に示すように、ドロス堆積高さ検出部41、堆積高さ判定部42、経過日数判定部43、生産量判定部44、最終判定部45、ライン稼動判定部46及び制御部47を備える。制御装置40は、パーソナルコンピュータ等の演算装置及び電気回路により構成されている。制御装置40のこれら構成部の処理内容を、それらの一例の処理手順に沿って説明する。
図6は、制御装置40の処理手順を示す。同図に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、制御装置40は、センサ値を読み込む。具体的には、制御装置40は、プローブ1(センサ)から得られる電圧値(電圧測定器32の測定値)又は抵抗値(前記(1)式参照)を読み込む。ここで、制御装置40は、複数のプローブ1のうち、代表となる一のプローブ1から得られる電圧値(電圧測定器32の測定値)又は抵抗値(前記(1)式参照)を読み込む。ここで、制御装置10は、定電流源31により電流印加用電極11,12に電流を印加しており、電流印加用電極11,12間の電圧値を読み込んでいる。又は、その電圧値を基に抵抗値を得ている。
続いてステップS2において、ドロス堆積高さ検出部12は、前記ステップS1で読み込んだ電圧値又は抵抗値を基に、ボトムドロスの堆積高さ(堆積量、堆積深さ)を検出する。例えば、前記図5を用いて説明したような特性図を予め得ており、その特性図を参照して、ボトムドロスの堆積高さを検出する。
続いてステップS3において、堆積高さ判定部42は、ボトムドロスの堆積高さが所定のしきい値よりも大きいか否かを判定する。ここでいう所定のしきい値は、ボトムドロスの堆積高さの判定用のしきい値である。例えば、プローブ1の状態に応じて所定のしきい値を設定する。例えば、プローブ1の特性や設置場所に応じて所定のしきい値を設定する。ここで、堆積高さ判定部42は、ボトムドロスの堆積高さが所定のしきい値よりも大きい場合、ステップS6に進む。また、堆積高さ判定部42は、ボトムドロスの堆積高さが所定のしきい値以下の場合、ステップS4に進む。
ステップS4では、経過日数判定部43は、経過日数が所定のしきい値よりも長いか否かを判定する。ここで、経過日数は、前回のボトムドロス除去後(ドロス汲み実施日)からの経過日数である。また、定期的な点検・修理を実施した日からの経過日数でも良い。また、ここでいう所定のしきい値は、経過日数の判定用のしきい値である。例えば、プローブ1の状態に応じて所定のしきい値を設定する。例えば、プローブ1の設置場所に応じて所定のしきい値を設定する。ここで、経過日数判定部43は、経過日数が所定のしきい値よりも長い場合(所定の日数が経過している場合)、ステップS6に進む。また、経過日数判定部43は、経過日数が所定のしきい値以下の場合、ステップS5に進む。
ステップS5では、生産量判定部44は、鋼板の生産量が所定のしきい値よりも多いか否かを判定する。ここで、鋼板の生産量は、前回のボトムドロス除去後(ドロス汲み実施日)からの鋼板の生産量の累計値である。また、定期的な点検・修理を実施した日からの鋼板の生産量の累計値でも良い。また、ここでいう所定のしきい値は、鋼板の生産量の判定用のしきい値である。例えば、プローブ1の状態に応じて所定のしきい値を設定する。例えば、プローブ1の設置場所に応じて所定のしきい値を設定する。ここで、生産量判定部44は、鋼板の生産量が所定のしきい値よりも多い場合、ステップS6に進む。また、生産量判定部44は、鋼板の生産量が所定のしきい値以下の場合、前記ステップS1から再び処理を行う。
ステップS6では、制御装置40は、複数のプローブ1から得られる電圧値(電圧測定器32の測定値)又は抵抗値を読み込む。さらに、ドロス堆積高さ検出部12が、読込んだ電圧値又は抵抗値を基に、各プローブ1についてのボトムドロスの堆積高さを検出する。
続いてステップS7において、最終判定部45は、最終判定をする。具体的には、前記ステップS6で検出した各プローブ1についてのボトムドロスの堆積高さを基に、堆積高さについての最終的な判定を行う。例えば、所定のしきい値と比較することで、堆積高さについての最終的は判定を行う。また、例えば、各プローブ1により得たボトムドロスの堆積高さの加重平均を算出し、その加重平均を基に、最終的は判定を行う。このとき、重要なプローブ1の重み付けを大きくする。例えば、鋼板の品質との関連性が高いプローブ1の重み付けを大きくする。
