JPH09169682A - アントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液の製造方法 - Google Patents

アントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液の製造方法

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JPH09169682A
JPH09169682A JP7333818A JP33381895A JPH09169682A JP H09169682 A JPH09169682 A JP H09169682A JP 7333818 A JP7333818 A JP 7333818A JP 33381895 A JP33381895 A JP 33381895A JP H09169682 A JPH09169682 A JP H09169682A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシ
アントラセンのアルカリ塩溶液と、アントラキノンを添
加したアントラキノンの2モル倍以上のアルカリの存在
下に加熱するアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液
の製造方法。得られたアントラハイドロキノンのアルカ
リ塩溶液は、パルプ蒸解助剤や、硫酸塩還元菌による硫
化物の生成の抑制剤等に用いることができる 【効果】 工業的に大量に製造されている1,4−ジヒ
ドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンのアルカリ
塩溶液とアントラキノンを反応させることで、容易にア
ントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルプの蒸解助剤と
して用いるアントラハイドロキノンのアルカリ塩(以
下、単にアントラハイドロキノン化合物のアルカリ塩と
表示する場合は代表的にはジナトリウム塩等のジアルカ
リ塩を示すものとする。)溶液の簡便な製造方法の提供
に関する。
【0002】また、汚泥、工業排水、ビルピット排水、
下水、嫌気性処理系又は油田排水等の硫酸塩還元菌及び
硫酸イオンが存在する水系における硫化物の生成を抑制
するための抑制剤として使用する微粒状アントラキノン
(以下、9、10−アントラキノンを単にアントラキノ
ンという)の原料、或いはその抑制剤としてそのまま用
いる事のできるアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶
液の、簡便な製造方法の提供に関する。更に、アントラ
ハイドロキノンの還元力を利用する、固相レドックス触
媒の調製に用いることのできる高純度のアントラハイド
ロキノンのアルカリ塩溶液の簡便な製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロ
キシアントラセン( 以下、DDAという。) のアルカリ
塩溶液、例えばDDAのジナトリウム塩水溶液は、既に
木材等のリグノセルロース物質に対するパルプ蒸解助剤
として一般に日本はもとより世界でも広く用いられてお
り、同じ目的で使用されているアントラキノンに比べて
溶液として蒸解系に添加出来る為に、アントラキノンの
ように固体(例えば、微細な粉体を水性媒体中に分散さ
せたスラリー)で添加するよりチップへの浸透性が優れ
ており、結果として蒸解助剤としての効果が高くなる傾
向が有る事が知られている。
【0004】この蒸解助剤として添加されたDDAのジ
ナトリウム塩水溶液は、蒸解系内でレドックス反応を行
いながら、最終的には順次アントラキノンへと変化し、
さらにアントラキノンとアントラハイドキノンとのレド
ックス反応により、リグノセルロース物質を脱リグニン
するというような蒸解助剤効果を示すと報告されてい
る。
【0005】従って、アントラハイドロキノンのアルカ
リ塩溶液が簡単に製造することが出来る様になれば、こ
のアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液も上記DD
Aのジナトリウム塩水溶液と同様に溶液で添加出来るの
で、チップへの浸透性に優れ、アントラキノンと比較し
て十分効果のあるパルプ蒸解助剤として使用することが
でき、例えば、ソーダ蒸解での効果の比較が報告されて
いる。(Appita,32(2).117(197
8).,T.J.Fullerton)
【0006】このようなアントラハイドロキノンのアル
カリ塩溶液を製造する従来の方法としては、主として以
下に示す3つの製造方法があげられる。 (1)1,4−ジヒドロアントラキノン(以下、DHA
Qという。)をアルカリ溶液中で加熱溶解させる事で異
