JPH09158975A - 液体封入式防振マウント装置 - Google Patents

液体封入式防振マウント装置

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JPH09158975A
JPH09158975A JP31634895A JP31634895A JPH09158975A JP H09158975 A JPH09158975 A JP H09158975A JP 31634895 A JP31634895 A JP 31634895A JP 31634895 A JP31634895 A JP 31634895A JP H09158975 A JPH09158975 A JP H09158975A
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JP
Japan
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elastic body
bolt
vibration
inner cylinder
liquid
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Application number
JP31634895A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Mikasa
哲雄 三笠
Hideji Otake
秀次 大竹
Yasuo Miyamoto
康生 宮本
Yuichi Ogawa
雄一 小川
Masahito Ichikawa
雅人 市川
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YAMASHITA GOMME KK
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
YAMASHITA GOMME KK
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振マウント装置の内筒部材を振動源や支持
体に固定するボルト等の腐食を、特別のシール部材を設
けることなく防止する。 【解決手段】 防振マウントM2 は内筒部材21,25
と外筒部材23,24とを液体を封入した弾性体22,
26で接続してなり、内筒部材21,25の上下両端は
該内筒部材21,25を貫通するボルト10でサイドフ
レームFL 及びワッシャ16に結合される。弾性体2
2,26の上下両端に一体に突設した環状のシールリッ
プ224 ,264 がボルト10の締結力でサイドフレー
ムFL の下面及びワッシャ16の上面に圧接され、ボル
ト10の外周と内筒部材21,25の内周との間に泥水
等が浸入するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半径方向内側に配
置した内筒部材の外周面と半径方向外側に配置した外筒
部材の内周面とを内部に液体を封入した弾性体で接続し
てなる液体封入式防振マウント装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる防振マウント装置は、例えば実開
昭62−25348号公報、実開昭62−35132号
公報、実開平1−89644号公報、実開平1−113
646号公報により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる防振
マウント装置では、ボルトと内筒部材との間に泥水等が
浸入すると、長期の間に腐食が進行して耐久性が低下す
る可能性がある。また防振マウント装置の内筒部材を軸
方向に圧入した複数部材から構成した場合、それら複数
部材の圧入部が振動源からの振動で緩む可能性がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、特別のシール部材を設けることなくボルトや内筒部
材の腐食を防止し、更に内筒部材の圧入部の緩みを防止
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、半径方向内側に配置
した内筒部材の外周面と半径方向外側に配置した外筒部
材の内周面とを内部に液体を封入した弾性体で接続し、
内筒部材を該内筒部材を軸方向に貫通するボルトで振動
源及び支持体の一方に支持するとともに、前記外筒部材
を振動源及び支持体の他方に支持する液体封入式防振マ
ウント装置であって、弾性体の少なくとも軸方向一端部
にボルトの外周を囲繞する環状のシールリップを一体に
形成し、これらシールリップを前記ボルトの締結力で振
動源又は支持体の表面に圧接したことを特徴とする。
