JPH09161804A - 非水電解液を用いた二次電池の電極用バインダー - Google Patents

非水電解液を用いた二次電池の電極用バインダー

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JPH09161804A
JPH09161804A JP7320571A JP32057195A JPH09161804A JP H09161804 A JPH09161804 A JP H09161804A JP 7320571 A JP7320571 A JP 7320571A JP 32057195 A JP32057195 A JP 32057195A JP H09161804 A JPH09161804 A JP H09161804A
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mol
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哲男 清水
Takayuki Nakamura
隆之 中村
Tadashi Ino
忠 伊野
Kenji Ichikawa
賢治 市川
Takayuki Araki
孝之 荒木
Yoshito Tanaka
義人 田中
Yoshihide Tohata
好秀 東畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水電解液を用いた二次電池の電極用バイン
ダーとして使用されているフッ素樹脂の利点を損わず、
電極集電体との密着性、電極活物質の保持力を向上させ
ることが可能な含フッ素エチレン性重合体からなる非水
電解液を用いた二次電池の電極用バインダーを提供す
る。 【解決手段】 ヒドロキシル基、カルボキシル基もしく
はカルボン酸塩もしくはカルボキシエステル基またはエ
ポキシ基のいずれかを有する官能基を有する含フッ素エ
チレン性単量体の少なくとも1種を、含フッ素エチレン
性単量体の全量に対して0.05〜30モル%共重合し
てえられる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体か
らなる非水電解液を用いた二次電池の電極用バインダ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液を用い
た二次電池の電極用バインダーに関する。さらに詳しく
は、本発明は電極合剤に含有される改良されたバインダ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラやラジオカセットな
どのポータブル機器の普及に伴い、使い捨てである一次
電池に代わって、繰り返し使用できる二次電池に対する
需要が高まっている。
【0003】現在使用されている二次電池のほとんど
は、アルカリ電解液を用いたニッケルカドミウム電池で
ある。しかし、この電池は、電圧が低く、エネルギー密
度を向上させることが困難である。また、自己放電率が
高いという欠点もある。
【0004】そこで、負極にリチウムなどの軽金属を使
用する非水電解液を用いた二次電池の検討がなされてい
る。この非水電解液を用いた二次電池は、高エネルギー
密度を有し、自己放電も少なく、軽量という長所も有し
ている。しかし、このリチウムなどを負極に用いる非水
電解液を用いた二次電池は、充放電を繰り返すと、負極
から金属リチウムなどがデンドライト状に結晶成長して
正極に接触し、この結果、内部短絡が生じるという可能
性があり、実用化が困難である。
【0005】このため、リチウムなどを他の金属と合金
化し、この合金を負極に使用するようにした非水電解液
を用いた二次電池も提案されている。しかし、この電池
では、充放電を繰り返すと、この負極を構成する合金が
微粒子化するという問題を有しており、やはり実用化は
困難である。
【0006】そこで、さらに、コークスなどの炭素質材
料を負極活物質として使用する非水電解液を用いた二次
電池が提案されている。なお、前記炭素質材料は、正確
な意味では活物質ではないが、本明細書においては、簡
単に表現するために負極活物質という。この非水電解液
を用いた二次電池は、リチウムイオンの炭素層間へのド
ープ/脱ドープを負極反応に利用するものであり、金属
リチウム、リチウム合金を負極活物質として使用するば
あいのような金属リチウムの析出、合金の微粒子化が生
じない。したがって、良好なサイクル特性がえられる。
そして、正極活性物質として、たとえばLixMO
2(Mは1種類または1種類より多い遷移金属を表わ
し、0.05<x<1.10である)で表わされるリチ
ウム遷移金属複合酸化物を用いると、電池容量が向上し
て、エネルギー密度の高い非水電解液を用いた二次電池
をうることができる。
【0007】ところで、前記のような非水電解液を用い
た二次電池において、たとえば炭素質材料を負極活物質
として負極を構成するばあい、炭素質材料を粉末化し、
粉末状の炭素質材料をバインダーとともに溶剤に分散さ
せて負極合剤塗料を調製し、これを負極集電体に塗布す
る。これにより、負極活物質がバインダーによって負極
集電体表面に保持されたかたちの負極が形成される。同
様に、たとえばリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物
質として正極を構成するばあいにも、これを粉末化し、
粉末状のリチウム遷移金属複合酸化物を導電剤、バイン
ダーとともに溶剤に分散させて正極合剤塗料を調製し、
これを正極集電体に塗布する。これにより、正極活性物
質がバインダーによって正極集電体表面に保持されたか
たちの正極が形成される。
【0008】従来、このように活物質を集電体に保持す
る電極用バインダーとしては、耐有機溶媒性に優れるこ