図7は、めっき浴槽102内での複数のプローブ1a〜1hの配置例を示す。図7はめっき浴槽102を上方から見た図である。すなわち、図7は、めっき浴槽102内での複数のプローブ1a〜1hの水平方向の配置を示す。同図に示すように、複数のプローブ1a〜1hをめっき浴槽102の周壁に沿うように配置する。これは、ボトムドロスがめっき浴槽102の周壁に沿って堆積する傾向が強いからである。このように、複数のプローブ1a〜1hをボトムドロスの堆積高さの測定に好適な位置に配置する。
このような複数のプローブ1a〜1hを用いたステップS7の判定により、最終判定部45は、堆積高さが許容できない場合(堆積高さがNGの場合)、ステップS8に進む。また、最終判定部45は、堆積高さが許容できる場合(堆積高さがOKの場合)、前記ステップS1から再び処理を行う。
ステップS8では、制御部47は、アラーム制御部2を制御して、アラーム出力を行う。例えば、アラーム出力部2の画面表示出力により警告を行い、又はアラーム出力部2の音声出力により警告を行う。
続いてステップS9において、ライン稼動判定部46は、ライン可動中か否かを判定する。ここで、ライン稼動判定部46は、ライン稼動中の場合、ステップS10に進む。また、ライン稼動判定部46は、ラインが稼動していない場合(ラインが停止している場合)、ステップS11に進む。
ステップS10では、制御部47は、操業中制御を行う。すなわち、操業中に実施可能な制御を行う。具体的には、溶融亜鉛めっき浴内での鋼板の通板速度を変更する。例えば、鋼板の通板速度に係る部分(例えばロール)の速度を低下させる。また、具体的には、進入板(めっき浴槽102に進入する鋼板)の温度を変更する。例えば、進入板の温度を上昇させる。また、具体的には、浴中サポートロールの押付量(力)/開放量(力)を変更する。例えば、浴中サポートロールの押付量(力)を増加させる。また、具体的には、めっき浴槽102に亜鉛インゴットを投入する間隔時間を変更する。例えば、投入間隔時間を大きくする。
ステップS11では、ライン停止時操作を行う。具体的には、ドロス汲みを行う。また、浴機器を交換する。例えば、このようなライン停止時操作を作業員が行う。
(動作)
動作は次のようになる。
図8は、この堆積物高さ監視システムが組み込まれる溶融亜鉛めっき鋼板製造システム(製造工程)の処理手順を示す。同図に示すように、溶融亜鉛めっき鋼板製造システムは、大別して、鋳造、圧延及び酸洗等からなる前処理工程(ステップS21)、連続焼鈍、電解洗浄等からなる焼鈍工程(ステップS22)、溶融亜鉛めっき処理工程(ステップS23)、メッキ浴通過直後にメッキ層を再加熱等する合金化処理工程(ステップS24)、形状や表面を仕上げるスキンパス(SK)工程(ステップS25)及び製品を検査する検査工程(ステップS26)からなる。
以上のような工程中の溶融亜鉛めっき処理工程でボトムドロスの堆積高さを検出等している。すなわち、ボトムドロスの堆積高さを監視するためにめっき浴槽102内にプローブ1を配置している。制御装置40は、プローブ1から得られる電圧値(電圧測定器32の測定値)又は抵抗値(前記(1)式参照)を読み込み、その読み込んだ電圧値又は抵抗値を基に、ボトムドロスの堆積高さを検出する(前記ステップS1、ステップS2)。そして、制御装置40は、ボトムドロスの堆積高さが所定のしきい値よりも大きい場合(前記ステップS3の判定で“Yes”の場合)、経過日数が所定のしきい値よりも長い場合(前記ステップS4の判定で“Yes”の場合)、又は鋼板の生産量が所定のしきい値よりも多い場合(前記ステップS5の判定で“Yes”の場合)、最終判定のための処理に進む。それ以外の場合、再び最初から処理を行う。
最終判定のための処理として、制御装置40は、複数のプローブ1から得られる電圧値(電圧測定器32の測定値)又は抵抗値(前記(1)式参照)を読み込み、その読み込んだ電圧値又は抵抗値を基に、各プローブ1について、ボトムドロスの堆積高さを検出する(前記ステップS6)。続いて、制御装置40は、最終判定を行う。すなわち、各プローブ1について得たボトムドロスの堆積高さを基に、ボトムドロスの堆積高さについての最終的な判定を行う(前記ステップS7)。そして、制御装置40は、ボトムドロスの堆積高さが許容できる場合、再び最初から処理を行う。また、制御装置40は、ボトムドロスの堆積高さが許容できない場合、アラーム出力を実施し(前記ステップS8)、ライン可動状態に応じた処理を行う。すなわち、ライン稼動中の場合、通板速度を低下させる等の操業中制御を行う(前記ステップS10)。また、ラインが稼動していない場合、ドロス汲み等のライン停止時操作を行う(前記ステップS11)。
