JP2000213597A - 筒型マウント用シ―ル部材とそれを用いた筒型マウントの組付構造体 - Google Patents

筒型マウント用シ―ル部材とそれを用いた筒型マウントの組付構造体

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JP2000213597A
JP2000213597A JP11017292A JP1729299A JP2000213597A JP 2000213597 A JP2000213597 A JP 2000213597A JP 11017292 A JP11017292 A JP 11017292A JP 1729299 A JP1729299 A JP 1729299A JP 2000213597 A JP2000213597 A JP 2000213597A
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mount
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vibration
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Fukuyoshi Kawakatsu
副喜 川勝
Hiroyuki Ueno
浩行 上野
Tatsuya Sugamoto
辰也 菅本
Masumi Shimizu
真澄 清水
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Sumitomo Riko Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒型マウントの取付部位において、水等の侵
入を防止する新規なシール構造を提供すること。 【解決手段】 筒状乃至は環状の傾斜壁部64を有する
シール部材10を、筒型マウント20の内筒部材14に
外挿して、防振連結すべき両部材22,24間で軸方向
に圧縮した状態で装着することにより、かかるシール部
材10によって、内筒部材14の防振連結すべき一方の
部材22に対する当接固定部位を覆うと共に、内筒部材
14の外周面とシール部材10の間を軸方向に延びる水
抜通路70を形成して、もし、シール部材10を越えて
水等が侵入しても該水抜通路70によってシール部材1
0内への水等の滞留が防止されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、筒型マウントの取付部位におけ
るシール技術に関するものであり、特に、径方向に離間
して配設された内筒部材と外筒部材をマウントゴムで連
結せしめた筒型マウントを振動伝達系を構成する部材間
に組み付けた状態下において、内筒部材の中心孔内への
水等の侵入を防止するシール技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】径方向に離間して配設された内筒金具と外
筒金具をマウントゴムで連結した構造の筒型マウント
は、従来から公知であり、軸方向および軸直角方向やこ
じり方向等の多方向から入力される振動に対して有効な
防振効果を発揮し得ることなどから、例えば自動車用の
サブフレームマウントやボデーマウント等として、広く
用いられている。ところで、このような筒型マウント
を、振動伝達系を構成する部材間に組み付けるに際して
は、例えば、内筒金具の中心孔に挿通した固定ボルトに
よって、該内筒金具の軸方向一方の端部を防振連結すべ
き一方の部材に当接させて軸方向に締付固定する一方、
外筒金具を防振連結すべき他方の部材に圧入固定する。
このような組付構造によれば、例えば、略鉛直方向で重
ね合わされた自動車のボデーとサスペンションメンバ等
を、有利に弾性連結せしめることが出来るのである。
【0003】ところが、このように内筒金具を固定ボル
トによって軸方向に締め付けて、該内筒金具の軸方向一
方の端部を自動車ボデー等の防振連結すべき一方の部材
に当接固定させた状態で組み付けた場合には、内筒金具
と防振連結すべき一方の部材との当接面間の隙間を通じ
て、毛細管現象等により、内筒金具の中心孔内に水等が
