JP2003066458A - 配向膜、配向膜の形成方法、液晶装置、並びに投射型表示装置 - Google Patents

配向膜、配向膜の形成方法、液晶装置、並びに投射型表示装置

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JP2003066458A
JP2003066458A JP2001254814A JP2001254814A JP2003066458A JP 2003066458 A JP2003066458 A JP 2003066458A JP 2001254814 A JP2001254814 A JP 2001254814A JP 2001254814 A JP2001254814 A JP 2001254814A JP 2003066458 A JP2003066458 A JP 2003066458A
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Shuhei Yamada
周平 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた配向膜、該配向膜を備えた液
晶装置を提供する。 【解決手段】 本発明の配向膜40(60)は、表面
に、ラビング処理若しくは光配向処理により形成された
配向制御層42を有する複数の有機膜41が、配向制御
層42が液晶分子側に位置するように積層形成されてな
ることを特徴とする。また、本発明の液晶装置は、液晶
層を挟持して対向配置された一対の基板のうち、少なく
とも一方の基板の液晶層側最表面に、本発明の配向膜4
0(60)を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向膜、配向膜の
形成方法、液晶装置、並びに投射型表示装置に係り、特
に、耐久性に優れた配向膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に
搭載される光変調手段や、携帯電話等に搭載される直視
型表示装置として用いられる液晶装置は、液晶層を挟持
して対向配置され、液晶層に電圧を印加するための電極
を具備する一対の基板を主体として構成されており、液
晶装置を構成する一対の基板の液晶層側最表面には、各
々、電圧無印加時における液晶分子の配列を制御する配
向膜が形成されている。そして、電圧無印加時、電圧印
加時における液晶分子の配列を光学的に識別することに
より表示を行うことが可能な構成になっている。
【0003】従来、配向膜としては、ポリイミド等から
なる有機膜の表面を、布等により所定の方向にラビング
したものが、液晶配向制御機能に優れることから広く用
いられている。なお、本明細書において、「電圧無印加
時」、「電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加
電圧が液晶のしきい値電圧未満である時」、「液晶層へ
の印加電圧が液晶のしきい値電圧以上である時」を意味
しているものとする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光束密
度が2〜10lm/mm2程度の光強度の強い光を液晶
装置に照射させる投射型表示装置においては、配向膜が
光や熱により次第に分解され、長期使用後に、電圧無印
加時の液晶分子を所望のプレチルト角に配列することが
できないなど、液晶配向制御機能が低下し、表示品質が
低下することがあった。この問題は特に、有機膜とし
て、光や熱により分解されやすいイミド結合を有するポ
リイミド膜を用いる場合に顕著であった。なお、投射型
表示装置に搭載する場合、液晶装置は50〜70℃程度
の温度に曝されることが知られている。
【0005】そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされ
たものであり、耐久性に優れた配向膜及びその形成方
法、耐久性に優れた配向膜を備えた液晶装置、並びに該
液晶装置を備えた投射型表示装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく検討を行った結果、配向膜全体が液晶分子の
配向を制御するのではなく、ラビング処理を行った表面
のみが液晶分子の配向を制御する配向制御層として機能
するため、この配向制御層が分解された時点で液晶配向
制御機能がなくなること、配向膜は光や熱により分解さ
れるが、配向膜全面に渡って同じ速度で分解が進行する
のではないことを見出し、これらの点に着目して、以下
の配向膜を発明した。
【0007】本発明の配向膜は、液晶分子の配向を制御
する配向膜において、表面に配向制御層を有する複数の
有機膜が、前記配向制御層が前記液晶分子側に位置する
ように積層形成されてなることを特徴とする。換言すれ
ば、本発明の配向膜は、液晶分子に接する表面に配向制
御層を有すると共に、該配向制御層よりも内側に、少な
くとも1層の配向制御層をさらに有することを特徴とす
る。
【0008】図6(a)、(b)に、従来の配向膜の初
期状態、長期使用後の状態を、液晶分子に接する面に対
して略垂直方向に切断した時の拡大断面図を模式的に示
すと共に、図7(a)、(b)に、本発明の配向膜の初
期状態、長期使用後の状態を、液晶分子に接する面に対
して略垂直方向に切断した時の拡大断面図を模式的に示
し、これらの図に基づいて、従来の配向膜と本発明の配
向膜との相違点について説明する。なお、これらの図に
おいては、図示上側が液晶分子に接する側となってい
る。
【0009】本発明者は、図6(a)に示す、表面に配
向制御層102を有する1層の有機膜101からなる従
来の配向膜100では、光強度の強い光が入射し、50
〜70℃程度の温度に曝される条件下で長期使用した場
合、図6(b)に示すように、配向膜100が分解され
て配向制御層102が消失し、液晶配向制御機能がなく
なる場合があることを見出した。
【0010】これに対して、図7(a)に示す、表面に
配向制御層202を有する有機膜201が複数積層形成
されてなる本発明の配向膜200では、光強度の強い光
が入射し、50〜70℃程度の温度に曝される条件下で
長期使用し、液晶分子に接する表面の配向制御層202
