JP2002268066A - 液晶装置および投射型液晶装置並びに電子機器 - Google Patents

液晶装置および投射型液晶装置並びに電子機器

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JP2002268066A
JP2002268066A JP2001062995A JP2001062995A JP2002268066A JP 2002268066 A JP2002268066 A JP 2002268066A JP 2001062995 A JP2001062995 A JP 2001062995A JP 2001062995 A JP2001062995 A JP 2001062995A JP 2002268066 A JP2002268066 A JP 2002268066A
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light
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film
shielding film
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Yutaka Tsuchiya
豊 土屋
Kosuke Fukui
甲祐 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜方蒸着により配向膜を形成する際に、陰と
なる領域に配向膜が形成されないことに起因するコント
ラスト比の低下を防止して、高コントラスト表示ができ
る液晶装置を提供する。 【解決手段】 一対の基板のうち一方の基板には、画素
電極9aと、前記画素電極9aに電気的に接続された信
号線3a、3b、6aと、無機斜方蒸着膜からなる配向
膜16とが備えられ、前記信号線3a、3b、6aが設
けられている部分と前記信号線3a、3b、6aが設け
られていない部分とによって段差Hが形成され、前記配
向膜16を斜方蒸着により形成する際の蒸着方向Eにお
いて、前記段差Hの陰となる領域に対応して遮光膜23
が設けられている、あるいは前記配向膜16を斜方蒸着
により形成する際の蒸着方向Eの順方向に対応する画素
の縁部の領域に対応して遮光膜23が設けられているも
のとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶装置および投
射型液晶装置並びに電子機器に関し、特に、高コントラ
スト表示ができる液晶装置および投射型液晶装置並びに
電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクタ等の投射型液晶装置に
は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対
応して液晶パネルを3枚使用する3板式のものと、1枚
の液晶パネルと色生成手段とから構成される単板式のも
のがある。この投射型液晶装置の構成要素である液晶パ
ネルは、例えば、アクティブマトリクス型液晶ライトバ
ルブとその前後に配置される偏光板とから構成されてい
る。図11は、この種の液晶ライトバルブの構成の一例
を示す断面図である。
【0003】液晶ライトバルブは、ガラス基板、石英基
板等の透明な2枚の基板間に液晶が封入されたものであ
り、図11に示すように、一方の基板をなす薄膜トラン
ジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記す
る)アレイ基板10と、これに対向配置された他方の基
板をなす対向基板20とを備えている。TFTアレイ基
板10全体は、液晶装置の画像表示領域を構成するマト
リクス状に形成された複数の画素を有している。TFT
アレイ基板10には、画素電極9aと当該画素電極9a
を制御するための画素スイッチング用TFT30がマト
リクス状に複数形成されており、画像信号を供給するデ
ータ線6aがコンタクトホール5を通じて当該TFT3
0のソース領域1dに電気的に接続されている。また、
TFT30のゲートを形成する走査線3aが半導体層1
aに交差されており、所定のタイミングで、走査線3a
にパルス的に走査信号を順次印加するように構成されて
いる。画素電極9aは、コンタクトホール8を通じて画
素スイッチング用TFT30のドレイン領域1eに電気
的に接続されており、スイッチング素子である画素スイ
ッチング用TFT30を一定期間だけそのスイッチを閉
じることにより、データ線6aから供給される画像信号
を所定のタイミングで書き込むようになっている。
【0004】画素電極9aを介して液晶に書き込まれた
所定レベルの画像信号は、対向基板20に形成された対
向電極21との間で一定期間保持されるが、通常、保持
された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極
9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列
に蓄積容量70を付加している。ここでは、蓄積容量7
0を形成する方法として、容量形成用の配線である容量
線3bが設けられている。また、画素電極9a上には、
ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16
が設けられている。画素電極9aは、例えばITO(In
dium Tin Oxide)膜等の透明導電性膜から形成されてい
る。配向膜16は、ポリイミド膜等の有機膜から形成さ
れるのが一般的である。
【0005】他方、対向基板20には、その全面にわた
って対向電極(共通電極)21が設けられており、その
下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された
配向膜22が設けられている。対向電極21も画素電極
9aと同様、例えばITO膜等の透明導電性膜から形成
されている。また、配向膜22もTFTアレイ基板10
側の配向膜16と同様、ポリイミド膜等の有機膜から形
成されている。さらに対向基板20には、各画素の表示
領域以外の領域に遮光膜33が設けられている。この遮
光膜33は、対向基板20の側からの入射光が画素スイ
ッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1
a’、ソース領域1b、1d、ドレイン領域1c、1e
等に侵入するのを防止するためのものである。さらに、
遮光膜33は、コントラスト比の向上、色材の混色防止
などの機能を有しており、いわゆるブラックマトリクス
とも呼ばれている。
【0006】各基板はこのような構成であり、画素電極
9aと対向電極21とが対向するように配置されたTF
Tアレイ基板10と対向基板20とがそれぞれ基板の周
縁部においてシール材を介して所定間隔で貼着され、こ
のTFTアレイ基板10と対向基板20間とシール材に
より囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成
されている。液晶層50は、画素電極9aからの電界が
印加されていない状態で配向膜の作用により所定の配向
状態をとる。液晶プロジェクタでは、高いコントラスト
比を実現するために垂直配向モードを採用する場合は、
配向膜16、22は垂直配向状態をとる有機膜(以下、
垂直配向膜という)をラビング処理し、電界無印加状態
