JP2004211781A - 湿式クラッチ用摩擦板 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿式クラッチ用摩擦板において,正勾配のμ−Vトルク特性を維持しつゝ,新品時のクラッチ初期係合摩擦係数が過度に高くなることを抑制し得るようにする。
【解決手段】芯板2と,この芯板2の両側面に接合される摩擦材3とからなり,その摩擦材3を,相互間に第1オイル溝6を画成するように配置される多数の摩擦材セグメント4で構成し,これら各摩擦材セグメント4の表面に,型押しにより第2オイル溝7を成形して,この第2オイル溝7の周辺部aの気孔率を,その他の部分bより小さくした。
【選択図】 図2
【解決手段】芯板2と,この芯板2の両側面に接合される摩擦材3とからなり,その摩擦材3を,相互間に第1オイル溝6を画成するように配置される多数の摩擦材セグメント4で構成し,これら各摩擦材セグメント4の表面に,型押しにより第2オイル溝7を成形して,この第2オイル溝7の周辺部aの気孔率を,その他の部分bより小さくした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,多板湿式クラッチ用摩擦板に関し,特に,芯板と,この芯板の両側面に接合される摩擦材とからなり,その摩擦材が,相互間にオイル溝を画成するように配置される多数の摩擦材セグメントで構成される,湿式クラッチ用摩擦板の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる湿式クラッチ用摩擦板は,例えば下記特許文献1に開示されるように,従来知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−72364号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かゝる湿式クラッチに要求される一般的なトルク特性を図8に示す。同図は,所定の慣性マスを持った駆動軸にテストすべき湿式クラッチを介して被動軸を接続し,駆動軸を所定回転数まで加速させて自由にした後,被動軸に制動力を加えて駆動軸が停止するまでの伝達トルクの変化を表したものであり,一般的には,伝達トルクが駆動軸の回転数の低下に応じて減少する右下がり(正勾配)のトルク特性,所謂μ−V特性が湿式クラッチの新品時及び耐久試験後,冷間時及び熱間時を含む全ての条件下で要求される。このμ−V特性は,クラッチに耐ジャダー性を付与する上に重要なものである。
【0005】
従来,湿式クラッチに上記のような正勾配のμ−Vトルク特性を付与する手法として,摩擦板における摩擦材の気孔径又は気孔率を大きくすることが知られており,この手法の考え方は,摩擦材の気孔径又は気孔率を大きくすることで油膜排除を容易させるというものである。
【0006】
しかしながら,従来の技術で摩擦材の気孔径又は気孔率を大きくすると,油膜排除性が向上するものゝ,摩擦板の新品時におけるクラッチ初期係合摩擦係数が過度に高くなり(図8のN部注目),係合時にトルクショックを発生し易くなる。
が
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,摩擦板の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制しつゝ正勾配のμ−Vトルク特性を維持し得るようにした,前記湿式クラッチ用摩擦板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,芯板と,この芯板の両側面に接合される摩擦材とからなり,その摩擦材を,相互間に第1オイル溝を画成するように配置される多数の摩擦材セグメントで構成し,これら各摩擦材セグメントの表面に,型押しにより第2オイル溝を成形して,この第2オイル溝の周辺部の気孔率を,その他の部分より小さくしたことを特徴とする。
【0008】
この特徴によれば,各摩擦材セグメントの表面に,オイルを排除し難くする,気孔率の小さい部分と,オイルを排除し易くする,気孔率の大きい部分とを併存させ,気孔率の小さい部分により,摩擦板の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制し,また気孔率の大きい部分により正勾配のμ−Vトルク特性を確保することができる。その結果,この摩擦板を使用したクラッチのトルク特性を,新品時と耐久試験後とで殆ど変わらないように,安定させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0010】
図1は本発明の第1実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図2は図1の2−2線拡大断面図,図3は上記摩擦板のオイル溝成形工程説明図,図4は本発明の第2実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図5は本発明の第3実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図6は本発明の第4実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図7は本発明の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図,図8は従来の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図である。
【0011】
先ず,図1〜図3に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0012】
図1及び図2において,本発明の湿式クラッチ用摩擦板1は,金属製の芯板2と,この芯板2の一側面及び他側面に接合される環状の摩擦材3,3とからなる。環状の摩擦材3は,多数の扇形の摩擦材セグメント4,4…を芯板2上に環状に配列してなるもので,各摩擦材セグメント4,4…は接着剤5を介して芯板2に接合される。