(作用及び効果)
作用及び効果は次のようになる。
前述のように、操業中制御では、通板速度を変更している。又は、進入板の温度を変更している。又は、浴中サポートロールの押付量(力)/開放量(力)を変更している。又は、めっき浴槽102に亜鉛インゴットを投入する間隔時間を変更している。或いは、これらの変更処理を組み合わせて実施している。
よって、通板速度を変更する、具体的には、鋼板の通板速度に係る部分(例えばロール)の速度を低下させることで、めっき浴槽102内の流動が安定するようになる。例えば、ボトムドロスの巻き上があるのを抑制できる。これにより、めっき浴槽102の底面に堆積したボトムドロスが鋼板に付着してしまうのを抑制できる。
また、進入板の温度を変更する、具体的には、進入板の温度を上昇させることで、めっき浴槽102内の温度を上昇させることができる。これにより、めっき浴内でボトムドロスの発生原因となる溶出した鉄と亜鉛との反応速度を低下させることができる。これにより、ボトムドロスの発生量を抑制できる。
また、浴中サポートロールの押付量(力)/開放量(力)を変更する、具体的には、浴中サポートロールの押付量(力)を増加させることで、ボトムドロスの鋼板への付着を抑制できる。
また、めっき浴槽102に亜鉛インゴットを投入する間隔時間を変更する、具体的には、投入間隔時間を大きくすることで、めっき浴槽の温度低下を小さくすることができる。
また、アラーム出力することで、作業者等が、操業中制御が実施されることを知ることができる。また、アラーム出力により、作業者がボトムドロスの除去作業に迅速に取り掛かることができる。
また、前述のように、ボトムドロスの堆積高さが所定のしきい値よりも大きい場合、最終判定のための処理を実施し、操業中制御やライン停止時操作を実施している。
ここで、図9は、ボトムドロスの堆積高さとボトムドロスによる欠陥発生率との関係の一例を示す。本例では、バックCEについて値を得ている。バックCEとは、図7の1gである。同図に示すように、ボトムドロスの堆積高さが高くなると、ボトムドロスによる鋼板の欠陥発生率が高くなる。このようなことから、ボトムドロスの堆積高さが所定のしきい値よりも大きい場合、操業中制御(ボトムドロスの発生抑制等)やライン停止時操作(ボトムドロス除去等)を実施することで、ボトムドロスによる鋼板の欠陥発生率を低下させることができる。また、ボトムドロスの堆積高さを操業を妨げることなく常時監視して、最適なタイミングで操業中制御やライン停止時操作を実施することができる。よって、ここでいう所定のしきい値を、図9に示すように、ボトムドロスによる欠陥発生率が所定の値以下になるように設定することで、欠陥発生率に応じた最適なタイミングで操業中制御やライン停止時操作を実施することができる。
また、ボトムドロスの堆積高さをめっき浴内の電気抵抗値を基に測定(推定)しており、これにより、簡単な構成でボトムドロスの堆積高さを測定(推定)できる。
また、前述のように、経過日数が所定のしきい値よりも長い場合、最終判定のための処理を実施し、操業中制御やライン停止時操作を実施している。
ここで、図10は、経過日数とボトムドロス堆積高さとの関係の一例を示す。本例では、フロントCE、シンクロールOP、バックCEについて値を得ている。フロントCEとは、図7の1bである。シンクロールOPとは、図7の1eである。同図に示すように、経過日数が長くなると、ボトムドロスの堆積高さが高くなる。すなわち、ボトムドロスによる鋼板の欠陥発生率が高くなる。このようなことから、経過日数が所定のしきい値よりも長い場合、操業中制御やライン停止時操作を実施することで、ボトムドロスによる鋼板の欠陥発生率を低下させることができる。例えば、ここでいう所定のしきい値を、図10に示すように、ボトムドロスの堆積高さが所定の値以下になるように設定することで、ボトムドロスの堆積高さ、すなわち欠陥発生率に応じた最適なタイミングで操業中制御やライン停止時操作を実施することができる。
