JP6997302B2 - 摩擦部材 - Google Patents

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Description

本発明は、湿式の摩擦クラッチまたは摩擦ブレーキのような、特に摩擦接続によって動作する湿式の装置のための摩擦部材であって、摩擦部材は、少なくとも1つの摩擦面を有しており、少なくとも1つの摩擦面は、複数の摩擦ゾーンを有しており、複数の摩擦ゾーンは、周方向に延在する溝帯域の介在によって半径方向で相互に分離されている、摩擦部材に関する。本発明はさらに、少なくとも1つのそのような摩擦部材を有する湿式の多板クラッチまたは多板ブレーキに関する。
米国特許第4995500号明細書からは、複数の半径方向で相互に分離された摩擦ゾーンを有し、これらの摩擦ゾーンの間に複数の周方向に延在する溝が配置されているクラッチプレートが公知である。
本発明の課題は、湿式の摩擦クラッチまたは摩擦ブレーキのような、特に摩擦接続によって動作する湿式の装置のための摩擦部材であって、摩擦部材は、少なくとも1つの摩擦面を有しており、少なくとも1つの摩擦面は、複数の摩擦ゾーンを有しており、複数の摩擦ゾーンは、周方向に延在する溝帯域の介在によって半径方向で相互に分離されている、摩擦部材を、特に摩擦部材が装備された、摩擦接続によって動作する装置の冷却特性に鑑みて改善することである。
上記の課題は、湿式の摩擦クラッチまたは摩擦ブレーキのような、特に摩擦接続によって動作する湿式の装置のための摩擦部材であって、摩擦部材は、少なくとも1つの摩擦面を有しており、少なくとも1つの摩擦面は、複数の摩擦ゾーンを有しており、複数の摩擦ゾーンは、周方向に延在する溝帯域の介在によって半径方向で相互に分離されている、摩擦部材において、摩擦ゾーンおよび/または少なくとも1つの溝帯域の少なくとも1つの寸法が、摩擦部材が装備された、摩擦接続によって動作する装置の冷却特性に鑑みて最適化されていることによって解決される。摩擦ゾーンを、摩擦出力ゾーンと呼ぶこともできる。摩擦ゾーンまたは摩擦出力ゾーンは、好ましくは摩擦プレートとして構成されている摩擦部材が、例えばスチールプレート上に設けられている相手面と直接的に接触する領域に相当する。摩擦部材、摩擦プレートの摩擦設計を、特に以下で特許請求されるように構成することによって、好ましい半径方向寸法および位置を有する複数の半径方向で分離された摩擦ゾーンが得られ、このことは、摩擦部材が装備された、摩擦接続によって動作する装置の冷却特性、特に摩擦クラッチまたは多板クラッチの冷却特性に対して肯定的な影響を与える。摩擦接続によって動作する装置、特に摩擦クラッチまたは多板クラッチの動作時には、摩擦出力は、スリップ段階中、もはや半径方向に連続的に印加されるのではなく、介在する溝帯域によって相互に分離された、少なくとも2つの閉じた環状の摩擦出力ゾーンまたは摩擦ゾーンの内部に印加される。摩擦部材、特に摩擦プレートの摩擦設計は、半径にわたって、少なくとも2つの相互に分離された摩擦ゾーンまたは摩擦出力ゾーンが生成されるように構成される。局所的な出力の印加によって、摩擦部材の温度推移は、摩擦部材の表面、特にプレート表面と、冷却用に使用される流体との間の推進温度差が最大化されるように肯定的な影響を受けることができ、これによって流体によるエネルギ吸収も最大化される。摩擦部材のピーク温度、特にプレートのピーク温度が低下すると、流体の熱伝導率がより良好に活用される。
摩擦部材の好ましい実施例は、合計で3つの摩擦ゾーンのうちの半径方向で最も内側の摩擦ゾーンの半径方向寸法が、他の2つの半径方向外側の摩擦ゾーンの半径方向寸法の合計の約1~2倍であることを特徴とする。軸線方向、半径方向、周方向という用語は、摩擦部材の回転軸線に関連している。軸線方向とは、回転軸線の方向または回転軸線に対して平行な方向を意味する。半径方向とは、回転軸線を横断する方向を意味する。3つの摩擦ゾーンは、それぞれ同心円状に配置された円形リング面の形状を有している。第1の摩擦ゾーンと第2の摩擦ゾーンとの間には、第1の溝帯域が配置されている。第2の摩擦ゾーンと第3の摩擦ゾーンとの間には、第2の溝帯域が配置されている。摩擦ゾーンには、摩擦フェーシングが配置されている。摩擦フェーシングは、1つのパーツまたは複数のパーツで構成することができる。摩擦フェーシングは、有利にはパッドとも呼ばれる多数の摩擦フェーシング片を含む。摩擦フェーシング片またはパッドは、有利には相互に離間されており、これによって摩擦ゾーンには、流体の通過を可能にする溝が形成される。2つの摩擦ゾーンの間の境界ゾーンは、溝帯域と呼ばれる。溝帯域は、半径方向内側では内側の摩擦ゾーンの外径によって画定され、半径方向外側では外側の摩擦ゾーンの内径によって画定される。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