で液晶分子は数度のプレチルト角を持った垂直配向状態
となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、液晶
プロジェクタの高精細化、高輝度化、低価格化に伴う液
晶ライトバルブの小型化に伴って、ライトバルブに入射
させる光の強度が強くなってきている。そのためポリイ
ミド膜等の有機配向膜を使用した液晶ライトバルブで
は、光や熱によって配向膜が劣化し、その結果、配向膜
による液晶分子の配向規制力が低下して、液晶分子の配
向状態が乱れ、コントラスト比が低下する等の表示不良
が生じることがある。このような問題が生じる原因は、
ポリイミド等の有機膜は400nmから450nm付近
の可視光領域で若干の吸収があるため、この吸収に起因
して配向膜が劣化し、配向膜の劣化した付近で液晶の配
向異常が生じ、これが表示不良につながるからである。
【0008】そこで、このような問題を解決するため
に、配向膜を、ポリイミド等の有機膜でなく、液晶分子
を配向させることが可能な所定の表面形状を有する、酸
化シリコン(SiO)などの無機材料からなる無機斜方
蒸着膜により構成することが提案されている。無機斜方
蒸着膜は、無機材料からなる蒸着物質を基板に対して斜
め方向から蒸着する方法(以下、「斜方蒸着」とい
う。)によって得られる。無機斜方蒸着膜からなる配向
膜は、無機材料からなるため耐光性や耐熱性に優れ、液
晶ライトバルブの耐久性を向上することができるという
利点を有している。
【0009】ところが、図11に示すように、TFTア
レイ基板10上の配向膜16の下には、データ線6a、
走査線3a、画素電極9aなどが設けられている。この
ため、配向膜16を斜方蒸着により形成する際、TFT
アレイ基板10上には、データ線6a、走査線3aおよ
び容量線3bが設けられている部分とデータ線6a、走
査線3aおよび容量線3bが設けられていない部分とに
よって形成された段差Hが存在している。この段差H
が、図11において矢印Eで示した配向膜16を斜方蒸
着により形成する際の蒸着ビームの方向(以下、「蒸着
方向」という。)において、陰となる領域Bを形成して
しまう。この陰となる領域Bは、斜方蒸着の際に蒸着物
質が段差Hにより妨げられるので、配向膜16が形成さ
れない領域となる。その結果、図11の符号59で示し
た箇所のように、液晶がランダムに配向する部分が形成
されてしまう。したがって、図11に示す液晶ライトバ
ルブでは、誘電異方性が負の液晶を用いた場合、ノーマ
リブラックモードの電界無印加時に光抜け状態となって
しまうため、高品位な黒表示ができない。また、電界印
加時には、液晶の配向方向が規定されていないランダム
配向が存在することによって透過率の低下が起こるた
め、高品位な白表示ができない。したがって、高コント
ラスト表示ができないという問題があった。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、陰となる領域に配向膜が形成され
ないことに起因するコントラスト比の低下を防止するこ
とができ、高コントラスト表示ができる液晶装置および
投射型液晶装置を提供することを目的とする。また、上
記の高コントラスト表示ができる液晶装置を備えた電子
機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の液晶装置は、互いに対向する一対の基板
間に液晶層が狭持されてなる液晶装置であって、前記一
対の基板のうち一方の基板には、画素電極と、スイッチ
ング素子を介して前記画素電極に電気的に接続された信
号線と、無機斜方蒸着膜からなる配向膜とが備えられ、
前記信号線が設けられている部分と前記信号線が設けら
れていない部分とによって段差が形成され、前記配向膜
を斜方蒸着により形成する際の蒸着方向において、前記
段差の陰となる領域に対応して遮光膜が設けられている
ことを特徴とする。さらに、本発明の液晶装置は、互い
に対向する一対の基板間に液晶層が狭持されてなる液晶
装置であって、前記一対の基板のうち一方の基板には、
画素電極と、スイッチング素子を介して前記画素電極に
電気的に接続された信号線と、無機斜方蒸着膜からなる
配向膜とが備えられ、前記信号線が設けられている部分
と前記信号線が設けられていない部分とによって段差が
形成され、前記配向膜を斜方蒸着により形成する際の蒸
着方向の順方向に対応する画素の縁部の領域に対応して
遮光膜が設けられていることを特徴とする。
【0012】本発明の液晶装置によれば、配向膜を斜方
蒸着により形成する際の蒸着方向において、段差の陰と
なる領域に対応して遮光膜が設けられているので、陰と
なる領域に配向膜が形成されないことによって生じる光
抜け状態を防止することができ、光の透過率が低い高品
位な黒表示が得られる。また、液晶の配向方向が規定さ
れていないランダム配向が形成されないので、高品位な
白表示が得られる。したがって、陰となる領域に配向膜
が形成されないことに起因するコントラスト比の低下を
防止することができ、高コントラスト表示ができる液晶
装置とすることができる。
【0013】また、上記の液晶装置においては、遮光膜
の幅d1は、段差をH、前記一対の基板のうち一方の基
板表面に対する法線と蒸着方向とのなす角である蒸着角
度をθeとしたとき、下記の式で示される液晶装置とす
ることが望ましい。 d1=H/tan(90°−θe) 上式についての詳細は後述するが、このような液晶装置
とすることにより、陰となる領域に正確に対応して遮光
膜が設けられているものとなるので、陰となる領域に配
向膜が形成されないことによって生じる光抜け状態やラ
ンダム配向の形成による透過率の低下をより一層確実に
防止することができ、配向膜が形成されないことに起因
するコントラスト比の低下をより一層確実に防止するこ
とができる。
【0014】また、上記の液晶装置においては、遮光膜
の幅d2は、一対の基板間の距離をG、液晶装置に入射
する光の基板表面に対する法線方向からの角度をθiと
したとき、下記の式で示される液晶装置とすることが望
ましい。 d2=d1+α α=G×tanθi 上式についての詳細は後述するが、このような液晶装置
とすることにより、陰となる領域に確実に対応すること
に加え、陰となる領域に液晶装置に入射する光の斜め光
が進入するのを防ぐことができるように遮光膜が設けら
れているものとなるので、陰となる領域に配向膜が形成
されないことによって生じる光抜け状態やランダム配向
の形成による透過率の低下をより一層確実に防止するこ
とができ、配向膜が形成されないことに起因するコント
ラスト比の低下をより一層確実に防止することができ
る。
【0015】また、上記の液晶装置においては、液晶層
が配向分散性の高分子により安定化されたものであるこ
とが望ましい。このような液晶装置とすることで、例え
ば、配向膜が長時間強い光にさらされて劣化したり変質
したりし、配向膜自体の配向規制力が低下した場合に
も、配向分散性の高分子が当初の配向状態を記憶してい
るために、電圧印加時および無印加時の液晶分子の所定
の配向動作を維持させることが可能なものとなるため、
耐光信頼性を向上させることができる。
【0016】また、上記の液晶装置においては、遮光膜
の幅を0.1〜1μm広くすることが望ましい。液晶層
が配向分散性の高分子により安定化された上記の液晶装
置とした場合、配向膜が形成されないことによって光抜
け状態となった部分の周囲では、液晶の配向変化に高分
子の配向が追従しきれず、液晶と高分子との間に屈折率
