JP2003279734A - 偏光子と液晶装置及び投射型表示装置 - Google Patents

偏光子と液晶装置及び投射型表示装置

Info

Publication number
JP2003279734A
JP2003279734A JP2002079166A JP2002079166A JP2003279734A JP 2003279734 A JP2003279734 A JP 2003279734A JP 2002079166 A JP2002079166 A JP 2002079166A JP 2002079166 A JP2002079166 A JP 2002079166A JP 2003279734 A JP2003279734 A JP 2003279734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarizer
liquid crystal
substrate
crystal device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002079166A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Tsuchiya
豊 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002079166A priority Critical patent/JP2003279734A/ja
Publication of JP2003279734A publication Critical patent/JP2003279734A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ、スイッチング素子のスイッチ
ング特性の低下を防止できる液晶装置を提供する。 【解決手段】 光出射側のTFTアレイ基板10が半導
体層を有するスイッチング素子を具備し、対向基板20
側から液晶層50に光が入射し、基板10側から出射さ
れる構造とされ、基板10側の偏光手段40aとして偏
光子105と、この偏光子105の光出射側の光吸収型
偏光子41を備え、基板20側の偏光手段40bとして
光吸収型偏光子42を備えた液晶装置。偏光子105は
光透過性基板の一方の表面に構造複屈折体を具備してな
り、上記構造複屈折体はストライプ状に配列された複数
の光吸収体を有し、該光吸収体は光吸収性無機材料から
なるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光子と液晶装置
及び投射型表示装置に係り、特に、耐久性に優れた液晶
装置及び投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に
搭載される光変調手段や、携帯電話等に搭載される直視
型表示装置として用いられる液晶装置は、液晶層を挟持
して対向配置され、液晶層に電圧を印加するための電極
を具備する一対の基板を主体として構成されている。液
晶装置としては、一方の基板側から入射した光が、液晶
層を透過し、他方の基板側から光が出射される構造の透
過型液晶装置が知られており、透過型液晶装置において
は、一対の基板の外側に、各々、特定の偏光のみを透過
する偏光子を設けることにより、電圧無印加時、電圧印
加時における液晶層内の液晶分子の配列を光学的に識別
し、表示を行う構成になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の透過型液晶装置
では、偏光子として、特定の偏光のみを透過し、それ以
外の偏光を吸収するプラスチックからなる光吸収型偏光
子が広く用いられている。しかしながら、光源として高
輝度の光源を用いた場合には、偏光子に吸収される光量
が多く、偏光子の温度が高くなり、その結果、偏光子が
劣化して液晶装置の耐久性が低下するという恐れがあっ
た。この問題は特に、強い光源を用いる投射型表示装置
に搭載する場合に顕著な問題であった。また、偏光子の
劣化の問題は、光入射側の偏光状態が偏光変換系により
一方の偏光に概略揃っているとき入射側の偏光子での吸
収は少ないのに対して、光出射側の偏光子では黒(暗)
表示時において、液晶層を透過した光のほとんどすべて
を吸収する必要があり、検光子として機能する光出射側
の偏光子において顕著な問題であった。
【0004】また、光出射側の偏光子を、特定の偏光の
みを透過し、それ以外の偏光を反射する光反射型偏光子
により構成したものがある。この光反射型偏光子はガラ
ス基板の表面にアルミニウム、銀、銀合金等の光の反射
率が高い材料からなる光反射体を複数ストライプ状に形
成されたものである。この光反射型偏光子を用いた場合
には、偏光子での光吸収が起こらないため、上述の問題
を回避することができるが、トランジスタ素子等のスイ
ッチング素子を用いたアクティブマトリクス型液晶装置
においては、光出射側の偏光子により反射された光がス
イッチング素子の半導体層に入射し、光リーク電流を生
じさせ、素子のスイッチング特性が低下する恐れがあっ
た。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、耐久性を向上できる偏光子と、耐久性を向上でき
る液晶装置、及びスイッチング素子のスイッチング特性
の低下を防止することができる液晶装置と、このような
液晶装置を備えた投射型表示装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような
光反射型偏光子より反射された光に起因する素子のスイ
ッチング特性の低下を防止するために、特願2001−
116763に光出射側の基板の内面に形成されたトラ
ンジスタ素子の半導体層より液晶層側にこの液晶層に入
射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ状に配
列させた複数の光反射体を設けた液晶装置を提案してい
る。ところが、この液晶装置では、液晶装置内に複数の
光反射体を小さいピッチで形成しているので製造工程が
複雑になってしまう。
【0007】本発明者はさらに研究及び検討を行った結
果、以下の本発明の偏光子と液晶装置及び投射型表示装
置を発明するに到った。本発明の偏光子は、光透過性基
板の一方の表面に構造複屈折体を具備してなり、上記構
造複屈折体はストライプ状に配列された複数の光吸収体
を有し、該光吸収体は光吸収性無機材料からなるもので
あることを特徴とする。ここで、「構造複屈折体」と
は、「入射する光の偏光方向により、有効屈折率が異な
る構造体」のことを言い、構造複屈折体に入射する光の
偏光方向により有効屈折率が異なることを利用し、特定
の偏光のみを透過させ、特定の偏光のみを吸収すること