【0006】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記内筒部材が軸方向に圧入された
複数部材から構成されたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0008】図1〜図15は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は自動車のフロントサブフレームの斜視図、
図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は防振マウント
の縦断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2
の5−5線断面図、図6は防振マウントの一部破断斜視
図、図7は図6の7方向矢視図、図8は図6の8方向矢
視図、図9は水抜き通路の作用説明図、図10は第1組
立工程を示す図、図11は図10の11A部及び11B
部拡大図、図12は第2組立工程を示す図、図13は第
3組立工程を示す図、図14は第2弾性体の圧縮による
動バネ定数の変化を示すグラフ、図15は第2弾性体に
高ダンピング材を使用したことによる動バネ定数の変化
を示すグラフである。
【0009】図1に示すように、自動車のフロントサブ
フレームSFは、車体左右方向に延びるフロントビーム
1と、このフロントビーム1の左右両端から後方に延び
る左サイドビーム2L 及び右サイドビーム2R と、これ
ら左右サイドビーム2L ,2 R の後端間を接続するリヤ
ビーム3とを備えて概略枠状に形成される。図示せぬエ
ンジンはリヤビーム3の左右両端に設けた左エンジンマ
ウント4L 及び右エンジンマウント4R にマウントブラ
ケット5L ,5R を介して支持され、更に前記エンジン
はフロントビーム1の左右両端に設けたストッパ6,6
(右側のストッパ6は図示せず)によって支持される。
【0010】フロントサブフレームSFの左側部は、フ
ロントビーム1の左端に形成したカップ状ホルダー7に
嵌合する第1防振マウントM1 と、リヤビーム3の左端
に形成した2個のカップ状ホルダー8,9に嵌合する第
2、第3防振マウントM2 ,M3 とによって左サイドフ
レームFL に支持される。即ち、第1、第2、第3防振
マウントM1 ,M2 ,M3 及びカップ状ホルダー7,
8,9は、それぞれボルト10…及びナット11…で左
サイドフレームFL の下面に共締めされる。このとき、
第1、第3防振マウントM1 ,M3 とボルト10,10
の頭部との間に挟持されたプレート12,13の先端
が、それぞれボルト14,15で図示せぬ車体フレーム
に結合される。尚、第2防振マウントM2 とボルト10
の頭部との間には、ワッシャ16が挟持される。
【0011】フロントサブフレームSFの右側部は、前
述した左側部と同様にして第1、第2、第3防振マウン
トM1 ,M2 ,M3 (図示せず)によって右サイドフレ
ームFR に支持される。前記6個の防振マウントM1
は全て同一構造を備えているため、それらの代表として
第2防振マウントM2 の構造を説明する。
【0012】図2に示すように、下面が開口するカップ
状ホルダー8の収納凹部81 に嵌合する防振マウントM
2 を左サイドフレームFL に固定するボルト10は、ワ
ッシャ16、防振マウントM2 、カップ状ホルダー8の
開口部82 、環状のシールラバー17、左サイドフレー
ムFL のボルト孔181 、補強カラー19、左サイドフ
レームFL のボルト孔182 を貫通し、ナット11に螺
合する。
【0013】前記左サイドフレームFL 及びワッシャ1
6は本発明の支持部を構成し、前記フロントサブフレー
ムSFは本発明の振動源を構成する。
【0014】図3〜図8を併せて参照すると明らかなよ
うに、防振マウントM2 はボルト10が貫通するボルト
孔211 を有する段付円筒状のセンターパイプ21を備
えており、そのセンターパイプ21の下部小径部212
を除く上部小径部213 及び大径部214 の外周にラバ
ー製の第1弾性体22の内周が焼き付けにより結合され
る。第1弾性体22には、下端が開放するとともに上端
が閉塞された一対のオリフィス221 ,221 が円周方
向に180°の位相差をもって軸方向に形成され、また
一対のオリフィス221 ,221 の半径方向外側には、
上端が開放するとともに下端が閉塞された一対の気室2
2 ,222 が軸方向に形成される。オリフィス2
1 ,221 及び気室222 ,222 間に、半径方向に
弾性変形可能な一対のダイヤフラム223 ,223 が形
成される。概略円筒状の第1カラー23の内周に第1弾
性体22の外周が焼き付けにより結合される。
【0015】ところで、複数部材の間隙によってオリフ
ィスを構成する場合には、それら複数部材の相対位置の
ズレ等によりオリフィスの流路断面積に誤差が発生する