差が発生し、不要な散乱を引き起こす領域(以下、「不
要散乱領域」という。)が形成される場合がある。通
常、この領域の幅は0.1〜1μmと言われている。不
要散乱領域が形成されると、コントラスト比が低下する
という不都合が生じる。上記の液晶装置においては、遮
光膜の幅を0.1〜1μm広くしたので、光抜け状態と
なった部分の周囲に進入する散乱光も遮光することがで
き、液晶層を配向分散性の高分子により安定化して耐光
信頼性を向上させても、不要散乱領域が形成されにく
く、高コントラスト表示ができる液晶装置とすることが
できる。
【0017】また、上記の液晶装置において、上記遮光
膜は、隣接する画素間の信号線を遮光する画素間遮光膜
と別体でも良いが、一体に形成されていることがより望
ましい。このような液晶装置とすることで、遮光膜と画
素間遮光膜とを同時に形成することができ、遮光膜を形
成するために新たに工程を増やす必要がないので、容易
に形成することができる液晶装置とすることができる。
【0018】また、本発明の投射型液晶装置は、上記の
液晶装置を備えた投射型液晶装置であって、光源と、該
光源から出射された光を変調する前記液晶装置と、該液
晶装置により変調された光を投射面に拡大投影する拡大
投影光学系とを有することを特徴とする。このような投
射型液晶装置は、上記の液晶装置を備えたものであるの
で、高コントラスト表示ができる投射型液晶装置とする
ことができる。
【0019】また、本発明の電子機器は、上記の液晶装
置を備えたことを特徴とする。このような電子機器とす
ることで、高コントラスト表示ができる液晶装置を備え
た電子機器とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態の液晶装置の構
成]本発明の第1の実施形態の液晶装置の構成につい
て、図1から図4を参照して以下説明する。図1は、液
晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成さ
れた複数の画素における各種素子、配線等の等価回路で
ある。図2は、信号線、画素電極等が形成されたTFT
アレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
図3は、図2のA−A’断面図であり、図4は、図2上
の遮光膜の配置を説明するための図である。なお、図2
〜図4においては、各層や各部材を図面上で認識可能な
程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異な
らしめてある。また、図4においては、遮光膜の配置を
説明する際に必要な図2上の部材のみを示し、その他の
各部材等は省略して示してある。
【0021】図1に示すように、本実施形態の液晶装置
において、画像表示領域を構成するマトリクス状に形成
された複数の画素は、画素電極9aと当該画素電極9a
を制御するための画素スイッチング用TFT30がマト
リクス状に複数形成されており、画像信号を供給するデ
ータ線(特許請求の範囲における「信号線」に含まれ
る)6aが当該TFT30のソース領域に電気的に接続
されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S
2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わない
し、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グル
ープ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30
のゲートに走査線(特許請求の範囲における「信号線」
に含まれる)3aが電気的に接続されており、所定のタ
イミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G
2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成
されている。画素電極9aは、画素スイッチング用TF
T30のドレイン領域に電気的に接続されており、スイ
ッチング素子である画素スイッチング用TFT30を一
定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線
6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所
定のタイミングで書き込む。
【0022】画素電極9aを介して液晶に書き込まれた
所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基
板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との
間で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号
がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極
との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付
加する。例えば画素電極9aの電圧は、蓄積容量70に
よりソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間
だけ保持される。これにより、保持特性はさらに改善さ
れ、コントラスト比の高い液晶装置が実現できる。本実
施の形態では、蓄積容量70を形成する方法として、半
導体層との間で容量を形成するための配線である容量線
3b(特許請求の範囲における「信号線」に含まれる)
を設けている。また、容量線3bを設ける代わりに、画
素電極9aと前段の走査線3aとの間で容量を形成して
も良い。
【0023】図2に示すように、液晶装置のTFTアレ
イ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9
aが設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々
沿ってデータ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設
けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を
介してポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち後述
のソース領域に電気的に接続されており、画素電極9a
は、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうち後
述のドレイン領域に電気的に接続されている。また、半
導体層1aのうち後述のチャネル領域(図中右下がりの
斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されて
いる。
【0024】次に、断面構造を見ると、図3に示すよう
に、液晶装置は、一対の透明基板を有しており、その一
方の基板をなすTFTアレイ基板10と、これに対向配
置される他方の基板をなす対向基板20とを備えてい
る。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板からな