ができる。
【0008】本発明の偏光子においては、構造複屈折体
を構成する複数の光吸収体が光吸収性無機材料から形成
されているので、この構造複屈折体に高輝度の光が入射
しても構造複屈折体が劣化しにくく、プラスチックから
構成した従来の光吸収型偏光子に比べて耐久性を向上で
きる。また、本発明の偏光子では、上記構造複屈折体に
光が入射しても反射光が生じ難く、特定の偏光のみを透
過させ、特定の偏光のみを吸収することができるので、
上記反射光に起因して悪影響が生じるのを防止できる。
また、この偏光子は、ガラス基板等の光透過性基板の一
方の面上にマスクを配置し、上記の光吸収性無機材料か
らなる複数の光吸収体を蒸着法等の成膜法により成膜す
る方法、あるいはガラス基板等の光透過性基板の一方の
面上に光吸収性無機材料からなる膜を蒸着法等の成膜法
により形成後、フォトリソグラフィー技術によりパター
ニングすることにより容易に形成できる。
【0009】上記光吸収体を構成する光吸収性無機材料
としては、クロム、酸化クロム、酸化鉄、黒色アルマイ
トのうちから選択される1種以上が用いられるのが好ま
しい。上記光吸収体をクロムから構成した構造複屈折体
を備えた偏光子は、アルミニウムや銀等の光の反射率が
高い材料から構成した光反射型偏光子に比べて反射率が
低く、特定の偏光のみを透過させ、特定の偏光のみを吸
収でき、また、プラスチックフィルムからなる光吸収型
偏光子に比べて耐久性が優れている。上記光吸収体を酸
化クロム、酸化鉄、あるいは黒色アルマイトから構成し
た構造複屈折体を備えた偏光子は、上記構造複屈折体に
光が入射しても反射光が殆ど生じることなく、特定の偏
光のみを透過させ、特定の偏光のみを吸収でき、また、
プラスチックからなる光吸収型偏光子に比べて耐久性が
優れている。
【0010】上記構造複屈折体の上面には、保護層が形
成されていることが好ましい。保護層が形成されていな
い場合、ストライプ状に配列させた複数の光吸収体の凹
凸に埃やキズ等が着き、偏光選択能に悪影響が生じるこ
とがある。保護層を形成することによりこの悪影響を防
止することができる。保護層としては光吸収体よりも屈
折率が小さく透明な無機材料を用いた薄膜、例えば二酸
化珪素、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化マ
グネシウム等の蒸着膜等が好ましい。
【0011】本発明の液晶装置は、第1の基板と第2の
基板間に液晶層が挟持されてなる液晶パネルの上側と下
側の少なくとも一方に偏光手段が設けられ、該偏光手段
として上記構成の本発明の偏光子が備えられ、該偏光子
に備えられた構造複屈折体は、上記液晶層に入射する光
の波長よりも小さいピッチでストライプ状に配列された
複数の光吸収体を有することを特徴とする。本発明の液
晶装置においては、上記液晶パネルの上側と下側の少な
くとも一方に設けた偏光手段として上記構成の本発明の
偏光子が備えられたことにより、プラスチックからなる
従来の光吸収型偏光子を用いた場合と比べて、偏光子の
耐久性を向上でき、偏光子が劣化しにくいので、耐久性
に優れた液晶装置を提供することができる。
【0012】なお、本発明の液晶装置を透過型液晶装置
に適用する場合、他方の偏光手段においても一方の偏光
手段と同様に本発明の偏光子から構成しても良いし、従
来用いられていた光吸収型若しくは光反射型偏光子を用
いても良いが、本発明によれば、少なくとも一方の偏光
手段として本発明の偏光子が備えられた構成としている
ので、耐久性に優れた透過型液晶装置を提供することが
できる。また、プラスチックからなる光吸収型偏光子を
用いた従来の透過型液晶装置を投射型表示装置に搭載さ
れる光変調手段として用いる場合においては、光入射側
に比較して出射側の偏光子の光吸収に起因する劣化が顕
著であったことから、本発明は、第2の基板側から光が
入射し、第1の基板側から出射される構造の透過型液晶
装置に適用する場合に特に好適であり、この場合には、
出射側の偏光手段、すなわち、第1の基板側に設けられ
る偏光手段を耐久性に優れた本発明の偏光子により構成
することができるので、より耐久性に優れた透過型液晶
装置を提供することができる。
【0013】また、本発明の液晶装置は、光入射側と出
射側とが同一の反射型液晶装置にも適用することができ
る。すなわち、第2の基板側を光入射側、出射側(視認
側)とし、第1の基板側に反射層を設けても良く、この
場合には、第2の基板側に本発明に係わる偏光子を設け
れば、耐久性に優れた反射型液晶装置を提供することが
できる。
【0014】ここで、本発明の偏光子を液晶装置に備え
る場合の構造複屈折体の構造について具体的に説明す
る。本発明の液晶装置に備えられる構造複屈折体として
は、液晶層に入射する光の波長よりも小さいピッチでス
トライプ状に配列された複数の光吸収体を具備し、該光
吸収体を上記光吸収性無機材料から形成した構造のもの
が好適である。図3に基づいて、このような構造を有す
る構造複屈折体が、特定の偏光のみを透過し、特定の偏
光のみを吸収することができる理由について説明する。
【0015】図3に示すように、入射する光の波長より
も小さいピッチで、ストライプ状に配列された複数の媒
質A(光吸収性無機材料からなる光吸収体)101を具
備した構造の構造複屈折体100をガラス基板等の光透
過性基板104の一方の表面に設けた偏光子105にお
いて、隣接する媒質A101の間隙には、媒質A101
と異なる屈折率を有する媒質B102が充填されている
ことが必要である。なお、媒質B102としては、固
体、液体、気体を問わない。
【0016】このような構造の構造複屈折体100にお
いては、媒質A101の屈折率n1と媒質B102の屈
折率n2が異なるため、構造複屈折体100に入射した
光の偏光方向により有効屈折率が異なる。例えば、媒質
A101の屈折率n1が媒質B102の屈折率n2よりも
大きい場合には、各媒質A101の延在方向に対して略
平行方向に振動する偏光Aについての有効屈折率が、各
媒質A101の延在方向に対して略垂直方向に振動する
偏光Bについての有効屈折率よりも大きくなる。
【0017】媒質A、媒質Bが誘電体からなる場合、媒
質A101の厚みをa、媒質B102の厚みをbとする
と、構造複屈折体100に入射する光のうち、偏光Aに
ついての有効屈折率Na、偏光Bについての有効屈折率
Nbはそれぞれ下記式(1)、(2)により表されるこ
とが知られている(例えば、M. Born and E. Wolf :Pri
nciples of Optics, 1st ed. (Pergamon Press, New Yo
rk, 1959) p.705-708)。下記式(1)、(2)から分
かるように、媒質A101の厚みaと媒質B102の厚
みbの比により、有効屈折率をn1〜n2の範囲で変化さ