可能性がある。しかしながら、前記オリフィス221
221 は単一の第1弾性体22の壁面のみによって構成
されているので、複数部材の相対位置のズレ等に起因す
る前記流路断面積の誤差が発生する虞がなく、防振マウ
ントM2 の個体間に特性差が生じるのを防止することが
できる。
【0016】概略円筒状の第2カラー24の下端と環状
のブッシュ25とを接続するようにラバー製の第2弾性
体26がインサート成形される。第2カラー24の内周
には前記第1カラー23の外周が嵌合しており、第1カ
ラー23の下端を第2カラー24の段部241 に当接さ
せた状態で該第2カラー24の上部を内向きにカシメる
とともに上端を下向きにカシメることにより(カシメ部
1 ,a2 参照)、第2カラー24と第1カラー23と
が一体に結合される。前記段部241 は、第2カラー2
4を製造する際に、絞り加工により形成することができ
る。またブッシュ25の内周は前記センターパイプ21
の下部小径部212 の外周に圧入により一体に結合され
る(圧入部b参照)。
【0017】上述のようにして第2カラー24と第1カ
ラー23とを一体に結合し、且つブッシュ25とセンタ
ーパイプ21とを一体に結合すると、第1弾性体22の
下端と第2弾性体26の上端とが密着し、そこに環状の
液室261 が画成される。液室261 と前記オリフィス
221 ,221 とは相互に連通しており、両者によって
液体が封入された密閉空間が構成される。第2カラー2
4の下部とブッシュ25とを接続する第2弾性体26の
主要部は、上下方向に変位可能なゴム部268を構成し
ており、このゴム部268 は液室261 の下壁を画成す
る。
【0018】第1弾性体22及び第2弾性体26には損
失係数の異なる異種材料が使用される。即ち、第1弾性
体22には損失係数の小さい低ダンピング材(例えば、
天然ゴムNR)が使用され、また第2弾性体26には損
失係数の大きい高ダンピング材(例えば、ブチルゴムI
IR)が使用される。
【0019】前記センターパイプ21及びブッシュ25
は本発明の内筒部材を構成し、前記第1カラー23及び
第2カラー24は本発明の外筒部材を構成する。
【0020】第2弾性体26の下面には中間部に環状突
起262 …を備えた3本の脚部26 3 …が突設されてお
り、これら脚部263 …が前記カラー16に形成された
3個の係止孔161 …に嵌合する。防振マウントM2
カラー16を組み付けるとき、脚部263 …をカラー1
6の係止孔161 …に嵌合させて環状突起262 …で抜
け止めすることより、防振マウントM2 とカラー16と
を仮組みして作業性を向上させることができる。
【0021】図2及び図3を比較すると明らかなよう
に、第1弾性体22の上端にセンターパイプ21の上端
よりも上方に延出するシールリップ224 が突設される
とともに、第2弾性体26の下端にセンターパイプ21
の下端よりも下方に延出するシールリップ264 が突設
される。図3に示す組付状態において、第1弾性体22
のシールリップ224 は左サイドフレームFL の下面に
弾性的に当接してシール効果を発揮し、また第2弾性体
26のシールリップ264 はワッシャ16の上面に弾性
的に当接してシール効果を発揮する。
【0022】左サイドフレームFL の下面に当接する第
1弾性体22のシールリップ224のシール作用と、ワ
ッシャ16の上面に当接する第2弾性体26のシールリ
ップ264 のシール作用とにより、センターパイプ21
のボルト孔211 とボルト10との間に泥水等が浸入す
ることが防止されて腐食に対する耐久性が向上するばか
りか、圧縮されたシールリップ224 ,264 が左サイ
ドフレームFL 及びワッシャ16から受ける反力でセン
ターパイプ21及びブッシュ25が相互に圧入される方
向に付勢されるため、前記圧入部bの緩みが防止され
る。しかも、シールリップ224 ,264 を第1、第2
弾性体22,26に一体に形成したことにより、特別の
シール部材が不要になって部品点数が削減される。
【0023】第2カラー24の外周を覆う第2弾性体2
6に、三角形の断面形状を有する6本の環状リブ265
…が突設される。環状リブ265 …は前記気室222
22 2 の半径方向外側に対応する部分が欠如しており、
そこに軸方向に延びる2本の排水溝266 ,266 が形
成される。環状リブ265 …は、防振マウントM2 をカ
ップ状ホルダー8の収納凹部81 に圧入により嵌合させ
るとき、その摺動部の面積を減少させて圧入作業を容易
化する機能を備える。
【0024】図9に示すように、何らかの理由でシール
ラバー17を通過した泥水等が第2カラー24の外周と
カップ状ホルダー8の内周との間に浸入しても、その泥
水等は環状リブ265 …の排水溝266 ,266 を通っ
