JP2020085152A - 湿式摩擦プレート、同湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置および湿式摩擦プレートの製造方法 - Google Patents

湿式摩擦プレート、同湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置および湿式摩擦プレートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構成を簡単にして製造負担を軽減しつつ引き摺りトルクを低減することができる湿式摩擦プレート、同湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置および湿式摩擦プレートの製造方法を提供する。【解決手段】湿式摩擦プレート200は、平板環状の芯金201上に油溝203および紙材からなる摩擦材210を備えて構成されている。摩擦材210は、高側摩擦材211および低側摩擦材212で構成されている。高側摩擦材211は、芯金201の表面からの高さが低側摩擦材212よりも高く形成されるとともに低側摩擦材212よりも弾性変形し難い構造で構成されている。低側摩擦材212は、芯金201の表面からの高さが高側摩擦材211よりも低く形成されるとともに高側摩擦材211よりも弾性変形し易い構造で構成されている。高側摩擦材211および低側摩擦材212は、芯金201上で周方向に沿って互いに交互に配置されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、潤滑油中で使用される湿式摩擦プレートに関するもので、特には、原動機と同原動機によって回転駆動される被動体との間に配置されて原動機の駆動力を被動体に伝達または遮断する湿式多板クラッチ装置に適した湿式摩擦プレート、同湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置および湿式摩擦プレートの製造方法に関する。
従来から、四輪自動車や二輪自動車などの車両においては、エンジンなどの原動機の回転駆動力を車輪などの被動体に伝達または遮断するために湿式多板クラッチ装置が搭載されている。一般に、湿式多板クラッチ装置は、潤滑油中にて互いに対向配置される2つのプレートを互いに押し付け合うことにより回転駆動力の伝達または遮断が行なわれている。
この場合、2つのプレートのうちの一方のプレートは、平板環状の芯金の表面に周方向に沿って複数の摩擦材が設けられた湿式摩擦プレートで構成されている。例えば、下記特許文献1には、山部と谷部とが周方向に交互に繰り返す波板状に形成した芯金における山部に低摩擦係数の摩擦材を設けるとともに谷部に高摩擦係数の摩擦材を設けることで引き摺りトルクを低減することができる多板式摩擦係合装置が開示されている。
特開2012−207775号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された多板式摩擦係合装置においては、芯金を波板状に形成しなければならないとともに、この波板状の芯金の山部および谷部にそれぞれ低摩擦係数の摩擦材および高摩擦係数の摩擦材を貼り付ける必要があり製造負担が大きく構成も複雑であるという問題がある。また、この種の湿式多板摩擦クラッチ装置においては、引き摺りトルクの低減は常に求められるものであり、上記従来技術によって満足されるものではない。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、構成を簡単にして製造負担を軽減しつつ引き摺りトルクを低減することができる湿式摩擦プレート、同湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置および湿式摩擦プレートの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、平板環状に形成された芯金の表面に周方向に沿って複数の摩擦材が隙間を介してそれぞれ配置された湿式摩擦プレートにおいて、摩擦材は、厚さ方向に弾性を有するとともに芯金の表面からの高さが相対的に異なる2種の高側摩擦材および低側摩擦材を有しており、高側摩擦材は、低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、湿式摩擦プレートは、摩擦材が厚さ方向に弾性を有するとともに芯金の表面からの高さが相対的に異なる2種の高側摩擦材および低側摩擦材を有するとともに、高側摩擦材が低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成されている。これにより、本発明に係る湿式摩擦プレートは、湿式摩擦プレートとセパレータプレートとが離隔した状態で相対回転する際において両者間に存在する潤滑油の粘性抵抗の影響を抑えて引き摺りトルクを低減することができる。また、本発明に係る湿式摩擦プレートは、この湿式摩擦プレートに対向配置されたセパレータプレートが離隔する際に高側摩擦材の強い弾性復元力によってセパレータプレートを積極的に離隔させて低側摩擦材との距離が早期に拡大することで引き摺りトルクを低減することができる。また、本発明に係る湿式摩擦プレートは、高側摩擦材が弾性変形し難くい高い剛性を有して構成されているため、高側摩擦材が低側摩擦材よりも張り出すように構成されていてもセパレータプレートおよび潤滑油に対する耐久性を確保することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記湿式摩擦プレートにおいて、高側摩擦材は、低側摩擦材の厚さに対して1%以上かつ25%以下の量だけ高く形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、湿式摩擦プレートは、高側摩擦材が低側摩擦材の厚さに対して1%以上かつ25%以下の量だけ高く形成されているため、高側摩擦材が低側摩擦材よりも弾性変形がし難くい構成であってもセパレータプレートを従来と略同じ圧力で押圧することで高側摩擦材および低側摩擦材に密着させることができる。例えば、高側摩擦材は、低側摩擦材の厚さが0.4mmの場合には、4μm以上かつ100μm以下だけ高く形成されることになる。
