JP4439724B2 - 生物源硫化物の発生を抑制する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
(関連出願)
本出願は、1996年9月24に出願された、同時係属の米国特許出願第08/719120号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、生物源硫化物の発生を抑制する方法を対象とする。詳細には本発明は、水性液系および油タンク内の、硫酸塩還元細菌による硫化物の発生を抑制する方法を対象とする。
【0003】
(発明の背景)
石油工業では、微生物の成長および活性が制御されていないため、作業上、環境上、そして人間への安全性に関する重大な問題が生じる可能性がある。微生物の成長および活性によって引き起こされ、または増大する問題には、腐蝕、固形分の生成、および硫化水素(H2S)の発生が含まれる。
【0004】
石油工業において、嫌気性環境でのH2S発生の主な原因となる微生物は、硫酸塩還元細菌である。この生物体はどこにでも存在しており、ほとんどどのような環境でも成長することができる。この生物体は、石油製造システムに関連する水の中に日常的に見出され、冷却水システム、製紙システム、および石油精製を含むほとんどすべての工業的な水のプロセスで見出すことができる。
【0005】
硫酸塩還元細菌の活性および成長の要件には、十分な栄養分、電子供与体、および電子受容体を含有する嫌気性(酸素がない)水溶液が含まれる。一般的な電子受容体とは、還元されるとH2Sを生成する硫酸塩である。一般的な電子供与体は揮発性脂肪酸(例えば乳酸、酢酸、またはプロピオン酸)であるが、水素も電子供与体として働くことができる。海水による冠水を受ける油タンクの状態は、硫酸塩還元細菌の活性を確立するのに優れている。海水は、非常に高い濃度の硫酸塩を含有し、一方、遺留水または土着地層水は、揮発性脂肪酸およびその他の必要とされる微量の栄養分を含有する(例えば窒素、リン)。この2種の水が油タンク中で混合されることにより、硫酸塩還元細菌の活動に不可欠な条件のすべてが与えられる。この条件は、油タンクサワリングと呼ばれる油タンク内での硫化物の発生をもたらす。
【0006】
硫化水素は腐蝕性であり、金属表面と反応して不溶性の硫化鉄腐蝕生成物を形成する。その上、H2Sは、水、油、および生成される流体の天然ガス相に分配され、いくらかの問題が生じる。例えば、高濃度のH2Sを含有する油およびガスは、低硫化物油およびガスよりも商用価値が低い。サワーオイルおよびサワーガスから生物源H2Sを除去することによって、これらの生成物のコストが上昇する。硫化水素は極めて有毒なガスであり、低濃度であっても人間に直ちに死をもたらす。したがって、油田に硫化水素が存在すると、作業者の安全性が脅かされる。生成された、高濃度のH2Sを含有する水を水上環境または海洋環境に放出すると、H2Sと酸素が反応して水中に溶解した酸素濃度を低下させるため、有害である。
【0007】
石油の製造に関連して油タンクから生成された水、特に海水による冠水から得られた水は、一般に硫酸塩還元細菌および必要とされる栄養分を含有する。表面設備(例えばパイプライン、容器、タンク)の状態は、通常、硫酸塩還元細菌の活性に非常に好ましい。さらに、それらは油田に見出される広範囲の温度で活性化し、成長することができる。表面設備内が低温であると、油タンク内が高温である場合に比べて微生物の成長が何倍も増大する。石油製造の作業では、鋼製の容器、パイプライン、およびタンクの酸化腐蝕を回避するためにその環境が通常酸素の無い状態に保たれるため、嫌気性硫酸塩還元細菌の成長に都合が良い。しかし、そのような系が好気性であるとしても、好気性菌による酸素消費のため、生物膜の下の金属表面(基層)上には、局在化した嫌気性条件が維持される。
【0008】
表面設備内の硫酸塩還元細菌の活性は、H2Sを生成する源であり、腐蝕を引き起こし、その結果、固体腐蝕生成物が生成されて、圧入井の水圧入パーフォレーションが詰まるなどの操作上の問題が生じる可能性がある。(生成した水は、2次的な油を回収するために累層にしばしば再圧入され、または油タンクの異なる部分に圧入することによって処分することができる。)硫酸塩還元細菌を抑制することによってH2Sの生成が減少し、鋼表面の嫌気性腐蝕を停止させ、それによって固形分の形成が減少する。
【0009】
硫酸塩還元細菌によって引き起こされる腐蝕(点食)は、しばしば多大な損害をもたらす。パイプシステム、タンク底部、およびその他の油製造装置の部品は、微生物による腐蝕が生じている領域がある場合、すぐに故障する可能性がある。パイプラインまたは油貯蔵タンクの底部に故障が生じる場合、放出される油は、深刻な環境問題を引き起こす可能性がある。高圧の水またはガスのラインに故障が生じると、作業者は負傷しまたは死に至る。どのような故障も、相当な修理または交換コストが必要である。
【0010】
硫酸塩還元細菌活性を緩和する可能性がある方法には、温度制御、代謝物質の除去、pH調整、Eh制御、放射、濾過、塩分制御、化学制御(例えば酸化剤、殺生物剤、酸、アルカリ)、固形分制御(例えばパイプラインの内表面のピッギングまたは削落し)、および細菌学的制御(例えばバクテリアファージ、酵素、寄生細菌、単クローン抗体、競合微生物相)が含まれる。これらの方法のいくつかは硫酸塩還元細菌を死滅させ、一方その他の方法は、硫酸塩還元細菌に十分ストレスを与えまたは妨げて、その活性を抑制する。
【0011】
