JPH09166157A - 湿式摩擦係合装置及びその摩擦係合プレート - Google Patents

湿式摩擦係合装置及びその摩擦係合プレート

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JPH09166157A
JPH09166157A JP32411595A JP32411595A JPH09166157A JP H09166157 A JPH09166157 A JP H09166157A JP 32411595 A JP32411595 A JP 32411595A JP 32411595 A JP32411595 A JP 32411595A JP H09166157 A JPH09166157 A JP H09166157A
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plate
wet friction
wave
engagement
friction plate
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JP32411595A
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English (en)
Inventor
Taketora Sugiura
剛寅 杉浦
Masaaki Yasui
賢明 安井
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Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェーブの荷重特性を多段階に変化させ、所
望の円滑な係合特性を得る。 【解決手段】 湿式多板形クラッチ等の湿式摩擦係合装
置30において、係合時のショックを緩和するために、
湿式摩擦プレート1とカウンタプレート2のいずれか一
方の摩擦係合表面に、高さが異なる2種類以上からな
り、かつ、摩擦係合時に平面状に弾性変形する複数の波
状の凹凸を円周方向に付ける。この波状の凹凸からなる
ウェーブは、湿式摩擦プレート1の場合、鋼板からなる
コアプレート10か、またはペーパー系湿式摩擦材12
自体に設けることができる。波状の凹凸は高さが異なる
2種類以上からなるので、両プレート1,2の圧接時の
荷重特性を多段階に変化させることができ、それによっ
て、装置の特性、ニーズ等に対応した良好な係合特性を
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の自動変速機
等において使用される湿式多板形クラッチ或いは湿式多
板形ブレーキ等の湿式摩擦係合装置に関するものであ
り、特に、その摩擦係合プレート、即ち、湿式摩擦プレ
ート及びカウンタプレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の自動変速機において
は、リング状の金属製コアプレート(芯金)の両側面に
湿式摩擦材を接着接合した湿式摩擦プレートと、同様の
リング状の金属製カウンタプレートとを交互に配した多
板形クラッチが組込まれ、潤滑油として使用されるAT
F(オートマチックトランスミッションフルード)の中
で、それぞれ駆動側及び従動側に連結されたこれらのリ
ング状摩擦係合プレートを、一般に油圧作動装置からな
る作動手段によって相互に圧接し、また解放することに
より、駆動力を伝達または遮断するようにしている。ま
た、この自動変速機には、反力要素を固定し、また解放
するために、同様の多板形ブレーキが組込まれる場合も
ある。
【0003】そして、このような潤滑油中で使用される
多板形クラッチ等の湿式摩擦係合装置において、湿式摩
擦プレートの湿式摩擦材としては、焼結合金系、カーボ
ン系、或いはコルク系等の湿式摩擦材も知られている
が、「ペーパー摩擦材」とも呼ばれるペーパー系湿式摩
擦材が一般的に用いられている。この湿式摩擦材は、パ
ルプやアラミド繊維等の基材繊維と摩擦調整剤や体質充
填材等の充填材とを抄造して得た抄紙体に、熱硬化性樹
脂からなる樹脂結合剤を含浸し、加熱硬化して形成した
ものであり、軽量で、安価であるだけでなく、材質が多
孔質で比較的弾性にも富むため油吸収性が高く、しか
も、耐熱性、耐摩耗性等にも比較的優れている等の特長
を有している。また、この湿式摩擦プレートの相手材で
あるカウンタプレートは、一般に金属の1枚板として形
成され、またその材質としては、ねずみ鋳鉄が使用され
る場合もあるが、一般には鋼材、即ち、炭素鋼が使用さ
れている。
【0004】ところで、相互に摩擦係合するこれらの湿
式摩擦プレートとカウンタプレートとを備えた湿式摩擦
係合装置においては、作動手段を作動させ、これらのプ
レートを相互に圧接した際、その初期に急激なトルクの
立上りがピーク状に生じることがある。これは、主に、
圧接時の慣性によってそれらの摩擦係合プレートが衝合
し、瞬間的に係合圧力が高くなるために生じるものであ
る。そして、摩擦係合時のこのようなトルクの急激な立
上りは、自動変速機の場合には、所謂、変速ショックを
引起こす。
【0005】そのため従来より、このような摩擦係合初
期の急激なトルクの立上り、即ち、係合ショックを防止
するために、湿式摩擦プレートとカウンタプレートとの
いずれか一方に、その円周方向に波状の凹凸からなるウ
ェーブを付けることが知られ、また行われている。具体
的には、カウンタプレートの場合にはそれに直接そのウ
ェーブが付されるが、湿式摩擦プレートの場合には、コ
アプレートを容易に弾性変形する鋼板、特にバネ鋼板か
ら形成し、これにその波状の凹凸からなるウェーブを付
けることによって、ペーパー系湿式摩擦材を含む湿式摩
擦プレート全体にウェーブが付されている。また、この
ようなウェーブは、それらのプレートの径(周方向長
さ)等にもよるが、一般には複数の同じ高さの波状の凹
凸から形成され、例えば、6個の同じ高さで同じ周期
(ピッチ)の波状の凹凸からなる6点ウェーブとして形
成される。つまりこの場合、波状に起伏する凹凸が60
゜毎の間隔でリング状のプレートの円周回りに形成さ
れ、また、その凸部の稜(頂部)と凹部の基底とは放射
方向に向いている。
【0006】そして、これによれば、いずれか一方にウ
ェーブが付された湿式摩擦プレートとカウンタプレート
とは、作動手段を作動させた係合初期にはそのウェーブ
が弾性的に変形されつつ圧接されるため、その緩衝作用
により滑らかに摩擦係合し、その結果、係合初期の急激
なトルクの立上り、即ち、係合ショックを緩和すること