また、本発明の他の特徴は、前記湿式摩擦プレートにおいて、摩擦材は、繊維を抄紙した抄紙体で構成されており、高側摩擦材は、低側摩擦材よりも密度が高く形成されることで低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、湿式摩擦プレートは、摩擦材が繊維を抄紙した抄紙体で構成されているとともに高側摩擦材が低側摩擦材よりも密度が高く形成されているため、高側摩擦材を簡単に低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成することができる。この場合、高側摩擦材は、低側摩擦材と異種材料で構成してもよいが同種の材料で構成することで摩擦材の製造負担を軽減できるとともに摩擦特性を均質化させ易くすることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記湿式摩擦プレートにおいて、高側摩擦材は、低側摩擦材よりも面積比が低いことにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、湿式摩擦プレートは、離隔時におけるセパレータプレートに対して低側摩擦材よりも近い位置に位置する高側摩擦材が低側摩擦材よりも面積比が小さく形成されているため、効果的に引き摺りトルクを低減することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記湿式摩擦プレートにおいて、低側摩擦材は、芯金の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がって形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、湿式摩擦プレートは、低側摩擦材が芯金の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がって形成されているため、セパレータプレートが摩擦板から離隔する際に高側摩擦材よりも早く潤滑油が導かれる低側摩擦材上の潤滑油をいち早く径方向外側に導いて冷却効果および潤滑効果を迅速に発揮させることができる。この場合、湿式摩擦プレートは、芯金上の一部の低側摩擦材が芯金の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がって形成されていてもよいし、芯金上の全部の低側摩擦材が芯金の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がって形成されていてもよい。
また、本発明は湿式摩擦プレートの発明として実施できるばかりでなく、この湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチおよびこの湿式摩擦プレートの製造方法の発明としても実施できるものである。
具体的には、湿式多板クラッチ装置は、請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した複数の湿式摩擦プレートと、複数の湿式摩擦プレートに対してそれぞれ押し当てまたは離隔される平板環状の複数のセパレータプレートと、各湿式摩擦プレートと各セパレータプレートとの間にそれぞれ供給されるクラッチオイルとを備えるようにすればよい。このように構成した湿式多板クラッチ装置によれば、前記湿式摩擦プレートと同様の作用効果を期待することができる。
また、この場合、前記湿式多板クラッチ装置において、複数の湿式摩擦プレートは、セパレータプレートを介して隣接する湿式摩擦プレート間で高側摩擦材同士の周方向上での位置および低側摩擦材同士の周方向上での位置が互いに重ならないように芯金の周方向上でずれた位置に配置されているようにするとよい。これによれば、湿式多板クラッチ装置は、湿式摩擦プレートとセパレータプレートとの押圧時における面圧を下げて発熱量を下げることができる。
また、湿式摩擦プレートの製造方法は、平板環状に形成された芯金の表面に周方向に沿って複数の摩擦材が隙間を介してそれぞれ配置された湿式摩擦プレートの製造方法において、芯金を用意する芯金準備工程と、繊維を抄紙して厚さの異なる2種の抄紙体でそれぞれ構成されて高側摩擦材および低側摩擦材として成形される高側プレ摩擦材および低側プレ摩擦材をそれぞれ準備するプレ摩擦材準備工程と、高側プレ摩擦材および低側プレ摩擦材をそれぞれ芯金の表面に配置するプレ摩擦材配置工程と、芯金上に配置した高側プレ摩擦材および低側プレ摩擦材をそれぞれ押圧して圧縮変形させることにより、互いに厚さが異なる高側摩擦材および低側摩擦材であってかつ低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難い高側摩擦材を成形する摩擦材成形工程とを含むようにすればよい。このように構成した湿式摩擦プレートの製造方法によれば、前記湿式摩擦プレートを製造することができる。
また、この場合、前記湿式摩擦プレートの製造方法において、プレ摩擦材準備工程は、芯金の両面にそれぞれ高側プレ摩擦材および低側プレ摩擦材を配置し、摩擦材成形工程は、芯金の両面にそれぞれ配置した高側プレ摩擦材および低側プレ摩擦材を両面同時に押圧して圧縮変形させるとよい。これによれば、湿式摩擦プレートの製造方法は、芯金の両面に効率的に高側摩擦材および低側摩擦材を成形することができる。
また、この場合、前記湿式摩擦プレートの製造方法において、プレ摩擦材準備工程は、芯金の両面間で高側プレ摩擦材および低側プレ摩擦材の各周方向の位置を同じ位置に配置するとよい。これによれば、湿式摩擦プレートの製造方法は、芯金の両面を同時に押圧した際に互いに背中合わせに位置する高側摩擦材を同時に効率よく押圧して成形することができる。
本発明の一実施形態に係る湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置の全体構成を示す断面図である。 図1に示す湿式多板クラッチ装置内に組み込まれる本発明の一実施形態に係る湿式摩擦プレートの外観の概略を示す平面図である。 図2に示す湿式摩擦プレートを矢印3から見た構成を模式的に示す部分側面図である。 本発明の一実施形態に係る湿式摩擦プレートの製造過程における主要工程を示すフローチャートである。 図4に示す湿式摩擦プレートの製造工程における高側摩擦材および低側摩擦材の成形工程において芯金を一対の金型内に配置した状態を模式的に示す説明図である。 図4に示す湿式摩擦プレートの製造工程における高側摩擦材および低側摩擦材の成形工程において芯金を一対の金型で挟んで押圧する状態を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置における引き摺りトルクと従来の湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置における引き摺りトルクとを回転数ごとに計測した測定結果を示すグラフである。 本発明の変形例に係る湿式摩擦プレートの外観の概略を示す平面図である。
