JP2001215491A - 偏光ビームスプリッタ及びそれを用いた反射型液晶プロジェクタ - Google Patents

偏光ビームスプリッタ及びそれを用いた反射型液晶プロジェクタ

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JP2001215491A
JP2001215491A JP2000027195A JP2000027195A JP2001215491A JP 2001215491 A JP2001215491 A JP 2001215491A JP 2000027195 A JP2000027195 A JP 2000027195A JP 2000027195 A JP2000027195 A JP 2000027195A JP 2001215491 A JP2001215491 A JP 2001215491A
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light
beam splitter
polarization
liquid crystal
polarization beam
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JP2000027195A
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Yoshihiro Konuma
順弘 小沼
Takuya Shiaki
卓也 仕明
Tsutomu Nakajima
努 中島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱源である偏光板、誘電体多層膜、遮光枠から
の熱伝導があっても、偏光ビームスプリッタに局所的な
温度差を発生させず、光弾性による投射画像の画質劣化
を改善できる偏光ビームスプリッタ及びそれを用いた反
射型液晶プロジェクタを提供する。 【解決手段】偏光ビームスプリッタにおいて、第1の透
光性部材に添えて該第1の透光性部材よりも熱伝導率が
高い第2の透光性部材を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型液晶プロジ
ェクタに用いる偏光ビームスプリッタ及びそれを用いた
反射型液晶プロジェクタに係り、特に偏光ビームスプリ
ッタの透光性部材の光弾性による投写画像の劣化を改善
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の反射型液晶プロジェクタでは、偏
光子、検光子として一般に偏光ビームスプリッタが用い
られている。偏光ビームスプリッタとしては、光入射に
よる温度上昇に対して屈折率が局所的に変化しないこと
が要求される。これは、屈折率が変化すると投写画像に
色むらが発生してしまうからである。
【0003】この種の光弾性による投写画像の劣化を改
善する技術としては、例えば特開平9−54213号公
報に記載の投射型表示装置がある。
【0004】この開示資料によれば、偏光ビームスプリ
ッタを構成する透光性材料部材の光弾性定数を変えるこ
とにより実現したとの記載がある。また、種々の熱応
力、外部応力に対して光学的に安定な性能を確保でき、
投射画像の画質劣化を効果的に抑制する構造を備えた投
射型表示装置を提供することができるとの記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−54213号公報による技術では、光弾性定数
の低い特殊なガラス材料を選択あるいは開発する必要が
あるため、従来一般に用いられる光学ガラスに比べて高
価であったり、偏光ビームスプリッタの誘電体多層膜の
屈折率材料を選定できないといった設計上の問題や、誘
電体多層膜を形成しにくい場合があるといった製造上の
問題があった。
【0006】すなわち、光弾性が十分小さく、安価で、
偏光ビームスプリッタの誘電体多層膜の最適となる屈折
率であって、誘電体多層膜が製造上容易な光学ガラスが
望ましいが、そのような光学ガラスは入手が困難という
問題がある。
【0007】また、反射型液晶プロジェクタで用いる偏
光ビームスプリッタは、その偏光子、検光子としての消
光比性能、すなわち液晶プロジェクタとしてのコントラ
スト性能を十分に確保するために、補助的に偏光板が用
いられる。偏光板は発熱源であり、偏光板が偏光ビーム
スプリッタに密着または接合して配置した場合には、偏