また、前述のように、生産量が所定のしきい値よりも多い場合、最終判定のための処理を実施し、操業中制御やライン停止時操作を実施している。
ここで、図11は、生産量とボトムドロス堆積高さとの関係の一例を示す。同図に示すように、生産量が多くなると、ボトムドロスの堆積高さが高くなる。すなわち、ボトムドロスによる鋼板の欠陥発生率が高くなる。このようなことから、生産量が所定のしきい値よりも多い場合、操業中制御(ボトムドロスの発生抑制等)やライン停止時操作(ボトムドロス除去等)を実施することで、ボトムドロスによる鋼板の欠陥発生率を低下させることができる。例えば、ここでいう所定のしきい値を、図11に示すように、ボトムドロスの堆積高さが所定の値以下になるように設定することで、ボトムドロスの堆積高さ、すなわち欠陥発生率に応じた最適なタイミングで操業中制御やライン停止時操作を実施することができる。
また、ボトムドロスの堆積高さが所定のしきい値以下の場合でも、経過日数が所定のしきい値よりも長い場合や生産量が所定のしきい値よりも多いときには(前記ステップS3の判定で“No”であっても、前記ステップS4やステップS5の判定で“Yes”である限り)、操業中制御やライン停止時操作を実施している。これにより、プローブ1が何らかの原因により正常な測定ができていないような場合等においても、そのフェール処理として、確実に、操業中制御やライン停止時操作を実施することができる。これにより、ボトムドロスによる欠陥発生率を確実に抑制できる。
(他の実施形態等)
なお、この実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、前記図5の特性図は、めっき浴槽の底面にボトムドロスが沈殿している場合を前提としている。しかし、そのような前提に限定されるものではない。例えば、ボトムドロス中の溶融亜鉛の割合、ボトムドロスの成分、ボトムドロスの周辺温度(めっき浴の温度)の変化による堆積状態の変化、ボトムドロスが低密度であることで半ば浮遊している状態もある。このようなボトムドロスの状態を考慮して、ボトムドロスの領域を定義し、判定で用いる特性図或いはボトムドロス領域判定用の抵抗値をライン毎に設定することもできる。
また、この実施形態では、電極11,12,21,22が深さ方向(鉛直方向)に並んで位置されるように、プローブ1をめっき浴槽102内に配置している。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、電極11,12,21,22が水平方向に並んで位置されるように、プローブ1をめっき浴槽102内に配置することもできる。このように配置することで、水平に設置したプローブ1の位置までボトムドロスが達したか否か(所定の堆積量になったか否か)を判定することもできる。
また、プローブ1をめっき浴槽102内のめっき浴内を任意方向(例えば上下左右方向)にスキャンして、そのときの抵抗値を測定することもできる。これにより、めっき浴槽102内のボトムドロスの堆積状態(堆積形状)を3次元的に測定することもできる。なお、プローブ1のスキャンによるボトムドロスの巻き上げに十分注意することは言うまでもない。
また、めっき浴槽102内のボトムドロスの堆積状態(堆積形状)を3次元的に計測するために、それに応じて電流印加用電極(1対に限定されない)及び電圧測定用電極(2つに限定されない)をめっき浴槽102内に3次元的に多点に適宜配置しても良い。このようにすることで、めっき浴槽102内のボトムドロスの堆積状態(堆積形状)を3次元的に計測する場合でも、プローブでスキャンする必要がなくなるので、ボトムドロスの巻き上げを予防できる。
また、プローブが、1対の電流印加用電極間に3つ以上の複数の電圧測定用電極を備えることもできる。図12は、そのプローブ1の構成を示す。同図に示すように、プローブ1が、1対の電流印加用電極11,12間に複数(本例では7本)の電圧測定用電極21,22,23,24,25,26,27を備えている。このプローブ1は、これら複数の電圧測定用電極21〜27で、隣り合う電極間の電圧値ΔV1〜ΔV6(抵抗値)を測定できるように構成されている。