性化反応によるアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶
液を製造する方法。 (2)アルカリ溶液中でハイドロサルファイトや糖類或
いはその他の還元力を有する化合物、いわゆる還元剤を
用いて、アントラキノンを還元してアントラハイドロキ
ノンのアルカリ塩溶液を製造する方法。 (3)パラジウム等の水素化触媒の存在下、アルカリ溶
液中でアントラキノンを接触水素化することによりアン
トラハイドロキノンのアルカリ塩溶液を製造する方法。
【0007】しかしこれらの製造方法にはそれぞれ、問
題点がある。例えば(1)の方法では原料となるDHA
Qそのものが非常にアントラキノンへ酸化され易い為
に、高純度のDHAQを選択的に製造する事が非常に困
難であり、又、現在製品として入手する事が難しく実用
的でない。(2)の方法では、アントラキノンをアント
ラハイドロキノンに完全に還元する為には、アルカリ溶
液中で還元剤となる化合物を理論量以上大量に使用する
必要があり、得られるアントラハイドロキノンのアルカ
リ塩溶液には、過剰の還元剤やこの還元剤からの副生成
物(例えばハイドロサルファイトからは亜硫酸塩等)及
び還元剤自体の分解生成物等が残存したままになり、純
度の高いアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液を製
造する事は出来ない。また、(3)の方法では確かに
(2)の方法とは異なり、副生成物や分解生成物が無い
比較的純度の高いアントラハイドロキノンのアルカリ塩
溶液は得られるが、高価な還元触媒が必要であり、また
高圧の水素ガスを取り扱わなければならない為に特殊な
製造設備が必要となり、製造コストが高くなる欠点があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、還元剤やその副生成物及び分解生成物を含
まないアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液を、簡
単に且つ安価に製造する方法を開発する事である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、DDAのアルカリ塩
溶液と等モルのアントラキノンとを、アントラキノンの
2モル倍以上のアルカリの存在下に加熱する事で、DD
Aのアルカリ塩がアントラキノンの還元剤として作用し
てアントラハイドロキノンのアルカリ塩を生成すると共
に、DDAのアルカリ塩自らは酸化されてDHAQにな
るだけでなく、更に速やかに異性化してアントラハイド
ロキノンのアルカリ塩となるという驚くべき事実を確認
した。
【0010】即ち、その結果として本発明の反応で得ら
れるのは、反応に供したDDAのアルカリ塩とアントラ
キノンの両方が変化した、アントラハイドロキノンのア
ルカリ塩である。この反応は、例えば、DDAのアルカ
リ塩としてナトリウム塩を用い、アルカリとして水酸化
ナトリウムを用いた場合、以下の「化1」のように表す
ことができる。
【0011】
【化1】
【0012】即ち本発明は、(1)DDAのアルカリ塩
溶液とアントラキノンとを、アルカリの存在下に反応さ
せる事を特徴とする、アントラハイドロキノンのアルカ
リ塩溶液の製造方法、(2)DDAのアルカリ塩溶液
が、DDAのジナトリウム塩水溶液である(1)記載の
方法、(3)アルカリが、強アルカリ性化合物である
(1)記載の方法、(4)強アルカリ性化合物が、アル
カリ金属の水酸化物である(3)記載の方法、(5)ア
ルカリが、アントラキノンの2モル倍以上のアルカリで
ある(1)記載の方法、(6)反応温度が、50℃以上
200℃以下である(1)記載の方法に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】DDAは、アルカリ性化合物、特
に強アルカリ性化合物の溶液と接触させれば主としてそ
の塩として、溶解度に差はあるものの、溶解する。これ
らの強アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、テト
ラメチルアンモニウムヒドロオキシド等の水酸化第四級
アンモニウム等が挙げられ、その中和反応によって対応
するDDAのアルカリ塩としては、それぞれ対応するジ
ナトリウム塩、ジカリウム塩等のジアルカリ金属塩及び
ジ第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0014】本発明において、上記DDAのアルカリ塩
溶液は、例えば、以下に示す方法により、水溶液として
容易に得ることができる。即ち、1,4−ナフトキノン
と1,3−ブタジエンとのディールス・アルダー反応に
よって得られる1,4,4a,9a−テトラヒドロアン
