JP2003057442A - 複屈折回折格子型偏光子、液晶装置及び投射型表示装置 - Google Patents

複屈折回折格子型偏光子、液晶装置及び投射型表示装置

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JP2003057442A
JP2003057442A JP2001249266A JP2001249266A JP2003057442A JP 2003057442 A JP2003057442 A JP 2003057442A JP 2001249266 A JP2001249266 A JP 2001249266A JP 2001249266 A JP2001249266 A JP 2001249266A JP 2003057442 A JP2003057442 A JP 2003057442A
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diffraction grating
light
polarized light
type polarizer
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JP2001249266A
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English (en)
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Hidefumi Sakata
秀文 坂田
Hideto Iizaka
英仁 飯坂
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた偏光子を提供する。 【解決手段】 本発明の複屈折回折格子型偏光子100
は、一方向に延在する第1の媒体210と第2の媒体2
20とが繰り返し配置され、一方向周期構造を有する回
折格子200を具備し、第1の媒体210は、第1の媒
体210の延在方向に対して略平行方向に振動するS偏
光についての屈折率と、第1の媒体210の延在方向に
対して略垂直方向に振動するP偏光についての屈折率と
が異なる複屈折材料からなると共に、第2の媒体220
は、S偏光についての第1の媒体210の屈折率に略等
しい屈折率を有する等方性材料からなり、回折格子20
0の光出射側には、回折格子200を透過したS偏光を
透過し、回折格子200により回折されたP偏光を層内
で全反射する全反射層300が設けられていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複屈折回折格子型
偏光子、液晶装置及び投射型表示装置に係り、特に、耐
久性に優れると共に、トランジスタ素子を用いたアクテ
ィブマトリクス型液晶装置に搭載する場合においても、
トランジスタ素子のスイッチング特性の低下を防止する
ことができる偏光子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に
搭載される光変調手段や、携帯電話等に搭載される直視
型表示装置として用いられる液晶装置は、液晶層を挟持
して対向配置され、液晶層に電圧を印加するための電極
を具備する一対の基板を主体として構成されている。液
晶装置としては、一方の基板側から入射した光が、液晶
層を透過し、他方の基板側から出射された光を視認する
透過型液晶装置が知られており、透過型液晶装置におい
ては、一対の基板の外側に、各々、特定の偏光のみを透
過する偏光子を設けることにより、電圧無印加時、電圧
印加時における液晶層内の液晶分子の配列を光学的に識
別し、表示を行う構成になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の透過型液晶装置
では、偏光子として、特定の偏光のみを透過し、それ以
外の偏光を吸収する光吸収型偏光子が広く用いられてい
る。しかしながら、光源として高輝度の光源を用いた場
合には、偏光子に吸収される光量が多く、偏光子の温度
が高くなり、その結果、偏光子が劣化して液晶装置の耐
久性が低下するという恐れがあった。この問題は特に、
光強度の強い光源を用いる投射型表示装置に搭載する場
合に顕著な問題であった。また、偏光子の劣化の問題
は、黒(暗)表示時において、液晶層を透過した光のほ
とんどすべてを吸収する必要があり、検光子として機能
する視認側(光出射側)の偏光子において顕著な問題で
あった。
【0004】また、視認側の偏光子を、特定の偏光のみ
を透過し、それ以外の偏光を反射する光反射型偏光子に
より構成した場合には、偏光子での光吸収が起こらない
ため、上述の問題を回避することができるが、トランジ
スタ素子を用いたアクティブマトリクス型液晶装置にお
いては、視認側の偏光子により反射された光がトランジ
スタ素子の半導体層に入射して光リーク電流を生じさ
せ、その結果、素子のスイッチング特性が低下し、コン
トラストが低下するなど、表示品質が低下する恐れがあ
った。
【0005】そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされ
たものであり、耐久性に優れると共に、トランジスタ素
子を用いたアクティブマトリクス型液晶装置に搭載する
場合においても、トランジスタ素子のスイッチング特性
の低下を防止することができる偏光子、この偏光子を備
えた液晶装置、及びこの液晶装置を備えた投射型表示装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく種々検討を行った結果、以下の複屈折回折格
子型偏光子を発明するに到った。本発明の第1の複屈折
回折格子型偏光子は、一方向に延在する第1の媒体と第
2の媒体とが繰り返し配置され、一方向周期構造を有す
る回折格子を具備し、前記第1の媒体は、前記第1の媒
体の延在方向に対して略平行方向に振動する第1の偏光
についての屈折率と、前記第1の媒体の延在方向に対し
て略垂直方向に振動する第2の偏光についての屈折率と
が異なる複屈折材料からなると共に、前記第2の媒体
は、前記第1の偏光についての前記第1の媒体の屈折率
に略等しい屈折率を有する等方性材料からなり、前記回
折格子の光出射側には、前記回折格子を透過した前記第
1の偏光を透過し、前記回折格子により回折された前記
第2の偏光を層内で全反射する全反射層が設けられてい
ることを特徴とする。
【0007】すなわち、本発明の第1の複屈折回折格子
型偏光子は、一方向に延在する第1の媒体と第2の媒体
とが繰り返し配置され、一方向周期構造を有する回折格
子を具備し、該回折格子において、第1の媒体が、第1
の媒体の延在方向に対して略平行方向に振動する第1の
偏光についての屈折率と、第1の媒体の延在方向に対し
て略垂直方向に振動する第2の偏光についての屈折率と
が異なる複屈折材料からなると共に、第2の媒体が、第
1の偏光についての第1の媒体の屈折率に略等しい屈折
率を有する等方性材料からなっている。
【0008】かかる構成の回折格子では、第1の媒体の
延在方向に対して略平行方向に振動する第1の偏光につ
いては、第1の媒体、第2の媒体が略等しい屈折率を有
するので、回折格子を認識することができず、回折され
ないまま回折格子内を略直進して透過する。これに対し
て、第1の媒体の延在方向に対して略垂直方向に振動す
る第2の偏光については、第1の媒体、第2の媒体が異
なる屈折率を有するので、回折格子を認識し、回折格子
により回折される。
【0009】したがって、上記構成の回折格子によれ
ば、第1の偏光は回折されないのに対して、第2の偏光
は回折されるため、両者を光学的に分離することができ
る。但し、偏光子として単に上記構成の回折格子を備え
ただけでは、第2の偏光の回折角が26°程度と小さ
く、第1の偏光と第2の偏光の分離角が小さいため、投
射型表示装置に搭載する液晶装置の光出射側に搭載する
場合、偏光分離特性を向上させるためには、回折格子か
ら投射手段までの距離を長くする必要がある。しかしな
がら、投射型表示装置では、光変調手段(液晶パネル)
と投射手段との間の距離が長くなると、投射手段に入射
する光量が少なくなり(光損失が大きくなり)、表示の
明るさが低下するため、投射型表示装置に搭載する液晶
装置の光出射側に投射手段との距離が長くなる偏光子を
搭載することは好ましくない。
【0010】そこで、本発明は、回折格子と投射手段と
の距離を長くすることなく、良好な偏光分離特性を得る
ために、上記構造の回折格子の光出射側に、回折格子を
透過した第1の偏光を透過し、回折格子により回折され
た第2の偏光を層内で全反射する全反射層を設ける構成
としている。本発明者は、上記構造の回折格子の光出射
側に、かかる構成の全反射層を設けることにより、第1
の偏光についてはそのまま透過させることができると共
に、第2の偏光については全反射層内で複数回反射させ
て、全反射層の側方に出射させることができることを見
出した。なお、第2の偏光を全反射層内で複数回反射さ
せて、全反射層の側方に出射させることができる理由に
ついては、「発明の実施の形態」の項において説明す
る。
【0011】したがって、本発明の第1の複屈折回折格
子型偏光子は、投射手段との距離を長くすることなく、
第1の偏光と第2の偏光とを分離することができ、第1
の偏光を主として透過する偏光分離特性に優れたものと
なる。また、本発明者は、本発明の第1の複屈折回折格
子型偏光子を、従来の光吸収型偏光子や光反射型偏光子
とほぼ同等の厚みとすることができ、投射型表示装置に
搭載する液晶装置の光出射側に搭載する場合において
も、投射型表示装置の表示の明るさが低下する恐れはな
いことを見出した。
【0012】また、本発明の第1の複屈折回折格子型偏
