JP2021167609A - 車両用クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチレリーズベアリングに着脱可能に組み付けられたクラッチレリーズカバーの摺接部の割れを抑制する車両用クラッチを提供する。【解決手段】クラッチレリーズカバー44の挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されると、押圧部44cがインナレース38の内周面38cを押圧するので、クラッチレリーズカバー44がインナレース38に着脱可能に取り付けられる。また、クラッチレリーズカバー44の挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されるときには、挿入部44bと押圧部44cとの間の厚みTの薄い第1溝44iおよび第2溝44jの変形によって応力が吸収されるので、摺接部44aと挿入部44bとの間に応力が集中することが好適に抑制される。これによって、クラッチレリーズベアリング34に着脱可能に組み付けられたクラッチレリーズカバー44の摺接部44aの割れを抑制することができる。【選択図】図4
Description
本発明は、クラッチレリーズベアリングに着脱可能に組み付けられたクラッチレリーズカバーを備える車両用クラッチに関して、ダイヤフラムスプリングに摺接する前記クラッチレリーズカバーの摺接部の割れを好適に抑制する技術に関するものである。
(a)クラッチレリーズシリンダによって回転軸線方向に移動させられるクラッチレリーズベアリングと、(b)前記クラッチレリーズシリンダによって前記クラッチレリーズベアリングを介して内周部が押圧されるダイヤフラムスプリングと、を備える車両用クラッチが知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用クラッチがそれである。なお、特許文献1の車両用クラッチでは、前記ダイヤフラムスプリングの内周部に摺接する摺接部を有するクラッチレリーズカバー(コンタクトフランジ)が前記クラッチレリーズベアリングに設けられており、前記クラッチレリーズカバーは、前記クラッチレリーズベアリングのインナレースに一体的に固着されている。
ところで、上述した特許文献1の車両用クラッチでは、前記ダイヤフラムスプリングとの摺接によって前記クラッチレリーズカバーの摺接部が摩耗した場合には、前記クラッチレリーズカバーを交換する必要があるが、前記クラッチレリーズカバーは前記インナレースに一体的に固着されているので、前記クラッチレリーズカバーを交換する場合には前記レリーズベアリングも含めて交換する必要があった。
これに対して、前記摺接部が摩耗したときに前記クラッチレリーズカバーだけを交換するために、前記クラッチレリーズカバーを前記クラッチレリーズベアリングのインナレースに着脱可能に組み付けることが考えられる。すなわち、前記クラッチレリーズカバーの摺接部から前記インナレースの内周側に挿入される挿入部の外径を前記インナレースの内径よりも大きくして、前記挿入部を前記インナレースに圧入することが考えられる。
しかしながら、前記クラッチレリーズカバーを前記クラッチレリーズベアリングに組み付けるとき、すなわち前記クラッチレリーズカバーの挿入部を前記インナレースに圧入するときに、前記摺接部と前記挿入部との間に応力が集中して前記摺接部と前記挿入部との間に亀裂が発生し易いので、前記クラッチレリーズカバーの摺接部の割れにつながるという問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、クラッチレリーズベアリングに着脱可能に組み付けられたクラッチレリーズカバーの摺接部の割れを抑制する車両用クラッチを提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)クラッチレリーズシリンダによって回転軸線方向に移動させられるクラッチレリーズベアリングと、前記クラッチレリーズシリンダによって前記クラッチレリーズベアリングを介して内周部が押圧されるダイヤフラムスプリングと、を備える車両用クラッチであって、(b)前記クラッチレリーズベアリングは、前記クラッチレリーズシリンダに固定された環状の第一レースと、転動体を介して前記第一レースによって前記回転軸線まわりに回転可能に支持された環状の第二レースと、前記第二レースに着脱可能に設けられたクラッチレリーズカバーと、を備えており、(c)前記クラッチレリーズカバーは