JP2008121870A - 鳴きを低減する電磁ブレーキ - Google Patents

鳴きを低減する電磁ブレーキ Download PDF

Info

Publication number
JP2008121870A
JP2008121870A JP2006309538A JP2006309538A JP2008121870A JP 2008121870 A JP2008121870 A JP 2008121870A JP 2006309538 A JP2006309538 A JP 2006309538A JP 2006309538 A JP2006309538 A JP 2006309538A JP 2008121870 A JP2008121870 A JP 2008121870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
friction surface
armature
recesses
brake lining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006309538A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4592674B2 (ja
Inventor
Hirobumi Kakumaru
博文 角丸
Hiroteru Morimoto
浩輝 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubaki Emerson Co
Original Assignee
Tsubaki Emerson Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubaki Emerson Co filed Critical Tsubaki Emerson Co
Priority to JP2006309538A priority Critical patent/JP4592674B2/ja
Publication of JP2008121870A publication Critical patent/JP2008121870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4592674B2 publication Critical patent/JP4592674B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】アーマチュアおよび受圧プレートに加工を施してもブレーキギャップ調整作業を困難にすることがない、鳴きを低減する電磁ブレーキを提供する。
【解決手段】電磁コイル2を埋設したフィールドコア1と、一側面にブレーキライニング8を有しモータ軸(回転軸)Msとともに回転するブレーキディスク7と、フィールドコア1とブレーキディスク7との間に配置されモータ軸(回転軸)Msの軸方向にのみ移動可能なアーマチュア4と、アーマチュア4をブレーキディスク7に圧接する方向に付勢する圧縮コイルばね(制動ばね)3とを備え、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、作動時にブレーキライニング8の摩擦面8aに対して圧接するアーマチュア4の摩擦面5に円周方向に間隔をおいて複数の凹部5aを形成したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減する電磁ブレーキに関するものである。本明細書において鳴きとは、電磁ブレーキの作動時に摩擦面で発生する振動音のことである。
従来、鳴きを低減する電磁ブレーキとして、次のようなものが提案されている。すなわち、一方が回転規制され他方が回転体に連動する制動板(本発明の実施例の受圧プレートに相当)と摩擦板(本発明の実施例のブレーキディスクに相当)との圧接によって回転体に制動力を加える摩擦式ブレーキであって、制動板(本発明の実施例の受圧プレートに相当)の摩擦板(本発明の実施例のブレーキディスクに相当)との接触面(本発明の実施例の受圧プレートの摩擦面に相当)に周方向に間隔をおいて複数の凸部を形成した摩擦式ブレーキ、が提案されている(実公平6−11378号公報参照)。
また、上記の従来例とは別に、鳴きを低減する電磁クラッチ・ブレーキとして、次のようなものが提案されている。すなわち、粘弾性体と拘束板とを接着した複合板を、アーマチュアあるいはロータおよびフェーシングの裏面に取り付けた電磁クラッチ・ブレーキ、が提案されている(実開平6−80036号公報参照)。
実公平6−11378号公報 実開平6−80036号公報
ところで、前記実公平6−11378号公報に開示された摩擦式ブレーキにおいては、制動板(本発明の実施例の受圧プレートに相当)に複数の凸部を形成するには、両面に波状の凹凸が必要となるため、薄い板でないと加工が困難であり、アーマチュアに加工を施す場合、薄い板や凹凸の影響で、吸引力が極端に低下するため対応が困難である。また、波状による弾性力(バネ性)が大きい場合にはブレーキギャップの調整が困難となり、逆に弾性力(バネ性)が小きい場合には効果が減少する。
また、前記実開平6−80036号公報に開示された電磁クラッチ・ブレーキにおいては、粘弾性体を含む複合板を使用しているため、粘弾性体に柔らかい材料を使用するとブレーキギャップの調整が困難となり、硬い材料を使用すると効果がなくなる。
そこで、本発明は、アーマチュアおよび受圧プレートに加工を施してもブレーキギャップ調整作業を困難にすることがない、鳴きを低減する電磁ブレーキを提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、電磁コイルを埋設したフィールドコアと、一側面にブレーキライニングを有し回転軸とともに回転するブレーキディスクと、前記フィールドコアと前記ブレーキディスクとの間に配置され前記回転軸の軸方向にのみ移動可能なアーマチュアと、前記アーマチュアを前記ブレーキディスクに圧接する方向に付勢する制動ばねとを備え、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、作動時に前記ブレーキライニングの摩擦面に対して圧接する前記アーマチュアの摩擦面に円周方向に間隔をおいて複数の凹部を形成したものである。
請求項2記載の発明は、電磁コイルを埋設したフィールドコアと、両側面にブレーキライニングを有し回転軸とともに回転するブレーキディスクと、前記フィールドコアと前記ブレーキディスクとの間に配置され前記回転軸の軸方向にのみ移動可能なアーマチュアと、前記ブレーキディスクと対向して配置され前記フィールドコアに固定された受圧プレートと、前記アーマチュアを前記ブレーキディスクに圧接する方向に付勢する制動ばねとを備え、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、作動時に前記ブレーキライニングの摩擦面に対して圧接する前記アーマチュアおよび前記受圧プレートの各摩擦面に円周方向に間隔をおいて複数の凹部を形成したものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、前記複数の凹部の各々は、その外径側の一部が前記ブレーキライニングの摩擦面に対して開放され、その内径側は閉鎖されており、かつその内径側の閉鎖位置は前記ブレーキライニングの摩擦面の内径側位置とほぼ一致しているものである。