摩擦部材のさらなる好ましい実施例は、合計で4つの摩擦ゾーンのうちの半径方向で最も内側の摩擦ゾーンの半径方向寸法が、他の3つの半径方向外側の摩擦ゾーンの半径方向寸法の合計の約0.5~1倍であることを特徴とする。4つの摩擦ゾーンは、同心円状に配置された円形リング面の形状を有している。それぞれ2つの摩擦ゾーンの間には、1つの溝帯域が配置されている。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
摩擦部材のさらなる好ましい実施例は、半径方向で最も外側の摩擦ゾーンの半径方向寸法が、半径方向で最も外側の溝帯域の半径方向寸法の約0.75~2倍であることを特徴とする。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
摩擦部材のさらなる好ましい実施例は、合計で2つまたは3つの摩擦ゾーンのうちの半径方向で最も内側の摩擦ゾーンの半径方向寸法が、半径方向で最も内側の溝帯域の半径方向寸法の約0.5~3倍であることを特徴とする。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
摩擦部材のさらなる好ましい実施例は、接触領域全体の半径方向寸法に対する、全ての摩擦ゾーンの半径方向寸法の合計の比率が、約50~80%であることを特徴とする。半径方向の接触領域は、全ての摩擦ゾーンと、これらの摩擦ゾーンの間に配置された溝帯域とを含む。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
摩擦部材のさらなる好ましい実施例は、合計で3つの摩擦ゾーンおよび合計で4つの摩擦ゾーンの場合、半径方向で最も外側の溝帯域が、半径方向で、1つの接触領域全体または上記接触領域全体の半径方向寸法の約50~75%の間のところで開始することを特徴とする。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
摩擦部材のさらなる好ましい実施例は、合計で2つの摩擦ゾーンの場合、半径方向で最も外側の溝帯域が、半径方向で、1つの接触領域全体または上記接触領域全体の半径方向寸法の約40~50%の間のところで開始することを特徴とする。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
摩擦部材のさらなる好ましい実施例は、半径方向で最も内側の溝帯域が、半径方向で、1つの接触領域全体または上記接触領域全体の半径方向寸法の約30~60%の間のところで開始することを特徴とする。本発明の枠内で実施された実験および調査において、特許請求されるに値する非常に良好な結果が達成された。
本発明はさらに、少なくとも1つの上述した摩擦部材を有する湿式の多板クラッチまたは多板ブレーキに関する。摩擦部材の有利には両方の側に、上述した摩擦ゾーンおよび溝帯域が装備されている。摩擦ゾーンにおける溝の設計は、従来の摩擦プレートのように、または従来の摩擦プレートに類似するように構成することができる。
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細が、以下の説明から明らかとなる。以下の説明では、図面を参照しながら複数の異なる実施例が詳細に説明されている。
