JP5913182B2 - 湿式摩擦材 - Google Patents

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本発明は、車両の自動変速機(A/T)の変速用クラッチ等として用いる湿式摩擦材に関するものである。
車両の自動変速機等の摩擦係合装置は、アウタ部材にスプライン係合するカウンタプレートと、インナ部材にスプライン係合する摩擦材とを備え、カウンタプレートと摩擦材とを軸方向に圧接させて摩擦係合させ、アウタ部材とインナ部材との間でトルク伝達を行うように構成されている。このような摩擦係合装置においては、カウンタプレートと摩擦材の何れか一方の周方向を波長発生方向とし、軸方向にその波形の振幅が表れる湿式摩擦材が使用されている。
例えば、特許文献1では、係合初期にそのウェーブ部が弾性変形し、湿式摩擦材が他のディスク、即ち、カウンタプレートに圧接し、ウェーブ部の弾性変形による緩衝作用で係合初期の急激なトルクの立ち上りが防止され、係合ショックが緩和される。また、係合解除時には、ウェーブ部の弾性復元力により湿式摩擦材が他のディスクから迅速に離れ、引摺りが抑制される。
ところが、この湿式摩擦材は、係合時にウェーブ部が常に最初にカウンタプレートに接触するため、ウェーブ部の摩耗が生じ易く、摩擦特性が低下する。ここで、従来の湿式摩擦材はディスクの径方向全域に亘ってウェーブ部が形成されており、そのため、係合初期の他のディスクに対するウェーブ部の接触面圧が低くなる。その結果、ウェーブ部の摩耗で摩擦特性が低下すると、係合初期のトルクの立ち上りが遅れ、スムーズな変速が行われず変速ショックを生じ易くなる。
そこで、特許文献1では、カウンタプレートと摩擦材とを軸方向に圧接させて摩擦係合させることによりアウタ部材とインナ部材との間のトルク伝達を行うように摩擦係合装置を構成し、カウンタプレートと摩擦材の何れか一方の周方向を波長発生方向とし、軸方向にその波形の振幅が表れるウェーブ部を、前記一方のディスクの外周側の部分にのみに形成している。
このようにすることにより、係合初期に一方のディスクがウェーブ部においてカウンタプレートに接触して湿式摩擦材とカウンタプレートが摩擦係合するが、ウェーブ部はディスク外周側にのみ設けられているため、他のディスクに対するウェーブ部の接触面圧が高くなると共に、摩擦係合部の有効半径が大きくなり、ウェーブ部の摩耗で摩擦特性が低下しても、係合初期にトルクは遅れなく適切に立ち上る。また、係合解除時には、ウェーブ部の弾性復元力により一方のディスクが他のディスクから迅速に離れ、引摺りが抑制される。この完全係合時は、ウェーブ部が潰れてディスク同士が全面接触し、高トルクも十分に伝達できるようにしている。
また、特許文献2では、潤滑油中で互いに圧接して摩擦係合するリング状の湿式摩擦材とカウンタプレートと、これらの摩擦係合プレートを相互に圧接作動する作動手段と、前記湿式摩擦材はリング状の金属板製コアプレートとその両側面に接着接合されたペーパー系の湿式摩擦材とからなる湿式摩擦係合装置において、それらの湿式摩擦材とカウンタプレートのいずれか一方の摩擦係合表面には、高さが異なる2種類以上からなり、かつ、摩擦係合時に平面状に弾性変形する複数の波状の凹凸が円周方向に付されている。
したがって、この湿式摩擦係合装置によれば、摩擦係合時に平面状に弾性変形する波状の凹凸が高さの異なる2種類以上のものからなるため、撓み変形に対する荷重が、その波状の凹凸の高さの種類の数に応じて段階的に順次増加するように変化する荷重特性を得ることができる。そのため、湿式摩擦材とカウンタプレートとの係合時の初期の段階では、比較的小さな荷重で圧接させることができるので、十分に滑らかな係合を得ることができる一方、以後の段階では、比較的大きな荷重でたわみ変形させることができるので、係合時の衝撃エネルギを十分に吸収することができる。即ち、この湿式摩擦係合装置によれば、係合ショックが十分に緩和された滑らかな係合特性を、湿式摩擦係合装置の具体的特性等に対応して容易に得ることができる。また、波状の凹凸の高さ(弾性率)や数等を適当に設定することによってその荷重特性を多様に変えることができるため、ニーズに対応する所望の係合特性、例えば、変速フィーリング性を容易に得ることができる。
特開2001−165191号公報 特開平9−166157号公報
このように、特許文献1及び特許文献2の湿式摩擦材は、摩擦係合時に平面状に弾性変形する波状の凹凸が高さの異なる2種類以上のウェーブが連続的に形成されているから、それらの湿式摩擦材の荷重は平板の湿式摩擦材に比較して1.5〜3倍に増加し、その荷重の大きさにより、小型化、車両の燃費向上には不向きであった。