せることができる。
【0018】
【数1】
【0019】ここで媒質AがAl、Ag等の反射率の高
い金属を用いた場合は、偏光Aは反射するが、本発明の
ように低反射のクロムや、光吸収性の黒色アルマイト等
の光吸収性無機材料を用いた場合には偏光Aは殆ど反射
しないか、吸収されるようになる。このように、2種類
の媒質で、波長よりも小さい周期構造を形成することに
より、構造複屈折体の光軸(透過軸)と平行な偏光に対
しては透過させ、垂直な偏光に対しては殆ど反射しない
か、吸収させる作用を持たせることができる。また、媒
質A(光吸収体)の屈折率と媒質Bの屈折率の差が大き
い程、媒質Aのピッチは小さい程好ましく、このような
構造とすることにより、偏光Aと偏光Bについての有効
屈折率の差を大きくすることができる。
【0020】また、本発明の液晶装置を、トランジスタ
素子等の半導体層を有するスイッチング素子を用いたア
クティブマトリクス型液晶装置に適用する場合には、以
下の構成を採用することが好ましい。すなわち、上記第
1の基板が半導体層を有するスイッチング素子を具備
し、上記第2の基板側から上記液晶層に光が入射し、第
1の基板側から出射される構造とされ、上記第1の基板
側の偏光手段と上記第2の基板側の偏光手段のうち少な
くとも第1の基板側の偏光手段として上記の本発明の偏
光子を備えた構成とすることが好ましい。このような構
成とすることにより、第2の基板側から上記液晶層に光
が入射し、第1の基板側から出射された光が本発明の偏
光子に入射しても、反射光が殆ど生じることがなく、特
定の偏光のみを透過させ、特定の偏光のみを吸収するこ
とができるので、偏光子により反射された光がトランジ
スタ素子の半導体層に入射するといった問題が生じ難
く、光リーク電流に起因する素子のスイッチング特性の
低下を防止することができる。また、本発明の液晶装置
は、偏光子を液晶パネル内に内蔵するのでなく、液晶パ
ネルの第1の基板の外側に設けているものであり、ま
た、本発明の偏光子は先に述べた方法等により容易に形
成できるので、光反射型偏光子を内蔵させた従来の液晶
装置のような製造工程が複雑化するといった問題が起こ
らず、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0021】また、上記の構成の本発明の液晶装置にお
いて、上記第1の基板側の偏光手段としてさらに光吸収
型又は光反射型偏光子が備えられ、該偏光子は上記のい
ずれかの構成の本発明の偏光子の出射側に設けられてい
てもよい。ここでの光吸収型偏光子としては、プラスチ
ックを用いた従来の光吸収型偏光子を挙げることがで
き、また、光反射型偏光子としてはガラス基板の表面に
アルミニウム、銀、銀合金等の光の反射率が高い材料か
らなる光反射体を複数ストライプ状に形成された従来の
光反射型偏光子を挙げることができる。このように第1
の基板側に2種類の偏光子を設ける場合には、本発明の
偏光子の構造複屈折体における消光比がそれ程大きくな
くても、2種類の偏光子を合わせた時の消光比を大きく
することができ、また、上記光吸収型又は光反射型偏光
子を本発明の偏光子の出射側に設ける(言い換えれば、
本発明の偏光子を上記光吸収型又は光反射型偏光子の入
射側に設ける)ことで、本発明の偏光子を用いたことに
よるスイッチング特性の低下の防止及び耐久性の向上と
いった効果は保ことができる。なお、ここでの消光比
は、「光軸(透過軸)に平行な偏光の透過率/光軸(透
過軸)に垂直な偏光の透過率」により定義されるもので
ある。
【0022】また、本発明の液晶装置において、上記第
2の基板側の偏光手段として光吸収型又は光反射型偏光
子が備えられていてもよい。ここでの光吸収型又は光反
射型偏光子としては、先に述べたものと同様のものを用
いることができる。このように第2の基板側の偏光手段
として光吸収型又は光反射型偏光子を用いた場合は、第
1の基板側の偏光手段として本発明の偏光子が備えられ
た構成としているので、耐久性に優れた液晶装置を提供
することができる。
【0023】また、本発明の液晶装置において、上記第
2の基板側の偏光手段としてさらに上記のいずれかの構
成の本発明の偏光子が備えられ、該偏光子は上記光吸収
型又は光反射型偏光子の入射側に設けられていてもよ
い。このように第2の基板側に2種類の偏光子を設ける
場合には、本発明の偏光子の構造複屈折体における消光
比がそれ程大きくなくても、2種類の偏光子を合わせた
時の消光比を大きくすることができ、また、本発明の偏
光子を上記光吸収型又は光反射型偏光子の入射側に設け
る(言い換えれば上記光吸収型又は光反射型偏光子を本
発明の偏光子の出射側に設ける)ことで、本発明の偏光
子を用いたことによる耐久性の向上といった効果は保つ
ことができる。
【0024】また、本発明の液晶装置を光源として高輝
度の光源を用いる投射型表示装置に搭載される光変調手
段等に用いる場合には、上記液晶パネルと本発明の偏光
子とは離間されていることが好ましい。本発明の偏光子
は、従来の吸収型偏光子に比べて耐久性が優れている
が、光吸収体は光の吸収により多少温度が上昇するた
め、液晶パネルと離間されている方が、液晶パネルの温
度上昇を防止する効果が大きく、液晶装置の耐久性の向
上効果が大きい。また、温度上昇による画質低下を防ぐ
こともできる。また、本発明の液晶装置を光源として高
輝度の光源を用いる投射型表示装置に搭載される光変調
手段等に用いる場合には、上記光吸収型又は光反射型偏
光子と請求項1又は2に記載の偏光子とは離間されてい
ることが好ましい。本発明の偏光子は、従来の吸収型偏
光子に比べて耐久性が優れているが、光吸収体は光の吸
収により多少温度が上昇するため、上記光吸収型又は光
反射型偏光子と離間されている方が、光吸収型又は光反
射型偏光子の温度上昇を防止する効果(特に、光吸収型
偏光子の温度上昇の防止効果)が大きく、光吸収型又は
光反射型偏光子の劣化防止効果を高めることができ、液
晶装置の耐久性の向上効果が大きい。
【0025】以上の本発明の液晶装置を用いることによ
り、以下の本発明の投射型表示装置を提供することがで
きる。本発明の投射型表示装置は、光源と、上記光源か
らの光を変調する光変調手段と、上記光変調手段により
変調された光を投射する投射手段とが備えられてなり、
上記変調手段は上記のいずれか構成の本発明の液晶装置
からなることを特徴とする。本発明の投射型液晶装置
は、本発明の液晶装置を光変調手段として備えたもので
あるので耐久性に優れたものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態につ
いて詳細に説明する。 [偏光子を備えた液晶装置の実施形態]本発明に係る実施
形態の偏光子を備えた液晶装置の構造について図面を参
照して説明する。以下に述べる本実施形態の液晶装置