とからポリフッ化ビニリデンが用いられている。ポリフ
ッ化ビニリデン樹脂は、特定の溶剤のみに可溶で、溶液
として取り扱うことが可能であるとともに、固化すれば
電界液などに対する耐薬品性に優れ、電池用バインダー
として有望である。しかし、ポリフッ化ビニリデン樹脂
をバインダーとして使用したばあい、基材(集電体)ま
たは充填剤(活物質、導電剤)との接着力が小さいた
め、電池製造時および電池使用中に集電体と電極合剤の
剥離が生じ電池の内部抵抗が増大する。活物質同士また
は活物質と導電剤との接触が断たれ、活物質が電気的に
孤立して活物質の利用率が低下したり、電池の内部抵抗
が増大するという問題があった。
【0009】そこでこれらの問題を解決する方法として
たとえば、特開平6−93025号公報には、ポリフッ
化ビニリデン樹脂と反応性基および加水分解性基を有す
るシラン系カップリング剤またはチタネート系カップリ
ング剤とをポリフッ化ビニリデン系樹脂と溶解または膨
潤させる溶剤の存在下で、混合して変性ポリフッ化ビニ
リデン系樹脂組成物を形成し電極集電体に対する密着性
(接着性)、電極活物質の保持性を向上させることが記
載されている。
【0010】この方法は、γ−アミノプロピルエトキシ
シランなどの分子両末端または側鎖にそれぞれポリフッ
化ビニリデン系樹脂と反応して共有結合を生成するアミ
ノ基と加水分解で縮合重合するシラン基を有する物質を
予めポリフッ化ビニリデン系樹脂と有機溶剤中で混合し
スラリーとする。まずアミノ基がポリフッ化系樹脂と反
応し、脱フッ化水素してポリマー主鎖にこの化合物が結
合する。これを濾過し真空乾燥して固形樹脂組成物をう
る。これを有機溶剤、たとえば一般に、非水電解液を用
いた二次電池の電極を製造するときに合剤のスラリー溶
剤として使用されているN−メチル−2−ピロリドンに
溶解し、さらにポリフッ化ビニリデンも溶解させる。所
定時間室温で放置させたのち、電極活物質を添加し電極
形成組成物とする。これを集電体に均一に塗布し、乾燥
して電極とする。確かにポリフッ化ビニリデン単独重合
体に比べて、箔との密着性、合剤間の接着性は向上する
が、前記電極作製工程においてこの組成は製造時はもち
ろん、保管時も水分が極力混入しないように留意する必
要があり、これは困難がつきまとう。また、ポリフッ化
ビニリデンとアミノ基が反応すると前記のようにフッ化
水素が発生するので周辺機器を腐食させないよう配慮す
ることもメンテナンス、環境の面の問題点の解決が必要
である。また、シラン基、アミノ基の電池反応に対する
悪影響の危険性もある。
【0011】別の方法としては、特開平6−17245
2号公報において、比較的少量の不飽和二塩基酸のモノ
エステルまたはビニレンカーボネートとをフッ化ビニリ
デンを主成分とする単量体と共重合しそれらをポリフッ
化ビニリデン系樹脂組成物とし、電極箔との密着性、合
剤間の接着性を向上させることが記載されている。カル
ボキシル基またはカーボネート基を導入したポリフッ化
ビニリデン樹脂は、金属などの基材との接着性が著しく
改善され、かつポリフッ化ビニリデン系重合体の持つ優
れた耐薬品性を良好に保持すると記されている。しかし
ながら、一般的にフッ化ビニリデンは、この公報に記載
されているような炭化水素系の極性基を持つ単量体、た
とえばアクリル酸、クロトン酸などの一塩基酸、マレイ
ン酸、シトラコン酸などの二塩基酸とは通常の重合条件
では共重合せず、せいぜい各々の単量体ポリマーを生成
するに過ぎない。この公報に記載の不飽和二塩基酸モノ
エステルまたは、ビニレンカーボネートについてもフッ
化ビニリデンとの共重合性はよくなく、それがフッ化ビ
ニリデンの重合反応性を低下させ、重合時間の増加など
の非効率化を招く。さらに、未反応モノマーの残存、ホ
モポリマーの生成を防ぐことができない。これらは、電
解液に溶解してしまい、電池の性能に悪影響を及ぼす危
険性がある。
【0012】特開平7−201316号公報にも、フッ
化ビニリデンと極性基を含有する炭化水素系のモノマー
(ブテニック酸、アクリルアミド系、ビニルスルホン
酸、アリルアミンなど)との共重合体で電極集電体との
密着力、電極活物質の保持力を向上させることが記載さ
れているが、これらのモノマーについてもフッ化ビニリ
デンとの共重合性は非常に低く共重合後に未反応モノマ
ーの残存、ホモポリマーの生成が起こりうる。重合速度
の低下も明らかにおこり、生産性の低下も予想される。
【0013】特開平7−201315号公報には水酸基
を有するモノマー(アリル型、アクリル型、ビニルエー
テル型)とフッ化ビニリデンとを共重合させ、さらにイ
ソシアネート基を有するポリマーで熱架橋することで、
密着性、接着性が向上し電極集電体から電極活物質がは
がれにくくなることが記載されている。同様に極性基を
有するモノマーとフッ化ビニリデンとの共重合性の低さ
が及ぼす影響が問題である。
【0014】特開平6−243896号公報には、架橋
高分子を含むバインダー、または放射線架橋が可能なフ
ッ素系高分子化合物(主にフッ素ゴム)を含む高分子化
合物バインダーについての記載がある。これは、フッ素
系高分子化合物を主として架橋により、電極集電体との
密着性、電極活物質の保持性を控除させるものである架
橋高分子については、特開平6−93025号公報で述
べたと同じように製造上の問題点、放射線架橋について
は生産性、スケールアップの問題が解決されねばならな
い。
【0015】特開平6−52861号公報には、負極に
おいて90wt%以上のポリフッ化ビニリデンと10w
t%以下のポリメタクリレートとの混合物を用いて電極
集電体との密着性、電極活物質の保持性を向上させるこ
とが記載されている。
【0016】これら公報記載の方法はすべて、従来使わ
れていたポリフッ化ビニリデンについて、充放電時の電