請求項1記載の発明によれば、次のような効果を有する。
作動時に前記ブレーキライニングの摩擦面に対して圧接する前記アーマチュアの摩擦面に円周方向に間隔をおいて複数の凹部を形成したものであるので、電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、前記アーマチュアの摩擦面の接触部だけが回転中の前記ブレーキライニングの摩擦面に圧接するから、ブレーキライニングの摩擦面に対してアーマチュアの摩擦面が全面で圧接するものに比べて鳴きの発生要因となるスティックスリップ現象が起こりにくい。
したがって、スティックスリップ現象に基づく鳴きを低減することができる。
また、鳴きを低減させるために前記アーマチュアの摩擦面に複数の凹部を形成するだけで弾性部材を使用していないので、ブレーキギャップ調整作業を困難にすることがない。
作動時に前記ブレーキライニングに内在された変形エネルギーを前記アーマチュアの摩擦面に形成した複数の凹部で解放するので、変形エネルギーによる振動を抑制できる。そして、鳴きの要因となる変形エネルギーが解放できるので、鳴きを低減することができる。
電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、前記アーマチュアの摩擦面の接触部だけが回転中の前記ブレーキライニングの摩擦面に圧接するので、面圧が増加し、前記ブレーキライニングの摩擦面が安定する。
鉄製の前記アーマチュアの摩擦面に複数の凹部を形成しているので、ブレーキライニングの摩擦面に凹部を形成するものに比べ、摩擦により凹部がなくなることがなく、構造を長期間維持できる。
請求項2記載の発明によれば、次のような効果を有する。
作動時に前記ブレーキライニングの摩擦面に対して圧接する前記アーマチュアおよび前記受圧プレートの各摩擦面に円周方向に間隔をおいて複数の凹部を形成したものであるので、電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、前記アーマチュアの摩擦面の接触部と前記受圧プレートの摩擦面の接触部だけが回転中の前記ブレーキライニングの摩擦面に圧接するから、ブレーキライニングの摩擦面に対してアーマチュアおよび受圧プレートの各摩擦面が全面で圧接するものに比べて鳴きの発生要因となるスティックスリップ現象が起こりにくい。
したがって、スティックスリップ現象に基づく鳴きを低減することができる。
また、鳴きを低減させるために前記アーマチュアの摩擦面および前記受圧プレートの摩擦面にそれぞれ複数の凹部を形成するだけで弾性部材を使用していないので、ブレーキギャップ調整作業を困難にすることがない。
作動時に前記ブレーキライニングに内在された変形エネルギーを、前記アーマチュアの摩擦面に形成した複数の凹部と前記受圧プレートの摩擦面に形成した複数の凹部とで解放するので、変形エネルギーによる振動を抑制できる。そして、鳴きの要因となる変形エネルギーが解放できるので、鳴きを低減することができる。
電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、前記アーマチュアの摩擦面の接触部と前記受圧プレートの摩擦面の接触部だけが回転中の前記ブレーキライニングの摩擦面に圧接するので、面圧が増加し、前記ブレーキライニングの摩擦面が安定する。
鉄製の前記アーマチュアおよび鉄製の前記受圧プレートの各摩擦面に複数の凹部を形成しているので、ブレーキライニングの摩擦面に凹部を形成するものに比べ、摩擦により凹部がなくなることがなく、構造を長期間維持できる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明による効果に加えて、次のような効果を有する。
請求項1または2記載の鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、前記複数の凹部の各々は、その外径側の一部が前記ブレーキライニングの摩擦面に対して開放され、その内径側は閉鎖されており、かつその内径側の閉鎖位置は前記ブレーキライニングの摩擦面の内径側位置とほぼ一致しているものであるので、摩耗粉の内部への侵入を防止し、摩耗粉による軸受の故障等を低減できる。また、前記ブレーキライニングの回転時に遠心力が作用し、摩耗粉が各凹部を通じて外部へ排出される。また、各凹部の大半が前記ブレーキライニングの摩擦面の位置内にあるため、各凹部で空気が圧縮され、その空気とともに摩耗粉が外部に勢いよく排出される。また、各凹部で前記ブレーキライニングの摩擦面に付着している摩耗粉を外に排出することが可能となるので、前記ブレーキライニングの摩擦面が安定する。
本発明の鳴きを低減する電磁ブレーキの最良の形態としては、無励磁形電磁ブレーキをブレーキモータに組み込んだもので、以下のとおりである。
すなわち、電磁コイル2を埋設したフィールドコア1と、一側面にブレーキライニング8を有しモータ軸(回転軸)Msとともに回転するブレーキディスク7と、フィールドコア1とブレーキディスク7との間に配置されモータ軸(回転軸)Msの軸方向にのみ移動可能なアーマチュア4と、アーマチュア4をブレーキディスク7に圧接する方向に付勢する圧縮コイルばね(制動ばね)3とを備え、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、作動時にブレーキライニング8の摩擦面8aに対して圧接するアーマチュア4の摩擦面5に円周方向に間隔をおいて複数の凹部5aを形成したものである。
その各実施例を以下に説明する。
本発明の実施例1の無励磁作動形電磁ブレーキについて以下に説明する。
図1は本発明の実施例1の無励磁作動形電磁ブレーキをブレーキモータに組み込んだ状態を示す軸方向の断面図である。図2は本発明の実施例1,2における、各摩擦面に複数の凹部を形成したアーマチュアおよび受圧プレートを示し、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。図3は図2に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。図4は図2,3に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2,3に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。図5は図2,3,4に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2,3,4に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。図6は図2,3,4,5に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2,3,4,5に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。