、前記ダイヤフラムスプリングと前記第二レースとの間に介在され、前記ダイヤフラムスプリングの内周部に摺接する摺接部と、(d)前記摺接部から前記第二レースの内周側に挿入され前記第二レースの内径より小さく形成された、または、前記摺接部から前記第二レースの外周側に挿入され前記第二レースの外径より大きく形成された挿入部と、(e)前記挿入部から前記回転軸線方向に延設され、前記第二レースにおいて前記転動体が設けられた面とは反対側の面を押圧する押圧部と、を一体に有しており、(f)前記クラッチレリーズカバーには、前記挿入部と前記押圧部との間に前記挿入部の厚みよりも厚みを薄くする溝が形成されていることにある。
第1発明の車両用クラッチによれば、前記クラッチレリーズカバーの挿入部が前記第二レースの内周側または前記第二レースの外周側に挿入されると、前記押圧部が前記第二レースにおいて前記転動体が設けられた面とは反対側の面を押圧するので、前記クラッチレリーズカバーが前記第二レースに着脱可能に取り付けられる。また、前記クラッチレリーズカバーの挿入部が前記第二レースの内周側または前記第二レースの外周側に挿入されるときには、前記挿入部と前記押圧部との間の厚みの薄い前記溝の変形によって応力が吸収されるので、前記摺接部と前記挿入部との間に応力が集中することが好適に抑制される。これによって、前記クラッチレリーズベアリングに着脱可能に組み付けられた前記クラッチレリーズカバーの摺接部の割れを抑制することができる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用されたクラッチ装置10の構成を概略的に説明する図である。図1に示すように、クラッチ装置10は、車両の走行用駆動源としてのエンジン12と手動変速機14との間の動力伝達経路に設けられている。なお、手動変速機14は、図示しないシフトレバーの操作によって複数の変速段のうちの所定の変速段に切り換えられる。また、クラッチ装置10は、運転者による図示しないクラッチペダルの操作によって解放、半係合および完全係合のいずれかの状態に切り換えられる。
クラッチ装置10は、図1に示すように、クラッチ(車両用クラッチ)16とクラッチレリーズシリンダ18とを備えている。なお、クラッチ16は、エンジン12と手動変速機14との間の動力伝達経路を選択的に接続または切断する。また、クラッチレリーズシリンダ18は、前記クラッチペダルが操作されることによりクラッチマスタシリンダ(図示しない)から供給される油圧によってクラッチ16を作動させる。
クラッチ16は、図1に示すように、フライホイール20と、クラッチディスク22と、クラッチカバー24と、プレッシャプレート26と、ダイヤフラムスプリング28と、摩擦材30、32と、クラッチレリーズベアリング34(図2参照)と、を備えている。なお、フライホイール20は、エンジン12のクランク軸12aに動力伝達可能に連結されている。また、クラッチディスク22は、手動変速機14の入力軸14aに動力伝達可能に連結されている。また、クラッチカバー24は、フライホイール20の外周部20aに固定されている。また、プレッシャプレート26は、クラッチカバー24とフライホイール20の外周部20aとの間に配設されている。また、ダイヤフラムスプリング28は、プレッシャプレート26をクラッチディスク22側に付勢する。なお、図2に示すように、ダイヤフラムスプリング28の内周部28aは、クラッチレリーズベアリング34に当接させられている。また、摩擦材30はフライホイール20とクラッチディスク22との間に配設され、摩擦材32はクラッチディスク22とプレッシャプレート26との間に配設されている。また、クラッチレリーズベアリング34は、クラッチレリーズシリンダ18によってクランク軸12aおよび入力軸14aの回転軸線C方向に移動させられる。なお、図2は、クラッチ装置10に設けられたダイヤフラムスプリング28、クラッチレリーズベアリング34、およびクラッチレリーズシリンダ18等を示す断面図である。