り、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板から
なるものである。TFTアレイ基板10には、例えばI
TO膜等の透明導電性膜からなる画素電極9aが設けら
れ、TFTアレイ基板10上の各画素電極9aに隣接す
る位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素
スイッチング用TFT30が設けられている。画素スイ
ッチング用TFT30は、LDD(LightlyDoped Drai
n)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aか
らの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチ
ャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁
する絶縁薄膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度
ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c、半導体
層1aの高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領
域1eを備えている。
【0025】また、走査線3a上、絶縁薄膜2上を含む
TFTアレイ基板10上には、高濃度ソース領域1dへ
通じるコンタクトホール5および高濃度ドレイン領域1
eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第1層
間絶縁膜4が形成されている。つまり、データ線6a
は、第1層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を
介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続されてい
る。さらに、データ線6a上および第1層間絶縁膜4上
には、高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホー
ル8が形成された第2層間絶縁膜7が形成されている。
つまり、高濃度ドレイン領域1eは、第1層間絶縁膜4
および第2層間絶縁膜7を貫通するコンタクトホール8
を介して画素電極9aに電気的に接続されている。な
お、画素電極9aと高濃度ドレイン領域1eとは、デー
タ線6aと同一のAl膜や走査線3aと同一のポリシリ
コン膜、データ線6aと画素電極9a間に形成された導
電膜、走査線3aとデータ線6aとの間に形成された導
電膜を中継して電気的に接続する構成としてもよい。
【0026】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの
打ち込みを行わないオフセット構造を採っても良いし、
ゲート電極をマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち
込み、自己整合的に高濃度ソースおよびドレイン領域を
形成するセルフアライン型のTFTであっても良い。ま
た本実施の形態では、画素スイッチング用TFT30の
走査線3aの一部からなるゲート電極をソース・ドレイ
ン領域間に1個のみ配置したシングルゲート構造とした
が、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよ
い。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加さ
れるようにする。このようにデュアルゲート(ダブルゲ
ート)あるいはトリプルゲート以上でTFTを構成すれ
ば、チャネルとソース・ドレイン領域接合部のリーク電
流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。
これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造ある
いはオフセット構造にすれば、さらにオフ電流を低減で
き、安定したスイッチング素子を得ることができる。
【0027】また、ゲート絶縁膜となる絶縁薄膜2を走
査線3aの一部からなるゲート電極に対向する位置から
延設して誘電体膜として用い、半導体層1aを延設して
第1蓄積容量電極1fとし、さらにこれらに対向する容
量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、
蓄積容量70が構成されている。より詳細には、半導体
層1aの高濃度ドレイン領域1eが、データ線6aおよ
び走査線3aの下に延設され、同じくデータ線6aおよ
び走査線3aに沿って延びる容量線3b部分に絶縁薄膜
2を介して対向配置されて、第1蓄積容量電極1fとさ
れている。特に、蓄積容量70の誘電体としての絶縁薄
膜2は、高温酸化によりポリシリコン膜上に形成される
画素スイッチング用TFT30のゲート絶縁膜の場合、
薄くかつ高耐圧の絶縁膜とすることができ、蓄積容量7
0は比較的小面積で大容量の蓄積容量とすることができ
る。また、半導体層1aの下層には、絶縁膜12を介し
て金属などで形成された遮光膜11が配置されている。
【0028】TFTアレイ基板10の画素スイッチング
用TFT30、データ線6aおよび走査線3aの形成領
域にあたる第2層間絶縁膜7上および画素電極9a上に
垂直配向膜16が設けられている。この垂直配向膜16
は、有効表示領域(画素領域)に形成され、酸化シリコ
ン等の無機斜方蒸着膜からなる。垂直配向膜16は、基
板をある角度で固定して一方向から無機材料を蒸着さ
せ、基板に対して所定の角度で配列された柱状結晶を成
長させる斜方蒸着により形成されたものである。この垂
直配向膜16の厚みは、10〜50nm程度である。
【0029】他方、対向基板20には、第1の遮光膜2
3a(特許請求の範囲における「画素間遮光膜」に相
当)と第2の遮光膜23b(特許請求の範囲における
「遮光膜」に相当)とからなる遮光膜23が設けられて
いる。遮光膜23を構成する第1の遮光膜23aと第2
の遮光膜23bとは、一体に形成されている。
【0030】第1の遮光膜23aは、隣接する画素間を
遮光するものであり、図2および図3に示すように、T
FTアレイ基板10上のデータ線6a、走査線3a、容
量線3b、画素スイッチング用TFT30の形成領域に
対向する領域、すなわち各画素の非表示領域に設けられ
ている。第1の遮光膜23aの存在により、対向基板2
0の側からの入射光が画素スイッチング用TFT30の
半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域
領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することはな
い。さらに、第1の遮光膜23aは、コントラストの向
上、色材の混色防止などの機能、いわゆるブラックマト
リクスとしての機能を有している。
【0031】第2の遮光膜23bは、図3および図4に
示すように、配向膜16を斜方蒸着により形成する際の
蒸着方向Eにおいて、データ線6a、走査線3a、容量
線3bが設けられている部分とデータ線6a、走査線3
a、容量線3bが設けられていない部分とによって形成
された段差Hの陰となる領域B(あるいは蒸着方向Eの
順方向に対応する画素の縁部の領域)に対応して設けら
れている。なお、図4では、説明のために第1の遮光膜