トラキノン(以下、THAQという)を、当量(THA
Qの2モル倍)以上の水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ性化合物を含むアルカリ性水溶液と接触
させることによりTHAQはDDAに異性化しDDAの
アルカリ塩の水溶液として得ることができる。工業的に
は、この水溶液は、製造設備等の装置効率化を考慮する
と、通常、常温ではDDAの水溶性塩の溶解度に近い2
0〜23重量%の水溶液(以下、DDAの水溶性塩の濃
度は、全てアントラキノンに換算した濃度として表
す。)として得られる。
【0015】従って、本発明において使用するDDAの
アルカリ塩の水溶液の濃度は、本発明の条件に適合する
濃度のアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液が得ら
れるならば、上記濃度のまま使用することもできる。
又、この濃度以下の溶液を使用してもかまわない。本発
明においては、DDAのアルカリ塩溶液としては、一般
に上記のような水溶液を用いるが、DDA及びアントラ
ハイドロキノンのアルカリ塩の溶液状態が保持されるな
らば他の媒体、例えばアルコール等が存在していてもよ
い。
【0016】また、本発明は、DDAのアルカリ塩溶液
を原料とするだけでなく、THAQと等モルのアントラ
キノンとを、THAQの4モル倍以上のアルカリを含む
溶液に添加し反応させる方法で本発明を実施することが
できる。即ち、前述したように、THAQはDDAに異
性化し、DDAのアルカリ塩として溶解し、本発明と同
様に反応してアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液
が得られる。例えば、アルカリとして水酸化ナトリウム
を用いた場合、反応式は、以下の「化2」のように表せ
る。
【0017】
【化2】
【0018】アントラキノンは、理論的には、DDAの
アルカリ塩と等モル用いれば良いが、必要に応じて、等
モル以下でも過剰に用いても差し支えない。等モルより
少ない場合は、主として未反応のDDAのアルカリ塩が
残留するが、使用目的によって許されるならば、この方
法も採用することができる。
【0019】一方DDAのアルカリ塩と等モル以上のア
ントラキノンを用いた場合には、未反応及び過剰分のア
ントラキノンはそのまま得られるアントラハイドロキノ
ンのアルカリ溶液中にスラリーとして残存するので、必
要に応じて、デカンテーション(傾斜法)又はろ過によ
って残存アントラキノンを除去することによって、アン
トラハイドロキノンのアルカリ塩溶液を得ることができ
る。
【0020】具体的には、アントラキノンはDDAのア
ルカリ塩に対して、通常、ほぼ等モル用いるが、未反応
のアントラキノンの除去等の後処理や反応速度等を考慮
して、0.7〜1.1モル倍の範囲で用いる事もでき
る。
【0021】本発明においてアントラキノンは、工業的
に入手可能な粉末状のアントラキノンを用いることがで
きる。一般的には、平均粒子径が30μm程度のものが
容易に得られるが、必要ならば、このような粉末状のア
ントラキノンを更に粉砕して用いてもよい。このように
して、粒子径を小さくすることで、反応速度を高めるこ
ともできる。また、粉砕時に、水性媒体を共存させ、ア
ントラキノンのスラリーとして用いてもよい。
【0022】さらに、DDAのジアルカリ塩溶液を空気
酸化する事で得られるアントラキノンのアルカリ溶液ス
ラリーをそのままDDAのジアルカリ塩溶液と混合し、
加熱反応させることもできる。
【0023】反応に用いるアルカリとしては、アルカリ
金属の水酸化物又は第四級アンモニウム等の強アルカリ
性化合物が好ましい。溶解度や反応性の面からアルカリ
金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムがあげられるが、価格、取扱い面から、特に水酸化ナ
トリウムが望ましい。
【0024】反応に用いるアルカリの量は、添加するア
ントラキノンの2モル倍以上であり、通常は2.02〜
2.10モル倍で良い。過剰のアルカリの存在は、本反
応の反応速度を速くする働きがあるが、過剰のアルカリ
量が多い場合にはその過剰分だけコストが嵩む事にな
る。一方、添加するアルカリの量が不足すると、未反応
のアントラキノンが残るだけでなく、DDAのアルカリ
塩(例えばDDAのジナトリウム塩)のアントロン化が
進行してしまう。
【0025】反応に用いるアルカリとして、DDAのア
ルカリ塩を形成するアルカリと異なる種類のアルカリを
用いた場合、得られるアントラハイドロキノンのアルカ
リ塩は、それらのアルカリ塩の混合塩となるが、その用
途において支障がない限り、このようなアルカリの組合
せであってもかまわない。
【0026】反応温度は通常50°C以上好ましくは6
