JPH09160142A - 投射型表示装置用シャッター - Google Patents

投射型表示装置用シャッター

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JPH09160142A
JPH09160142A JP7346825A JP34682595A JPH09160142A JP H09160142 A JPH09160142 A JP H09160142A JP 7346825 A JP7346825 A JP 7346825A JP 34682595 A JP34682595 A JP 34682595A JP H09160142 A JPH09160142 A JP H09160142A
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thin plate
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shielding thin
winding member
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JP7346825A
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English (en)
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Nobuyuki Kikuchi
伸幸 菊池
Yoshiro Oikawa
義朗 及川
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
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Tochigi Nikon Corp
Nikon Corp
Original Assignee
Tochigi Nikon Corp
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 投射型表示装置に搭載することにより各色光
を他の色光から完全に独立して単独で投射することがで
き、投射する色光の切り換えにさほど時間を要さず、し
かも、狭い箇所に取り付けることができるシャッターを
提供する。 【構成】 シャッターは、中心軸周りに回転自在の円柱
状の巻き取り部材1と、一端部が巻き取り部材1の外周
面に固定され、巻き取り部材1の外周面に巻き付き状態
に変形自在であるとともに平板状態に復帰するばね力を
有する遮光薄板部材2と、遮光薄板部材2を案内するガ
イド部材5,6,10,11とを備える。巻き取り部材
1の正転させると、遮光薄板部材2が巻き取り部材1に
巻き取られて所望の遮光位置から退出する。巻き取り部
材1を逆転させると、遮光薄板部材2が巻き取り部材1
から巻き戻されて平板状態となって遮光位置に進出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型表示装置の
内部を走る光の遮断及び開放を行うためのシャッターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の投射型表示装置の一例について、
図4を参照して説明する。図4は、従来の投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。
【0003】この従来の投射型表示装置では、図示しな
い光源から出射された白色光源光が、図示しない平行光
整形光学系を経て略平行光となってクロスダイクロイッ
クミラー111に入射され、該クロスダイクロイックミ
ラー111にてR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の
三色光に分離される。
【0004】B光反射用ダイクロイックミラー111B
にて反射された青色光は、ミラー112Bにて真下に光
路を変え、偏光ビームスプリッタ115に入射する。該
偏光ビームスプリッタ115Bに入射したB光の内のS
偏光光は、偏光ビームスプリッタ115Bの偏光分離部
にて反射されて廃棄される。一方、偏光ビームスプリッ
タ115Bの偏光分離部を透過したP偏光光は、偏光ビ
ームスプリッタ115Bの真下に配置されるとともに偏
光ビームスプリッタ115Bに対し90゜の角度で配置
された偏光ビームスプリッタ114Bに入射される。こ
のように90゜ずらして配置されているので、偏光ビー
ムスプリッタ115Bを透過してきたP偏光光は、S偏
光光として偏光ビームスプリッタ114Bに入射するこ
ととなる。そして、偏光ビームスプリッタ114Bは、
S偏光光を反射して空間光変調素子113Gに読み出し
光として入射させる。
【0005】また、ダイクロイックミラー111Rにて