が分解されたとしても、配向膜200全面に渡って同じ
速度で分解が進行するのではないので、図7(b)に示
すように、長期使用後の配向膜200表面には多数の凹
凸が形成され、内側に位置する配向制御層202が部分
的に露出し、液晶分子の配向を制御することができるこ
とを見出した。なお、液晶分子は自己配向規制力を有す
るため、配向膜200全面に渡って配向制御層202が
露出する必要はなく、図7(b)に示すように、配向制
御層202が部分的に露出すれば、配向制御層202が
露出した部分の近傍の液晶分子の配向が制御され、他の
液晶分子もこれに追随するため、液晶層内のすべての液
晶分子を良好に制御することができる。
【0011】このように、本発明では、液晶分子に接す
る表面のみならず、それよりも内側に少なくとも1層の
配向制御層を有する構成としているので、液晶配向制御
機能を長期に渡って維持することができ、耐久性に優れ
た配向膜を提供することができる。なお、本発明の配向
膜において、前記配向制御層としては、ラビング処理若
しくは光配向処理により形成されたものを例示すること
ができる。また、本発明は、前記複数の有機膜のうち少
なくとも1層が、光や熱により分解されやすいイミド結
合を有するポリイミドからなる場合に特に有効である。
【0012】以上の本発明の配向膜は、以下の本発明の
配向膜の形成方法により形成することができる。本発明
の配向膜の形成方法は、液晶分子の配向を制御する配向
膜の形成方法において、有機膜を形成する有機膜形成工
程と、前記有機膜の表面に配向制御層を形成する配向制
御層形成工程とを複数回繰り返すことを特徴とする。ま
た、前記配向制御層形成工程において、前記有機膜の表
面にラビング処理若しくは光配向処理を施すことによ
り、前記配向制御層を形成することができる。以上の本
発明の配向膜の形成方法によれば、耐久性に優れた本発
明の配向膜を形成することができる。
【0013】また、前記有機膜形成工程が、配向膜を形
成する下地上に、配向性高分子若しくは配向性高分子の
前駆体を溶剤に溶解した溶液を塗布し、塗布膜を形成す
る工程と、前記塗布膜を焼成する工程とを有するもので
あることが好ましい。このように、配向膜を形成する下
地上に、配向性高分子若しくは配向性高分子の前駆体を
溶剤に溶解した溶液を塗布し、塗布膜を形成した後、該
塗布膜を焼成して得られる有機膜は溶剤への熔解性が低
下するので、表面に配向制御層を形成した有機膜上に、
さらに、配向性高分子若しくは配向性高分子の前駆体を
溶剤に溶解した溶液を塗布する際に、先に形成された配
向制御層が溶解してしまう恐れは極めて低い。したがっ
て、本発明の配向膜の形成方法によれば、安定して、表
面に配向制御層を有する有機膜を複数積層形成すること
ができる。
【0014】また、上述の本発明の配向膜を備えること
により、以下の本発明の液晶装置を提供することができ
る。本発明の液晶装置は、液晶層を挟持して対向配置さ
れた一対の基板のうち、少なくとも一方の基板の前記液
晶層側最表面に、上記本発明の配向膜を備えたことを特
徴とする。本発明の液晶装置は、本発明の配向膜を備え
たものであるので、耐久性に優れたものとなる。
【0015】また、本発明の液晶装置を備えることによ
り、以下の本発明の投射型表示装置を提供することがで
きる。本発明の投射型表示装置は、光源と、前記光源か
らの光を変調する本発明の液晶装置からなる光変調手段
と、前記光変調手段により変調された光を投射する投射
手段とを備えたことを特徴とする。本発明の投射型表示
装置は、本発明の液晶装置を備えたものであるので、耐
久性に優れたものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態の液
晶装置の構造について詳述する。本実施形態の液晶装置
は、スイッチング素子としてTFT(Thin-Film Transi
stor)素子を用いたアクティブマトリクス型の透過型液
晶装置である。また、本実施形態の液晶装置は、本発明
の配向膜を備えたものであり、配向膜の構造が特に特徴
的なものとなっている。
【0017】以下、図1〜図4に基づいて、本実施形態
の透過型液晶装置の構造について説明する。図1は本実
施形態の透過型液晶装置の画像表示領域を構成するマト
リクス状に配置された複数の画素におけるスイッチング
素子、信号線等の等価回路図である。図2はデータ線、
走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相
隣接する複数の画素群の構造を示す平面図である。図3
は本実施形態の透過型液晶装置の構造を示す断面図であ
って、図2のA−A’線断面図である。図4は本実施形
態の液晶装置に備えられた配向膜を拡大して示す部分断
面図である。なお、図3においては、図示上側が光入射
側、図示下側が視認側(観察者側)である場合について
図示している。また、各図においては、各層や各部材を
図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各
部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0018】本実施形態の透過型液晶装置において、図
1に示すように、画像表示領域を構成するマトリクス状
に配置された複数の画素には、画素電極9と当該画素電
極9を制御するためのスイッチング素子であるTFT素
子30がそれぞれ形成されており、画像信号が供給され
るデータ線6aが当該TFT素子30のソースに電気的
に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S
1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給される
か、あるいは相隣接する複数のデータ線6aに対してグ
ループ毎に供給される。
【0019】また、走査線3aがTFT素子30のゲー
トに電気的に接続されており、複数の走査線3aに対し
て走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングで
パルス的に線順次で印加される。また、画素電極9はT
FT素子30のドレインに電気的に接続されており、ス
イッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオ
ンすることにより、データ線6aから供給される画像信
号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込
む。
【0020】画素電極9を介して液晶に書き込まれた所
定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述する
共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加さ
れる電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化する
ことにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ここ
で、保持された画像信号がリークすることを防止するた
めに、画素電極9と共通電極との間に形成される液晶容
量と並列に蓄積容量70が付加されている。
【0021】(平面構造)次に、図2に基づいて、本実
施形態の透過型液晶装置の平面構造について説明する。
図2に示すように、TFTアレイ基板上に、インジウム
錫酸化物(以下、「ITO」と略す。)等の透明導電性
材料からなる矩形状の画素電極9(点線部9Aにより輪
郭を示す)が複数、マトリクス状に設けられており、画
素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査
線3a及び容量線3bが設けられている。本実施形態に
おいて、各画素電極9及び各画素電極9を囲むように配
設されたデータ線6a、走査線3a、容量線3b等が形
成された領域が画素であり、マトリクス状に配置された
各画素毎に表示を行うことが可能な構造になっている。
データ線6aは、TFT素子30を構成する例えばポリ
シリコン膜からなる半導体層1aのうち、後述のソース
領域にコンタクトホール5を介して電気的に接続されて
おり、画素電極9は、半導体層1aのうち、後述のドレ
イン領域にコンタクトホール8を介して電気的に接続さ
れている。また、半導体層1aのうち、後述のチャネル
領域(図中左上がりの斜線の領域)に対向するように走
査線3aが配置されており、走査線3aはチャネル領域
に対向する部分でゲート電極として機能する。
【0022】容量線3bは、走査線3aに沿って略直線
状に伸びる本線部(すなわち、平面的に見て、走査線3
aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交
差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中上向
き)に突出した突出部(すなわち、平面的に見て、デー
タ線6aに沿って延設された第2領域)とを有する。そ
して、図2中、右上がりの斜線で示した領域には、複数
の第1遮光膜11aが設けられている。
【0023】より具体的には、第1遮光膜11aは、各
々、半導体層1aのチャネル領域を含むTFT素子30
をTFTアレイ基板側から見て覆う位置に設けられてお
り、さらに、容量線3bの本線部に対向して走査線3a
に沿って直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差
する箇所からデータ線6aに沿って隣接する後段側(す
なわち、図中下向き)に突出した突出部とを有する。第
1遮光膜11aの各段(画素行)における下向きの突出
部の先端は、データ線6a下において次段における容量
線3bの上向きの突出部の先端と重なっている。この重
なった箇所には、第1遮光膜11aと容量線3bとを相
互に電気的に接続するコンタクトホール13が設けられ
ている。すなわち、本実施形態では、第1遮光膜11a
は、コンタクトホール13により前段あるいは後段の容
量線3bに電気的に接続されている。
【0024】(断面構造)次に、図3に基づいて、本実
施形態の透過型液晶装置の断面構造について説明する。
図3に示すように、本実施形態の透過型液晶装置におい
ては、TFTアレイ基板10と、これに対向配置される
対向基板20との間に液晶層50が挟持されている。T
FTアレイ基板10は、石英等の透光性材料からなる基
板本体10Aとその液晶層50側表面に形成された画素
電極9、TFT素子30、配向膜40を主体として構成
されており、対向基板20はガラスや石英等の透光性材
料からなる基板本体20Aとその液晶層50側表面に形
成された共通電極21と配向膜60とを主体として構成
されている。
【0025】より詳細には、TFTアレイ基板10にお
いて、基板本体10Aの液晶層50側表面には画素電極
9が設けられ、各画素電極9に隣接する位置に、各画素
電極9をスイッチング制御する画素スイッチング用TF
T素子30が設けられている。画素スイッチング用TF
T素子30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を
有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界に
よりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域
1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート
絶縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース
領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの
高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備
えている。
【0026】また、上記走査線3a上、ゲート絶縁膜2
上を含む基板本体10A上には、高濃度ソース領域1d
へ通じるコンタクトホール5、及び高濃度ドレイン領域
1eへ通じるコンタクトホール8が開孔した第2層間絶
縁膜4が形成されている。つまり、データ線6aは、第
2層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を介して