以上のように構成されたクラッチ16では、前記クラッチペダルが操作されていない場合には、ダイヤフラムスプリング28によってプレッシャプレート26がクラッチディスク22側に付勢されているので、クラッチディスク22が摩擦材30、32を介してフライホイール20とプレッシャプレート26との間で挟圧される。これによって、クラッチ16では、エンジン12のクランク軸12aから手動変速機14の入力軸14aへの動力伝達が可能な状態となる。また、クラッチ16では、前記クラッチペダルが操作された場合には、クラッチレリーズシリンダ18によってクラッチレリーズベアリング34が回転軸線C方向に移動させられてダイヤフラムスプリング28の内周部28aがフライホイール20に接近する矢印F方向(図2参照)に移動するので、前記クラッチペダルを操作する操作力に応じてダイヤフラムスプリング28がプレッシャプレート26をクラッチディスク22側へ付勢する力が変化する。これによって、クラッチ16では、フライホイール20およびクラッチディスク22と摩擦材30、32との係合状態が半係合状態から非係合状態までの間で変化させられる。なお、フライホイール20およびクラッチディスク22と摩擦材30、32とが非係合状態とされた場合には、クラッチ16では、エンジン12のクランク軸12aから手動変速機14の入力軸14aへの動力伝達が遮断された状態となる。
クラッチレリーズベアリング34は、図2および図3に示すように、アウタレース(第一レース)36と、インナレース(第二レース)38と、球状の球状転動体(転動体)40と、保持器42と、クラッチレリーズカバー44と、を備えている。なお、図3は、クラッチレリーズベアリング34の構成を説明する断面図である。また、アウタレース36は、ベアリング背面プレート46およびベアリングケース48を介してクラッチレリーズシリンダ18に固定された環状の部材である。また、インナレース38は、球状転動体40を介してアウタレース36によって回転軸線Cまわりに回転可能に支持された環状の部材である。また、球状転動体40は、アウタレース36とインナレース38との間において周方向に一列に配列されている。また、保持器42は、前記周方向に一列に配列された球状転動体40の間隔を一定に保持する。また、クラッチレリーズカバー44は、インナレース38に着脱可能に組み付けられている。
クラッチレリーズカバー44は、例えば無理な曲げで割れが生じる硬質樹脂であり、クラッチレリーズカバー44は、図3に示すように、例えば摺接部44aと挿入部44bと押圧部44c等とを一体に有している。クラッチレリーズカバー44の摺接部44aは、ダイヤフラムスプリング28の内周部28aとインナレース38のダイヤフラムスプリング28側の側面38aとの間に介在された環状の部分であり、摺接部44aは、例えば前記クラッチペダルが操作されてクラッチレリーズベアリング34が回転軸線C方向に移動したときにダイヤフラムスプリング28の内周部28aに摺接する。なお、摺接部44aでは、ダイヤフラムスプリング28の内周部28aに摺接する摺接面44dとインナレース38の側面38aに接触する接触面44eとの形状がインナレース38の側面38aの形状と略同じになるように、摺接部44aの形状が設計されている。
クラッチレリーズカバー44の挿入部44bは、図3に示すように、摺接部44aの内周部44fからインナレース38の内周側に挿入された円筒状の部分である。なお、挿入部44bでは、挿入部44bの外径D1がインナレース38の内径D2より小さくなるように、挿入部44bの形状が設計されている。また、挿入部44bは、クラッチレリーズカバー44をインナレース38に組み付けるときにクラッチレリーズカバー44をインナレース38に位置決めする位置決め部としての機能と、ダイヤフラムスプリング28の内周部28aに摺接しているときのクラッチレリーズカバー44の曲げ強度を確保のための強度壁としての機能と、を有している。
クラッチレリーズカバー44の押圧部44cは、挿入部44bから回転軸線C方向に延設された環状の部材であり、押圧部44cには、外周側へ環状に突き出す突起44gが形成されている。なお、押圧部44cでは、図4に示すように、突起44gの先端の外径D3がインナレース38の内径D2より大きくなるように、押圧部44cの形状が設計されている。このように構成された押圧部44cでは、押圧部44cがインナレース38の内側に挿入されると、押圧部44cつまり突起44gが、インナレース38において球状転動体40が設けられた外周面(面)38bとは反対側の面すなわちインナレース38の内周面38cを押圧する。押圧部44cがインナレース38の内周面38cを押圧する押圧力(保持力)によって、クラッチレリーズカバー44がクラッチレリーズベアリング34に組み付けられた後のクラッチレリーズカバー44のクラッチレリーズベアリング34からの脱落が防止されるようになっている。なお、図4は、クラッチレリーズカバー44をクラッチレリーズベアリング34に組み付けるときのクラッチレリーズカバー44を示す図であり、クラッチレリーズカバー44の押圧部44cがインナレース38の内側に挿入される前のクラッチレリーズカバー44を示す図である。図4に示す一点鎖線は、クラッチレリーズカバー44の挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されたときの押圧部44cの状態を示す仮想線である。