ができる。また、このようなウェーブは、湿式摩擦プレ
ートとカウンタプレートとの最終的な圧接状態では、即
ち、通常のトルク伝達時には平坦に変形されているが、
作動手段が解除され、係合圧力が取除かれると、その弾
性によって元のウェーブ形状に復元する。そのため、こ
のウェーブは作動手段の解除と同時にそれらのプレート
を迅速に引離す作用も有し、それによって、摩擦係合の
切れを円滑にすることができ、また、潤滑油の粘性によ
るドラッグトルクを減少することができる。
【0007】なお、湿式摩擦プレートのウェーブは、上
記のように、湿式摩擦材が接着接合されるコアプレート
に形成されるのが一般的であるが、例えば、特開平4−
8928号公報には、そのような摩擦係合時に弾性変形
する同様のウェーブを、コアプレートに接着接合された
湿式摩擦材(フェーシング)自体の表面に付けることが
提案されている。具体的には、この湿式摩擦材の表面に
円周方向に形成された複数の波状の凹凸は、凸部と凹部
の密度(気孔率)を変えて成形され、カウンタプレート
との圧接時に略同一面に弾性変形するように、凸部の弾
性係数が凹部よりも小さくされている。また、この場
合、それらの凸部は同じ表面高さとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、リング
状の湿式摩擦プレートまたはカウンタプレートの摩擦係
合表面に、円周方向に波状の凹凸からなるウェーブを設
けることによって、その弾性変形により摩擦係合時の急
激なトルクの立上り、即ち、係合ショックを緩和し、防
止することができる。そしてそれによって、滑らかな係
合特性が得られ、また、良好な変速フィーリング性を得
ることができる。
【0009】しかしながら、係合ショック対策としてそ
のようなウェーブを設けた場合であっても、湿式摩擦係
合装置の具体的な特性等によっては、必ずしも十分に係
合ショックを緩和することができないことがあった。
【0010】即ち、従来から一般的なウェーブは同じ高
さの波状凹凸からなり、その荷重特性は、通常のバネと
同様に、たわみと荷重とがほぼ一次的に比例する線形で
ある。そして、このようなウェーブは、湿式摩擦プレー
トとカウンタプレートとの圧接係合時の衝撃を緩衝し、
滑らかな係合を得るためには、まず、荷重に対するたわ
み変形が十分に大きいことが好ましい。しかし、同時
に、係合時の衝撃を弾性エネルギとして十分に蓄積でき
ることが必要であり、そのためには、逆に、十分に高い
弾性を有することが必要である。つまり、十分な弾性エ
ネルギはウェーブのたわみ変形量を大きくする(凸部の
高さを高くする)ことによっても得られるが、たわみ変
形量が大きいと、例えば、ピストンの作動行程が長くな
る等、作動性が悪化し、また、装置全体が大形化する等
の不具合が生じるため、ウェーブのたわみ変形量には自
ずと限界があるからである。したがって、このようにウ
ェーブには相反する荷重特性が要求されることから、湿
式摩擦係合装置の特性、例えば、慣性量の大きさ等によ
っては、係合ショックを十分に緩衝し、滑らかな係合特
性を得ることが困難な場合があった。
【0011】また、特に近年では、自動車の高級化、多
様化等に伴って、自動変速機の変速特性に関しても、単
にショックがないというだけでなく、より軽快性等に優
れた高度なフィーリング性が要望され、しかも、車種等
に応じた多様なフィーリング性が求められるようになっ
ている。そして、このような変速フィーリング性に関す
るニーズに対しては、単純な線形の荷重特性を有する従
来のウェーブによっては、微妙な調整が必要であるだけ
に、対処することが困難であった。
【0012】そこで、本発明は、摩擦係合時の荷重特性
を多段階に変化させることができ、それによって、係合
ショックを良好に緩和することができ、かつ、ニーズに
対応する多様な係合特性を容易に得ることができる湿式
摩擦係合装置、特に、その湿式摩擦プレートまたはカウ
ンタプレートの提供を課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この課題は、基本的に
は、係合ショックの緩和のために湿式摩擦プレートとカ
ウンタプレートのいずれか一方の摩擦係合表面に円周方
向に付される複数の波状の凹凸を、高さが異なる2種類
以上からなるものとすることによって解決される。
【0014】即ち、請求項1にかかる湿式摩擦係合装置
は、潤滑油中で互いに圧接して摩擦係合するリング状の
湿式摩擦プレート及びカウンタプレートと、これらの摩
擦係合プレートを相互に圧接作動する作動手段とを有
し、前記湿式摩擦プレートはリング状の金属板製コアプ
レートとその両側面に接着接合されたペーパー系湿式摩
擦材とからなる湿式摩擦係合装置において、それらの湿
式摩擦プレートとカウンタプレートのいずれか一方の摩
擦係合表面には、高さが異なる2種類以上からなり、か
つ、摩擦係合時に平面状に弾性変形する複数の波状の凹
凸が円周方向に付されていることを特徴とするものであ
る。
【0015】また、請求項2にかかる湿式摩擦プレート
は、潤滑油中でカウンタプレートと圧接して摩擦係合す
る湿式摩擦プレートにおいて、リング状の弾性変形可能
な鋼板から形成され、高さが異なる2種類以上の波状の
凹凸からなるウェーブが円周方向に付されたコアプレー
トと、そのコアプレートの両側面に接着接合されたペー
パー系湿式摩擦材とを具備するものである。
【0016】更に、請求項3にかかるカウンタプレート
は、潤滑油中で湿式摩擦プレートと圧接して摩擦係合す
るカウンタプレートにおいて、リング状の弾性変形可能
な鋼板から形成され、高さが異なる2種類以上の波状の
凹凸からなるウェーブが円周方向に付されているもので
ある。
【0017】加えて、請求項4にかかる湿式摩擦プレー
トは、潤滑油中でカウンタプレートと圧接して摩擦係合
する湿式摩擦プレートにおいて、リング状の金属板製コ
アプレートと、コアプレートの両側面に接着接合され、
高さが異なる2種類以上の波状の凹凸を表面に有し、そ
の波状の凹凸の凸部は凹部よりも気孔率が高く形成さ
れ、それによって弾性率が低く形成されているペーパー
系湿式摩擦材とを具備するものである。
【0018】そして、これらの湿式摩擦係合装置、湿式
摩擦プレート、またはカウンタプレートによれば、湿式
摩擦プレートまたはカウンタプレートの摩擦係合表面に
円周方向に付された複数の波状の凹凸は、高さが異なる
2種類以上のものからなるため、これらの湿式摩擦プレ
ートとカウンタプレートとが互いに圧接される際には、
まず、最も高さの高い波状の凸部が弾性的に圧縮変形さ
れ、次いで、その凸部が2番目に高い凸部の高さ位置ま