分離されたR光は、B光と同様に、ミラー112Rを経
て偏光ビームスプリッタ115Rにて偏光分離を受け、
該偏光ビームスプリッタ115Rを透過したP偏光光
が、S偏光光として偏光ビームスプリッタ114Rに入
射され、偏光ビームスプリッタ114Rにて反射された
S偏光光がR光用の空間光変調素子113Rに読み出し
光として入射される。
【0006】さらに、クロスダイクロイックミラー11
1を透過したG光も、B光及びR光と同様に、ミラー1
12Gを経て偏光ビームスプリッタ115Gにて偏光分
離を受け、該偏光ビームスプリッタ115を透過したP
偏光光が、S偏光光として偏光ビームスプリッタ114
Gに入射され、偏光ビームスプリッタ114Gにて反射
されたS偏光光がG光用空間光変調素子113Gに読み
出し光として入射される。
【0007】前記空間光変調素子113B、113R、
113Gは、例えば、図5に示す断面構造を有する素子
である。図5において、書き込み光側から透明なガラス
基板201、透明導電体膜202、水素化非晶質シリコ
ンからなる光導電体層203、CdTe膜からなる遮光
層204、誘電体多層膜からなる誘電体反射ミラー層2
05、液晶配向膜206、液晶層からなる光変調層20
7、液晶配向層208、透明導電体膜209、透明ガラ
ス基板210である。各空間光変調素子113B、11
3R、113Gとも各色用の図示しない書き込み光源か
らの書き込み光にて、入射した読み出し光が変調作用を
受け、書き込み光に対応してP偏光光となって出射され
る。各色用空間光変調素子113B、113R、113
Gからの出射光は、再度偏光ビームスプリッタ114
B、114R、114Gに入射し、P偏光光のみ偏光ビ
ームスプリッタ114B、114R、114Gを透過
し、B光とR光はミラー116B、116Rにて反射さ
れて三色合成用ダイクロイックプリズム117に入射さ
れ、該プリズム117にて三色合成されてプリズム11
7を出射し、投射レンズ118にて図示しないスクリー
ン上に投射される。
【0008】このような投射型表示装置の場合、組立調
整中及び組立後に、R、G、B光を単独でスクリーン上
に投射して、各色ごとの投射光の色むら等を観測する必
要がある。このため、前記従来の投射型表示装置では、
例えばB光のみ投射したい場合には、R光用及びG光用
の空間光変調素子に書き込み光を入射させなず、これに
よりR光及びG光を三色合成用ダイクロイックプリズム
117に入射させないで、その結果B光のみをスクリー
ン上に投射するという方法を採用していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の投
射型表示装置において採用されていたR、G、B光を単
独で投射する方法においては、次のような問題があっ
た。前記空間光変調素子113B、113R、113G
は書き込み光の有無により読み出し光をS偏光からP偏
光に変調させる機能を有するが、S偏光から完全なP偏
光に変換されるわけでなく、空間光変調素子113B、
113R、113Gからの出射光は、液晶層からなる光
変調層207の層厚のむら等のため、直線偏光と言うよ
り楕円偏光と言った方がよい偏光光になる。そのため、
空間光変調素子113B、113R、113Gから完全
なS偏光、P偏光を出射させることはできず、完全な黒
状態すなわち投射光がゼロ状態を実現することはできな
かった。つまり、書き込み光をなくしても、読み出し光
は完全なS偏光のままで出射されるわけでなく一部P偏
光が混在して出射され、そのため、出射されたP偏光成
分は、検光子として作用する偏光ビームスプリッタ11
4B、114R、114Gを通り抜けてスクリーン上に
投射されてしまう。さらに、偏光ビームスプリッタ11
4B、114R、114Gが理想的な偏光分離特性を有
しているわけではなく所定の偏光分離特性を有している
ことからも、完全な黒状態を実現することはできない。
そのため、各色単色光のみを投射することによる単色光
検査は、実際には他色が混在していることになることか
ら、不完全なものになっていた。
【0010】そこで、投射型表示装置においてR、G、
B光を単独で投射する別の方法して、各色用の読み出し
光を発する光源を各色に対応して3つ設け、これらの光
源のうちの2つの光源を消灯させることが考えられる。
しかし、この場合、光源を一旦消灯させてしまうと、再
点灯に時間がかかる上、点灯後光源の光度が安定するに
更に多大な時間を要することになり、この方法は実際上
採用できない。
【0011】そこで、各色の光路を遮断するシャッター
を各色光の光路中に配置すれば、各色光を他の色光から
完全に独立して単独で投射することができるとともに、
投射する色光の切り換え時間を短縮させることができる
と考えられる。
【0012】しかし、前述した従来例に示すような投射
型表示装置では、通常は極力小型化を図るため、内部の