以下、本発明に係る湿式摩擦プレート、同湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置、および同湿式摩擦プレートの製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る湿式摩擦プレート200を備えた湿式多板クラッチ装置100の全体構成の概略を示す断面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この湿式多板クラッチ装置100は、二輪自動車(オートバイ)における原動機であるエンジン(図示せず)の駆動力を被動体である車輪(図示せず)に伝達または遮断するための機械装置であり、同エンジンと変速機(トランスミッション)(図示せず)との間に配置されるものである。
(湿式多板クラッチ装置100の構成)
湿式多板クラッチ装置100は、アルミニウム合金製のハウジング101を備えている。ハウジング101は、有底円筒状に形成されており、湿式多板クラッチ装置100の筐体の一部を構成する部材である。このハウジング101における図示左側側面には、入力ギア102がトルクダンパ102aを介してリベット102bによって固着されている。入力ギア102は、エンジンの駆動により回転駆動する図示しない駆動ギアと噛合って回転駆動する。ハウジング101における内周面には、複数枚(本実施形態においては8枚)のセパレータプレート103がハウジング101の軸線方向に沿って変位可能、かつ同ハウジング101と一体回転可能な状態でスプライン嵌合によってそれぞれ保持されている。
セパレータプレート103は、後述する湿式摩擦プレート200に押し当てられる平板環状の部品であり、SPCC(冷間圧延鋼板)材からなる薄板材を環状に打ち抜いて成形されている。この場合、セパレータプレート103の外周部には、前記ハウジング101の内周面に形成された内歯状のスプラインに嵌合する外歯状のスプラインが形成されている。これらのセパレータプレート103における各両側面(表裏面)には、後述する潤滑油を保持するための深さ数μm〜数十μmの図示しない油溝が形成されている。また、セパレータプレート103における油溝が形成された各両側面(表裏面)には、耐摩耗性を向上させる目的で表面硬化処理がそれぞれ施されている。なお、セパレータプレートにおけるこれらの油溝および表面硬化処理は省略されていてもよいものであり、本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
ハウジング101の内部には、略円筒状に形成された摩擦板ホルダ104がハウジング101と同心で配置されている。この摩擦板ホルダ104の内周面には、摩擦板ホルダ104の軸線方向に沿って多数のスプライン溝が形成されており、同スプライン溝にシャフト105がスプライン勘合している。シャフト105は、中空状に形成された軸体であり、一方(図示右側)の端部側がニードルベアリング105aを介して入力ギア102およびハウジング101を回転自在に支持するとともに、前記スプライン勘合する摩擦板ホルダ104をナット105bを介して固定的に支持する。すなわち、摩擦板ホルダ104は、シャフト105とともに一体的に回転する。一方、シャフト105における他方(図示左側)の端部は、二輪自動車における図示しない変速機に連結されている。
シャフト105の中空部には、軸状のプッシュロッド106がシャフト105における前記一方(図示右側)の端部から突出した状態で貫通して配置されている。プッシュロッド106は、シャフト105における一方(図示右側)の端部から突出した端部の反対側(図示左側)が二輪自動車における図示しないクラッチ操作レバーに連結されており、同クラッチ操作レバーの操作によってシャフト105の中空部内をシャフト105の軸線方向に沿って摺動する。
摩擦板ホルダ104の外周面には、複数枚(本実施形態においては7枚)の湿式摩擦プレート200が前記セパレータプレート103を挟んだ状態で、摩擦板ホルダ104の軸線方向に沿って変位可能、かつ同摩擦板ホルダ104と一体回転可能な状態でスプライン嵌合によってそれぞれ保持されている。
一方、摩擦板ホルダ104の内部には、所定量の潤滑油(図示しない)が充填されているとともに、3つの筒状支持柱104aがそれぞれ形成されている(図においては1つのみ示す)。潤滑油は、湿式摩擦プレート200とセパレータプレート103との間に供給されてこれらの湿式摩擦プレート200とセパレータプレート103との間で生じる摩擦熱の吸収や摩擦材210の摩耗を防止する。
また、3つの筒状支持柱104aは、摩擦板ホルダ104の軸線方向外側(図示右側)に向って突出した状態でそれぞれ形成されており、摩擦板ホルダ104と同心の位置に配置された押圧カバー107がボルト108a,受け板108bおよびコイルバネ108cを介してそれぞれ組み付けられている。押圧カバー107は、湿式摩擦プレート200の外径と略同じ大きさの外径の略円板状に形成されており、前記コイルバネ108cによって摩擦板ホルダ104側に押圧されている。また、押圧カバー107の内側中心部には、プッシュロッド106における図示右側先端部に対向する位置にレリーズベアリング107aが設けられている。
(湿式摩擦プレート200の構成)
湿式摩擦プレート200は、詳しくは図2に示すように、平板環状の芯金201上に油溝203および摩擦材210をそれぞれ備えて構成されている。芯金201は、湿式摩擦プレート200の基部となる部材であり、SPCC(冷間圧延鋼板)材からなる薄板材を略環状に打ち抜いて成形されている。この場合、芯金201の内周部には、摩擦板ホルダ104とスプライン勘合させるための内歯状のスプライン202が形成されている。
この湿式摩擦プレート200における前記セパレータプレート103に対向する側面、すなわち、芯金201におけるセパレータプレート103に対向する側面には、複数(本実施形態においては32枚)の小片状の摩擦材210が芯金201の周方向に沿って隙間からなる油溝203を介してそれぞれ設けられている。
油溝203は、湿式摩擦プレート200の芯金201の内周縁と外周縁との間で潤滑油を導く流路であるとともに湿式摩擦プレート200とセパレータプレート103との間に潤滑油を存在させておくためのオイル保持部でもある。この油溝203は、小片状の複数の摩擦材210の各間にそれぞれ径方向に沿って延びる直線状に延びて形成されている。
摩擦材210は、前記セパレータプレート103に対する摩擦力を向上させるものであり、芯金201の周方向に沿って貼り付けられた小片状の紙材によって構成されている。この摩擦材210は、抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させて構成されている。