は、スイッチング素子としてTFT(Thin-Film Transi
stor)素子(トランジスタ素子)を用いたアクティブマ
トリクス型の透過型液晶装置である。また、本実施形態
では、表示モードとしてTNモードを採用した場合を例
として説明する。図1は本実施形態の透過型液晶装置の
断面図であり、図2はTFTアレイ基板(第1の基板)
10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板
(第2の基板)20の側から見た平面図である。なお、
図1においては、図示上側が光入射側、図示下側が出射
側である場合について図示している。また、この図1
は、図2のH−H’線断面図である。また、図2におい
ては、TFTアレイ基板10側と対向基板20の側の偏
光手段については図示を略した。また、各図において
は、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさと
するため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0027】本実施形態の液晶装置は、TFTアレイ基
板(第1の基板)10と対向基板(第2の基板)20の
間に液晶層50が挟持されてなる液晶パネル25と、こ
の液晶パネル25の下側に設けた第1偏光手段(第1の
基板側の偏光手段)40aと、この液晶パネル25の上
側に設けた第2偏光手段(第2の基板側の偏光手段)4
0bとが備えられている。
【0028】TFTアレイ基板10は、石英等の透光性
材料からなる基板本体10Aとその液晶層50側表面に
形成された画素電極、各画素電極をスイッチング制御す
る画素スイッチング用TFT素子、電圧無印加時におけ
る液晶層50内の液晶分子の配向を規制するための配向
膜を主体として構成されており、対向基板20はガラス
や石英等の透光性材料からなる基板本体20Aとその液
晶層50側表面にほぼ全面に渡って形成された、インジ
ウム錫酸化物(ITO)等からなる共通電極と、電圧無
印加時における液晶層50内の液晶分子の配向を規制す
るための配向膜とを主体として構成されている。上記画
素スイッチング用TFT素子(スイッチング素子)は、
LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走
査線、当該走査線からの電界によりチャネルが形成され
る半導体層のチャネル領域、走査線と上記半導体層とを
絶縁するゲート絶縁膜、データ線、上記半導体層の低濃
度ソース領域及び低濃度ドレイン領域、上記半導体層の
高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を備えてい
る。
【0029】また、図2に示すようにTFTアレイ基板
10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられ
ており、その内側に並行して、画像表示領域10aの周
辺を規定する額縁としての遮光膜53が設けられてい
る。シール材52の外側の領域には、上記データ線に画
像信号を所定タイミングで供給することにより上記デー
タ線を駆動するデータ線駆動回路201及び外部回路接
続端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設
けられており、上記走査線に走査信号を所定タイミング
で供給することにより走査線を駆動する走査線駆動回路
204が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられて
いる。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像
表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路20
4間をつなぐための複数の配線205が設けられてい
る。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇
所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20と
の間で電気的に導通をとるための導通材206が設けら
れている。そして、図1に示すように、図2に示すシー
ル材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シー
ル材52によりTFTアレイ基板10に固着されてい
る。
【0030】液晶パネル25の下側に設けた第1偏光手
段40aは、本発明の実施形態の偏光子105と、この
偏光子105の出射側(液晶パネル25と反対側)に配
置された光吸収型又は光反射型偏光子41から構成され
ている。偏光子105は、図3と同様のものが用いら
れ、ストライプ状に配列された複数の光吸収体101を
具備した構造の構造複屈折体100をガラス基板等の光
透過性基板104の一方の表面に設けたものである。上
記光吸収体101は光吸収性無機材料からなるものであ
り、この光吸収性無機材料としては、クロム、酸化クロ
ム、酸化鉄、黒色アルマイトのうちから適宜選択して用
いられる。
【0031】この偏光子105は液晶パネル25の外側
に設けられるので、隣接する光吸収体(媒質A)101
の間隙の媒質B102としては光吸収体101よりも屈
折率の低いものであれば特に充填されていなくてもよ
く、本実施形態の場合は、工程を単純化するためと屈折
率差を大きくし偏光選択能を上げるために空気層が採用
されている。複数の光吸収体101は、液晶層50に入
射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ状に配
列されている。この偏光子105は、基板104の表面
に形成する複数の光吸収体101を、その延在方向が偏
光子42の偏光軸に対して略平行になるように配列させ
ることにより、光吸収体101の延在方向に対して略平
行方向に振動するS偏光を吸収し、光吸収体101の延
在方向に対して略垂直方向に振動するP偏光(図示左右
方向に振動する偏光)を透過する構造とされている。ま
た、光吸収体101の屈折率と媒質B102の屈折率の
差が大きい程、光吸収体101のピッチは小さい程好ま
しい。本実施形態の透過型液晶装置を、光源として高輝
度の光源を用いる投射型表示装置に搭載される光変調手
段等に用いる場合には、先に述べた理由によりこの偏光
子105と液晶パネル25とは離間されていることが好
ましい。なお、直視型表示装置の表示部に用いる場合に
は、偏光子105と液晶パネル25とは接触していても
よい。
【0032】光吸収型偏光子41としては、プラスチッ
クを用いた従来の光吸収型偏光子が用いられ、また、光
反射型偏光子41としてはガラス基板の表面にアルミニ
ウム、銀、銀合金等の光の反射率が高い材料からなる光