光板からの熱が偏光ビームスプリッタに伝導して、特に
偏光ビームスプリッタの偏光板が配置された面の中央付
近が高温になり、周辺付近が低温になり、局所的に温度
差が生じて光弾性が問題となった。
【0008】また、偏光ビームスプリッタの誘電体多層
膜も発熱源であり、誘電体多層膜が配置された面の中央
付近が高温になり、周辺付近が低温になり、局所的に温
度差が生じて、光弾性が問題となった。
【0009】この偏光板、誘電体多層膜が発熱源となっ
た場合については、図面を用いて詳細に説明する。
【0010】図4は、反射型液晶プロジェクタの偏光ビ
ームスプリッタ近傍を表した平面図である。図におい
て、S偏光の入射光51は、偏光板52を介して偏光ビ
ームスプリッタ53の誘電体多層膜53aで反射され、
S偏光54となる。S偏光54は、反射型液晶表示素子
55で反射され、P偏光56となる。P偏光56は、再
び偏光ビームスプリッタ53に入射し、誘電体多層膜5
3aを透過し、偏光板57を介してS偏光58として出
射する。
【0011】ここで、偏光板52、偏光板53と偏光ビ
ームスプリッタ53とは接合されており、また偏光ビー
ムスプリッタ53自体も誘電体多層膜53aを挟み込ん
で接合されている。偏光ビームスプリッタ53を構成し
ている光学ガラスの熱伝導率が低いので、熱源である偏
光板52の中央部近傍A、誘電体多層膜53aの中央部
近傍C、偏光板57の中央部近傍Eが高温となり、熱源
から離れる偏光板52の周辺部近傍B、誘電体多層膜5
3aの周辺部近傍D、偏光板57の周辺部近傍Fが低温
となる。すなわち、A−B間、C−D間、E−F間で温
度差が発生することになる。
【0012】また、図示はしないが、偏光ビームスプリ
ッタは不要光の除去の目的で遮光枠を設ける場合があ
り、この場合には偏光ビームスプリッタの周辺部に配置
される遮光枠が発熱源となり、遮光枠近傍の周辺部が高
温となり、局所的に温度差が生じて、光弾性が問題とな
った。
【0013】なお、上記光弾性の問題は、液晶プロジェ
クタの電源を投入し、光源からの光が偏光ビームスプリ
ッタ内を通過し始めてから略1時間以内である。十分時
間が経過し、偏光ビームスプリッタの局所的な温度差が
なくなると光弾性の問題は解消される。
【0014】上記した、熱源である偏光板、誘電体多層
膜、遮光枠からの熱伝導で偏光ビームスプリッタに局所
的に温度差が生じて、光弾性が問題になることについて
は、特開平9−54213号公報では配慮されていなか
った。
【0015】なお、特開平9−54213号公報に記載
の液晶プロジェクタ装置には、液晶プロジェクタ装置に
おける透明板として熱伝導性の高いサファイア基板を用
いることによって、放熱性を高めるようにしたものが開
示されている。しかし、この開示資料ではサファイア基
板の放熱性の効果についての記載はあるが、上記公知資
料と同様、熱源である偏光板、誘電体多層膜、遮光枠か
らの熱伝導で偏光ビームスプリッタに局所的に温度差が
生じて、光弾性が問題になることについてについては配
慮されていなかった。
【0016】そこで本発明の目的は、熱源である偏光
板、誘電体多層膜、遮光枠からの熱伝導があっても、偏
光ビームスプリッタに局所的な温度差を発生させず、光
弾性による投射画像の画質劣化を改善できる偏光ビーム
スプリッタを提案することにある。
【0017】また、本発明の目的は、熱源である偏光
板、誘電体多層膜、遮光枠からの熱伝導があっても、偏
光ビームスプリッタに局所的な温度差を発生させず、光
弾性による投射画像の画質劣化を改善できる偏光ビーム
スプリッタを用いた反射型液晶プロジェクタを提案する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、 1)光源、反射型液晶表示素子、投写レンズを備える反
射型液晶プロジェクタに用いられる偏光ビームスプリッ
タであって、誘電体多層膜を挟んで配される第1の透光
性部材と、該第1の透光性部材に添えて設けられ該第1
の透光性部材よりも熱伝導率が高い第2の透光性部材を
備えた構成とする。
【0019】2)上記構成において、第2の透光性部材
をサファイア基板で形成する。
【0020】3)上記構成において、第2の透光性部材
をダイヤモンド基板で形成する。
【0021】4)上記構成において、第2の透光性部材
を第1の透光性部材と前記誘電体多層膜との間に配す
る。
【0022】5)上記構成において、第1、第2の透光
性部材の屈折率の差を略±0.12以下とする。
【0023】6)上記構成において、第2の透光性部材