高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。さら
に、データ線6a上及び第2層間絶縁膜4上には、高濃
度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が開孔
した第3層間絶縁膜7が形成されている。つまり、高濃
度ドレイン領域1eは、第2層間絶縁膜4及び第3層間
絶縁膜7を貫通するコンタクトホール8を介して画素電
極9に電気的に接続されている。
【0027】また、本実施形態では、ゲート絶縁膜2を
走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として
用い、半導体膜1aを延設して第1蓄積容量電極1fと
し、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積
容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されて
いる。
【0028】また、TFTアレイ基板10の基板本体1
0Aの液晶層50側表面において、各画素スイッチング
用TFT素子30が形成された領域には、TFTアレイ
基板10を透過し、TFTアレイ基板10の図示下面
(TFTアレイ基板10と空気との界面)で反射され
て、液晶層50側に戻る戻り光が、少なくとも半導体層
1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース、ドレイン
領域(LDD領域)1b、1cに入射することを防止す
るための第1遮光膜11aが設けられている。また、第
1遮光膜11aと画素スイッチング用TFT素子30と
の間には、画素スイッチング用TFT素子30を構成す
る半導体層1aを第1遮光膜11aから電気的に絶縁す
るための第1層間絶縁膜12が形成されている。また、
図2に示したように、TFTアレイ基板10に第1遮光
膜11aを設けるのに加えて、コンタクトホール13を
介して第1遮光膜11aは、前段あるいは後段の容量線
3bに電気的に接続するように構成されている。
【0029】また、TFTアレイ基板10の液晶層50
側最表面、すなわち、画素電極9及び第3層間絶縁膜7
上には、電圧無印加時における液晶層50内の液晶分子
の配向を制御する配向膜40が形成されている。
【0030】他方、対向基板20には、基板本体20A
の液晶層50側表面であって、データ線6a、走査線3
a、画素スイッチング用TFT素子30の形成領域に対
向する領域、すなわち各画素部の開口領域以外の領域
に、入射光が画素スイッチング用TFT素子30の半導
体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1
b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止する
ための第2遮光膜23が設けられている。さらに、第2
遮光膜23が形成された基板本体20Aの液晶層50側
には、そのほぼ全面に渡って、ITO等からなる共通電
極21が形成され、その液晶層50側には、電圧無印加
時における液晶層50内の液晶分子の配向を制御する配
向膜60が形成されている。
【0031】(配向膜)上述したように、本実施形態に
おいては、配向膜40、60の構造が特に特徴的なもの
となっている。以下、図4に基づいて、配向膜40、6
0の構造及びその形成方法について説明する。なお、図
4は、配向膜40(60)を拡大して示す部分断面図で
あり、図示上側が液晶層50に接する側である。また、
図示するように、本実施形態では、TFTアレイ基板1
0側の配向膜40と対向基板20側の配向膜60とは同
一の構造を有するものとなっている。
【0032】図4に示すように、配向膜40(60)
は、ポリイミド等からなる有機膜41が2層積層形成さ
れたものであり、各有機膜41の液晶層50側表面(図
示上側表面)には、液晶分子の配向を制御する配向制御
層42が形成されている。すなわち、配向膜40(6
0)は、液晶層50(液晶分子)に接する表面に配向制
御層42を有すると共に、該配向制御層42よりも内側
にさらに配向制御層42を有して構成されている。な
お、図面上は、有機膜41において、配向制御層42と
それ以外の部分とが明確に分離されているように図示し
ているが、実際は、配向制御層42とそれ以外の部分と
の境界は曖昧である。
【0033】配向制御層42はラビング処理により形成
することができ、表面に配向制御層42を有する有機膜
41は、以下のようにして形成することができる。すな
わち、可溶性ポリイミド等の配向性高分子あるいはポリ
アミック酸等の配向性高分子の前駆体を溶剤に溶解した
溶液を調製し、有機膜41を形成する下地上にスピンコ
ート法、フレキソ印刷法等により塗布し、塗布膜を形成
した後、該塗布膜を80〜100℃で、10〜20分間
仮焼成して溶剤を揮発させ、さらに、180〜250℃
で、50〜80分間本焼成することにより、配向制御層
42が未形成の有機膜41を形成する。
【0034】なお、原料として配向性高分子の前駆体を
用いる場合には、本焼成を行う際に、配向性高分子の前
駆体が配向性高分子に変換される。例えば、配向性高分
子の前駆体としてポリアミック酸を用いる場合には、本
焼成を行う際に、アミド基がイミド化されて、配向性高
分子であるポリイミドに変換される。以上のようにして
形成した有機膜41表面を、布等を用いて所定の方向に
ラビングするラビング処理を施すことにより、表面に配
向制御層42を有する有機膜41を形成することができ
る。
【0035】そして、上述の操作を2回繰り返すことに
より、表面に配向制御層42を有する有機膜41が2層
積層形成された配向膜40(60)を形成することがで
きる。なお、2層の有機膜41は、異なる配向性高分子
により構成しても良い。また、一方は配向性高分子の溶
液を用いて形成し、他方は配向性高分子の前駆体の溶液
を用いて形成するなど、異なる溶液を用いて形成しても
良い。
【0036】なお、本焼成後の有機膜41は溶剤への溶
解性が低下するため、表面に配向制御層42を形成した
有機膜41の上に、さらに、配向性高分子若しくは配向