反射体を複数ストライプ状に形成された従来の光反射型
偏光子が用いられる。この光吸収型偏光子41は、P偏
光(紙面左右方向に振動する偏光)のみを透過し、それ
以外の偏光を吸収する構成とされている。本実施形態の
透過型液晶装置は、光源として高輝度の光源を用いる投
射型表示装置に搭載される光変調手段等に用いる場合に
は、先に述べた理由により偏光子41と偏光子105と
は離間されていることが好ましい。なお、直視型表示装
置の表示部に用いる場合には、偏光子41と偏光子10
5とは接触していてもよい。
【0033】また、液晶パネル25の上側に設けた第2
偏光手段40bは、光吸収型又は光反射型偏光子42か
らなるものである。ここでの光吸収型偏光子42として
は、プラスチックを用いた従来の光吸収型偏光子が用い
られ、また、光反射型偏光子42としてはガラス基板の
表面にアルミニウム、銀、銀合金等の光の反射率が高い
材料からなる光反射体を複数ストライプ状に形成された
従来の光反射型偏光子が用いられる。この光吸収型偏光
子42は、S偏光(紙面に対して垂直方向に振動する偏
光)のみを透過し、それ以外の偏光を吸収する構成とさ
れている。なお、第2偏光手段40bとしては、偏光子
42の入射側(液晶パネル25と反対側)にさらに本発
明の実施形態の偏光子105が備えられたものであって
もよい。このように第2偏光手段40bとして、偏光子
105と光吸収型又は光反射型偏光子42を設ける場
合、この偏光子42と偏光子105とは先に述べた理由
から離間されていることが好ましい。
【0034】本実施形態では、TNモードを採用してい
るため、電圧無印加時の液晶層50のツイスト角が90
°に設定されるが、電圧無印加時の対向基板20側の液
晶分子の配向方向を偏光子42の偏光軸に対して略平行
方向、すなわち、紙面に対して垂直方向に設定し、TF
Tアレイ基板10側の液晶分子の配向方向をそれよりも
90°ずれた、紙面左右方向に設定する。なお、本明細
書において、「電圧無印加時」、「電圧印加時」とは、
それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧未
満である時」、「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値
電圧以上である時」を意味しているものとする。
【0035】また、本実施形態では、隣接する光吸収体
101間に空気層を有する構成としたが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、光吸収体101よりも屈折
率の低い材料であれば、媒質B102としていかなる材
料を充填しても良い。なお媒質B102に充填する材料
としては、固体、液体、気体を問わない。なお、媒質A
101に相当する上記光吸収体101の上面には、上記
光吸収体101を被覆するように媒質B102に相当す
る保護層が例えばフッ化マグネシウム等の材料から蒸着
等により形成されていることが偏光選択能を維持する上
では好ましい。また、上記実施形態では、偏光子105
の光吸収体101の延在方向が、光入射側の光吸収型偏
光子42の偏光軸に対して略平行な場合について説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、光吸収
体101の延在方向を、光入射側の光吸収型偏光子42
の偏光軸に対して略垂直としても良い。この場合には、
例えば、偏光子105の構造を先に述べた構造と同様と
し、光入射側の偏光子42を光吸収体101の延在方向
に対して略垂直な方向に振動するP偏光のみを透過する
光吸収型偏光子により構成すればよい。また、電圧無印
加時の対向基板20側の液晶分子の配向方向を偏光子4
2の偏光軸に対して略平行方向に設定し、TFTアレイ
基板10側の液晶分子の配向方向をそれよりも90°ず
れた方向に設定すればよい。また、光出射側の偏光子4
1の偏光軸を偏光子42の偏光軸に対して略垂直とすれ
ばよい。なお、本実施形態では、偏光子105の構造屈
折体100において、光吸収体101の延在方向を紙面
に対して垂直方向に設定し、構造屈折体100がS偏光
を吸収し、P偏光を透過する場合についてのみ説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、光吸収体
101の延在方向を図示左右方向に設定しても良い。こ
の場合には、構造屈折体100はS偏光を透過し、P偏
光を吸収する構造となる。以上図1から図2を参照して
説明した各実施形態では、データ線駆動回路201及び
走査線駆動回路204をTFTアレイ基板10の上に設
ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated bondin
g)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基
板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介し
て電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
【0036】以上説明した本実施形態の透過型液晶装置
によれば、以下の効果を得ることができる。プラスチッ
クからなる光吸収型偏光子を用いた従来の透過型液晶装
置においては、光源として高輝度の光源を用いた場合に
光吸収型偏光子の劣化の問題があり、特に光入射側に比
較して出射側の偏光子の光吸収に起因する劣化が顕著で
あった。これに対して、本実施形態では、出射側の偏光
手段40aとして、光吸収性無機材料からなる光吸収体
101を有する構造複屈折体100を備えた偏光子10
5と、光吸収型偏光子又は光反射型偏光子41の2種類
により構成し、さらに、この光吸収型偏光子41を出射
側に設ける(言い換えれば、偏光子105を光吸収型又
は光反射型偏光子41の入射側に設ける)構成としたの
で、構造複屈折体100に高輝度の光が入射しても構造
複屈折体100が劣化しにくく、プラスチックから構成
した従来の光吸収型偏光子に比べて耐熱性並びに耐光性
が優れており、耐久性に優れる。また、TFTアレイ基
板10側から出射された光が偏光子105に入射して
も、反射光が生じ難く、特定の偏光のみを透過させ、特
定の偏光のみを吸収することができるので、偏光子によ
り反射された光がトランジスタ素子の半導体層に入射す
るといった問題が起き難く、光リーク電流に起因する素
子のスイッチング特性の低下を防止することができる。
また、本実施形態の透過型液晶装置は、偏光子を液晶パ
ネル25内に内蔵するのでなく、液晶パネル25のTF
Tアレイ基板10の外側に設けているものであり、ま
た、この偏光子105は先に述べた方法等により容易に