また、特に、特許文献1の湿式摩擦材は、ディスク外周側にのみウェーブを付与するものであるから、そのウェーブを付与している個所と付与していない箇所の境界には、ストレス歪が集中し、湿式摩擦材の寿命を短くするという問題点が予測される。特に、特許文献1は連続ウェーブであるため、ウェーブ荷重が大きくなり、小型化(車両燃費向上)に寄与していない。
即ち、従来からある湿式摩擦材の円周方向の連続ウェーブ形状では、引き摺りトルクを低減するためにウェーブ点数を多くして一つ一つのウェーブ形状を尖らせることで相手材との接触面積を小さくして対応していた。しかしながら、ウェーブ形状を尖らせることでウェーブ荷重は大きくなってしまい、結果として、A/Tを小型化して車両燃費を向上させるということには貢献できない。逆に、ウェーブ荷重を低減させようとウェーブ点数を少なくするとウェーブ形状がなだらかになるため相手材への接触面積が大きくなってしまい引き摺りトルクが大きくなっていた。
A/T用湿式摩擦材において、耐熱性・耐久性摩擦性能に弊害なく、低ウェーブ荷重領域にて低引き摺りトルクである湿式摩擦材の開発が望まれていた。
そこで、本発明は、軽量化及び小型化により車両の燃費を向上させるため、低ウェーブ荷重領域にて低引き摺りトルクを有する湿式摩擦材の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかる湿式摩擦材は、環状の湿式摩擦材において、内外周に亘って形成されて円周方向に延びる山部及び谷部からなり当該山部及び谷部が存在比1:1、かつ、前記山部と前記谷部は接続する位置で点対称となり連続形成されるウェーブ部と当該ウェーブ部相互間に形成された平面部を1ウェーブ単位とし、前記1ウェーブ単位中の前記ウェーブ部と前記平面部の割合を3:1〜1:4として、前記1ウェーブ単位を前記環状の湿式摩擦材の円周方向に複数形成されたものである。
ここで、前記ウェーブ部と前記平面部の割合が3:1〜1:4とは、1ウェーブ単位が山部及び谷部からなるウェーブ部と平面部から構成されていることから、この1ウェーブ単位中の山部と谷部の割合を合わせたウェーブ部の割合と平面部の割合が3:1〜1:4の範囲内にあることを示す。
請求項2の発明にかかる湿式摩擦材は、前記1ウェーブ部単位の前記ウェーブ部と平面部は、環状の湿式摩擦材の内外周に亘って形成されて円周方向に延びる山部及び谷部からなるウェーブ部のみを前記環状の湿式摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したと仮定したときのウェーブ部数から、少なくとも1周期分を廃止して前記環状の湿式摩擦材の円周方向に均一に配置され、前記均一に配置したウェーブ部間に平面部を設けられたものであり、かつ、前記環状の湿式摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したと仮定したときのウェーブ部と同一の山高さとしたものである。
例えば、環状の湿式摩擦材の全周にウェーブ部のみが連続してN個周期的に形成されていたとすると、請求項2の発明にかかる湿式摩擦材は、少なくとも1個以上少ないウェーブ部単位を有するもの、つまり、N−1個以下のウェーブ部単位を有しているものである。そしてウェーブ部単位の山部及び谷部の高さは、N個周期的に形成されていたとしたときと同じ山高さを有しているものである。ここで山高さとは、谷部Bの底の最下点からの山部の高さの頂点までの距離を指す。
請求項3の発明にかかる湿式摩擦材は、前記環状の湿式摩擦材の全周方向に対するウェーブ部の割合が30〜70%としたものである。
請求項1の湿式摩擦材は、環状の湿式摩擦材において、内外周に亘って形成されて円周方向に延びる山部及び谷部からなり当該山部及び谷部が存在比1:1、かつ、前記山部と前記谷部は接続する位置で点対称となり連続形成されるウェーブ部と当該ウェーブ部相互間に形成された平面部を1ウェーブ単位とし、前記1ウェーブ単位中の前記ウェーブ部と前記平面部の割合を3:1〜1:4として、前記1ウェーブ単位を前記環状の湿式摩擦材の円周方向に複数形成されたものである。
このように山部及び谷部からなるウェーブ部と平面部を1ウェーブ単位とし、前記1ウェーブ単位中の前記ウェーブ部と前記平面部の割合を3:1〜1:4とすることで引き摺りトルクとウェーブ荷重の低減が可能となる。
また、前記山部と前記谷部の接続する位置で点対称としたことで、ウェーブ部に荷重が負荷された時、山部及び谷部の何れからも連続的に同様に変化させることができ、湿式摩擦材に不連続によるストレスが入ることがない。