性高分子の前駆体の溶液を塗布する際に、先に形成され
た配向制御層42が溶解してしまう恐れは極めて低い。
特に、原料として配向性高分子の前駆体を用いる場合に
は、本焼成時に配向性高分子の前駆体が配向性高分子に
変換されるため、溶剤への溶解性は極めて低くなる。
【0037】また、配向制御層42は光配向処理によっ
ても形成することができ、配向制御層42を光配向処理
により形成する場合、表面に配向制御層42を有する有
機膜41は、以下のようにして形成することができる。
すなわち、ラビング処理により配向制御層42を形成す
る場合と同様に、有機膜41を形成する下地上に、配向
制御層42が未形成の有機膜41を形成した後、紫外線
から所定の方向に振動する偏光のみを取り出して、有機
膜41表面に対して所定の方向から照射することによ
り、紫外線が照射された部分のみが分解されることを利
用して、表面に配向制御層42を有する有機膜41を形
成することができる。
【0038】また、配向制御層42が未形成の有機膜4
1の表面に、光重合性を有する官能基を持つ高分子の溶
液を塗布し、加熱して溶剤を揮発させ、高分子の薄膜を
形成した後、紫外線から所定の方向に振動する偏光のみ
を取り出して、高分子の薄膜に対して所定の方向から照
射することにより、紫外線が照射された方向のみが重合
することを利用して、表面に配向制御層42を有する有
機膜41を形成することもできる。
【0039】なお、紫外線を照射することにより、有機
膜41の表面を分解して配向制御層42を形成する場合
には、紫外線により分解する有機膜41を形成する必要
があるが、光強度の強い光源を用いる投射型表示装置に
搭載する場合においても、偏光子を通過した可視光のみ
が液晶装置に入射するため、配向膜40(60)の光に
よる分解速度は、ラビング処理、あるいは紫外線を照射
することにより、重合することを利用した光配向処理を
施して配向制御層42を形成する場合と同等である。
【0040】そして、ラビング処理により配向制御層4
2を形成する場合と同様に、上述の操作を2回繰り返す
ことにより、表面に配向制御層42を有する有機膜41
が2層積層形成された配向膜40(60)を形成するこ
とができる。なお、2層の有機膜41のうち、一方は、
紫外線照射による有機膜41の分解を利用した光配向処
理、他方は、紫外線照射による重合を利用した光配向処
理を施して配向制御層42を形成するなど、異なる光配
向処理を組み合わせて2つの配向制御層42を形成して
も良い。また、2層の有機膜41のうち、一方はラビン
グ処理、他方は光配向処理を施して配向制御層42を形
成するなど、異なる配向処理を組み合わせて2つの配向
制御層42を形成しても良い。
【0041】上述したように、本実施形態の液晶装置に
備えられた配向膜40、60は、表面に配向制御層42
を有する有機膜41が2層積層形成された構造を有する
ので、「課題を解決するための手段」の項で述べたよう
に、光強度の強い光が入射し、50〜70℃程度の温度
に曝される条件下で長期使用し、液晶層50(液晶分
子)に接する表面の配向制御層42が分解されたとして
も、配向膜40、60全面に渡って同じ速度で分解が進
行するのではないので、内側に位置する配向制御層42
が部分的に露出し、液晶分子の配向を制御することがで
きる。したがって、配向膜40、60は、液晶配向制御
機能を長期に渡って維持することができ、耐久性に優れ
ている。また、配向膜40、60を備えた本実施形態の
液晶装置は、液晶分子を長期に渡って良好に制御するこ
とができ、耐久性に優れたものとなる。
【0042】なお、本実施形態では、表面に配向制御層
42を有する有機膜41が2層積層形成されてなる配向
膜40、60についてのみ説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、配向膜40、60を、表面に
配向制御層42を有する有機膜41を3層以上積層形成
して構成しても良い。このように、積層する有機膜41
の数を増す程、内側に位置する配向制御層42の数が増
すので、より耐久性に優れた配向膜40、60とするこ
とができる。配向膜40、60が光や熱により分解さ
れ、液晶層50に近い側から第1、第2の配向制御層4
2が消失したとしても、さらに、内側に第3、第4、・
・・の配向制御層42が部分的に露出して液晶分子の配
向を制御することができるからである。
【0043】但し、積層する有機膜41の数を増す程、
製造プロセスが複雑化する。また、配向膜40、60の
膜厚は、10〜100nmであることが好ましい。配向
膜40、60の膜厚が10nm未満では、ラビング処理
によって剥がれる恐れがあるなど、強度上の問題があ
り、好ましくない。また、配向膜40、60の膜厚が1
00nmを超えると、液晶層50と電極(画素電極9、
共通電極21)との距離が増し、液晶層50の駆動電圧
が増大するため、好ましくない。また、各有機膜41の
膜厚は5〜50nmであることが好ましく、15〜30
nmであることがより好ましい。各有機膜41の膜厚が
5nm未満では、ラビング処理によって剥がれる恐れが
あるなど、強度上の問題があり、好ましくない。また、
各有機膜41の膜厚が50nmを超えると、本発明の効
果(光、熱により配向膜が分解された場合の配向制御能
力の維持)が発現しにくくなるため、好ましくない。し
たがって、これらの点を考慮して、設計する必要があ
る。
【0044】また、本実施形態では、TFTアレイ基板
10と対向基板20の双方の配向膜40、60を上述の
構成としたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、少なくとも一方の基板の配向膜を上述の構成とする
ことにより、従来よりも耐久性に優れた液晶装置を提供
することができる。但し、双方の基板の配向膜を上述の
構成とすることにより、より耐久性に優れた液晶装置を
提供することができることは言うまでもない。
【0045】また、本実施形態では、TFT素子を用い
たアクティブマトリクス型液晶装置についてのみ説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、TFD
(Thin-Film Diode)素子を用いたアクティブマトリク