【0013】
その際,各隣接する摩擦材セグメント4,4…間には,放射状の比較的深い第1オイル溝6,6…を画成すべく一定の隙間が設けられる。また各摩擦材セグメント4,4…の表面には,放射状に延び比較的浅い第2オイル溝7,7…が型押しにより成形される。
【0014】
そのような成形により,各摩擦材セグメント4,4…の気孔率は,図2に示すように,第2オイル溝7,7…の周辺部aで小さく,第1オイル溝6,6…の周辺部bで大きく設定される。こうして,摩擦材3の表面には,気孔率が小さい部分aと大きい部分bとが摩擦板1の周方向に沿って交互に多数併存することになる。
【0015】
而して,気孔率の小さい部分aは,摩擦板1の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制し,また気孔率の大きい部分bは,従前通りの正勾配のμ−Vトルク特性を確保して耐ジャダー性に寄与する。
【0016】
その結果,この摩擦板1を使用した湿式クラッチを,従前と同様の方法でテストしてみると,図7に示すように,そのトルク特性は新品時と耐久試験後とで殆ど変わらず,安定していることが確認された。
【0017】
上記湿式クラッチ用摩擦板1の製作に当たっては,先ず図3(A)に示すように,一方の面に接着剤5を塗布した多数の摩擦材セグメント4,4…を,接着剤5を下にして,作業台8上に設置された芯板2上に環状に配置する。この状態の摩擦材セグメント4,4…の気泡率は全体的に比較的大きい。次に,加圧・加熱型9によりこれら摩擦材セグメント4,4…を芯板2に対して押圧しながら加熱して,接着剤5を固化する。その際,加圧・加熱型9には,各摩擦材セグメント4,4…の第2オイル溝7,7…に対応する凸条9a,9a…が多数形成されており,これら凸条9a,9a…が摩擦材セグメント4,4…の表面を押圧して第2オイル溝7,7…を形成する。こうして芯板2の一側面に摩擦材3を形成した後,芯板2を上下反転して,その他側面に同様の要領で,摩擦板セグメント4,4…を接着すると同時に,それらの表面に第2オイル溝7,7…を形成し,以上をもって湿式クラッチ用摩擦板1を完成させる。
【0018】
而して,各摩擦材セグメント4,4…の表面に型押しにより成形された第2オイル溝7,7…の周辺部aでは気孔が適当に潰れることにより,気孔率が第1オイル溝6,6…の周辺部bよりも小さくなる。このように,上記製作方法では,摩擦材セグメント4,4…の芯板2への接着及び第2オイル溝7,7…の成形と同時に,第2オイル溝7,7…の周辺部aの気孔率を第1オイル溝6,6…の周辺部bより小さく設定することができるから,製作工程を増加させることもなく,湿式クラッチ用摩擦板1を安価に提供することができる。
【0019】
図4〜図6に示す本発明の第2〜第4実施例は,摩擦板セグメント4,4…の形状や第2オイル溝7,7…の向きにおいて前記第1実施例と相違し,その他の構成は同一であるので,図4〜図6中,前記第1実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。またその製作方法においても前記第1実施例と変わりがないので,各摩擦板セグメント4,4…の気孔率は,前記第1実施例と同様に,第2オイル溝7,7…の周辺部で小さく,第1オイル溝6,6…の周辺部bで大きくなっている。
【0020】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば,芯板と,この芯板の両側面に接合される摩擦材とからなり,その摩擦材を,相互間に第1オイル溝を画成するように配置される多数の摩擦材セグメントで構成し,これら各摩擦材セグメントの表面に,型押しにより第2オイル溝を成形して,この第2オイル溝の周辺部の気孔率を,その他の部分より小さくしたので,摩擦材の表面に,オイルを排除し難くする,気孔率の小さい部分と,オイルを排除し易くする,気孔率の大きい部分とを併存させて,気孔率の小さい部分により,摩擦板の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制する一方,気孔率の大きい部分により正勾配のμ−Vトルク特性を確保することができ,その結果,この摩擦板を使用したクラッチのトルク特性を,新品時と耐久試験後とで殆ど変わらないように,安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】上記摩擦板のオイル溝成形工程説明図
【図4】本発明の第2実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図5】本発明の第3実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図6】本発明の第4実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図7】本発明の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図
【図8】従来の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図
【符号の説明】
1・・・・湿式クラッチ用摩擦板
2・・・・芯板
3・・・・摩擦材
4・・・・摩擦材セグメント
6・・・・第1オイル溝
7・・・・第2オイル溝
【発明の属する技術分野】