侵入するおそれがある。そして、特に、マウント中心軸
(内外筒金具の中心軸)が略鉛直方向に延びる状態で組
み付けられる場合には、内筒金具の中心孔に侵入した水
等が、ボルト等で覆蓋された内筒金具の軸方向下端部に
溜まり易く、溜まった水等によってボルト等の部材耐久
性に悪影響が及ぼされるおそれがあった。
【0004】なお、このような問題に対しては、例え
ば、内筒金具の軸方向端部と該内筒金具が固定される防
振連結すべき一方の部材との間で内周縁部を挟圧固定す
ることによって、円環板形状の支持金具を取り付けると
共に、該支持金具から軸方向両側にそれぞれ突出する環
状のシールゴムを設けて、このシールゴムを、内筒金具
が固定される防振連結すべき一方の部材と外筒金具が固
定される防振連結すべき他方の部材との各軸方向対向面
に対して圧接することにより、それら防振連結すべき両
部材間を流体密にシールすることも考えられる。
【0005】しかしながら、このような支持金具とシー
ルゴムからなるシール部材を別途形成して組み付けるに
は、高コスト化と重量増加が避けられず、必ずしも有効
な方策ではなかった。しかも、内筒金具に固設された支
持金具から軸方向に突設されたシールゴムを、防振連結
すべき両方の部材に対してそれぞれ圧接せしめて十分な
シール性を安定して確保しようとすると、筒型マウント
によって発揮される軸方向のばね剛性の大幅な増大が避
けられず、防振性能への悪影響が問題となり易いという
問題があった。また、仮に、支持金具から突設されたシ
ールゴムと、内筒金具が固定される防振連結すべき一方
の部材との圧接部を乗り越えて水等が侵入してしまう
と、侵入した水の抜け道がなく、内筒金具の中心孔内ま
で入り込んでしまい易いという不具合もあった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、筒型マウントの装着状態下において、筒型
マウントのばね特性に対する悪影響を回避しつつ、内筒
部材の中心孔内への水等の侵入を防止し得るシール構造
を、簡単な構造で実現することにある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限
定されることなく、明細書全体の記載および図面に記載
の発明思想に基づいて認識されることが理解されるべき
である。
【0008】本発明の第一の態様は、径方向に離間して
配設された内筒部材と外筒部材をマウントゴムで連結せ
しめた筒型マウントを用い、振動伝達系を構成する部材
を防振連結するに際して、防振連結すべき一方の部材に
対して当接固定される内筒部材の軸方向一端部からの該
内筒部材の中心孔内への水等の侵入を防止する筒型マウ
ント用シール部材であって、軸方向に傾斜して延びる筒
状乃至は環状の弾性変形可能な傾斜壁部を有しており、
前記マウントゴムから軸方向一方の側に突出せしめられ
た前記内筒部材に外挿されて、該内筒部材が固定される
防振連結すべき一方の部材と前記外筒部材が固定される
防振連結すべき他方の部材との軸方向対向面間で軸方向
に圧縮された状態で装着されると共に、かかる装着状態
下で、該内筒部材の外周面との間を軸方向に延びる水抜
通路を形成するようにしたことを、特徴とする。
【0009】このような第一の態様に係るシール部材に
おいては、筒型マウントへの軸方向の荷重入力によって
防振連結すべき部材が相対変位せしめられることによ
り、軸方向に圧縮力が及ぼされた際に、傾斜壁部の弾性
変形が、純圧縮でなく、剪断変形も伴って生ぜしめられ
ることから、筒型マウントのばね特性への悪影響を抑え
つつ、該シール部材の防振連結される両部材に対する圧
接状態が有利に維持されて、安定したシール性が発揮さ
れ得る。しかも、仮に、シール部材と防振連結される部
材との当接部を越えて水等が侵入した場合でも、内筒部
材の外周面とシール部材の内周面との間に形成された水
抜通路によって、シール部材を越えて侵入した水等が、
速やかに排出されて滞留が回避され得ることから、内筒
金具の中心孔内への侵入が、一層有利に防止され得るの
である。また、かかるシール部材は、例えばゴム弾性体
の一体成形品等として形成することが可能であって、装