で圧縮されると、その2番目に高い凸部も合わせて弾性
的に圧縮変形されるようになり、このようにして、高さ
の種類の数に応じて、弾性的に圧縮変形される波状の凹
凸の数が段階的に順次増加する。つまり、これらの両プ
レートの圧縮変位(たわみ)に対する荷重特性は一般に
線形となるが、これが波状の凹凸の高さの種類の数に応
じて段階的に変化し(折れ線状に変化し)、この場合、
最初の段階(最も高い凸部が、2番目に高い凸部の高さ
位置まで変形する段階)での荷重特性は緩かな傾斜をな
し、以後は順次、その傾斜が急になるように変化する。
【0019】したがって、作動手段を作動させた初期段
階においては、湿式摩擦プレートとカウンタプレートと
は比較的小さな荷重で圧接されるため、滑らかな係合が
得られる一方、以後の段階においては、変形に要する荷
重が増加するため、それらの係合時の衝合エネルギを十
分に吸収することができる。また、これらの各段階にお
ける荷重特性は、それぞれ独立的に調整することができ
る。そのため、摩擦係合装置の特性(例えば、慣性量)
に応じた良好な緩衝特性を容易に得ることができ、それ
によって、係合ショック、即ち、係合時のトルクの急激
な立上りを有効に緩和し、円滑な係合特性を得ることが
できる。また、波状の凹凸の高さや数等を適当に設定す
ることによって、その荷重特性を多様に変えることがで
きるため、ニーズに対応した所望の変速フィーリング性
等も容易に得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】〔第一実施形態〕図1は本発明の第一実施
形態の湿式摩擦プレートと、これと圧接して摩擦係合す
るカウンタプレートとを斜視で示すと共に、これらの摩
擦係合プレートを用いた湿式摩擦係合装置の一例を断面
で示す説明図である。また、図2は本発明の第一実施形
態の湿式摩擦プレートを、湿式摩擦材の一部を切欠いて
示す平面図である。更に、図3は第一実施形態の湿式摩
擦プレートを円周方向に切断した全周の断面を、カウン
タプレートの同様の全周の断面と共に展開して示す展開
図である(ただし、同図において、全周の長さは縮尺し
て記載されている)。そして、図4は第一実施形態の湿
式摩擦プレートの荷重特性を示す特性図である。
【0022】図1のように、全体を1で示す湿式摩擦プ
レートは、基本的に、一般に鋼板からリング状(円環
状)に形成された芯金としてのコアプレート10と、こ
のコアプレート10の両側の表面に接着により接合され
たペーパー系湿式摩擦材12とからなっている。なお、
コアプレート10には、一般に回転軸等のトルク伝達要
素のスプラインまたは同様なものと係合する係合歯11
が一体に備えられ、この例では内周側に設けられてい
る。そして、本実施形態の湿式摩擦プレート1(1a)
では、そのコアプレート10は容易に弾性変形する鋼
板、特に、バネ鋼板から形成されると共に、それの円周
方向に波状の凹凸からなるウェーブが付され、それによ
って、ペーパー系湿式摩擦材12を含む全体にそのウェ
ーブが付されている。このウェーブの詳細については後
述する。
【0023】なお、ここで、ペーパー系湿式摩擦材12
は、木材パルプ或いはアラミド繊維等の繊維基材と、カ
シューダスト等の摩擦調整剤や炭酸カルシウム或いはケ
イソウ土等の体質充填剤等の充填剤とを抄造して得た抄
紙体に、熱硬化性樹脂からなる樹脂結合剤を含浸し、次
いで熱成形により加熱硬化して形成したものである。具
体的には、その一例として、基材繊維としてのリンター
パルプ25重量%及びアラミド繊維30重量%と、充填
材としてのカシューダスト15重量%及びケイソウ土3
0重量%とからなる抄紙体に、30重量%の樹脂率(摩
擦材全体に対する割合)でレゾール型のフェノール樹脂
を含浸し、次いで熱成形により硬化したものを挙げるこ
とができる。
【0024】また、この湿式摩擦材12は、図示のよう
に、コアプレート10に対応する単一のリング状の形態
であることができるが、複数枚のセグメントからなり、
コアプレート10の円周方向に沿って、放射方向の油溝
となる間隔を置いて接着接合された形態であることもで
きる。そして、このような湿式摩擦材12のコアプレー
ト10への接着は、例えば、熱成形後の、または、樹脂
結合剤が硬化しない前の摩擦材を、予めフェノール樹脂
等の接着剤を塗布したコアプレート10に加熱下で圧着
することによって行うことができる。
【0025】他方、湿式摩擦プレート1と圧接して摩擦
係合するカウンタプレート2は、コアプレート10と同
様に、一般に金属製の1枚板からリング状(円環状)に
形成され、湿式摩擦材12と摺接する平坦な表面を有す
る本体部20を備えている。また、この本体部20には
係合歯21が一体に付設され、トルク伝達要素のスプラ
インまたは同様なものと係合するようになっている。な
お、このようなカウンタプレート2は一般には鋼材(炭
素鋼材)から形成されるが、ねずみ鋳鉄等から形成する
こともできる。
【0026】そして、これらの摩擦係合プレート、即
ち、湿式摩擦プレート1とカウンタプレート2とは、A
TF等の潤滑油中に浸漬した状態で複数枚交互に組合わ
され、それによって湿式摩擦係合装置30として形成さ
れる。図1の例では、この湿式摩擦係合装置30は湿式
多板形クラッチとして形成され、入力または出力回転軸
31にキー止めされたクラッチハブ32に、湿式摩擦プ
レート1がスプライン結合によって軸方向に可動に組付
けられる一方、出力また入力回転軸を形成するクラッチ
ハウジング33の内側に、カウンタプレート2が同様に
スプライン結合によって軸方向に可動に組付けられてい
る。また、クラッチハウジング33内には、カウンタプ
レート2を押圧する環状ピストン34を含む油圧作動装
置が形成されている。なお、クラッチハウジング33の
開口端には、その油圧作動装置の荷重を受けるための受
圧部材35が組付けられている。
【0027】したがって、この湿式摩擦係合装置30に
おいて、油圧源からの油圧によってピストン34が作動
されると、交互に組合わされた湿式摩擦プレート1とカ
ウンタプレート2とがピストン34と受圧部材35との
間で相互に圧接され、その摩擦係合によりクラッチハブ
32とクラッチハウジング33間のトルクの伝達が行わ
れる。また、油圧を解き、ピストン34の作動を解除す
ると、それらの圧接による摩擦係合が解かれ、それによ
ってトルクの伝達が遮断される。こうして、ピストン3
4を含む作動手段の作動、及び解除によって、トルクを
伝達し、また遮断することができる。なお、この湿式摩
擦係合装置30において、例えば、クラッチハブ32側
を入力とし、クラッチハウジング33側を固定すること