ここで、抄紙体は、有機繊維および無機繊維のうちの少なくとも一方に充填材を添加した抄紙体で構成されている。ここで有機繊維としては、木材パルプ、合成パルプ、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリイミド系繊維、ポリビニルアルコール変性繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、アクリル繊維、炭素繊維、フェノール繊維、ナイロン繊維およびセルロース繊維などを一種または複数種で構成することができる。また、無機繊維としては、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、カオリン繊維、ボーキサイト繊維、カヤノイド繊維、ホウ素繊維、マグネシア繊維および金属繊維などを一種または複数種で構成することができる。
また、充填材は、摩擦調整剤および/または固体潤滑剤としての機能を発揮させるものであり、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、アルミナ、シリカ、ジルコニア、カシューダスト、ラバーダスト、珪藻土、グラファイト、タルク、カオリン、酸化マグネシウム、二硫化モリブデン、ニトリルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴムおよびフッ素ゴムなどの一種または複数種で構成することができる。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂およびシリコーン樹脂などがある。
この摩擦材210は、図3に示すように、高側摩擦材211と低側摩擦材212とで構成されている。高側摩擦材211は、芯金201の表面からの高さが低側摩擦材212よりも高く形成されるとともに低側摩擦材212よりも弾性変形し難い構造で構成されている。本実施形態においては、高側摩擦材211は、厚さ方向に圧縮変形させることで低側摩擦材212よりも厚い厚さでかつ低側摩擦材212よりも弾性変形し難い構造に形成される。また、本実施形態においては、高側摩擦材211は、低側摩擦材212の表面に対して10μmだけ高くなる厚さで形成されている。
また、高側摩擦材211が低側摩擦材212よりも弾性変形し難いとは、高側摩擦材211と低側摩擦材212とが同じ押圧力を受けた際における厚さ方向に弾性変形量が少ない、換言すれば、高側摩擦材211と低側摩擦材212とで同じ量だけ弾性的に圧縮変形させるには高側摩擦材211の方がより大きな力が必要であることを意味し、弾性率が低側摩擦材212の弾性率よりも大きいことを意味する。ここで、弾性率は、応力をひずみで除した値であり、加えた力を変形量で除した値と換言することもできる。
低側摩擦材212は、芯金201の表面からの高さが高側摩擦材211よりも低く形成されるとともに高さが高側摩擦材211よりも弾性変形し易い構造で構成されている。本実施形態においては、低側摩擦材212は、厚さ方向に圧縮変形させることで高側摩擦材211よりも薄い厚さ(0.4mm)でかつ高側摩擦材211よりも弾性変形し易い構造に形成される。これらの高側摩擦材211と低側摩擦材212とは、芯金201の2つの表面上でそれぞれ周方向に沿って互いに交互に配置されて接着剤によって固着されている。
この場合、本実施形態においては、摩擦材210は、2種類の形状で構成されている。1つ目の形状は、芯金201の径方向に沿って幅が一定に延びる平面視で略長方形状に形成されている(図2において「S1」で示す)。2つ目の形状は、芯金201の径方向外側に沿って幅が拡大する平面視で略扇形状に形成されている(図2において「S2」で示す)。この場合、略扇形状に形成された摩擦材210における外周部の2つの角部のうちの一方は面取りされている。これらの2つの形状からなる摩擦材210は、内周部および外周部がそれぞれ芯金201の回転中心を中心とする円弧状に形成されている。
また、これらの2つの形状からなる摩擦材210は、4つの略長方形状の摩擦材210が油溝203を介してそれぞれ平行に並べられるとともに、これら4つの略長方形状の摩擦材210からなる1つの摩擦材群に対して略扇形状の摩擦材210が油溝203を介して隣接配置されている。そして、高側摩擦材211および低側摩擦材212は、これらの略長方形状の摩擦材210と略扇形状の摩擦材210とは無関係に芯金201上で周方向に沿って互いに交互に配置されている。
すなわち、摩擦材210は、略長方形状または略扇形状の高側摩擦材211と略長方形状または略扇形状の低側摩擦材212とで構成されている。この場合、高側摩擦材211と低側摩擦材212との芯金201の片面側における面積比率は、1対1で同じ比率に形成されている。また、摩擦材210は、芯金201における2つの表面において高側摩擦材211および低側摩擦材212の各周方向の位置が同じ位置に位置するようにそれぞれ配置されている。すなわち、摩擦材210は、芯金201の両面間で高側摩擦材211同士および低側摩擦材212同士が背中合わせになるように互いに反対側の板面における同じ周方向の位置に配置されている。
なお、図1においては、摩擦材210の図示を省略している。また、図2においては、高側摩擦材211を濃い色のハッチングで示すとともに低側摩擦材212を薄い色のハッチングで示している。
(湿式摩擦プレート200の製造方法)
次に、このように構成された湿式摩擦プレート200の製造方法について図4〜図6を用いて説明する。まず、作業者は、第1工程として、芯金201を用意する。具体的には、作業者は、プレス機などの加工装置を用いた金属機械加工によって芯金201を打ち抜いて成形する。すなわち、芯金201は、従来の製造工程と同じである。この芯金201を用意する作業が、本発明に係る芯金準備工程に相当する。
次に、作業者は、第2工程として、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ用意する。ここで、高側プレ摩擦材211は、最終的に高側摩擦材211に加工される高側摩擦材211の半製品の摩擦材であり、高側摩擦材211の厚さよりも厚く形成されている。また、低側プレ摩擦材212は、最終的に低側摩擦材212に加工される低側摩擦材212の半製品の摩擦材であり、低側摩擦材212の厚さよりも厚く形成されている。