上述の方法のほとんどは、そのコスト、または下流プロセスに与える可能性のある影響のため、油田で具体化するのには実用的でない。例えば、滅菌温度まで加熱することによって、微視的な細菌を濾し取ることによって、または栄養分(例えば硫酸塩)を除去することによって大量の水の処理すると、装置が大型になりエネルギー必要量も大きくなるために法外な費用がかかる。プロセス流から細菌を除去しまたは死滅させることは、100%効果的でなければならず、そうでない場合は、残存する細菌が指数関数的に増加して、下流表面で再びコロニーを形成するであろう。その上、すべての下流表面は、硫酸塩還元細菌緩和プロセスを上流で実施する前に滅菌しなければならず(すなわち細菌が存在しない)、そうしないと硫酸塩還元細菌が生物膜内に存続する。
【0012】
油田パイプラインシステム内で硫酸塩還元細菌を制御する2つの一般的な方法は、ピッギングと、殺生物剤による処理である。ピッギングは、パイプ表面の生物膜を除去し、または粉砕するのに必要である。ピッギングは、腐蝕している陽極領域に対して陰極としての役目をする可能性がある、多くの硫化鉄堆積物を除去することもできる。ピッギングは、厚い生物膜が存在する場合に十分効果的であるが、薄い生物膜および薄い硫化鉄堆積物の場合、ピッグの削取り動作では目に見えるほどの影響を受けない。次に、殺生物剤処理および界面活性剤−殺生物剤の処理を広範に使用して、油田システム内の細菌の活性を制御する。ピッギングと共に組み合わせた処理は、化学的処理のみの場合よりも効果的である。しかし処理は、固定されたスケジュールで日常的に行わなければならず、そうでない場合は、細菌の個体数が著しく増加し、ましてその制御はなお困難になる。殺生物剤による処理後の浮遊性細菌の数は、腐蝕プロセスに関与する定着性細菌に対して相関性を持たない可能性があるという理由で、処理の有効性の監視には定着性バクテリアを含めなければならない。
【0013】
生物膜は殺菌性薬剤に対する抵抗力が非常に大きいため、パイプラインから生物膜をすべて無くすことは困難であることが判った。定着相の(生物膜の)細菌を死滅させるのに必要とされる殺生物剤の濃度は、たいていの場合、浮遊相または浮漂相の細菌の場合に必要とされる濃度よりも高い。(Blenkinsopp、S.A.、Khoury、A.E.およびCosterton、J.W.、「Electrical enhancement of biocide efficacy against pseudomonas aeruginosa biofilms」、Applied and Environmental Microbiology、58、No.11、p.3770、1992。)これは、生物膜の豊富なエキソポリサッカライドマトリックスの役割のためである可能性がある。生物膜が成長する形態での耐拡散性は、生物膜の細菌を、同様の生物体の浮遊性細胞を死滅させるのに必要な殺生物剤の濃度と同じ濃度からその2倍の濃度で容易に死滅させることができるように、比較的弱いDC(直流)電界をかけることによって克服できることが提示された。この新しい技術は技法上有効であるが、この技術を商用パイプラインシステムに適用することは実用的ではない。
【0014】
(発明の概要)
最も広い態様において、本発明は、活性硫酸塩還元細菌を含有する嫌気性生物膜を有するシステム内で、生物源硫化物の発生を抑制する非殺生物的方法を対象とし、この方法は、生物膜と、アントラヒドロキノン化合物のアルカリ金属塩の溶液とを接触させることを含み、それによってアントラヒドロキノン塩が生物膜の細孔を通過し、生物膜内に拡散して硫酸塩還元細菌と接触する。
【0015】
第2の態様では、本発明は、液体が乱流となって輸送されるパイプライン内で生物源硫化物の発生を抑制する方法を対象とし、この方法は、アントラヒドロキノンのアルカリ金属塩の溶液を、流動する液体にプラグとして導入することを含み、その体積は、パイプ内の所与の点と少なくとも1分間接触するのに十分である。
【0016】
(詳細な説明)
生物膜:
生物膜は、下層に付着した細菌コロニーの不均一な蓄積物である。これは「生物膜」として特徴付けられるが、完全に生物学的でもなく、「膜」という単語の従来の意味において連続的でもない。
【0017】
最近の研究は、生物膜が、水性媒質に浸漬された下層上に固定化した、離散的な細菌の微小コロニーからなることを示しており、この微小コロニーは、対流を生じさせることが可能な水のチャネルによって分割されている。微生物細胞は一緒に保持され、細胞外のポリマー物質によって下層表面に保持される。本発明の文脈では、媒質(「基体」とも呼ばれる)は嫌気性液体であり、生物膜中の細菌の少なくとも相当部分が硫酸還元されている。しかし生物膜は、その他の共存する細菌種を含有することが可能である。加えて生物膜は、細胞外酵素などの外部材料、溶質、および腐蝕生成物や沈泥、粘土粒子などの無機混在物を含有することが可能である。
【0018】
図1は、金属下層1に付着した生物膜の概略図である。図示するように、細菌の薄い連続層3は下層1に直接付着している。しかし、この層3は常に連続しているとは限らず、その連続性は、この環境での本発明の効力には関係しない。場合によっては、水性媒質7が流れることが可能なチャネルがその間に存在している一連の細菌細胞クラスタ5が薄い細菌層3に付着し、かつ/または下層1に直接付着している。細菌細胞クラスタ5が多孔性であるため、水性媒質7およびそこに分散する材料はその構造に入り、その構造内で細菌と接触することができる。
【0019】
アントラヒドロキノンの機能性および適用