23aと第2の遮光膜23bとを実線で区別している。
第2の遮光膜23bの幅d1は、段差の高さをH、TF
Tアレイ基板10および対向基板20の表面に対する法
線と蒸着方向Eとのなす角である蒸着角度をθeとした
とき、下記の式で示される寸法とすることが望ましい。 d1=H/tan(90°−θe) 上記の式を一般的な液晶装置に適応した場合、第2の遮
光膜23bの幅d1は、具体的には、0.2〜2.9μ
m程度とされる。
【0032】また、図3および図4に示す第2の遮光膜
23bの幅d2は、TFTアレイ基板10と対向基板2
0との距離をG、図3において符号Fで示す液晶装置に
入射する光の基板表面に対する法線方向からの角度をθ
iとしたとき、下記の式で示される寸法とすることがよ
り望ましい。 d2=d1+α α=G×tanθi 液晶装置に入射する光の斜め光Fの入射角度θiは、一
般に10°程度であり、最大で30°程度である。この
ため、θi=10°とすることにより、陰となる領域B
に進入する斜め光Fの多くを遮光することが可能な第2
の遮光膜23bの幅d2となり、θi=30°とするこ
とにより、前記斜め光Fのすべてを遮光することが可能
な第2の遮光膜23bの幅d2となる。上記の式を一般
的な液晶装置に適応した場合、第2の遮光膜23bの幅
d2は、具体的には、0.7〜3.4μm程度とされ
る。さらに、本実施形態においては後述するように、液
晶層50に配向分散性の高分子により安定化処理がなさ
れており、第2の遮光膜23bの幅を、図3において符
号βで示すようにさらに0.1〜1μm広くすることが
望ましい。
【0033】遮光膜23上を含む対向基板20上には、
その全面にわたって対向電極(共通電極)21が設けら
れている。対向電極21もTFTアレイ基板10の画素
電極9aと同様、ITO膜等の透明導電性膜から形成さ
れている。また、TFTアレイ基板10側の垂直配向膜
16と対向する位置にあたる対向基板20の対向電極2
1上には、垂直配向膜16と同様の材料からなる垂直配
向膜22が設けられている。この垂直配向膜22は、有
効表示領域(画素領域)に形成された酸化シリコン等の
無機斜方蒸着膜からなる。垂直配向膜22は、上記の垂
直配向膜16と同様に斜方蒸着に形成されたものであ
る。この垂直配向膜22の厚みは、10〜50nm程度
である。
【0034】なお、TFTアレイ基板10と対向基板2
0とは、TFTアレイ基板10側に設けた無機斜方蒸着
膜からなる垂直配向膜16の斜方蒸着方向と、対向基板
20側に設けた無機斜方蒸着膜からなる垂直配向膜22
の斜方蒸着方向が反対(180°ずらす)になるように
配置されている。これらTFTアレイ基板10と対向基
板20は、画素電極9aと対向電極21とが対向するよ
うに配置され、これら基板10、20とシール材により
囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成され
る。そして、液晶層50は、画素電極9aからの電界が
印加されていない状態で配向膜16、22の作用により
所定の配向状態をとる。
【0035】本実施形態においては、液晶層50は、配
向分散性の高分子により安定化されている。ここでの配
向分散性の高分子による安定化としては、例えば、液晶
層50内の液晶に液晶性紫外線硬化型モノマーなどのモ
ノマーを混入し分散させて、液晶層50内の液晶分子を
所定の方向に配向させた状態で、液晶層50内に混入し
分散させた液晶性モノマーを液晶分子と伴に配向させな
がら紫外線照射で重合させることにより液晶層50内に
ポリマーネットワークを形成する方法などによって行わ
れる。
【0036】このような液晶装置では、垂直配向膜16
を斜方蒸着により形成する際の蒸着方向Eにおいて、段
差Hの陰となる領域Bに対応して第2の遮光膜23bが
設けられているので、陰となる領域Bに垂直配向膜16
が形成されないことによって生じる光抜け状態を防止す
ることができ、光の透過率が低い高品位な黒表示が得ら
れる。また、液晶の配向方向が規定されていないランダ
ム配向が形成されないので、透過率の低下が起こらず高
品位な白表示が得られる。したがって、陰となる領域B
に垂直配向膜16が形成されないことに起因するコント
ラスト比の低下を防止することができ、高コントラスト
表示ができる液晶装置とすることができる。
【0037】また、第2の遮光膜23bの幅d1を、段
差をH、蒸着角度をθeとしたとき、d1=H/tan
(90°−θe)で示される寸法とすることにより、陰
となる領域Bに正確に対応して遮光膜23が設けられて
いるものとなる。このため、陰となる領域Bに垂直配向
膜16が形成されないことによって生じる光抜け状態や
ランダム配向の形成による透過率の低下をより一層確実
に防止することができ、垂直配向膜16が形成されない
ことに起因するコントラスト比の低下をより一層確実に
防止することができる。
【0038】さらに、第2の遮光膜23bの幅d2を、
TFTアレイ基板10と対向基板20との距離をGとし
たとき、d2=d1+α、α=G×tanθiで示され
る寸法とすることにより、陰となる領域Bに確実に対応
することに加え、陰となる領域Bに、液晶装置に入射す
る光の斜め光Fが進入するのを防ぐことができるように
遮光膜23が設けられているものとなる。このため、陰
となる領域Bに垂直配向膜16が形成されないことによ
って生じる光抜け状態やランダム配向の形成による透過
率の低下をより一層確実に防止することができ、垂直配
向膜16が形成されないことに起因するコントラスト比
の低下をより一層確実に防止することができる。
【0039】また、液晶層50が配向分散性の高分子に
より安定化されたものであるので、例えば、垂直配向膜
16、22が長時間強い光にさらされて劣化したり変質
したりし、配向膜自体の配向規制力が低下した場合に
も、配向分散性の高分子が当初の配向状態を記憶してい
るために、電圧印加時および無印加時の液晶分子の所定
の配向動作を維持させることが可能なものとなるため、
耐光信頼性に優れた液晶装置とすることができる。さら
に、第2の遮光膜23bの幅を0.1〜1μm広くした
ので、液晶層50が配向分散性の高分子により安定化さ
れたものであっても、光抜け状態となった部分の周囲に
進入する散乱光も遮光することができるため、不要散乱
領域が形成されにくく、高コントラスト表示ができる液
晶装置とすることができる。
【0040】また、遮光膜23を構成する第2の遮光膜
23bが第1の遮光膜23aと一体に形成されているの
で、第1の遮光膜23aと第2の遮光膜23bとを同時
に形成することができ、遮光膜のマスクパターン設計時
にパターンの幅を広げるだけで済み、第2の遮光膜23
bを設けるために新たに工程を増やす必要がなく、従来
の液晶装置と同様に製造することができる。
【0041】なお、本発明の液晶装置において、段差
は、信号線が設けられている部分と前記信号線が設けら
れていない部分とによって形成されるものであり、段差
のうち陰となる領域を形成する段差は、蒸着方向に応じ
て決定されるものである。したがって、陰となる領域B
を形成する段差Hは、上記の実施形態に示した例のよう
に、容量線3bが設けられている部分によって形成され
ている場合もあるが、この例に限定されるものではな
い。さらに、本発明の液晶装置においては、段差の陰と
なる領域も、陰となる領域に対応して設けられる遮光膜
の位置も、蒸着方向に応じて決定されるものであり、上
記の実施形態に示した例に限定されるものではない。