を、偏光板と前記第1の透光性部材の間に配する。
【0024】7)上記構成において、第2の透光性部材
に光を遮るための遮光枠を添えた構成とする。
【0025】8)上記1)から7)のいずれかの偏光ビ
ームスプリッタを用いて反射型液晶プロジェクタを構成
する。
【0026】9)上記8)の反射型液晶プロジェクタで
あって、光源、色分離光学系、3枚の反射型液晶表示素
子、偏光板、プリズムを含む色合成光学系、投写レン
ズ、及び特定波長域の光の偏光を回転させる偏光回転素
子とを備え、該光源からの照明光を該色分離光学系によ
りRGBの3原色に分離して該3枚の反射型液晶表示素
子に入射させ、該反射型液晶表示素子により反射された
3原色の映像光を該色合成光学系によりカラー映像光へ
と合成し、該カラー映像光を該投写レンズにより拡大投
写するようにした構成を有し、該色合成光学系中に該偏
光回転素子を備え、該偏光回転素子が3原色の映像光の
内2色が通過する光路中に配置され、第1の偏光ビーム
スプリッタプリズム、第1の偏光回転素子、第1の偏光
板、第2の偏光ビームスプリッタプリズム、第2の偏光
回転素子、第2の偏光板、第3の偏光ビームスプリッタ
プリズムを互いに近接または接合させて構成し、かつ該
第1の偏光ビームスプリッタプリズムと該第2の偏光ビ
ームスプリッタプリズムの間と、該第3の偏光ビームス
プリッタプリズムと該第2の偏光ビームスプリッタプリ
ズム間のいずれか一方または両方に第2の透光性部材を
設けた構成とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
例を説明する。
【0028】図1は、本発明の実施例の液晶プロジェク
タの上面概略図である。
【0029】光源1から放射された白色光は、リフレク
タにより、略平行光2へと変換される。略平行光2は、
R光の成分2R、G光の成分2G、B光の成分2Bから
なり、偏光変換素子3によりS偏光へと変換され、Rの
S偏光4R、GのS偏光4G、BのS偏光4Bとなる。
【0030】G反射RB透過ダイクロイックミラー5に
入射したRのS偏光4R、BのS偏光4Bは、ダイクロ
イック面を透過した後、偏光板7を透過しP偏光成分が
ほぼ完全にカットされ、RのS偏光8R、BのS偏光8
Bとなる。尚、この位置に偏光板7を配置する理由は、
偏光変換素子3による偏光の整流化が十分ではなく、こ
の時点での入射光4R、4G、4Bには一部P偏光が含
まれ、画像のコントラストを劣化させるため、偏光板7
により偏光を揃えることでより高い画像のコントラスト
が得られることにある。RのS偏光8RとBのS偏光8
BはB光の偏光を回転させる偏光回転素子9に入射し、
RのS偏光は変化せず、RのS偏光10Rとなり、Bの
S偏光は偏光が回転し、BのP偏光10Bとなる。
【0031】偏光板7、偏光回転素子9は、熱伝導率の
高い透光性部材であるサファイア基板11bに接合され
ており、さらにサファイア基板11bは第1のプリズム
に相当する偏光ビームスプリッタ11に接合されてい
る。
【0032】サファイア基板11bは偏光ビームスプリ
ッタ11の光学ガラスに比べて熱伝導率が高いため、偏
光板7で発生した熱を偏光回転素子9を介し、中央部か
ら周辺部に向かって効率良く拡散することができ、局所
的な温度差を低減でき、光弾性による画像の色むらへの
影響を最小限にすることができる。
【0033】サファイア基板11bを介して、第1のプ
リズムに相当する偏光ビームスプリッタ11に入射した
RのS偏光10Rはスプリッタ面である誘電体多層膜1
1aにより反射され、RのS偏光12Rとなり、反射型
液晶表示素子13Rに入射する。ここで反射型液晶表示
素子13Rにより、明るく表示させる光は、RのP偏光
14Rとして反射され、暗く表示させる光はRのS偏光
のまま反射される。尚、図1では、暗く表示させる場合
の光についてはRGBともに省略する。明るく表示させ
る光、RのP偏光14Rは、再び偏光ビームスプリッタ
11に入射し、今度はP偏光であるためスプリッタ面1
1aを透過し、RのP偏光15Rとなる。
【0034】一方、Bの偏光を回転させる偏光回転素子
9を透過したBのP偏光10Bは、サファイア基板11
bを介して偏光ビームスプリッタ11に入射し、スプリ
ッタ面である誘電体多層膜11aを透過してBのS偏光
12Bとなり、Bの反射型液晶表示素子13Bに入射す
る。ここでBの反射型液晶表示素子13Bにより、明る
く表示させる光は、BのS偏光14Bとして反射され、