光路を遮断するためのスペースが非常に少ない。さら
に、投射型表示装置自体は全体にケーシングされるた
め、ケースを開けて内部を露出させマニュアルでシャッ
ター部材を配置することは、スペースの点、所要の時間
の点で実際上極めて困難である。
【0013】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、投射型表示装置に搭載することにより各色光を他の
色光から完全に独立して単独で投射することができ、投
射する色光の切り換えにさほど時間を要さず、しかも、
狭い箇所に取り付けることができる投射型表示装置用シ
ャッターを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による投射型表示装置用シャッ
ターは、中心軸周りに回転自在の円柱又は円筒状の巻き
取り部材と、一端部が前記巻き取り部材の外周面に固定
され、前記巻き取り部材の外周面に巻き付き状態に変形
自在であるとともに平板状態に復帰するばね力を有する
遮光薄板部材と、を備え、前記巻き取り部材の正転時に
前記遮光薄板部材が前記巻き取り部材に巻き取られて所
望の遮光位置から退出することにより光を解放状態にす
るとともに、前記巻き取り部材の逆転時に前記遮光薄板
部材が前記巻き取り部材から巻き戻されて平板状態とな
って前記遮光位置に進出することにより光を遮断状態に
するものである。
【0015】本発明の第2の態様による投射型表示装置
用シャッターは、前記第1の態様による投射型表示装置
用シャッターにおいて、前記巻き取り部材の外周長が、
前記解放状態と前記遮断状態との間の前記遮光薄板部材
の移動ストロークより長いものである。
【0016】本発明の第3の態様による投射型表示装置
用シャッターは、前記第1又は第2の態様による投射型
表示装置用シャッターにおいて、前記遮光薄板部材が、
前記巻き取り部材の前記中心軸周りの所定角度位置を基
準として前記所定角度位置に対する前記正転側において
は前記巻き取り部材の外周面に実質的に沿うとともに、
前記所定角度位置に対して前記逆転側においては所定平
面に実質的に沿うように、前記遮光薄板部材を案内する
ガイド手段を備えたものである。
【0017】本発明の第4の態様による投射型表示装置
用シャッターは、前記第3の態様による投射型表示装置
用シャッターにおいて、前記ガイド手段は、前記所定角
度位置に対する前記逆転側において、前記遮光薄板部材
の移動方向に対する前記遮光薄板部材の両側部分を案内
する第1のガイド部材を有するものである。
【0018】本発明の第5の態様による投射型表示装置
用シャッターは、前記第3又は第4の態様による投射型
表示装置用シャッターにおいて、前記ガイド手段は、少
なくとも前記所定角度位置付近における前記所定角度位
置に対する正転及び逆転の両側において、前記遮光薄板
部材における前記中心軸の方向の中間部分を案内する第
2のガイド部材を有するものである。
【0019】本発明の第6の態様による投射型表示装置
用シャッターは、前記第5の態様による投射型表示装置
用シャッターにおいて、前記第2のガイド部材の部分で
あって、前記遮光薄板部材における前記所定角度位置に
対する正転側部分を案内する部分は、前記巻き取り部材
の外周面に倣う形状を有し、前記巻き取り部材の外周面
と近接して配置されたものである。
【0020】前記第1乃至第6の態様によるシャッター
によれば、巻き取り部材の外周面に巻き付き状態に変形
自在であるとともに平板状態に復帰するばね力を有する
という遮光薄板部材の特性が巧みに利用され、巻き取り
部材を正転させて遮光薄板部材を巻き取ることにより遮
光薄板部材が遮光位置から退出して光が解放状態にされ
るとともに、巻き取り部材を逆転させて遮光薄板部材を
巻き戻すことにより遮光薄板部材が遮光位置に平板状態
となって進出して光が遮断状態にされる。このように光
路に進出するものが平板状態となった遮光薄板部材であ
るため、前記第1乃至第6の態様によるシャッターは、
光路中の遮断位置スペースが狭い箇所においても取り付
けることができる。また、遮光薄板部材は、遮光位置か
らの退出時には巻き取り部材により巻き取られるもので
あるため、平板状態のままスライドして遮光位置から退
出するような場合に比べて、前記第1乃至第6の態様に
よるシャッターの占有空間は少なくてすみ、取り付けス
ペースの少ない箇所においても取り付けることができ
る。そして、遮光薄板部材が平板状になって遮光位置に
進出することにより光が遮断されるので、多量の光束を
完全に遮断することができる。
【0021】前記第1乃至第6の態様によるシャッター
は使用に際して3つ用意され、各シャッターが遮光薄板
部材の進出時に投射型表示装置における各色光を遮断す
る位置に配置される。これにより、3つの色光をそれぞ
れ3つの空間光変調素子に入射させ、該3つの空間光変