第1の実施例による、摩擦プレートとして構成された摩擦部材の平面図であり、摩擦部材は摩擦面を有しており、摩擦面は2つの摩擦ゾーンを含み、2つの摩擦ゾーンは、周方向に延在する溝帯域によって相互に分離されている。 図1の摩擦部材の摩擦ゾーンにおける摩擦出力推移と、関連する温度プロファイルとが、摩擦部材の半径にわたって示されている直交座標図である。 第2の実施例による、図1に類似した摩擦部材の平面図である。 第3の実施例による、摩擦面を有する摩擦部材の平面図であり、摩擦部材は、3つの摩擦ゾーンと2つの溝帯域とを有している。 摩擦出力推移と温度プロファイルとが、図4の摩擦部分の半径にわたって示されている直交座標図である。 棒グラフであり、この棒グラフでは、合計で20の実施形態による、図1、3、および4に示されるような摩擦部材の摩擦ゾーンおよび溝帯域の寸法が、そのような摩擦部材が装備された、摩擦接続によって動作する装置の冷却特性に鑑みて最適化されている。
図1、3、および4には、支持要素2;22;42を有する摩擦部材1;21;41の3つの実施例が、摩擦面3;23;43を上から見たときの平面図で示されている。支持要素2は、例えば支持薄板であり、この支持薄板の上には、摩擦面3;23;43を形成するために摩擦フェーシング片4,5;24,25;44~46が接着されている。摩擦フェーシング片4,5;24,25;44~46は、規定された溝パターンで配置されていて相互に離間されており、これによって溝とも呼ばれる流体通流領域6~8;26~28;47~50が形成されている。
図1に示した摩擦部材1では、摩擦フェーシング片4,5は、正方形の形状を有しており、これらの摩擦フェーシング片4,5は、図1では、流体通流領域6が垂直方向に延在しかつ流体通流領域7が水平方向に延在するように、ワッフルパターンで配置されている。摩擦面3は、2つの摩擦ゾーン11,12を備えており、これら2つの摩擦ゾーン11,12は、溝帯域15である流体通流領域8によって相互に分離されている。
図1、3、および4では、図示されていないスチールプレートの外径および内径が円弧r2およびr7によって示されており、このスチールプレートには、摩擦部材1;21;41が装備された多板クラッチの動作中に摩擦面3;23;43が接触する。スチールプレートと、摩擦プレートとして構成された摩擦部材1;21;41との間の接触領域は、半径方向内側では内径または内半径r6によって画定される。スチールプレートと、摩擦プレート1;21;41との間の接触領域は、半径方向外側では外径または外半径r5によって画定される。
溝帯域を有さない従来の摩擦部材の構成の場合、すなわち、摩擦プレートとスチールプレートとの間の摩擦ゾーンに中断部が設けられていない従来の摩擦部材の構成の場合には、摩擦出力ゾーンまたは摩擦ゾーンは、接触領域全体に相当する。本発明の枠内で実施された実験および調査において、ピーク温度とも呼ばれる摩擦プレートの最高温度が、望ましくないほど高くなる可能性があることが判明した。
摩擦プレートと、冷却用に使用される流体との間の熱交換は、一般的に以下の式によって記述される:
Q=αA(Tプレート表面-T流体
ここで、αは、熱係数であり、Aは、熱交換のために有効な面積であり、2つの温度は、プレート表面と流体との間の温度差である。クラッチと流体との間の熱交換を最大化し、これによってプレートの熱負荷を低く抑えるためには、3つの項の積を最大化する必要がある。特に本発明は、プレートの局所的なピーク温度を増大させることなく最後の項、すなわち温度差をいかにして最大化することができるか、に貢献するものである。
このために、プレートの摩擦設計は、360度の全周にわたって環状の溝帯域15;35;55,56によって相互に分離された、少なくとも2つの摩擦ゾーンまたは摩擦出力ゾーン11,12;31,32;51~53に分割される。
図1に示した摩擦部材1では、閉じた環状の第1の摩擦ゾーンまたは摩擦出力ゾーン11が、直径r6から第1の部分直径rt1,RLまで延在している。第2の摩擦ゾーンまたは摩擦出力ゾーン12は、第2の部分直径rt2,RLから直径r5まで延在している。部分直径rt1,RLとrt2,RLとの間には、溝帯域15と呼ばれる、流体が通流する溝が全周にわたって形成されており、したがって、ここではスチールプレートと摩擦プレート1との間の接触が生じない。
この結果、利用可能な摩擦面3が溝帯域15の分だけ縮小されていることに基づき、摩擦出力ゾーンまたは摩擦ゾーン11,12では、従来の摩擦部材と比較してより高い摩擦出力密度がもたらされることとなる。それと同時に、摩擦出力ゾーンまたは摩擦ゾーン11,12の間の溝帯域15によって摩擦出力のない領域が設けられており、これによって摩擦プレート1と流体との間の温度差は、ピーク温度を増大させることなく全体として拡大されることとなる。