暗く表示させる光はBのP偏光のまま反射される。明る
く表示させる光、BのS偏光14Bは、偏光ビームスプ
リッタ11に再度入射し、今回はS偏光であるため、ス
プリッタ面である誘電体多層膜11aにより反射され、
BのS偏光15Bとなり、RのP偏光15Rと合成され
る。
【0035】偏光板18、偏光回転素子16は、熱伝導
率の高い透光性部材であるサファイア基板11cに接合
されており、さらにサファイア基板11cは第1のプリ
ズムに相当する偏光ビームスプリッタ11に接合されて
いる。また、偏光板11と第2のプリズムに相当する偏
光ビームスプリッタ20とも接合されている。
【0036】サファイア基板11cは偏光ビームスプリ
ッタ11の光学ガラスに比べて熱伝導率が高いため、偏
光板18で発生した熱を偏光回転素子16を介し、中央
部から周辺部に向かって効率良く拡散することができ、
局所的な温度差を低減でき、光弾性による画像の色むら
への影響を抑えることができる。
【0037】合成されたRのP偏光15RとBのS偏光
15Bは、サファイア基板11cを介してB光の偏光を
回転させる偏光回転素子16に入射し、RのP偏光15
Rは変化せずにRのP偏光17Rとなり、BのS偏光1
5Bは偏光が回転、BのP偏光17Bとなる。R、B共
にP偏光となった光は、次にP偏光を通過させるように
配置された偏光板18に入射し、不要なS偏光の迷光が
カットされ、高いコントラストを持つRのP偏光19R
及びBのP偏光19Bとなる。
【0038】RのP偏光19RとBのP偏光19Bとは
第2のプリズムに相当する偏光ビームスプリッタ20に
入射し、スプリッタ面20aを透過し、RのP偏光21
R、BのP偏光21Bとなる。
【0039】また、Gの光については、光源1より出射
したGの光2Gは、偏光変換素子3によりGのS偏光4
Gに変換された後、G反射RB透過ダイクロイックミラ
ー5により反射され、GのS偏光6Gとなり、偏光板2
5に入射する。
【0040】偏光板25は、熱伝導率の高い透光性部材
であるサファイア基板27bに接合されており、さらに
サファイア基板27bは第3のプリズムに相当する偏光
ビームスプリッタ27に接合されている。
【0041】サファイア基板27bは偏光ビームスプリ
ッタ27の光学ガラスに比べて熱伝導率が高いため、偏
光板25で発生した熱を、中央部から周辺部に向かって
効率良く拡散することができ、局所的な温度差を低減で
き、光弾性による画像の色むらへの影響を最小限にする
ことができる。
【0042】偏光板25に入射すると、P偏光成分がほ
ぼ完全にカットされ、GのS偏光26Gとなり、サファ
イア基板27bを介して第3のプリズムに相当する偏光
ビームスプリッタ27に入射する。
【0043】偏光ビームスプリッタ27に入射したGの
S偏光26Gは、スプリッタ面である誘電体多層膜27
aにより反射されGのS偏光28GとなりGの反射型液
晶表示素子29Gに入射する。ここで明るく表示させる
光はGのP偏光30Gとして反射され、再び偏光ビーム
スプリッタ27に入射し、今回はP偏光であるため、ス
プリッタ面である誘電体多層膜27aを透過してGのP
偏光31Gとなる。
【0044】偏光回転素子34、偏光板32は、熱伝導
率の高い透光性部材であるサファイア基板27cに接合
されており、さらにサファイア基板27cは第3のプリ
ズムに相当する偏光ビームスプリッタ27に接合されて
いる。また、偏光回転素子34と第2のプリズムに相当
する偏光ビームスプリッタ20とも接合されている。
【0045】サファイア基板27cは偏光ビームスプリ
ッタ27の光学ガラスに比べて熱伝導率が高いため、偏
光板32で発生した熱を、中央部から周辺部に向かって
効率良く拡散することができ、局所的な温度差を低減で
き、光弾性による画像の色むらへの影響を抑えることが
できる。
【0046】ここで、GのP偏光31Gは、サファイア
基板27cを介し、P偏光を透過させるように配置され
た偏光板32を透過し33Gとなった後、偏光回転素子
34に入射して偏光が回転され、GのS偏光35Gとな
る。
【0047】GのS偏光35Gは、ここで偏光ビームス
プリッタ20に入射し、スプリッタ面20aで反射され
GのS偏光36Gとなり、RのP偏光21R、BのP偏
光21Bとなる。
【0048】ここで、RのP偏光21R、GのS偏光3
6GとBのP偏光21Bは、R光とB光の偏光を回転さ
せる偏光回転素子22に入射し、GのS偏光36Gは変
化せずGのS偏光37Gとなり、RのP偏光21Rは偏