殺生物剤は硫酸塩還元細菌を死滅させることを目的とするが、アントラヒドロキノンはその活性を抑制する。研究から得られた結果は、アントラヒドロキノンが硫酸塩還元細菌によるアデノシン三リン酸の生成を妨害し、それによって、硫酸還元を経た細菌の呼吸能力が除去されることを示している。硫酸還元がないと、H2Sは細菌によって生成されない。
【0020】
殺生物剤は非常に反応性があり、その性質が原因となって、投与量が少ない場合、生物膜に浸透する際の有効性が限定されると考えられる。様々な形のアントラヒドロキノンの並外れた有効性は、その非反応性にある。これらの生成物は生物膜内に運ばれ、生物膜の空隙内に拡散し、次いで、生物膜の成分と反応した結果濃度が減少するということなく、細菌の微小コロニーに拡散し、またはブラウン運動によって細菌の微小コロニーにランダムに運ばれる。これらのアントラヒドロキノン材料は、生物膜中に存在するその他の細菌またはエキソポリサッカライドマトリックスの影響を受けない。
【0021】
硫酸塩還元細菌の活性を抑制するためにアントラヒドロキノンの固体粒子が必要な場合であっても、アントラヒドロキノンは、いくつかの物理的な形で微生物環境に導入することができる。アントラヒドロキノン化合物をその固体粒子の分散液として導入することができ、一方アントラヒドロキノンをイオン(ナトリウム塩)の形にすると、pHが12より大きく、好ましくはpHが13より大きい嫌気性の苛性アルカリ溶液に対してアントラヒドロキノンを可溶にすることができる。溶液のpHが約12より大きい状態であり続ける場合、塩は可溶な状態のままである。固体アントラヒドロキノンの沈澱は、pHがこの値より下がるときに生じる。可溶な形の場合、または沈澱したアントラヒドロキノンがわずかな量である場合(一般にコロイド状の形である)が存在する場合、アントラヒドロキノンはイオンの形にあり、または非常に小さい(サブミクロンサイズの)粒子として存在する。次いでアントラヒドロキノンのイオンまたはコロイド状粒子は生物膜内を自由に移動することができ、したがって硫酸塩還元細菌細胞と容易に接触する。アントラヒドロキノンと硫酸塩還元細菌との接触、およびアントラヒドロキノンの細胞膜内への分配により、生物体のアデノシン三リン酸の生成が妨害される。その上、生物膜内のpHが減少すると(生物膜内のその他の細菌から酸が生成されるため、またはpHの低い流体が管内をさっと通り過ぎるため)、生物膜内の溶液から、より小さいアントラヒドロキノン粒子が沈澱する。これによって生物膜内の硫酸塩還元細菌が追加のアントラヒドロキノン粒子にさらされ、アントラヒドロキノンによる処理の効力が助長される。
【0022】
また可溶化したアントラヒドロキノンのキャリアであるアルカリ金属水酸化物溶液、例えばNaOH溶液(苛性アルカリ溶液)は、界面活性剤として作用することによって処理の有効性を高める。苛性アルカリ溶液は、生物膜の粉砕を助け、生物膜が管壁から崩れ落ちる傾向を高める。またpHが高い溶液は、生物膜中のすべての細菌に衝撃を与え、アントラヒドロキノンが存在しない場合でさえ全活性を低下させる。廃水処理システムの実地調査によれば、生物源硫化物の生成は苛性アルカリおよび可溶性アントラヒドロキノンの両方の処理によって緩和されるが、抑制が最大に行われるその度合いは、可溶性アントラヒドロキノンによる処理の場合よりも高く、硫化物生成の当初レベルへの回復は、苛性アルカリによる処理の場合よりも速く生じることが示された。
【0023】
可溶性アントラヒドロキノン塩による処理を実施するプロトコルは、比較的簡単である。溶液は、一般に活性アントラヒドロキノンを約10%の濃度で含有する。溶液は貯蔵タンクから、処理される水を輸送するパイプラインに送り込まれる。一般に、スラグ投入量の溶液が注入される。パイプライン内にスラグを得るために十分な溶液を注入し、このとき接触時間約10分で、活性アントラヒドロキノンの濃度は重量で約250ppmである。スラグは1分間で50ppmのみでよい場合もあるが、処理がより困難なその他のシステムでは、硫化物の生成を十分に抑制するために30分間で1000ppmを必要とするであろう。スラグ投入要件は、生物膜の組成、厚さ、および強靭性と、生物膜に関連する炭化水素成分の存在の関数である。流れる水の速度、管の直径および長さ、水のpHおよび緩衝能力も、可溶性アントラヒドロキノンの要件に影響を及ぼす。スラグの分散は、パイプライン内を流下するとき、スラグの前にかつスラグの後に、スラグのpHを下げる傾向がある。分散は、管の直径、管のベンド数、およびスラグが移動する距離の関数である。(Perkins、T.K.およびJ.A.Euchner、「Safe purging of natural gas pipelines」、SPE Production Engineering、p.663、1988)スラグは、分散が最小限に抑えられ、高いpHにある長さ(すなわちバルクスラグ)がその高いpHで少なくとも1分の接触時間を与えるのに十分であるように、注入される。一般に、短い接触時間でアントラヒドロキノン濃度が高いほうが、長時間にわたり低濃度であるよりも効果的であるが、注入されるスラグの濃度が限定されるように周囲の状況が支配する場合がある。このような1つの周囲の状況とは、処理される水が、その水のpHを約9.5よりも高くすることによってスケールの形成が引き起こされるように、可溶性金属(特にカルシウム)および十分な重炭酸イオンを含有する場合である。これは、非常に多い量の可溶性アントラヒドロキノン塩がこの水に導入される場合に生じる。その上、スケール形成プロセスは、アントラヒドロキノンが溶液から沈澱するレベルにpHを緩衝する。スケールとアントラヒドロキノンが一緒に沈澱することによって、全体的な処理の有効性が低下する。最終の水のpHが約9.5よりも低くなるように、この水に導入される可溶性のpHの高い溶液の量を制限することによって、十分なアントラヒドロキノンの溶解度を依然として維持しながらスケールの形成量を最小限にする。pHが約9.0より少ない場合、スケールは形成されない。しかし、pHが低いために相当なアントラヒドロキノンが沈澱し、それによって処理の全体的な有効性が低下する。