調素子により変調された各色の変調光を色合成手段で色
合成して投射し、あるいは、前記各色の変調光をスクリ
ーン上で合成されるようにそれぞれ投射する投射型表示
装置において、前記第1乃至第6の態様による3つのシ
ャッターを備え、各シャッターが遮光薄板部材の進出時
に投射型表示装置における各色光を遮断する位置に配置
された投射型表示装置が、提供される。このような前記
第1乃至第6の態様によるシャッターを備えた投射型表
示装置では、いずれか1つのシャッターを光の解放状態
とし、残りの2つのシャッターを光の遮断状態とするこ
とにより、3つの色光を他の色光から完全に独立して単
独でスクリーン上に投射して、各色ごとの投射光の色む
ら等を観測することができる。このとき、光源は点灯さ
せ続ければよいので、色光の切り換え時間は遮光薄板部
材の進出又は退出時間(すなわち、巻き取り部材の巻き
取り又は巻き戻し時間)に依存するのみであり、この時
間は例えば10秒程度にすることができ、光源の再点灯
及びその後の光度安定化の時間に比べて非常に短い。も
っとも、巻き取り部材の回転を利用して光の遮断及び解
放を行うので、カメラシャッターのように高速度にて光
の遮断及び解放を行うことができるわけではないが、前
記シャッターは投射型表示装置の組立調整中などに使用
されるものであるため、例えば10秒程度で光の遮断及
び解放を行うことができれば十分である。
【0022】ところで、前記第1乃至第6の態様による
シャッターでは、巻き取り部材を回転させることにより
光の遮断及び解放を行うことができるので、小型モータ
等のアクチュエータにより巻き取り部材を回転させるこ
とができる。この場合、投射型表示装置のケース外部か
ら手動操作により巻き取り部材を回転させるための複雑
な機構を要することなく、前記アクチュエータに外部か
ら信号を与えることにより光の遮断及び解放を行うこと
ができ、好ましい。
【0023】前記第1の態様では巻き取り部材が遮光薄
板部材を2重以上に巻き取るようにしてもよいが、前記
第2の態様のように、巻き取り部材の外周長を、前記解
放状態と前記遮断状態との間の前記遮光薄板部材の移動
ストロークより長くしておけば、巻き取り部材が遮光薄
板部材を1重だけ巻き取ることになり、遮光薄板部材の
巻き取り及び巻き戻しを一層安定して行うことができ、
好ましい。
【0024】また、前記第3の態様のように、ガイド手
段により遮光薄板部材を案内させると、遮光薄板部材の
巻き取り及び巻き戻しを安定して行うことができるの
で、好ましい。このガイド手段の具体的な構成は特に限
定されるものではないが、ガイド手段として、例えば、
前記第4の態様のような第1のガイド部材や前記第5の
態様のような第2のガイド部材を用いることができる。
また、前記第6の態様は第2のガイド部材の更に具体的
な例である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態による投射
型表示装置用シャッターについて、図1及び図2を参照
して説明する。
【0026】図1は本実施の形態によるシャッターの構
造を示す図であり、図1(a)はその光の遮断状態を示
す斜視図、図1(b)はその光の解放状態を示す要部斜
視図である。なお、図1(b)においては、基体3を省
略して示している。また、図2は図1中の所定の要素を
示す図であり、図2(a)は図1(a)中のI−I線断
面図、図2(b)は図2(a)に対応する断面図であっ
て第1のガイド部材5,6の他の例を示す断面図、図2
(c)は第2のガイド部材10,11を示す斜視図であ
る。
【0027】本実施の形態によるシャッターは、図1に
示すように、中心軸周りに回転自在の巻き取り部材1
と、一端部が巻き取り部材1の外周面に固定され、巻き
取り部材1の外周面に巻き付き状態に変形自在であると
ともに平板状態に復帰するばね力を有する遮光薄板部材
2とを備え、巻き取り部材1の正転時に図1(b)に示
すように遮光薄板部材2が巻き取り部材1に巻き取られ
て所望の遮光位置から退出することにより光を解放状態
(通過状態)にするとともに、巻き取り部材1の逆転時
に図1(a)に示すように遮光薄板部材2が巻き取り部
材1から巻き戻されて平板状態となって遮光位置に進出
することにより光を遮断状態にするようになっている。
【0028】本実施の形態では、巻き取り部材1とし
て、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる円柱状
の金属柱部材が用いられている。もっとも、巻き取り部
材1の材質は特に限定されるものではないし、巻き取り
部材1の形状も例えば円筒状であってもよい。巻き取り
部材1は、断面コ字状(他の形状でもよい)の基体3の
両側の起立部3a,3bに回転自在に取り付けられてい
る。
【0029】また、遮光薄板部材2として、平板状態で
長方形状となる厚み0.1mmのチタン薄板からなる金