本発明は,多板湿式クラッチ用摩擦板に関し,特に,芯板と,この芯板の両側面に接合される摩擦材とからなり,その摩擦材が,相互間にオイル溝を画成するように配置される多数の摩擦材セグメントで構成される,湿式クラッチ用摩擦板の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる湿式クラッチ用摩擦板は,例えば下記特許文献1に開示されるように,従来知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−72364号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かゝる湿式クラッチに要求される一般的なトルク特性を図8に示す。同図は,所定の慣性マスを持った駆動軸にテストすべき湿式クラッチを介して被動軸を接続し,駆動軸を所定回転数まで加速させて自由にした後,被動軸に制動力を加えて駆動軸が停止するまでの伝達トルクの変化を表したものであり,一般的には,伝達トルクが駆動軸の回転数の低下に応じて減少する右下がり(正勾配)のトルク特性,所謂μ−V特性が湿式クラッチの新品時及び耐久試験後,冷間時及び熱間時を含む全ての条件下で要求される。このμ−V特性は,クラッチに耐ジャダー性を付与する上に重要なものである。
【0005】
従来,湿式クラッチに上記のような正勾配のμ−Vトルク特性を付与する手法として,摩擦板における摩擦材の気孔径又は気孔率を大きくすることが知られており,この手法の考え方は,摩擦材の気孔径又は気孔率を大きくすることで油膜排除を容易させるというものである。
【0006】
しかしながら,従来の技術で摩擦材の気孔径又は気孔率を大きくすると,油膜排除性が向上するものゝ,摩擦板の新品時におけるクラッチ初期係合摩擦係数が過度に高くなり(図8のN部注目),係合時にトルクショックを発生し易くなる。
が
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,摩擦板の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制しつゝ正勾配のμ−Vトルク特性を維持し得るようにした,前記湿式クラッチ用摩擦板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,芯板と,この芯板の両側面に接合される摩擦材とからなり,その摩擦材を,相互間に第1オイル溝を画成するように配置される多数の摩擦材セグメントで構成し,これら各摩擦材セグメントの表面に,型押しにより第2オイル溝を成形して,この第2オイル溝の周辺部の気孔率を,その他の部分より小さくしたことを特徴とする。
【0008】
この特徴によれば,各摩擦材セグメントの表面に,オイルを排除し難くする,気孔率の小さい部分と,オイルを排除し易くする,気孔率の大きい部分とを併存させ,気孔率の小さい部分により,摩擦板の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制し,また気孔率の大きい部分により正勾配のμ−Vトルク特性を確保することができる。その結果,この摩擦板を使用したクラッチのトルク特性を,新品時と耐久試験後とで殆ど変わらないように,安定させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0010】
図1は本発明の第1実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図2は図1の2−2線拡大断面図,図3は上記摩擦板のオイル溝成形工程説明図,図4は本発明の第2実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図5は本発明の第3実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図6は本発明の第4実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図,図7は本発明の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図,図8は従来の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図である。
【0011】
先ず,図1〜図3に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0012】
図1及び図2において,本発明の湿式クラッチ用摩擦板1は,金属製の芯板2と,この芯板2の一側面及び他側面に接合される環状の摩擦材3,3とからなる。環状の摩擦材3は,多数の扇形の摩擦材セグメント4,4…を芯板2上に環状に配列してなるもので,各摩擦材セグメント4,4…は接着剤5を介して芯板2に接合される。
【0013】
その際,各隣接する摩擦材セグメント4,4…間には,放射状の比較的深い第1オイル溝6,6…を画成すべく一定の隙間が設けられる。また各摩擦材セグメント4,4…の表面には,放射状に延び比較的浅い第2オイル溝7,7…が型押しにより成形される。
【0014】
そのような成形により,各摩擦材セグメント4,4…の気孔率は,図2に示すように,第2オイル溝7,7…の周辺部aで小さく,第1オイル溝6,6…の周辺部bで大きく設定される。こうして,摩擦材3の表面には,気孔率が小さい部分aと大きい部分bとが摩擦板1の周方向に沿って交互に多数併存することになる。
【0015】
而して,気孔率の小さい部分aは,摩擦板1の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制し,また気孔率の大きい部分bは,従前通りの正勾配のμ−Vトルク特性を確保して耐ジャダー性に寄与する。
【0016】
その結果,この摩擦板1を使用した湿式クラッチを,従前と同様の方法でテストしてみると,図7に示すように,そのトルク特性は新品時と耐久試験後とで殆ど変わらず,安定していることが確認された。
【0017】