本発明の実施例1の無励磁作動形電磁ブレーキは、図1に示すように、電磁コイル2を埋設したフィールドコア1と、一側面にブレーキライニング8を有しモータ軸(回転軸)Msとともに回転するブレーキディスク7と、フィールドコア1とブレーキディスク7との間に配置されモータ軸(回転軸)Msの軸方向にのみ移動可能なアーマチュア4と、アーマチュア4をブレーキディスク7に圧接する方向に付勢する圧縮コイルばね(制動ばね)3とを備えている。
図1に示すように、フィールドコア1は磁性材料で形成されており、内部に電磁コイル2が埋設されている。そして、フィールドコア1は、モータブラケットMbに取り付けられている。また、フィールドコア1には、3個のばね支持孔(1個のみ図示)が形成されており、各ばね支持孔には、圧縮コイルばね(制動ばね)3が収容されており、その一端部はモータブラケットMbの端面に当接している。
フィールドコア1に埋設された電磁コイル2と対向してアーマチュア4が配設されている。そのとき、アーマチュア4は圧縮コイルばね(制動ばね)3の他端に当接し、圧縮コイルばね(制動ばね)3によって後述するブレーキディスク7の方向に付勢力を受けている。アーマチュア4は磁性材料で形成されており、所定の厚みを有する円板状に形成されている。アーマチュア4は、その中心部に中心孔が設けられ、さらに、3個のガイド孔(1個のみ図示)を有している。また、取付ボルト6の頭部をガイド孔に挿入しているので、アーマチュア4は、モータ軸(回転軸)Msの軸方向にのみ移動可能である。
フィールドコア1中心部には、中心孔が形成されており、軸受によって支持されたモータ軸(回転軸)Msがこの中心孔を貫通している。そして、一側面にブレーキライニング8を固着し他側面に羽根を有するブレーキディスク7が、キーを介してモータ軸(回転軸)Msに取り付けられるとともに、モータ軸(回転軸)Msの軸端の小径のおねじ部にフランジ付き調整ナット9によって固定されている。また、フランジ付き調整ナット9はボルト10によりブレーキディスク7のボス部に取り付けられている。したがって、ブレーキディスク7はモータ軸(回転軸)Msとともに回転する。
次に、本発明の実施例1の無励磁作動形電磁ブレーキの特徴点は、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減するため、作動時にブレーキライニング8の摩擦面8aに対して圧接するアーマチュア4の摩擦面5に円周方向に間隔をおいて複数の凹部5a(5b,5c,5d,5e)を形成した点である。以下、この点について詳細に説明する。
図2に示すように、作動時にブレーキライニング8の摩擦面8aに対して圧接するアーマチュア4の摩擦面5に円周方向に間隔をおいて複数の凹部5aを形成している。図2に示す各凹部5aの形状は、正面から見てほぼカップ状をしており、各凹部5a以外の部分は接触部5sを構成している。したがって、アーマチュア4の摩擦面5は複数の凹部5aと接触部5sとから構成されている。
なお、図2(B)においては斜線部が各凹部5aを示している。また、各凹部5a間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図2(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング8の摩擦面8aを示している。また、図2(B)に示すように、複数の凹部5aの各々は、その外径側の一部がブレーキライニング8の摩擦面8aに対して開放され、その内径側は閉鎖されており、かつその内径側の閉鎖位置はブレーキライニング8の摩擦面8aの内径側位置とほぼ一致している。また、各凹部5aの深さは、ブレーキ寿命の作動回数に耐え得る深さであり、電磁力(吸引動作)に影響の出ない程度である。
アーマチュア4の摩擦面5に形成する複数の凹部の形状は、図2に示す各凹部5aに限定されるものではなく、図2に示すものと相違する図3,4,5,6に示すものであってよい。
図3に示す各凹部5bの形状は、図3(B)に示すように、正面から見て円形をしており、各凹部5b以外の部分は接触部5sを構成している。したがって、アーマチュア4の摩擦面5は複数の凹部5bと接触部5sとから構成されている。
なお、図3(B)においては斜線部が各凹部5bを示している。また、各凹部5b間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図3(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング8の摩擦面8aを示している。また、ブレーキライニング8の摩擦面8aに対する各凹部5bの位置関係と、各凹部5bの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
図4に示す各凹部5cは、図4(A),(B)に示すように、円周方向に波状に形成されており、各凹部5c以外の部分は接触部5sを構成している。したがって、アーマチュア4の摩擦面5は複数の凹部5cと接触部5sとから構成されている。なお、図4(B)においては斜線部が各凹部5cを示している。そして、図4(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング8の摩擦面8aを示している。また、ブレーキライニング8の摩擦面8aに対する各凹部5cの位置関係と、各凹部5cの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
図5に示す各凹部5dは、図5(B)に示すように、正面から見て半楕円形をしており、各凹部5d以外の部分は接触部5sを構成している。したがって、アーマチュア4の摩擦面5は複数の凹部5dと接触部5sとから構成されている。
なお、図5(B)においては斜線部が各凹部5dを示している。また、各凹部5d間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図5(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング8の摩擦面8aを示している。また、ブレーキライニング8の摩擦面8aに対する各凹部5dの位置関係と、各凹部5dの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
図6に示す各凹部5eは、図6(B)に示すように、正面から見て円形と溝から構成されるかぎ穴形状をしており、各凹部5e以外の部分は接触部5sを構成している。したがって、アーマチュア4の摩擦面5は複数の凹部5eと接触部5sとから構成されている。