属薄板部材が用いられている。もっとも、遮光薄板部材
2として、例えば、ステンレス薄板(SUS304冷間
圧延材)や銅合金板(ベリリウム銅薄板、りん青銅薄
板)などの金属薄板部材や、その他の材料からなる薄板
部材を用いることもできるし、その厚みも0.1mmに
限定されるものではない。本実施の形態では、遮光薄板
部材2の一端部がねじ4により巻き取り部材1の外周面
に固定されているが、その固定方法もねじ止めに限定さ
れるものではない。なお、遮光薄板部材2として、金属
材料を用いる場合には、熱処理によるなまし材は使用し
ない方が好ましい。金属材料はなましを行うと確かに柔
らかくはなるが適当な弾性がなくなってしまうため、こ
れを遮光薄板部材2として用いると、排出時になめらか
な排出が困難になる上に、排出部の平面度の確保が困難
になるからである。
【0030】また、本実施の形態によるシャッターは、
図1(a)及び図2(a)に示すように、巻き取り部材
1の中心軸周りの所定角度位置(本例では直上の角度位
置)を基準として該所定角度位置に対する逆転側(巻き
戻し側、遮光薄板部材2の進出側)において、遮光薄板
部材2の移動方向に対する遮光薄板部材2の両側部分を
案内する第1のガイド部材5,6を備えている。遮光薄
板部材2は、主として第1のガイド部材5,6によっ
て、前記所定角度位置に対する逆転側において所定平面
に実質的に沿うように案内される。すなわち、本実施の
形態では、第1のガイド部材5,6は、ステンレス材か
らなる断面逆L字状の棒状の部材(図2(a))が用い
られ、遮光薄板部材2の上部及び側部を案内するように
なっている。もっとも、第1のガイド部材5,6の材質
はステンレス材に限定されるものではないし、また、遮
光薄板部材2の断面形状は、例えば、図2(b)に示す
ようにコ字状であってもよい。なお、第1のガイド部材
5,6は、ねじ7により基体3の両側の起立部3a,3
bの上部に固定されている。また、第1のガイド部材
5,6の先端部間には、補強のための梁8がねじ9によ
り固定されている。
【0031】さらに、本実施の形態によるシャッター
は、少なくとも前記所定角度位置付近における前記所定
角度位置に対する正転(巻き取り側、遮光薄板部材2の
退出側)及び逆転(巻き戻し側、遮光薄板部材2の進出
側)の両側において、遮光薄板部材2における中心軸の
方向の中間部分を案内する第2のガイド部材8,9を備
えている。第2のガイド部材10,11は、ステンレス
材からなり、図2(c)に示すように、起立片12と水
平片13とから構成されている。図面には表れていない
が、水平片13が基体3の水平部3cに固定されてい
る。起立片12には、遮光薄板部材2における前記所定
角度位置に対する正転側部分を案内する部分としての、
巻き取り部材1の外周面に倣う形状(円弧形状)を有す
る円弧部12aが形成されるとともに、遮光薄板部材2
における前記所定角度位置に対する逆転側部分を案内す
る部分としての、直線部12bが形成されている。円弧
部12aと直線部12bとは、前記所定角度位置を境に
して連続している。本実施の形態では、円弧部12a
は、巻き取り部材1に遮光薄板部材2が一重巻き付いた
ときの外径に応じて形成されており、該円弧部12aが
巻き取り部材1の外周面との間にほぼ遮光薄板部材2の
厚みに相当する間隔をあけて沿うように近接されてい
る。本実施の形態では円弧部12aが180゜分形成さ
れているが、前記所定角度位置付近の部分にのみ形成し
てもよい。円弧部12aは、遮光薄板部材2が有するば
ね力に抗して遮光薄板部材2が巻き取り部材1の外周面
に巻き取られることを担保する。第1のガイド部材5,
6に接する遮光薄板部材2の両側部分が少ない場合は遮
光薄板部材2が有する弾性により遮光薄板部材2が変形
し易くなるが、直線部12bはその変形を抑制し、遮光
薄板部材2における前記所定角度位置に対する正転側部
分を所定平面に沿うように案内する作用を担う。また、
直線部12bは、遮光薄板部材2の巻き取り時に遮光薄
板部材2を円弧部12aにスムーズに案内する作用も担
う。直線部12bは、遮光位置まで延びないように第1
のガイド部材5,6より短く構成されている。
【0032】なお、第2のガイド部材10,11の材質
も限定されるものではなく、例えば、遮光薄板部材2と
の間で摩擦の低減が期待できるテフロン等を用いても良
い。その場合には、加工の容易性から、図2(c)に示
すような厚みの薄い形状ではなくもっと厚み(巻き取り
部材1の中心軸方向の幅)の厚いブロック形状としたも
のを用いることができる。このように、第2のガイド部
材の厚み(幅)を広くすれば、基体3の水平部3cと接
触する面積を確保できるので水平片13を得るための折
り曲げ等の加工が不要となるし、第2のガイド部材の個
数も1個にすることもできる。
【0033】本実施の形態では、前述した第1及び第2