着時に内筒部材等に固定する必要もないことから、装着
が容易であり、製造および組付けの作業性や製造コスト
も優れている。更に、ゴム弾性体で傾斜壁部を形成する
場合にも、該傾斜壁部の弾性変形が順圧縮でないことか
ら、軸方向のばね剛性を抑えつつ、ゴムボリュームを大
きくして優れた耐久性を確保することが出来る。
【0010】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた筒型マウント用シール部材にお
いて、前記傾斜壁部を、外周側に開口する断面く字状に
屈曲して形成したことを、特徴とする。このような本態
様に係るシール部材においては、筒型マウントにおける
軸方向のばね定数の増大を抑えつつ、防振連結すべき両
部材の大きなストローク範囲に亘ってシール性を一層有
利に確保することが可能となる。しかも、傾斜壁部が、
外周面上に開口する断面く字状に屈曲形成されているこ
とによって、シール部材の内周側への倒れ込み変形が防
止されることから、シール部材の筒型マウントへの組付
時に、該シール部材が内周側に変形して、筒型マウント
の内筒部材と防振連結すべき部材との当接面間に噛み込
んでしまうことが回避され得、優れた組付作業性が実現
され得る。
【0011】なお、このような第二の態様に係るシール
部材においては、軸方向中央部分から軸方向両側に向か
って拡開する一対のテーパ筒状部によって傾斜壁部が構
成されるが、それらテーパ筒状部は、軸方向断面におい
て、略一定の肉厚寸法をもって略一定の傾斜角度で直線
的に延びる形状が採用され得る他、軸方向断面におい
て、傾斜角度が変化せしめられることによって、直線的
でなく、外方乃至は内方に湾曲した形状も、適宜に採用
され得る。そして、略一定の傾斜角度で直線的に延びる
軸方向断面形状を採用すれば、良好なる製作性等が実現
される。また、軸方向断面において、外方に湾曲して軸
直角方向外方(外周面側)に凸となる湾曲形状を採用す
れば、該シール部材(傾斜壁部)の防振連結すべき部材
に対する圧接力の向上が図られ得る。更にまた、軸方向
断面において、内方に湾曲して軸直角方向内方(内周面
側)に凸となる湾曲形状と採用すれば、該シール部材
(傾斜壁部)による筒型マウントの軸方向ばね特性への
影響をより軽減することが可能となる。即ち、シール部
材における傾斜壁部の形状を変更することによって、シ
ール特性やばね特性等を適宜に調節することが出来るの
である。
【0012】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた筒型マウント用シール
部材であって、前記傾斜壁部において、防振連結すべき
各部材にそれぞれ当接せしめられる軸方向両端面を、断
面アール形状をもって周方向に延びるように形成したこ
とを、特徴とする。このような本態様に係るシール部材
においては、筒型マウントへの装着状態下で荷重入力に
伴って傾斜壁部が弾性変形した場合でも、防振連結すべ
き両部材への当接状態がより有利に維持されて、一層安
定したシール性能が発揮され得る。
【0013】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされた筒型マウント
用シール部材であって、軸方向において内径寸法が最も
小さい小径部に対して、内周面上を軸方向に延びる凹溝
を少なくとも一つ設けたことを、特徴とする。このよう
な本態様に係るシール部材においては、シール部材の内
周面が筒型マウントの内筒部材側に接触した状態で装着
された場合でも、シール部材の凹溝によって、内筒部材
の外周面に沿って軸方向に延びる水抜通路が有利に形成
されて維持され得る。その結果、シール部材を越えて水
等が侵入した場合のシール部材内部への滞留、ひいては
内筒部材の中心孔内への水等の侵入が、一層有利に防止
され得る。
【0014】さらに、本発明の第五の態様は、径方向に
離間して配設された内筒部材と外筒部材をマウントゴム
で連結せしめた筒型マウントを、振動伝達系を構成する
部材間に組み付けた筒型マウントの組付構造体であっ
て、前記筒型マウントのマウントゴムから軸方向一方の
側に突出せしめられた前記内筒部材に対して、前記第一