によって、湿式多板形ブレーキとして形成することがで
きる。更に、クラッチハウジング33の外周面をブレー
キドラムとし、ブレーキバンドと組合わせることによっ
て、クラッチ・ブレーキ装置を形成することもできる。
また他方、湿式摩擦プレート1とカウンタプレート2と
を相互に圧接し、摩擦係合させる作動手段は、本例のよ
うに油圧式が一般的であるが、他にも機械式、電磁式等
であることができ、更には、本例のようにポジティブ形
式であっても、またはネガティブ形式であってもよい。
【0028】ここで、本実施形態の湿式摩擦プレート1
aにおいては、係合時の急激なトルクの立上り、即ち、
係合ショックを緩和し、円滑な係合特性を得るために、
それの円周方向に高さが異なる2種類以上の波状の凹凸
からなるウェーブが付されている。
【0029】即ち、図2及び図3のように、リング形状
を有する湿式摩擦プレート1aのコアプレート10に
は、それの円周方向に、緩かに湾曲する凸部Tと凹部B
とが波状に連続するウェーブが付されている。そのた
め、このコアプレート10に接着接合されたペーパー系
湿式摩擦材12もその表面に沿って彎曲され、湿式摩擦
プレート1aの全体表面が円周回りに緩かに波打って形
成されている。つまり、コアプレート10の表面と湿式
摩擦プレート12の表面とは互いに平行である。そし
て、これらの波状の凹凸からなるウェーブは、湿式摩擦
プレート1aが一対のカウンタプレート2間で圧縮され
平板状に弾性変形した場合に、応力の集中個所がなるべ
く生じないように、正弦波状に形成されると共に、周方
向に均一に分布されている。したがって、波状の凸部T
がなす稜線と凹部Bの基底線とは、湿式摩擦プレート1
aの平面視において(図2)、それの回転軸線を中心と
して放射方向に向かい、また、外径側よりも内径側の方
が僅かに低くまたは浅くなるように形成されている。こ
れによって、湿式摩擦プレート1aは僅かな拡径を伴っ
て平坦なリング状に変形する。
【0030】また、これらの波状の凹凸は、高さが異な
る2種類のウェーブ単位Uからなっている。即ち、図3
の展開図に示されるように、湿式摩擦プレート1aの全
周には、正弦曲線の1サイクル(0−2π)に相当する
形状の波状の凹凸からなり、高さが比較的高いh1 であ
るウェーブ単位(大)U1 と、同じく、高さがそれより
も小さいh2 であるウェーブ単位(小)U2 とが、同じ
周期で交互に、かつ、連続して3周期ずつ繰返して形成
されている。(なお、この各ウェーブ単位U1,U2 の
高さは、それぞれの凸部T1 ,T2 の頂点と凹部B1 ,
B2 の基底点との間の表面上の高さであり、振幅の2倍
に当たるものである。)つまり、この湿式摩擦プレート
1aはその両側の表面にそれぞれ、2段の6点ウェー
ブ、即ち、表面高さが高い3点の波状凸部T1 と表面高
さが低い3点の波状凸部T2 とが、円周回りに交互に等
ピッチ(60゜)で配列されたウェーブを有している。
ただし、一方側の表面の凸部Tは他方側の表面では逆に
凹部Bとなるため、両側の表面形状は互いに逆の位相と
なり、また30゜だけ位相がずれている。
【0031】なお、このウェーブ単位U1 及びU2 の高
さh1 ,h2 の具体的な設定の一例としては、例えば、
0.76mm厚さの鋼板をコアプレート10とし、これに
0.5mm厚さのペーパー系湿式摩擦材12を接着接合し
た、平均直径115mm×摩擦材幅11mmの湿式摩擦プレ
ート1aの場合において、高さh1 を0.3mm、高さh
2 を0.2mmとすることができる。なおこの場合、各ウ
ェーブ単位Uの周期、即ち、隣合う凸部Tの間のピッチ
長さ(周方向長さ)は約60mmである。
【0032】このように、本実施形態の湿式摩擦プレー
ト1aは、弾性変形可能な鋼板からなるリング状のコア
プレート10と、その両側面に接着接合されたペーパー
系湿式摩擦材12とからなり、ここで、そのコアプレー
ト10には、それの円周方向に波状の凹凸からなる6点
のウェーブが付され、また、そのウェーブは、互いに異
なる高さh1 ,h2 を有する2種類のウェーブ単位U1
及びU2 からなっている。
【0033】したがって、この湿式摩擦プレート1aを
通常の平坦な表面を有するカウンタプレート2と組合わ
せて使用した湿式摩擦係合装置30において、環状ピス
トン34を含む作動手段を作動させ、これらの摩擦係合
プレートを圧接させた場合には、まず、カウンタプレー
ト2は、湿式摩擦プレート1aのウェーブのうちの3点
の高い方の凸部T1 に当接し、それを圧縮する。そし
て、ピストン34が更に作動されるに従って、カウンタ
プレート2は、やがて湿式摩擦プレート1aの3点の低
い方の凸部T2 にも当接し、それを高い方の凸部T1 と
共に圧縮する。こうして、波状の凹凸からなるウェーブ
を有する湿式摩擦プレート1aは、カウンタプレート2
との圧接により、回転軸線に直角に平面状となるまで最
終的に圧縮変形されるが、この間、圧縮変形される凸部
T(ウェーブ単位U)の数が3点から6点に増加するこ
とから、荷重特性が変化する。
【0034】図4は、カウンタプレート2との圧接時の
この湿式摩擦プレート1aの荷重特性を示している。こ
こで、横軸は湿式摩擦プレート1aの見掛けの厚さのた
わみ変形量(歪)である。なお、同図には、波状の凹凸
の高さが全て同じh2 である従来から一般的な6点ウェ
ーブの場合の荷重特性が、合わせて点線で示されていい
る。
【0035】即ち、図4のように、正弦波状の波状の凹
凸からなるウェーブの場合、その荷重特性はほぼ線形と
なるが、湿式摩擦プレート1aが圧縮変形される最初の
段階では、高さが高い3点の凸部T1 (ウェーブ単位U
1 )のみが弾性変形されるため、比較的傾斜の小さい線
形の荷重特性となり、少ない荷重で変形が生じる。そし
て、h1 −h2 の長さだけ変形すると、以後は低い高さ
の3点の凸部T2 (ウェーブ単位U2 )も合わせて変形
されるようになるため、その変形に要する荷重がより増
加し、荷重特性は傾斜の大きい線形となる。つまり、荷
重特性が2段階に変化する。これに対して、点線に示さ
れる従来の例の場合では、高さがh2 である6点の凸部
(ウェーブ)が同時に圧縮変形されるため、その荷重特
性はh2だけ最終的に変形するまで直線的である。
【0036】そのため、本実施形態の湿式摩擦プレート
1aによれば、カウンタプレート2との係合の最初の段
階では、比較的小さい荷重で圧接させることができるた
め、より滑らかな初期係合を確保することができる一
方、以後の最終的な係合がなされるまでの段階では、た
わみ変形に要する荷重が増加するため、係合時の衝撃を