極電池活物質同士の決着性、および電極集電体と電池活
物質の密着性を向上させて電池性能(サイクル寿命な
ど)の向上を狙ったものである。これら様々な電極集電
体との密着性、電極活性の保持性向上の方法では、必ら
ず炭化水素系の共重合モノマー、または架橋剤、ポリマ
ーを必要とする。ポリフッ化ビニリデンを当初から電極
バインダーとして用いられている理由は、制限はあるが
含窒素有機溶剤に可溶でさらに耐熱性、耐電解液性に優
れ、比較的少量で結着性能を発揮するからであったが、
炭化水素連鎖がバインダーの部分に使われることによ
り、耐熱性がポリフッ化ビニリデン単独重合体に比べて
低下してしまう。または電解液安定性が損われ、折角、
極性基を導入または架橋させてより強力な3次元ネット
ワークをつくってもその箇所が切断されたりしては意味
がない。
【0017】一方、特開昭63−121262号公報に
は、ポリフッ化ビニリデン樹脂の代わりにフッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチ
レンの3元共重合体を非水電解液を用いた二次電池の電
極用バインダーに使用することが記載されている。ポリ
フッ化ビニリデンは含窒素極性溶媒(たとえばN−メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホ
スホアミドなど)のような特殊な溶媒にしか溶解せず、
製造工程上多くの問題を有していると指摘し、この公報
記載の3元共重合体はメチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル系さらにジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル系溶剤、またはそれらの混合物にも溶
解し、ポリフッ化ビニリデンの持つ製造工程上の問題を
解決しうるとも記載されている。しかしながら、この樹
脂もフッ素系樹脂であり、フッ素樹脂が有する非粘着性
はどうしてもつきまとうので、電極集電体との密着性に
は問題があると考えられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な問題を解決するためになされたものであり、非水電解
液を用いた二次電池の電極用バインダーとして使用され
ているフッ素樹脂の利点を損なわず、電極集電体との密
着性、電極活物質の保持力を向上させることが可能な含
フッ素エチレン性重合体からなる非水電解液を用いた二
次電池の電極用バインダーを提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、含フッ素エチ
レン性単量体を重合してえられる含フッ素エチレン性重
合体からなる電極用バインダーであって、(A−1)ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩も
しくはカルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれ
かを有する官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の
少なくとも1種を含フッ素エチレン性単量体の全量に対
して0.05〜30モル%共重合してえられる官能基を
有する含フッ素エチレン性重合体からなる非水電解液を
用いた二次電池の電極用バインダーに関する。
【0020】また本発明は、前記官能基を有する含フッ
素エチレン性重合体(A−1)が、(a−1)式
(1):
【0021】
【化2】
【0022】(式中、Yは−CH2OH、−COOH、
カルボン酸塩、カルボキシエステル基またはエポキシ
基、XおよびX1は同じかまたは異なりいずれも水素原
子またはフッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含
フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結
合を含有する2価の含フッ素アルキレン基を表わす)で
示される少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチ
レン性単量体0.05〜30モル%と、(b−1)該
(a−1)成分と共重合可能な少なくとも1種の官能基
を有さない含フッ素エチレン性単量体70〜99.95
モル%とを共重合してえられる官能基を有する含フッ素
エチレン性重合体であることが好ましい。
【0023】また本発明は、前記官能基を有する含フッ
素エチレン性単量体(a−1)が式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Rf 1は炭
素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または−O
f 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレ
ン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の
含フッ素アルキレン基)を表わす]で示される含フッ素
エチレン性単量体の少なくとも1種であることが好まし
い。
【0024】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエ
チレンであることが好ましい。
【0025】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、フッ化ビニリデン
であることが好ましい。
【0026】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、フッ化ビニリデン
99〜1モル%とテトラフルオロエチレン1〜99モル