乃至第四の何れかの態様に従う構造とされたシール部材
を外挿し、該シール部材を、内筒部材の軸方向一端部が
当接固定された防振連結すべき一方の部材と外筒部材が
固定された防振連結すべき他方の部材との軸方向対向面
間で軸方向に圧縮した状態で装着せしめると共に、該内
筒部材の外周面と該シール部材の内周面との間を軸方向
に延びる水抜通路を形成した筒型マウントの組付構造体
を、特徴とする。
【0015】このような第五の態様に係る筒型マウント
の組付構造体においては、前記第一の態様に従う構造と
されたシール部材によって、内筒金具の軸方向端部と防
振連結すべき一方の部材との当接部位が有利に且つ安定
して覆われて外部空間への直接的な露呈が防止されるこ
とにより、かかる当接部位に対する水等の直接的な降り
かかりが回避されると共に、仮にシール部材内に水等が
侵入した場合でも、内筒部材とシール部材の間に形成さ
れた水抜通路を通じて速やかに排出されることから、内
筒部材の中心孔内への水等の侵入が防止される。そし
て、その結果、内筒部材の中心孔内に侵入した水等によ
る腐食や錆付き等の不具合が回避されて、筒型マウント
の組付構造体の耐久性や信頼性の向上等といった効果が
発揮され得る。
【0016】また、本発明の第六の態様は、前記第五の
態様に従う構造とされた筒型マウントの組付構造体にお
いて、前記シール部材に当接せしめられる、前記筒型マ
ウントによって防振連結すべき他方の部材と、前記筒型
マウントの外筒部材との間に、軸方向に延びる排水通路
を形成したことを、特徴とする。このような本態様に係
る筒型マウントの組付構造体においては、シール部材の
内部に侵入した水等が、内筒部材とシール部材の間に形
成された水抜通路を通じて排出された後、かかる排水通
路を通じて、外部空間にまで有利に排出され得る。それ
故、筒型マウントの配設領域から水等が速やかに排出さ
れることとなり、水等による上述の如き不具合が、より
一層有利に回避され得る。
【0017】更にまた、本発明の第七の態様は、前記第
五又は第六の態様に従う構造とされた筒型マウントの組
付構造体であって、前記筒型マウントの内筒部材におい
て、防振連結すべき一方の部材に当接固定される側とは
軸方向反対側に位置する軸方向他端部から軸直角方向外
方に広がって、前記外筒部材側に対して軸方向に対向位
置するストッパ部を設け、該ストッパ部の該外筒部材側
に対する当接によって、かかる筒型マウントにおける内
筒部材と外筒部材の軸方向の相対変位量が制限されるよ
うにしたことを、特徴とする。このような本態様に係る
筒型マウントの組付構造体においては、ストッパ部の外
筒部材側への当接により、シール部材の軸方向両端部に
当接された、防振連結すべき両部材の離隔方向への相対
的変位量を制限することが出来ることから、シール部材
のそれら防振連結すべき両部材からの離間が防止され
て、シール部材によるシール状態をより確実に維持する
ことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0019】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としてのシール部材10を装着した筒型マウントの組付
構造体12が示されている。この組付構造体12は、内
筒部材としての内筒金具14と、外筒部材としての外筒
金具16を、マウントゴム18によって弾性的に連結し
た構造の筒型マウント20を備えており、かかる筒型マ
ウント20が、防振連結すべき一方の部材である自動車
のホデー22と、防振連結すべき他方の部材であるサブ
フレーム24との間に介装されることにより、サブフレ
ーム24が、筒型マウント20を介し、ボデー22に対
して、弾性的に連結支持せしめられた構造とされている
と共に、筒型マウント20によって防振連結されたサブ
フレーム24とボデー22の間に、シール部材10が組
み付けられている。なお、本実施形態の筒型マウント2
0は、その中心軸(内外筒金具14,16の中心軸)が
略鉛直方向に延びる状態で、即ち図中の上下方向が略鉛
直上下方向となる状態で、装着される。
【0020】より詳細には、本実施形態における筒型マ