て下方に流れ、第2弾性体26の下部上面に形成した3
個の切欠267 …を通って外部に排出される。これによ
り防振マウントMとカップ状ホルダー8との間に泥水等
が溜まって錆が発生する不具合が回避される。
【0025】次に、防振マウントM2 の組立工程を説明
する。
【0026】先ず、図10に示すように、センターパイ
プ21、第1弾性体22及び第1カラー23を一体化し
た第1サブアセンブリA1 と、第2カラー24、第2弾
性体26及びブッシュ25を一体化した第2サブアセン
ブリA2 とを予め組み立てておく。そして、第2サブア
センブリA2 の下部を治具28で固定した状態で、第1
サブアセンブリA1 を上方から矢印29…のように圧入
することにより、第2サブアセンブリA2 に嵌合させ
る。
【0027】尚、図10の11A部及び11B部を詳細
に示す図11(A)、(B)から明らかなように、第2
サブアセンブリA2 の第2弾性体26にはリップL1
2が突設されており、これらリップL1 ,L2 が上方
から圧入される第1サブアセンブリA1 に当接して内部
の液体が漏れないようにシールする。第1、第2サブア
センブリA1 ,A2 の嵌合工程は液体内で行われるが、
リップL1 が第1サブアセンブリA1 に当接する前に、
封入される液体のうちの余分なものが第1カラー23及
び第2カラー24間の微小隙間を通って外部に排出され
る(図12の矢印301 ,302 ,303 参照)。
【0028】また、このとき第1カラー23の下端が第
2カラー24の中間に形成した段部241 に当接するこ
とにより、第1、第2カラー23の位置決めが行われ
る。前記段部241 は、概略円筒状の第2カラー24を
絞り成形する際に同時に加工することができるので、特
別の加工工程が不要になって加工コストを削減すること
ができる。
【0029】続いて、図13に示すように第2カラー2
4の上部をカシメ部a1 において半径方向内側にカシ
メ、且つカシメ部a2 において下方にカシメることによ
り、第1、第2カラー23,24を一体に結合する。こ
のとき、段部241 により第1、第2カラー23,24
の相対位置が確実に規制されているので、カシメ加工の
荷重により第1、第2カラー23,24が位置ずれを起
こす虞がなく、容易且つ精密な組み立てが可能となる。
【0030】尚、第1、第2サブアセンブリA1 ,A2
の嵌合完了後は、ブッシュ25の上部がセンターパイプ
21の下部小径部212 の上部で固定されるので、第2
カラー24とブッシュ25との上下方向の間隔は自然状
態(図10のe参照)よりも短くなっている(図13の
f参照)。これは、第2弾性体26のゴム部268 に上
下方向の与荷重を加えた状態でマウントM2 が組み上が
っていることを示している。そのため、ゴム部268
上下方向の厚さが増加し、液室容積の増減に寄与するバ
ネ定数が増加する。
【0031】次に、前記構成を備えた防振マウントM2
の作用を説明する。
【0032】防振マウントM2 のオリフィス振動系の特
性に大きな影響を与えるのは、第1弾性体22に形成さ
れたダイヤフラム223 ,223 のバネと、第2弾性体
26に形成されたゴム部268 のバネ(液室膨らみ方向
及び縮み方向のバネ)と、オリフィス221 ,221
の液体の質量である。第1弾性体22及び第2弾性体2
6により画成された液室261 に注目すると、その上壁
を構成する第1弾性体22は上下方向の厚さが極めて大
きくて変形し難いために、液室261 の容積変化に大き
く寄与するのは液室261 の下壁を構成する第2弾性体
26のゴム部268 の液室膨らみ方向及び縮み方向の変
形である。従って、ゴム部268 を構成する第2弾性体
26の材質は極めて重要であり、この第2弾性体26に
高ダンピング材を使用することにより共振時における防
振マウントM2 の伝達力を減少させるとともに、ダイヤ
フラム223 ,223 の耐久性を向上させることができ
る。
【0033】これを図6を用いて更に詳述すると、サブ
フレームSFと左サイドフレームF L との相対移動によ
り防振マウントM2 のセンターパイプ21に下向きの荷
重Fが作用したとき、その荷重Fはダイヤフラム2
3 ,223 を伝わる荷重f1 として第2カラー24に
伝達され、またゴム部268 を伝わる荷重f2 として第
2カラー24に伝達される。ゴム部268 の下方への変
形に伴って液室261 の容積が拡大し、且つオリフィス
221 ,221 内の液体が前記容積の拡大よりも僅かに
遅れて下向きに移動するとき(即ち、共振周波数よりも
僅かに低い入力周波数のとき)、液室261 に負圧が発
生して該液室261 の上壁及び下壁に荷重f 3 ,f4
作用する。而して、上向きの荷重f4 が下向きの荷重f
1 ,f2 ,f 3 を打ち消す作用をすることにより、セン
ターパイプ21から第2カラー24への荷重Fの伝達が