ス型液晶装置やパッシブマトリクス型液晶装置等にも適
用可能である。また、本実施形態では、透過型液晶装置
についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、反射型や半透過反射型の液晶装置にも適用
可能である。このように、本発明は、いかなる構造の液
晶装置にも適用することができる。
【0046】[投射型表示装置]上記実施形態の液晶装
置を光変調手段として備えた投射型表示装置の構成につ
いて、図5を参照して説明する。図5は、上記実施形態
の液晶装置を3個用意し、それぞれRGB用の液晶ライ
トバルブ962R、962G、962Bとして用いた投
射型表示装置1100の光学系の概略構成図である。
【0047】本例の投射型表示装置の光学系には、光源
装置920と、均一照明光学系923が採用されてい
る。そして、投射型表示装置は、この均一照明光学系9
23から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離する色分離手段としての色分離光学系92
4と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段としての
3つのライトバルブ925R、925G、925Bと、
変調された後の色光束を再合成する色合成手段としての
色合成プリズム910と、合成された光束を投射面10
0の表面に拡大投射する投射手段としての投射レンズユ
ニット906を備えている。また、青色光束Bを対応す
るライトバルブ925Bに導く導光系927をも備えて
いる。
【0048】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、92
5G、925B付近で重畳される。従って、均一照明光
学系923を用いることにより、光源装置920が出射
光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合で
も、3つのライトバルブ925R、925G、925B
を均一な照明光で照明することが可能となる。
【0049】各色分離光学系924は、青緑反射ダイク
ロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー
942と、反射ミラー943から構成される。まず、青
緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに
含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射
され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向か
う。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の
反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出
射部944からプリズムユニット910の側に出射され
る。
【0050】次に、緑反射ダイクロイックミラー942
において、青緑反射ダイクロイックミラー941におい
て反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束G
のみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945か
ら色合成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイッ
クミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの
出射部946から導光系927の側に出射される。本例
では、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離
光学系924における各色光束の出射部944、94
5、946までの距離がほぼ等しくなるように設定され
ている。
【0051】色分離光学系924の赤色、緑色光束R、
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
このように平行化された赤色、緑色光束R、Gは、ライ
トバルブ925R、925Gに入射して変調され、各色
光に対応した画像情報が付加される。すなわち、これら
の液晶装置は、図示を省略している駆動手段によって画
像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、
ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青色光
束Bは、導光系927を介して対応するライトバルブ9
25Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じ
て変調が施される。尚、本例のライトバルブ925R、
925G、925Bは、それぞれさらに入射側偏光手段
960R、960G、960Bと、出射側偏光手段96
1R、961G、961Bと、これらの間に配置された
液晶装置962R、962G、962Bとからなる液晶
ライトバルブである。
【0052】導光系927は、青色光束Bの出射部94
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライト
バルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953と
から構成されている。集光レンズ946から出射された
青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962B
に導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、
光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、9
62Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したが
って、青色光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導