クラッチレリーズカバー44には、図3および図4に示すように、挿入部44bと押圧部44cとの間において挿入部44bと押圧部44cとを連結する環状の連結部44hが形成されている。クラッチレリーズカバー44の連結部44hには、挿入部44bの厚みT1よりも厚みTを薄くする第1溝(溝)44iおよび第2溝(溝)44jが形成されている。なお、第1溝44iは、連結部44hの外周面に形成された環状の溝であり、第2溝44jは、連結部44hの内周面に形成された環状の溝である。
以上のように構成されたクラッチレリーズカバー44では、クラッチレリーズカバー44をクラッチレリーズベアリング34に組み付けるためにクラッチレリーズカバー44の挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されると、押圧部44cすなわち突起44gがインナレース38の内周面38cを押圧するので、クラッチレリーズカバー44がインナレース38に着脱可能に取り付けられる。なお、クラッチレリーズカバー44の挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されるときには、挿入部44bと押圧部44cとの間の厚みTの薄い第1溝44iおよび第2溝44jの変形によって応力が吸収される。これによって、挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されるときに摺接部44aと挿入部44bとの間に応力が集中することが好適に抑制されるので、クラッチレリーズカバー44をクラッチレリーズベアリング34に組み付けるときに摺接部44aと挿入部44bとの間に亀裂が生じ難くなる。
上述のように、本実施例のクラッチ16によれば、クラッチレリーズカバー44の挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されると、押圧部44cがインナレース38において球状転動体40が設けられた外周面38bとは反対側の内周面38cを押圧するので、クラッチレリーズカバー44がインナレース38に着脱可能に取り付けられる。また、クラッチレリーズカバー44の挿入部44bがインナレース38の内周側に挿入されるときには、挿入部44bと押圧部44cとの間の厚みTの薄い第1溝44iおよび第2溝44jの変形によって応力が吸収されるので、摺接部44aと挿入部44bとの間に応力が集中することが好適に抑制される。これによって、クラッチレリーズベアリング34に着脱可能に組み付けられたクラッチレリーズカバー44の摺接部44aの割れを抑制することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施例(実施例2)のクラッチ(車両用クラッチ)に備えられたクラッチレリーズベアリング100の構成を説明する断面図である。本実施例のクラッチは、クラッチレリーズベアリング100が異なる点で相違しており、その他は実施例1のクラッチ16と略同じである。なお、クラッチレリーズベアリング100では、クラッチレリーズカバー102がクラッチレリーズベアリング100のアウタレース(第二レース)104に組み付けられている。
クラッチレリーズベアリング100は、図5に示すように、アウタレース104と、インナレース(第一レース)106と、球状の球状転動体(転動体)108と、保持器110と、クラッチレリーズカバー102と、を備えている。なお、インナレース106は、ベアリングケース112を介してクラッチレリーズシリンダ18に固定された環状の部材である。また、アウタレース104は、球状転動体108を介してインナレース106によって回転軸線Cまわりに回転可能に支持された環状の部材である。また、クラッチレリーズカバー102は、アウタレース104に着脱可能に組み付けられている。
