JPH09167787A - Tabインナーリードの接合方法 - Google Patents

Tabインナーリードの接合方法

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JPH09167787A
JPH09167787A JP8307579A JP30757996A JPH09167787A JP H09167787 A JPH09167787 A JP H09167787A JP 8307579 A JP8307579 A JP 8307579A JP 30757996 A JP30757996 A JP 30757996A JP H09167787 A JPH09167787 A JP H09167787A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子の電極とTABテープのインナー
リードとの接合における実装コストを低減するととも
に、信頼性の高い接合を実現する。 【解決手段】 TABテープのインナーリードの幅より
も小さいボンディングツール11aをインナーリード1
3に押圧し、インナーリード13にボンディングツール
11aを押し込み、ボンディングツール先端11aとイ
ンナーリード13を密着させ、同時にインナーリードの
裏面に微小な凸部19を形成し、インナーリード13を
凸部19を介して半導体素子15の電極12と接触させ
る。次いで、ボンディングツール11aに超音波振動1
7を印加し、インナーリード13を電極12に熱圧着接
合する。従来のように、半導体素子の電極あるいはイン
ナーリードの先端にバンプを形成する必要がないため、
接合プロセスを大幅に簡略化でき、実装コストの低減を
図れ、しっかも電極面にクラック等の損傷が生じない信
頼性の高い接合を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の実装
に用いられるTAB(Tape Automated
Bonding)用テープキャリアのインナーリードと
半導体素子の電極とを接合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インナーリードと半導体素子の電極との
接合においては、一般に、図6に示すように半導体素子
15の電極部12またはテープキャリアのインナーリー
ド13の先端部のいずれか一方にバンプ20となる突起
を形成した後、バンプ20を介して電極12にインナー
リード13を接合していた。ここで、接合に用いられる
ボンディングツール21は、図7(a)、(b)に示す
ように先端部端面が平面状であり、先端部の大きさはイ
ンナーリード13の幅よりも大きく、しかも電極12に
対しても同等以上の大きさのものが一般に用いられてい
た。ここで、図7(a)は先端部が平坦な従来のボンデ
ィングツール21aを示し、図7(b)は先端部端面が
平面状で十字状の微小凸部を有す従来のボンディングツ
ール21bを示す。
【0003】従来のTABインナーリードの接合方法に
おいて、バンプが必要であった主な理由は、次の2点で
ある。まず第一に図5(a)に示すように半導体素子の
電極12が、電極表面に対し凸となるパッシベーション
膜14により周囲が覆われていたため、インナーリード
13を電極12に直接接触させることができなかった。
電極面12の開口部の大きさは、インナーリード13の
幅よりも一般的には大きく形成されるが、インナーリー
ド13は図5(a)に示すように長手方向にはパッシベ
ーション膜14に接触するため、電極面12と同等以上
の大きさの先端部を有する従来のボンディングツール2
1では、インナーリード13を電極面12に直接接触さ
せることができなかった。このため、図6に示すように
電極面12あるいはインナーリード13の先端に突起と
なるバンプ20を形成する必要があった。
【0004】第二に、図5(b)に示すようにインナー
リード13を電極面12に接触させることができても、
インナーリード13を直接電極12に接続する方法で
は、接合時に電極面12にクラック等の損傷が生じやす
かった。インナーリード13は一般的にCu箔を基材と
し、これにAuやSnをフラッシュメッキして構成され
る。Cuは、一般に用いられているバンプ材料であるA
uに比べ硬く変形しにくいため、ボンディング荷重の印
加により、インナーリード13のエッヂ部と電極面との
接触領域近傍に、図5(b)に示すような過大な応力集
中が生じる。このような状態で超音波振動18を印加す
ると、過大な応力集中が生じるインナーリード13のエ