なお、図6(B)においては斜線部が各凹部5eを示している。また、各凹部5e間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図6(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング8の摩擦面8aを示している。また、ブレーキライニング8の摩擦面8aに対する各凹部5eの位置関係と、各凹部5eの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
次に、本発明の実施例1の無励磁作動形電磁ブレーキの動作について説明する。
ブレーキモータの起動時には、ブレーキモータに通電されるとほぼ同時に電磁コイル2にも通電される。電磁コイル2に通電されることによりフィールドコア1が励磁され、圧縮コイルばね(制動ばね)3の付勢力に抗してアーマチュア4がフィールドコア1に吸着され、圧縮コイルばね(制動ばね)3の付勢力によって互いに圧接させられていたブレーキライニング8の摩擦面8aとアーマチュア4の摩擦面5の接触部5sとの互いの圧接状態が解除される。これによって、ブレーキディスク7は回転自在の状態になり、モータ軸(回転軸)Msは回転を開始する。
また、ブレーキモータの停止時には、ブレーキモータへの通電が断たれるとほぼ同時に電磁コイル2への通電が断たれる。電磁コイル2への通電が断たれると、フィールドコア1が消磁し、アーマチュア4の吸引が解除され、圧縮コイルばね(制動ばね)3の付勢力によってアーマチュア4の摩擦面5の接触部5sがブレーキライニング8の摩擦面8aに圧接される。ブレーキモータへの通電が断たれてもモータ軸(回転軸)Msは慣性で回転している。
そこで、アーマチュア4の摩擦面5の接触部5sが回転中のブレーキライニング8の摩擦面8aに圧接されることにより、ブレーキディスク7に制動力が作用し、モータ軸(回転軸)Msは回転を停止させられる。
本発明の実施例1の無励磁作動形電磁ブレーキによれば、以下の効果を有する。
なお、以下の効果についての説明は、アーマチュア4の摩擦面5に複数の凹部5aを形成した場合を例に説明しているが、各凹部5aに代えて、アーマチュア4の摩擦面5に上記凹部5b,5c,5d,5eを形成した場合も、各凹部5aを形成した場合と同様の効果を有するので、上記凹部5b,5c,5d,5eを形成した場合の効果の説明は省略する。
上記電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、アーマチュア4の摩擦面5の接触部5sだけが回転中のブレーキライニング8の摩擦面8aに圧接するので、ブレーキライニングの摩擦面に対してアーマチュアの摩擦面が全面で圧接するものに比べて鳴きの発生要因となるスティックスリップ現象が起こりにくい。
したがって、スティックスリップ現象に基づく鳴きを低減することができる。
また、鳴きを低減させるためにアーマチュア4の摩擦面5に複数の凹部5aを形成するだけで弾性部材を使用していないので、ブレーキギャップ調整作業を困難にすることがない。
作動時にブレーキライニング8に内在された変形エネルギーをアーマチュア4の摩擦面5に形成した各凹部5aで解放するので、変形エネルギーによる振動を抑制できる。そして、鳴きの要因となる変形エネルギーが解放できるので、鳴きを低減することができる。
上記電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、アーマチュア4の摩擦面5の接触部5sだけが回転中のブレーキライニング8の摩擦面8aに圧接するので、面圧が増加し、ブレーキライニング8の摩擦面8aが安定する。
複数の凹部5aの各々は、その外径側の一部がブレーキライニング8の摩擦面8aに対して開放され、その内径側は閉鎖されており、かつその内径側の閉鎖位置はブレーキライニング8の摩擦面8aの内径側位置とほぼ一致しているので、摩耗粉の内部への侵入を防止し、摩耗粉による軸受の故障等を低減できる。また、ブレーキライニング8の回転時に遠心力が作用し、摩耗粉が各凹部5aを通じて外部へ排出される。また、各凹部5aの大半がブレーキライニング8の摩擦面8aの位置内にあるため、各凹部5aで空気が圧縮され、その空気とともに摩耗粉が外部に勢いよく排出される。また、各凹部5aでブレーキライニング8の摩擦面8aに付着している摩耗粉を外に排出することが可能となるので、ブレーキライニング8の摩擦面8aが安定する。
鉄製のアーマチュア4の摩擦面5に複数の凹部5aを形成しているので、ブレーキライニング8の摩擦面8aに凹部を形成するものに比べ、摩擦により各凹部5aがなくなることがなく、構造を長期間維持できる。
プレス加工でアーマチュア4の摩擦面5に複数の凹部5aを形成することにより、型代がかかるが削り加工に比べ、加工時間短縮となり、コスト的メリットも見込める。さらに、プレス加工を使用すれば、削り加工よりも各凹部5aのエッジ部をなくすことができ、アーマチュア4の摩擦面5の接触部5sと各凹部5aの境目でのブレーキライニング8の摩擦面8aの制動がスムーズとなり、変形エネルギーが蓄えにくくなる。
当社の実験において、アーマチュア4の摩擦面5が平らな場合(すなわち、複数の凹部5aを形成していない場合)は、常にブレーキ制動回数約500回で鳴きが発生していたが、実施例1の構造のものは、20万回以上の制動においても鳴きはなくなった。
本発明の実施例2の無励磁作動形電磁ブレーキについて以下に説明する。
図7は本発明の実施例2の無励磁作動形電磁ブレーキをブレーキモータに組み込んだ状態を示す軸方向の断面図である。
本発明の実施例2の無励磁作動形電磁ブレーキは、図7に示すように、電磁コイル22を埋設したフィールドコア21と、両側面にブレーキライニング34を有しモータ軸(回転軸)Msとともに回転するブレーキディスク33と、フィールドコア21とブレーキディスク33との間に配置されモータ軸(回転軸)Msの軸方向にのみ移動可能なアーマチュア24と、ブレーキディスク33と対向して配置されフィールドコア21に固定された受圧プレート31と、アーマチュア24をブレーキディスク33に圧接する方向に付勢する圧縮コイルばね(制動ばね)(図示されていない)とを備えている。
図7に示すように、フィールドコア21は磁性材料で形成されており、内部に電磁コイル22が埋設されている。そして、フィールドコア21は、モータフレームMfの一端側に取り付けられている。また、モータ軸(回転軸)Msはフィールドコア21の中心孔に軸受を介して支持されている。
フィールドコア21の端面には円周方向等間隔に3本のボルト26(1本のみ図示)がねじ込まれて取り付けられており、また、円周方向等間隔に3本のガイドピン37(1本のみ図示)が取り付けられている。
さらに、フィールドコア21の端面には図示していない圧縮コイルばね(制動ばね)を支持するばね支持孔が円周方向等間隔に形成されている。そして、図示していない圧縮コイルばね(制動ばね)は後述するアーマチュア24をフィールドコア21と反対方向に付勢している。また、3本のボルト26(1本のみ図示)の外周にはそれぞれスペーサ28とばね29が嵌め込まれている。