0°C以上、更に好ましくは90°C以上200°C以
下で行う。反応温度が、50°C以下では反応速度が遅
く、反応温度が高い程反応速度は速くなるが、通常は大
気圧下90℃で2〜4時間、100℃では1〜2時間反
応させれば十分であるが、必要に応じて、加圧下に反応
を行っても良い。
【0027】生成するアントラハイドロキノンのアルカ
リ塩の濃度は、通常室温で取り扱う場合には、アントラ
ハイドロキノンのジアルカリ塩が析出しない様にする為
に、アントラキノン換算で20重量%以下にする事が好
ましい。ただし、加温状態での取扱が出来る場合には、
更に高い濃度のアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶
液として調製する事もできる。
【0028】パルプ蒸解助剤としては、公知の蒸解助剤
と同様に使用することができる。例えば、ソーダ法(有
効アルカリ8〜20重量%)、クラフト法(有効アルカ
リ14〜20重量%、硫化度10〜30重量%)、ポリ
サルファイド蒸解法及び亜硫酸塩蒸解法等のアルカリ蒸
解法において、本発明で得られたアントラハイドロキノ
ンのアルカリ塩の水溶液をパイプライン等で液状供給す
る方法等で有利に使用することができる。
【0029】本発明で得たアントラハイドロキノンのア
ルカリ塩溶液を硫化物の生成抑制剤の原料或いは抑制剤
として用いることもできる。その対象とする「硫酸塩還
元菌」とは、文字通り硫酸塩を還元する能力を有するも
のであればその属や種を問わない。 例えば、用水と廃
水,第31巻第4号,294〜305頁(1989)に
記載されているデスルホビブリオ デスルフリカンス
(Desulfovibrio desulfuric
ans)、デスルホビブリオ バアルシィ(Desul
fovibriobaarsii)、デスルホビブリオ
サポボランス(Desulfovibriosapo
vorans)等の菌種を挙げることができる。
【0030】この硫化物の生成抑制剤として用いる場合
は、硫酸塩還元菌及び硫酸イオンが存在していて硫化水
素が発生する水系に、本発明で得られたアントラハイド
ロキノンのアルカリ塩溶液をそのまま添加することがで
きる。この水系としては、例えば、汚泥、工場排水、ビ
ルピット排水、下水、嫌気性処理系又は油田排水等が挙
げられる。
【0031】工場排水としては、パルプ工場、皮革工場
及び石油工場からの多量の有機物、有機スルホン酸塩、
亜硫酸塩及び硫酸塩を含む排水が挙げられる。下水にお
いては、その管路施設、ポンプ場、終末処理場における
下水が挙げられる。油田排水としては、石油油田の溢流
水等が挙げられる。
【0032】本発明のアントラハイドロキノンのアルカ
リ塩溶液を硫化物の生成抑制剤として適用する場合に
は、使用する水系における有機酸等のエネルギー源、硫
酸イオンの量及び温度等の条件によっても異なるが、一
般に、その水系に対して、アントラハイドロキノンとし
て、0.05〜100ppm、通常0.1〜50pp
m、好ましくは1〜20ppm添加すればよい。
【0033】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明は本実施例によって限定されるものではな
い。
【0034】「実施例1」窒素気流下で水酸化ナトリウ
ム26.3g(0.658モル)を水190mlに溶か
し、THAQ28.5g(0.134モル)を加え60
℃で溶解させて、DDAのナトリウム塩溶液を調整し、
更に粉末状のアントラキノン(平均粒径30μm)2
7.2g(0.131モル)を加え95℃に昇温して
2.5時間反応させた。
【0035】その結果、大部分のアントラキノンは反応
して溶解した。反応終了後室温まで冷却して未反応分を
濾過した所、0.3g(0.0014モル)のアントラ
キノンが濾過残として得られた。また、濾液側に含まれ
るアントラハイドロキノンのジナトリウム塩の濃度を、
過酸化水素で酸化してアントラキノンとしての重量を測
定する方法で調べた結果、19.9重量%であった。濾
過残のアントラキノンから計算して、アントラキノンの
反応率は98.9%であった。
【0036】なお、得られたアントラハイドロキノンの
ジナトリウム塩溶液を、窒素雰囲気下で脱酸素した無水
酢酸中に加えてアセチル化を行い、生成物を単離して、
核磁気共鳴法、赤外線吸収スペクトル法、質量分析法及
び高速液体クロマトグラフィーで同定した結果、アント
ラハイドロキノンのジナトリウム塩から生成する9、1
0−ジアセトキシアントラセンが96重量%以上で、未
反応のDDAのアセチル化物である1,4−ジヒドロ−
9,10−ジアセトキシアントラセンの含有量は3重量
%であった。
【0037】「実施例2」窒素気流下でアントラキノン
換算で10.3重量%のDDAのジナトリウム塩水溶液