%との単量体混合物であることが好ましい。
【0027】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、フッ化ビニリデン
50〜99モル%とテトラフルオロエチレン0〜30モ
ル%とクロロトリフルオロエチレン1〜20モル%との
単量体混合物であることが好ましい。
【0028】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、フッ化ビニリデン
40〜90モル%とテトラフルオロエチレン0〜80モ
ル%とヘキサフルオロプロピレン1〜80モル%(ただ
し、これらの合計は100モル%である)との単量体混
合物であることが好ましい。
【0029】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、フッ化ビニリデン
50〜99モル%とテトラフルオロエチレン0〜30モ
ル%とクロロトリフルオロエチレン1〜20モル%(た
だし、これらの合計は100モル%である)との単量体
混合物であることが好ましい。
【0030】また本発明は、前記官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b−1)が、テトラフルオロエ
チレンまたはクロロトリフルオロエチレン40〜80モ
ル%とエチレン20〜60モル%とこれらの単量体と共
重合可能な単量体0〜15モル%(ただし、これらの合
計は100モル%である)との単量体混合物であること
が好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の非水電解液を用いた二次
電池の電極用バインダーは、官能基を有する含フッ素エ
チレン性重合体からなることに最大の特徴がある。
【0032】なお、本明細書において非水電解液とは、
たとえば炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル
などのような溶媒に、電解質としてたとえばLiPF6
などを溶解してえられる電解液である。
【0033】本発明の前記バインダーに用いられる官能
基を有する含フッ素エチレン性重合体(A−1)は、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩ま
たはカルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれか
を有する官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少
なくとも1種を、含フッ素エチレン性単量体の全量に対
して0.05〜30モル%共重合してえられる重合体で
ある。
【0034】前記官能基を有する含フッ素エチレン性重
合体は、具体的には(a−1)式(1):
【0035】
【化3】
【0036】[X、X1、Rf、Yは前記式(1)と同
じ]で示される少なくとも1種の官能基を有する含フッ
素エチレン性単量体0.05〜30モル%と(b−1)
該(a−1)成分と共重合可能な官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体70〜99.95モル%とを共重
合してえられる官能基を有する含フッ素エチレン性重合
体である。
【0037】官能基を有する含フッ素エチレン性単量体
(a−1)は具体的には式(3): CF2=CF−Rf 4−Y (3) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 4は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基または−ORf 5(Rf 5
は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または
炭素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素ア
ルキレン基)を表わす]、式(4): CF2=CFCF2−ORf 6−Y (4) [式中、Yは式(1)のYと同じ、−Rf 6は炭素数1〜
39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜3
9のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を
表わす]、式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、−Rf 1
炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基、または
−ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アル
キレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2
価のアルキレン基)を表わす]または式(5): CH2=CH−Rf 7−Y (5) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 7は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基]で示されるものなど
があげられる。
【0038】式(2)および式(3)〜式(5)の官能
基を有する含フッ素エチレン性単量体が、含フッ素エチ
レン性単量体(b−1)との共重性が比較的良好な点
で、また、共重合してえられた重合体の耐熱性を著しく
低下させない理由で好ましい。
【0039】これらのなかでも、他の含フッ素エチレン
性単量体との共重合性や、えられた重合体の耐熱性の面