低減する。
【0034】さて、液室261 に効率的に負圧を発生さ
せるには、液室261 に対向するゴム部268 が容易に
上向きに撓んでしまうよりも、上向きに撓むことなくセ
ンターパイプ21と共に下向きに移動することが望まし
く、そのために第2弾性体26に液圧による変形が起こ
り難い高ダンピング材が使用される。これにより、動バ
ネ定数が低減でき、振動が伝達され難い高性能な防振マ
ウントM2 を得ることが可能となる。
【0035】第1弾性体22及び第2弾性体26はその
形状が異なるため、図14に示すように第1弾性体22
は入力周波数が比較的に高い領域で、また第2弾性体2
6は入力周波数が比較的に低い領域でサージングを起こ
し、それらの領域で動バネ定数が急増して性能が低下す
る。そこで第2弾性体26に高ダンピング材を使用する
ことにより、破線で示すように目的の周波数領域で動バ
ネ定数の悪化を最小限に抑えることが可能となる。特
に、半径方向厚さの大きい第2弾性体26のサージング
周波数領域は車両において常用される領域であるため、
当該領域における動バネ定数の悪化を抑えることにより
ノイズ・バイブレーション性能の向上に寄与することが
できる。
【0036】尚、本実施例では第2弾性体26に高ダン
ピング材を使用しているが、これはダイヤフラム2
3 ,223 のバネ定数に対してゴム部268 の液室の
容積変化に寄与するバネ定数が数倍大きいからである。
【0037】またサブフレームSFと左サイドフレーム
L との相対移動により防振マウントM2 のセンターパ
イプ21に上向きの荷重F′が作用した場合にも、第2
弾性体26に変形が起こり難い高ダンピング材を使用し
たことにより、液室261 に効率的に正圧を発生させて
前記上向きの荷重F′の伝達をオリフィス効果で低減す
ることができる。
【0038】更に、液室261 の容積が拡縮するとき、
仮に第2弾性体26に変形の起こり易い低ダンピング材
を使用していると、ゴム部268 がオリフィス221
22 1 内の液体を勢い良く押し出し、或いは引き込むた
め、肉厚の小さいダイヤフラム223 ,223 の変形量
が増加して耐久性を低下させる虞がある。しかしなが、
第2弾性体26に高ダンピング材を使用したことによ
り、前記不具合も解消される。
【0039】以上説明したように、第1弾性体22及び
第2弾性体26に損失係数の異なる異種材料を使用する
ことにより、目的とする入力周波数領域における動バネ
定数を任意にチューニングすることが可能となる。
【0040】次に、ブッシュ25をセンターパイプ21
に圧入して第2弾性体26のゴム部268 のバネ定数を
増加させたことによる効果を説明する。
【0041】防振マウントM2 のオリフィス部による共
振周波数fは、オリフィス221 ,221 内の液体質量
をmとし、オリフィス221 ,221 内の液体に作用す
る第1弾性体22及び第2弾性体26のトータルのバネ
定数をkとすると、 f=(1/2π)×(k/m)1/2 で与えられる。従って、ブッシュ25の圧入に伴う第2
弾性体26のゴム部26 8 のバネ定数の増加により、前
記トータルのバネ定数kが増加して共振周波数fが通常
使用される入力周波数領域よりも高い側に移行するた
め、入力周波数領域中の防振域を拡大して乗り心地を高
めることができる(図15参照)。しかも、特別にバネ
定数の高い材料を使用することなく、組み付け前の第2
弾性体26の形状を変えてブッシュ25圧入時の圧縮量
を変化させるだけで容易にバネ定数を調整することがで
きるので、極めて低コストである。
【0042】また、圧縮された第2弾性体26が自由状
態に復元しようとする弾発力でセンターパイプ21は下
向きに付勢され、第1、第2カラー23,24は上向き
に付勢されるため(図13の矢印A及び矢印B参照)、
第1弾性体22のダイヤフラム223 ,223 に圧縮方
向の予荷重を与えることができる。その結果、ダイヤフ
ラム223 ,223 の拡張時における最大伸び量が抑え
られることになり、該ダイヤフラム223 ,223 の耐
久性が向上する。
【0043】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0044】例えば、実施例では第1弾性体22に上側
のシールリップ224 を形成し、第2弾性体26に下側
のシールリップ264 を形成しているが、何れか一方の
シールリップ224 ,264 だけでも所定の効果を発揮
することができる。また実施例ではセンターパイプ21
及びブッシュ25の2部材から内筒部材を構成している
が、それを3部材以上から構成しても良い。
【0045】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、弾性体の少なくとも軸方向一端部にボルトの