光子では、第1の偏光を主として透過し、第2の偏光に
ついては全反射層の側方から出射させることにより、第
1の偏光と第2の偏光とを分離する機構を採用している
ため、本発明の複屈折回折格子型偏光子に吸収される光
量は極めて少ない。したがって、本発明によれば、光吸
収に起因した劣化を防止することができ、耐久性に優れ
た複屈折回折格子型偏光子を提供することができる。
【0013】また、本発明の第1の複屈折回折格子型偏
光子では、上記機構を採用しているため、複屈折回折格
子型偏光子により反射され、光入射側に戻る光も極めて
少なく、本発明の第1の複屈折回折格子型偏光子を、ト
ランジスタ素子を用いたアクティブマトリクス型液晶装
置に搭載する場合においても、複屈折回折格子型偏光子
により反射された光がトランジスタ素子の半導体層に入
射して光リーク電流を生じさせ、トランジスタ素子のス
イッチング特性を低下させる恐れもない。
【0014】よって、本発明によれば、厚みを厚くする
ことなく、耐久性に優れると共に、トランジスタ素子を
用いたアクティブマトリクス型液晶装置に搭載する場合
においても、トランジスタ素子のスイッチング特性の低
下を防止することができる複屈折回折格子型偏光子を提
供することができる。
【0015】上記本発明の第1の複屈折回折格子型偏光
子において、前記全反射層としては、前記回折格子側か
ら、第3の媒体と第4の媒体とを順次具備して構成され
ていると共に、前記第2の偏光についての前記第4の媒
体の屈折率が、前記第2の偏光についての前記第3の媒
体の有効屈折率よりも低く、前記第3の媒体と前記第4
の媒体との界面で、前記回折格子により回折された前記
第2の偏光が全反射されるように構成されたものが好適
である。
【0016】光は、光学的に密な媒体(屈折率の高い媒
体)から疎な媒体(屈折率の低い媒体)に入射する時に
内部全反射されるので、全反射層を、回折格子側から、
第3の媒体と第4の媒体とを順次具備する構成とすると
共に、第2の偏光についての第4の媒体の屈折率が、第
2の偏光についての第3の媒体の屈折率よりも低くなる
ように構成することにより、第3の媒体と第4の媒体と
の界面で、回折格子により回折された第2の偏光を全反
射させることができる。
【0017】より具体的には、本発明の第1の複屈折回
折格子型偏光子において、前記回折格子のピッチdと、
前記回折格子に入射する光の波長λとから下記式(1)
に基づいて算出される、前記回折格子により回折される
前記第2の偏光の1次回折光の回折角θを、前記第2の
偏光についての前記第3の媒体の屈折率N0と、前記第
2の偏光についての前記第4の媒体の屈折率Niとから
下記式(2)に基づいて算出される、前記全反射層の前
記第3の媒体と前記第4の媒体との界面で全反射される
光の臨界角icよりも大きくなるように構成することに
より、第3の媒体と第4の媒体との界面で、回折格子に
より回折される第2の偏光の1次回折光を全反射させる
ことができる。 d(sin(α)+sin(θ))=nλ・・・(1) (但し、式(1)中において、αは光の入射角を表す。
また、nは回折次数を示し、1次回折光では1であ
る。) sin(ic)=Ni/N0・・・(2)
【0018】なお、回折次数が大きくなる程回折角は大
きくなるので、回折格子により回折される第2の偏光の
1次回折光を全反射させることができれば、回折次数が
これよりも大きい回折光をすべて全反射させることがで
き、回折格子により回折される第2の偏光をすべて全反
射させることができる。
【0019】よって、上記関係を満たすように、回折格
子のピッチdを規定すれば良い。また、回折格子に入射
する光の波長は分布を有するので、回折格子に入射する
光の最短波長を、回折格子に入射する光の波長λとし、
上記関係を満たすようにすれば、回折格子に入射するす
べての波長の第2の偏光を全反射させることができる。
【0020】本発明の第1の複屈折回折格子型偏光子に
おいて、第4の媒体を気体により構成することができ、
第4の媒体を気体により構成する場合には、第4の媒体
を特別に形成する必要はなく、複屈折回折格子型偏光子
の外部に存在する空気等の気体をそのまま第4の媒体と
して用いることができる。この場合には、形成する層の
数が低減されるので、厚みをより薄くすることができる
と共に、製造プロセスの簡略化を図ることができる。
【0021】以上の本発明の第1の複屈折回折格子型偏
光子では、第2の媒体が、第1の偏光についての第1の
媒体の屈折率に略等しい屈折率を有する等方性材料から
なる場合について説明したが、本発明は、第2の媒体
が、第2の偏光についての第1の媒体の屈折率に略等し
い屈折率を有する等方性材料からなる場合についても適
用可能である。
【0022】この場合の本発明の第2の複屈折回折格子
型偏光子は、一方向に延在する第1の媒体と第2の媒体
とが繰り返し配置され、一方向周期構造を有する回折格
子を具備し、前記第1の媒体は、前記第1の媒体の延在
方向に対して略平行方向に振動する第1の偏光について
の屈折率と、前記第1の媒体の延在方向に対して略垂直
方向に振動する第2の偏光についての屈折率とが異なる
複屈折材料からなると共に、前記第2の媒体は、前記第
2の偏光についての前記第1の媒体の屈折率に略等しい
屈折率を有する等方性材料からなり、前記回折格子の光
出射側には、前記回折格子を透過した前記第2の偏光を
透過し、前記回折格子により回折された前記第1の偏光
を層内で全反射する全反射層が設けられていることを特
徴とする。
【0023】すなわち、本発明の第2の複屈折回折格子
型偏光子は、一方向に延在する第1の媒体と第2の媒体
とが繰り返し配置され、一方向周期構造を有する回折格
子を具備し、該回折格子において、第1の媒体が、第1
の媒体の延在方向に対して略平行方向に振動する第1の
偏光についての屈折率と、第1の媒体の延在方向に対し
て略垂直方向に振動する第2の偏光についての屈折率と
が異なる複屈折材料からなると共に、第2の媒体が、第
2の偏光についての第1の媒体の屈折率に略等しい屈折
率を有する等方性材料からなっている。
【0024】かかる構成の回折格子では、上記本発明の
第1の複屈折回折格子型偏光子に備えられた回折格子と
同様に、第1の媒体の延在方向に対して略垂直方向に振
動する第2の偏光については、第1の媒体、第2の媒体
が略等しい屈折率を有するので、回折格子を認識するこ
とができず、回折されないまま回折格子内を略直進して
透過する。これに対して、第1の媒体の延在方向に対し
て略平行方向に振動する第1の偏光については、第1の
媒体、第2の媒体が異なる屈折率を有するので、回折格
子を認識し、回折格子により回折される。したがって、
上記構成の回折格子によれば、第2の偏光は回折されな
いのに対して、第1の偏光は回折されるため、両者を光
学的に分離することができる。
【0025】また、本発明の第2の複屈折回折格子型偏
光子では、回折格子の光出射側に、回折格子を透過した
第2の偏光を透過し、回折格子により回折された第1の
偏光を全反射する全反射層を設ける構成としているの
で、第2の偏光についてはそのまま透過させることがで
きると共に、第1の偏光については全反射層内で複数回
反射させて、全反射層の側方に出射させることができ、
投射型表示装置に搭載する液晶装置の光出射側に搭載す
る場合においても、投射手段との距離を長くすることな
く、消光比を大きくすることができ、第2の偏光を主と
して透過する偏光分離特性に優れたものとなる。
【0026】また、本発明の第2の複屈折回折格子型偏
光子では、第2の偏光を透過させ、第1の偏光について
は全反射層の側方から出射させることにより、第1の偏
光と第2の偏光とを分離する機構を採用しているため、
本発明の第1の複屈折回折格子型偏光子と同様の効果を
得ることができ、本発明によれば、耐久性に優れると共
に、トランジスタ素子を用いたアクティブマトリクス型
液晶装置に搭載する場合においても、トランジスタ素子
のスイッチング特性の低下を防止することができる複屈
折回折格子型偏光子を提供することができる。
【0027】また、本発明の第2の複屈折回折格子型偏
光子においても、前記全反射層としては、前記回折格子
側から、第3の媒体と第4の媒体とを順次具備して構成
されていると共に、前記第1の偏光についての前記第4
の媒体の屈折率が、前記第1の偏光についての前記第3
の媒体の屈折率よりも低く、前記第3の媒体と前記第4
の媒体との界面で、前記回折格子により回折された前記
第1の偏光が全反射されるように構成されたものが好適
であり、かかる構成することにより、第3の媒体と第4
の媒体との界面で、回折格子により回折された第1の偏
光を全反射させることができる。
【0028】より具体的には、本発明の第2の複屈折回
折格子型偏光子においても、前記回折格子のピッチd
と、前記回折格子に入射する光の波長λとから下記式
(1)に基づいて算出される、前記回折格子により回折
される前記第1の偏光の1次回折光の回折角θを、前記
第1の偏光についての前記第3の媒体の屈折率N0と、
前記第1の偏光についての前記第4の媒体の屈折率Ni
とから下記式(2)に基づいて算出される、前記全反射
層の前記第3の媒体と前記第4の媒体との界面で全反射
される光の臨界角icよりも大きくなるように構成する
ことにより、第3の媒体と第4の媒体との界面で、回折
格子により回折される第1の偏光の1次回折光を全反射
させることができる。 d(sin(α)+sin(θ))=nλ・・・(1) (但し、式(1)中において、αは入射角を表す。ま
た、nは回折次数を示し、1次回折光では1である。) sin(ic)=Ni/N0・・・(2)
【0029】また、本発明の第2の複屈折回折格子型偏
光子においても、第4の媒体を気体により構成すること