より式(3)、式(2)の化合物が好ましく、とくに式
(2)の化合物が好ましい。
【0040】式(3)で示される官能基を有する含フッ
素単量体はさらに詳しくは
【0041】
【化4】
【0042】などが例示されるが、これらのうちでもC
2=CFCF2COOH(以下、「化合物C」ともい
う)が好ましい。
【0043】式(4)で示される官能基を有する含フッ
素単量体としては、
【0044】
【化5】
【0045】などが例示される。
【0046】式(2)で示される官能基を有する含フッ
素単量体としては、
【0047】
【化6】
【0048】などが例示されるが、これらのうちでも、
【0049】
【化7】
【0050】(以下、「化合物B」ともいう)、
【0051】
【化8】
【0052】(以下、「化合物A」ともいう)が好まし
い。
【0053】式(5)で示される官能基を有する含フッ
素単量体としては、
【0054】
【化9】
【0055】などが例示される。
【0056】その他
【0057】
【化10】
【0058】などもあげられる。
【0059】官能基を有する含フッ素エチレン性単量体
(a−1)と共重合する官能基を有さない含フッ素エチ
レン性単量体(b−1)は、既知の単量体より適宜選択
することができるが、耐熱性、耐薬品性、低摩擦性を共
重合体に与えるためには、官能基を有さない含フッ素エ
チレン性単量体のうちで炭素数1〜5の官能基を有さな
い含フッ素エチレン性単量体から選ばれるものが好まし
い。
【0060】具体的な官能基を有さない含フッ素エチレ
ン性単量体としては、テトラフルオロエチレン(TF
E)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フッ
化ビニル、ビニリデンフルオライド(VdF)、ヘキサ
フルオロプロピレン(HFP)、ヘキサフルオロイソブ
テン、
【0061】
【化11】
【0062】(式中、XはともにH、Cl、Fから選ば
れる、nはともに1〜5までの整数)、パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)類などがあげられるが、T
FE、VdF、HFP、CTFEが好ましく、VdFが
さらに好ましい。
【0063】また本発明において、フッ素原子を有さな
いエチレン性単量体も用いることができ、たとえばエチ
レン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどがあげられるがエチレンが好ま
しい。
【0064】本発明は、フッ素樹脂が有する非粘着性を
できるだけ減少させ、電極集電体との密着性を向上させ
るために、含フッ素エチレン性重合体の共重合成分とし
て、前記官能基を有する含フッ素エチレン性単量体の少
なくとも1種を含フッ素エチレン性単量体の全量に対し
て0.05〜30モル%用いる。さらに好ましくは0.
1〜6モル%用いる。0.1モル%より少ないと密着性
向上の効果が小さくなる。一方、6モル%よりも多いば
あい、VdFなどに比べて高価な官能基を有するモノマ
ーを多量に使うことになり、経済的に不利である。
【0065】前記官能基としては、たとえば−CH2
H、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル
基、エポキシ基などがあげられるが、前記密着性を向上
させるという点から−CH2OH、−COOHが好まし
い。
【0066】また、官能基を有する含フッ素エチレン性
単量体の共重合割合を前記範囲内の割合とすることによ
り、接着力すなわち密着性が向上し、耐熱性など本来フ
ッ素樹脂が有している特性も充分保持できる。
【0067】また、共重合成分としての官能基を有さな
い含フッ素エチレン性単量体の共重合割合としては、前
記官能基を有する含フッ素エチレン性単量体を前記のよ
うに0.05〜30モル%の範囲内で用いるので、70
〜99.95モル%の範囲内で用いることが好ましい。
【0068】前記官能基を有さない含フッ素エチレン性
単量体同士の組合せとしては、たとえばつぎのようなも
のがあげられる。
【0069】TFE1〜99モル%好ましくは1〜40
モル%とVdF99〜1モル%好ましくは99〜60モ
ル%との単量体混合物が密着性の向上の点から好まし
い。
【0070】また、TFE0〜30モル%とVdF50
〜99モル%とCTFE1〜20モル%との単量体混合
物が密着性の点から好ましいが、このばあいのTFEは
任意成分である。
【0071】また、TFE0〜80モル%とVdF40
〜90モル%とHFP1〜80モル%(ただし、これら
の合計は100モル%である)との単量体混合物が密着
性の点から好ましいが、このばあいのTFEは任意成分
である。
【0072】また、TFE0〜30モル%とVdF50
〜99モル%とCTFE1〜20モル%(ただし、これ
らの合計は100モル%である)との単量体混合物が密
着性の点から好ましいが、このばあいのTFEは任意成
分である。
【0073】さらに、TFEまたはCTFEのいずれか
一方40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とこ
れらと共重合可能な他の単量体0〜15モル%との単量
体混合物が密着性の点から好ましいが、このばあいの該
他の単量体は任意成分であり、たとえばヘキサフルオロ
プロピレン、CH2=CX1(CF2)nX2(nは1〜1
0の整数、X1はHまたはF、X2はHまたはF)、ヘキ
サフルオロイソブテン、パーフルオロビニルエーテル類
などがあげられる。
【0074】これらの組合せのうちでも、より密着性が
向上するという点からTFEとVdFとの組合せ、TF
EとVdFとHFPとの組合せがさらに好ましい。
【0075】また、これらの単量体または単量体混合物