請求項2の湿式摩擦材は、前記1ウェーブ部単位の前記ウェーブ部と平面部が、環状の湿式摩擦材の内外周に亘って形成されて円周方向に延びる山部及び谷部からなるウェーブ部のみを前記環状の湿式摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したと仮定したときのウェーブ部数から、少なくとも1周期分を廃止して前記環状の湿式摩擦材の円周方向に均一に配置され、前記均一に配置したウェーブ部間に平面部を設けられたものであり、かつ、前記環状の湿式摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したと仮定したときのウェーブ部と同一の山高さとしたものである。
したがって、引き摺りトルクはウェーブ部の配置によって確実に低減し、ウェーブ荷重は連続して複数周期的に形成したときより確実に低減する。
請求項3の湿式摩擦材は、前記環状の湿式摩擦材の全周方向に対するウェーブ部の割合が30〜70%としたものあるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、湿式摩擦材の全体面のトルク、係合解除時のウェーブ部の弾性復元力が任意に設定でき、また、引摺りトルクも任意に抑制される。
図1は本発明の実施の形態の湿式摩擦材と、これと圧接して摩擦係合するカウンタプレートとを斜視で示すと共にこれらの摩擦係合プレートを用いた湿式摩擦係合装置の例を断面で示す説明図である。 図2は本発明の実施の形態の湿式摩擦材の一部を切欠いて示す平面図である。 図3は本発明の実施の形態の湿式摩擦材を円周方向に切断して展開して示す展開図である。 図4は本発明の実施の形態の湿式摩擦材の山部及び谷部及び平面部をもってウェーブ単位を構成する展開図の例である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態]
図1のように、湿式摩擦材1は、一般に鋼板からリング状(円環状)に形成された芯金としてのコアプレート10と、このコアプレート10の両側の表面に接合されたペーパー系の湿式摩擦基材12とからなっている。なお、コアプレート10には、一般に回転軸等のトルク伝達要素のスプラインまたは同様なものと係合する係合歯11が一体に備えられ、この例では内周側に設けられている。そして、本実施の形態の湿式摩擦材1では、そのコアプレート10は容易に弾性変形する鋼板、特に、バネ鋼板から形成されると共に、その円周方向に波状の凹凸からなるウェーブが付され、それによって、ペーパー系の湿式摩擦基材12を含む全体に後述するウェーブが付されている。
なお、ここで、湿式摩擦基材12は、木材パルプ或いはアラミド繊維等の繊維基材と、カシューダスト等の摩擦調整剤や炭酸カルシウム或いはケイソウ土等の体質充填剤等の充填剤とを抄造して得た抄紙体に、熱硬化性樹脂からなる樹脂結合剤を含浸し、次いで熱成形により加熱硬化して形成したものである。具体的には、その一例として、基材繊維としてのリンターパルプ25重量%及びアラミド繊維30重量%からなる繊維基材と、充填材としてのカシューダスト15重量%及びケイソウ土30重量%からなる摩擦調整剤とからなる抄紙体に、30重量%の樹脂率(摩擦材全体に対する割合)でレゾール型のフェノール樹脂を含浸し、次いで熱成形により硬化したものを挙げることができる。
また、この湿式摩擦基材12は、図示のように、コアプレート10に対応する単一のリング状の形態とすることができるが、複数枚のセグメントからなり、コアプレート10の円周方向に沿って、放射方向の油溝となる間隔を置いて接着接合された形態であることもできる。この際、セグメントの湿式摩擦基材12は、少なくともウェーブ部である山部及び谷部に配され、コアプレート10の山部及び谷部が相手材となるカウンタプレート2と直接接触しないようにする必要がある。そして、このような湿式摩擦基材12のコアプレート10への接合は、例えば、熱成形後の、または、樹脂結合剤が硬化しない前の摩擦基材12を、予めフェノール樹脂等の接着剤を塗布したコアプレート10に加熱下で圧着することによって行うことができる。
他方、湿式摩擦材1と圧接して摩擦係合するカウンタプレート2は、コアプレート10と同様に、一般に金属製の1枚板からリング状(円環状)に形成され、湿式摩擦基材12と摺接する平坦な表面を有する本体部20を備えている。また、この本体部20には係合歯21が一体に付設され、トルク伝達要素のスプラインまたは同様なものと係合するようになっている。なお、このようなカウンタプレート2は一般には鋼材(炭素鋼材)から形成されるが、ねずみ鋳鉄等から形成することもできる。