ができ、第4の媒体を気体により構成する場合には、第
4の媒体を特別に形成する必要はなく、複屈折回折格子
型偏光子の外部に存在する空気等の気体をそのまま第4
の媒体として用いることができる。この場合には、形成
する層の数が低減されるので、厚みをより薄くすること
ができると共に、製造プロセスの簡略化を図ることがで
きる。
【0030】以上の本発明の第1、第2の複屈折回折格
子型偏光子を用いることにより、以下の本発明の液晶装
置を提供することができる。本発明の液晶装置は、液晶
層を挟持して対向配置された一対の基板のうち少なくと
も一方の基板に、上記本発明の第1又は第2の複屈折回
折格子型偏光子が設けられていることを特徴とする。
【0031】本発明の液晶装置は、本発明の複屈折回折
格子型偏光子を偏光手段として備えたものであるので、
耐久性に優れたものとなる。また、本発明によれば、ト
ランジスタ素子を用いたアクティブマトリクス型液晶装
置に適用する場合においても、トランジスタ素子のスイ
ッチング特性の低下を防止することができ、表示品質に
優れた液晶装置を提供することができる。
【0032】なお、複屈折回折格子型偏光子の外部に存
在する空気等の気体を第4の媒体として機能させる場合
には、本発明の複屈折回折格子型偏光子と液晶パネル
(複屈折回折格子型偏光子を取り付ける側の基板)とを
離間配置させ、複屈折回折格子型偏光子と液晶パネルと
の間に介在する空気等からなる気体層を第4の媒体とし
て機能させれば良い。
【0033】また、本発明の液晶装置は、前記複屈折回
折格子型偏光子と前記液晶層との間に、光吸収型偏光子
若しくは光反射型偏光子をさらに具備することが好まし
い。本発明の複屈折回折格子型偏光子では、第1の偏
光、第2の偏光のうちいずれかの偏光について、第1の
媒体の屈折率と第2の媒体の屈折率とが異なるように設
定し、その偏光を回折格子により回折させて、全反射層
で全反射するように構成しているが、ある波長の光で0
次光(回折せずに直進する光)がなくなるように、第1
の媒体、第2の媒体の屈折率や回折格子の厚み等を設計
したとしても、液晶装置に入射する光の波長は分布を有
するので、他の波長の光については0次光が僅かながら
も発生してしまう恐れがある。
【0034】このように、回折させる偏光の一部に0次
光が発生して、複屈折回折格子型偏光子を透過してしま
う場合には、消光比が低下し、偏光分離特性が低下する
ため、複屈折回折格子型偏光子により、大部分の偏光を
分離した後、複屈折回折格子型偏光子を透過した偏光を
光吸収型偏光子若しくは光反射型偏光子に入射させ、さ
らに偏光分離することにより、複屈折回折格子型偏光子
と光吸収型偏光子若しくは光反射型偏光子とを合わせた
消光比を大きくすることができ、コントラストに優れた
液晶装置を提供することができる。
【0035】なお、本明細書において、消光比は、本発
明の第1の複屈折回折格子型偏光子では、「第1の偏光
の透過率/第2の偏光の透過率」、本発明の第2の複屈
折回折格子型偏光子では、「第2の偏光の透過率/第1
の偏光の透過率」により定義されるものである。
【0036】また、偏光手段として、本発明の複屈折回
折格子型偏光子と光吸収型偏光子とを併用する場合にお
いても、本発明の複屈折回折格子型偏光子を透過した偏
光のみが光吸収型偏光子に入射するため、光吸収型偏光
子により吸収される光量は少なく、光吸収による光吸収
型偏光子の劣化の恐れは極めて少ない。
【0037】また、偏光手段として、本発明の複屈折回
折格子型偏光子と光反射型偏光子とを併用する場合にお
いても、本発明の複屈折回折格子型偏光子を透過した偏
光のみが光反射型偏光子に入射するため、光反射型偏光
子により反射される光量は少なく、本発明の液晶装置
を、トランジスタ素子を用いたアクティブマトリクス型
液晶装置に適用する場合においても、光反射型偏光子に
より反射された光がトランジスタ素子の半導体層に入射
して光リーク電流を生じさせ、トランジスタ素子のスイ
ッチング特性を低下させる恐れも極めて低い。
【0038】また、従来の透過型液晶装置では、視認側
に設けられた光吸収型偏光子における光吸収が顕著であ
ったため、一対の基板のうち、一方の基板側から光が入
射し、他方の基板側から出射された光を視認する構造の
透過型液晶装置においては、少なくとも視認側の基板
に、本発明の複屈折回折格子型偏光子を設けることが好
ましく、かかる構成とすることにより、従来よりも耐久
性に優れた透過型液晶装置を提供することができる。ま
た、このように、透過型液晶装置において、少なくとも
視認側の基板に、本発明の複屈折回折格子型偏光子を設
けることにより、トランジスタ素子を用いたアクティブ
マトリクス型液晶装置に適用する場合においても、トラ
ンジスタ素子のスイッチング特性の低下を防止すること
ができ、表示品質に優れた透過型液晶装置を提供するこ
とができる。
【0039】また、本発明の液晶装置を備えることによ
り、以下の本発明の投射型表示装置を提供することがで
きる。本発明の投射型表示装置は、光源と、前記光源か
らの光を変調する本発明の液晶装置からなる光変調手段
と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射
手段とを具備することを特徴とする。
【0040】本発明の投射型液晶装置は、本発明の液晶
装置を光変調手段として備えたものであるので、耐久性
に優れたものとなる。また、トランジスタ素子を用いた
本発明のアクティブマトリクス型液晶装置を搭載する場
合においても、トランジスタ素子のスイッチング特性の
低下を防止することができ、表示品質の優れたものとな
る。また、上述したように、本発明の複屈折回折格子型
偏光子を、従来の光吸収型偏光子や光反射型偏光子とほ
ぼ同等の厚みとすることができるので、本発明の複屈折
回折格子型偏光子を液晶装置の光出射側に搭載する場合
においても、液晶パネルと投射手段との間の距離を短く
することができ、投射型表示装置の表示の明るさが低下
する恐れもない。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態につ
いて詳細に説明する。 [複屈折回折格子型偏光子] (複屈折回折格子型偏光子の構造)図1、図2に基づい
て、本発明に係る実施形態の複屈折回折格子型偏光子の
構造について説明する。なお、図1は、本実施形態の複
屈折回折格子型偏光子を光入射側から見た時の斜視図、
図2は、本実施形態の複屈折回折格子型偏光子を図1の
A−A’線に沿って切断した時の断面図である。また、
各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程
度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異なら
せてある。
【0042】図1、図2に示すように、本実施形態の複
屈折回折格子型偏光子100は、一方向に延在する第1
の媒体210と第2の媒体220とが繰り返し配置さ
れ、一方向周期構造を有する回折格子200を主体とし
て構成されている。回折格子200を構成する第1の媒
体210、第2の媒体220は、いずれも断面視矩形状
かつ平面視短冊状に構成されており、第1の媒体210
と第2の媒体220とは略同一幅で形成されている。な
お、図面上は、第1の媒体210、第2の媒体220の
幅や厚みを大きく図示しているが、回折格子200のピ
ッチ(第1の媒体210の幅と第2の媒体220の幅の
和)は、1μm程度と、非常に微細なものとなってい
る。
【0043】また、第1の媒体210は、第1の媒体2
10の延在方向に対して略平行方向に振動するS偏光
(第1の偏光)についての屈折率NSと、第1の媒体2
10の延在方向に対して略垂直方向に振動するP偏光
(第2の偏光)についての屈折率NPとが異なる複屈折
材料により構成されているのに対し、第2の媒体220
は、S偏光(第1の偏光)についての第1の媒体210
の屈折率NSに略等しい屈折率を有する等方性材料によ
り構成されている。
【0044】かかる構成の回折格子200では、図2に
示すように、第1の媒体210の延在方向に対して略平
行方向に振動するS偏光については、第1の媒体21
0、第2の媒体220が略等しい屈折率NSを有するの
で、回折格子200を認識することができず、回折され
ないまま回折格子200内を略直進して透過する。これ
に対して、第1の媒体210の延在方向に対して略垂直
方向に振動するP偏光については、第1の媒体210、
第2の媒体220が異なる屈折率NP、NSを有するの
で、回折格子200を認識し、回折格子200により図
示左右の2方向に回折される。
【0045】また、本実施形態の複屈折回折格子型偏光
子100において、回折格子200の光出射側には、回
折格子200により回折されたP偏光を層内で全反射す
る全反射層300が設けられている。全反射層300
は、回折格子200側から第3の媒体310と第4の媒
体320とが順次積層形成されたものである。全反射層
300は、光が、光学的に密な媒体(屈折率の高い媒
体)から疎な媒体(屈折率の低い媒体)に入射する時に
反射されることを利用して構成されている。すなわち、
P偏光についての第4の媒体320の屈折率Niが、P
偏光についての第3の媒体の屈折率N0よりも低くなる
ように構成されており、図2に示すように、第3の媒体
310と第4の媒体320との界面で、回折格子200
により回折されたP偏光が全反射されるように構成され
ている。
【0046】なお、回折格子200のピッチdと、回折
格子200に入射する光の波長λとから下記式(1)に
基づいて算出される、回折格子200により回折される
P偏光の1次回折光の回折角θが、P偏光についての第
3の媒体310の屈折率N0と、P偏光についての第4