光が回転し、RのS偏光23Rとなり、BのP偏光21
Bは偏光が回転し、BのS偏光23Bとなり、合成され
た映像光はR、G、B全てS偏光の成分を持ち、投写レ
ンズ24により投写光38となり、スクリーン等に拡大
投写される。投写レンズから出射する偏光面を全て同一
のS偏光とすることにより、偏光スクリーンへの対応
や、所定の偏光方向の光の入射が指定されている背面投
写型スクリーンへの対応ができる。
【0049】本実施例によれば、Gの反射型液晶表示素
子29Gにより反射されたGの映像光31Gは、偏光回
転素子34を通過する前に偏光板32に入射するため偏
光の乱れが少なくコントラストが高い。よって画像コン
トラストへの影響の多いG光について特に高い画像のコ
ントラストを得ることができる。
【0050】また、本実施例によれば、偏光回転素子1
6を通過するR光15R及びB光15Bは波長回転角の
過渡域の波長の光を含まないため、通過後の楕円偏光が
少なく、偏光板18を通過した後に高い画像コントラス
トを得ることができる。また、本実施例では画像のコン
トラストを向上させるために、R光とG光、及びG光と
B光の間の光をカットする必要がなく、高い光利用率が
得られる。
【0051】また本実施例によれば、偏光変換素子3か
ら反射型液晶表示素子13R、13G、13Bまでの距
離を略等しくすることができ、色むらの少ない画像を得
ることができる。また偏光変換素子3から反射型液晶表
示素子までの距離、及び反射型液晶表示素子から投写レ
ンズ24までの距離を、共に反射型液晶表示素子の横辺
の長さの約2.5倍にすることができ、投写レンズのバ
ックフォーカスの短縮化、光学系全体の小型軽量化、更
には光利用効率の向上も実現できる。
【0052】尚、投写レンズのフォーカス性能向上のた
め、各反射型液晶表示素子と偏光ビームスプリッタの間
にコンデンサレンズを配置してもよいが、図中では省略
した。
【0053】ここで、本発明の実施例では、色合成光学
系中に第1のプリズムである偏光ビームスプリッタプリ
ズム11、第2のプリズムである偏光ビームスプリッタ
プリズム20、第3のプリズムである偏光ビームスプリ
ッタプリズム27を配置し、かつ第1のプリズムと、第
2のプリズムの間に第1の遮光枠として、偏光回転素子
16の周辺に遮光枠16a、偏光板18の周辺に遮光枠
18aを設け、かつ第3のプリズムと、第2のプリズム
の間に第2の遮光枠として、偏光板32の周辺に遮光枠
32a、偏光回転素子34の周辺に遮光枠34aを設
け、かつ第1の遮光枠と第2の遮光枠の開口幅を同一幅
とし、かつ第1の遮光枠と第2の遮光枠を光軸に対して
左右対称に配置した。
【0054】ここで、遮光枠は光を遮光する手段であれ
ばどんなものでもよく、黒色塗料、クロム、有機膜など
も遮光手段として適用可能である。これらの遮光膜は偏
光ビームスプリッタ内で発生する不要反射光を除去する
効果がある。
【0055】尚、偏光板7、偏光回転素子9、サファイ
ア基板11b、偏光ビームスプリッタ11、偏光回転素
子16、偏光板18、偏光ビームスプリッタ20、偏光
回転素子34、偏光板32、サファイア基板27c、偏
光ビームスプリッタ27、サファイア基板27b、偏光
板25を互いに張り合わせることにより、各光学部品間
の界面反射を最小限にすることができる。また、張り合
わせることにより、各光学部品の経時変化による位置ず
れが抑えられ、R、G、Bの各色光の画像のコンバーゼ
ンス精度を維持することができる。
【0056】尚、図1に示した実施例においては、偏光
板7に対応してサファイア基板11bを、偏光板18に
対応してサファイア基板11cを、偏光板25に対応し
てサファイア基板27bを、また偏光板32に対応して
サファイア基板27cをそれぞれ配置した。
【0057】ここで、サファイア基板11cは、遮光枠
16a、遮光枠18aに対応し、遮光枠の熱を拡散させ
る効果を併せ持つ。また、サファイア基板27cは、遮
光枠32a、遮光枠34aに対応し、遮光枠の熱を拡散
する効果を併せ持つ。
【0058】なお、上記実施例においては、偏光ビーム
スプリッタの光弾性に影響を与える熱源としては、偏光
板と遮光枠を取り上げたが、必ずしもこれに限られな
い。
【0059】図2、図3は、それぞれ熱源である偏光ビ
ームスプリッタ27のスプリッタ面である誘電体多層膜
27aと偏光ビームスプリッタ11のスプリッタ面であ
る誘電体多層膜11aに対応してサファイア基板を配置
した別の実施例を示す偏光ビームスプリッタの上面図で
ある。