【0024】
アントラヒドロキノンのスラグ注入の回数は、硫化物の監視結果に基づく。注入は、硫化物濃度を所定レベルよりも低く維持するのに十分な回数のみ必要である。一般に、注入は1週間おいて行うが、その回数は1日おきに頻繁に、または1ヵ月あたり1回ごくまれに行ってもよい。油製造プラットホーム上などの長さが短い配管システムでは、一般に低濃度で毎日注入を行う必要があるが、長さが長い水輸送パイプラインでは、一般に高濃度で週単位または月単位で注入を行う必要がある。
【0025】
処理の効力は、パイプラインのピッギングプログラムを維持することによって増大する。アントラヒドロキノンで処理する前にラインをピッギングすると、生物膜が妨害され、その厚さが減少し、固体の硫化鉄堆積物が除去され、それによってアントラヒドロキノンの有効性が著しく増大する。
【0026】
アントラヒドロキノンは空気中で急速に酸化してアントラキノンになるため、一般にアントラヒドロキノンの固体粒子の水性分散液を用いた処理は、ほとんどの適用例で費用効果がない。この性質のため、純粋なアントラヒドロキノンを経済的に製造することは困難である。その上、固体のアントラヒドロキノンは、硫酸塩還元細菌の活性を抑制するために、非常に小さい粒子(約2マイクロメートル未満)の水性分散液として調製しなければならない。この調製は嫌気性環境で行わなければならず、そうでない場合はアントラキノンが最終生成物になる。しかし、アントラキノン自体は生物源硫化物発生の抑制剤である。アントラヒドロキノンの水性分散液を用いた処理では、pHの調整は重要ではない。可溶性材料の場合のように、不溶性アントラヒドロキノンによる処理は、スラグがパイプラインを流下するとき、十分な接触時間、アントラヒドロキノンが高濃度に維持されるように行うべきである。
【0027】
好ましく、より費用効果のある処理は、アントラヒドロキノンの水溶性二アルカリ金属塩を、処理される、流れている水に注入することである。分子状アントラヒドロキノンの沈澱物(pH低下のため)は、サイズが一般に1マイクロメートル未満のコロイド状粒子の形である。次いでこれらの小さい粒子は、生物膜を容易に浸透し、硫酸塩還元細菌と接触し、粒径が小さいために硫化物生成の抑制を効果的に行うことができる。
【0028】
多数のベンドを有する長いパイプラインでは、かつ/または流れが層流であるパイプラインでは、アントラヒドロキノンのアルカリ金属塩を含有する水のスラグの分散が著しくなる可能性がある。これは、スラグの前縁および後縁が流れる水と混合する際、スラグ中のアントラヒドロキノンの濃度を所期のレベルよりも低下させる原因となる。その上、これらの「尾(tail)」のpHがより低いために、アントラヒドロキノンの沈澱が生じ、処理の有効性を低下させる可能性がある。前縁の「尾」は、アントラヒドロキノン溶液の注入を開始する前に、直ちにパイプライン内にピッグを発進させることによって無くすことができる。ピッグは、レイノルズ数が低い流れであっても、かつ/またはパイプラインに多数のベンドが存在する場合であっても、アントラヒドロキノン−水のスラグと水との混合に対するバリアとしての役目をする。その上、ピッグはその削取り動作によって、生物膜の厚さを減少させるのに役立ち、多くの硫化鉄およびその他の固体堆積物を除去する。これらのファクタのすべては、アントラヒドロキノンによる処理の有効性を増大させるのを助ける。しかし、アントラヒドロキノン−水のスラグの後を追うピッグは、生物膜内に浸透したアントラヒドロキノンを除去するために、この処理にとっては有害である。
【0029】
いくつかの適用例では、アントラヒドロキノンと殺生物剤または酸化剤を組み合わせて使用することによって、アントラヒドロキノンによる処理の有効性を高めることができる。殺生物剤/酸化剤は、表面上の生物汚れの量を減少させるのに必要とされるであろうし、アントラヒドロキノンは、硫酸塩還元細菌の活性の長期間の抑制に関与する。これは、アントラヒドロキノンで処理する前に、生物汚れの問題または厚い生物膜が確立された適用例の場合、特にそうである。アントラヒドロキノン単独では、生物膜を浸透して硫酸塩還元細菌を不活性にするが、その他の細菌およびその結果生じる生物的および非生物的生成物(特に硫化鉄)が依然として壁に存在し、腐蝕などの追加の問題に寄与する可能性がある。アントラヒドロキノン−殺生物剤の組合せによる適用例、例えば材料を交互に用い、またはアントラヒドロキノンで処理する代わりに殺生物剤で周期的に処理するなどの適用例は、どちらかの材料を個別に使用するよりも効果的である。
【0030】
アントラヒドロキノン化合物および配合
本発明の方法では、広く様々なアントラヒドロキノン化合物を使用することができるが、ある種の9,10−アントラヒドロキノンとそのアルカリ金属塩を使用することによって、著しく優れた結果が得られることがわかった。具体的には、アントラヒドロキノン自体(9,10−ジヒドロキシアントラセン)、9,10−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン、およびその混合物である。これらの化合物の水溶性の形は、そのアルカリ金属塩である。
【0031】