フィールドコア21に埋設された電磁コイル22に対向してアーマチュア24が配置されている。アーマチュア24は磁性材料で形成されており、所定の厚みを有する円板状に形成されている。アーマチュア24には、その中心部に中心孔が形成され、また、ガイドピン37(1本のみ図示)が貫通する3個のガイド孔(1個のみ図示)が円周方向等間隔に形成されている。
さらに、アーマチュア24には、3本のボルト26とその外周に嵌め込まれたスペーサ28とばね29とが貫通する3個の貫通孔(1個のみ図示)が円周方向等間隔に形成されている。そして、アーマチュア24はガイドピン37によって案内されてモータ軸(回転軸)Msの軸方向のみ移動が可能になっている。
アーマチュア24のフィールドコア21と反対側の端面に対向してブレーキディスク33が配置されている。ブレーキディスク33はブレーキライニング34と補強板35から構成され、ブレーキライニング34と補強板35を一体成形により製造されている。したがって、ブレーキディスク33はその両側面にブレーキライニング34を有している。ブレーキディスク33の中心部には角形の中心孔が形成されている。そして、ブレーキディスク33の中心孔には、断面形状が角形のセンタハブ36が2個の板ばね(図示していない)を介して嵌め込まれている。また、センタハブ36は中心孔とキー溝が形成されている。そして、センタハブ36はモータ軸(回転軸)Msにキーと止め輪によって取り付けられている。したがって、ブレーキディスク33は軸方向に移動可能であるとともにモータ軸(回転軸)Msとともに回転する。
ブレーキディスク33のアーマチュア24と反対側の端面に対向して受圧プレート31が配置されている。受圧プレート31には、その中心部に中心孔が形成され、また、3本のボルト26の先端部が貫通する3個の貫通孔(1個のみ図示)が円周方向等間隔に形成されている。そして、3本のボルト26の先端部にナット27を締結することによりスペーサ28とばね29とで受圧プレート31とフィールドコア21との間隔が一定に保持される。
次に、本発明の実施例2の無励磁作動形電磁ブレーキの特徴点は、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減するため、作動時にブレーキライニング34の摩擦面34aに対して圧接するアーマチュア24の摩擦面25に円周方向に間隔をおいて複数の凹部25a(25b,25c,25d,25e)を形成した点と、作動時にブレーキライニング34の摩擦面34aに対して圧接する受圧プレート31の摩擦面32に円周方向に間隔をおいて複数の凹部32a(32b,32c,32d,32e)を形成した点である。以下、この点について説明する。
図2に示すように、作動時にブレーキライニング34の摩擦面34aに対して圧接するアーマチュア24の摩擦面25に円周方向に間隔をおいて複数の凹部25aを形成している。同様に、作動時にブレーキライニング34の摩擦面34aに対して圧接する受圧プレート31の摩擦面32に円周方向に間隔をおいて複数の凹部32aを形成している。
図2に示す各凹部25a,32aの形状は、正面から見てほぼカップ状をしており、各凹部25a,32a以外の部分はそれぞれ接触部25s,32sを構成している。したがって、アーマチュア24の摩擦面25は複数の凹部25aと接触部25sとから構成されている。また、受圧プレート31の摩擦面32は複数の凹部32aと接触部32sとから構成されている。
なお、図2(B)においては斜線部が各凹部25a,32aを示している。また、各凹部25a,32a間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図2(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング34の摩擦面34aを示している。また、図2(B)に示すように、複数の凹部25a,32aの各々は、その外径側の一部がブレーキライニング34の摩擦面34aに対して開放され、その内径側は閉鎖されており、かつその内径側の閉鎖位置はブレーキライニング34の摩擦面34aの内径側位置とほぼ一致している。また、各凹部25a,32aの深さは、ブレーキ寿命の作動回数に耐え得る深さであり、電磁力(吸引動作)に影響の出ない程度である。
アーマチュア24の摩擦面25に形成する各凹部の形状および受圧プレート31の摩擦面32に形成する各凹部の形状は、図2に示す各凹部25aおよび各凹部32aに限定されるものではなく、図2に示すものと相違する図3,4,5,6に示すものであってよい。
図3に示す各凹部25b,32bの形状は、図3(B)に示すように、正面から見て円形をしており、各凹部25b,32b以外の部分はそれぞれ接触部25s,32sを構成している。したがって、アーマチュア24の摩擦面25は複数の凹部25bと接触部25sとから構成されている。また、受圧プレート31の摩擦面32は複数の凹部32bと接触部32sとから構成されている。
なお、図3(B)においては斜線部が各凹部25b,32bを示している。また、各凹部25b,32b間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図3(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング34の摩擦面34aを示している。また、ブレーキライニング34の摩擦面34aに対する各凹部25b,32bの位置関係と、各凹部25b,32bの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
図4に示す各凹部25c,32cは、図4(A),(B)に示すように、円周方向に波状に形成されており、各凹部25c,32c以外の部分はそれぞれ接触部25s,32sを構成している。したがって、アーマチュア24の摩擦面25は複数の凹部25cと接触部25sとから構成されている。また、受圧プレート31の摩擦面32は複数の凹部32cと接触部32sとから構成されている。
なお、図4(B)においては斜線部が各凹部25c,32cを示している。そして、図4(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング34の摩擦面34aを示している。また、ブレーキライニング34の摩擦面34aに対する各凹部25c,32cの位置関係と、各凹部25c,32cの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
図5に示す各凹部25d,32dは、図5(B)に示すように、正面から見て半楕円形をしており、各凹部25d,32d以外の部分はそれぞれ接触部25s,32sを構成している。したがって、アーマチュア24の摩擦面25は複数の凹部25dと接触部25sとから構成されている。また、受圧プレート31の摩擦面32は複数の凹部32dと接触部32sとから構成されている。