【0042】また、上記実施形態の液晶装置において
は、遮光膜23を構成する第2の遮光膜23bを第1の
遮光膜23aと一体に形成したが、第1の遮光膜23a
と第2の遮光膜23bとは一体に形成しなくてもよく、
別々の層に設けることも可能である。さらに、第1の遮
光膜23aおよび第2の遮光膜23bは、TFTアレイ
基板10と対向基板20のいずれの基板上に設けられて
いてもよく、各々別々の基板上に設けられていてもよ
い。すなわち、TFTアレイ基板10上の、データ線6
aや、走査線3aと同一層に形成した遮光膜や、データ
線6aと画素電極9a間や、走査線3aとデータ線6a
との間に形成された遮光膜であってもよい。その場合に
は、遮光膜が形成される基板の領域に、少なくとも遮光
膜の厚さの溝を形成して、遮光膜分の高さを相殺しても
よい。
【0043】また、上記実施形態の液晶装置において
は、本発明をTFT素子に代表される3端子型素子を用
いるアクティブマトリクス型の液晶装置とその製造方法
に適用した場合について説明したが、TFD素子に代表
される2端子型素子を用いるアクティブマトリクス型の
液晶装置およびその製造方法や、パッシブマトリクス型
の液晶装置及びその製造方法にも適用できる。
【0044】[液晶装置の全体構成]次に、上記構成の
液晶装置の全体構成を図5および図6を参照して説明す
る。なお、図5は、TFTアレイ基板10をその上に形
成された各構成要素とともに対向基板20の側から見た
平面図であり、図6は、対向基板20を含めて示す図5
のH−H’断面図である。なお、図5及び図6では、垂
直配向膜の記載は省略されている。
【0045】図5において、TFTアレイ基板10の上
には、シール材51がその縁に沿って設けられており、
その内側に並行して、例えば遮光膜23と同じかあるい
は異なる材料からなる額縁としての遮光膜53が設けら
れている。シール材51の外側の領域には、データ線駆
動回路101および外部回路接続端子102がTFTア
レイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆
動回路104がこの一辺に隣接する2辺に沿って設けら
れている。走査線3aに供給される走査信号遅延が問題
にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけ
でも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回
路101を画像表示領域の辺に沿って両側に配列しても
よい。例えば、奇数列のデータ線6aは画像表示領域の
一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像
信号を供給し、偶数列のデータ線は上記画像表示領域の
反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画
像信号を供給するようにしてもよい。このようにデータ
線6aを櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動
回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回
路を構成することが可能となる。さらに、TFTアレイ
基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けら
れた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線
105が設けられている。また、対向基板20のコーナ
ー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板
10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導
通材106が設けられている。そして、図6に示すよう
に、図5に示したシール材51とほぼ同じ輪郭を持つ対
向基板20が当該シール材51によりTFTアレイ基板
10に固着されている。
【0046】以上、図1から図6を参照して説明した液
晶装置においては、TFTアレイ基板10上に、さらに
製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査
するための検査回路等を形成してもよい。また、データ
線駆動回路101および走査線駆動回路104をTFT
アレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB
(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用
LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた
異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続
するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が
入射する側およびTFTアレイ基板10の出射光が出射
する側には各々、例えば、TN(TwistedNematic)モー
ド、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Pol
ymer Dipersed Liquid Crystal)モード等の動作モード
や、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモ
ードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏
光手段などが所定の方向で配置される。
【0047】また、上記の液晶装置においては、例えば
カラー液晶プロジェクタ(投射型液晶装置)に適用する
ことができる。その場合、3枚の液晶装置がRGB用の
ライトバルブとして各々用いられ、各ライトバルブには
各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分
解された各色の光が投射光として各々入射されることに
なる。したがって、上記の実施形態では、対向基板20
に、カラーフィルタは設けられていない。しかしなが
ら、遮光膜23の形成されていない画素電極9aに対向
する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と
ともに、対向基板20上に形成してもよい。このように
すれば、液晶プロジェクタ以外の直視型のカラー液晶テ
レビなどのカラー液晶装置に各実施形態における液晶装
置を適用できる。さらに、対向基板20上に1画素に1
個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。こ
のようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、
明るい液晶装置が実現できる。さらにまた、対向基板2
0上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積するこ
とで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイク
ロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイッ
クフィルタ付対向基板によれば、より明るいカラー液晶
装置が実現できる。
【0048】[電子機器]上記実施形態の液晶装置を備
えた電子機器の例について説明する。図7は、本発明の
投射型液晶装置の一例を示した概略構成図である。図7
において、投射型液晶装置1100は、上述した液晶装
置を3個用意し、夫々RGB用の液晶装置962R、9
62Gおよび962Bとして用いた投射型液晶装置の光
学系の概略構成図を示す。本例の投射型液晶装置の光学
系には、光源装置920と、均一照明光学系923が採
用されている。そして、投射型液晶装置は、この均一照
明光学系923から出射される光束Wを赤(R)、緑
(G)、青(B)に分離する色分離手段としての色分離
光学系924と、各色光束R、G、Bを変調する変調手
段としての3つのライトバルブ925R、925G、9
25Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成手
段としての色合成プリズム910と、合成された光束を
投射面100の表面に拡大投射する投射手段としての投
射レンズユニット906を備えている。また、青色光束
Bを対応するライトバルブ925Bに導く導光系927
をも備えている。
【0049】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、92
5G、925B付近で重畳される。したがって、均一照
明光学系923を用いることにより、光源装置920が
出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合
でも、3つのライトバルブ925R、925G、925
Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
【0050】各色分離光学系924は、青緑反射ダイク
ロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー
942と、反射ミラー943から構成される。まず、青
緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに
含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射
され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向か
う。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の
反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出
射部944から色合成プリズム910の側に出射され
る。次に、緑反射ダイクロイックミラー942におい
て、青緑反射ダイクロイックミラー941において反射
された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束Gのみが
直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945から色合
成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイックミラ
ー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの出射部
946から導光系927の側に出射される。本例では、
均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離光学系
924における各色光束の出射部944、945、94
6までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。
【0051】色分離光学系924の赤色、緑色光束R、
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
このように平行化された赤色、緑色光束R、Gは、ライ
トバルブ925R、925Gに入射して変調され、各色
光に対応した画像情報が付加される。すなわち、これら
の液晶装置は、図示しない駆動手段によって画像情報に
応じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通
過する各色光の変調が行われる。一方、青色光束Bは、
導光系927を介して対応するライトバルブ925Bに
導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が
施される。なお、本例のライトバルブ925R、925
G、925Bは、それぞれさらに入射側偏光手段960
R、960G、960Bと、出射側偏光手段961R、
961G、961Bと、これらの間に配置された液晶装
置962R、962G、962Bとからなる液晶ライト
バルブである。
【0052】導光系927は、青色光束Bの出射部94
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライト
バルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953と
から構成されている。集光レンズ946から出射された
青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962B
に導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、
光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、9
62Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したが
って、青色光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導
光系927を介在させることにより、光量損失を抑制す
ることができる。各ライトバルブ925R、925G、
925Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色
合成プリズム910に入射され、ここで合成される。そ
して、この色合成プリズム910によって合成された光
が投射レンズユニット906を介して所定の位置にある
投射面100の表面に拡大投射されるようになってい
る。
【0053】このような投射型液晶装置は、本発明の実
施形態の液晶装置962R、962G、962Bが備え
られているものであるので、高コントラスト表示ができ
る投射型液晶装置とすることができる。
【0054】図8は、携帯電話の一例を示した斜視図で
ある。図8において、符号1000は携帯電話本体を示
し、符号1001は上記の液晶装置を用いた液晶表示部
を示している。
【0055】図9は、腕時計型電子機器の一例を示した
斜視図である。図9において、符号1100は時計本体
を示し、符号1101は上記の液晶装置を用いた液晶表
示部を示している。
【0056】図10は、ワープロ、パソコンなどの携帯
型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10に
おいて、符号1200は情報処理装置、符号1202は
キーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置