吸収するために十分な弾性(変形)エネルギ量を確保す
ることができる。つまり、係合ショックが十分に緩和さ
れた滑らかな係合特性を得ることができる。また、この
場合、その最初の段階での弾性係数とそれ以後の段階で
の弾性係数とは、波状の凹凸の高さや周期(ピッチ)及
び数等を変えることによって、それぞれ独立的に調整す
ることができるため、湿式摩擦係合装置30の具体的特
性等に対応して、それに最も適合する係合特性を容易に
得ることができる。更に、そのように各段階での弾性係
数を多様に変えることができるため、ニーズに対応する
変速フィーリング性等についても容易に得ることができ
る。
【0037】なおその一方、本実施形態の湿式摩擦プレ
ート1aによれば、作動手段を解除し、カウンタプレー
ト2との圧接状態を解いた場合には、平面状に圧縮され
ていた波状の凹凸からなるウェーブは、それ自身の弾性
によって当初のウェーブ形状に戻るため、それによっ
て、湿式摩擦プレート1aとカウンタプレート2とを迅
速に引離すことができる。そのため、摩擦係合の解除時
の切れ特性を向上することができると共に、界面に介在
する潤滑油の粘性によるドラッグトルクを減少すること
ができる。更に、波状の凹凸からなるウェーブの凹部B
は、潤滑油を係合面から排出し、また係合面へ流入する
溝としても働く。そのため、摩擦係合とその解除とをよ
り円滑化することができる。
【0038】ところで、本実施形態の湿式摩擦プレート
1aにおいて、その円周方向に付された波状の凸部T及
び凹部Bからなるウェーブは、具体的には、正弦波状で
あり、かつ、同一の周期(ピッチ)からなる高さがh1
の3点のウェーブ単位U1 と高さがh2 の3点のウェー
ブ単位U2 とを交互に、かつ連続的に全周回りに配列し
たパターンからなっているが、このようなウェーブのパ
ターンは、これに限定されるものではなく、ウェーブ単
位U(波状の凸部T及び凹部B)の数及び高さの種類を
含めてその他の種々の形態であることができる。
【0039】即ち、ウェーブ単位Uの高さの種類は2種
類以上であればよく、任意の所望の種類数とすることが
できる。また、各種類におけるウェーブ単位Uまたは凸
部Tの数は1個(1点)以上であればよい。しかし、安
定的な係合のためには、少なくとも最も高さが高いもの
は、2個以上が全周回りに均等に配列されていることが
好ましく、更には3個以上であることがより好ましい。
【0040】更に、各ウェーブ単位U(波状の凸部T)
の断面形状は、例えば、三角形のような角のある形状で
あることもできるが、たわみ変形時に応力の集中個所が
できる限り生じない形状であることが好ましく、その意
味において、緩かに湾曲する形状である正弦波またはそ
れに近似の形状であることが好ましい。また、同様の点
で、各ウェーブ単位U(波状の凸部T)は円周方向に断
続的に(平坦部を介して)配列されることもできるが、
本実施形態のように、連続的に緩かに連なって配列され
ることが好ましい。
【0041】そして、これらの波状の凹部T(ウェーブ
単位U)の数、高さ及び周期(ピッチ)等を変えること
により、所望の弾性係数を有する荷重特性を得ることが
できる。即ち、その数が多い程、またその高さが高い
程、更にその周期(ピッチ)が短い程、より高い弾性係
数を得ることができる。また、ウェーブの高さの種類と
共にこの弾性係数を適宜に調整することによって、多様
な荷重特性を得ることができる。なお、このようなコア
プレート10のウェーブは、例えば、それを焼入れする
前にプレス成形することによって、容易に付けることが
できる。
【0042】〔第二実施形態〕次に、ウェーブ形状を変
更した湿式摩擦プレートの別の実施形態について説明す
る。
【0043】図5は本発明の第二実施形態の湿式摩擦プ
レートを示す一側面の平面図である。また、図6はその
湿式摩擦プレートの円周方向断面の展開図であり、図3
と同様に、それを円周方向に切断した場合の全周の断面
を展開して、カウンタプレートと共に示すものである。
ただし、同図において、その全周長さは縮尺して示され
ている。
【0044】図5及び図6のように、符号1bで示す本
第二実施形態の湿式摩擦プレートは、第一実施形態の湿
式摩擦プレート1aと同様に、弾性変形可能な鋼板から
形成されたリング状のコアプレート10と、その両側面
に接着接合されたペーパー系湿式摩擦材12からなり、
そして、そのコアプレート10には、それの円周方向に
沿って正弦波状の波状の凹凸からなる6点ウェーブが付
され、それによって、ペーパー系湿式摩擦材12を含む
湿式摩擦プレート1aの全体にそのウェーブが付されて
いる。
【0045】ただし、第一実施形態の場合とは異なり、
本実施形態のウェーブは、高さが互いに異なる3種類の
ウェーブ単位Uからなり、最も大きい高さh1 を有する
ウェーブ単位U1 (大)と、中間の高さh2 を有するウ
ェーブ単位U2 (中)と、最も小さい高さh3 を有する
ウェーブ単位U3 (小)とが順に、連続して2周期繰返
されて形成されている。また、これらの3種類のウェー
ブ単位U1 ,U2 ,U3 は、湿式摩擦プレート1bの一
側面においてはそれらの凹部Bが同じ水準面に位置し、
また、他側面においてはそれらの凸部Tが同じ水準面に
位置している。即ち、これらのウェーブ単位U1 ,U2
,U3 は、正弦曲線の−1/2πから3/2πまでに
相当する形状の凹凸からなり、互いに連結されている。
【0046】したがって、本実施形態の湿式摩擦プレー
ト1bは、その一側面においては(図5,図6の左側表
面)、最も高い凸部T1 、中間の高さの凸部T2 、及び
最も低い凸部T3 が、回転軸線に直角な同一面内に位置
する凹部Bに対して突出し、それぞれ2点ずつ設けられ
ている。また、他側の面(図6の右側表面)において
は、回転軸線に直角な同一面内に位置する凸部Tに対し
て、最も深い凹部B1 、中間の深さの凹部B2 、最も浅
い凹部B3 が同様に形成されている。そして、これらの
高さの異なる3種類の凸部T1 ,T2 ,T3 (及び凹部
B1 ,B2 ,B3)は、湿式摩擦プレート1bの円周上
において、その中心に対して対称に、つまり、180゜
の角度で2個(2点)ずつ配列されている。
【0047】このように、本実施形態の湿式摩擦プレー
ト1bにおいては、高さが異なる3種類の波状の凹凸か
らなるウェーブが設けられているため、その荷重特性は
3段階に変化する。即ち、この湿式摩擦プレート1bが
一対のカウンタプレート2間で圧縮される場合、湿式摩
擦プレート1bの一側に接触するカウンタプレート2
は、まず、高さが最も高い2点のT1 のみに接触し、こ
れを変形させる。そのため、最初の段階では、低い荷重