のガイド部材5,6,10,11は、巻き取り部材1の
中心軸周りの前記所定角度位置を基準として前記所定角
度位置に対する正転側においては巻き取り部材1の外周
面に実質的に沿うとともに、前記所定角度位置に対して
前記逆転側においては所定平面に実質的に沿うように、
遮光薄板部材2を案内するガイド手段を構成している。
もっとも、本発明では、このようなガイド手段として他
の構成を採用してもよい。
【0034】ところで、図1(a)は遮光薄板部材2が
最も巻き戻され巻き取り部材1から最も排出されたとき
の様子を示し、図1(b)は遮光薄板部材2が最も巻き
取られたときの様子を示している。これらの図からわか
るように、巻き取り部材1の外周長(円周)は、光の解
放状態(図1(b))と光の遮断状態(図1(a))と
の間の遮光薄板部材2の移動ストロークより長くされて
おり、これにより、巻き取り部材1が遮光薄板部材2を
1重だけ巻き取ることになる。このように、巻き取り部
材1が遮光薄板部材2を1重だけ巻き取るようにしてお
けば、前述したように、第2のガイド部材10,11の
円弧部12aと巻き取り部材1の外周面との間の間隔を
ほぼ遮光薄板部材2の厚みに相当する間隔にして、その
間隔を狭めておくことができるので、遮光薄板部材2を
巻き取り部材1に2重以上に巻き取ることとしてその間
隔を広げた場合に比べて、円弧部12aによる遮光薄板
部材2のガイドがスムーズになり、遮光薄板部材の巻き
取り及び巻き戻しを一層安定して行うことができ、好ま
しい。また、巻き取り部材1の外周長があまりに小さい
と、遮光薄板部材2には弾性が存在するため、第1及び
第2のガイド部材5,6,10,11が存在するとは言
え、巻き取り部材2の外周面に沿った遮光薄板部材2の
巻き取り及び巻き戻し(排出)が困難になる。この点か
らも、巻き取り部材1の外周長(円周)は遮光薄板部材
2の移動ストロークより長く設定しておくことが好まし
い。もっとも、本発明では、遮光薄板部材2を巻き取り
部材1に2重以上に巻き取るようにしてもよい。
【0035】さらにまた、本実施の形態によるシャッタ
ーは、巻き取り部材1を回転させるアクチュエータとし
て小型モータ14を備えている。該モータ14は、図面
には表れていないが、基体2の水平部3cに取り付けら
れている。巻き取り部材1の中心軸に固定された歯車1
5とモータ14の駆動軸に固定された歯車16とが、噛
み合わされている。モータ14としては、エンコーダ等
の位置検出器を必要とせずに簡単に位置決め制御を行う
ことができるステッピングモータを用いることが好まし
い。このように巻き取り部材1を回転させるアクチュエ
ータを用いると、投射型表示装置のケース外部から手動
操作により巻き取り部材1を回転させるための複雑な機
構を要することなく、前記アクチュエータに外部から信
号を与えることにより光の遮断及び解放を行うことがで
き、好ましい。もっとも、本発明では、アクチュエータ
を用いずに、手動操作により巻き取り部材1を回転でき
るように構成してもよい。
【0036】本実施の形態によるシャッターによれば、
モータ14に信号を与えて巻き取り部材1を所定の回転
位置まで正転させると、図1(b)に示すように、遮光
薄板部材2が第1及び第2のガイド部材5,6,10,
11により案内されて巻き取り部材1に巻き取られ、遮
光薄板部材2が遮光位置から退出して光が解放状態にさ
れる。また、モータ14に信号を与えて巻き取り部材1
を所定の回転位置まで逆転させると、図1(a)に示す
ように、遮光薄板部材2が第1及び第2のガイド部材
5,6,10,11により案内されて巻き取り部材1か
ら巻き戻され、遮光薄板部材2が遮光位置に進出して光
が遮断状態にされる。このように光路に進出するものが
平板状態となった遮光薄板部材2であるため、本実施の
形態によるシャッターは、光路中の遮断位置スペースが
狭い箇所においても取り付けることができる。また、遮
光薄板部材2は、遮光位置からの退出時には巻き取り部
材1により巻き取られるものであるため、平板状態のま
まスライドして遮光位置から退出するような場合に比べ
て、本実施の形態によるシャッターの占有空間は少なく
てすみ、取り付けスペースの少ない箇所においても取り
付けることができる。そして、遮光薄板部材2が平板状
になって遮光位置に進出することにより光が遮断される
ので、多量の光束を完全に遮断することができる。
【0037】本実施の形態によるシャッターは使用に際
して3つ用意され、各シャッターが遮光薄板部材の進出
時に投射型表示装置における各色光を遮断する位置に配
置される。
【0038】本実施の形態による3つシャッター120
R、120G、120Bを配置した投射型表示装置の一
例を、図3に示す。図3に示す投射型表示装置は、シャ
ッター120R、120G、120Bが配置されている
点を除いて前述した図4に示す投射型表示装置と同一で