本体、符号1206は上記の液晶装置を用いた液晶表示
部を示している。
【0057】図8〜図10に示す電子機器は、上記実施
の形態の液晶装置を用いた液晶表示部を備えているの
で、高コントラスト表示ができる表示部を有する電子機
器を実現することができる。なお、本発明の技術範囲は
上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが
可能である。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
液晶装置によれば、配向膜を斜方蒸着により形成する際
の蒸着方向において、段差の陰となる領域に対応して遮
光膜が設けられている、あるいは配向膜を斜方蒸着によ
り形成する際の蒸着方向の順方向に対応する画素の縁部
の領域に対応して遮光膜が設けられているので、陰とな
る領域に配向膜が形成されないことによって生じる光抜
け状態を防止することができ、光の透過率が低い高品位
な黒表示が得られる。したがって、陰となる領域に配向
膜が形成されないことに起因するコントラスト比の低下
を防止することができ、高コントラスト表示ができる液
晶装置とすることができる。そして、本発明の液晶装置
を備えたものとすることにより、高コントラスト表示が
できる表示品位の高い投射型液晶装置および電子機器を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の液晶装置の画像表
示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられ
た各種素子、配線等の等価回路を示す図である。
【図2】 同、液晶装置のTFTアレイ基板の相隣接す
る複数の画素群を示す平面図である。
【図3】 図2のA−A’断面図である。
【図4】 図2上の遮光膜の配置を説明するための図で
ある。
【図5】 各実施形態の液晶装置のTFTアレイ基板を
その上に形成された各構成要素とともに対向基板の側か
ら見た平面図である。
【図6】 図10のH−H’断面図である。
【図7】 本発明の投射型液晶装置の一例を示した概略
構成図である。
【図8】 本発明の電子機器の一例を示した斜視図であ
る。
【図9】 本発明の電子機器の他の例を示した斜視図で
ある。
【図10】 本発明の電子機器の他の例を示した斜視図
である。
【図11】 従来の液晶装置の一例を示した断面図であ
る。
【符号の説明】
3a 走査線 6a データ線 9a 画素電極 10 TFTアレイ基板 16,22 配向膜 20 対向基板 21 対向電極 30 画素スイッチング用TFT 50 液晶層 H 段差 B 陰となる領域 23 遮光膜 23a 第1の遮光膜 23b 第2の遮光膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/00 G03B 21/00 E Fターム(参考) 2H088 EA12 HA01 HA03 HA08 HA10 HA12 HA13 HA14 HA16 HA18 HA21 HA24 HA28 JA05 MA02 2H090 HB08Y JB02 KA05 LA05 LA06 LA09 LA12 LA15 LA16 MA01 MA10 MB01 MB06 2H091 FA02Y FA05X FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA14X FA26X FA34Y FA41Z GA01 GA06 GA13 HA07 LA03 LA17 MA07 2H092 GA29 JA24 JA46 JB22 JB31 JB61 KA04 KB25 NA25 PA01 PA02 PA07 PA08 PA09 PA10 PA11 PA12 PA13 QA07 RA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の基板間に液晶層が
    狭持されてなる液晶装置であって、 前記一対の基板のうち一方の基板には、画素電極と、ス
    イッチング素子を介して前記画素電極に電気的に接続さ
    れた信号線と、無機斜方蒸着膜からなる配向膜とが備え
    られ、 前記信号線が設けられている部分と前記信号線が設けら
    れていない部分とによって段差が形成され、 前記配向膜を斜方蒸着により形成する際の蒸着方向にお
    いて、前記段差の陰となる領域に対応して遮光膜が設け
    られていることを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 互いに対向する一対の基板間に液晶層が
    狭持されてなる液晶装置であって、 前記一対の基板のうち一方の基板には、画素電極と、ス
    イッチング素子を介して前記画素電極に電気的に接続さ
    れた信号線と、無機斜方蒸着膜からなる配向膜とが備え
    られ、 前記信号線が設けられている部分と前記信号線が設けら
    れていない部分とによって段差が形成され、 前記配向膜を斜方蒸着により形成する際の蒸着方向の順
    方向に対応する画素の縁部の領域に対応して遮光膜が設
    けられていることを特徴とする液晶装置。
  3. 【請求項3】 前記遮光膜の幅d1は、前記段差の高さ
    をH、前記一対の基板のうち一方の基板表面に対する法
    線と蒸着方向とのなす角である蒸着角度をθeとしたと
    き、下記の式で示されることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の液晶装置。 d1=H/tan(90°−θe)
  4. 【請求項4】 前記遮光膜の幅d2は、前記一対の基板
    間の距離をG、液晶装置に入射する光の基板表面に対す
    る法線方向からの角度をθiとしたとき、下記の式で示
    されることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置。 d2=d1+α α=G×tanθi
  5. 【請求項5】 前記液晶層が、配向分散性の高分子によ
    り安定化されたものであることを特徴とする請求項1な
    いし請求項4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 前記遮光膜の幅をさらに0.1〜1μm
    広くしたことを特徴とする請求項5に記載の液晶装置。
  7. 【請求項7】 前記遮光膜が、隣接する画素間の信号線
    を遮光する画素間遮光膜と一体に形成されていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記
    載の液晶装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか一項
    に記載の液晶装置を備えた投射型液晶装置であって、 光源と、該光源から出射された光を変調する前記液晶装
    置と、該液晶装置により変調された光を投射面に拡大投
    影する拡大投影光学系とを有することを特徴とする投射
    型液晶装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項7のいずれか一項
    に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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