そして、これらの湿式摩擦材1とカウンタプレート2とは、ATF等の潤滑油中に浸漬した状態で複数枚交互に組合わされ、それによって湿式摩擦係合装置30として形成される。図1の例では、この湿式摩擦係合装置30は湿式多板形クラッチとして形成され、入力または出力回転軸31にキー止めされたクラッチハブ32に、湿式摩擦材1がスプライン結合によって軸方向に可動に組付けられる一方、出力また入力回転軸を形成するクラッチハウジング33の内側に、カウンタプレート2が同様にスプライン結合によって軸方向に可動に組付けられている。また、クラッチハウジング33内には、カウンタプレート2を押圧する環状ピストン34を含む油圧作動装置が形成されている。なお、クラッチハウジング33の開口端には、その油圧作動装置の荷重を受けるための受圧部材35が組付けられている。
したがって、この湿式摩擦係合装置30において、油圧源からの油圧によってピストン34が作動されると、交互に組合わされた湿式摩擦材1とカウンタプレート2とがピストン34と受圧部材35との間で相互に圧接され、その摩擦係合によりクラッチハブ32とクラッチハウジング33間のトルクの伝達が行われる。また、油圧を解き、ピストン34の作動を解除すると、それらの圧接による摩擦係合が解かれ、それによってトルクの伝達が遮断される。こうして、ピストン34を含む作動手段の作動、及び解除によって、トルクを伝達し、また遮断することができる。なお、この湿式摩擦係合装置30において、例えば、クラッチハブ32側を入力とし、クラッチハウジング33側を固定することによって、湿式多板形ブレーキとして形成することができる。また、湿式摩擦材1とカウンタプレート2とを相互に圧接し、摩擦係合させる作動手段は、本例のように油圧式が一般的であるが、他にも機械式、電磁式等であることができ、更には、本例のようにポジティブ形式であっても、またはネガティブ形式であってもよい。
ここで、本実施形態の湿式摩擦材1においては、係合時の急激なトルクの立ち上り、即ち、係合ショックを緩和し、円滑な係合特性を得るために、それの円周方向に波状の凹凸、即ち、山部と谷部とからなるウェーブ部12aが環状の湿式摩擦材1の内外周に亘って形成されている。図2においては山部がT〜Tと、谷部がB〜Bの各6個形成させたときの湿式摩擦材1を例示した。ここで、山部のT〜Tと、谷部のB〜Bは全て同じ形状に形成されていて、山部形状と谷部形状は180度反転した形状となり、前記山部と前記谷部の接続する位置、即ち、接続点で、点対称となっている。
更に、図3に示すように、例示の湿式摩擦材1は山部Tの頂点と谷部Bの最下点の間を角度α、ウェーブ部12aの山部Tから谷部Bを角度β、平面部の角度をγとして形成されている。ここで角度α、角度β、角度γは湿式摩擦材1の円周の中心に対する円周方向の角度を示している。
即ち、図2及び図3のように、リング形状を有する湿式摩擦材1のコアプレート10には、それの円周方向に、緩かに湾曲する山部T〜Tと谷部B〜Bとが接続して波状のウェーブ部12aが形成されている。また、山部T〜Tと谷部B〜Bとからなるウェーブ部12a相互間には平面部H〜Hが形成されている。
即ち、コアプレート10の円周方向に、山部T〜Tと谷部B〜Bとからなるウェーブ部12aと、このウェーブ部12aに続いて平面部H〜Hが形成されることで、ウェーブ部12aと平面部H〜Hがリング形状のコアプレート10の全周に60度が1周期で、それが6周期配されることになる。
このコアプレート10にペーパー系の湿式摩擦基材12が接合されると、湿式摩擦基材12はコアプレート10に沿って湾曲されることから、湿式摩擦材1は全体表面が円周回りに緩かに波打って形成される。つまり、コアプレート10の表面と湿式摩擦基材12の表面とは互いにその放射線方向に同一の相似形状の面となっている。そして、これらの波状の山部T〜Tと谷部B〜Bとからなるウェーブ部12aは、湿式摩擦材1が一対のカウンタプレート2間で圧縮されて弾性変形した場合に、応力の集中個所がなるべく生じないように、山部Tの頂点近傍または谷部Bの最下点近傍がR形状に形成されると共に、周方向に均一に分布されている。ここで、図2に示す波状の山部T〜Tがなす稜線と谷部B〜Bの基底線は湿式摩擦材1の平面視において、それの回転軸線つまり湿式摩擦基材12の中心から放射方向に延在し、稜線と基底線は図3に示したように一定の角度αを有している。したがって、内径側よりも外径側の方が僅かに大きなR形状に形成されている。