クラッチレリーズカバー102は、実施例1のクラッチレリーズカバー44と同様に例えば無理な曲げで割れが生じる硬質樹脂であり、クラッチレリーズカバー102は、図5に示すように、例えば摺接部102aと挿入部102bと押圧部102c等とを一体に有している。クラッチレリーズカバー102の摺接部102aは、ダイヤフラムスプリング28の内周部28aとアウタレース104のダイヤフラムスプリング28側の側面104aとの間に介在された環状の部分であり、摺接部102aは、例えば前記クラッチペダルが操作されてクラッチレリーズベアリング100が回転軸線C方向に移動したときにダイヤフラムスプリング28の内周部28aに摺接する。
クラッチレリーズカバー102の挿入部102bは、図5に示すように、摺接部102aの外周部102dからアウタレース104の外周側に挿入された円筒状の部分である。なお、挿入部102bでは、挿入部102bの内径D4がアウタレース104の外径D5より大きくなるように、挿入部102bの形状が設計されている。
クラッチレリーズカバー102の押圧部102cは、挿入部102bから回転軸線C方向に延設された環状の部材であり、押圧部102cには、内周側へ環状に突き出す突起102eが形成されている。なお、押圧部102cでは、図6に示すように、突起102eの先端の内径D6がアウタレース104の外径D5より小さくなるように、押圧部102cの形状が設計されている。このように構成された押圧部102cでは、押圧部102cがアウタレース104の外側に挿入されると、押圧部102cつまり突起102eが、アウタレース104において球状転動体108が設けられた内周面(面)104bとは反対側の面すなわちアウタレース104の外周面104cを押圧する。なお、図6は、クラッチレリーズカバー102をクラッチレリーズベアリング100に組み付けるときのクラッチレリーズカバー102を示す図であり、クラッチレリーズカバー102の押圧部102cがアウタレース104の外側に挿入される前のクラッチレリーズカバー102を示す図である。図6に示す一点鎖線は、クラッチレリーズカバー102の挿入部102bがアウタレース104の外周側に挿入されたときの押圧部102cの状態を示す仮想線である。
クラッチレリーズカバー102には、図5および図6に示すように、挿入部102bと押圧部102cとの間において挿入部102bと押圧部102cとを連結する環状の連結部102fが形成されている。クラッチレリーズカバー102の連結部102fには、挿入部102bの厚みT2よりも厚みTを薄くする第1溝(溝)102gおよび第2溝(溝)102hが形成されている。なお、第1溝102gは、連結部102fの外周面に形成された環状の溝であり、第2溝102hは、連結部102fの内周面に形成された環状の溝である。
以上のように構成されたクラッチレリーズカバー102では、クラッチレリーズカバー102をクラッチレリーズベアリング100に組み付けるためにクラッチレリーズカバー102の挿入部102bがアウタレース104の外周側に挿入されると、押圧部102cすなわち突起102eがアウタレース104の外周面104cを押圧するので、クラッチレリーズカバー102がアウタレース104に着脱可能に取り付けられる。なお、クラッチレリーズカバー102の挿入部102bがアウタレース104の外周側に挿入されるときには、挿入部102bと押圧部102cとの間の厚みTの薄い第1溝102gおよび第2溝102hの変形によって応力が吸収される。これによって、挿入部102bがアウタレース104の外周側に挿入されるときに摺接部102aと挿入部102bとの間に応力が集中することが好適に抑制されるので、クラッチレリーズカバー102をクラッチレリーズベアリング100に組み付けるときに摺接部102aと挿入部102bとの間に亀裂が生じ難くなる。
上述のように、本実施例のクラッチによれば、クラッチレリーズカバー102の挿入部102bがアウタレース104の外周側に挿入されると、押圧部102cがアウタレース104において球状転動体108が設けられた内周面104bとは反対側の外周面104cを押圧するので、クラッチレリーズカバー102がアウタレース104に着脱可能に取り付けられる。また、クラッチレリーズカバー102の挿入部102bがアウタレース104の外周側に挿入されるときには、挿入部102bと押圧部102cとの間の厚みTの薄い第1溝102gおよび第2溝102hの変形によって応力が吸収されるので、摺接部102aと挿入部102bとの間に応力が集中することが好適に抑制される。これによって、クラッチレリーズベアリング100に着脱可能に組み付けられたクラッチレリーズカバー102の摺接部102aの割れを抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、クラッチレリーズベアリング34、100において球状の球状転動体40、108が使用されていたが、球状以外の例えば円柱状等の転動体が使用されても良い。