光系927を介在させることにより、光量損失を抑制す
ることができる。
【0053】各ライトバルブ925R、925G、92
5Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成
プリズム910に入射され、ここで合成される。そし
て、この色合成プリズム910によって合成された光が
投射レンズユニット906を介して所定の位置にある投
射面100の表面に拡大投射されるようになっている。
上記構造を有する投射型表示装置1100は、上記の実
施形態の液晶装置を備えたものであるので、耐久性に優
れたものとなる。
【0054】
【実施例】次に、本発明に係る実施例、及び従来例につ
いて説明する。 (実施例1)可溶性ポリイミドを溶剤に溶解してポリイ
ミド溶液を調製し、このポリイミド溶液を、電極やTF
T素子等の配向膜以外の必要な要素を形成したガラス基
板上にスピンコート法により塗布し、塗布膜を形成した
後、該塗布膜を80℃で10分間仮焼成して溶剤を揮発
させ、さらに180℃で1時間本焼成し、約25nmの
膜厚のポリイミド膜を形成した。このポリイミド膜の表
面に、ラビング密度を450としてラビング処理を施し
た。ラビング処理を施したポリイミド膜の表面に、さら
に、同様の操作を繰り返して、ラビング処理が施された
ポリイミド膜を形成した。すなわち、本実施例では、ラ
ビング処理により形成された2層の配向制御層を有する
配向膜を形成した。以上のようにして、TFTアレイ基
板と対向基板とを作製し、これらをセルギャップ5μm
として貼着した後、基板間にフッ素系の液晶を注入して
封止し、液晶パネルを作製した。さらに、液晶パネルの
光入射側、光出射側の外表面に各々偏光子を貼着し、本
発明のアクティブマトリクス型の透過型液晶装置を作製
した。なお、TFTアレイ基板と対向基板は、配向膜の
配向方向が互いに直交するように貼着し、TN(Twiste
d Nematic)モードの液晶装置を作製した。
【0055】(実施例2)電極やTFT素子等の配向膜
以外の必要な要素を形成したガラス基板上に、実施例1
と同様にして、ラビング処理が施されたポリイミド膜を
1層形成した。さらに、ラビング処理を施したポリイミ
ド膜の表面に、実施例1で用いたのと同じポリイミド溶
液をスピンコート法により塗布し、塗布膜を形成した
後、該塗布膜を80℃で10分間仮焼成して溶剤を揮発
させ、さらに180℃で1時間本焼成し、約25nmの
膜厚のポリイミド膜を形成した。次いで、波長257n
mの紫外線から直線偏光を取り出し、基板表面に対して
垂直方向に照射した後、照射する紫外線の偏光方向を9
0°回転させ、さらに偏光方向を含む面内で照射方向を
回転して2回目の照射を行い、ポリイミド膜の表面に光
配向処理を施した。すなわち、本実施例では、ラビング
処理により形成された1層の配向制御層と、光配向処理
により形成された1層の配向制御層を有する配向膜を形
成した。以上のようにして、TFTアレイ基板と対向基
板とを作製し、実施例1と同様にして、TNモードのア
クティブマトリクス型の透過型液晶装置を作製した。
【0056】(実施例3)電極やTFT素子等の配向膜
以外の必要な要素を形成したガラス基板上に、実施例1
と同様にして、ラビング処理が施されたポリイミド膜を
1層形成した。さらに、ラビング処理を施したポリイミ
ド膜の表面に、溶剤にポリビニルシンナメートを溶解し
た溶液をスピンコート法により塗布し、塗布膜を形成し
た後、該塗布膜を80℃で10分間焼成して溶剤を揮発
させ、ポリビニルシンナメート膜を形成した。次いで、
波長257nmの紫外線から直線偏光を取り出し、基板
表面に対して垂直方向に照射し、ポリビニルシンナメー
ト膜の表面に光配向処理を施した。すなわち、本実施例
では、ラビング処理により形成された1層の配向制御層
と、光配向処理により形成された1層の配向制御層を有
する配向膜を形成した。以上のようにして、TFTアレ
イ基板と対向基板とを作製し、実施例1と同様にして、
TNモードのアクティブマトリクス型の透過型液晶装置
を作製した。
【0057】(実施例4)電極やTFT素子等の配向膜
以外の必要な要素を形成したガラス基板上に、実施例1
で用いたのと同じポリイミド溶液をスピンコート法によ
り塗布し、塗布膜を形成した後、該塗布膜を80℃で1
0分間仮焼成して溶剤を揮発させ、さらに180℃で1
時間本焼成し、約25nmの膜厚のポリイミド膜を形成
した。次いで、波長257nmの紫外線から直線偏光を
取り出し、基板表面に対して垂直方向に照射した後、照
射する紫外線の偏光方向を90°回転させ、さらに偏光
方向を含む面内で照射方向を回転して2回目の照射を行
い、ポリイミド膜の表面に光配向処理を施した。光配向
処理を施したポリイミド膜の表面に、さらに、同様の操
作を繰り返して、光配向処理が施されたポリイミド膜を
形成した。すなわち、本実施例では、光配向処理により
形成された2層の配向制御層を有する配向膜を形成し
た。以上のようにして、TFTアレイ基板と対向基板と
を作製し、実施例1と同様にして、TNモードのアクテ
ィブマトリクス型の透過型液晶装置を作製した。
【0058】(従来例)電極やTFT素子等の配向膜以
外の必要な要素を形成したガラス基板上に、実施例1で
用いたのと同じポリイミド溶液をスピンコート法により
塗布し、塗布膜を形成した後、該塗布膜を80℃で10
分間仮焼成して溶剤を揮発させ、さらに180℃で1時
間本焼成し、25nmの膜厚のポリイミド膜を形成し
た。このポリイミド膜の表面に、ラビング密度を450
としてラビング処理を施した。すなわち、従来例では、
ラビング処理により形成された1層の配向制御層を有す
る配向膜を形成した。以上のようにして、TFTアレイ
基板と対向基板とを作製し、実施例1と同様にして、T
Nモードのアクティブマトリクス型の透過型液晶装置を
作製した。
【0059】(耐久性試験)以下のようにして、各実施
例、従来例において、得られた液晶装置の耐久性試験を
行った。液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧未満
の時、液晶分子は配向膜の配向制御層に従って小さいプ
レチルト角で配列し、液晶層への印加電圧が液晶のしき