120ml(比重1.082、DDAとして0.064
3モル含む)に、水酸化ナトリウム8.0g(0.20
モル)を溶解させた後、「実施例1」と同じアントラキ
ノン10.0g(0.0481モル)を加え95℃に昇
温して2時間反応させアントラキノンを殆ど溶解させ
た。
【0038】以下「実施例1」と同様に後処理及び分析
を実施して濾過残のアントラキノンは0.1g以下、濾
液中のアントラハイドロキノンのジナトリウム塩の濃度
はアントラキノンとして16.2重量%であり、アント
ラキノンの反応率は、99%以上であった。
【0039】「実施例3」窒素気流下でアントラキノン
換算21重量%のDDAのジナトリウム塩水溶液を95
°Cで十分に空気酸化して得られる、アントラキノンの
アルカリ水溶液スラリー162.7g(スラリー濃度;
20.4重量%、アントラキノン0.160モル及び水
酸化ナトリウム0.355モルを含む)に、21重量%
のDDAのジナトリウム塩水溶液176.6g(DDA
として0.178モル含む)を加えて98℃で2時間反
応させた。
【0040】以下「実施例1」と同様に後処理及び分析
を実施して濾過残のアントラキノンは1.2g、濾液中
のアントラハイドロキノンのジナトリウム塩の濃度はア
ントラキノンとして20.6重量%であり、アントラキ
ノンの反応率は96.4%であった。
【0041】「実施例4」水酸化ナトリウム21g
(0.525モル)を水180mlに溶解させたアルカ
リ溶液に、純度88%のTHAQ23.5g(12%の
DHAQを含みTHAQとしては0.0975モル)と
実施例1と同じアントラキノン20.0g(0.096
2モル)を添加して95℃で2.5時間反応させアント
ラキノンの殆どを溶解させた。
【0042】以下「実施例1」と同様にして後処理及び
分析を実施し、濾過残のアントラキノンは0.3g、濾
液中のアントラハイドロキノンのジナトリウム塩の濃度
はアントラキノンとして17.1重量%であり、アント
ラキノンの反応率は98.5%であった。
【0043】なお、THAQ中に含まれていたDHAQ
はアルカリ中で加熱する事で、全てアントラハイドロキ
ノンに異性化するので、最終的には、アントラハイドロ
キノンのジアルカリ塩となっている。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に比較的安価に
大量に製造されて入手が容易なDDAのアルカリ塩及び
アントラキノンとを反応させることにより、容易に且つ
安価にアントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液を製造
する事ができる。これにより今までのコスト面の障害が
克服され、パルプの蒸解助剤又その他工業的な用途とし
ての利用が可能になる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキ
    シアントラセンのアルカリ塩溶液とアントラキノンと
    を、アルカリの存在下に反応させる事を特徴とする、ア
    ントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキ
    シアントラセンのアルカリ塩溶液が、1,4−ジヒドロ
    −9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩
    水溶液である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルカリが、強アルカリ性化合物である
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 強アルカリ性化合物が、アルカリ金属の
    水酸化物である請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 アルカリが、アントラキノンの2モル倍
    以上のアルカリである請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応温度が、50℃以上200℃以下で
    ある請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 1,4,4a,9a−テトラヒドロアン
    トラキノンとアントラキノンとを、アルカリを含む溶液
    中で反応させる事を特徴とする、アントラハイドロキノ
    ンのアルカリ塩溶液の製造方法。
JP33381895A 1995-12-21 1995-12-21 アントラハイドロキノンのアルカリ塩溶液の製造方法 Expired - Fee Related JP3804091B2 (ja)

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