と前記官能基を有する含フッ素エチレン性重合体との組
合せとしては、たとえば (1)前記化合物A、BまたはCとTFEとの組合わ
せ、(2)前記化合物A、BまたはCとVdFとの組合
わせ、(3)前記化合物A、BまたはCとTFE/Vd
Fとの組合わせ、(4)前記化合物A、BまたはCとT
FE/VdF/CTFEとの組合わせ、(5)前記化合
物A、BまたはCとTFE/VdF/HFPとの組合わ
せ、(6)前記化合物A、BまたはCとTFE/VdF
/CTFEとの組合わせ、(7)前記化合物A、Bまた
はCとTFEまたはCTFE/エチレンとの組合わせ、
などがあげられるが、より密着性が向上するという点か
ら前記(2)、(3)、(5)の組合せが好ましい。
【0076】本発明で用いる官能基を有する含フッ素エ
チレン性重合体は、前記官能基を有するエチレン性単量
体と官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体などを
公知の重合方法により重合してうることができ、そのう
ちでも主としてラジカル共重合法が好ましい。
【0077】すなわち重合方法としては、ラジカル的に
進行するものであれば手段は何ら制限されないが、たと
えば有機、無機ラジカル重合開始剤、熱、光または電離
放射線などによって開始される。重合の形態も溶液重
合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合などを用いること
ができる。
【0078】また、分子量は、重合におけるモノマー濃
度、開始剤濃度、連鎖移動剤濃度、温度によって制御さ
れる。生成する共重合体の組成は、仕込みモノマー組成
によって制御可能である。
【0079】これらの方法によりえられる官能基を有す
る含フッ素エチレン性重合体は、様々な有機溶媒に可溶
であり、しかもその共重合組成を変えることで、電解液
に対して安定なものも作りうるので、電極用バインダー
としての新しい用途展開も考えられる。
【0080】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるも
のではない。
【0081】実施例1 (負極の作製)カーボン60重量部、バインダーとして
表1に示す組成の含フッ素エチレン性重合体5重量部お
よびN−メチル−2−ピロリドン35重量部をボールミ
ルを用いて10時間混合して負極合剤塗料を調製し、こ
の塗料を厚さ10μmの銅箔の両面に乾燥後の厚さが1
00μmになるように塗布し、乾燥して帯状負極をえ
た。
【0082】(正極の作製)LiCoO2 60重量
部、カーボン5重量部、バインダー(負極の作製に用い
たバインダーと同じ)5重量部およびN−メチル−2−
ピロリドン30重量部をボールミルを用いて10時間混
合して正極合剤塗料を調製し、この塗料を正極集電体と
なる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に乾燥後の厚
さが100μmになるように塗布し、乾燥して帯状正極
をえた。
【0083】(電池の作製)特開平7−201316号
公報に記載されている方法に準じて、前記のように作製
された帯状負極および帯状正極を用いて電池を作製し
た。
【0084】すなわち、これら帯状正極、帯状負極をセ
パレータとなる厚さ25μmのポリプロピレン製フィル
ムを介して、積層し、多数回巻回することで、外径18
mmの渦巻電極体を作製した。
【0085】そして、この渦巻電極体をニッケルメッキ
が施された鉄製電池缶に収納し、この渦巻電極体の上下
に絶縁板を設置した。そして、アルミニウム製正極リー
ドを正極集電体から導出して電池蓋に溶接し、ニッケル
製負極リードを負極集電体から導出して電池缶に溶接し
た。
【0086】この渦巻き型電極体が収納された電池缶の
なかに、炭酸エチレンと炭酸ジエチルが体積比1:1で
混合された混合溶媒にLiPF6を1mol/lなる濃
度で溶解した電解液を注入した。そして、電流遮断機構
を有する安全弁装置、電池蓋を電池缶にアスファルトで
表面を塗布した絶縁封口ガスケットを介してしかしめる
ことで固定し、直径18mm、高さ65mmの円筒型の
非水電解液を用いた二次電池を作製し、つぎの試験を行
なった。
【0087】50%容量サイクル数:室温下、最大充電
電圧4.2V、充電電流1Aの条件で充電を2.5時間
行ない、6.2Ωの定抵抗で放電を行なうといった充放
電サイクルを繰り返し行なって放電容量の変化を観測
し、放電容量が初期容量の50%まで低下するサイクル
数(50%容量サイクル数)を調べた。その結果を表1
に示す。
【0088】実施例2、3および比較例1 実施例1において、表1に示すバインダーを用いたこと
以外は、実施例1と同様にして、非水電解液を用いた二
次電池を作製し、実施例1と同様にして試験を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】表1の結果から明らかなように、バインダ
ーとして官能基を有さないポリフッ化ビニリデンを負極
塗料、正極塗料に混合した比較例1の電極に比べて、負
極塗料、正極塗料に官能基を有するポリフッ化ビニリデ
ンを混合した実施例1〜実施例3の非水電解液を用いた
二次電池は50%容量サイクル数が大きく、良好な充放
電サイクル特性を発揮する。
【0091】このことから、バインダーとして官能基を
有するポリフッ化ビニリデンを用いることは、電池のサ
イクル特性の向上を図るうえで有効であることがわかっ
た。
【0092】実施例4 (負極の作製)実施例1において、バインダーとして表
2に示す組成の含フッ素エチレン性重合体を用いたこと
およびN−メチル−2−ピロリドンの代わりにメチルイ
ソブチルケトン(MIBK)を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして帯状負極をえた。