本実施の形態のコアプレート10には、図2に例示したように山部T〜Tと谷部B〜Bとが繋がって波状のウェーブ部12aを形成し、ウェーブ部12a相互間に平面部H〜Hが形成されている。ここで、一つのウェーブ部12aと、これに続く一つの平面部Hを1ウェーブ単位としていることから、例示の図2は6ウェーブ単位を構成している。
本発明を実施する場合のウェーブ単位は2〜10ウェーブ単位とすることができ、好ましくは3〜10ウェーブ単位とすることができる。図4に本実施の形態の実施例1の3ウェーブ単位を有する展開図を示す。
ここで、ウェーブ単位の平面部Hにトルク伝達要素のスプラインに係合する係合歯11を1個の平面部Hに1個または2個形成するのが望ましく、2〜10個の山部Tと谷部Bを形成しても、その間の平面部Hに係合歯11が配置される。本実施の形態のコアプレート10には、図2に示すように平面部Hに1個係合歯11を設けている。
ここでコアプレート10の同一円の周方向に亙って、山部T及び谷部Bからなるウェーブ部12aが放射状に延びて形成され、このウェーブ部12aに続く平面部Hを1ウェーブ単位としたとき、1ウェーブ単位内のウェーブ部12aと平面部Hの割合が3:1〜1:4に規定している。このことは図3の角度で言い換えると、ウェーブ部12aの角度βと平面部Hの角度γが3:1〜1:4に規定することになるが、この1ウェーブ単位内のウェーブ部12aと平面部Hの割合が3:1よりウェーブ部12aの割合を大きくすると、即ち1ウェーブ単位内のウェーブ部12aの割合が75%より大きくなると、コアプレート10中のウェーブ単位数が同数で、山部Tの高さ、または谷部Bの深さが同じ場合、山部Tの頂点または谷部Bの最下点でのR形状が大きく緩やかになり、ウェーブ部12aが最初にカウンタプレート2に接触する係合初期に対する接触面積が広くなる。この結果、ウェーブ荷重は小さくなるが引摺りトルクは大きくなりやすくなり好ましくない。また、ウェーブ部12aの割合を1:4より小さくすると、即ち1ウェーブ単位内のウェーブ部12aの割合が20%未満となると、ウェーブ部12aの山部Tの頂点または谷部Bの最下点でのR形状が小さく尖りすぎになりウェーブ荷重が大きくなりやすくなるため好ましくない。したがって、1ウェーブ単位内でのウェーブ部12aと平面部Hの割合を3:1〜1:4と規定している。
次に、本発明の実施の形態における試験品について説明する。
Figure 0005913182
本実施の形態では、コアプレート10の両面に湿式摩擦基材12を接合した。表1の実施例1では、図4に示すh(h−h)は、谷部Bの底の最下点からの山部Tの高さの頂点の距離(以下、「山高さ」と呼ぶ)で、0.06mmとした。このとき山部Tのピーク値(h−h)は0.03mmである。山部Tの数、(以下、「山数」と呼ぶ)は3個で、山部Tの形状は、山高さhを0.06mmとし、コアプレート10に連続したウェーブ部12aを9山形成したときと同一(以下、「山相当」と呼ぶ)である。つまり実施例1は、コアプレート10に連続したウェーブ部12aを9個周期的に形成するとウェーブ部数は9となるが、ここからウェーブ部を6個廃止して3個としている。そしてコアプレート10の全周に対するウェーブ割合を70%となるように3個分のウェーブ部12aをコアプレート10の全周に均等に配置し、3個分のウェーブ部12a相互間に平面部Hを設けたものである。ここで、山部Tから谷部Bの形状、または谷部Bから山部Tの形状は、図3及び図4に示したように、角度α内は連続ウェーブの形状を保持した9山相当の形状とし、山部Tから平面部H、または谷部Bから平面部Hは連続ウェーブ形状を保持すると急角度での接続となるため緩やかにR形状をもって接続させている。このときのR形状によってウェーブ割合を70%に設定している。
したがって山部Tの数、つまり、山数はウェーブ部12aの数3となり、山高さhは規定した0.06mmである。そしてコアプレート10全周に占める3個のウェーブ部12aの割合は70%としている。このとき実施例1におけるウェーブ部12aの山部Tの形状の詳細は、山高さhと谷部Bの底の最下点から山部Tの高さの頂点を越えて平面部Hに向かう近傍までの形状は連続したウェーブ部12aを9個周期的に形成したときの連続ウェーブの形状と同じであるが、その後の平面部と接続するまでの形状は異なっている。このことは、谷部Bについても同じである。
つまり、実施例1の山部Tの高さ(h−h)と谷部Bの深さ(h−h)は、山高さhを0.06mmとして9個周期的に形成したときの連続ウェーブと同じ高さ/深さであり、ウェーブ部12aの山部Tの形状、つまり山形状、及び谷部Bの形状、つまり谷形状は、山高さhを0.06mmとした9山相当の形状である。