より詳細には、水不溶性の形と水溶性の形は、両方とも使用することができる。非イオン性化合物は、水性系に対して非常に溶けにくいが、イオン性の誘導体は二アルカリ金属塩であり、水に非常に溶けやすい。水溶性の形は、pHが高い嫌気性流体中でのみ安定である。pHが低い流体(pHが約12未満)は、不溶性の分子状アントラヒドロキノンを形成する。好気性溶液は、アントラヒドロキノンからアントラキノンへの酸化を引き起こす。したがってアントラヒドロキノンは、空気に曝された環境では長期にわたり存在しない。これらの理由で、アントラヒドロキノンによる処理は、通常、苛性アルカリ溶液に可溶な形で実施される。経済的な理由で、NaOH溶液がその他のアルカリ金属よりも好ましい。
【0032】
硫酸塩還元細菌を処理するために殺生物剤を使用するのとは異なり、本発明で使用するアントラヒドロキノン化合物は、硫酸塩還元細菌を死滅させずに単に硫化物を生成する活性を抑制するだけである。非常に興味深いことに、アントラヒドロキノン化合物のアルカリ金属塩の活性な種は水不溶性化合物であり、硫酸塩還元細菌の電子移動プロセスを明らかに変化させると考えられている。水不溶性化合物を有効にするため、それらを生物膜内に分散できる程度にまで非常に微細に分割しなければならない。アルカリ金属塩溶液のpHを下げることによって、生化学的に活性なアントラヒドロキノンの極めて小さい粒子が形成され、この粒子が生物膜中に容易に分散し、下層を被覆する。
【0033】
活性な種がアントラヒドロキノン化合物の不溶な形であるようだという事実にもかかわらず、水溶性のアントラヒドロキノンの形を使用することがそれにもかかわらず好ましいが、これは、水溶性のアントラヒドロキノンが生物膜中に拡散し、そのため硫酸塩還元細菌により容易に接触するためである。イオンの形のアントラヒドロキノンの活性は、そのイオン(すなわち金属アルカリ塩)の形から非イオン(すなわち分子)の形への変換によって得られるようであり、それによって、硫酸塩還元細菌に付着する非常に微細な粒子として沈澱する。
【0034】
可溶性のアントラヒドロキノンを使用しても不溶性のアントラヒドロキノンを使用しても、アントロヒドロキノン粒子の細菌への機能的な付着は、硫酸塩還元細菌による粒子の代謝による時間内に制限されることが観察された。したがって、処理する媒質の適用は、抑制の有効性を維持するために周期的に繰り返さなければならない。
【0035】
組成物は、硫化物の生成を抑制する十分な量が、硫酸塩還元細菌を含有する媒質に添加される。水性媒質中の重量が0.1ppm程度に小さいと、多くの用途に著しい抑制をもたらす。好ましい方法では、媒質中の活性なアントラヒドロキノンの濃度は少なくとも1ppmであり、好ましくは1〜50ppmである。最大1000ppmのように高い濃度のものは、特に非常に長いパイプラインを処理する場合に使用することができる。
【0036】
ピッギング手順:
図2は、ピッギング(または削取り)操作用の設備を有する、液体輸送用の一般的なパイプラインの概略図である。ラインを通る液体の流れは、上流弁Bおよび下流弁Gを通る主パイプライン1内に向けられ、これらの弁は、通常のパイプライン動作中、両方とも開いている。通常のパイプライン動作中、スタータライン3の弁Cおよびスクレーパ出口ライン7の弁Aは閉じ、加圧ライン9の弁Dは開いている。
【0037】
スクレーパ(ピッグ)を発進させることが望まれる場合、主パイプライン1と、出射スクレーパバレル5とをライン3を介して接続する弁Cをゆっくり開いて、スクレーパを含む発進バレル5の圧力を上げ、パイプラインの圧力を最大限にする。発進バレル5が最大限のパイプライン圧力に達した後、加圧ライン9の弁Dを閉じ、スクレーパ出口ライン7のスクレーパ出口弁Aを開く。次いで弁Bをゆっくりとピンチダウンすることによって、発進バレル内の差圧を高め、スクレーパと発進バレルの間の摩擦を克服する。スクレーパは、スクレーパ出口弁Aおよびスクレーパ出口ライン7をゆっくりと通過し、主パイプライン1の完全流に入る。スクレーパを発進させた後、弁Bを完全に開き、弁AおよびCを閉じる。さらに、スクレーパ戻しラインの弁F、主パイプラインの弁G、およびスクレーパ受取りラインの弁Hを開ける。次いでスクレーパがパイプライン1、スクレーパ戻しライン11、および弁Fを通って受取りバレル13に入る。
【0038】
スクレーパが抑制剤送りライン17の接合部および主パイプライン1を通るとき、抑制剤送り弁Eが開いて、アントラヒドロキノン化合物が主パイプラインに注入される。次いで、選択された量のアントラヒドロキノン化合物が主パイプライン1に注入され次第、弁Eを閉じる。
【0039】
スクレーパが受取りバレル13に達するとすぐに、主パイプラインの弁Gを完全に開いたままにして弁FおよびHを閉じる。受取りバレル13内の圧力を排出させることによって、バレル13を開けてスクレーパを除去することができる。
【0040】
(実施例)
実施例1
Desulfovibrio desulfuricans G100Aによる硫化物生成のアントラヒドロキノン抑制
凍結したDesulfovibrio desulfuricants G100A培養物1mLを解凍し、還元修飾されたBTZ−3培地10mLが入っている、隔壁キャップされた管に注入し、30℃で3日間インキュベートした(この実験中、移動、材料の添加、およびサンプリングのすべては、周囲温度の嫌気性チャンバ内で行った。インキュベーションは、このチャンバの外側で行った。)この培養物5mlを、還元BTZ−3培地50mlが入っている、60mlの隔壁キャップされた血清瓶に移し替え、30℃で一晩インキュベートした。この培養物3mlを、隔壁クロージャでキャップされた60mLの血清瓶に入っている、修飾されたPostgate′B培地50mlに移した。このようにして、合計6本の培養物を調製した。次いで4本を、2種の濃度(100ppmおよび500ppm)の下記アントラヒドロキノン塩溶液を2つずつ用意して処理したが、この処理は、マイクロリットルの注射器を用いて材料を隔壁瓶に注入し、その瓶を振盪させることによって行った。6本の瓶のうち2本は、未処理の対照としてそのままにした。