作業者は、抄造作業によって高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ製作する。この抄造作業は、従来技術と同じである。すなわち、この抄造作業は、前記した繊維材料を含むスラリー状の原料から網を使って繊維材料を濾しとって乾燥させたシート状の抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させる工程で構成されている。これにより、厚さ方向に弾性を有した高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212がそれぞれ製作される。すなわち、この高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ用意する作業が、本発明に係るプレ摩擦材準備工程に相当する。
次に、作業者は、第3工程として、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ芯金201上に配置する。具体的には、作業者は、芯金201の表面に高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212の各小片を周方向に沿って接着剤を用いてそれぞれ貼り付ける。この場合、作業者は、予め小片状に切断した高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212を芯金201に貼り付けてもよいし、芯金201に貼り付ける際に高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212を小片状に切断することもできる。
また、作業者は、芯金201の両面に対してそれぞれ周方向に沿って油溝203を介して小片状の高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ貼り付ける。この場合、作業者は、芯金201の両面において、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212の各周方向の位置を同じ位置に配置して高側摩擦材211同士および低側摩擦材212同士が背中合わせになるように配置する。この高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212の芯金201上への貼付作業が、本発明に係る摩擦材配置工程に相当する。
次に、作業者は、第4工程として、高側摩擦材211および低側摩擦材212をそれぞれ成形する。具体的には、作業者は、図5および図6にそれぞれ示すように、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ貼り付けた芯金201を2つの金型M1,M2間に配置して押圧する。ここで、金型M1,M2は、芯金201を両側から挟んで押圧することによって高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ圧縮変形させるための金属製の部品であり、芯金201に対向する面が平坦面に形成された板状体で構成されている。これらの金型M1,M2は、図示しないプレス装置によって加熱された状態で互いに接近または離隔するように保持される。
したがって、作業者は、このプレス装置を操作することによって高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ貼り付けた芯金201を両側から加熱しながら挟んで押圧してこの押圧状態を所定時間維持した後、この押圧状態を解放する。この場合、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212は、金型M1,M2による押圧の解放後、スプリングバックによって押圧時よりも厚さが僅かに戻るが元の厚さに戻ることはない。すなわち、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212は、厚さ方向に圧縮変形することで内部の密度が上昇しつつ厚さが薄くなった高側摩擦材211および低側摩擦材212がそれぞれ形成される。なお、図6においては、金型M1,M2による押圧を破線矢印で示している。
この場合、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212は、高側プレ摩擦材211が低側プレ摩擦材212よりも厚い厚さで高側プレ摩擦材211の表面が低側プレ摩擦材212の表面より突出して形成されている。このため、高側摩擦材211は、低側摩擦材212よりも厚い厚さで低側摩擦材212の表面より突出した形状を維持する。また、高側プレ摩擦材211は、低側プレ摩擦材212よりも大きな応力を受けるため、低側プレ摩擦材212よりも高密度に形成される結果、低側摩擦材212よりも弾性変形し難い構造の高側摩擦材211に形成される。
これにより、図3に示すように、低側摩擦材212よりも高い高さでかつ弾性変形し難い構造の高側摩擦材211および高側摩擦材211よりも低い高さでかつ弾性変形し易い構造の低側摩擦材212が形成される。すなわち、この高側摩擦材211および低側摩擦材212をそれぞれ成形する工程が、本発明に係る摩擦材成形工程に相当する。この後、作業者は、摩擦特性の調整工程および検査工程などの各種後工程を経て湿式摩擦プレート200を完成させるが、これらの後工程は本発明に直接関わらないためそれらの説明は省略する。
(湿式摩擦プレート200の作動)
次に、上記のように構成した湿式摩擦プレート200の作動について説明する。この湿式摩擦プレート200は、前記したように湿式多板クラッチ装置100内に組み付けられて用いられる。この場合、湿式摩擦プレート200は、セパレータプレート103を介して隣接する湿式摩擦プレート200との間で高側摩擦材211同士および低側摩擦材212同士が互いに対向し合うように配置してもよいが、高側摩擦材211同士および低側摩擦材212同士が互いに対向し合わないように配置することができる。これにより、湿式多板クラッチ装置100は、湿式摩擦プレート200とセパレータプレート103との押圧時における面圧を下げて発熱量を下げることができる。
そして、この湿式多板クラッチ装置100は、前記したように、車両におけるエンジンと変速機との間に配置されるものであり、車両の操作者によるクラッチ操作レバーの操作によってエンジンの駆動力の変速機への伝達および遮断を行なう。
すなわち、車両の操作者(図示せず)がクラッチ操作レバー(図示せず)を操作してプッシュロッド106を後退(図示左側に変位)させた場合には、プッシュロッド106の先端部がレリーズベアリング107aを押圧しない状態となり、押圧カバー107がコイルバネ108cの弾性力によってセパレータプレート103を押圧する。これにより、セパレータプレート103および湿式摩擦プレート200は、摩擦板ホルダ104の外周面にフランジ状に形成された受け部104b側に変位しつつ互いに押し当てられて摩擦連結された状態となる。