図13は、電圧測定用電極21〜27で、隣り合う電極間で得た電圧値ΔV1〜ΔV6の測定結果の例を示す。同図に示すように、この例では、電圧測定用電極24から上の電圧値ΔV1〜ΔV3と、電圧測定用電極24から下の電圧値ΔV4〜ΔV6とで、大きく異なっており(高さ方向hの、あるX位置を境界に電圧値が大きく変化しており)、電圧測定用電極24から下の電圧値ΔV4〜ΔV6の方が大きくなっている。
このような結果を基に、電圧測定用電極23,24間の電圧値(抵抗値)と、電圧測定用電極24,25間の電圧値(抵抗値)との間に、溶融亜鉛とボトムドロスとの境界面が存在するとして、すなわち電圧測定用電極24近傍にボトムドロスの上面部が存在するとして、ボトムドロスの堆積高さを測定する。
例えば、ボトムドロスの堆積高さの変動が大きい(測定のダイナミックレンジが大きい)場合、電流印加用電極11,12間の距離を大きくする必要がある。一方、1対の電圧測定用電極で、その間の距離を大きくしてしまうと、電圧測定用電極による電圧値(抵抗値)の測定の分解能(精度)が低下する可能性がある。このようなことから、電流印加用電極11,12間に複数の電圧測定用電極を備えて、隣り合う電極間の電圧値(抵抗値)を測定できるようにすることで、ボトムドロスの堆積高さの変動が大きい場合でも、高い精度でボトムドロスの堆積量の測定できる。
ここで、図14は、電圧測定用電極21〜27で、隣り合う電極間で得た電圧値ΔV1〜ΔV6の測定結果の例を示す。同図に示すように、この例は、隣り合う電極間で得た電圧値ΔV1〜ΔV6に明確な差異はない結果を示す。このような場合には、溶融亜鉛とボトムドロスとの境界層が広い、つまり、ボトムドロスの濃度変化が緩やかであると判断して、そのような判断の下で、どの辺りからボトムドロスが存在するかを判断する。
また、電流印加用電極間に印加する電流を矩形波(ステップ波)にすることもできる。電極が熱起電力を発生するような場合には、それが電圧値にノイズ(ドリフト等)となって現れることがある。この場合、ノイズの影響で抵抗値(ボトムドロスの堆積高さ)を高い精度で測定できなくなる。しかし、電流印加用電極間に印加する電流を矩形波(ステップ波)にすることで、そのようなノイズの影響を防止できる。
図15(a)は、第3の実施形態において電流印加用電極11,12間に印加する矩形波の電流を示す。電流は、例えば±1(A)で変化する矩形波である。このとき、電圧測定用電極(例えば前記第1の実施形態であれば2つの電圧測定用電極21,22)で測定できる電圧の波形は、同図(b)に示すように、立ち上がり(プラス側とマイナス側の両方)初期(同図A領域)において、熱起電力等による影響を受けて、大きく振れる。そこで、電圧測定用電極で測定できる電圧波形におけるプラス側の立ち上がり後の平滑部分(同図B領域)と電圧波形におけるマイナス側の立ち上がり後の平滑部分(同図C領域)との差分値(例えば、同図に示すオフセットδ相当)を算出し、その差分値に基づいて、抵抗値を算出する。これにより、電圧測定用電極で測定する電圧波形の立ち上がり(プラス側とマイナス側の両方)初期に、熱起電力等によりノイズ(ドリフト、例えば同時に示すオフセットOS)が発生する場合でも、そのようなノイズの影響を除去した電圧値に基づいて、抵抗値を算出できる。これにより、ボトムドロスの堆積高さを高い精度で検出できる。
また、2本のプローブに電流印加用電極と電圧測定用電極と別々に備えることもできる。図16は、そのプローブ50,60の構成を示す。同図に示すように、電流印加用電極収納プローブ50は、離れた位置に2本の電流印加用電極51,52を備える。これに対して、電圧測定用電極プローブ60は、電流印加用電極収納プローブ50に備えた2本の電流印加用電極51,52間の距離内に収まるように、複数(本例では7本)の電圧測定用電極61〜67を備える。このような電流印加用電極収納プローブ50と電圧測定用電極プローブ60とを、同図に示すように、めっき浴内において対向させるとともに、高さ方向で、電流印加用電極51,52の間に電圧測定用電極61〜67を位置させる。そして、電流印加用電極収納プローブ50側で、電流印加用電極51,52間に電流を流したときに、電圧測定用電極プローブ60で、電圧測定用電極61〜67において隣り合う電極間の電圧値(抵抗値)を測定する(前記第2の実施形態参照)。これにより、例えばボトムドロスの状態を3次元的に測定できる。