で変形がなされる。そして、その後、カウンタプレート
2が中間高さの凸部T2 に当接し、更に、その後に高さ
が最も低い凸部T3 に接触するに従って、順次荷重特性
が変化する。この荷重特性は、図4の第一実施形態の湿
式摩擦プレート1aと基本的には同じであるが、初期の
荷重をより一層少なくすることができると共に、その変
化をより多様なものとすることができる。
【0048】また、本実施形態の湿式摩擦プレート1b
の場合においては、係合の最初の段階では、それの一側
面に当接するカウンタプレート2は2点の凸部T1 に接
触だけであるが、それの他側面に当接するカウンタプレ
ート2が6点の凸部Tに接触する。そのため、湿式摩擦
プレート1bはその他側面のカウンタプレート2によっ
て安定的に支持され、回転軸線と直角な面内に係合当初
から常に保持されることができる。したがって、波状の
凹凸(ウェーブ単位)の数や種類等は、第一実施形態の
場合と同様にこれ以外にも任意に定めることができる
が、それらの凹凸の凸頂部または基底部のいずれかを同
一の水準面に位置させた本実施形態のウェーブパターン
は、特に、最も高さが高い波状凸部の数を1個または2
個とする場合に適している。
【0049】なお、本実施形態のその他の技術的詳細
は、第一実施形態の湿式摩擦プレート1aの場合と同じ
である。
【0050】そして、以上の第一実施形態及び第二実施
形態の湿式摩擦プレート1a,1bと、これを平坦な通
常のカウンタプレート2と組合わせて使用した湿式摩擦
係合装置30は、請求項1及び請求項2、特に、請求項
2の態様に相当する。
【0051】〔第三実施形態〕以上の第一及び第二実施
形態は湿式摩擦プレート側にウェーブを付したものであ
るが、この係合ショックを緩和するためのウェーブは、
カウンタプレート側に付すこともできる。
【0052】図7は本発明の第三実施形態のカウンタプ
レートを示す平面図である。また、図8はそのカウンタ
プレートを円周方向に切断した場合の全周の断面を、湿
式摩擦プレートの全周の断面と共に展開して示す展開図
である。なお、この図8においては、図3及び図6と同
様に、全周の長さは縮尺して記載されている。
【0053】図7及び図8のように、2aとして示す本
実施形態のカウンタプレートは、図1乃至図3の第一実
施形態の湿式摩擦プレート1aにおけるコアプレート1
0と実質的に同じであり、それの円周方向に高さが異な
る波状の凹凸からなる2段の6点ウェーブが付されてい
る。即ち、このカウンタプレート2aには、それの円周
方向に沿って、比較的大きい高さh1 を有する凸部T1
及び凹部B1 からなるウェーブ単位(大)U1 と、高さ
がそれよりも小さいh2 である凸部T2 及び凹部B2 か
らなるウェーブ単位(小)U2 とが同じ周期(ピッチ)
で、かつ、交互に連続して3周期ずつ配列されている。
【0054】したがって、その荷重特性は図4と同じで
ある。即ち、このカウンタプレート2aは通常の平坦な
湿式摩擦プレート1と組合わせて使用され、その係合の
最初の段階では、高さが高い3点の凸部T1 (ウェーブ
単位U1 )のみが湿式摩擦プレート1によって圧縮さ
れ、続いてh1 −h2 の長さだけ変形すると、次の段階
では、高さが低い3点の凸部T2 (ウェーブ単位U2 )
も合わせて変形されるようになる。つまり、たわみ変形
に対する荷重は、段階的に(2段階に)増加するように
変化する。
【0055】そのため、本実施形態のカウンタプレート
2aを湿式摩擦係合装置30に使用した場合の効果につ
いても、第一実施形態の場合と同じである。即ち、湿式
摩擦プレート1との係合の最初の段階では、比較的小さ
い荷重で圧接させることができるため、より滑らかな初
期係合を確保することができる一方、以後の最終的な係
合がなされるまでの段階では、たわみ変形に要する荷重
が増加するため、係合時の衝撃を吸収するために十分な
弾性(変形)エネルギ量を確保することができる。つま
り、係合ショックが十分に緩和された滑らかな係合特性
を得ることができる。また、各段階での弾性係数は、波
状の凹凸の高さや周期(ピッチ)及び数等を変えること
によって、それぞれ独立的に、しかも多様に調整するこ
とができるため、湿式摩擦係合装置30の具体的特性等
に対応する良好な係合特性、或いはニーズに対応する所
望の変速フィーリング性を容易に得ることができる。更
に、摩擦係合を解除した場合の切れ特性が向上し、ま
た、ドラッグトルクを減少させることができる点、等に
ついても同様である。
【0056】なお、ウェーブパターンに関する他の態様
及び技術的詳細は、第一実施形態の場合と同様であり、
また、そのウェーブパターンは、波状の凹凸の凸頂部ま
たは基底部のいずれかを同一の水準面に位置させた第二
実施形態のような態様であることもできる。また、この
ようなウェーブを付したカウンタプレート2aは、第一
及び第二実施形態の湿式摩擦プレート1a,1bのコア
プレート10と同様に、十分な弾性変形が可能な鋼板、
特に、バネ鋼板から形成され、また、一般にプレス成形
によりウェーブを付した後、焼入れ処理を施すことによ
って作製することができる。ただし、湿式摩擦プレート
1a,1bの場合のウェーブの弾性係数は、コアプレー
ト10自体の弾性係数の他にペーパー系湿式摩擦材12
も関係するのに対して、このカウンタプレート2aの場
合のウェーブの弾性係数は、その形状パターンと素材の
厚さ及び弾性率によって定まる。
【0057】なお、本実施形態のカウンタプレート2a
及びこれを使用した湿式摩擦係合装置30は、請求項1
及び請求項3、特に、請求項3の態様に相当する。
【0058】〔第四実施形態〕更に、上記のような係合
ショックを緩和するためのウェーブは、湿式摩擦プレー
トのペーパー系湿式摩擦材自体に設けることもできる。
【0059】図9は本発明の第四実施形態の湿式摩擦プ
レートを示す平面図である。また、図10はその第四実
施形態の湿式摩擦プレートを円周方向に切断した場合の
1/3周の断面を、同じくカウンタプレートの1/3の
断面と共に展開して示す展開図である。
【0060】図9及び図10のように、全体を1cで示
す第四実施形態の湿式摩擦プレートは、第一及び第二実
施形態の湿式摩擦プレート1a,1bと同様に、例え
ば、鋼板から形成された金属製のコアプレート10と、
その両側面に接着接合されたペーパー系湿式摩擦材12
とからなっている。ただし、そのコアプレート10は平
板状であり、ペーパー系湿式摩擦材12自体の表面に、
高さが異なる2種類以上の波状の凹凸が付されている。
【0061】具体的には、ペーパー系湿式摩擦材12の