【0060】図2においては、偏光ビームスプリッタ2
7とスプリッタ面である誘電体多層膜27aとの間にサ
ファイア基板27dを配置した。これにより、誘電体多
層膜27aで発生した熱を、中央部から周辺部に向かっ
て効率良く拡散することができ、局所的な温度差を低減
でき、光弾性による画像の色むらへの影響を抑えること
ができる。図4に示した従来の構成で問題となっていた
A−B間、C−D間、E−F間で発生していた温度差が
全て解消され、光弾性による画像の色むらへの影響を抑
えることができる。
【0061】図3においては、偏光ビームスプリッタ1
1とスプリッタ面である誘電体多層膜11aとの間にサ
ファイア基板11dを配置した。これにより、誘電体多
層膜11aで発生した熱を、中央部から周辺部に向かっ
て効率良く拡散することができ、局所的な温度差を低減
でき、光弾性による画像の色むらへの影響を抑えること
ができる。図3には示していないが、図2と同様の効果
があり、光弾性による画像の色むらへの影響を抑えるこ
とができる。
【0062】尚、偏光ビームスプリッタ11の屈折率
と、サファイア基板の屈折率との差はなるべく小さいこ
とが望ましい。これは、斜めに配置された平行平板であ
るサファイア基板による非点収差の発生を抑えるためで
ある。
【0063】一般に用いる光学ガラスであるBK−7の
屈折率は1.52、サファイア基板の屈折率は1.76
であり、屈折率差は0.24である。この屈折率差を半
分以下、すなわち0.12以下となるように光学ガラス
を選ぶことにより、非点収差をBK−7を用いた場合の
半分以下にすることができる。
【0064】尚、本実施例では偏光ビームスプリッタの
光学ガラスに比べて熱伝導率の高い透光性部材としてサ
ファイア基板を用いたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えばダイヤモンド基板を用いてもよい。
【0065】サファイア基板やダイヤモンド基板は一般
的な光学ガラスに比べて高価なため、偏光ビームスプリ
ッタの一部で、かつ発熱源近傍に配置することにした
が、将来安価になれば、偏光ビームスプリッタ自身をサ
ファイヤ基板またはダイヤモンド基板で形成してもかま
わない。
【0066】また、本実施例では、発熱源である偏光
板、遮光枠、誘電体多層膜の近傍のみにサファイア基板
を設けたが、これ以外の場所にもサファイア基板を配置
してもよい。この場合には、偏光ビームスプリッタの光
学ガラス自身が通過光を熱吸収して局所的に温度差が発
生するのを低減する効果がある。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱源である偏光板、誘電体多層膜、遮光枠からの熱伝導
があっても、偏光ビームスプリッタに局所的な温度差を
発生させず、このため、投射画像の画質を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の反射型液晶プロジェクタの概
略上面図である。
【図2】本発明の実施例の偏光ビームスプリッタの概略
上面図である。
【図3】本発明の実施例の偏光ビームスプリッタの概略
上面図である。
【図4】従来の偏光ビームスプリッタの概略上面図であ
る。
【符号の説明】
1…光源、2…略平行光、2R…R光、2G…G光、2
B…B光、3…偏光変換素子、4R…RのS偏光、4G
…GのS偏光、4B…BのS偏光、5…G反射RB透過
ダイクロイックミラー、6R…RのS偏光、6G…Gの
S偏光、6B…BのS偏光、7…偏光板、8R…RのS
偏光、8B…BのS偏光、9…B光の偏光を回転させる
偏光回転素子、10R…RのS偏光、10B…BのP偏
光、11…偏光ビームスプリッタプリズム、11a…ス
プリッタ面、11b…サファイア基板、11c…サファ
イア基板、12R…RのS偏光、12B…BのP偏光、
13R…Rの反射型液晶表示素子、13B…Bの反射型
液晶表示素子、14R…RのP偏光、14B…BのS偏
光、15R…RのP偏光、15B…BのS偏光、16…
B光の偏光を回転させる偏光回転素子、16a…遮光
枠、17R…RのP偏光、17B…BのP偏光、18…
偏光板、18a…遮光枠、19R…RのP偏光、19B
…BのS偏光、20…偏光ビームスプリッタプリズム、
20a…スプリッタ面、21R…RのP偏光、21B…
BのP偏光、22…R光及びB光の偏光を回転させる偏
光回転素子、23R…RのS偏光、23B…BのS偏
光、24…投写レンズ、25…偏光板、26G…GのS