ッヂ部近傍にクラックが発生しやすかった。一方、図6
に示すようにAuバンプのように軟らかいバンプ20を
介して接合を行う場合には、電極12にクラックが発生
するような大きな圧力が作用する前にバンプ20に変形
が生じ、応力集中の発生を回避することができるため、
電極12にクラックが発生することなく十分な強度で接
合を行うことができる。
【0005】半導体素子の電極部にバンプ形成する方法
には、例えば、「アイビーエムジャーナル(IBM J
ournal)」第8巻(1964年)102頁に記載
のように電極部に直接バンプとなる突起をメッキ法によ
り形成する方法や、「エレクトロニック・パッケージン
グ・アンド・プロダクション(ElectronicP
ackging & Production)」、19
84年12月号、33〜39頁に記載のようにエッチン
グ技術を用いたペデスタル法、すなわちバンプを形成す
る部分をマスキングしておき、他のインナーリード部分
をハーフエッチングすることにより、30〜40μmの
高さの突起を形成する方法、あるいは「昭和60年度電
子通信学会半導体・材料部門全国大会論文集、講演番号
2」(1985年11月)に記載のようにガラス基板に
バンプを形成した後、電極部にバンプを移し換える方式
の転写バンプ法などがある。
【0006】また図8に示すように、バンプ形成を行わ
ずにワイヤボンディング法と同様にして超音波併用の熱
圧着方式により、インナーリード13を直接半導体素子
の電極12に接続する方法も提案されている(特開平2
−119153号公報)。以後、バンプ形成を行わずに
インナーリードを直接半導体素子の電極に接合する方法
を、ダイレクトボンディング法と呼ぶ。特開平2−11
9153号公報に記載の従来のダイレクトボンディング
法では、インナーリードの幅よりも先端部が大きなボン
ディングツールを用い、超音波振動をインナーリードの
長手方向に作用させて接合が行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように一般に、
従来のTABインナーリードの接合方法では、半導体素
子あるいはインナーリードの何れか一方にバンプを形成
する必要があった。一般にバンプを形成するためにはリ
ソグラフィ等の複雑な工程が必要であり、高価な設備が
必要とされる。また、バンプ形成を100%の歩留りで
達成することは困難であり、バンプ形成工程において高
価な半導体素子、あるいは高価なTABテープを損傷す
る問題があった。これらの原因により、従来のバンプ形
成工程を必要とするTABインナーリードの接合方法で
は、実装コストが高くなる課題があった。
【0008】また、従来のダイレクトボンディング法で
は、インナーリード幅よりも大きなボンディングツール
を用いて接合を行うため、電極面にクラックが発生しや
すかった。この原因については、以下のように推察され
る。
【0009】図5(c)に示すように、接合に必要な接
合面の最小圧力をPminとおき、電極面12にクラッ
クが発生する接合面の圧力をPmaxとおくと、電極面
12にクラック等の損傷を与えないためには、接合部1
7の最大圧力がPmax以下となるようにボンディング
ツール21に荷重を作用させることが必要となる。接合
は、圧力がPmin以上に達した領域で行われ、圧力が
Pmin以下の領域では、見かけ上インナーリード13
と電極12が接触していても接合は行われない。電極面
のクラック発生を防止し、十分な強度で接合を行うため
には、接合面の最大圧力がPmax以下で、しかもPm
in以上の圧力が作用する領域を極力大きくすることが
条件となる。このためには接合部17の圧力分布を極力
均一に形成することが重要となる。ところが、従来のダ
イレクトボンディング方法では、インナーリード13の
エッヂ部近傍に応力集中が生じるため、クラックが発生
しやすくなるという問題があった。クラックの発生を防
止するためにボンディング荷重を減少するか、超音波振
動の出力を減少する必要があり、クラックの発生を防止
して、しかも十分な強度で接合することは困難であっ
た。
【0010】また半導体素子の電極は周囲を電極面に対
して凸となるパッシベーション膜により囲まれているた
め、従来のダイレクトボンディング法では、インナーリ
ードを電極に直接接触させるためには、インナーリード
先端の接触部の大きさに比べ、電極開口部を十分に大き
く形成する必要があった。特に、インナーリードの長手
方向に電極開口部を大きく形成する必要があった。電極
開口部の幅が増加すると、インナーリードの狭ピッチ接
続が困難となり、また、電極開口部のインナーリード長
