JPH0226177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は架空線の捻れ防止ダンパーや架空線の
線間スペーサ等で用いるボルトレス電線把持具に
関するものである。

（従来技術） クランプ本体とクランプキヤツプとで架空線を
把持し、クランプキヤツプをボルトでクランプ本
体に固定した電線把持具は、使用中に振動等でボ
ルトがゆるみ、クランプキヤツプが開いて架空線
捻れ防止ダンパーがこの電線把持具と共に落下す
るおそれがある。

これを改善するため本出願人は、先に第１図乃
至第３図に示すようなボルトレス電線把持具１を
提案した。このボルトレス電線把持具１は、クラ
ンプ本体２とクランプキヤツプ３とを備え、これ
らはその一端側がヒンジ部４で回動自在に連結さ
れている。ヒンジ部４とは反対側のクランプキヤ
ツプ３の他端側に対応してクランプ本体２にフツ
ク棒５が摺動自在に貫通されている。クランプキ
ヤツプ３の他端側にはこのフツク棒５の先端のフ
ツク部５Ａを通すための長孔６があけられ、この
長孔６に平行にフツク部５Ａを通した後、フツク
棒５を90度回転することによりフツク部５Ａをク
ランプキヤツプ３に引掛けて係止させるようにな
つている。クランプキヤツプ３にはフツク部５Ａ
が90度以上回転しないようにストツパー７が設け
られている。クランプ本体２の背面側に突出した
フツク棒５の基部には、クランプバネ８が嵌合さ
れている。クランプバネ８の一端はクランプ本体
２の背面の溝９の底面に当接されている。フツク
棒５の基部には更にバネ受１０が摺動自在に嵌合
され、このバネ受１０にクランプバネ８の他端が
当接されている。フツク棒５の基端には、偏心カ
ム１１がピン１２で回動自在に支持されている。
この偏心カム１１はピン１２からの距離が大きい
大径部１１Ａと、ピン１２からの距離が小さい小
径部１１Ｂとが外周に位置を180度異にして設け
られている。また、この偏心カム１１の一部には
これを回転操作するための孔よりなる操作部１１
Ｃが設けられている。クランプ本体２の他端に
は、線間スペーサ本体１３がボルト１４、ナツト
１５、防音バネ１６で接続されるか、或は捻れ防
止用重りが取付けられる。

このようなボルトレス電線把持具１による架空
線１７の把持は、次のようにして行う。偏心カム
１１の小径部１１Ｂがバネ受１０に当接する側に
向けてクランプバネ８を弱圧縮状態又は非圧縮状
態にしてフツク棒５を90度回転し、フツク部５Ａ
が長孔６に平行する状態にして該フツク部５Ａを
クランプキヤツプ３から外してクランプキヤツプ
３をフリーの状態にする。かかる状態でクランプ
キヤツプ３をヒンジ部４を中心にして回転させ、
クランプキヤツプ３とクランプ本体２間を開いて
両者の間に架空線１７を通し、再びクランプキヤ
ツプ３を閉じ、フツク棒５を90度回転してフツク
部５Ａをクランプキヤツプ３に係止させる。次い
で、この偏心カム１１の操作部１１Ｃに図示しな
いが操作棒を通し、この操作棒を回すことにより
偏心カム１１を回転してその大径部１１Ａがバネ
受１０に当接する状態にし、偏心カム１１の径の
増大により圧縮作用でクランプバネ８を強圧縮状
態にする。従つて、クランプキヤツプ３はフツク
棒５のフツク部５Ａを介してクランプバネ８で強
力にクランプ本体２側に押し付けられるので、使
用中にクランプ状態が外れるのを確実に防止する
ことができる。

しかしながら、このような構造のボルトレス電
線把持具１では、偏心カム１１を回転してクラン
プバネ８を圧縮状態にしたか否かを地上で容易に
確認できない欠点があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、クランプバネを圧縮状態にし
たか否かを地上で容易に確認できるボルトレス電
線把持具を提供するにある。

（考案の構成） 本考案は、クランプ本体とクランプキヤツプと
がその一端側でヒンジ部で回動自在に連結され、
前記クランプキヤツプの他端側で前記クランプ本
体にフツク棒が摺動自在に貫通され、前記フツク
棒の先端側のフツク部が前記クランプキヤツプの
他端側を開かない方向に押えるように前記フツク
棒がクランプバネで付勢され、前記フツク棒の基
部側には前記クランプバネを強圧縮状態と弱圧縮
状態又は非圧縮状態とに切換える偏心カムが枢支
されているボルトレス電線把持具において、前記
クランプバネが強圧縮状態となるように前記偏心
カムを回転した際に切断されるクランプ確認部材
が前記偏心カムの回転で切断される箇所に取付け
られていることを特徴とするものである。