その理由は、冷却された状態の流体が、基本的に内径r6またはr7を介して摩擦空間へと供給され、次いで、外径r5またはr2に向かう途中で上記の式に従って熱エネルギを吸収するからである。摩擦空間とは、半径方向内側では内側プレート支持体によって画定され、半径方向外側では外側プレート支持体によって画定されるリング状空間のことである。摩擦空間では、摩擦部材または摩擦プレートがスチールプレートと交互に配置されている。半径方向で最も内側の摩擦出力ゾーン11において局所的により多くの出力が伝達されると、プレート温度がさらに上昇して、流体温度との差が増加する。
図2では、x軸上に半径rが適切な長さ単位でプロットされている直交座標図において、線19によって、図1の摩擦プレート1のその時々の負荷状況に依存する例示的な温度プロファイルが概略的に示されており、2つの線16,17によって、分割された摩擦出力推移が示されている。環状の溝帯域15に対応する2つの摩擦出力ゾーン11,12が設けられていることが見て取れる。ここでも、接触領域18は、摩擦プレートとスチールプレートとの接触の境界を画定している。摩擦プレート1は、参照符号20において最高温度またはピーク温度を有している。
図3に示した摩擦部材21では、摩擦フェーシング片24,25は、図1の摩擦部材1とは異なる形状で構成されている。しかしながら、本発明の核となる思想は、摩擦フェーシング片の設計とは無関係である。本発明はさらに、2つの摩擦出力ゾーン11,12;31,32のみに限定されているわけではなく、むしろ、3つ以上の摩擦出力ゾーンに分割することも可能である。
クラッチから流体に放出される熱エネルギを最大化し、それによってプレートのピーク温度を最小化するために、本発明の枠内で実施された実験および調査において、摩擦ゾーンと環状の溝帯域とが、幅とも呼ばれる各自の半径方向寸法と各自の位置とに関して相互に採用すべき、好ましい比率が発見された。
図4に示した摩擦部材41は、それぞれ異なる半径方向寸法または幅を有する3つの摩擦出力ゾーンまたは摩擦ゾーン51~53に関する一例を例示的に示している。最も内側の摩擦出力ゾーンは、r6からrt1,RLまで延在しており、中央の摩擦出力ゾーンは、rt2,RLからrt3,RLまで延在しており、最も外側の摩擦出力ゾーンは、rt4,RLからr5まで延在している。それぞれの間の領域は、環状の溝として構成されており、この環状の溝は、溝帯域55,56と呼ばれ、流体のための流れ領域である。
図5には、3つの摩擦出力ゾーンまたは摩擦ゾーン51~53と、2つの環状の溝帯域55,56とを有する図4の摩擦部材41にわたる温度推移が、図2と同様の方法で概略的に示されている。線61~63は、3つに分割された摩擦出力推移を示している。線65は、摩擦プレート41の関連する温度プロファイルを示している。参照符号66によって、摩擦プレート41のピーク温度が示されている。
図6には、本発明による摩擦プレートの断面プロファイルF01~F20の選択肢が示されており、これらの断面プロファイルF01~F20は、特許請求される本発明の意味での好ましい実施形態を示している。プロファイルF01~F20は、本発明の枠内で実施される実験および調査において、技術的に一般的な走行状況に基づいて作成されたものであり、従来の摩擦プレートと比較してより低減されたピークプレート温度と、それに伴ってより低減された熱負荷とを有している。
図6の断面プロファイルは、それぞれ同じ長さに正規化されている。半径r6とr5との間には、摩擦プレートと、クラッチプレートまたはスチールプレートとの接触領域80が延在している。ハッチングした横棒71および72によって、摩擦プレートとスチールプレートとの間の接触がない領域が示されている。横棒73~76によって摩擦ゾーンが示されており、これらの摩擦ゾーンは、溝帯域77~79によって相互に分離されている。
プロファイルF01およびF02は、2つの相互に分離された摩擦ゾーン73,74を有する2つの可能な実施形態を示す。プロファイルF03~F17は、3つの相互に分離された摩擦ゾーン73~75を有する実施形態を示す。プロファイルF18~F20は、4つの半径方向で相互に分離された摩擦ゾーン73~76を有する実施形態を示す。