の媒体320の屈折率Niとから下記式(2)に基づい
て算出される、全反射層300の第3の媒体310と第
4の媒体320との界面で全反射される光の臨界角ic
よりも大きくなるように構成することにより、第3の媒
体310と第4の媒体320との界面で、回折格子20
0により回折されるP偏光の1次回折光を全反射させる
ことができる。 d(sin(α)+sin(θ))=nλ・・・(1) (但し、式(1)中において、αは入射角を表す。ま
た、nは回折次数を示し、1次回折光では1である。) sin(ic)=Ni/N0・・・(2)
【0047】なお、回折次数が大きくなる程回折角は大
きくなるので、回折格子200により回折されるP偏光
の1次回折光を全反射させることができれば、回折次数
がこれよりも大きい回折光をすべて全反射させることが
でき、回折格子200により回折されるP偏光をすべて
全反射させることができる。
【0048】よって、上記関係を満たすように、回折格
子200のピッチdを規定すれば良い。なお、上記式
(1)から分かるように、回折格子200により回折さ
れるP偏光の1次回折光の回折角θは、第1の媒体21
0や第2の媒体220の構成材料に関係なく、回折格子
200のピッチdにより規定される。また、回折格子2
00に入射する光の波長は分布を有するので、回折格子
200に入射する光の最短波長を、回折格子200に入
射する光の波長λとし、上記関係を満たすようにすれ
ば、回折格子200に入射するすべての波長のP偏光を
全反射させることができる。
【0049】全反射層300により全反射されたP偏光
のうち、一部の光は回折格子200により再び回折され
るが、残りの多くの光は全反射層300と回折格子20
0との界面で内部反射される。したがって、回折格子2
00により回折されたP偏光の多くは、第3の媒体31
0と第4の媒体320との界面、及び全反射層300と
回折格子200との界面における反射を繰り返し、全反
射層300の図示左右側方から出射される。なお、全反
射層300により全反射されたP偏光のうち、一部の光
は回折格子200により再び回折されるが、回折格子2
00の外部から回折格子200に入射する時の入射角に
比較して、全反射層300により全反射されたP偏光が
再び回折格子200に入射する時の入射角は大きいの
で、回折格子200により再び回折されたP偏光の多く
は側方に出射され、視認側に戻る光量は極めて少ない。
【0050】本実施形態の複屈折回折格子型偏光子10
0において、全反射層300を構成する第3の媒体31
0、第4の媒体320は、複屈折材料、等方性材料のい
ずれにより構成しても良い。また、第3の媒体310、
第4の媒体320としては、固体、液体、気体を問わな
い。但し、第3の媒体310と第4の媒体320の双方
を気体により構成する場合には、気体同士が混ざり合
い、層として安定に分離することができないこと、固体
や液体よりも気体の屈折率が小さいことから、実際に
は、第3の媒体310は固体若しくは液体により構成さ
れ、第4の媒体320は固体、液体、気体のいずれかに
より構成される。
【0051】ここで、第4の媒体320を気体により構
成する場合には、図3に示すように、複屈折回折格子型
偏光子100の外部に存在する空気をそのまま第4の媒
体320として機能させることができ、この場合には、
回折格子200により回折されたP偏光は、第3の媒体
310と、第4の媒体320として機能する空気との界
面で全反射される。このように、複屈折回折格子型偏光
子100の外部に存在する空気を第4の媒体320とし
て機能させる場合には、形成する層の数が低減されるの
で、厚みをより薄くすることができると共に、製造プロ
セスの簡略化を図ることができる。
【0052】また、理論的には、回折格子200を構成
する第1の媒体210、第2の媒体220についても同
様に、固体、液体、気体のいずれにより構成しても良
い。しかしながら、第2の媒体220を気体により構成
すると、S偏光についての第1の媒体310の屈折率N
Sを気体である第2の媒体220の屈折率と略等しくす
る必要があるが、このような複屈折材料は存在しないた
め、実際には、第1の媒体210、第2の媒体220
は、固体若しくは液体により構成される。
【0053】また、本実施形態の複屈折回折格子型偏光
子100においては、全反射層300を構成する第3の
媒体310と、回折格子200を構成する第1の媒体2
10、第2の媒体220のうちいずれかを、同一材料に
より一体形成することもできる。図4では、例として、
第1の媒体210と第3の媒体310とを同一材料によ
り一体形成した場合について図示している。なお、第1
の媒体210と第3の媒体310とを同一材料により構
成する場合には、第3の媒体310は複屈折材料により
構成され、第2の媒体220と第3の媒体310とを同
一材料により構成する場合には、第3の媒体310は等
方性材料により構成されることになる。
【0054】さらに、第1の媒体210と第2の媒体2
20とを一体形成することもできる。この場合には、第
1の媒体210と第2の媒体220とを一体形成して回
折格子200を形成した後、回折格子200の一方の面
に第3の媒体310を貼着するなどして、全反射層30
0を形成しても良いが、第1の媒体210、第2の媒体
220、第3の媒体310を一体形成することもでき
る。
【0055】このように、第1〜第3の媒体210、2
20、310のうち、複数の媒体を一体形成する場合に
は、製造プロセスを簡略化することができると共に、一
体形成する複数の媒体の密着性を高めることができ、好
適である。
【0056】(複屈折回折格子型偏光子の製造方法)次
に、図5に基づいて、第1〜第3の媒体210、22
0、310を一体形成する場合を取り上げて、本実施形
態の複屈折回折格子型偏光子100の製造方法について
具体的に説明する。なお、図5(a)〜(d)は、製造
途中の複屈折回折格子型偏光子100の各製造工程を示
す断面図である。
【0057】図5(a)に示すように、S偏光について
の屈折率NS、P偏光についての屈折率NPが異なる複屈
折材料であるLiNbO3(ニオブ酸リチウム)基板4
00を用意する。LiNbO3は結晶軸を一方向に揃え
ることにより、複屈折性を発現することができ、図示す
るように、例えば、S偏光についての屈折率NS、P偏
光についての屈折率NPを、各々2.28、2.20と
することができる。なお、LiNbO3基板400の厚
みは、回折格子200と第3の媒体310とを合わせた
厚みに設定する。次いで、図5(b)に示すように、L
iNbO3基板400の一方の面に、第1の媒体210
の形成領域に対応したパターンを有する金属マスク41
0を、フォトリソグラフィー法により形成する。
【0058】次いで、図5(c)に示すように、金属マ
スク410を形成した側の面を溶融状態の安息香酸50
0に接触させることにより、LiNbO3基板400表
面であって、金属マスク410で覆われていない部分を
プロトン交換する。プロトン交換されたLiNbO
3は、S偏光についてのLiNbO3基板400の屈折率
Sに略等しい屈折率(例えば2.25)を有する等方
性材料になる。
【0059】その結果、隣接するプロトン交換領域間の
非プロトン交換領域は、S偏光についての屈折率NS
P偏光についての屈折率NPが異なる複屈折材料により
構成されるのに対して、プロトン交換領域はS偏光につ
いての非プロトン交換領域の屈折率NSに略等しい屈折
率を有する等方性材料により構成されることになる。よ
って、隣接するプロトン交換領域間の非プロトン交換領
域が第1の媒体210、プロトン交換領域が第2の媒体
220となり、第1の媒体210と第2の媒体220と
が一体形成された回折格子200を形成することができ
る。
【0060】また、回折格子200と第3の媒体310
とを合わせた厚みのLiNbO3基板400を用いてい
るので、LiNbO3基板400において、安息香酸5
00に接触させる側と反対側には、プロトン交換されな
い層、つまり非プロトン交換層が残る。この非プロトン
交換層は、第1の媒体210と同じ複屈折材料からな
り、第3の媒体310となる。
【0061】最後に、金属マスク410を除去すること
により、第1の媒体210、第2の媒体220、第3の
媒体310とを一体形成することができる。外部に存在
する空気を第4の媒体320と機能させることができる
ので、以上のようにして、図5(d)に示す複屈折回折
格子型偏光子100を製造することができる。
【0062】さらに、第3の媒体310の下面に、P偏
光についての第3の媒体310の屈折率NPよりも低い
屈折率を有する第4の媒体320を貼着するなどして、
第4の媒体320を形成し、固体等からなる第4の媒体
320を有する複屈折回折格子型偏光子100を製造し
ても良い。なお、以上説明した複屈折回折格子型偏光子
100の製造方法は、複屈折回折格子型偏光子100の
製造方法として好適であるが、複屈折回折格子型偏光子
100の製造方法はこの方法に限定されるものではな
い。
【0063】(回折格子のピッチの具体的な算出方法)
ここで、上記製造方法により製造される、図5(d)に
示した構造の複屈折回折格子型偏光子100を取り上げ
て、回折格子200のピッチdの算出方法について具体
的に説明する。なお、光が回折格子200に対して垂直
方向に入射する場合を例として説明する。
【0064】第3の媒体310と、第4の媒体320と
して機能する空気との界面で全反射される光の臨界角i
cは、P偏光についての第3の媒体320の屈折率N0
=NP=2.20と、P偏光についての第4の媒体32
0の屈折率Ni(すなわち、空気の屈折率1)とから、
上記式(2)に基づいて算出することができる。すなわ
ち、ic=sin-1(Ni/No)=sin-1(1/2.