この場合、高側摩擦材211および低側摩擦材212は、セパレータプレート103に押圧されてそれぞれ厚さ方向に弾性変形しながらセパレータプレート103に密着する。この結果、入力ギア102に伝達されたエンジンの駆動力がセパレータプレート103、湿式摩擦プレート200、摩擦板ホルダ104およびシャフト105を介して変速機に伝達される。
一方、車両の操作者がクラッチ操作レバー(図示せず)を操作してプッシュロッド106を前進(図示右側に変位)させた場合には、プッシュロッド106の先端部がレリーズベアリング107aを押圧する状態となり、押圧カバー107がコイルバネ108cの弾性力に抗しながら図示右側に変位して押圧カバー107とセパレータプレート103とが離隔する。これにより、セパレータプレート103および湿式摩擦プレート200は、押圧カバー107側に変位しつつ互いに押し当てられて連結された状態が解除されて互いに離隔する。この結果、セパレータプレート103から湿式摩擦プレート200への駆動力の伝達が行われなくなり、入力ギア102に伝達されたエンジンの駆動力の変速機への伝達が遮断される。
このセパレータプレート103と湿式摩擦プレート200とが離隔する場合においては、湿式摩擦プレート200は、高側摩擦材211が低側摩擦材212よりも弾性変形し難く形成されて復元力が大きいとともにセパレータプレート103による圧縮変形量が低側摩擦材212よりも大きいため、セパレータプレート103を迅速に押し返して両者の離隔を促す。また、湿式摩擦プレート200は、低側摩擦材212が高側摩擦材211よりも早くセパレータプレート103から離隔するため、低側摩擦材212上に素早く潤滑油が流れ込んでセパレータプレート103をより離隔させ易くするとともに低側摩擦材212上の冷却および潤滑が促進される。
また、湿式摩擦プレート200は、高側摩擦材211が低側摩擦材212よりも突出して形成されているため、セパレータプレート103に対して低側摩擦材212が高側摩擦材211よりも離隔する。これらにより、湿式多板クラッチ装置100は、セパレータプレート103と湿式摩擦プレート200とが離隔する際においては、セパレータプレート103と湿式摩擦プレート200との間に潤滑油が存在し難くなって引き摺りトルクを低減することができる。また、湿式摩擦プレート100は、湿式摩擦プレート200とセパレータプレート103とが離隔した状態で相対回転する場合において両者間に存在する潤滑油の粘性抵抗の影響を抑えて引き摺りトルクを低減することができる。
ここで、本発明者らによる実験結果について説明しておく。図7は、本願発明に係る湿式摩擦プレート200を備えた湿式多板クラッチ装置100における引き摺りトルクと従来の湿式摩擦プレートを備えた湿式多板クラッチ装置100における引き摺りトルクとを回転数ごとに計測した測定結果を示すグラフである。この場合、従来の湿式摩擦プレートは、全ての摩擦材210の厚さを一定(例えば、高側摩擦材211または低側摩擦材212と同じ高さ)にしたものであり、平面図としては図2に示す湿式摩擦プレート200と同じである。
この実験結果によれば、湿式摩擦プレート200の回転数が500rpm〜4000rpmまでの範囲において引き摺りトルクの低減効果が顕著であることを確認することができる。この場合、湿式摩擦プレート200の回転数が1500rpmにおいては引き摺りトルクを従来技術における引き摺りトルクに対して53%の低減効果を得ており、特に低回転域において引き摺りトルクの低減効果を確認することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、湿式摩擦プレート200は、摩擦材210が厚さ方向に弾性を有するとともに芯金201の表面からの高さが相対的に異なる2種の高側摩擦材211および低側摩擦材212を有するとともに、高側摩擦材211が低側摩擦材212に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成されている。これにより、湿式摩擦プレート200は、この湿式摩擦プレート200に対向配置されたセパレータプレート103が離隔する際に高側摩擦材211の強い弾性復元力によってセパレータプレート103を積極的に離隔させて低側摩擦材212との距離が早期に拡大することで引き摺りトルクを低減することができる。また、湿式摩擦プレート100は、湿式摩擦プレート200とセパレータプレート103とが離隔した状態で相対回転する場合において両者間に存在する潤滑油の粘性抵抗の影響を抑えて引き摺りトルクを低減することができる。
また、湿式摩擦プレート200は、高側摩擦材211が弾性変形し難くい高い剛性を有して構成されているため、高側摩擦材211が低側摩擦材212よりも張り出すように構成されていてもセパレータプレートおよび潤滑油に対する耐久性を確保することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記に示す各変形例においては、上記実施形態における湿式摩擦プレート200と同様の構成部分には湿式摩擦プレート200に付した符号に対応する符号を付して、その説明は省略する。
例えば、上記実施形態においては、高側摩擦材211の表面を低側摩擦材212の表面に対して10μmだけ高く形成した。しかし、高側摩擦材211は、芯金201の表面からの高さが低側摩擦材212の表面より高く形成されていればよい。この場合、高側摩擦材211は、低側摩擦材212の厚さに対して1%以上かつ25%以下の量だけ高く形成するとよい。これによれば、湿式摩擦プレート200は、高側摩擦材211が低側摩擦材212よりも弾性変形がし難くい構成であってもセパレータプレートを従来と略同じ圧力で押圧することで高側摩擦材211および低側摩擦材212に密着させることができる。なお、上記実施形態においては、低側摩擦材212の厚さを0.4mmに形成したが、この低側摩擦材212および高側摩擦材211の厚さは、湿式多板クラッチ装置100の仕様に応じて適宜設定されるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。
また、高側摩擦材211は、低側摩擦材212の厚さに対して25%を超えて高く形成することもできるが、この場合にはセパレータプレート103を低側摩擦材212に密着させるためにセパレータプレート103の押圧力を大きくする必要がある。