あるので、図3において、図4中の構成要素と同一構成
部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0039】この例では、図3に示すように、シャッタ
ー120R、120G、120Bは、クロスダイクロイ
ックミラー111により分離された各色光R、G、Bが
ミラー112R、112G、112Bに入射する直前
に、それぞれ配置されている。すなわち、シャッター1
20R、120G、120Bは、遮光薄板部材2がミラ
ー112R、112G、112Gの上部から進出して各
色光R、G、Bの光軸を垂直に遮断するように、配置さ
れている。クロスダイクロイックミラー111とミラー
112R、112G、112Bとの間にはスペースはあ
まり存在しないが、ミラー112R、112G、112
Bの上部端に巻き取り部材1が配置されるようにするこ
とによって、この狭い空間に遮光薄板部材2が進出する
ように配置することができ、各色光の光束の遮断及び解
放が可能となっている。図3では、B光のみを投射さ
せ、G光、R光を遮断している状態を示している。G
光、R光はシャッター120G、120Rの遮光薄板部
材2にて遮断されるため、これより先に進行しない。シ
ャッター120Bを通過したB光は、ミラー112Bに
て反射され偏光ビームスプリッタ115B、114Bに
入射される。偏光ビームスプリッタ114Bにて反射さ
れた偏光光(偏光ビームスプリッタ114BからみてS
偏光)は空間光変調素子113Bに読み出し光として入
射される。このとき空間光変調素子113Bの書き込み
光に応じてB光が変調を受け、空間光変調素子113B
から反射出射される。光書き込み光型の空間光変調素子
の場合は書き込み光に応じて変調されるため、書き込み
領域全域に書き込み光を均一に入射させれば、理想的に
は空間光変調素子113Bからの全ての反射光は、偏光
ビームスプリッタ114Bを通過し、ミラー116Bに
て反射され、クロスダイクロプリズム117にて反射さ
れ、投射レンズ118にてスクリーン上に投射され、B
単色光の投射像が観測される。このように、シャッター
120R、120G、120Bのいずれか1つを光の解
放状態とし、残りの2つを光の遮断状態とすることによ
り、3つの色光を他の色光から完全に独立して単独でス
クリーン上に投射して、各色ごとの投射光の色むら等を
観測することができる。このとき、光源は点灯させ続け
ればよいので、色光の切り換え時間は遮光薄板部材2の
進出又は退出時間(すなわち、巻き取り部材1の巻き取
り又は巻き戻し時間)に依存するのみであり、この時間
は例えば10秒程度にすることができ、光源の再点灯及
びその後の光度安定化の時間に比べて非常に短い。もっ
とも、巻き取り部材1の回転を利用して光の遮断及び解
放を行うので、カメラシャッターのように高速度にて光
の遮断及び解放を行うことができるわけではないが、シ
ャッター120R、120G、120Bは投射型表示装
置の組立調整中などに使用されるものであるため、例え
ば10秒程度で光の遮断及び解放を行うことができれば
十分である。
【0040】以上説明した投射型表示装置では、空間光
変調素子113R、113G、113Bは光書き込み型
の空間光変調素子であったが、一画素毎に電気的にスイ
ッチィングして行う電気書き込み式空間変調光学素子も
使用できることはいうまでもない。
【0041】また、図3に示す投射型表示装置において
はシャッター120R、120G、120Bをクロスダ
イクロイック111にて分離された各色光のミラー11
2R、112G、112Gに進入する直前に配置した
が、その配置箇所はその位置に限定されるものではな
い。例えば、図3において、シャッター120R、12
0G、120Bの位置は、ミラー112R、112G、
112Gにより反射された各色光が偏光ビームスプリッ
タ115R、115G、115Bに入射する直前であっ
てもよいし、空間光変調素子113R、113G、11
3Gの直前であってもよい。
【0042】本実施の形態によるシャッターを用いるこ
とができる投射型表示装置は、図3に示す投射型表示装
置に限定されるものではなく、例えば、空間光変調素子
として透過型の空間光変調素子を用いたものや、予め色
合成を行うことなく、各色光を3本の投射レンズで投射
しスクリーン上で合成するものなどであってもよい。
【0043】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は前述した実施の形態に限定されるもので
はない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
投射型表示装置に搭載することにより各色光を他の色光
から完全に独立して単独で投射することができ、投射す
る色光の切り換えにさほど時間を要さず、しかも、狭い