20)=26(deg)となる。なお、光が回折格子2
00に対して垂直方向に入射する場合、αは0°となる
ため、上記式(2)の第1項(sin(α))は0とな
る。
【0065】回折格子200に入射する光の最短波長λ
を400nm(0.4μm)とすると、P偏光の1次回
折光の回折角θが臨界角icと等しい時の回折格子20
0のピッチdは、上記式(1)に基づいて算出すること
ができる。すなわち、d=nλ/sin(θ)=1・
0.4(μm)/sin(26)=0.91(μm)と
なるので、回折格子200のピッチdを0.91μm以
上とすることにより、P偏光の1次回折光の回折角θ
を、第3の媒体310と、第4の媒体320として機能
する空気との界面で全反射される光の臨界角icよりも
大きくすることができ、回折格子200により回折され
るP偏光を全反射層300により全反射させることがで
きる。
【0066】本実施形態の複屈折回折格子型偏光子10
0によれば、S偏光を主として透過し、P偏光について
は全反射層300の側方から出射させることにより、S
偏光とP偏光とを分離する機構を採用しているため、回
折格子200や全反射層300で吸収される光量を極め
て少なくすることができる。したがって、本実施形態に
よれば、光吸収に起因した劣化を防止することができ、
耐久性に優れた複屈折回折格子型偏光子100を提供す
ることができる。
【0067】また、本実施形態の複屈折回折格子型偏光
子100では、複屈折回折格子型偏光子100により反
射され、光入射側に戻る光もないため、本実施形態の複
屈折回折格子型偏光子100を、トランジスタ素子を用
いたアクティブマトリクス型液晶装置に搭載する場合に
おいても、複屈折回折格子型偏光子100により反射さ
れた光がトランジスタ素子の半導体層に入射して光リー
ク電流を生じさせ、素子のスイッチング特性を低下させ
る恐れもない。
【0068】また、本実施形態の複屈折回折格子型偏光
子100に備えられた回折格子200によれば、S偏光
は回折されないのに対して、P偏光は回折されるため、
両者を光学的に分離することができるが、単に回折格子
200を備えただけでは、P偏光の回折角が26°程度
と小さく、S偏光とP偏光の分離角が小さいため、投射
型表示装置に搭載する液晶装置の光出射側に搭載する場
合、偏光分離特性を向上させるためには、回折格子から
投射手段までの距離を長くする必要がある。しかしなが
ら、本実施形態では、回折格子200の光出射側に、回
折格子200を透過したS偏光を透過し、回折格子20
0により回折されたP偏光を層内で全反射する全反射層
300を設け、S偏光についてはそのまま透過させるこ
とができると共に、P偏光については全反射層300内
で複数回反射させて、全反射層300の側方に出射させ
る機構を採用しているので、投射型表示装置に搭載する
液晶装置の光出射側に搭載する場合においても、回折格
子から投射手段までの距離を長くすることなく、消光比
を大きくすることができ、偏光分離特性に優れたものと
なる。
【0069】また、本実施形態の複屈折回折格子型偏光
子100の厚みは、従来の光吸収型偏光子や光反射型偏
光子とほぼ同等とすることができるので、本実施形態の
複屈折回折格子型偏光子100を、投射型表示装置に搭
載する液晶装置の光出射側に搭載した場合においても、
液晶パネルと投射手段との間の距離を短くすることがで
き、投射型表示装置の表示の明るさが低下することを防
止することができる。
【0070】なお、上述したように、本実施形態では、
S偏光については、回折格子200、全反射層300を
ほぼ直進して透過するのに対し、P偏光については、回
折格子200により回折させた後、全反射層300によ
り全反射させて、全反射層300の側方から出射させ
て、偏光分離することを特徴としているが、ある波長の
光で、P偏光の0次光(回折せずに直進する光)がなく
なるように、第1の媒体210、第2の媒体220の屈
折率や回折格子200の厚み等を設計したとしても、複
屈折回折格子型偏光子100に入射する光の波長は分布
を有するので、他の波長の光については0次光が僅かな
がらも発生してしまう恐れがある。
【0071】このように、回折させるP偏光の一部に0
次光が発生して、複屈折回折格子型偏光子100を透過
してしまう場合には、消光比が低下し、偏光分離特性が
低下するため、本実施形態の複屈折回折格子型偏光子1
00と、光吸収型偏光子若しくは光反射型偏光子とを併
用し、複屈折回折格子型偏光子100を透過した偏光
を、光吸収型偏光子若しくは光反射型偏光子に入射さ
せ、さらに、偏光分離を行い、複屈折回折格子型偏光子
100と光吸収型偏光子若しくは光反射型偏光子とを合
わせた消光比を高くすることが好ましい。
【0072】なお、このように、複屈折回折格子型偏光
子100と光吸収型偏光子を併用する場合においても、
複屈折回折格子型偏光子100を透過した偏光のみが光
吸収型偏光子に入射するため、光吸収型偏光子により吸
収される光量は少なく、光吸収に起因する光吸収型偏光
子の劣化の恐れは極めて少ない。
【0073】また、複屈折回折格子型偏光子100と光
反射型偏光子とを併用する場合においても、複屈折回折
格子型偏光子100を透過した偏光のみが光反射型偏光
子に入射するため、光反射型偏光子により反射される光
量は少なく、複屈折回折格子型偏光子100と光反射型
偏光子とを、トランジスタ素子を用いたアクティブマト
リクス型液晶装置に搭載する場合においても、光反射型
偏光子により反射された光がトランジスタ素子の半導体
層に入射して光リーク電流を生じさせ、素子のスイッチ
ング特性を低下させる恐れも極めて低い。
【0074】なお、本実施形態では、第1の媒体210
の延在方向に対して略平行方向に振動するS偏光につい
ての第1の媒体210の屈折率NSと、第2の媒体22
0の屈折率が略等しい場合についてのみ説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、第2の媒体22
0の屈折率を、第1の媒体210の延在方向に対して略
垂直方向に振動するP偏光についての第1の媒体210
の屈折率NPと略等しくなるように構成しても良い。
【0075】この場合には、図6に示すように、P偏光
については、第1の媒体210、第2の媒体220が略
等しい屈折率を有するので、回折格子200を認識する
ことができず、回折されないまま回折格子200内を略
直進して透過する。これに対して、S偏光については、
第1の媒体210、第2の媒体220が異なる屈折率を
有するので、回折格子を認識し、回折格子200により
回折される。したがって、全反射層300を、回折格子
200により回折されたS偏光を全反射するように構成
すれば、同様に偏光分離を行うことができる。
【0076】また、本実施形態では、第1の媒体210
の延在方向に対して略平行方向に振動する偏光がS偏
光、第1の媒体210の延在方向に対して略垂直方向に
振動する偏光がP偏光である場合についてのみ説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の媒
体210の延在方向を水平方向に90°回転させること
により、第1の媒体210の延在方向に対して略平行方
向に振動する偏光がP偏光、第1の媒体210の延在方
向に対して略垂直方向に振動する偏光がS偏光となり、
本実施形態の複屈折回折格子型偏光子100で説明した
S偏光とP偏光とを逆にすれば、全く同様の構成の複屈
折回折格子型偏光子を得ることができる。
【0077】また、本実施形態の複屈折回折格子型偏光
子100を構成する回折格子200としては、断面視矩
形状かつ平面視短冊状に形成された第1の媒体210と
第2の媒体220とが繰り返し配置されたものについて
のみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、回折格子200は、一方向に延在する第1の媒体2
10と、一方向に延在する第2の媒体220とが繰り返
し配置され、一方向周期構造を有するものであれば、い
かなる構造を有するものであっても良い。
【0078】例えば、図7に示すように、第1の媒体2
10、第2の媒体220を、各々、断面視逆直角三角形
状、断面視直角三角形状とし、第1の媒体210と第2
の媒体220とを合わせた形状を、断面視矩形状となる
ように繰り返し配置して回折格子200を構成しても良
い。
【0079】かかる構成としても、第1の媒体210
を、第1の媒体210の延在方向に対して略平行方向に
振動するS偏光についての屈折率NSと、第1の媒体2
10の延在方向に対して略垂直方向に振動するP偏光に
ついての屈折率NPとが異なる複屈折材料により構成
し、第2の媒体220を、S偏光についての第1の媒体
210の屈折率NSと略等しい屈折率を有する等方性材
料により構成すれば、S偏光については、第1の媒体2
10、第2の媒体220が略等しい屈折率NSを有する
ので、回折格子200を認識することができず、回折さ
れないまま回折格子200内を略直進して透過し、第1
の媒体210の延在方向に対して略垂直方向に振動する
P偏光については、第1の媒体210、第2の媒体22
0が異なる屈折率NP、NSを有するので、回折格子20
0により回折され、図1に示した複屈折回折格子型偏光
子100と同様に偏光分離を行うことができる。
【0080】なお、図7に示す構成とした場合には、P
偏光は、第1の媒体210と第2の媒体220との界面
で屈折され、1方向(図示右方)にのみ回折され、全反
射層300の第3の媒体310内で反射を繰り返し、図
示右側方からのみ出射される。また、かかる構成とした
場合には、図1に示した構造の複屈折回折格子型偏光子
100に比較して、回折格子200により回折されるP
偏光の1次回折光の回折角θを大きくすることができ
る。その結果、回折格子200により回折されるP偏光
が回折格子200を透過する割合を減らすことができ、
消光比を大きくすることができるので、偏光分離特性に
より優れた複屈折回折格子型偏光子100を提供するこ
とができる。
【0081】[液晶装置]次に、本発明に係る実施形態
の液晶装置の構造について詳述する。本実施形態の液晶
装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin-Film Tr
ansistor)素子を用いたアクティブマトリクス型の透過
型液晶装置である。また、本実施形態の液晶装置は、上
記実施形態の複屈折回折格子型偏光子100を備えたこ
とが特徴となっている。なお、本実施形態では、図1に
示した構造の複屈折回折格子型偏光子100を備えた透
過型液晶装置について説明する。
【0082】以下、図8〜図10に基づいて、本実施形
態の透過型液晶装置の構造について説明する。図8は本
実施形態の透過型液晶装置の画像表示領域を構成するマ
トリクス状に配置された複数の画素におけるスイッチン
グ素子、信号線等の等価回路図である。図9はデータ
線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板
の相隣接する複数の画素群の構造を示す平面図である。
図10は本実施形態の透過型液晶装置の構造を示す断面
図であって、図9のB−B’線断面図である。なお、図
10においては、図示上側が光入射側、図示下側が視認
側(観察者側)である場合について図示している。ま
た、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能
な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異
ならせてある。
【0083】本実施形態の透過型液晶装置において、図
8に示すように、画像表示領域を構成するマトリクス状
に配置された複数の画素には、画素電極9と当該画素電
極9を制御するためのスイッチング素子であるTFT素
子(トランジスタ素子)30がそれぞれ形成されてお
り、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT素
子30のソースに電気的に接続されている。データ線6
aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順
に線順次に供給されるか、あるいは相隣接する複数のデ
ータ線6aに対してグループ毎に供給される。
【0084】また、走査線3aがTFT素子30のゲー
トに電気的に接続されており、複数の走査線3aに対し
て走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングで
パルス的に線順次で印加される。また、画素電極9はT
FT素子30のドレインに電気的に接続されており、ス
イッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオ
ンすることにより、データ線6aから供給される画像信
号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込
む。
【0085】画素電極9を介して液晶に書き込まれた所
定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述する
共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加さ
れる電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化する
ことにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ここ
で、保持された画像信号がリークすることを防止するた
めに、画素電極9と共通電極との間に形成される液晶容
量と並列に蓄積容量70が付加されている。
【0086】(平面構造)次に、図9に基づいて、本実
施形態の透過型液晶装置の平面構造について説明する。
図9に示すように、TFTアレイ基板上に、インジウム
錫酸化物(以下、「ITO」と略す。)等の透明導電性
材料からなる矩形状の画素電極9(点線部9Aにより輪
郭を示す)が複数、マトリクス状に設けられており、画
素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査
線3a及び容量線3bが設けられている。本実施形態に
おいて、各画素電極9及び各画素電極9を囲むように配
設されたデータ線6a、走査線3a、容量線3b等が形
成された領域が画素であり、マトリクス状に配置された
各画素毎に表示を行うことが可能な構造になっている。
【0087】データ線6aは、TFT素子30を構成す
る例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち、
後述のソース領域にコンタクトホール5を介して電気的
に接続されており、画素電極9は、半導体層1aのう
ち、後述のドレイン領域にコンタクトホール8を介して
電気的に接続されている。また、半導体層1aのうち、
後述のチャネル領域(図中左上がりの斜線の領域)に対
向するように走査線3aが配置されており、走査線3a
はチャネル領域に対向する部分でゲート電極として機能
する。
【0088】容量線3bは、走査線3aに沿って略直線
状に伸びる本線部(すなわち、平面的に見て、走査線3
aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交
差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中上向
き)に突出した突出部(すなわち、平面的に見て、デー
タ線6aに沿って延設された第2領域)とを有する。そ
して、図9中、右上がりの斜線で示した領域には、複数
の第1遮光膜11aが設けられている。
【0089】より具体的には、第1遮光膜11aは、各
々、半導体層1aのチャネル領域を含むTFT素子30
をTFTアレイ基板側から見て覆う位置に設けられてお
り、さらに、容量線3bの本線部に対向して走査線3a
に沿って直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差
する箇所からデータ線6aに沿って隣接する後段側(す
なわち、図中下向き)に突出した突出部とを有する。第
1遮光膜11aの各段(画素行)における下向きの突出
部の先端は、データ線6a下において次段における容量
線3bの上向きの突出部の先端と重なっている。この重
なった箇所には、第1遮光膜11aと容量線3bとを相
互に電気的に接続するコンタクトホール13が設けられ
ている。すなわち、本実施形態では、第1遮光膜11a
は、コンタクトホール13により前段あるいは後段の容
量線3bに電気的に接続されている。
【0090】(断面構造)次に、図10に基づいて、本
実施形態の透過型液晶装置の断面構造について説明す
る。図10に示すように、本実施形態の透過型液晶装置
においては、TFTアレイ基板10と、これに対向配置
される対向基板20との間に液晶層50が挟持されてい
る。TFTアレイ基板10は、石英等の透光性材料から
なる基板本体10Aとその液晶層50側表面に形成され
た画素電極9、TFT素子30、配向膜40を主体とし
て構成されており、対向基板20はガラスや石英等の透
光性材料からなる基板本体20Aとその液晶層50側表
面に形成された共通電極21と配向膜60とを主体とし
て構成されている。
【0091】より詳細には、TFTアレイ基板10にお
いて、基板本体10Aの液晶層50側表面には画素電極
9が設けられ、各画素電極9に隣接する位置に、各画素
電極9をスイッチング制御する画素スイッチング用TF
T素子30が設けられている。画素スイッチング用TF
T素子30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を
有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界に
よりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域
1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート
絶縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース
領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの
高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備
えている。
【0092】また、上記走査線3a上、ゲート絶縁膜2
上を含む基板本体10A上には、高濃度ソース領域1d
へ通じるコンタクトホール5、及び高濃度ドレイン領域
1eへ通じるコンタクトホール8が開孔した第2層間絶
縁膜4が形成されている。つまり、データ線6aは、第
2層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を介して
高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。さら
に、データ線6a上及び第2層間絶縁膜4上には、高濃
度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が開孔
した第3層間絶縁膜7が形成されている。つまり、高濃
度ドレイン領域1eは、第2層間絶縁膜4及び第3層間
絶縁膜7を貫通するコンタクトホール8を介して画素電
極9に電気的に接続されている。
【0093】また、本実施形態では、ゲート絶縁膜2を
走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として
用い、半導体膜1aを延設して第1蓄積容量電極1fと
し、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積
容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されて
いる。
【0094】また、TFTアレイ基板10の基板本体1
0Aの液晶層50側表面において、各画素スイッチング
用TFT素子30が形成された領域には、TFTアレイ
基板10を透過し、TFTアレイ基板10の図示下面
(TFTアレイ基板10と空気との界面)で反射され
て、液晶層50側に戻る戻り光が、少なくとも半導体層
1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース、ドレイン
領域(LDD領域)1b、1cに入射することを防止す
るための第1遮光膜11aが設けられている。また、第
1遮光膜11aと画素スイッチング用TFT素子30と
の間には、画素スイッチング用TFT素子30を構成す
る半導体層1aを第1遮光膜11aから電気的に絶縁す
るための第1層間絶縁膜12が形成されている。また、
図9に示したように、TFTアレイ基板10に第1遮光
膜11aを設けるのに加えて、コンタクトホール13を
介して第1遮光膜11aは、前段あるいは後段の容量線
3bに電気的に接続するように構成されている。
【0095】また、TFTアレイ基板10の液晶層50
側最表面、すなわち、画素電極9及び第3層間絶縁膜7
上には、電圧無印加時における液晶層50内の液晶分子
の配向を制御する配向膜40が形成されている。
【0096】また、基板本体10Aの液晶層50と反対
側には、上記実施形態の複屈折回折格子型偏光子100
と光吸収型偏光子17とが順次貼着されている。なお、
本実施形態において、複屈折回折格子型偏光子100
は、回折格子200側が基板本体10A側となるように
貼着されている。なお、図1に基づいて説明したよう
に、複屈折回折格子型偏光子100は、S偏光を透過
し、P偏光を全反射層300の側方から出射させて偏光
分離を行うが、光吸収型偏光子17は、S偏光を透過
し、それ以外の偏光を吸収するように構成されている。
【0097】他方、対向基板20には、基板本体20A
の液晶層50側表面であって、データ線6a、走査線3
a、画素スイッチング用TFT素子30の形成領域に対
向する領域、すなわち各画素部の開口領域以外の領域
に、入射光が画素スイッチング用TFT素子30の半導
体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1
b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止する
ための第2遮光膜23が設けられている。さらに、第2
遮光膜23が形成された基板本体20Aの液晶層50側
には、そのほぼ全面に渡って、ITO等からなる共通電
極21が形成され、その液晶層50側には、電圧無印加
時における液晶層50内の液晶分子の配向を制御する配
向膜60が形成されている。
【0098】また、基板本体20Aの液晶層50と反対
側には、光吸収型偏光子24と複屈折回折格子型偏光子
100とが順次貼着されている。なお、本実施形態にお
いて、複屈折回折格子型偏光子100は、全反射層30
0側が基板本体20A側となるように貼着されている。
なお、図1に基づいて説明したように、複屈折回折格子
型偏光子100は、S偏光を透過し、P偏光を全反射層
300の側方から出射させて偏光分離を行うが、光吸収
型偏光子24は、S偏光を透過し、それ以外の偏光を吸
収するように構成されている。
【0099】上述したように、本実施形態では、TFT
アレイ基板10、対向基板20を構成する基板本体10
A、20Aの液晶層50と反対側に、上記実施形態の複
屈折回折格子型偏光子100を備えたことが特徴となっ
ている。さらに、複屈折回折格子型偏光子100は、S
偏光を透過するように構成されているが、僅かながらも
P偏光の0次光が発生するため、複屈折回折格子型偏光
子100の光出射側に、S偏光を透過する光吸収型偏光
子17、24を設け、複屈折回折格子型偏光子100と
光吸収型偏光子17、24とを合わせた消光比を高くす
るように構成している。なお、図面上は、複屈折回折格
子型偏光子100を光吸収型偏光子17、24よりも厚
く図示しているが、実際には、複屈折回折格子型偏光子
100は光吸収型偏光子17、24の厚みとほぼ同等で
ある。