形成できるので、製造工程の簡略化を図ることができ
る。
【0037】また、実施形態においては、TFT素子を
用いたアクティブマトリクス型液晶装置についてのみ説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、T
FD(Thin-Film Diode)素子を用いたアクティブマト
リクス型液晶装置やパッシブマトリクス型液晶装置等、
いかなる構造の液晶装置にも適用することができる。ま
た、本実施形態の液晶装置は、携帯電話等に搭載される
直視型表示装置の表示部として好適に用いることがで
き、その場合には、第2の偏光手段40bの光入射側に
バックライト等の照明装置が設けられる。また、本実施
形態の液晶装置は液晶プロジェクタ等の投射型表示装置
に搭載される光変調手段としても好適に用いることがで
き、この場合については後で詳細に説明する。
【0038】[投射型表示装置の実施形態]上記実施形
態の透過型液晶装置を光変調手段として備えた投射型表
示装置の構成について、図4を参照して説明する。図4
は、実施形態の透過型液晶装置のうちいずれかの液晶装
置を3個用意し、それぞれRGB用の液晶ライトバルブ
962R、962G、962Bとして用いた投射型表示
装置1100の光学系の概略構成図である。
【0039】投射型表示装置1100の光学系には、光
源装置920と、均一照明光学系923が採用されてい
る。そして、投射型表示装置1100は、この均一照明
光学系923から出射される光束Wを赤(R)、緑
(G)、青(B)に分離する色分離手段としての色分離
光学系924と、各色光束R、G、Bを変調する光変調
手段としての3つの液晶ライトバルブ962R、962
G、962Bと、変調された後の色光束を再合成する色
合成手段としての色合成プリズム910と、合成された
光束を投射面1200の表面に拡大投射する投射手段と
しての投射レンズユニット906を備えている。また、
青色光束Bを対応する液晶ライトバルブ962Bに導く
導光系927をも備えている。
【0040】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つの液晶ライトバルブ962R、
962G、962B付近で重畳される。従って、均一照
明光学系923を用いることにより、光源装置920が
出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合
でも、3つの液晶ライトバルブ962R、962G、9
62Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
【0041】色分離光学系924は、青緑反射ダイクロ
イックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー9
42と、反射ミラー943から構成される。まず、青緑
反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに含
まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射さ
れ、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。
赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の反射
ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出射部
944からプリズムユニット(色合成プリズム)910
の側に出射される。
【0042】次に、緑反射ダイクロイックミラー942
において、青緑反射ダイクロイックミラー941におい
て反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束G
のみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945か
ら色合成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイッ
クミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの
出射部946から導光系927の側に出射される。ま
た、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離光
学系924における各色光束の出射部944、945、
946までの距離がほぼ等しくなるように設定されてい
る。
【0043】色分離光学系924の赤色、緑色光束R、
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
このように平行化された赤色、緑色光束R、Gは、液晶
ライトバルブ962R、962Gに入射して変調され、
各色光に対応した画像情報が付加される。すなわち、こ
れらの液晶ライトバルブでは、図示を省略している駆動
手段によって画像情報に応じてスイッチング制御され
て、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われ
る。一方、青色光束Bは、導光系927を介して対応す
る液晶ライトバルブ962Bに導かれ、ここにおいて、
同様に画像情報に応じて変調が施される。
【0044】導光系927は、青色光束Bの出射部94
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、液晶ラ
イトバルブ962Bの手前側に配置した集光レンズ95
3とから構成されている。集光レンズ946から出射さ
れた青色光束Bは、導光系927を介して液晶ライトバ
ルブ962Bに導かれて変調される。各色光束の光路
長、すなわち、光束Wの出射部から各液晶ライトバルブ
962R、962G、962Bまでの距離は青色光束B
が最も長くなり、液晶ライトバルブ962Bの照明され
る条件が他の色と異なってしまう。しかし、導光系92
7を介在させることにより、他の色と同じ照明条件に補
正することができる。
【0045】各液晶ライトバルブ962R、962G、
962Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色
合成プリズム910に入射され、ここで合成される。そ
して、この色合成プリズム910によって合成された光
が投射レンズユニット906を介して所定の位置にある
投射面1200の表面に拡大投射されるようになってい
る。以上のように構成された投射型表示装置1100
は、上記実施形態の透過型液晶装置を光変調手段として
備えたものであるので、耐久性に優れたものとなる。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明の偏光