この切断されたクランプ確認片を地上に持ち帰
ることによりクランプバネを圧縮状態にしたか否
かを地上で容易に確認することができる。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。第４図乃至第７図を参照して詳細に説説
明する。本実施例のボルトレス電線把持具１はバ
ネ受１０と偏心カム１１との間のフツク棒５の外
周、即ち偏心カム１１の回転で切断される箇所
に、バネ受１０と同じ円板状をした第７図Ａ，Ｂ
に示す如きクランプ確認部材１８を嵌めて取付け
たものある。このクランプ確認部材１８として
は、張力や圧力で破断される金属、プラスチツ
ク、木材等が用いられる。この他の構造は第１図
乃至第３図と同様になつている。

このようなボルトレス電線把持具１は、第４図
に示すような操作棒１９を偏心カム１１の操作部
１１Ｃに差込んで矢印イ方向に偏心カム１１を回
転させ、その大径部１１Ａがクランプバネ８の圧
力に抗してクランプ確認部材１８を圧縮する状態
にするとき、偏心カム１１の加圧回転力でクラン
プ確認部材１８が第５図ロ方向又はハ方向に切断
される。これを空中でクランプ作業をしている者
が地上に持ち帰り、その数を数えることによりク
ランプバネ８を圧縮状態にしたか否かの確認を地
上で容易に行うことができる。

クランプ確認部材１８としては、第７図Ａ，Ｂ
に示す構造のほかに、第８図Ａ，Ｂに示すように
孔１８Ａをあけるか、或は第９図Ａ，Ｂに示すよ
うに段部１８Ｂを設けて切断され易い構造にして
もよい。

また、クランプ確認部材１８としては、第１０
図に示すようにリベツト状のものを用いて、これ
を図示のように偏心カム１１に孔をあけて取付け
ておくと、この場所も偏心カム１１の回転で切断
される箇所なので、を圧縮するように偏心カム１
１を回転した際に、このクランプ確認部材１８が
フツク棒５に押しつけられて第１１図に示すよう
に切断される。この切断されたクランプ確認部材
１８が地上に持ち帰る。

なお、フツク棒５のフツク部５ＡはＴ字状に限
らず、Ｌ字状等でもよいことは勿論である。

また、クランプ確認部材１８を切断したとき地
上に落ちないように予めひも等でクランプ本体等
に取付けておき、クランプ確認部材１８が切断さ
れたらそのひも等を切断してクランプ確認部材１
８を地上に持ち帰るようにすることもできる。

以上説明したように本考案に係るボルトレス電
線把持具は、偏心カムをクランプバネの圧縮方向
に回転した際に切断される箇所にクランプ本確認
部材を設けているので、該偏心カムの回転で切断
されたクランプ確認部材を地上に持ち帰ることに
より、クランプバネを圧縮状態にしたか否かの確
認を地上で容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のボルトレス電線把持具の一例を
示す側面図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線断面図、
第３図は第１図の右側面図、第４図及び第５図は
本考案に係るボルトレス電線把持具の非圧縮状態
及び圧縮状態を示すフツク棒付近の各横断面図、
第６図Ａは第４図の偏心カム部分の平面図、第６
図Ｂは第６図Ａの左側面図、第７図Ａ，Ｂはクラ
ンプ確認部材の一例の正面図及び側面図、第８図
Ａ及び第９図Ａはクランプ確認部材の他の２種の
例の正面図、第８図Ｂ及び第９図Ｂは第８図Ａ、
第９図Ａに示すクランプ確認部材の側面図、第１
０図はリベツト状クランプ確認部材を偏心カムに
取付けた状態の側面図、第１１図はリベツト状ク
ランプ確認部材の切断状態の正面図である。 １……ボルトレス電線把持具、２……クランプ
本体、３……クランプキヤツプ、４……ヒンジ
部、５……フツク棒、５Ａ……フツク部、６……
長孔、８……クランプバネ、１０……バネ受、１
１……偏心カム、１１Ａ……大径部、１１Ｂ……
小径部、１２……ピン、１８……クランプ確認部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランプ本体とクランプキヤツプとがその一端
   側でヒンジ部で回動自在に連結され、前記クラン
   プキヤツプの他端側で前記クランプ本体にフツク
   棒が摺動自在に貫通され、前記フツク棒の先端側
   のフツク部が前記クランプキヤツプの他端側を開
   かない方向に押えるように前記フツク棒がクラン
   プバネで付勢され、前記フツク棒の基部側には前
   記クランプバネを強圧縮状態と弱圧縮状態又は非
   圧縮状態とに切換える偏心カムが枢支されている
   ボルトレス電線把持具において、前記クランプバ
   ネが強圧縮状態となるように前記偏心カムを回転
   した際に切断されるクランプ確認部材が前記偏心
   カムの回転で切断される箇所に取付けられている
   ことを特徴とするボルトレス電線把持具。