【0100】(表示機構)本実施形態の透過型液晶装置
の表示機構について、TN(Twisted Nematic)モード
を例として簡単に説明する。TNモード、すなわち、電
圧無印加時における液晶分子のツイスト角を90°とす
るためには、対向基板20側の電圧無印加時における液
晶分子の配向方向を、複屈折回折格子型偏光子100の
第1の媒体210の延在方向、及び光吸収型偏光子24
の偏光軸に対して略平行方向とし、TFTアレイ基板1
0側の電圧無印加時における液晶分子の配向方向をそれ
よりも90°ずれた方向、すなわち、複屈折回折格子型
偏光子100の第1の媒体210の延在方向に対して略
垂直方向に設定すれば良い。
【0101】電圧無印加時においては、本実施形態の透
過型液晶装置に入射した光のうち、S偏光のみが複屈折
回折格子型偏光子100及び光吸収型偏光子24とを透
過し、液晶層50に入射する。液晶層50に入射したS
偏光は、90°ツイストされて配列された液晶分子の長
軸方向に沿って、偏光方向が変化し、液晶層50を出射
する際には、S偏光に対して90°ずれたP偏光に変換
される。そして、液晶層50から出射されたP偏光は、
複屈折回折格子型偏光子100及び光吸収型偏光子17
を透過しないので、観察者側に光が出射されず、黒
(暗)表示になる。
【0102】一方、電圧印加時においては、液晶層50
内の液晶分子が画素電極9と共通電極21との間に形成
される縦電界に沿って配列を変更するため、液晶層50
に入射したS偏光は偏光方向を変換することなく、S偏
光のまま出射される。液晶層50から出射されたS偏光
は、複屈折回折格子型偏光子100及び光吸収型偏光子
17を透過するので、観察者側に光が出射され、白
(明)表示になる。
【0103】以上のようにして、表示を行うことができ
る。なお、本実施形態では、TFTアレイ基板10側と
対向基板20側の複屈折回折格子型偏光子100がいず
れもS偏光を透過する場合についてのみ説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、TFTアレイ基
板10側の複屈折回折格子型偏光子100を水平方向に
90°回転させて配置すると共に、光吸収型偏光子17
の偏光軸を水平方向に90°回転させて、TFTアレイ
基板10側の偏光手段がP偏光を透過するように構成し
ても良い。この場合には、電圧無印加時に観察者側に光
が出射されて白(明)表示となり、電圧印加時に観察者
側に光が出射されず黒(暗)表示となり、同様に表示を
行うことができる。このように、TFTアレイ基板1
0、対向基板20側の偏光手段の偏光軸については、適
宜設計することが可能である。
【0104】なお、本明細書において、「電圧無印加
時」、「電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加
電圧が液晶のしきい値電圧未満である時」、「液晶層へ
の印加電圧が液晶のしきい値電圧以上である時」を意味
しているものとする。
【0105】本実施形態の透過型液晶装置は以上のよう
に構成され、本実施形態の透過型液晶装置は、光入射側
と視認側の双方に上記実施形態の複屈折回折格子型偏光
子100を備えると共に、その光出射側に光吸収型偏光
子17、24を備えたものであるので、複屈折回折格子
型偏光子100や光吸収型偏光子17、24における光
吸収が少なく、耐久性に優れたものとなる。
【0106】また、偏光手段として、複屈折回折格子型
偏光子100と光吸収型偏光子17、24を併用する構
成としたので、複屈折回折格子型偏光子100のみを備
える場合に比較して、複屈折回折格子型偏光子100と
光吸収型偏光子17、24とを合わせた消光比を大きく
することができ、コントラストに優れた透過型液晶装置
を提供することができる。
【0107】なお、光吸収型偏光子17、24を設ける
代わりに、光反射型偏光子を設ける構成としても良く、
この場合にも複屈折回折格子型偏光子100や光反射型
偏光子における光吸収が少なく、耐久性に優れた透過型
液晶装置を提供することができる。また、このように、
複屈折回折格子型偏光子100と光反射型偏光子を併用
する場合においても、光反射型偏光子により反射される
光量は少なく、光反射型偏光子により反射された光がT
FT素子30の半導体層1aに入射して光リーク電流を
生じさせ、素子のスイッチング特性を低下させる恐れは
極めて少ない。
【0108】また、本実施形態では、複屈折回折格子型
偏光子100を、TFTアレイ基板10、対向基板20
を構成する基板本体10A、20Aの液晶層50と反対
側に設ける構成としているので、従来と同様に液晶パネ
ルを製造した後、液晶パネルの外側に複屈折回折格子型
偏光子100と光吸収型偏光子17、24(あるいは光
反射型偏光子)を貼着して製造することができ、従来の
透過型液晶装置の製造プロセスをほとんど変えることな
く、簡易に製造することができ、好適である。
【0109】なお、上述したように、複屈折回折格子型
偏光子100では、複屈折回折格子型偏光子100の外
部に存在する空気により、第4の媒体320を構成する
ことができるが、このように、第4の媒体320を気体
により構成する場合には、複屈折回折格子型偏光子10
0と光吸収型偏光子17、24(あるいは光反射型偏光
子)との間に空気層を介在させ、第4の媒体320とし
て機能させる必要がある。
【0110】また、本発明は、複屈折回折格子型偏光子
100を液晶パネルの外部に貼着する場合に限定される
ものではなく、製造プロセスは複雑化するが、複屈折回
折格子型偏光子100を、液晶パネルに内蔵しても良
い。すなわち、複屈折回折格子型偏光子100を、TF
Tアレイ基板10、対向基板20の基板本体10A、2
0Aの液晶層50側に形成する構成としても良い。例え
ば、基板本体10A、20Aの液晶層50側表面に、ス
パッタリング法等により、LiNbO3結晶膜を成長さ
せ、図5に基づいて説明したように、形成されたLiN
bO3結晶膜から、複屈折回折格子型偏光子100を形
成すること等が可能である。
【0111】また、本実施形態では、上記実施形態の複
屈折回折格子型偏光子100を、TFTアレイ基板1
0、対向基板20の双方に設ける構成としたが、本発明
はこれに限定されるものではなく、従来の透過型液晶装
置では、視認側に設けられた光吸収型偏光子における光
吸収が顕著であったため、少なくとも視認側の基板であ
るTFTアレイ基板10に、上記実施形態の複屈折回折
格子型偏光子100を設ける構成とすることにより、従
来よりも耐久性に優れた透過型液晶装置を提供すること
ができる。また、少なくとも視認側の基板であるTFT
アレイ基板10に、上記実施形態の複屈折回折格子型偏
光子100を設ける構成とすることにより、偏光手段と
して光反射型偏光子のみを備える場合に比較して、TF
T素子30のスイッチング特性の低下を防止することが
できる。
【0112】以上、本実施形態では、偏光手段として、
複屈折回折格子型偏光子100と光吸収型偏光子17、
24(あるいは光反射型偏光子)とを併用する場合につ
いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、複屈折回折格子型偏光子100単独でも十分な消光
比が得られる場合には、光吸収型偏光子17、24や光
反射型偏光子を併用する必要はない。
【0113】また、本実施形態では、TFTアレイ基板
10側が視認側である場合についてのみ説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、TFTアレイ基
板10側を光入射側としても良い。また、本実施形態で
は、TFT素子を用いたアクティブマトリクス型液晶装
置についてのみ説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、TFD(Thin-Film Diode)素子を用い
たアクティブマトリクス型液晶装置やパッシブマトリク
ス型液晶装置等にも適用可能である。また、本実施形態
では、透過型液晶装置についてのみ説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、反射型液晶装置や反
射半透過型液晶装置にも適用可能である。このように、
本発明は、いかなる構造の液晶装置にも適用することが
できる。
【0114】[投射型表示装置]上記実施形態の透過型
液晶装置を光変調手段として備えた投射型表示装置の構
成について、図11を参照して説明する。図11は、上
記実施形態の透過型液晶装置を3個用意し、それぞれR
GB用の液晶ライトバルブ962R、962G、962
Bとして用いた投射型表示装置1100の光学系の概略
構成図である。
【0115】投射型表示装置1100の光学系には、光
源装置920と、均一照明光学系923が採用されてい
る。そして、投射型表示装置1100は、この均一照明
光学系923から出射される光束Wを赤(R)、緑
(G)、青(B)に分離する色分離手段としての色分離
光学系924と、各色光束R、G、Bを変調する光変調
手段としての3つの液晶ライトバルブ962R、962
G、962Bと、変調された後の色光束を再合成する色
合成手段としての色合成プリズム910と、合成された
光束を投射面1000の表面に拡大投射する投射手段と
しての投射レンズユニット906を備えている。また、
青色光束Bを対応する液晶ライトバルブ962Bに導く
導光系927をも備えている。
【0116】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つの液晶ライトバルブ962R、
962G、962B付近で重畳される。従って、均一照
明光学系923を用いることにより、光源装置920が
出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合
でも、3つの液晶ライトバルブ962R、962G、9
62Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
【0117】色分離光学系924は、青緑反射ダイクロ
イックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー9
42と、反射ミラー943から構成される。まず、青緑
反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに含
まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射さ
れ、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。
赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の反射
ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出射部
944からプリズムユニット910の側に出射される。
【0118】次に、緑反射ダイクロイックミラー942
において、青緑反射ダイクロイックミラー941におい
て反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束G
のみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945か
ら色合成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイッ
クミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの
出射部946から導光系927の側に出射される。ま
た、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離光
学系924における各色光束の出射部944、945、
946までの距離がほぼ等しくなるように設定されてい
る。
【0119】色分離光学系924の赤色、緑色光束R、
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