子においては、構造複屈折体を構成する複数の光吸収体
を光吸収性無機材料から形成したので、この構造複屈折
体に高輝度の光が入射しても構造複屈折体が劣化しにく
く、プラスチックから構成した従来の光吸収型偏光子に
比べて耐久性を向上できる。また、本発明の偏光子で
は、上記構造複屈折体に光が入射しても反射光が生じ難
く、特定の偏光のみを透過させ、特定の偏光のみを吸収
することができるので、上記反射光に起因して悪影響が
生じるのを防止できる。
【0047】また、本発明の液晶装置においては、上記
液晶パネルの上側と下側の少なくとも一方に設けた偏光
手段として上記構成の本発明の偏光子が備えられたこと
により、耐久性に優れた液晶装置を提供することができ
る。また、本発明の液晶装置において、上記第1の基板
が半導体層を有するスイッチング素子を具備し、上記第
2の基板側から上記液晶層に光が入射し、第1の基板側
から出射される構造とされ、上記第1の基板側の偏光手
段と上記第2の基板側の偏光手段のうち少なくとも第1
の基板側の偏光手段として上記の本発明の偏光子を備え
た構成としたものにおいては、製造工程が複雑化するこ
となく、耐久性に優れ、スイッチング素子のスイッチン
グ特性の低下を防止できる透過型液晶装置を提供するこ
とができる。また、本発明の投射型液晶装置は、本発明
の液晶装置を光変調手段として備えたものであるので耐
久性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる実施形態の透過型液晶装置の
断面図である。
【図2】 図2は図1の透過型液晶装置のTFTアレイ
基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の
側から見た平面図である。
【図3】 図3は、本発明に係わる偏光子の構造複屈折
体が、特定の偏光のみを透過し、特定の偏光のみを吸収
することができる理由を説明するための図である。
【図4】 図4は、本発明に係る実施形態の透過型液晶
装置を備えた投射型表示装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10…TFTアレイ基板(第1の基板)、20…対向基
板(第2の基板)、50…液晶層、25…液晶パネル、
40a…第1の偏光手段、40b…第2の偏光手段、4
1,42…光吸収型又は光反射型偏光子、100…構造
複屈折体、101…媒質A(光吸収体)、102…媒質
B、104…ガラス基板(光透過性基板)、105…偏
光子 、906…投射レンズユニット、920…光源装
置、923…均一照明光学系、924…色分離光学系、
927…導光系、962R、962G、962B…液晶
ライトバルブ(液晶装置、光変調手段)、1100…投
射型表示装置、1200…投射面。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基板の一方の表面に構造複屈折
    体を具備してなり、前記構造複屈折体はストライプ状に
    配列された複数の光吸収体を有し、該光吸収体は光吸収
    性無機材料からなるものであることを特徴とする偏光
    子。
  2. 【請求項2】 前記光吸収性無機材料は、クロム、酸化
    クロム、酸化鉄、黒色アルマイトのうちから選択される
    1種以上が用いられることを特徴とする請求項1記載の
    偏光子。
  3. 【請求項3】 前記構造複屈折体の上面に保護層が形成
    されたことを特徴とする請求項1又は2記載の偏光子。
  4. 【請求項4】 第1の基板と第2の基板間に液晶層が挟
    持されてなる液晶パネルの上側と下側の少なくとも一方
    に偏光手段が設けられ、該偏光手段として請求項1から
    請求項3までのいずれか1項に記載の偏光子が備えら
    れ、該偏光子に備えられた構造複屈折体は、前記液晶層
    に入射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ状
    に配列された複数の光吸収体を有することを特徴とする
    液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の基板が半導体層を有するスイ
    ッチング素子を具備し、前記第2の基板側から前記液晶
    層に光が入射し、第1の基板側から出射される構造とさ
    れ、前記第1の基板側の偏光手段と前記第2の基板側の
    偏光手段のうち少なくとも第1の基板側の偏光手段とし
    て請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の偏
    光子を備えたことを特徴とする請求項4に記載の液晶装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1の基板側の偏光手段としてさら
    に光吸収型又は光反射型偏光子が備えられ、該偏光子は
    前記請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の
    偏光子の出射側に設けられたことを特徴とする請求項5
    に記載の液晶装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の基板側の偏光手段として光吸
    収型又は光反射型偏光子が備えられたことを特徴とする
    請求項5又は6に記載の液晶装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の基板側の偏光手段としてさら
    に前記請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載
    の偏光子が備えられ、該偏光子は前記光吸収型又は光反
    射型偏光子の入射側に設けられたことを特徴とする請求
    項7に記載の液晶装置。
  9. 【請求項9】 前記液晶パネルと請求項1から請求項3
    までのいずれか1項に記載の偏光子とは離間されている
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶装置。
  10. 【請求項10】 前記光吸収型又は光反射型偏光子と請
    求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の偏光子
    とは離間されていることを特徴とする請求項6又は8又
    は9に記載の液晶装置。
  11. 【請求項11】 光源と、前記光源からの光を変調する
    光変調手段と、前記光変調手段により変調された光を投
    射する投射手段とが備えられてなり、 前記変調手段は請求項4から請求項10までのいずれか