【0041】
試験されたアントラヒドロキノン材料は、適切な量のアントラキノン、水素化ホウ素ナトリウム、水酸化ナトリウム、および水を、80℃〜85℃で窒素雰囲気中で6時間反応させ、得られた液体を95℃で2時間加熱して未反応の水素化ホウ素ナトリウムを分解し、次いでこの溶液を周囲温度に冷却することによって調製した。得られたpH>13の明赤色溶液を濾過して、いかなる未反応のアントラキノンも固体不純物も除去し、窒素環境下で保存した。この溶液の核磁気共鳴分析によれば、少なくとも3種のアントラキノン還元誘導体、すなわち9,10−ジヒドロキシアントラセン、9,10−ジヒドロアントラヒドロキノン、およびオキシアントロンの、ナトリウム塩の混合物であることが示された。この溶液の試料を酸性化し、濾過し、かつ酸化することによって、塩をアントラキノンに変換した。定量分析によれば、この溶液は、10.1重量%当量のアントラキノンを含有することが示された。
【0042】
これらの瓶を処理した後、以下の手順に従い、各培養物について時間0での硫化物測定を行った。
【0043】
1)試料0.5mLを除去し、これを1N HClが0.1ml入っている3mlの真空容器(vacutainer)に注入する。
【0044】
2)真空容器の試料を10分間そのままにし、次いでその試料を嫌気性チャンバから取り出す。気密な注射器を使用して、気相0.15mlを除去する。この気体を、pH8の水が1.8mL入っている、パラフィルムで覆われたキュベットにゆっくりと注入し、パラフィルムを通して針をすばやく除去し、余分なパラフィルムでキュベットを初期の所定位置に回復させる。キュベットを数回逆さにする。
【0045】
3)N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン(DPD)試薬0.2mLをキュベットに添加する。キュベットを数回逆さにし、30分間で青色を顕色させる。
【0046】
4)分光光度計でOD670を読む。その読みが試験瓶中の硫化物濃度に比例するようにするため、OD670が検量線の線形部分内にあることを確認する。
【0047】
時間0での硫化物の読取りを行うために試料を採取した後、血清瓶を嫌気性チャンバから取り出し、30℃のインキュベータ内に置いた。試料は、硫化物の分析のため、上述と同じ手順によって、時間0から21時間、27時間、45時間、69時間、および131時間後に血清瓶から採取した。硫化物の分析による結果は、OD670の読みとして得られ、これを表Iに示す。
【0048】
結果は、アントラヒドロキノン塩溶液が、Desulfovibrio desulfuricans G100Aによる硫化物の発生を効果的に抑制することを、争う余地なく示している。
【0049】
【表1】
アントラヒドロキノン塩溶液の使用による硫化物発生の抑制
Figure 0004439724
【0050】
これらのデータは、アントラヒドロキノン塩溶液の濃度が重量で100ppm*程度に低い場合でさえ、27時間にもわたって硫化水素の発生を明らかに抑制することを示しており、また濃度が500ppm**では69時間にもわたって明らかに抑制することを示している。データは、69時間と131時間の場合それほど明白なものではなく、それは主に2つの要因のため、すなわち(1)試験は静的であり、試験中に形成された不溶性アントラヒドロキノン粒子は沈降する傾向にあり、したがって試験培地中に分散する細菌と接触する時間が短いためであり、(2)アントラキノン粒子が若干凝集して粒子の表面積を減少させるためである。このために抑制が弱まる。静的抑制試験の厳しさにもかかわらず、データによれば、接触効率が維持される限り極めて低い濃度で、アントラヒドロキノン粒子が硫化水素の発生を抑制することが、明らかに示されている。
【0051】
*重量で100ppmの溶液濃度は、アントラヒドロキノン塩13ppmに相当する。
【0052】
**重量で500ppmの溶液濃度は、アントラヒドロキノン塩65ppmに相当する。
【0053】
実施例2
Desulfovibrio desulfuricans G100Aによる硫化物生成のアントラヒドロキノン抑制
凍結したDesulfovibrio desulfuricans G100A培養物1mLを解凍し、還元修飾されたBTZ−3培地10mlが入っている、隔壁キャップされた管に注入し、30℃で3日間インキュベートした。(この実験中、移動、材料の添加、およびサンプリングのすべては、周囲温度の嫌気性チャンバ内で行った。インキュベーションは、このチャンバの外側で行った。)この培養物5mlを、還元BTZ−3培地50mlが入っている、60mlの隔壁キャップされた血清瓶に移し替え、30℃で一晩インキュベートした。この培養物3mlを、隔壁クロージャでキャップされた60mLの血清瓶に入っている、修飾されたPostgate′B培地50mlに移した。このようにして合計で6本の培養物を調製した。次いで4本を、2種の濃度(140ppmおよび700ppm)の下記アントラヒドロキノン塩溶液を2つずつ用意して処理したが、この処理は、マイクロリットルの注射器を用いて材料を隔壁瓶に注入し、瓶を振盪させることによって行った。6本の瓶のうち2本は、未処理の対照としてそのままにした。
