JPH09163568A - 懸垂クランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ 電線をＥを支持する懸垂クランプに関し、高
所に於ける電線装着を片手で作業可能とし、かつ電線被
覆が傷つく恐れを無くする。 ［解決手段］ 円筒部の両端に偏心大径鍔を備え偏心側
に切れ目を入れ外開き弾性を附与した樹脂製品を保護カ
バ１として用意する。切れ目を上にした保護カバ１の円
筒部を抱持可能に両側へ本体２と抑え金具４を対向さ
せ、下端をピン３で枢着する。押え金具４は適当に開い
た状態で尾部４ａが本体に当接する。上方から電線を挿
入し、本体２と押え金具４とを貫通ボルト５で締付け
る。貫通ボルト５は頭部を矩形とし、本体のボルト孔も
それの挿入を許す矩形としておく。以上により全工程が
片手作業となる。電線は保護カバ底部で支持され、上端
縁の突合わせで傷つく恐れはない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電線を支持する懸垂クラ
ンプに関するもので、着脱が容易でかつ電線装着の際電
線に損傷を与えることを無くしたものである。

【０００２】

【従来の技術】懸垂クランプについては次に述べる構造
が実公平３−４１１９により公知である。電線保護のた
め上下１対の軟質樹脂製カラで電線を抱持し、これを本
体のフック部で支え、本体へ枢着した押え金具で締付け
可能に貫通ボルトを附設したものである。この場合本体
フックへ、「下カラ」、「電線」、「上カラ」と３段に
積上げ、垂れ下がった押え金具を持上げ、貫通ボルトを
挿通する工程の殆どが両手の同時操作を必要とし、梯子
上の作業として適当でなかった。また上下１対のカラは
これを締込むとき、両端縁で電線被覆を齧る恐れがあっ
た。

【０００３】

【課題解決の手段】両端に偏心大径鍔を有する円筒体の
偏心側に切れ目を入れ、外開き弾性を附与した樹脂材
（以下「保護カバ」と呼ぶ）を用意する。この保護カバ
は切れ目を上にして本体と押え金具の間へ装着する。押
え金具は下端で本体に枢着され、上部に電線挿入可能な
隙間をもたせ、下方への回り止めをする。上から電線を
入れ、本体と押え金具とを貫通ボルトで締める。電線は
閉塞空間の下部で支持されるので、上部端縁で損傷を受
ける恐れはない。貫通ボルトは頭部を矩形とし、本体の
ボルト孔も容易にこれの通過を許す矩形としておく。貫
通ボルトを挿入後回動させると本体矩形孔辺で係止され
る。ナット締込の際ボルトの共回りを防ぐため、矩形頭
部に隣接して正方形部を設けておく。貫通ボルトはナッ
トと共に押え金具へ一体に組込まれそのまま作業できる
ので、部品を落とす恐れなしにすべて片手で操作でき
る。また貫通ボルトの頭部は球面であるから、電線は本
体と押さ金具との間に挿入する際、ボルト頭部で損傷す
ることはない。

【０００４】

【実施例】本発明は、例えば図７に示す如く、柱Ｐに装
着したブラケットＢから碍子を介して懸垂され、電線Ｅ
を支持するもので、保護カバ、と本体と、押え金具と、
貫通ボルトの４部分から成る。保護カバ１は図４，５の
如く、円筒部１ａの両端に偏心して大径鍔１ｂを設け、
偏心側で切れ目を入れたもので、鍔の内面には左右に突
起１ｃが設けてある。軟質樹脂を用い外開き弾性を附与
して作ってあるので、単体のときは図５と異なり切れ目
が所定角度開いたものとなっている。本体２は図１の如
く上端が引止部、中央部は保護カバの円筒部に対応する
半円部となり、下端にピン３を軸支する。中央部は保護
カバの両鍔で把持可能な幅とし、保護カバの突起１ｃに
対応する孔を備える。両者が係合したとき保護カバは切
れ目を垂直にして位置決め係止される。押え金具４は下
端がピン３で本体へ枢着されるが、下端尾部４ａが本体
背面と当接して回動範囲を限定され、垂れ下がることは
ない。中央部は本体と対向して円筒部を抱持し、鍔１ｂ
で挾持され、突起１ｃと孔との係合で位置決め係止され
る。また上端部は本体と当接させ貫通ボルト５を挿通可
能である。貫通ボルト５は図６の如く球面矩形の頭部５
ａ、正方形部５ｂ、ねじ部５ｃから成り、本体のボルト
孔も頭部に対応して矩形である。図１は押え金具を左方
へ動かし、貫通ボルトの頭部が本体の矩形孔２ａをくぐ
らせ、正方形部まで露出させてから、頭部を９０度回し
て右方へ戻し、頭部を本体に係止したところを示す。こ
のとき正方形部５ｂは本体の矩形孔２ａと係合するの
で、ナット６を締めこむとき、ボルトはつれ回りするこ
とはない。

【０００５】

【作用】いま懸垂されたこのクランプで、貫通ボルトが
本体から離脱し、押え金具は尾部４ａのストッパ作用で
停止し、クランプは上方を閉口させているとする。これ
へ電線を挿入してから押え金具をもとへ戻し、前記の如
く貫通ボルトを締込む。

【０００６】

【効果】以上に示した電線の装着工程には両手使用を要
するところがない。片手で梯子をつかみ、他方で全作業
をこなすことができる。また保護カバの切れ目は上方に
あるので、下面で支持される電線被覆を傷つける恐れは
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の正面図である。

【図２】同左側面図である。

【図３】同右側面図である。

【図４】保護カバの正面図である。

【図５】同側面図である。

【図６】貫通ボルトの斜視図である。

【図７】懸垂クランプの作用説明図である。

【符号の説明】

１ 保護カバ １ａ 円筒部 １ｂ 鍔 １ｃ 突起 ２ 本体 ２ａ 矩形孔 ３ ピン ４ 押え金具 ４ａ 尾部 ５ 貫通ボルト ６ ナット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 村 登 東京都品川区南品川６丁目５番19号 三和 テッキ株式会社内 (72)発明者 杉 山 昌 之 東京都品川区南品川６丁目５番19号 三和 テッキ株式会社内 (72)発明者 渥 美 宏 子 東京都品川区南品川６丁目５番19号 三和 テッキ株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 保護カバと本体と押え金具と貫通ボルト
   とから構成された懸垂クランプであって、 保護カバは電線を挿入可能な円筒の両端に偏心した大径
   の鍔を設け、偏心側に切れ目を入れ、その対向面が外開
   きとなるよう弾性を附与したもの、 本体は上端を引止用クレビスとし、中央部は上記円筒部
   に対応する半円部を形成しかつその両端は前記鍔を位置
   決め挾持可能とし、下端にピンを軸支したもの、 押え金具は所定角度内回動可能に本体のピンへ下端で軸
   支され、中央部は本体と対向して保護カバを挾持可能と
   し、上部は本体中央部へ当接して貫通ボルトを挿通可能
   としたものとする。
2. 【請求項２】 請求項１の懸垂クランプに於いて、貫通
   ボルトの頭部を矩形とし、これに対応する本体のボルト
   孔も押え金具回動の際ボルト頭部の通過可能な矩形とし
   たもの。