また、前述の実施例1では、クラッチレリーズカバー44の連結部44hに第1溝44iと第2溝44jとがそれぞれ形成されていたが、例えば、連結部44hに第1溝44iと第2溝44jとのうちの一方の溝だけを形成させて連結部44hの厚みTを挿入部44bの厚みT1より薄くしても良い。また、前述の実施例2では、クラッチレリーズカバー102の連結部102fに第1溝102gと第2溝102hとがそれぞれ形成されていたが、例えば、連結部102fに第1溝102gと第2溝102hとのうちの一方の溝だけを形成させて連結部102fの厚みTを挿入部102bの厚みT2より薄くしても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
16:クラッチ(車両用クラッチ)
18:クラッチレリーズシリンダ
28:ダイヤフラムスプリング
28a:内周部
34、100:クラッチレリーズベアリング
36:アウタレース(第一レース)
38:インナレース(第二レース)
38b:外周面(面)
38c:内周面(面)
40、108:球状転動体(転動体)
44、102:クラッチレリーズカバー
44a、102a:摺接部
44b、102b:挿入部
44c、102c:押圧部
44i、102g:第1溝(溝)
44j、102h:第2溝(溝)
104:アウタレース(第二レース)
104b:内周面(面)
104c:外周面(面)
106:インナレース(第一レース)
C:回転軸線
D2:内径
D5:外径
T、T1、T2:厚み
18:クラッチレリーズシリンダ
28:ダイヤフラムスプリング
28a:内周部
34、100:クラッチレリーズベアリング
36:アウタレース(第一レース)
38:インナレース(第二レース)
38b:外周面(面)
38c:内周面(面)
40、108:球状転動体(転動体)
44、102:クラッチレリーズカバー
44a、102a:摺接部
44b、102b:挿入部
44c、102c:押圧部
44i、102g:第1溝(溝)
44j、102h:第2溝(溝)
104:アウタレース(第二レース)
104b:内周面(面)
104c:外周面(面)
106:インナレース(第一レース)
C:回転軸線
D2:内径
D5:外径
T、T1、T2:厚み
Claims (1)
- クラッチレリーズシリンダによって回転軸線方向に移動させられるクラッチレリーズベアリングと、前記クラッチレリーズシリンダによって前記クラッチレリーズベアリングを介して内周部が押圧されるダイヤフラムスプリングと、を備える車両用クラッチであって、
前記クラッチレリーズベアリングは、前記クラッチレリーズシリンダに固定された環状の第一レースと、転動体を介して前記第一レースによって前記回転軸線まわりに回転可能に支持された環状の第二レースと、前記第二レースに着脱可能に設けられたクラッチレリーズカバーと、を備えており、
前記クラッチレリーズカバーは、
前記ダイヤフラムスプリングと前記第二レースとの間に介在され、前記ダイヤフラムスプリングの内周部に摺接する摺接部と、
前記摺接部から前記第二レースの内周側に挿入され前記第二レースの内径より小さく形成された、または、前記摺接部から前記第二レースの外周側に挿入され前記第二レースの外径より大きく形成された挿入部と、
前記挿入部から前記回転軸線方向に延設され、前記第二レースにおいて前記転動体が設けられた面とは反対側の面を押圧する押圧部と、を一体に有しており、
前記クラッチレリーズカバーには、前記挿入部と前記押圧部との間に前記挿入部の厚みよりも厚みを薄くする溝が形成されている
ことを特徴とする車両用クラッチ。
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JP2020070073A Pending JP2021167609A (ja) | 2020-04-08 | 2020-04-08 | 車両用クラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021167609A (ja) |
-
2020
- 2020-04-08 JP JP2020070073A patent/JP2021167609A/ja active Pending
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