このように平行化された赤色、緑色光束R、Gは、液晶
ライトバルブ962R、962Gに入射して変調され、
各色光に対応した画像情報が付加される。すなわち、こ
れらの液晶ライトバルブでは、図示を省略している駆動
手段によって画像情報に応じてスイッチング制御され
て、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われ
る。一方、青色光束Bは、導光系927を介して対応す
る液晶ライトバルブ962Bに導かれ、ここにおいて、
同様に画像情報に応じて変調が施される。
【0120】導光系927は、青色光束Bの出射部94
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、液晶ラ
イトバルブ962Bの手前側に配置した集光レンズ95
3とから構成されている。集光レンズ946から出射さ
れた青色光束Bは、導光系927を介して液晶ライトバ
ルブ962Bに導かれて変調される。各色光束の光路
長、すなわち、光束Wの出射部から各液晶ライトバルブ
962R、962G、962Bまでの距離は青色光束B
が最も長くなり、液晶ライトバルブ962Bの照明され
る条件が他の色と異なってしまう。しかし、導光系92
7を介在させることにより、他の色と同じ照明条件に補
正することができる。
【0121】各液晶ライトバルブ962R、962G、
962Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色
合成プリズム910に入射され、ここで合成される。そ
して、この色合成プリズム910によって合成された光
が投射レンズユニット906を介して所定の位置にある
投射面1000の表面に拡大投射されるようになってい
る。
【0122】以上のように構成された投射型表示装置1
100は、上記実施形態の透過型液晶装置を光変調手段
として備えたものであるので、耐久性に優れたものとな
る。また、光変調手段である透過型液晶装置に備えられ
たTFT素子30のスイッチング特性の低下の恐れが少
なく、表示品質の優れたものとなる。また、複屈折回折
格子型偏光子100を、従来の光吸収型偏光子や光反射
型偏光子とほぼ同等の厚みとすることができるので、液
晶パネルと投射レンズユニット906との間の距離を短
くすることができ、投射型表示装置の表示の明るさが低
下することを防止することができるという効果も得られ
る。
【0123】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、耐久性に優れると共に、トランジスタ素子を用い
たアクティブマトリクス型液晶装置に搭載する場合にお
いても、トランジスタ素子のスイッチング特性の低下を
防止することができる複屈折回折格子型偏光子、この偏
光子を備えた液晶装置、及びこの液晶装置を備えた投射
型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施形態の複屈折回折
格子型偏光子の構造を示す斜視図である。
【図2】 図2は、本発明に係る実施形態の複屈折回折
格子型偏光子の構造を示す断面図である。
【図3】 図3は、本発明に係る実施形態の複屈折回折
格子型偏光子のその他の構造を示す断面図である。
【図4】 図4は、本発明に係る実施形態の複屈折回折
格子型偏光子のその他の構造を示す断面図である。
【図5】 図5(a)〜(d)は、本発明に係る実施形
態の複屈折回折格子型偏光子の製造方法の一例を示す工
程図である。
【図6】 図6は、本発明に係る実施形態の複屈折回折
格子型偏光子のその他の構造を示す断面図である。
【図7】 図7は、本発明に係る実施形態の複屈折回折
格子型偏光子のその他の構造を示す断面図である。
【図8】 図8は、本発明に係る実施形態の透過型液晶
装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に配置され
た複数の画素におけるスイッチング素子、信号線等の等
価回路図である。
【図9】 図9は、本発明に係る実施形態の透過型液晶
装置のTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の構
造を示す平面図である。
【図10】 図10は、本発明に係る実施形態の透過型
液晶装置の構造を示す断面図である。
【図11】 図11は、本発明に係る実施形態の透過型
液晶装置を備えた投射型表示装置の構成図である。
【符号の説明】
100…複屈折回折格子型偏光子 200…回折格子 300…全反射層 210…第1の媒体 220…第2の媒体 310…第3の媒体 320…第4の媒体 10…TFTアレイ基板 20…対向基板 1a…半導体層 11a…第1遮光膜 23…第2遮光膜 12…第1層間絶縁膜 4…第2層間絶縁膜 7…第3層間絶縁膜 30…画素スイッチング用TFT素子(トランジスタ素
子) 9…画素電極 21…共通電極 6a…データ線 3a…走査線 50…液晶層 17、24…光吸収型偏光子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13363 G02F 1/13363 G03B 21/00 G03B 21/00 E 21/14 21/14 Z Fターム(参考) 2H049 AA36 AA44 AA60 AA64 BA02 BA42 BA45 BB03 BB63 BC22 2H088 EA15 HA11 HA13 HA15 HA16 HA18 HA20 HA25 HA28 MA02 2H091 FA08 FA10 FA11 FA14 FA19 GA13 LA03 LA15 LA17 MA07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に延在する第1の媒体と第2の媒
    体とが繰り返し配置され、一方向周期構造を有する回折
    格子を具備し、 前記第1の媒体は、前記第1の媒体の延在方向に対して
    略平行方向に振動する第1の偏光についての屈折率と、
    前記第1の媒体の延在方向に対して略垂直方向に振動す
    る第2の偏光についての屈折率とが異なる複屈折材料か
    らなると共に、前記第2の媒体は、前記第1の偏光につ
    いての前記第1の媒体の屈折率に略等しい屈折率を有す
    る等方性材料からなり、 前記回折格子の光出射側には、前記回折格子を透過した
    前記第1の偏光を透過し、前記回折格子により回折され
    た前記第2の偏光を層内で全反射する全反射層が設けら
    れていることを特徴とする複屈折回折格子型偏光子。
  2. 【請求項2】 前記全反射層は、前記回折格子側から、
    第3の媒体と第4の媒体とを順次具備して構成されてい
    ると共に、 前記第2の偏光についての前記第4の媒体の屈折率が、
    前記第2の偏光についての前記第3の媒体の屈折率より
    も低く、 前記第3の媒体と前記第4の媒体との界面で、前記回折
    格子により回折された前記第2の偏光が全反射されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の複屈折回折格子型偏光
    子。
  3. 【請求項3】 前記第4の媒体が気体からなることを特
    徴とする請求項2に記載の複屈折回折格子型偏光子。
  4. 【請求項4】 前記回折格子のピッチdと、前記回折格
    子に入射する光の波長λとから下記式(1)に基づいて
    算出される、前記回折格子により回折される前記第2の
    偏光の1次回折光の回折角θが、 前記第2の偏光についての前記第3の媒体の屈折率N0
    と、前記第2の偏光についての前記第4の媒体の屈折率
    iとから下記式(2)に基づいて算出される、前記全
    反射層の前記第3の媒体と前記第4の媒体との界面で全
    反射される光の臨界角icよりも大きいことを特徴とす
    る請求項2又は請求項3に記載の複屈折回折格子型偏光
    子。 d(sin(α)+sin(θ))=nλ・・・(1) (但し、式(1)中において、αは入射角を表す。ま
    た、nは回折次数を示し、1次回折光では1である。) sin(ic)=Ni/N0・・・(2)
  5. 【請求項5】 一方向に延在する第1の媒体と第2の媒
    体とが繰り返し配置され、一方向周期構造を有する回折
    格子を具備し、 前記第1の媒体は、前記第1の媒体の延在方向に対して
    略平行方向に振動する第1の偏光についての屈折率と、
    前記第1の媒体の延在方向に対して略垂直方向に振動す
    る第2の偏光についての屈折率とが異なる複屈折材料か
    らなると共に、前記第2の媒体は、前記第2の偏光につ
    いての前記第1の媒体の屈折率に略等しい屈折率を有す
    る等方性材料からなり、 前記回折格子の光出射側には、前記回折格子を透過した
    前記第2の偏光を透過し、前記回折格子により回折され
    た前記第1の偏光を層内で全反射する全反射層が設けら
    れていることを特徴とする複屈折回折格子型偏光子。
  6. 【請求項6】 前記全反射層は、前記回折格子側から、
    第3の媒体と第4の媒体とを順次具備して構成されてい
    ると共に、 前記第1の偏光についての前記第4の媒体の屈折率が、
    前記第1の偏光についての前記第3の媒体の屈折率より
    も低く、 前記第3の媒体と前記第4の媒体との界面で、前記回折
    格子により回折された前記第1の偏光が全反射されるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の複屈折回折格子型偏光
    子。
  7. 【請求項7】 前記第4の媒体が気体からなることを特
    徴とする請求項6に記載の複屈折回折格子型偏光子。
  8. 【請求項8】 前記回折格子のピッチdと、前記回折格
    子に入射する光の波長λとから下記式(1)に基づいて
    算出される、前記回折格子により回折される前記第1の
    偏光の1次回折光の回折角θが、 前記第1の偏光についての前記第3の媒体の屈折率N0
    と、前記第1の偏光についての前記第4の媒体の屈折率
    iとから下記式(2)に基づいて算出される、前記全
    反射層の前記第3の媒体と前記第4の媒体との界面で全
    反射される光の臨界角icよりも大きいことを特徴とす
    る請求項6又は請求項7に記載の複屈折回折格子型偏光
    子。 d(sin(α)+sin(θ))=nλ・・・(1) (但し、式(1)中において、αは入射角を表す。ま
    た、nは回折次数を示し、1次回折光では1である。) sin(ic)=Ni/N0・・・(2)
  9. 【請求項9】 液晶層を挟持して対向配置された一対の
    基板のうち少なくとも一方の基板に、請求項1から請求
    項8までのいずれか1項に記載の複屈折回折格子型偏光
    子が設けられていることを特徴とする液晶装置。
  10. 【請求項10】 前記複屈折回折格子型偏光子と前記液
    晶層との間に、光吸収型偏光子若しくは光反射型偏光子
    をさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の液
    晶装置。
  11. 【請求項11】 前記一対の基板のうち、一方の基板側
    から光が入射し、他方の基板側から出射された光を視認
    する構造であると共に、 少なくとも視認側の基板に、前記複屈折回折格子型偏光
    子が設けられていることを特徴とする請求項9又は請求
    項10に記載の液晶装置。
  12. 【請求項12】 光源と、前記光源からの光を変調する
    請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載の液
    晶装置からなる光変調手段と、前記光変調手段により変
    調された光を投射する投射手段とを具備することを特徴
    とする投射型表示装置。
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