【0054】
試験されたアントラヒドロキノン材料は、適切な量のアントラキノン、ホルムアミジンスルフィン酸、水酸化ナトリウム、および水を、室温で24時間より長い時間反応させることによって調製した。得られた深赤色溶液のHPLC分析によれば、この溶液が9,10−アントラキノンを7.13%当量含有することが示された。同じ反応物で調製した別の溶液を、その後、窒素環境下で希釈HClで中和して、黄色のアントラヒドロキノン沈澱物を得た。窒素環境下に置いたまま、このスラリを濾過し、ケークを脱イオン水で洗浄して、水溶性の副生物である不純物を除去した。この後、洗浄した固形分を脱気した水に再懸濁し、脱気した水酸化ナトリウム溶液で再度アルカリ化した。次いでこの深赤色溶液を回転式蒸発器で乾燥して、微結晶質固体を形成し、これをその後、核磁気共鳴により分析した。そのスペクトルは、固体が純粋な物質である9,10−ジヒドロキシアントラセンの二ナトリウム塩であることを示していた。
【0055】
これらの瓶を処理した後、以下の手順に従い、各培養物について時間0での硫化物測定を行った。
【0056】
1)0.5mLの試料を除去し、これを1N HClが0.1ml入っている3mlの真空容器(vacutainer)に注入する。
【0057】
2)真空容器の試料を10分間そのままにし、次いで試料を嫌気性チャンバから取り出す。気密な注射器を使用して、気相0.15mlを除去する。この気体を、pH8の水が1.8ml入っている、パラフィルムで覆われたキュベットにゆっくりと注入し、パラフィルムを通して針をすばやく除去し、余分なパラフィルムでキュベットを初期の所定位置に回復させる。キュベットを数回逆さにする。
【0058】
3)n,n−ジメチル−p−フェニレンジアミン(DPD)試薬0.2mlをキュベットに添加する。キュベットを数回逆さにし、30分間で青色を顕色させる。
【0059】
4)分光光度計でOD670を読む。その読みが試験瓶中の硫化物濃度に比例するようにするため、OD670が検量線の線形部分内にあることを確認する。
【0060】
時間0での硫化物の読取りを行うために試料を採取した後、血清瓶を嫌気性チャンバから取り出し、30℃のインキュベータ内に置いた。試料は、硫化物の分析のため、上述と同じ手順によって、時間0から21時間、27時間、45時間、69時間、および141時間後に血清瓶から採取した。硫化物の分析による結果は、OD670の読みとして得られ、これを表2に示す。
【0061】
結果は、アントラヒドロキノン塩溶液が、Desulfovibrio desulfuricans G100Aによる硫化物の発生を効果的に抑制することを、争う余地なく示している。
【0062】
【表2】
9,10−ジヒドロキシアントラセンの二ナトリウム塩溶液の使用による硫化物発生の抑制
Figure 0004439724
【0063】
これらのデータは、アントラヒドロキノン塩溶液の濃度が重量で140ppm*程度に低い場合でさえ、27時間にもわたって硫化水素の発生を明らかに抑制することを示しており、また濃度が700ppm**では69時間にもわたって明らかに抑制することを示している。
*重量で140ppmの溶液濃度は、9,10−ジヒドロキシアントラセンの二ナトリウム塩13ppmに相当する。
【0064】
**重量で700ppmの溶液濃度は、9,10−ジヒドロキシアントラセンの二ナトリウム塩65ppmに相当する。
【0065】
実施例3
Desulfovibrio desulfuricans G100Aによって硫化物生成を抑制する際の、2種の異なるアントラヒドロキノン塩溶液の比較
凍結したDesulfovibrio desulfuricans G100A培養物1mLを解凍し、還元修飾されたBTZ−3培地10mlが入っている、隔壁キャップされた管に注入し、30℃で3日間インキュベートした。(この実験中、移動、材料の添加、およびサンプリングのすべては、周囲温度の嫌気性チャンバ内で行った。インキュベーションは、このチャンバの外側で行った。)この培養物5mlを、還元BTZ−3培地50mlが入っている、60mlの隔壁キャップされた血清瓶に移し替え、30℃で一晩インキュベートした。この培養物3mlを、隔壁クロージャでキャップされた60mlの血清瓶に入っている、修飾されたPostgate′B培地50mlに移した。このようにして、合計で14本の培養物を調製した。次いで12本について、2種の異なる下記アントラヒドロキノン塩溶液を3種の濃度(相当する9,10−アントラキノンを5、10、および50mg/l)で2つずつ用意して処理したが、この処理はマイクロリットルの注射器を用いて材料を隔壁瓶に注入し、瓶を振盪させることによって行った。14本の瓶のうち2本は、未処理の対照としてそのままにした。
【0066】
試験されたアンドラヒドロキノン材料の1つ(SSCで示される)は、実施例1に述べるように調製した。第2(SAQで示される)は川崎化成工業(株)から得られ、その材料は、1,4−ジヒドロ−9,10−アントラセンジオールの二ナトリウム塩の苛性アルカリ溶液であることが指定された。これらの材料の主な相違は、SSCが9,10−ジヒドロ−9,10−アントラセンジオールおよび9,10−アントラセンジオールの二ナトリウム塩(およびオキシアントロン塩)の溶液であり、一方SAQが、純粋な1,4−ジヒドロ−9,10−アントラセンジオールの二ナトリウム塩の溶液であることであった。それぞれの相当する9,10−アントラキノン含有量は、それぞれ既知の量を塩化水素酸で酸性化し、得られたアントラヒドロキノンの沈澱物を濾過することにより回収し、濾過ケークを脱イオン水で十分に洗浄し、洗浄したケークを曝気炉で乾燥してアントラヒドロキノンを9,10−アントラキノンに酸化し、次いで得られた乾燥固体を計量することによって決定した。SSCの9,10−アントラキノン含有量は10.3重量%であり、SAQでは22.7重量%であった。