実施例2では、山高さhは0.16mmとし、山数は3個である。このとき山部Tのピーク値は0.08mmである。また、山部Tの形状は、山高さhが0.16mmとしたときの9山相当とし、コアプレート10の全周に対するウェーブ割合を70%とした。ここで実施例1と実施例2は山部Tの高さが異なるため同じ9山相当でも形状は相違する。
なお、図4において、仮想線の11は係合歯11の中心位置を示すものである。
以下、実施例3、実施例4も実施例1、実施例2同様の仕方にてウェーブ部12aを形成している。つまり本発明では以下のようにウェーブ部12aを設定している。
(1) まず、山高さhを規定し、山部と谷部のウェーブ形状を山部と谷部が接続する接続点を中心に180度の点対称とした形状とし、このウェーブ形状が連続して周期的に複数現れる連続ウェーブを湿式摩擦材1に設けたと仮定する。
(2) 次に、前記(1)で規定した連続ウェーブの山高さhをそのままとして、連続ウェーブを湿式摩擦材1に設けたときのウェーブ部数から少なくとも1周期分ウェーブ部数を減らして所望のウェーブ部数とし、湿式摩擦材1の全周に対するウェーブ部割合を規定する。
(3) 所望のウェーブ部数としたウェーブ部12aを湿式摩擦材1の全周に均等に配置する。このときウェーブ部12aの形状は山部Tと谷部Bの接続は連続ウェーブ形状とし、山部Tから平面部Hへは連続ウェーブ形状としたときより緩やかに接続する形状とする。また、谷部Bから平面部Hへは連続ウェーブ形状としたときより緩やかに接続する。このとき、山部Tから平面部Hへの接続形状と対称形状になるようにする。このようにすることによりウェーブ部12a相互間に平面部Hが設けられ、山部Tから平面部Hへの接続形状と谷部Bから平面部Hへの接続形状も、山部と谷部が接続する接続点を中心に180度反転した点対称となっている。
なお、実施例では山部T(谷部B)の形状は、山高さh及び谷部Bの底の最下点(山部Tの高さの頂点)から山部Tの高さの頂点(谷部Bの底の最下点)を越えて平面部に向かう近傍までの形状は連続ウェーブと同じとしているが、山高さhは同じとして、山部Tの頂点(谷部Bの最下点)の位置を変更した形状とすることもできる。このように、山部T(谷部B)の形状は、全てのウェーブ部12aについて、山高さhを同じくして谷部Bの底の最下点(山部Tの高さの頂点)から山部Tの高さの頂点(谷部Bの底の最下点)を越えて平面部に向かう近傍までの形状を連続ウェーブと同じにする形状、山高さhを同じくして連続ウェーブとは異なる形状とすることができる。また、ウェーブ部12a間で異なる形状とすることも有り得る。つまり山高さhが同じであればウェーブ部12a形状は、全て同一形状とする場合や同一形状としない場合を要求仕様に応じて適宜選択できる。なお、要求仕様によっては、山部Tの高さ(h−h)と谷部Bの深さ(h−h)を相違させることも有り得る。
実施例3では、山高さhを0.06mmとし、山数は3個である。そして山部Tの形状は山高さhを0.06mmとしたときの11山相当である。
実施例4では、山高さhを、0.16mmとし、山数は3個である。そして山部Tの形状は山高さhを0.16mmとしたときの11山相当である。
実施例3と実施例4のウェーブ部12aの割合は30%とした。
ここで、比較例1の山数は11個で、山部の高さ0.13mm、比較例2の山数は3個で、山部の高さ0.08mmである。比較例1及び比較例2は連続ウェーブであり平面部がないためウェーブ部12aの割合が、100%である。また比較例3はウェーブがない平面部のみのものであり、ウェーブ部12aの割合は0%である。
以上説明したウェーブ部12aは、プレステンパー加工で形成した。プレステンパー条件としては、金型温度500℃、加圧時間1時間、プレス重枚数8枚、押付荷重が50ton(トン)である。
そして実施例1乃至実施例4、比較例1乃至比較例3の引き摺りトルクを測定するにあたり、湿式摩擦材1として、基材繊維としてのリンターパルプ25重量%及びアラミド繊維30重量%からなる繊維基材と、充填材としてのカシューダスト15重量%及びケイソウ土30重量%からなる摩擦調整剤とからなる抄紙体に、30重量%の樹脂率(摩擦材全体に対する割合)でレゾール型のフェノール樹脂を樹脂結合剤として含浸した摩擦材基材12を、プレステンパー(焼戻しをプレスして行う方法)したコアプレート10に加熱硬化・接着したものを使用して試験を行った。
Figure 0005913182
次に、ウェーブ荷重と引き摺りトルクの評価について説明する。