【0093】(正極の作製)実施例1において、バイン
ダーとして表2に示す組成の含フッ素エチレン性重合体
を用いたことおよびN−メチル−2−ピロリドンの代わ
りにMIBKを用いたこと以外は実施例1と同様にして
帯状正極をえた。
【0094】(電池の作製)実施例1において、実施例
4でえられた帯状負極、帯状正極を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして、非水電解液を用いた二次電池を
作製し、実施例1と同様にして試験を行なった。結果を
表2に示す。
【0095】実施例5、6および比較例2 実施例4において、表2に示すバインダーを用いかつえ
られた電極を用いたこと以外は、実施例4と同様にし
て、非水電解液を用いた二次電池を作製し、実施例1と
同様にして試験を行なった。結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】表2の結果から明らかなように、バインダ
ーとして官能基を有さないTFE−VdF共重合体を負
極塗料、正極塗料に混合した比較例2の電極に比べて、
負極塗料、正極塗料に官能基を有するTFE−VdF共
重合体を混合した実施例4〜実施例6の非水電解液を用
いた二次電池は50%容量サイクル数が大きく、良好な
充放電サイクル特性を発揮する。
【0098】このことから、バインダーとして官能基を
有するTFE−VdF共重合体を用いることは、電池の
サイクル特性の向上を図るうえで有効であることがわか
った。
【0099】なお、これらの3元共重合体は、VdF、
TFEおよび官能基を有する含フッ素エチレン性単量体
の組成比にもよるが、N−メチル−2−ピロリドン以外
の有機溶剤にも可溶で、しかも電解液に対しても安定で
ある。
【0100】実施例7 (負極の作製)実施例1において、バインダーとして表
3に示す組成の含フッ素エチレン性重合体を用いたこと
およびN−メチル−2−ピロリドンの代わりに酢酸ブチ
ルとジグライムとの等量混合物を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして帯状負極をえた。
【0101】(正極の作製)実施例1において、バイン
ダーとして表3に示す組成の含フッ素エチレン性重合体
を用いたことおよびN−メチル−2−ピロリドンの代わ
りに酢酸ブチルとジグライムとの等量混合物を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして帯状正極をえた。
【0102】(電池の作製)実施例1において、実施例
7でえられた帯状負極、帯状正極を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして、非水電解液を用いた二次電池を
作製し、実施例1と同様にして試験を行なった。結果を
表3に示す。
【0103】実施例8、9および比較例3 実施例7において、表3に示すバインダーを用いかつえ
られた電極を用いたこと以外は、実施例7と同様にし
て、非水電解液を用いた二次電池を作製し、実施例1と
同様にして試験を行なった。結果を表3に示す。
【0104】
【表3】
【0105】表3の結果から明らかなように、バインダ
ーとして官能基を有さないTFE−VdF−HFP共重
合体を負極塗料、正極塗料に混合した比較例3の電極に
比べて、負極塗料、正極塗料に官能基を有するTFE−
VdF−HFP共重合体を混合した実施例7〜実施例9
の非水電解液を用いた二次電池は50%容量サイクル数
が大きく、良好な充放電サイクル特性を発揮する。
【0106】このことから、バインダーとして官能基を
有するTFE−VdF−HFP共重合体を用いること
は、電池のサイクル特性の向上を図るうえで有効である
ことがわかった。
【0107】実施例10〜11 実施例1において、表4に示すバインダーを用い、表4
に示す単量体含有率を採用したこと以外は、実施例1と
同様にして、非電解液を用いた二次電池を作製し、実施
例1と同様にして試験を行なった。結果を表4に示す。
【0108】
【表4】
【0109】表4の結果から明らかなように、表1に示
すバインダーとして官能基を有さないポリフッ化ビニリ
デンを負極塗料、正極塗料に混合した比較例1の電極に
比べて、負極塗料、正極塗料に官能基を有するポリフッ
化ビニリデンを混合した実施例10および実施例11の
非水電解液を用いた二次電池は50%容量サイクル数が
大きく、良好な充放電サイクル特性を発揮する。
【0110】このことから、バインダーとして官能基を
有するポリフッ化ビニリデンを用いることは、電池のサ
イクル特性の向上を図るうえで有効であることがわかっ
た。
【0111】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の非水電解液を用いた二次電池の電極用バインダーは、
電極集電体との密着性、電極活物質の保持力に優れ、5
0%容量サイクル数が大きく、良好な充放電サイクル特
性を発揮する電池を与えうる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220:04 224:00 220:22) (72)発明者 伊野 忠 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 市川 賢治 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 荒木 孝之 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 田中 義人 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 東畑 好秀 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含フッ素エチレン性単量体を重合してえ