ウント20は、図2に示されているように、マウントゴ
ム18に対して内筒金具14と外筒金具16が加硫接着
された一体加硫成形品にて構成されている。内筒金具1
4は、厚肉の円筒形状を有している一方、外筒金具16
は、内筒金具14よりも大径で且つ軸方向長さの短い円
筒形状を有していると共に、軸方向一方(下方)の開口
端縁部には、径方向外方に広がる円環板形状のフランジ
部26が一体形成されている。そして、これら内外筒金
具14,16は、同軸上に配されており、外筒金具16
が、内筒金具14の径方向外方に離間して位置せしめら
れている。なお、図示されているように、内筒金具14
は、外筒金具16に対して、軸方向上方(鉛直上方)に
向かって大きく突出せしめられている。
【0021】また、これら内外筒金具14,16の径方
向対向面間には、マウントゴム18が介装されている。
かかるマウントゴム18は、全体として略厚肉の円筒形
状を有しており、その内周面に内筒金具14が加硫接着
されていると共に、外周面に外筒金具16が加硫接着さ
れて、それら内外筒金具14,16を有する一体加硫成
形品として形成されている。なお、マウントゴム18の
径方向中間部分には、金属等の剛性材からなる円筒形状
の中間スリーブ28が、内筒金具14と外筒金具16の
径方向対向面間を軸方向に延びる状態で配設されてお
り、マウントゴム18に加硫接着されている。即ち、こ
の中間スリーブ28によって、マウントゴム18が実質
的に内周側筒部と外周側筒部に仕切られており、以て、
マウントゴム18のばね特性が調節されていると共に、
軸方向と軸直角方向のバネ比が大きく設定されている。
なお、図面上に明示はされていないが、マウントゴム1
8には、軸方向に延びるスリットや肉抜孔が、周方向に
所定幅をもって適宜に形成され得、それによって、自動
車の前後方向と左右方向等、互いに直交する軸直角方向
2方向でのバネ比を調節することも可能である。また、
外筒金具16のフランジ部26には、軸方向外方に向か
って突出する緩衝ゴム30が、マウントゴム18と一体
的に形成されている。
【0022】そして、このような構造とされた筒型マウ
ント20は、その内筒金具14が、防振連結すべき一方
の部材たるボデー22に対して固設されると共に、その
外筒金具16が、防振連結すべき他方の部材たるサブフ
レーム24に対して固着されることによって、組み付け
られている。
【0023】特に、本実施形態におけるボデー22は、
筒型マウント20の取付部位が略カップ形状とされてお
り、その底壁部32に対して、補強金具34が重ね合わ
されて装着されていると共に、それら底壁部32と補強
金具34を貫通してボルト挿通孔36が形成されてい
る。そして、このボルト挿通孔36に対して、両ねじボ
ルト構造の取付ボルト38が、軸方向一方のボルト部4
0において挿通されており、該ボルト部40に固定ナッ
ト44が螺着されることによって、かかる取付ボルト3
8が、ボデー22に対して、鉛直下方に突出する状態で
固着されている。而して、この取付ボルト38に、内筒
金具14が外挿されており、内筒金具14から下方に突
出せしめられた取付ボルト38の軸方向他方のボルト部
42が、締付ナット46によって、該内筒金具14の軸
方向下端面に固定されることにより、かかる内筒金具1
4が、その軸方向上端面をボデー22の底壁部32に当
接せしめられて、該底壁部32から鉛直下方に突出した
状態で、取付ボルト38によってボデー22に対して固
定的に取り付けられている。
【0024】なお、内筒金具14から下方に突出せしめ
られた取付ボルト38のボルト部42には、ストッパ部
としての円環板形状のストッパ金具48が外挿されて、
その内周縁部を、内筒金具14と締付ナット46の間で
挟持されることにより、内筒金具14の軸方向下端部か
ら軸直角方向外方に広がる状態で固設されている。そし
て、このストッパ金具48の外周縁部が、外筒金具16
のフランジ部26に対して、外筒金具16の軸方向外方
に離間して対向位置せしめられている。これにより、振
動荷重が入力されて、内筒金具14が外筒金具16に対
して軸方向上方に相対変位せしめられた際、ストッパ金
具48がフランジ部26に対して、緩衝ゴム30を介し