また、上記実施形態においては、高側摩擦材211と低側摩擦材212とは、互いに異なる厚さに形成した。しかし、高側摩擦材211は、芯金201の表面からの高さが低側摩擦材212の表面より高く形成されていればよい。したがって、高側摩擦材211は、低側摩擦材212と同じ厚さに形成するとともに、芯金201の表面に高側摩擦材211の高さを上げるための凸状の台部を設けてこの台部上に設けることもできる。
また、上記実施形態においては、高側摩擦材211は、低側摩擦材212に対して密度を高く形成することで低側摩擦材212に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成した。しかし、高側摩擦材211は、低側摩擦材212に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成されていればよい。したがって、高側摩擦材211は、低側摩擦材212と異なる繊維、充填材または樹脂材料などの材料を用いることで低側摩擦材212に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、摩擦材210は、高側摩擦材211と低側摩擦材212との面積比を1:1とした。しかし、摩擦材210は、高側摩擦材211および低側摩擦材212のうちの一方の面積比を他方の面積比よりも大きくするようにしてもよい。この場合、摩擦材210は、高側摩擦材211の面積比を低側摩擦材212の面積比よりも小さくすることができる。これによれば、湿式摩擦プレート200は、離隔時におけるセパレータプレート103に対して低側摩擦材212よりも近い位置に位置する高側摩擦材211が低側摩擦材212よりも面積比が小さく形成されているため、効果的に引き摺りトルクを低減することができる。
また、上記実施形態においては、高側摩擦材211および低側摩擦材212は、芯金201の周方向に沿って交互に配置した。しかし、高側摩擦材211および低側摩擦材212は、芯金201の周方向に沿って略均等に配置されていればよい。したがって、高側摩擦材211または低側摩擦材212は、芯金201の周方向に沿って互いに2つ以上の低側摩擦材212または高側摩擦材211を介して配置されていてもよい。
また、上記実施形態においては、摩擦材210は、略長方形状および略扇形状の2つの形状で構成した。しかし、摩擦材210の形状は、特に限定されるものではなく、略長方形状または略扇形状以外の形状を単体でまたは複数種類の形状を含んで構成されていてもよいことは当然である。例えば、摩擦材210は、図8に示すように、全てが同じ形状に形成した高側摩擦材211および低側摩擦材212で構成することもできる。なお、図8においては、高側摩擦材211を濃い色のハッチングで示すとともに低側摩擦材212を薄い色のハッチングで示している。
この場合、低側摩擦材212は、上記実施形態における略扇形状のように、芯金201の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がる形状に形成するとよい。これによれば、湿式摩擦プレート200は、セパレータプレート103が摩擦材210から離隔する際に高側摩擦材211よりも早く潤滑油が導かれる低側摩擦材212上の潤滑油をいち早く径方向外側に導いて冷却効果および潤滑効果を迅速に発揮させることができる。この場合、湿式摩擦プレート200は、芯金201上の一部の低側摩擦材212が芯金201の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がって形成されていてもよいし、芯金201上の全部の低側摩擦材212が芯金201の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がって形成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、湿式摩擦プレート200は、高側摩擦材211および低側摩擦材212が芯金201の両面間で互いに背中合わせになる位置関係で配置した。これによれば、湿式摩擦プレート200は、上記第4工程において、芯金201を両側から押圧する際に両面の高側摩擦材を同時に効率よく押圧して成形することができる。しかし、湿式摩擦プレート200は、高側摩擦材211および低側摩擦材212が芯金201の両面間で互いに背中合わせにならない周方向にずれた位置関係で配置することもできる。
また、上記実施形態においては、摩擦材210は、紙材で構成した。しかし、摩擦材210は、紙以外の材料、例えば、コルク材、ゴム材またはガラスヤーンなどの材料で構成することもできる。
また、上記実施形態においては、湿式多板クラッチ装置100は、セパレータプレート103を介して隣接する湿式摩擦プレート200との間で高側摩擦材211同士および低側摩擦材212同士が互いに対向し合わないように互いに隣接する湿式摩擦プレート200間において湿式摩擦プレート200を周方向にずらして摩擦板ホルダ104に保持させている。しかし、湿式多板クラッチ装置100は、セパレータプレート103を介して隣接する湿式摩擦プレート200との間で高側摩擦材211同士および低側摩擦材212同士が互いに対向し合うように互いに隣接する湿式摩擦プレート200間において湿式摩擦プレート200の周方向の位置を合わせて摩擦板ホルダ104に保持させることも可能である。
また、上記実施形態においては、湿式摩擦プレート200は、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212をそれぞれ製作した後、芯金201上で押圧して高側摩擦材211および低側摩擦材212をそれぞれ成形して製作した。しかし、湿式摩擦プレート200は、上記実施形態以外の製法によって製作することもできる。例えば、湿式摩擦プレート200は、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212を芯金201以外の板状体上に配置して金型M1,M2で押圧して高側摩擦材211および低側摩擦材212をそれぞれ成形した後芯金201上に貼り付けるようにしてもよい。また、湿式摩擦プレート200は、前記したように、材質によって高側摩擦材211および低側摩擦材212をそれぞれ構成した場合においては、これらの高側摩擦材211および低側摩擦材212を直接芯金201に貼り付けて製作することができる。これによれば、湿式摩擦プレート200は、高側プレ摩擦材211および低側プレ摩擦材212を製作および圧縮変形させる工程を省略することができる。