    られる含フッ素エチレン性重合体からなる電極用バイン
    ダーであって、(A−1)ヒドロキシル基、カルボキシ
    ル基もしくはカルボン酸塩もしくはカルボキシエステル
    基またはエポキシ基のいずれかを有する官能基を有する
    含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種を含フッ素
    エチレン性単量体の全量に対して0.05〜30モル%
    共重合してえられる官能基を有する含フッ素エチレン性
    重合体からなる非水電解液を用いた二次電池の電極用バ
    インダー。
  2. 【請求項2】 官能基を有する含フッ素エチレン性重合
    体(A−1)が、(a−1)式(1): 【化1】 (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸
    塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Xおよび
    1は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ
    素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキ
    レン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有する
    2価の含フッ素アルキレン基を表わす)で示される少な
    くとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体
    0.05〜30モル%と、(b−1)該(a−1)成分
    と共重合可能な少なくとも1種の官能基を有さない含フ
    ッ素エチレン性単量体70〜99.95モル%とを共重
    合してえられる官能基を有する含フッ素エチレン性重合
    体である請求項1記載の非水電解液を用いた二次電池の
    電極用バインダー。
  3. 【請求項3】 官能基を有する含フッ素エチレン性単量
    体(a−1)が式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸
    塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、Rf 1は炭
    素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または−O
    f 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレ
    ン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の
    含フッ素アルキレン基)を表わす]で示される含フッ素
    エチレン性単量体の少なくとも1種である請求項2記載
    の非水電解液を用いた二次電池の電極用バインダー。
  4. 【請求項4】 官能基を有さない含フッ素エチレン性単
    量体(b−1)が、テトラフルオロエチレンである請求
    項2記載の非水電解液を用いた二次電池の電極用バイン
    ダー。
  5. 【請求項5】 官能基を有さない含フッ素エチレン性単
    量体(b−1)が、フッ化ビニリデンである請求項2記
    載の非水電解液を用いた二次電池の電極用バインダー。
  6. 【請求項6】 官能基を有さない含フッ素エチレン性単
    量体(b−1)が、フッ化ビニリデン99〜1モル%と
    テトラフルオロエチレン1〜99モル%との単量体混合
    物である請求項2記載の非水電解液を用いた二次電池の
    電極用バインダー。
  7. 【請求項7】 官能基を有さない含フッ素エチレン性単
    量体(b−1)が、フッ化ビニリデン50〜99モル%
    とテトラフルオロエチレン0〜30モル%とクロロトリ
    フルオロエチレン1〜20モル%との単量体混合物であ
    る請求項2記載の非水電解液を用いた二次電池の電極用
    バインダー。
  8. 【請求項8】 官能基を有さない含フッ素エチレン性単
    量体(b−1)が、フッ化ビニリデン40〜90モル%
    とテトラフルオロエチレン0〜80モル%とヘキサフル
    オロプロピレン1〜80モル%(ただし、これらの合計
    は100モル%である)との単量体混合物である請求項
    2記載の非水電解液を用いた二次電池の電極用バインダ
    ー。
  9. 【請求項9】 官能基を有さない含フッ素エチレン性単
    量体(b−1)が、フッ化ビニリデン50〜99モル%
    とテトラフルオロエチレン0〜30モル%とクロロトリ
    フルオロエチレン1〜20モル%(ただし、これらの合
    計は100モル%である)との単量体混合物である請求
    項2記載の非水電解液を用いた二次電池の電極用バイン
    ダー。
  10. 【請求項10】 官能基を有さない含フッ素エチレン性
    単量体(b−1)が、テトラフルオロエチレンまたはク
    ロロトリフルオロエチレン40〜80モル%とエチレン
    20〜60モル%とこれらの単量体と共重合可能な単量
    体0〜15モル%(ただし、これらの合計は100モル
    %である)との単量体混合物である請求項2記載の非水
    電解液を用いた二次電池の電極用バインダー。
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