て当接することにより、内筒金具14と外筒金具16の
相対変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
【0025】一方、本実施形態において、筒型マウント
20の外筒金具16が取り付けられるサブフレーム24
には、サブフレーム本体49に対して円筒形状の嵌着筒
部50が形成されている。そして、この嵌着筒部50に
対して、筒型マウント20の外筒金具16が軸方向下方
から圧入されることにより、フランジ部26がサブフレ
ーム本体49の下面に重ね合わされた状態で、外筒金具
16が、略鉛直方向に延びるようにして、サブフレーム
本体49に対して固定的に取り付けられている。また、
サブフレーム本体49の上面には、嵌着筒部50を、外
方に離間して覆う状態で、下方に開口する形状のカバー
金具52が重ね合わされており、サブフレーム本体49
に対して溶接等によって固着されている。このカバー金
具52は、嵌着筒部50だけでなく、筒型マウント20
の外筒金具16の鉛直上方をも覆う上底部54を有して
おり、該上底部54に穿孔された挿通孔56を通じて、
筒型マウント20の内筒金具14が、上方に突出せしめ
られている。なお、上底部54の挿通孔56は、筒型マ
ウント20におけるマウントゴム18の弾性変形に際し
ても、内筒金具14が干渉しない程度の大きさで形成さ
れており、挿通孔56に対して、内筒金具14が、全周
に亘って所定大きさの間隙をもって遊挿されている。
【0026】また、かかるカバー金具52には、サブフ
レーム本体49に対して重ね合わせられる下端開口部に
おいて、外方に屈曲して延びるフランジ状の接合片58
が一体形成されている。更に、この接合片58には、カ
バー金具52の内部から外方に向かって延びる凹溝60
が適数個形成されており、この凹溝60によって、カバ
ー金具52の内部空間が、その下端部分において、外部
空間に連通せしめられている。
【0027】上述の如く、内筒金具14がボデー22に
ボルト固定されると共に、外筒金具16がサブフレーム
本体49に圧入固定されることによって、ボデー22と
サブフレーム24の間に筒型マウント20が組み付けら
れており、以て、筒型マウント20によって、ボデー2
2とサブフレーム24が弾性的に連結されている。ま
た、かかる組み付け状態下では、内筒金具14が固着さ
れたボデー22の底壁部32と、外筒金具16が固着さ
れたカバー金具52の上底部54が、筒型マウント20
の内筒金具14の外周領域において、互いに鉛直方向
(筒型マウント20の軸方向)に離間して対向位置せし
められている。
【0028】そうして、これらボデー22の底壁部32
とカバー金具52の上底部54の対向面間に、シール部
材10が、装着されている。このシール部材10は、図
3及び図4に、単品図として示されているように、ゴム
弾性体等の弾性材によって形成されており、全体として
略円筒形状を有している。より詳細には、軸方向中央部
分が最も内径が小さい小径部62とされており、この小
径部62から軸方向両側に向かって拡径しながら延び出
す一対のテーパ円筒形状の傾斜壁部64,64を有して
いる。なお、本実施形態では、各傾斜壁部64が、全体
に亘って略一定の肉厚寸法とされていると共に、その傾
斜角度(中心軸に対する傾斜角度)が略一定とされて、
小径部62から直線的に延びる断面形状とされている。
換言すれば、かかるシール部材10は、外周側に向かっ
て拡開する横向きV字形の断面形状を有する筒体形状と
されている。
【0029】また、かかるシール部材10の各傾斜壁部
64は、その突出先端部が、断面アール形状とされてい
る。即ち、軸方向断面において、各傾斜壁部64の開口
縁部が、円弧状外周面66を有しているのである。更に
また、シール部材10の小径部62の内周面には、周上
の複数箇所(本実施形態では、8箇所)に位置して、軸
方向に延びる凹溝68が形成されている。
【0030】そして、このシール部材10は、図5に示
されているように、筒型マウント20において、マウン
トゴム18から軸方向上方に突出せしめられた内筒金具
14の軸方向上端部に外挿せしめられ、筒型マウント2