偏光、27…偏光ビームスプリッタ、27a…スプリッ
タ面、27b…サファイア基板、27c…サファイア基
板、28G…GのS偏光、29G…Gの反射型液晶表示
素子、30G…GのP偏光、31G…GのP偏光、32
…偏光板、32a…遮光枠、33G…GのP偏光、34
…偏光回転素子、34a…遮光枠、35G…GのS偏
光、36G…GのS偏光。
フロントページの続き (72)発明者 中島 努 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディアシステ ム事業部内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA05 BA08 BA43 BB03 BB62 BC22 2H088 EA14 EA16 EA68 HA01 HA13 HA14 HA18 HA20 HA21 HA24 KA05 MA02 MA20 2H091 FA05X FA08X FA10X FA14X FA14Z FA26X FA41X FA41Z LA04 LA17 MA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源、反射型液晶表示素子、投写レンズを
    備える反射型液晶プロジェクタに用いられる偏光ビーム
    スプリッタであって、誘電体多層膜を挟んで配される第
    1の透光性部材と、該第1の透光性部材に添えて設けら
    れ該第1の透光性部材よりも熱伝導率が高い第2の透光
    性部材を備えた構成を特徴とする偏光ビームスプリッ
    タ。
  2. 【請求項2】前記第2の透光性部材がサファイア基板で
    形成される請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
  3. 【請求項3】前記第2の透光性部材がダイヤモンド基板
    で形成される請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
  4. 【請求項4】前記第2の透光性部材が前記第1の透光性
    部材と前記誘電体多層膜との間に配される請求項1に記
    載の偏光ビームスプリッタ。
  5. 【請求項5】前記第2の透光性部材は、前記第1の透光
    性部材の屈折率の差が略±0.12以下である請求項4
    に記載の偏光ビームスプリッタ。
  6. 【請求項6】前記第2の透光性部材は、偏光板と前記第
    1の透光性部材の間に配される請求項1に記載の偏光ビ
    ームスプリッタ。
  7. 【請求項7】前記第2の透光性部材には、光を遮るため
    の遮光枠が添えられた構成である請求項1に記載の偏光
    ビームスプリッタ。
  8. 【請求項8】請求項1から7のいずれかに記載の偏光ビ
    ームスプリッタを用いた反射型液晶プロジェクタ。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の反射型液晶プロジェクタ
    であって、光源、色分離光学系、3枚の反射型液晶表示
    素子、偏光板、プリズムを含む色合成光学系、投写レン
    ズ、及び特定波長域の光の偏光を回転させる偏光回転素
    子とを備え、該光源からの照明光を該色分離光学系によ
    りRGBの3原色に分離して該3枚の反射型液晶表示素
    子に入射させ、該反射型液晶表示素子により反射された
    3原色の映像光を該色合成光学系によりカラー映像光へ
    と合成し、該カラー映像光を該投写レンズにより拡大投
    写するようにした構成を有し、該色合成光学系中に該偏
    光回転素子を備え、かつ該偏光回転素子が3原色の映像
    光の内2色が通過する光路中に配置され、第1の偏光ビ
    ームスプリッタプリズム、第1の偏光回転素子、第1の
    偏光板、第2の偏光ビームスプリッタプリズム、第2の
    偏光回転素子、第2の偏光板、第3の偏光ビームスプリ
    ッタプリズムを互いに近接または接合させて構成し、か
    つ該第1の偏光ビームスプリッタプリズムと該第2の偏
    光ビームスプリッタプリズムの間と、該第3の偏光ビー
    ムスプリッタプリズムと該第2の偏光ビームスプリッタ
    プリズム間のいずれか一方または両方に第2の透光性部
    材を設けた反射型液晶プロジェクタ。
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