なお、図5(B)においては斜線部が各凹部25d,32dを示している。また、各凹部25d,32d間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図5(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング34の摩擦面34aを示している。また、ブレーキライニング34の摩擦面34aに対する各凹部25d,32dの位置関係と、各凹部25d,32dの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
図6に示す各凹部25e,32eは、図6(B)に示すように、正面から見て円形と溝から構成されるかぎ穴形状をしており、各凹部25e,32e以外の部分はそれぞれ接触部25s,32sを構成している。したがって、アーマチュア24の摩擦面25は複数の凹部25eと接触部25sとから構成されている。また、受圧プレート31の摩擦面32は複数の凹部32eと接触部32sとから構成されている。
なお、図6(B)においては斜線部が各凹部25e,32eを示している。また、各凹部25e,32e間の間隔は均等であってもよく、不均等であってもよい。そして、図6(B)において、仮想線で示す大小の同心円の間の領域が、ブレーキライニング34の摩擦面34aを示している。また、ブレーキライニング34の摩擦面34aに対する各凹部25e,32eの位置関係と、各凹部25e,32eの深さに関しては、図2についての説明と同じである。
次に、本発明の実施例2の無励磁作動形電磁ブレーキの動作について説明する。
ブレーキモータの起動時には、ブレーキモータに通電されるとほぼ同時に電磁コイル22にも通電される。電磁コイル22に通電されることによりフィールドコア21が励磁され、圧縮コイルばね(制動ばね)の付勢力に抗してアーマチュア24がフィールドコア21に吸着され、圧縮コイルばね(制動ばね)の付勢力によって互いに圧接させられていたブレーキライニング34の摩擦面34aとアーマチュア24の摩擦面25の接触部25sおよび受圧ブレーキ31の摩擦面32の接触部32sとの互いの圧接状態が解除される。これによって、ブレーキディスク33は回転自在の状態になり、モータ軸(回転軸)Msは回転を開始する。
また、ブレーキモータの停止時には、ブレーキモータへの通電が断たれるとほぼ同時に電磁コイル22への通電が断たれる。電磁コイル22への通電が断たれると、フィールドコア21が消磁し、アーマチュア24の吸引が解除され、圧縮コイルばね(制動ばね)の付勢力によってアーマチュア24の摩擦面25の接触部25sおよび受圧ブレーキ31の摩擦面32の接触部32sがブレーキライニング34の摩擦面34aに圧接される。ブレーキモータへの通電が断たれてもモータ軸(回転軸)Msは慣性で回転している。そこで、アーマチュア24の摩擦面25の接触部25sおよび受圧ブレーキ31の摩擦面32の接触部32sが回転中のブレーキライニング34の摩擦面34aに圧接されることにより、ブレーキディスク33に制動力が作用し、モータ軸(回転軸)Msは回転を停止させられる。
本発明の実施例2の無励磁作動形電磁ブレーキによれば、以下の効果を有する。
なお、以下の効果についての説明は、アーマチュア24の摩擦面25に複数の凹部25aを形成し、さらに、受圧プレート31の摩擦面32に複数の凹部32aを形成した場合を例に説明しているが、各凹部25aに代えて、アーマチュア24の摩擦面25に上記凹部25b,25c,25d,25eを形成し、さらに、各凹部32aに代えて、受圧プレート31の摩擦面32に上記凹部32b,32c,32d,32eを形成した場合も、各凹部25aおよび各凹部32aを形成した場合と同様の効果を有するので、上記凹部25b,25c,25d,25eおよび上記凹部32b,32c,32d,32eを形成した場合の効果の説明は省略する。
上記電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、アーマチュア24の摩擦面25の接触部25sと受圧プレート31の摩擦面32の接触部32sだけが回転中のブレーキライニング34の摩擦面34aに圧接するので、ブレーキライニングの摩擦面に対してアーマチュアの摩擦面および受圧プレートの摩擦面が全面で圧接するものに比べて鳴きの発生要因となるスティックスリップ現象が起こりにくい。
したがって、スティックスリップ現象に基づく鳴きを低減することができる。
また、鳴きを低減させるためにアーマチュア24の摩擦面25および受圧プレート31の摩擦面32にそれぞれ複数の凹部25a,32aを形成するだけで弾性部材を使用していないので、ブレーキギャップ調整作業を困難にすることがない。
作動時にブレーキライニング34に内在された変形エネルギーをアーマチュア24の摩擦面25に形成した各凹部25aと受圧プレート31の摩擦面32に形成した各凹部32aとで解放するので、変形エネルギーによる振動を抑制できる。そして、鳴きの要因となる変形エネルギーが解放できるので、鳴きを低減することができる。
上記電磁ブレーキの作動時(制動力の作用中)において、アーマチュア24の摩擦面25の接触部25sと受圧プレート31の摩擦面32の接触部32sだけが回転中のブレーキライニング34の摩擦面34aに圧接するので、面圧が増加し、ブレーキライニング34の摩擦面34aが安定する。
複数の凹部25a,32aの各々は、その外径側の一部がブレーキライニング34の摩擦面34aに対して開放され、その内径側は閉鎖されており、かつその内径側の閉鎖位置はブレーキライニング34の摩擦面34aの内径側位置とほぼ一致しているので、摩耗粉の内部への侵入を防止し、摩耗粉による軸受の故障等を低減できる。また、ブレーキライニング34の回転時に遠心力が作用し、摩耗粉が各凹部25a,32aを通じて外部へ排出される。また、各凹部25a,32aの大半がブレーキライニング34の摩擦面34aの位置内にあるため、各凹部25a,32aで空気が圧縮され、その空気とともに摩耗粉が外部に勢いよく排出される。また、各凹部25aおよび各凹部32aでブレーキライニング34の摩擦面34aに付着している摩耗粉を外に排出することが可能となるので、ブレーキライニング34の摩擦面34aが安定する。
鉄製のアーマチュア24の摩擦面25に複数の凹部25a形成し、さらに、鉄製の受圧プレート31の摩擦面32に複数の凹部32aを形成しているので、ブレーキライニング34の摩擦面34aに凹部を形成するものに比べ、摩擦により各凹部25a,32aがなくなることがなく、構造を長期間維持できる。
プレス加工でアーマチュア24の摩擦面25に複数の凹部25aを形成し、さらに受圧プレート31の摩擦面32に複数の凹部32aを形成することにより、型代がかかるが削り加工に比べ、加工時間短縮となり、コスト的メリットも見込める。
さらに、プレス加工を使用すれば、削り加工よりも各凹部25a,32aのエッジ部をなくすことができ、アーマチュア24の摩擦面25の接触部25sと各凹部25aの境目、および受圧プレート31の摩擦面32の接触部32sと各凹部32aの境目でのブレーキライニング34の摩擦面34aの制動がスムーズとなり、変形エネルギーが蓄えにくくなる。