箇所に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるシャッターの構造
を示す図であり、図1(a)はその光の遮断状態を示す
斜視図、図1(b)はその光の解放状態を示す要部斜視
図である。
【図2】図2は図1中の所定の要素を示す図であり、図
2(a)は図1(a)中のI−I線断面図、図2(b)
は図2(a)に対応する断面図であって第1のガイド部
材の他の例を示す断面図、図2(c)は第2のガイド部
材を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるシャッターを搭載
した投射型表示装置の一例を示す斜視図である。
【図4】従来の投射型表示装置の概略構成を示す斜視図
である。
【図5】空間光変調素子の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 巻き取り部材 2 遮光薄板部材 3 基体 5、6 第1のガイド部材 10、11 第2のガイド部材 12a 円弧部 12b 直線部 14 小型モータ 15、16 歯車 111 クロスダイクロイックミラー 112R、112G、112B ミラー 113R、113G、113B 空間光変調素子 115R、115G、115B 偏光ビームスプリッタ 114R、114G、114B 偏光ビームスプリッタ 116R、116B ミラー 117 クロスダイクロイックプリズム 118 投射レンズ 120R、120G、120B シャッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 徹夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン本社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸周りに回転自在の円柱又は円筒状
    の巻き取り部材と、一端部が前記巻き取り部材の外周面
    に固定され、前記巻き取り部材の外周面に巻き付き状態
    に変形自在であるとともに平板状態に復帰するばね力を
    有する遮光薄板部材と、を備え、前記巻き取り部材の正
    転時に前記遮光薄板部材が前記巻き取り部材に巻き取ら
    れて所望の遮光位置から退出することにより光を解放状
    態にするとともに、前記巻き取り部材の逆転時に前記遮
    光薄板部材が前記巻き取り部材から巻き戻されて平板状
    態となって前記遮光位置に進出することにより光を遮断
    状態にすることを特徴とする投射型表示装置用シャッタ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記巻き取り部材の外周長は、前記解放
    状態と前記遮断状態との間の前記遮光薄板部材の移動ス
    トロークより長いことを特徴とする請求項1記載の投射
    型表示装置用シャッター。
  3. 【請求項3】 前記遮光薄板部材が、前記巻き取り部材
    の前記中心軸周りの所定角度位置を基準として前記所定
    角度位置に対する前記正転側においては前記巻き取り部
    材の外周面に実質的に沿うとともに、前記所定角度位置
    に対して前記逆転側においては所定平面に実質的に沿う
    ように、前記遮光薄板部材を案内するガイド手段を備え
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の投射型表示装
    置用シャッター。
  4. 【請求項4】 前記ガイド手段は、前記所定角度位置に
    対する前記逆転側において、前記遮光薄板部材の移動方
    向に対する前記遮光薄板部材の両側部分を案内する第1
    のガイド部材を有することを特徴とする請求項3記載の
    投射型表示装置用シャッター。
  5. 【請求項5】 前記ガイド手段は、少なくとも前記所定
    角度位置付近における前記所定角度位置に対する正転及
    び逆転の両側において、前記遮光薄板部材における前記
    中心軸の方向の中間部分を案内する第2のガイド部材を
    有することを特徴とする請求項3又は4記載の投射型表
    示装置用シャッター。
  6. 【請求項6】 前記第2のガイド部材の部分であって、
    前記遮光薄板部材における前記所定角度位置に対する正
    転側部分を案内する部分は、前記巻き取り部材の外周面
    に倣う形状を有し、前記巻き取り部材の外周面と近接し
    て配置されたことを特徴とする請求項5記載の投射型表
    示装置用シャッター。
JP7346825A 1995-12-13 1995-12-13 投射型表示装置用シャッター Pending JPH09160142A (ja)

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