JPS6320422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術はドライブピニオンナツト等のワーク
のかしめ部に均一な打撃力を印加させて所定のか
しめを行う治具の構造技術の分野に属する。

而して、この考案は車輛組付ライン上等の製造
品所定部位に締め付けられた上記ドライブピニオ
ンナツト等のワークのかしめ部にノツカーを介し
て打撃力を印加して該ワークにかしめを成形さ
せ、該ワークが所定部位から緩まないようにする
ワークかしめ治具に関する考案であり、特に、治
具本体の方形等のフレームに設けられた中空スラ
イド部の一端に形成されたワーク挿入当接部に対
向して設けられているノツカーを摺動可能に保持
するガイドプレートの中空部が該フレームの他端
に固設されたシリンダのピストンロツドの先端部
を弾機と共に遊挿させ、該シリンダの作動時に該
ワークを該ガイドプレートでクランプしてノツカ
ーを介してワークのかしめ部に所定圧の打撃力を
常に印加し得るようにしたワークかしめ治具に係
る考案である。

〈従来技術〉 周知の如く、例えば、第１，３ａ，３ｂ図に示
す如く、所定部位１に締結されたワークとしての
ドライブピニオンナツト２（第１図に於いてドラ
イブピニオンナツト２は図示の都合上、誇大して
描かれている）が緩まないようにドライブピニオ
ンナツト２上部のかしめ部３をたがね４と手ハン
マー５を介して叩き潰す所謂かしめ作業が頻繁に
行われている。

而して、該たがね４を使用するかしめ作業や第
２図に示す様に（ドライブピニオンナツト２は図
示の都合上、誇大して描かれている）、エアハン
マー６を使用するかしめ作業では該種治具による
かしめ部に対する打撃力が作業者の作業性に委ね
られているため、該かしめ部に常に均一な打撃力
が印加されるとは限らず、該かしめ部に割れが発
生したり、該かしめ部の締付け強度が不足したり
して上記ドライブピニオンナツト２が緩み易い欠
点があつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 又、該種かしめ作業用の治具はドライブピニオ
ンナツト２を保持しながら、打撃力を印加出来な
いため、打撃力の印加時に該ドライブピニオンナ
ツト２が回動して該ドライブピニオンナツト２の
締結力を弱め易いという難点があつた。

更に、エアハンマー６を使用するかしめ作業で
は振動と騒音が発生するため、作業環境が悪化す
る不具合があつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づくかしめ
作業用治具の問題点を解決すべき技術的課題と
し、これに対処するに、ドライブピニオンナツト
等のワークのかしめ部に対する打撃力の印加をシ
リンダ駆動とし、該シリンダのピストンロツド先
端を弾機と共に中空部で遊挿させているガイドプ
レートで該ワークをクランプしながら、ノツカー
を介してかしめ処理し、機械製造産業における締
結技術利用分野に益する優れたワークかしめ治具
を提供せんとするものである。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述問題点を解決す
るために、治具本体の方形等のフレームに挿入さ
れるワークのクランプ当接部を一端に有する中空
スライド部を形成し、該クランプ当接部に対向す
る部位にノツカーを摺動可能に保持するガイドプ
レートがその中空部に弾機と共に該フレームの他
端に固設したシリンダのピストンロツド先端を遊
挿させ、該ガイドプレートが該中空スライド部に
対してスライド自在にした技術的手段を講じたも
のであり、而して、所定部位に締め付けられたワ
ークに対して治具本体フレームを移動させた後、
該フレームのクランプ当接部を該ワークに挿入し
て当接させ、シリンダ作動を介してガイドプレー
トを中空スライド部に対してスライドさせて該ワ
ークをクランプしながら、ノツカーを介してシリ
ンダの打撃によりかしめ作業をするようにした技
術的手段を講じたものである。

〈実施例〉 次に、この考案の１実施例を図面に基づいて説
明すれば以下の通りである。尚、第３ａ，３ｂ図
と同一態様部分は同一符号を用いて説明するもの
とする。

第４図以下に示す実施例において、７はこの考
案の要旨の中心を成すワークかしめ治具であり、
一端が半円形のフレーム８の長手方向の該半円形
寄り両端部には取手９，９が固設され、該フレー
ム８の中央部分には該半円形側一端中央に半円弧
形状のワーク挿入当接部１０を有した中空スライ
ド部１１が形成され、該ワーク挿入当接部１０に
対向する該フレーム８の他端には図示しない油圧
駆動装置に接続されている油圧シリンダ１２がピ
ストンロツド１３を該中空スライド部１１に延出
させて固設され、更に、該ピストンロツド１３の
Ｔ字型先端部１４が開口中空部１５を有してお
り、該開口中空部１５にノツカー１６の基部１７
が弾機としてのバネ１８を介装させてスライド自
在に遊挿係止されている。