本発明の実施例1の無励磁作動形電磁ブレーキをブレーキモータに組み込んだ状態を示す軸方向の断面図である。 本発明の実施例1,2における、各摩擦面に複数の凹部を形成したアーマチュアおよび受圧プレートを示し、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。 図2に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。 図2,3に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2,3に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。 図2,3,4に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2,3,4に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。 図2,3,4,5に示す複数の凹部とその形状が相違する複数の凹部を示す図2,3,4,5に相当する図で、(A)はその側面図、(B)はその正面図である。 本発明の実施例2の無励磁作動形電磁ブレーキをブレーキモータに組み込んだ状態を示す軸方向の断面図である。
符号の説明
1 フィールドコア
2 電磁コイル
3 圧縮コイルばね(制動ばね)
4 アーマチュア
5 アーマチュアの摩擦面
5a,5b,5c,5d,5e 凹部
5s 接触部
6 ボルト
7 ブレーキディスク
8 ブレーキライニング
8a ブレーキライニングの摩擦面
9 フランジ付き調整ナット
10 ボルト
21 フィールドコア
22 電磁コイル
24 アーマチュア
25 アーマチュアの摩擦面
25a,25b,25c,25d,25e 凹部
25s 接触部
26 ボルト
27 ナット
28 スペーサ
29 ばね
31 受圧プレート
32 受圧プレートの摩擦面
32a,32b,32c,32d,32e 凹部
32s 接触部
33 ブレーキディスク
34 ブレーキライニング
34a ブレーキライニングの摩擦面
35 補強板
36 センタハブ
37 ガイドピン
g ギャップ
Mf モータフレーム
Mb モータブラケット
Ms モータ軸(回転軸)

Claims (3)

  1. 電磁コイルを埋設したフィールドコアと、一側面にブレーキライニングを有し回転軸とともに回転するブレーキディスクと、前記フィールドコアと前記ブレーキディスクとの間に配置され前記回転軸の軸方向にのみ移動可能なアーマチュアと、前記アーマチュアを前記ブレーキディスクに圧接する方向に付勢する制動ばねとを備え、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、
    作動時に前記ブレーキライニングの摩擦面に対して圧接する前記アーマチュアの摩擦面に円周方向に間隔をおいて複数の凹部を形成したことを特徴とする鳴きを低減する電磁ブレーキ。
  2. 電磁コイルを埋設したフィールドコアと、両側面にブレーキライニングを有し回転軸とともに回転するブレーキディスクと、前記フィールドコアと前記ブレーキディスクとの間に配置され前記回転軸の軸方向にのみ移動可能なアーマチュアと、前記ブレーキディスクと対向して配置され前記フィールドコアに固定された受圧プレートと、前記アーマチュアを前記ブレーキディスクに圧接する方向に付勢する制動ばねとを備え、作動時に摩擦面で発生する鳴きを低減する電磁ブレーキにおいて、
    作動時に前記ブレーキライニングの摩擦面に対して圧接する前記アーマチュアおよび前記受圧プレートの各摩擦面に円周方向に間隔をおいて複数の凹部を形成したことを特徴とする鳴きを低減する電磁ブレーキ。
  3. 前記複数の凹部の各々は、その外径側の一部が前記ブレーキライニングの摩擦面に対して開放され、その内径側は閉鎖されており、かつその内径側の閉鎖位置は前記ブレーキライニングの摩擦面の内径側位置とほぼ一致していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鳴きを低減する電磁ブレーキ。
JP2006309538A 2006-11-15 2006-11-15 鳴きを低減する電磁ブレーキ Active JP4592674B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006309538A JP4592674B2 (ja) 2006-11-15 2006-11-15 鳴きを低減する電磁ブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006309538A JP4592674B2 (ja) 2006-11-15 2006-11-15 鳴きを低減する電磁ブレーキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008121870A true JP2008121870A (ja) 2008-05-29
JP4592674B2 JP4592674B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=39506828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006309538A Active JP4592674B2 (ja) 2006-11-15 2006-11-15 鳴きを低減する電磁ブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4592674B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011529161A (ja) * 2008-07-25 2011-12-01 イートン コーポレーション 力伝達アセンブリ
WO2018010524A1 (zh) * 2016-07-15 2018-01-18 山东贝格新能源科技有限公司 电机及其刹车盘、轮毂电机和具有盘式轮毂电机的汽车
JP2020045995A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 多摩川精機株式会社 回転機ブレーキ用摩擦材、回転機ブレーキ、および回転機
US10788090B2 (en) 2016-07-15 2020-09-29 Qiguang Wang Automobile having disc type hub motor
CN114215863A (zh) * 2021-12-08 2022-03-22 浙江玛拓驱动设备有限公司 盘式制动器

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104832570A (zh) * 2014-02-12 2015-08-12 上海三嵩精密机电有限公司 电磁刹车装置