また、上記実施形態においては、湿式摩擦プレート200は、シャフト105と一体的に回転駆動する摩擦板ホルダ104に保持されている。すなわち、湿式摩擦プレート200は、エンジンの回転駆動力によって回転駆動するセパレータプレート103に対向配置されて湿式多板クラッチ装置100における出力軸であるシャフト105と一体的に回転駆動する対向側プレートに適用した。しかし、湿式摩擦プレート200は、エンジンの回転駆動力によって回転駆動する駆動側プレートとしてのセパレータプレート103に適用することもできる。
また、上記実施形態においては、本発明に係る湿式摩擦プレートを二輪自動車における湿式多板クラッチ装置100に用いられる湿式摩擦プレート200に適用した例について説明した。しかし、本発明に係る湿式摩擦プレートは、油中で使用される湿式摩擦プレートであればよい。したがって、本発明に係る湿式摩擦プレートを四輪自動車における湿式多板クラッチ装置に適用することもできる。この場合、本発明に係る湿式摩擦プレートは、オートマティックトランスミッションにも適用できることは当然である。特に、オートマティックトランスミッションに内蔵される湿式多板クラッチ装置においては、オートマティックトランスミッション内に多数の湿式多板クラッチ装置が設けられて各湿式多板クラッチが個別に作動するため湿式摩擦プレートとセパレータプレートとが離隔して相対回転する機会が多く、湿式摩擦プレートとセパレータプレートとの間に存在する潤滑油の粘性抵抗の影響を抑えて引き摺りトルクを低減する効果は大きい。また、本発明に係る湿式摩擦プレートは、湿式多板クラッチ装置100ほかに、原動機による回転運動を制動するブレーキ装置に用いられる湿式摩擦プレートにも適用できるものである。
M1,M2…一対の金型、S1…略長方形状の摩擦材、S2…略扇形状の摩擦材、
100…湿式多板クラッチ装置、101…ハウジング、102…入力ギア、102a…トルクダンパ、102b…リベット、103…セパレータプレート、104…摩擦板ホルダ、104a…筒状支持柱、105…シャフト、105a…ニードルベアリング、105b…ナット、106…プッシュロッド、107…押圧カバー、107a…レリーズベアリング、108a…ボルト、108b…受け板、108c…コイルバネ、
200…湿式摩擦プレート、201…芯金、202…スプライン、203…油溝、
210…摩擦材、211…高側摩擦材,211…高側プレ摩擦材、212…低側摩擦材、212…低側プレ摩擦材。

Claims (10)

  1. 平板環状に形成された芯金の表面に周方向に沿って複数の摩擦材が隙間を介してそれぞれ配置された湿式摩擦プレートにおいて、
    前記摩擦材は、
    厚さ方向に弾性を有するとともに前記芯金の表面からの高さが相対的に異なる2種の高側摩擦材および低側摩擦材を有しており、
    前記高側摩擦材は、
    前記低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成されていることを特徴とする湿式摩擦プレート。
  2. 請求項1に記載した湿式摩擦プレートにおいて、
    前記高側摩擦材は、
    前記低側摩擦材の厚さに対して1%以上かつ25%以下の量だけ高く形成されていることを特徴とする湿式摩擦プレート。
  3. 請求項1または請求項2に記載した湿式摩擦プレートにおいて、
    前記摩擦材は、繊維を抄紙した抄紙体で構成されており、
    前記高側摩擦材は、
    前記低側摩擦材よりも密度が高く形成されることで前記低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難く形成されていることを特徴とする湿式摩擦プレート。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した湿式摩擦プレートにおいて、
    前記高側摩擦材は、
    前記低側摩擦材よりも面積比が低いことを特徴とする湿式摩擦プレート。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した湿式摩擦プレートにおいて、
    前記低側摩擦材は、
    前記芯金の径方向の内側から外側に向かって面積が拡がって形成されていることを特徴とする湿式摩擦プレート。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した複数の湿式摩擦プレートと、
    前記複数の湿式摩擦プレートに対してそれぞれ押し当てまたは離隔される平板環状の複数のセパレータプレートと、
    前記各湿式摩擦プレートと前記各セパレータプレートとの間にそれぞれ供給されるクラッチオイルとを備えることを特徴とする湿式多板クラッチ装置。
  7. 請求項6に記載した湿式多板クラッチ装置において、
    前記複数の湿式摩擦プレートは、
    前記セパレータプレートを介して隣接する前記湿式摩擦プレート間で前記高側摩擦材同士の周方向上での位置および前記低側摩擦材同士の周方向上での位置が互いに重ならないように前記芯金の周方向上でずれた位置に配置されていることを特徴とする湿式多板クラッチ装置。
  8. 平板環状に形成された芯金の表面に周方向に沿って複数の摩擦材が隙間を介してそれぞれ配置された湿式摩擦プレートの製造方法において、
    前記芯金を用意する芯金準備工程と、
    繊維を抄紙して厚さの異なる2種の抄紙体でそれぞれ構成されて高側摩擦材および低側摩擦材として成形される高側プレ摩擦材および低側プレ摩擦材をそれぞれ準備するプレ摩擦材準備工程と、
    前記高側プレ摩擦材および前記低側プレ摩擦材をそれぞれ前記芯金の表面に配置するプレ摩擦材配置工程と、
    前記芯金上に配置した前記高側プレ摩擦材および前記低側プレ摩擦材をそれぞれ押圧して圧縮変形させることにより、互いに厚さが異なる前記高側摩擦材および前記低側摩擦材であってかつ前記低側摩擦材に対して厚さ方向に弾性変形し難い前記高側摩擦材を成形する摩擦材成形工程とを含むことを特徴とする湿式摩擦プレートの製造方法。
  9. 請求項8に記載した湿式摩擦プレートの製造方法において、
    前記プレ摩擦材準備工程は、
    前記芯金の両面にそれぞれ前記高側プレ摩擦材および前記低側プレ摩擦材を配置し、
    前記摩擦材成形工程は、
    前記芯金の両面にそれぞれ配置した前記高側プレ摩擦材および前記低側プレ摩擦材を両面同時に押圧して圧縮変形させることを特徴とする湿式摩擦プレートの製造方法。
  10. 請求項9に記載した湿式摩擦プレートの製造方法において、
    前記プレ摩擦材準備工程は、
    前記芯金の両面間で前記高側プレ摩擦材および前記低側プレ摩擦材の各周方向の位置を同じ位置に配置することを特徴とする湿式摩擦プレートの製造方法。
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