手方向の大きさを増加すると、半導体素子が大型化する
ため高密度実装が困難になる課題があった。
【0011】本発明の目的はこのような従来の課題を解
決し、バンプ形成工程を不要とした低コストなTABイ
ンナーリードの接合方法を提供すること、狭ピッチ接続
を可能とするTABインナーリードの接合方法を提供す
ること、および半導体素子の電極面にクラック等の損傷
を与えることなく、十分な強度で接合できる信頼性の高
いTABインナーリードの接合方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体素子の
電極とTABテープのインナーリードをシングルボンデ
ィング方式により接続する方法において、前記インナー
リードの幅よりも先端部が小さなボンディングツールを
前記インナーリードに押圧して該インナーリードに窪み
を形成し、該インナーリードの前記電極面側の表面に凸
部を形成した後、前記ボンディングツールに超音波を印
加することを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の作用について図面を参照して説明す
る。本発明のTABインナーリードの接合方法では、図
1、および図2に示すようにインナーリード13の幅よ
りも先端部が小さなボンディングツール11aを用いて
接合を行う。ここで図1はインナーリード長手方向の接
合状態の断面図を、図2はインナーリード長手方向に直
角な方向から見た接合状態の断面図を示す。図2
(a)、(b)はそれぞれ、インナーリード13の幅が
半導体素子15の電極12よりも小さい場合、および半
導体素子15の電極12よりも大きい場合を示す。
【0014】以下、図1を用いて本発明の作用について
説明をする。まず図1(a)に示すように、インナーリ
ード13と半導体素子15の電極12との目合わせを行
った後、ボンディングツール11aをインナーリード1
3に押し込み、インナーリード13にボンディングツー
ル11aの先端形状が転写された窪み16を形成し、ボ
ンディングツール先端11aをインナーリード13に密
着させる。この時、インナーリード13の底面には微小
な凸部19が形成され、インナーリード13を電極面1
2に直接接触させることができる。
【0015】次に、図1(a)の接触状態を保ったま
ま、図1(b)に示すように、ボンディングツール11
aに超音波振動18を印加することにより、インナーリ
ード13と電極12を接合することができる。なお、図
面には記載していないが、半導体素子15は加熱装置に
より合金層形成に必要な温度まで加熱されている。以上
のように本発明では、ボンディングツール先端がインナ
ーリードの幅よりも小さいため、上記のようにインナー
リード13の底面に微小な丸みを有する凸部19を形成
することができ、図4および図5に示すように、従来の
ダイレクトボンディング法に比べ、電極部にクラックが
発生するような過大な応力集中を回避することができ、
クラックを防止し、しかも十分な強度で接合することが
可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について図面
を用いて詳細に説明する。図1(a)、(b)に、本発
明のインナーリードの接合方法を工程順に示す概略図
を、図3(a)〜(e)は、本発明の実施例で用いたT
ABインナーリード接合用のボンディングツールの概略
を示す。
【0017】接合に用いたTABテープは、インナーリ
ード幅が100μm、インナーリード厚さが35μmの
Cuリードに0.6μmのAuメッキが施されたもので
あり、半導体素子は対向する2辺に電極が形成されたも
のを用いた。ボンディングツール11aは、図3(a)
に示すように先端部が円錐状でかつ先端部に丸みを有す
るものを用いた。図1(a)に示すように、半導体素子
15の電極12とインナーリード13との目合わせを行
った後、ボンディングツール11aに荷重をF1 =60
gf印加し、先端がインナーリード13の幅よりも小さ
いボンディングルール11aをインナーリード13に押
圧した。次いで図1(b)に示すように、ボンディング
ツール11aに印加する荷重をF2 =60gfに保持し
た状態で、ボンディングツール11aに超音波振動18
を印加し、インナーリード13と電極12との接合を行
った。ここで、超音波振動18の方向は、インナーリー
ド13の長手方向に平行な方向であり、インナーリード
13の先端がパッシベーション膜14に接触する状態で
接合を行った。なお接合時には、図面には記載していな
いが半導体素子15を加熱装置により280℃に加熱保