い値電圧を超えると、液晶分子は電界方向に沿うように
配列を変化させる。そして、液晶分子の配列によって、
液晶層を透過した後の光の偏光方向が変わるので、光出
射側の偏光子を通過する光量が変化する。つまり、液晶
装置においては、印加電圧(V)と光透過率(T)との
間には所定の関係がある。各実施例、従来例において得
られた液晶装置を70℃の温度下で、10lm/mm2
の光束密度の可視光を照射した時の、印加電圧(V)と
光透過率(T)との間の関係、すなわちV/T曲線を経
時的に測定し、印加電圧が低い時の光透過率が大きく変
動し、V/T曲線が大きく変動するまでの耐久時間を測
定した。なお、印加電圧が低い時の光透過率が大きく変
動するということは、配向膜の配向制御機能が低下し、
印加電圧が低い時の液晶分子のプレチルト角が大きくな
ったことを意味する。
【0060】(評価結果)実施例1、2、3、4におい
て得られた液晶装置の耐久時間は、従来例において得ら
れた液晶装置の耐久時間に比較して、各々1.5倍、
1.2倍、1.4倍、1.2倍であり、本発明によれ
ば、配向膜を、表面に配向制御層を有する2層の有機膜
を積層形成して構成することにより、耐久性を大幅に向
上できることが判明した。
【0061】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、液晶配向制御機能を長期に渡って維持することが
でき、耐久性に優れた配向膜及びその形成方法を提供す
ることができる。また、本発明の配向膜を備えることに
より、耐久性に優れた液晶装置を提供することができ
る。また、本発明の液晶装置を備えることにより、耐久
性に優れた投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施形態の透過型液晶
装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に配置され
た複数の画素におけるスイッチング素子、信号線等の等
価回路図である。
【図2】 図2は、本発明に係る実施形態の透過型液晶
装置のTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の構
造を示す平面図である。
【図3】 図3は、本発明に係る実施形態の透過型液晶
装置の構造を示す断面図である。
【図4】 図4は、本発明に係る実施形態の透過型液晶
装置に備えられた配向膜の構造を示す拡大断面図であ
る。
【図5】 図5は、上記実施形態の液晶装置を備えた投
射型表示装置の一例を示す図である。
【図6】 図6(a)、(b)は、従来の配向膜の初期
状態、長期使用後の状態を示す拡大断面図である。
【図7】 図7(a)、(b)は、本発明の配向膜の初
期状態、長期使用後の状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10…TFTアレイ基板 20…対向基板 10A、20A…基板本体 1a…半導体層 11a…第1遮光膜 23…第2遮光膜 12…第1層間絶縁膜 4…第2層間絶縁膜 7…第3層間絶縁膜 30…画素スイッチング用TFT素子 9…画素電極 21…共通電極 6a…データ線 3a…走査線 50…液晶層 40、60…配向膜 41…有機膜 42…配向制御層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶分子の配向を制御する配向膜におい
    て、 表面に配向制御層を有する複数の有機膜が、前記配向制
    御層が前記液晶分子側に位置するように積層形成されて
    なることを特徴とする配向膜。
  2. 【請求項2】 前記配向制御層が、ラビング処理若しく
    は光配向処理により形成されたものであることを特徴と
    する請求項1に記載の配向膜。
  3. 【請求項3】 前記複数の有機膜のうち少なくとも1層
    がポリイミドからなることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の配向膜。
  4. 【請求項4】 液晶分子の配向を制御する配向膜におい
    て、 液晶分子に接する表面に配向制御層を有すると共に、該
    配向制御層よりも内側に、少なくとも1層の配向制御層
    をさらに有することを特徴とする配向膜。
  5. 【請求項5】 液晶分子の配向を制御する配向膜の形成
    方法において、 有機膜を形成する有機膜形成工程と、前記有機膜の表面
    に配向制御層を形成する配向制御層形成工程とを複数回
    繰り返すことを特徴とする配向膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記配向制御層形成工程において、 前記有機膜の表面にラビング処理若しくは光配向処理を
    施すことにより、前記配向制御層を形成することを特徴
    とする請求項5に記載の配向膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記有機膜形成工程が、 配向膜を形成する下地上に、配向性高分子若しくは配向
    性高分子の前駆体を溶剤に溶解した溶液を塗布し、塗布
    膜を形成する工程と、前記塗布膜を焼成する工程とを有
    することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の配
    向膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 液晶層を挟持して対向配置された一対の
    基板のうち、少なくとも一方の基板の前記液晶層側最表
    面に、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載
    の配向膜を備えたことを特徴とする液晶装置。
  9. 【請求項9】 光源と、前記光源からの光を変調する請
    求項8に記載の液晶装置からなる光変調手段と、前記光
    変調手段により変調された光を投射する投射手段とを備
    えたことを特徴とする投射型表示装置。
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