評価のための測定方法としては、ウェーブ荷重測定方法として、荷重を測定する市販のプッシュプルゲージ(アイコー製、イマダ製等がある)と山部Tまたは谷部Bの深さを測定する市販のディプスゲージ(ミツトヨ製)を組合せた荷重測定機を用いて、荷重と変位量との関係からウェーブが完全に無くなった時の荷重を測定した。
また、引き摺りトルク測定方法としては、台上試験機を用いて下記条件で引き摺りトルクの測定を行った
湿式摩擦材を接合した湿式摩擦材の枚数:5枚、サイズ:φ166×φ140、温度:70℃、ATF等の潤滑油量:5.4L、回転数:3000rpm,4500rpm,6000rpm、測定時間:30秒とした。
表2から分かるように、ウェーブ荷重については、ウェーブ荷重の目標値200(N)に対し、実施例1乃至実施例4の何れもが目標のウェーブ荷重200(N)以下であった。比較例1はウェーブ荷重648(N)と目標を大きくはずれているが、比較例2及び比較例3はウェーブ荷重目標値内で良好であった。
引き摺りトルクについては、目標値3.4(N・m)以下に対し、実施例1乃至実施例4は何れも目標値をクリアした。しかし、比較例2及び比較例3は、3000rpm、4500rpm、6000rpmの何れもが引き摺りトルクが3.4(N・m)を超えており、好ましくないことが判断された。
以上、ウェーブ荷重及び引き摺りトルクを基に総合判定すると、好ましい条件で使用できるのは、実施例1乃至実施例4であることが判明した。このときの湿式摩擦材1の全周方向に対するウェーブ部12aの割合は30%〜70%である。
これらの結果から山高さhを同じにしたとき、ウェーブ部12aの割合は、30%より少なくするとウェーブ荷重がより大きくなり好ましくない。またウェーブ部12aの割合が70%を越えるとウェーブ荷重はより小さくすることができるが引き摺りトルクは上昇し悪くなる傾向にある。30%〜70%内であればウェーブ荷重と引き摺りトルクを低く抑えた湿式摩擦材1が得られる。
このように、本実施の形態の湿式摩擦材は、放射状に延びた山部T及び放射状に延びた谷部Bからなるウェーブ部12aが周方向に所定のピッチで均等に形成され、しかも、ウェーブ部12a相互間に平面部Hが形成され、この山部T及び谷部Bからなるウェーブ部12aと平面部Hを1ウェーブ単位とするものである。そのため、1ウェーブ単位の1周期が「ウェーブ部12a(山部T+谷部B)と平面部H」で構成されている。そして、山部Tと谷部Bは180度反転した形状を有し、連続している。また、1周期中の「ウェーブ部12a(山部T+谷部B)と平面部H」は、環状の湿式摩擦材の中心からの角度比が「3:1」〜「1:4」で存在している。このとき山部Tと谷部Bの角度(存在)比は山部T:谷部B=1:1である。このようなウェーブ部12aと平面部Hを湿式摩擦材全周に周期的に配することでウェーブ荷重及び引き摺りトルクを任意に設定できる。そして、ウェーブ部12aはピストン34の押付け力に対して反発するから、そのウェーブ部12aの振幅値、配置数、即ち、ウェーブ部数、湿式摩擦材中に占める面積割合によって任意の反発力が得られ、ウェーブ荷重(N)及び引き摺りトルク(N・m)の特性を任意に設定できる。つまり、湿式摩擦材1の円周に沿ってウェーブ部12aが部分的に設けられているので、ウェーブ荷重(N)は小さくでき、相手材となるカウンタプレート2との接触部分が小さくでき、空転時の引き摺りトルクを低減できる。故に、A/Tの小型軽量化に寄与できる。
そして、ウェーブ部12aと平面部Hの直線が滑らかに繋がっているから、本実施の形態の湿式摩擦材に対して特定方向のストレスが入ることがない。
更に、1つのウェーブ部12aと、それに繋がる1つの平面部Hを1ウェーブ単位とするものであり、本発明を実施する場合には、2周期以上、好ましくは3周期以上のウェーブ部12aで構成されているから、平面部Hにトルク伝達要素のスプラインに噛み合う湿式摩擦材1の係合歯11との配設が容易である。
本実施の形態の湿式摩擦材では、ウェーブ部12aの形状の山部T及び谷部Bが平面部Hに対して表裏が同一形状となっており、かつ、ウェーブ部12aの山部T及び谷部Bの中間位置、即ち、山部Tと谷部Bの接続位置で点対称形となっている。しかし、本発明を実施する場合には、山部Tと谷部Bとを非対称とすることもできる。山部T及び谷部Bのウェーブ部12aを所定のピッチで均等に形成されれば、山部Tと谷部Bとの山部Tと谷部Bの接続位置で点対称であることに限定されるものではない。また、山部Tから谷部Bの形状または谷部Bから山部Tへの形状は、山部Tの高さまたは谷部Bの深さを所定の値を有すれば、平面部Hがなくウェーブ部12aのみの連続ウェーブとしたときの形状に限定するものではない。本実施の形態では、山部Tと谷部Bが山部Tと谷部Bの接続位置で点対称である形状を選択したが、谷部Bを無くし山部Tのみとすることもできる。