表面には、比較的大きい高さh1 を有する波状の凸部T
1 と、高さがそれよりも小さいh2 である波状の凸部T
2 とが、円周回りに、即ち、それらの波状凸部T1 ,T
2 の頂部(稜線)が放射状となるように、平坦な凹部B
を介して交互に、かつ、同一ピッチで3個ずつ形成され
ている。したがって、本実施形態の湿式摩擦プレート1
cの表面形状は、波状の凹凸が断続的である点、即ち、
凹部Bが平坦である点以外は、第一実施形態の湿式摩擦
プレート1aと同様のパターンを有している。
【0062】また、これらの波状凸部T1 ,T2 は、凹
部Bよりも気孔率が高く形成され、それによってその弾
性係数が低くなるように形成されている。つまり、この
湿式摩擦プレート1cを通常の平板状のカウンタプレー
ト2と組合わせて湿式摩擦係合装置30に使用し、作動
手段を作動してこれらを相互に圧接させ、摩擦係合させ
た場合に、それらの波状凸部T1 ,T2 が凹部Bと略同
一面に弾性的に圧縮変形するように形成されている。そ
して、このような波状凸部T1 ,T2 を有するペーパー
系湿式摩擦材12は、抄紙体を比較的嵩高に形成し、こ
れに樹脂結合剤を含浸した後、凸部T1 ,T2 となる部
分を対応する凹としたプレス金型を用いて加圧加熱成形
することによって成形することができる。なお、この場
合、凹部Bの部分の気孔率が通常のペーパー系湿式摩擦
材と同等となるように調整される。また、このペーパー
系湿式摩擦材の加圧加熱成形は、コアプレート10上で
それの接着接合と併せて行うこともできる。
【0063】そのため、この湿式摩擦プレート1cによ
れば、第一実施形態の湿式摩擦プレート1aの場合と同
様の荷重特性、即ち、図4のように、たわみ変形に対す
る荷重が2段階に変化する荷重特性を得ることができ
る。即ち、カウンタプレート2との係合時の最初の段階
では、3点の高さが大きい方の波状凸部T1 のみが圧縮
されるのに対し、h1 −h2 (両面合わせてこれの2
倍)の長さだけ変形されると、それ以後の段階では、高
さが小さい方の3点の波状凸部T2 も合わせて圧縮され
る。したがって、本第四実施形態では、第一実施形態の
場合と同じ効果が得られ、湿式摩擦係合装置30の具体
的特性等に対応して、それに適合する良好な係合特性、
即ち、係合ショックが緩和された滑らかな係合特性を得
ることができ、また、ニーズに対応する所望の変速フィ
ーリング性等も容易に得ることができる。
【0064】なお、ここで、所望の荷重特性は、波状凸
部Tの高さ及びその種類数等を適当に設定し、また、各
種類における波状凸部Tの数及びその長さを調整して、
弾性係数を適当に調節することによって、得ることがで
きる。ただし、第一実施形態のウェーブパターンの場合
と同様に、少なくとも最も高さが高い波状凸部T1 の数
は、安定的な係合のために、2個以上であることが好ま
しく、3個以上であることがより好ましい。
【0065】また、この場合、各波状凸部Tの断面形状
は緩かに湾曲する山状であることが好ましいが、本実施
形態におけるその波状凸部Tの変形は単純な圧縮変形で
あるため、例えば、台形のような形状であることもでき
る。また、このような波状凸部Tは、例えば、図5の第
二実施形態の場合のように周方向に連続して配列させる
こともできる。しかし、気孔率が高く形成された波状凸
部Tは偏摩耗も同時に生じ易く、そのため、摩擦係合時
のカウンタプレート2との面接触を良好なものとするた
めにも、波状凸部Tの部分は緩衝のために必要な最小限
度に止め、平坦な凹部Bの部分の割合を多くすることが
好ましい。
【0066】更に、この波状凸部Tは、その長さ方向が
放射方向に沿うような配列だけでなく、その長さ方向が
円周方向に沿うような配列であることもできる。また、
十分な弾性係数が得られる限りにおいて、その凸部を実
質的に長さを有しない点状に形成することも可能ではあ
る。しかしながら、長さ方向が放射方向に沿うように配
列された波状凸部Tは、潤滑油を摩擦係合面から排出
し、また摩擦係合面に流入するための溝を形成するだけ
でなく、潤滑油を内径側から外径側に送出す羽根のよう
な働きも有するため、特に好ましい。
【0067】なお、本実施形態の湿式摩擦プレート1c
及びこれを使用した湿式摩擦係合装置30は、請求項1
及び請求項4、特に、請求項4の態様に相当する。
【0068】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかる湿式摩
擦係合装置は、潤滑油中で互いに圧接して摩擦係合する
リング状の湿式摩擦プレートとカウンタプレートと、こ
れらの摩擦係合プレートを相互に圧接作動する作動手段
とを備え、前記湿式摩擦プレートはリング状の金属板製
コアプレートとその両側面に接着接合されたペーパー系
湿式摩擦材とからなる湿式摩擦係合装置において、それ
らの湿式摩擦プレートとカウンタプレートのいずれか一
方の摩擦係合表面には、高さが異なる2種類以上からな
り、かつ、摩擦係合時に平面状に弾性変形する複数の波
状の凹凸が円周方向に付されていることを特徴とするも
のである。
【0069】したがって、この湿式摩擦係合装置によれ
ば、摩擦係合時に平面状に弾性変形する波状の凹凸が高
さの異なる2種類以上のものからなるため、たわみ変形
に対する荷重が、その波状の凹凸の高さの種類の数に応
じて段階的に順次増加するように変化する荷重特性を得
ることができる。そのため、湿式摩擦プレートとカウン
タプレートとの係合時の初期の段階では、比較的小さな
荷重で圧接させることができるので、十分に滑らかな係
合を得ることができる一方、以後の段階では、比較的大
きな荷重でたわみ変形させることができるので、係合時
の衝撃エネルギを十分に吸収することができる。即ち、
この湿式摩擦係合装置によれば、係合ショックが十分に
緩和された滑らかな係合特性を、湿式摩擦係合装置の具
体的特性等に対応して容易に得ることができる。また、
波状の凹凸の高さ(弾性率)や数等を適当に設定するこ
とによってその荷重特性を多様に変えることができるた
め、ニーズに対応する所望の係合特性、例えば、変速フ
ィーリング性を容易に得ることができる。
【0070】また、請求項2にかかる湿式摩擦プレート
は、潤滑油中でカウンタプレートと圧接して摩擦係合す
る湿式摩擦プレートにおいて、リング状の弾性変形可能
な鋼板から形成され、高さが異なる2種類以上の波状の
凹凸からなるウェーブが円周方向に付されたコアプレー
トと、そのコアプレートの両側面に接着接合されたペー
パー系湿式摩擦材とを具備するものである。
【0071】したがって、この湿式摩擦プレートによれ
ば、それの円周方向に、高さが異なる2種類以上の波状