上記湿式クラッチ用摩擦板1の製作に当たっては,先ず図3(A)に示すように,一方の面に接着剤5を塗布した多数の摩擦材セグメント4,4…を,接着剤5を下にして,作業台8上に設置された芯板2上に環状に配置する。この状態の摩擦材セグメント4,4…の気泡率は全体的に比較的大きい。次に,加圧・加熱型9によりこれら摩擦材セグメント4,4…を芯板2に対して押圧しながら加熱して,接着剤5を固化する。その際,加圧・加熱型9には,各摩擦材セグメント4,4…の第2オイル溝7,7…に対応する凸条9a,9a…が多数形成されており,これら凸条9a,9a…が摩擦材セグメント4,4…の表面を押圧して第2オイル溝7,7…を形成する。こうして芯板2の一側面に摩擦材3を形成した後,芯板2を上下反転して,その他側面に同様の要領で,摩擦板セグメント4,4…を接着すると同時に,それらの表面に第2オイル溝7,7…を形成し,以上をもって湿式クラッチ用摩擦板1を完成させる。
【0018】
而して,各摩擦材セグメント4,4…の表面に型押しにより成形された第2オイル溝7,7…の周辺部aでは気孔が適当に潰れることにより,気孔率が第1オイル溝6,6…の周辺部bよりも小さくなる。このように,上記製作方法では,摩擦材セグメント4,4…の芯板2への接着及び第2オイル溝7,7…の成形と同時に,第2オイル溝7,7…の周辺部aの気孔率を第1オイル溝6,6…の周辺部bより小さく設定することができるから,製作工程を増加させることもなく,湿式クラッチ用摩擦板1を安価に提供することができる。
【0019】
図4〜図6に示す本発明の第2〜第4実施例は,摩擦板セグメント4,4…の形状や第2オイル溝7,7…の向きにおいて前記第1実施例と相違し,その他の構成は同一であるので,図4〜図6中,前記第1実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。またその製作方法においても前記第1実施例と変わりがないので,各摩擦板セグメント4,4…の気孔率は,前記第1実施例と同様に,第2オイル溝7,7…の周辺部で小さく,第1オイル溝6,6…の周辺部bで大きくなっている。
【0020】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば,芯板と,この芯板の両側面に接合される摩擦材とからなり,その摩擦材を,相互間に第1オイル溝を画成するように配置される多数の摩擦材セグメントで構成し,これら各摩擦材セグメントの表面に,型押しにより第2オイル溝を成形して,この第2オイル溝の周辺部の気孔率を,その他の部分より小さくしたので,摩擦材の表面に,オイルを排除し難くする,気孔率の小さい部分と,オイルを排除し易くする,気孔率の大きい部分とを併存させて,気孔率の小さい部分により,摩擦板の新品時のクラッチ初期係合摩擦係数を過度に高くなることを抑制する一方,気孔率の大きい部分により正勾配のμ−Vトルク特性を確保することができ,その結果,この摩擦板を使用したクラッチのトルク特性を,新品時と耐久試験後とで殆ど変わらないように,安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】上記摩擦板のオイル溝成形工程説明図
【図4】本発明の第2実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図5】本発明の第3実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図6】本発明の第4実施例に係る湿式クラッチ用摩擦板の平面図
【図7】本発明の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図
【図8】従来の摩擦板を備えた湿式クラッチのトルク特性線図
【符号の説明】
1・・・・湿式クラッチ用摩擦板
2・・・・芯板
3・・・・摩擦材
4・・・・摩擦材セグメント
6・・・・第1オイル溝
7・・・・第2オイル溝
Claims (1)
- 芯板(2)と,この芯板(2)の両側面に接合される摩擦材(3)とからなり,その摩擦材(3)を,相互間に第1オイル溝(6)を画成するように配置される多数の摩擦材セグメント(4)で構成し,これら各摩擦材セグメント(4)の表面に,型押しにより第2オイル溝(7)を成形して,この第2オイル溝(7)の周辺部(a)の気孔率を,その他の部分(b)より小さくしたことを特徴とする,湿式クラッチ用摩擦板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381172A JP2004211781A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 湿式クラッチ用摩擦板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381172A JP2004211781A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 湿式クラッチ用摩擦板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004211781A true JP2004211781A (ja) | 2004-07-29 |
Family
ID=32817175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002381172A Pending JP2004211781A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 湿式クラッチ用摩擦板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004211781A (ja) |
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-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381172A patent/JP2004211781A/ja active Pending
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