持した。
【0018】以上の操作を全てのインナーリード13に
対して繰り返し行った後、接合強度の測定および電極面
12に発生したクラックの有無を観察した。その結果、
プル強度は25gf以上と十分な接合強度であり、しか
も電極面12にはクラックの発生がないことを確認し
た。
【0019】なお、上記実施例では図3(a)に示すよ
うな先端部に丸みを有する円錐状のボンディングツール
を用いたが、図3(b)に示すような先端部に丸みを有
する角錘状のボンディングツール11bでも、図3
(c)に示すような先端部に丸みを有する棒状のボンデ
ィングツール11cでも、さらには図3(d)に示すよ
うに先端部に丸みを有し、かつ十字状の微小凸部を有す
る十字突起付きボンディングツール11dを用いた場合
にも、さらには図3(e)に示すように先端が平坦な円
錐状のボンディングツール11eを用いた場合にも、先
端部がインナーリードの幅よりも小さいボンディングツ
ールであれば、同様の効果が得られることを確認した。
【0020】なお、図3(e)に示すような先端部が平
坦なボンディングツール11eを用いた場合に比べ、図
3(a)〜(d)に示すような先端部に丸みを有するボ
ンディングツール11aを用いた方が、大きな強度で接
合でき接合の信頼性を向上できることを実験で確認し
た。この原因については明かではないが、図4(a)に
示すように先端部に丸みを有するボンディングツールを
用いた方が、図4(e)に示すような先端が平坦なボン
ディングツール11eを用いた場合に比べ、接合面の圧
力分布の均一性が優れるためと考えられる。なお、図3
(e)に示す先端が平坦なボンディングツールを用いた
場合においても、実用的には十分な強度で接合が可能で
あることを実験で確認した。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のTABイ
ンナーリードの接合方法では、バンプ形成工程が不要で
あり、従来法に比べ実装コストを著しく低減できる。ま
た、半導体素子の電極面にクラック等の損傷を生じるこ
となく、しかも十分な強度で半導体素子の電極とインナ
ーリード等を接合できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインナーリードの接合方法を工程順に
示す概略図である。
【図2】ボンディングツール先端部の大きさとインナー
リード幅の関係を示す断面図である。
【図3】ボンディングツールの側面図である。
【図4】インナーリード幅よりも先端部が小さく、かつ
先端に丸みを有するボンディングツール、およびインナ
ーリード幅よりも先端部が小さく、かつ先端が平坦なボ
ンディングツールによる接合状態を説明する概略図であ
る。
【図5】従来のTABインナーリードの接合方法におい
て、バンプ形成が必要であった理由を示す概略図であ
る。
【図6】従来のバンプを介したTABインナーリードの
接合方法を示す側面図である。
【図7】従来のボンディングツールの側面図である。
【図8】バンプを形成せずにインナーリードを直接半導
体素子の電極に接続する従来のダイレクトボンディング
法を示す概略図である。
【符号の説明】
11a,b,c,d,e ボンディングツール 12 電極 13 インナーリード 14 パッシベーション膜 15 半導体素子 16 窪み 17 接合部 18 超音波振動 19 凸部 20 バンプ 21a,b 従来のボンディングツール 22 インナーリード先端エッヂ部 23 インナーリード側面エッヂ部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体素子の電極とTABテープのインナ
    ーリードをシングルボンディング方式により接続する方
    法において、 前記インナーリードの幅よりも先端部が小さなボンディ
    ングツールを前記インナーリードに押圧して前記インナ
    ーリードに窪みを形成し、該インナーリードの前記電極
    側の表面に凸部を形成した後、前記ボンディングツール
    に超音波を印加することを特徴とするTABインナーリ
    ードの接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006173509A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Fuji Electric Holdings Co Ltd 半導体装置およびその製造方法

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