而して、一端開口の中空部１９をピストンロツ
ド１３のＴ字型先端部１４にスライド自在に遊挿
係止させ、他端をワーク挿入当接部１０の半円弧
形状と同径の半円弧部２０に凹状形成させてノツ
カー１６の先端を該半円弧部２０のストツパー２
１から突出するようにさせているガイドプレート
２２がピストンロツド１３のＴ字型先端部１４と
該ガイドプレート２２の上記開口中空部１９間に
弾機としてのウレタン材２３を介装させて中空ス
ライド部１１に摺動自在にされると共にノツカー
１６をガイド規制するようにしている。

尚、ワークかしめ治具７は組付コンベヤ上等で
使用出来、該組付コンベヤ上の図示しない所定位
置から吊架されるようにされている。

上述構成において、所定部材１に締結されたド
ライブピニオンナツト２を該所定部材１から緩ま
ないようにするために、ワークかしめ治具７を用
いてかしめ作業するに際し、該ワークかしめ治具
７の取手９を介して該ドライブピニオンナツト２
上まで該ワークかしめ治具７を移動させ、治具本
体フレーム８のワーク挿入当接部１０を該ドライ
ブピニオンナツト２上部に挿入して当接させる。

次に、油圧シリンダ１２の図示しない起動ボタ
ンをONにすると、該油圧シリンダ１２のピスト
ンロツド１３の伸延によりガイドプレート２２と
ノツカー１６が共にドライブピニオンナツト２側
に前進して第６図に示す様に、該ガイドプレート
２２の半円弧部２０が該ドライブピニオンナツト
２の上部に当接してクランプした状態になり、こ
の時、ノツカー１６は該ドライブピニオンナツト
２上部のかしめ作業をするかしめ部３に当接され
ている。

上述の如く、該ドライブピニオンナツト２上部
がガイドプレート２２で確実にクランプされた状
態で、第７図に示す様に、ノツカー１６がウレタ
ン材２３の弾性力に抗して該ガイドプレート２２
のストツパー２１まで更に前進してかしめ部３に
所定の打撃力を印加させる。

このようにして、該ノツカー１６の先端が該ス
トツパー２１まで前進し終ると、次に、ノツカー
１６が後退し始め、該ノツカー１６が所定ストロ
ーク後退すると、ガイドプレート２２も共に後進
して元の状態に戻ることによつて所定かしめ作業
を終了し、上述のプロセスを反復することによつ
て順次各所定部材１，１…に締結された各ドライ
ブピニオンナツト２，２…に所定の打撃力を常に
印加させて割れ等の生じないかしめ作業を反復す
ることが可能である。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、ノツカーと
ガイドプレートを一体形成させて中空スライド部
を摺動可能にさせるようにする等種々の態様が採
用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、ワークかしめ治具に
おいて、治具本体フレームに形成された中空スラ
イド部の一端のワーク挿入当接部に対向してノツ
カーを摺動可能に保持するガイドプレートが該中
空スライド部に摺動可能に付設され、該フレーム
に固設したシリンダのピストンロツドの先端部が
該ガイドプレート中空部に弾機を介して遊挿され
ていることにより、かしめ作業するワークを上記
ワーク挿入当接部を介して確実に該ガイドプレー
トでクランプさせながら、シリンダ駆動のノツカ
ーを介して常に均一な打撃力を該ワークのかしめ
部に確実に印加させることが出来る優れた効果が
奏される。

又、ガイドプレート中空部がピストンロツド先
端部を弾機と共に遊挿させているため、ノツカー
の打撃力印加時に該弾機の弾性力によりワークの
かしめ部にクツシヨン式に当接して確実に該ガイ
ドプレートでクランプした後、該ノツカーを介し
て所定の打撃力を常に印加出来る効果がある。

更に、均一な打撃力を印加させるかしめ作業が
行えることにより、ワークのかしめ部の形状が均
一になり、該かしめ部に割れ等の発生が皆無にな
り、均一な緩み止め効果を得ることが出来るメリ
ツトがある。

加えて、ワークを挿入してクランプさせた後は
該ワークに対するかしめ部のかしめ作業が終了す
るまで治具本体を保持しなくとも良いため、該治
具の操作がし易い利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は従来技術のかしめ作業の斜視図、
第３ａ，３ｂ図はドライブピニオンナツトの平面
図説明図と側断面図である。第４図以下はこの考
案の１実施例を示すものであり、第４図はワーク
かしめ治具平面図、第５図は同第４図の一部断面
図、第６，７図はワークかしめ治具を用いたかし
め作業の部分断面平面図である。 ２……ワーク、４，６，７……ワークかしめ治
具、１１……中空スライド部、８……フレーム、
１０……ワーク挿入当接部、１６……ノツカー、
２２……ガイドプレート、１２……シリンダ、１
４……ピストンロツド先端部、１９……ガイドプ
レートの中空部、２３……弾機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークのかしめ部に対する打撃力印加を行うワ
   ークかしめ治具において、中空スライド部を内側
   に有するフレームの一端に形成されたワーク挿入
   当接部に対向するノツカーを摺動自在に内側に保
   持するガイドプレートが該中空スライド部に摺動
   自在に付設され、而して該フレームの他端に固設
   したノツカー打撃用のシリンダのピストンロツド
   先端部が該ガイドプレートの中空部に弾機を介し
   て遊挿されていることを特徴とするワークかしめ
   治具。