本発明の枠内で実施された実験および調査において、従来の摩擦プレートと比較してプレートのピーク温度がより低減されているという意味で、以下の関係が有利であることが判明した。
3つの摩擦ゾーンの場合、半径方向で最も内側の摩擦ゾーンの半径方向の長さは、他の2つの半径方向外側の摩擦ゾーンの合計の約1~2倍であるべきである。4つの摩擦ゾーンの場合、半径方向で最も内側の摩擦ゾーンの半径方向の長さは、他の3つの半径方向外側の摩擦ゾーンの合計の約0.5~1倍であるべきである。
半径方向で最も外側の摩擦ゾーンの半径方向の長さは、半径方向で最も外側の溝帯域の半径方向の長さの約0.75~2倍であるべきである。2つまたは3つの摩擦ゾーンの場合、半径方向で最も内側の摩擦ゾーンの半径方向の長さは、半径方向で最も内側の溝帯域の半径方向の長さの約0.5~3倍であるべきである。
接触領域全体の半径方向の長さに対する、全ての摩擦ゾーンの半径方向の長さの合計の比率は、約50~80%であるべきである。3つおよび4つの摩擦ゾーンの場合、半径方向で最も外側の溝帯域は、半径方向で、接触領域全体の半径方向の長さの約50~75%の間において開始すべきである。
2つの摩擦ゾーンの場合、半径方向で最も外側の溝帯域は、半径方向で、接触領域全体の半径方向の長さの約40~50%の間において開始すべきである。半径方向で最も内側の溝帯域は、半径方向で、接触領域全体の半径方向の長さの約30~60%の間において開始すべきである。
1 摩擦部材
2 支持要素
3 摩擦面
4 摩擦フェーシング片
5 摩擦フェーシング片
6 流体通流領域
7 流体通流領域
8 流体通流領域
11 摩擦ゾーン
12 摩擦ゾーン
15 溝帯域
16 線
17 線
18 接触領域
19 線
20 ピーク温度
21 摩擦部材
22 支持要素
23 摩擦面
24 摩擦フェーシング片
25 摩擦フェーシング片
26 流体通流領域
27 流体通流領域
28 流体通流領域
31 摩擦ゾーン
32 摩擦ゾーン
35 溝帯域
41 摩擦部材
42 支持要素
43 摩擦面
44 摩擦フェーシング片
45 摩擦フェーシング片
46 摩擦フェーシング片
47 流体通流領域
48 流体通流領域
49 流体通流領域
50 流体通流領域
51 摩擦ゾーン
52 摩擦ゾーン
53 摩擦ゾーン
55 溝帯域
56 溝帯域
58 接触領域
61 線
62 線
63 線
65 線
66 ピーク温度
71 ハッチングした横棒
72 ハッチングした横棒
73 摩擦ゾーン
74 摩擦ゾーン
75 摩擦ゾーン
76 摩擦ゾーン
77 溝帯域
78 溝帯域
79 溝帯域
80 半径方向の接触領域

Claims (3)

  1. 湿式の装置のための摩擦部材(1;21)であって、
    当該摩擦部材(1;21)は、少なくとも1つの摩擦面(3;23)を有しており、
    前記少なくとも1つの摩擦面(3;23)は、合計で2つの摩擦ゾーン(11,12;31,32)を有しており、
    前記2つの摩擦ゾーン(11,12;31,32)は、周方向に延在する溝帯域(15;35)の介在によって半径方向で相互に分離されている、摩擦部材(1;21)において、
    前記2つの摩擦ゾーン(11,12;31,32)のうちの半径方向で内側の摩擦ゾーン(11;31)の半径方向寸法は、前記溝帯域(15;35)の半径方向寸法の0.5~3倍であり、
    前記2つの摩擦ゾーン(11,12;31,32)の間の前記溝帯域(15;35)は、接触領域(80)全体の半径方向寸法の、半径方向内向きに40~50%の間のところで開始し、
    スチールプレートが前記摩擦面(3;23)に接触し摩擦接続する際、前記溝帯域(15;35)では前記スチールプレートとの接触が生じないことを特徴とする、摩擦部材(1;21)
  2. 請求項1記載の少なくとも1つの摩擦部材(1;21)を有する、湿式の多板クラッチ。
  3. 請求項1記載の少なくとも1つの摩擦部材(1;21)を有する、湿式の多板ブレーキ。
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