外周を囲繞する環状のシールリップを一体に形成し、こ
れらシールリップを前記ボルトの締結力で振動源又は支
持体の表面に圧接したので、シールリップで内筒部材と
ボルトとの間に泥水等が浸入するのを阻止し、腐食の発
生を防止して耐久性を向上させることができる。しかも
弾性体の一部としてシールリップを形成しているので、
特別のシール部材が不要になって部品点数が削減され
る。
【0046】また請求項2に記載された発明によれば、
内筒部材が軸方向に圧入された複数部材から構成されて
いるので、振動源又は支持体の表面に圧接されたシール
リップの弾発力で内筒部材の圧入部の緩みを防止するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のフロントサブフレームの斜視図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】防振マウントの縦断面図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】防振マウントの一部破断斜視図
【図7】図6の7方向矢視図
【図8】図6の8方向矢視図
【図9】水抜き通路の作用説明図
【図10】第1組立工程を示す図
【図11】図10の11A部及び11B部拡大図
【図12】第2組立工程を示す図
【図13】第3組立工程を示す図
【図14】第2弾性体の圧縮による動バネ定数の変化を
示すグラフ
【図15】第2弾性体に高ダンピング材を使用したこと
による動バネ定数の変化を示すグラフ
【符号の説明】
10 ボルト 16 ワッシャ(支持体) 21 センターパイプ(内筒部材) 22 第1弾性体(弾性体) 224 シールリップ 23 第1カラー(外筒部材) 24 第2カラー(外筒部材) 25 ブッシュ(内筒部材) 26 第2弾性体(弾性体) 264 シールリップ FL 左サイドフレーム(支持体) SF フロントサブフレーム(振動源)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 康生 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小川 雄一 埼玉県入間郡大井町亀久保1239 山下ゴム 株式会社内 (72)発明者 市川 雅人 埼玉県入間郡大井町亀久保1239 山下ゴム 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半径方向内側に配置した内筒部材(2
    1,25)の外周面と半径方向外側に配置した外筒部材
    (23,24)の内周面とを内部に液体を封入した弾性
    体(22,26)で接続し、内筒部材(21,25)を
    該内筒部材(21,25)を軸方向に貫通するボルト
    (10)で振動源(SF)及び支持体(16,FL )の
    一方に支持するとともに、前記外筒部材(23,24)
    を振動源(SF)及び支持体(16,FL )の他方に支
    持する液体封入式防振マウント装置であって、 弾性体(22,26)の少なくとも軸方向一端部にボル
    ト(10)の外周を囲繞する環状のシールリップ(22
    4 ,264 )を一体に形成し、これらシールリップ(2
    4 ,264 )を前記ボルト(10)の締結力で振動源
    (SF)又は支持体(16,FL )の表面に圧接したこ
    とを特徴とする液体封入式防振マウント装置。
  2. 【請求項2】 前記内筒部材(21,25)が軸方向に
    圧入された複数部材から構成されたことを特徴とする、
    請求項1記載の液体封入式防振マウント装置。
JP31634895A 1995-12-05 1995-12-05 液体封入式防振マウント装置 Pending JPH09158975A (ja)

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Cited By (3)

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JP2000213597A (ja) * 1999-01-26 2000-08-02 Tokai Rubber Ind Ltd 筒型マウント用シ―ル部材とそれを用いた筒型マウントの組付構造体
US6616130B2 (en) 2000-09-08 2003-09-09 Tokai Rubber Industries, Ltd. Cylindrical vibration-isolating device
WO2015022985A1 (ja) * 2013-08-14 2015-02-19 山下ゴム株式会社 液封マウント

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