CN110360252A (zh) * 2019-07-05 2019-10-22 南京多联摩擦材料有限公司 一种电磁离合器摩擦片及其生产工艺

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5650830U (ja) * 1979-09-28 1981-05-06
JPS62237124A (ja) * 1985-12-20 1987-10-17 Akebono Brake Res & Dev Center Ltd ブレ−キ用デイスク
JPH0611378Y2 (ja) * 1990-03-05 1994-03-23 株式会社椿本チエイン ブレーキ音を小さくした摩擦式ブレーキ
JPH09144781A (ja) * 1995-09-19 1997-06-03 Aisin Seiki Co Ltd ディスクブレーキ用ロータ
JPH09166157A (ja) * 1995-12-13 1997-06-24 Aisin Chem Co Ltd 湿式摩擦係合装置及びその摩擦係合プレート
JP2002048166A (ja) * 2000-08-04 2002-02-15 Kawasaki Heavy Ind Ltd 車両用ディスクブレーキ装置のディスクロータ
JP2002310205A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Mitsubishi Electric Corp 電磁ブレーキ装置および昇降機

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5650830U (ja) * 1979-09-28 1981-05-06
JPS62237124A (ja) * 1985-12-20 1987-10-17 Akebono Brake Res & Dev Center Ltd ブレ−キ用デイスク
JPH0611378Y2 (ja) * 1990-03-05 1994-03-23 株式会社椿本チエイン ブレーキ音を小さくした摩擦式ブレーキ
JPH09144781A (ja) * 1995-09-19 1997-06-03 Aisin Seiki Co Ltd ディスクブレーキ用ロータ
JPH09166157A (ja) * 1995-12-13 1997-06-24 Aisin Chem Co Ltd 湿式摩擦係合装置及びその摩擦係合プレート
JP2002048166A (ja) * 2000-08-04 2002-02-15 Kawasaki Heavy Ind Ltd 車両用ディスクブレーキ装置のディスクロータ
JP2002310205A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Mitsubishi Electric Corp 電磁ブレーキ装置および昇降機

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011529161A (ja) * 2008-07-25 2011-12-01 イートン コーポレーション 力伝達アセンブリ
WO2018010524A1 (zh) * 2016-07-15 2018-01-18 山东贝格新能源科技有限公司 电机及其刹车盘、轮毂电机和具有盘式轮毂电机的汽车
US10788090B2 (en) 2016-07-15 2020-09-29 Qiguang Wang Automobile having disc type hub motor
US11053996B2 (en) 2016-07-15 2021-07-06 Qiguang Wang Hub motor
JP2020045995A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 多摩川精機株式会社 回転機ブレーキ用摩擦材、回転機ブレーキ、および回転機
CN114215863A (zh) * 2021-12-08 2022-03-22 浙江玛拓驱动设备有限公司 盘式制动器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4592674B2 (ja) 2010-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4592674B2 (ja) 鳴きを低減する電磁ブレーキ
US10288133B1 (en) Rotational coupling device having means for sealing the interface between the armature and the electromagnet
RU2757466C1 (ru) Тормоз с электромеханическим переключением, имеющий конструкцию встроенного демпфера
CN102832739B (zh) 马达、马达用制动器及马达制造方法
JPWO2004026750A1 (ja) エレベータ用巻上機
JP2011169381A (ja) 電磁連結装置
JP5874323B2 (ja) 電磁ブレーキ
JP4952955B2 (ja) 無励磁作動形電磁ブレーキおよびこれを備えたモータ
JP2004011744A (ja) 歯形電磁クラッチ・ブレーキ
JP2007044720A (ja) ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ
JP2023544265A (ja) 電磁ばね圧ブレーキ及びその製造方法
JP3852818B2 (ja) 無励磁作動形電磁ブレーキの消音装置
JPH0323772B2 (ja)
JPH0141852B2 (ja)
WO2024095879A1 (ja) 電磁摩擦装置
JP3329648B2 (ja) 無励磁作動形電磁ブレーキ
JP4187185B2 (ja) 無励磁作動ブレーキ
JPH11230203A (ja) 無励磁作動形電磁ブレーキ
EP4063681B1 (en) Brake assembly
JPH0139095Y2 (ja)
JP2013002617A (ja) 無励磁作動ブレーキ
WO2022065319A1 (ja) 車両用ディスクブレーキ
JP7222653B2 (ja) ブレーキ付電動機
JP2010149994A (ja) ブレーキ装置
KR200361029Y1 (ko) 모터 브레이크 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20080625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100914

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4592674

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350