なお、この実施形態の説明において、プローブ1及び制御装置40は、溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを監視する監視手段を実現しており、制御装置40の堆積高さ判定部42、経過日数判定部43、生産量判定部44、最終判定部45、ライン稼動判定部46及び制御部47は、前記監視手段の監視結果を基に、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制する堆積物による不良発生抑制手段を実現している。また、電流印加用電極11,12は、前記溶融亜鉛めっき浴内に電流を印加する電流印加用電極を実現しており、電圧測定用電極21,22は、前記電流印加用電極により印加された電流によって発生する電圧を測定する電圧測定用電極を実現しており、制御装置40の電圧測定器32及びドロス堆積高さ検出部41は、前記電圧測定用電極で測定した電圧値を基に、前記堆積物の堆積高さを推定する堆積高さ推定手段を実現している。
また、この実施形態では、鋼板を溶融亜鉛めっき浴に浸潰して、溶融亜鉛めっき浴中を通過させることで、鋼板表面に亜鉛めっきを施し、亜鉛めっき鋼板を製造する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記溶融亜鉛めっき浴内の電気抵抗値を測定し、その測定結果を基に、前記溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを推定し、その推定結果を基に、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制しながら、亜鉛めっき鋼板を製造する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実現している。
本発明の実施形態の堆積物高さ監視システムの構成を示すブロック図である。 めっき浴槽内におけるプローブの設置状態を示す図である。 プローブの構成を示す図である。 堆積物高さを測定するための電気回路構成を示す図である。 ボトムドロスが沈殿しているめっき浴槽底面からの高さと抵抗値との関係を示す特性図である。 制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 めっき浴槽内での複数のプローブの配置例を示す平面図である。 溶融亜鉛めっき鋼板製造システム(製造工程)の処理手順を示すフローチャートである。 ボトムドロスの堆積高さとボトムドロスによる欠陥発生率との関係の一例を示す特性図である。 経過日数とボトムドロス堆積高さとの関係の一例を示す特性図である。 生産量とボトムドロス堆積高さとの関係の一例を示す特性図である。 プローブの他の構成を示す図である。 図13に示すプローブによる電圧値の測定結果の例を示す図である。 図13に示すプローブによる電圧値の測定結果の他の例を示す図である。 電流印加用電極間に印加する矩形波の電流を示す図である。 プローブの他の構成を示す図である。 従来の製造方法の説明に用いた図である。
符号の説明
1 プローブ、2 アラーム出力部、11,12 電流印加用電極、21,22 電圧測定用電極、31 定電流源、32 電圧測定器、40 制御装置、41 ドロス堆積高さ検出部、42 堆積高さ判定部、43 経過日数判定部、44 生産量判定部、45 最終判定部、46 ライン稼動判定部、47 制御部、102 めっき浴槽、200 ボトムドロス

Claims (12)

  1. 鋼板を溶融亜鉛めっき浴に浸潰して、溶融亜鉛めっき浴中を通過させることで、鋼板表面に亜鉛めっきを施し、亜鉛めっき鋼板を製造する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、