本実施の形態は、山部T及び谷部Bからなるウェーブ部12aを所定のピッチで均等に形成してなる環状の湿式摩擦材1において、ウェーブ部12a相互間に平面部Hを形成し、ウェーブ部12aと、これに続く平面部Hを1ウェーブ単位としている。そして、1ウェーブ単位内でのウェーブ部12aと平面部Hの割合を3:1〜1:4としたものである。このように、1ウェーブ単位内でのウェーブ部12aと平面部Hの割合を規定することによって、湿式摩擦材1に連続ウェーブを設けたときに比べてウェーブ荷重を低減することができる。また、1ウェーブ単位の山部Tと谷部B及び平面部Hによって、1ウェーブ単位の状態を任意に設定できるから、ウェーブ荷重と引き摺りトルクを所望範囲内に制御することができる。
本発明の実施の形態によれば、環状の湿式摩擦材において、内外周に亘って形成されて円周方向に延びる山部T及び谷部Bからなるウェーブ部12aと平面部Hを1ウェーブ単位としたとき、その1ウェーブ単位中のウェーブ部12aと平面部Hの割合を3:1〜1:4とし、しかも、1ウェーブ部単位は、山部T及び谷部Bからなるウェーブ部12aのみを摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したときのウェーブ部12aの数から、少なくとも1周期分を廃止して平面部とし、少なくとも1周期分を廃止したウェーブ部12aと新たに設けた平面部Hを環状の湿式摩擦材の円周方向に均一に配置したものである。このとき、山高さは摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したときと同じであることから湿式摩擦材として、引き摺りトルクはウェーブ部12aの配置によって確実に低減し、ウェーブ荷重は連続して複数周期的に形成したときより確実に低減する。
ウェーブ部12aの山部T及び谷部Bの形状に関しては、表裏がその両者間の正負同一の平面部Hに対する対象形状としたものであり、表裏を問うものでないから、表裏間によってウェーブ荷重や引き摺りトルクに差が生じることがない。
また本実施の形態の湿式摩擦材1は、全周方向に対するウェーブ部12aの面積割合が30〜70%の範囲内であれば200(N)以下の低ウェーブ荷重と、3.4(N)以下の低引き摺りトルクを持った湿式摩擦材1が得られる。
以上本発明の実施の形態では、1枚のコアプレート10の表裏に2枚の湿式摩擦基材12を接合した事例で説明したが、1枚のコアプレート10の表面または裏面に1枚の湿式摩擦基材12を接合した湿式摩擦材1であってもよい。湿式摩擦基材12の接合には接着による接合や、その他機械的保持による接合が使用できる。
自動車等の自動変速機やオートバイ等の自動変速機に用いられ、複数または単数の摩擦板を設けた摩擦材係合装置として使用されるものである。
1 湿式摩擦材
2 カウンタプレート
10 コアプレート
12 湿式摩擦基材
12a ウェーブ部
T 山部
B 谷部
H 平面部

Claims (3)

  1. 環状の湿式摩擦材において、内外周に亘って形成されて円周方向に延びる山部及び谷部からなり当該山部及び谷部が存在比1:1、かつ、前記山部と前記谷部は接続する位置で点対称となり連続形成されるウェーブ部と当該ウェーブ部相互間に形成された平面部を1ウェーブ単位とし、前記1ウェーブ単位中の前記ウェーブ部と前記平面部の割合を3:1〜1:4として、前記1ウェーブ単位を前記環状の湿式摩擦材の円周方向に複数形成されたことを特徴とする湿式摩擦材。
  2. 前記1ウェーブ部単位の前記ウェーブ部と前記平面部は、環状の湿式摩擦材の内外周に亘って形成されて円周方向に延びる山部及び谷部からなるウェーブ部のみを前記環状の湿式摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したと仮定したときのウェーブ部数から、少なくとも1周期分を廃止して前記環状の湿式摩擦材の円周方向に均一に配置され、前記均一に配置されたウェーブ部間に平面部が設けられたものであり、かつ、前記環状の湿式摩擦材の全周に連続して複数周期的に形成したと仮定したときのウェーブ部と同一の山高さとしたことを特徴とする請求項1に記載の湿式摩擦材。
  3. 前記環状の湿式摩擦材の全周方向に対するウェーブ部の割合が30〜70%としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の湿式摩擦材。
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