    1項に記載の液晶装置からなることを特徴とする投射型
    表示装置。
JP2002079166A 2002-03-20 2002-03-20 偏光子と液晶装置及び投射型表示装置 Pending JP2003279734A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002079166A JP2003279734A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 偏光子と液晶装置及び投射型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002079166A JP2003279734A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 偏光子と液晶装置及び投射型表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003279734A true JP2003279734A (ja) 2003-10-02

Family

ID=29228743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002079166A Pending JP2003279734A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 偏光子と液晶装置及び投射型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003279734A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008268264A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Sanyo Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2010117577A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Canon Inc 偏光子
US7936403B2 (en) 2007-06-20 2011-05-03 Sony Corporation Liquid crystal display apparatus having both organic and inorganic polarizers
JP2016122214A (ja) * 2006-07-07 2016-07-07 ソニー株式会社 投影方法
WO2016206236A1 (zh) * 2015-06-23 2016-12-29 京东方科技集团股份有限公司 低温多晶硅背板及其制造方法和发光器件

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016122214A (ja) * 2006-07-07 2016-07-07 ソニー株式会社 投影方法
JP2019003209A (ja) * 2006-07-07 2019-01-10 ソニー株式会社 液晶プロジェクター
JP2008268264A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Sanyo Electric Co Ltd 液晶表示装置
US7936403B2 (en) 2007-06-20 2011-05-03 Sony Corporation Liquid crystal display apparatus having both organic and inorganic polarizers
JP2010117577A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Canon Inc 偏光子
WO2016206236A1 (zh) * 2015-06-23 2016-12-29 京东方科技集团股份有限公司 低温多晶硅背板及其制造方法和发光器件
US10347532B2 (en) 2015-06-23 2019-07-09 Boe Technology Group Co., Ltd. Low temperature poly silicon backboard, method for manufacturing the same and light-emitting device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7255444B2 (en) Optical unit and projection-type image display apparatus using the same
JPH11143404A (ja) 反射型液晶表示装置及びそれを用いた投射型液晶表示装置
JPH11295683A (ja) 電気光学装置およびその製造方法並びに投射型表示装置
JP2009217218A (ja) プロジェクタ
JP2009031545A (ja) プロジェクタ
JP2003167246A (ja) 液晶装置用基板およびその製造方法、液晶装置、投射型表示装置
JP4552947B2 (ja) 集光基板、電気光学装置、電気光学装置用基板、プロジェクタ、及び電子機器
JP3873693B2 (ja) 液晶装置及び投射型表示装置
JP5205747B2 (ja) 液晶表示装置および投射型表示装置
JP2003279734A (ja) 偏光子と液晶装置及び投射型表示装置
JP2000356770A (ja) 液晶プロジェクタ
JP2004245871A (ja) 電気光学変調装置及びその製造方法並びにプロジェクタ
US5902031A (en) Projection color image display apparatus
JP2001201739A (ja) 投射型映像表示装置及び光学部品
JP2005189800A (ja) 投射表示装置
JP2001021875A (ja) 液晶装置及びこれを用いた投写型表示装置
JP2004070163A (ja) 表示素子
JP2005221639A (ja) 液晶装置および投射型表示装置
JP2003057442A (ja) 複屈折回折格子型偏光子、液晶装置及び投射型表示装置
JP4205344B2 (ja) 液晶装置及びこれを用いた投射装置
JP3674330B2 (ja) 光変調装置、およびこれを用いた投写型表示装置
JP3593893B2 (ja) カラー液晶プロジェクター
JP3460578B2 (ja) 投写型表示装置
WO2022064999A1 (ja) 液晶表示装置および投射型表示装置
JP3738582B2 (ja) 電気光学パネルおよび投射型表示装置