    前記溶融亜鉛めっき浴内の電気抵抗値を測定し、その測定結果を基に、前記溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを推定し、その推定結果を基に、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制しながら、亜鉛めっき鋼板を製造することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記溶融亜鉛めっき浴内にてその水平方向の複数箇所で電気抵抗値を測定し、その測定結果を基に、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記複数箇所で測定した電気抵抗値を重み付けして、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 前記鋼板の通板速度を低下させること、前記溶融亜鉛めっき浴の温度を上昇させること、前記溶融亜鉛めっき浴の浴中サポートロールの押付量を増加させること、前記溶融亜鉛めっき浴への亜鉛インゴットの投入間隔時間を大きくすることの少なくとも何れかを行うことで、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  5. 直近の堆積物の除去時から所定期間経過している場合、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制する処理を実施することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  6. 溶融亜鉛めっき鋼板を所定量生産している場合、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼板への付着、を抑制する処理を実施することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  7. 鋼板表面に亜鉛めっきを施すために該鋼板が通板される溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを監視する溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置であって、
    前記溶融亜鉛めっき浴内の堆積物の堆積高さを監視する監視手段と、
    前記監視手段の監視結果を基に、前記堆積物の発生および/または該堆積物の鋼帯への付着、を抑制する堆積物による不良発生抑制手段と、を備え、
    前記監視手段は、前記溶融亜鉛めっき浴内に電流を印加する電流印加用電極と、前記電流印加用電極により印加された電流によって発生する電圧を測定する電圧測定用電極と、前記電圧測定用電極で測定した電圧値を基に、前記堆積物の堆積高さを推定する堆積高さ推定手段と、を備えることを特徴とする溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置。
  8. 前記電流印加用電極と、前記電圧測定用電極とが1本のプローブを構成しており、前記堆積高さ推定手段は、複数の前記プローブを溶融亜鉛めっき浴内に配置してそれらプローブ毎に得た電圧値を基に、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする請求項7に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置。
  9. 前記堆積高さ推定手段は、前記プローブ毎に得た電圧値を重み付けして、前記堆積物の堆積高さを推定することを特徴とする請求項8に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置。
  10. 前記堆積物による不良発生抑制手段は、前記溶融亜鉛めっき浴内での該鋼板の通板速度を低下させること、前記溶融亜鉛めっき浴の温度を上昇させること、前記溶融亜鉛めっき浴の浴中サポートロールの押付量を増加させること、前記溶融亜鉛めっき浴への亜鉛インゴットの投入間隔時間を大きくすることの少なくとも何れかを行うことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置。
  11. 前記堆積物による不良発生抑制手段は、直近の堆積物の除去時から所定期間経過している場合に実施することを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置。
  12. 前記堆積物による不良発生抑制手段は、溶融亜鉛めっき鋼板を所定量生産している場合に実施することを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき浴内の堆積物高さ監視装置。
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