の凹凸からなるウェーブが付されているので、たわみ変
形に対する荷重が、その波状の凹凸の高さの種類の数に
応じて段階的に順次増加するように変化する荷重特性を
得ることができる。そのため、請求項1の場合と同様
に、係合ショックが十分に緩和された滑らかな係合特性
を、湿式摩擦係合装置の具体的特性等に対応して容易に
得ることができ、また、ニーズに対応する所望の係合特
性を容易に得ることができる。
【0072】更に、請求項3にかかるカウンタプレート
は、潤滑油中で湿式摩擦プレートと圧接して摩擦係合す
るカウンタプレートにおいて、リング状の弾性変形可能
な鋼板から形成され、高さが異なる2種類以上の波状の
凹凸からなるウェーブが円周方向に付されていることを
特徴とするものである。
【0073】したがって、このカウンタプレートによれ
ば、それの円周方向に、高さが異なる2種類以上の波状
の凹凸からなるウェーブが付されているので、請求項1
及び請求項2の場合と同様に、たわみ変形に対する荷重
が、その波状の凹凸の高さの種類の数に応じて段階的に
順次増加するように変化する荷重特性を得ることができ
る。そのため、同様に、係合ショックが十分に緩和され
た滑らかな係合特性を、湿式摩擦係合装置の具体的特性
等に対応して容易に得ることができ、また、ニーズに対
応する所望の係合特性を容易に得ることができる。
【0074】加えて、請求項4にかかる湿式摩擦プレー
トは、潤滑油中でカウンタプレートと圧接して摩擦係合
する湿式摩擦プレートにおいて、リング状の金属板製コ
アプレートと、コアプレートの両側面に接着接合され、
高さが異なる2種類以上の波状の凹凸を表面に有し、そ
の波状の凹凸の凸部は凹部よりも気孔率が高く形成さ
れ、それによって弾性率が低く形成されているペーパー
系湿式摩擦材とを具備するものである。
【0075】したがって、この湿式摩擦プレートによれ
ば、ペーパー系湿式摩擦材の表面には、高さが異なる2
種類以上の波状の凹凸であって、凸部の気孔率が凹部よ
りも高くされることによってその弾性率が低くされた波
状の凹凸が設けられているので、請求項1及び請求項2
の場合と同様に、たわみ変形に対する荷重が、その波状
の凹凸の高さの種類の数に応じて段階的に順次増加する
ように変化する荷重特性を得ることができる。そのた
め、同様に、係合ショックが十分に緩和された滑らかな
係合特性を、湿式摩擦係合装置の具体的特性等に対応し
て容易に得ることができ、また、ニーズに対応する所望
の係合特性を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施形態の湿式摩擦プレ
ートとカウンタプレートとを斜視で示すと共に、これら
の湿式摩擦係合要素を使用した湿式摩擦係合装置の一例
を断面で示す説明図である。
【図2】 図2は本発明の第一実施形態の湿式摩擦プレ
ートを、ペーパー系湿式摩擦材の一部を切欠いて示す平
面図である。
【図3】 図3は本発明の第一実施形態の湿式摩擦プレ
ートを円周方向に切断した場合の全周の断面を、同じく
カウンタプレートの全周の断面と共に展開して示す円周
方向断面展開図である。
【図4】 図4は本発明の第一実施形態の湿式摩擦プレ
ートの荷重特性を示す特性図である。
【図5】 図5は本発明の第二実施形態の湿式摩擦プレ
ートを示す平面図である。
【図6】 図6は本発明の第二実施形態の湿式摩擦プレ
ートを円周方向に切断した場合の全周の断面を、同じく
カウンタプレートの全周の断面と共に展開して示す円周
方向断面展開図である。
【図7】 図7は本発明の第三実施形態のカウンタプレ
ートを示す平面図である。
【図8】 図8は本発明の第三実施形態のカウンタプレ
ートを円周方向に切断した場合の全周の断面を、同じく
湿式摩擦プレートの全周の断面と共に展開して示す円周
方向断面展開図である。
【図9】 図9は本発明の第四実施形態の湿式摩擦プレ
ートを示す平面図である。
【図10】 図10は本発明の第四実施形態の湿式摩擦
プレートを円周方向に切断した場合の1/3周の断面
を、同じくカウンタプレートの1/3周の断面と共に展
開して示す円周方向断面展開図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 湿式摩擦プレート 10 コアプレート 12 ペーパー系湿式摩擦材 2,2a カウンタプレート T 凸部 B 凹部 U ウェーブ単位 30 湿式摩擦係合装置(湿式多板形クラッチ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油中で互いに圧接して摩擦係合する
    リング状の湿式摩擦プレート及びカウンタプレートと、
    これらの摩擦係合プレートを相互に圧接作動する作動手
    段とを有し、前記湿式摩擦プレートはリング状の金属板
    製コアプレートとその両側面に接着接合されたペーパー
    系湿式摩擦材とからなる湿式摩擦係合装置において、 前記湿式摩擦プレートと前記カウンタプレートのいずれ
    か一方の摩擦係合表面には、高さが異なる2種類以上か
    らなり、かつ、摩擦係合時に平面状に弾性変形する複数
    の波状の凹凸が円周方向に付されていることを特徴とす
    る湿式摩擦係合装置。
  2. 【請求項2】 潤滑油中でカウンタプレートと圧接して
    摩擦係合する湿式摩擦プレートにおいて、 リング状の弾性変形可能な鋼板から形成され、高さが異
    なる2種類以上の波状の凹凸からなるウェーブが円周方
    向に付されたコアプレートと、 前記コアプレートの両側面に接着接合されたペーパー系
    湿式摩擦材とを具備することを特徴とする湿式摩擦プレ
    ート。
  3. 【請求項3】 潤滑油中で湿式摩擦プレートと圧接して
    摩擦係合するカウンタプレートにおいて、 リング状の弾性変形可能な鋼板から形成され、高さが異
    なる2種類以上の波状の凹凸からなるウェーブが円周方
    向に付されていることを特徴とするカウンタプレート。
  4. 【請求項4】 潤滑油中でカウンタプレートと圧接して
    摩擦係合する湿式摩擦プレートにおいて、 リング状の金属板製コアプレートと、 前記コアプレートの両側面に接着接合され、高さが異な
    る2種類以上の波状の凹凸を表面に有し、前記波状の凹
    凸の凸部は凹部よりも気孔率が高く形成され、それによ
    って弾性率が低く形成されているペーパー系湿式摩擦材
    とを具備することを特徴とする湿式摩擦プレート。
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