【0067】
これらの瓶を処理した後、以下の手順に従い、各培養物について時間0での硫化物測定を行った。
【0068】
1)試料0.5mlを除去し、これを1N HClが0.1ml入っている3mlの真空容器(vacutainer)に注入する。
【0069】
2)真空容器の試料を10分間そのままにし、次いで試料を嫌気性チャンバから取り出す。気密な注射器を使用して、気相0.15mlを除去する。この気体を、pH8の水が1.8ml入っている、パラフィルムで覆われたキュベットにゆっくりと注入し、パラフィルムを通して針をすばやく除去し、余分なパラフィルムでキュベットを初期の所定位置に回復させる。キュベットを数回逆さにする。
【0070】
3)n,n−ジメチル−p−フェニレンジアミン(DPD)試薬0.2mlをキュベットに添加する。キュベットを数回逆さにし、30分間で青色を顕色させる。
【0071】
4)分光光度計でOD670を読む。
【0072】
時間0の硫化物の読取りのために試料を採取した後、血清瓶を嫌気性チャンバから取り出し、30℃のインキュベータ内に置いた。試料は、硫化物の分析のため、上述と同じ手順によって時間0から21時間、27時間、45時間後に血清瓶から採取した。硫化物の分析による結果は、OD670の読みとして得られ、これを表3に示す。
【0073】
【表3】
アントラセンジオールの二ナトリウム塩溶液の使用による硫化物発生の抑制
Figure 0004439724
【0074】
この結果は、Desulfovibrio desulfuricans G100Aによる硫化物発生の抑制の際、それぞれ相当する9,10−アントラヒドロキノン濃度では、SAQで示されるアントラヒドロキノン塩溶液(1,4−ジヒドロ−9,10−アントラセンジオールの二ナトリウム塩からなる)が、1,4−ジヒドロ物質を含有しないアントラヒドロキノン塩の混合物であるSSCより劣ることを明らかに示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な生物膜の概略図である。
【図2】 パイプラインスクレーパ(ピッギング)の使用に必要とされる弁の配置の概略図である。

Claims (11)

  1. 活性硫酸塩還元細菌を含有する嫌気性生物膜を有する系内で生物源硫化物が発生するのを抑制する非殺生物的方法であって、生物膜と、9,10−ジヒドロキシアントラセン、9,10−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアントラヒドロキノン化合物の液状分散体とを接触させることを含み、アントラヒドロキノン化合物が、生物膜の細孔を通過し、生物膜内に拡散して、硫酸塩還元細菌との接触を行い、
    ここで、アントラヒドロキノン化合物が水性溶媒に溶解し、および
    アントラヒドロキノン化合物の液状分散体を、ピッグの通過直後に系内に注入する
    ことを特徴とする方法。
  2. アントラヒドロキノン化合物が、平均粒径が2.5マイクロメートル以下の固体粒子の形であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. アントラヒドロキノン化合物の溶液のpHが少なくとも12であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  4. 生物膜が、金属の表面上に在り、アントラヒドロキノン化合物が分散して乱流状態で流れる液体と接触していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 生物膜が、金属の表面上に在り、アントラヒドロキノン化合物が分散した静止液体と接触していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. アントラヒドロキノン化合物が9,10−ジヒドロキシアントラセンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. アントラヒドロキノン化合物が9,10−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. アントラヒドロキノン化合物がアルカリ金属塩の形であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. アントラヒドロキノン化合物の分散液が、パイプライン内の所与の点で少なくとも1分の液体接触をもたらすのに十分な体積のスラグとして、管を流れている液体に導入されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. アントラヒドロキノン化合物のアルカリ水溶液を、流れている液体に連続的に添加することを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. アントラヒドロキノン化合物が硫酸塩還元細菌によって代謝されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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