0がボデー22とサブフレーム24の間に組み付けられ
た状態下において、図1に示されているように、それら
ボデー22とサブフレーム24の間で軸方向に圧縮され
た状態で組み付けられている。なお、図5及び図1から
も明らかなように、シール部材10の小径部62は、内
筒金具14の外形寸法と略同じか所定量だけ大きな内径
寸法を有している。また、シール部材10の軸方向両端
部(軸方向両側の開口部分)は、カバー金具52の上底
部54に形成された挿通孔56の径寸法よりも大きく、
且つカバー金具52の上底部54およびボデー22の底
壁部32の何れよりも小さな外形寸法を有している。更
にまた、シール部材10の軸方向寸法、換言すれば外荷
重が及ぼされていない状態下でのシール部材10の軸方
向の自由長は、筒型マウント20を介して組み付けられ
たボデー22の底壁部32とサブフレーム24(カバー
金具52)の上底部54との対向面間距離よりも十分に
大きく設定されており、特に本実施形態では、筒型マウ
ント20において、外筒金具16がストッパ金具48に
当接することによって規定される軸方向の最大変位が生
ぜしめられた際の、それらボデー22の底壁部32とサ
ブフレーム24(カバー金具52)の上底部54との対
向面間距離よりも、シール部材10の軸方向長さが大き
く設定されている。
【0031】これにより、シール部材10は、その組付
状態下において、筒型マウント20の内筒金具14によ
って径方向に位置決めされて、軸方向両端部が、カバー
金具52の上底部54とボデー22の底壁部32の各対
向面に対して当接せしめられている。また、かかる装着
状態下では、シール部材10が軸方向に圧縮変形されて
おり、シール部材10の弾性に基づいて、該シール部材
10の軸方向両端部が、全周に亘って、ボデー22の底
壁部32とサブフレーム24(カバー金具52)の上底
部54に対して、それぞれ圧接されている。
【0032】上述の如き構造とされた筒型マウントの組
付構造体12においては、ボデー22の底壁部32に対
する筒型マウント20の内筒金具14の当接部位:α
が、シール部材10によって覆われていることから、車
輪で飛び跳ねた雨水等が外部から降りかかった場合で
も、シール部材10によってブロックされて当接部位:
αへの侵入が防止される。また、仮に、シール部材10
を越えて、雨水等が侵入した場合でも、シール部材10
によって勢いが弱められた雨水等は、シール部材10の
内周面や内筒金具14の外周面に沿って鉛直下方に流れ
ることから、当接部位:αに、直接侵入することはな
い。しかも、シール部材10の小径部62に設けられた
凹溝68によって、シール部材10と内筒金具14の間
には、軸方向に連続して延びる水抜通路70が形成され
ていることから、シール部材10内に侵入した雨水等
は、この水抜通路70を通じて、速やかに、下方に流下
せしめられる結果、シール部材10内に溜まった雨水等
が、当接部位:αから侵入するようなこともないのであ
る。その結果、内筒金具14の中心孔72に雨水等が侵
入することに起因する耐久性低下等の問題が、略完全に
解消され得ると共に、優れた信頼性と耐久性、および筒
型マウント20の取外しや交換等に際しての優れた作業
性が実現され得るのである。
【0033】なお、特に本実施形態では、カバー金具5
2の下部に形成された凹溝60を含んで、筒型マウント
20の内筒金具14とシール部材10の間の空間に対し
てカバー金具52の挿通孔56を通じて連通せしめられ
て、筒型マウント20の外筒金具16とカバー金具52
の間の空間を外部に連通する排水通路74が形成されて
いる。そして、シール部材10内に侵入し、水抜通路7
0を通じて下方に流下せしめられた雨水等が、この排水
通路74を通じて、カバー金具52内からも速やかに排
出され得るようになっている。それ故、カバー金具52
内への雨水等の滞留に起因する、カバー金具52やサブ
フレーム24の耐久性等の問題も、有利に回避され得る
のである。
【0034】また、筒型マウント20への軸方向の荷重
入力によってボデー22とサブフレーム24が相対変位
せしめられることにより、シール部材10の軸方向に及
ぼされる圧縮力が、傾斜壁部64,64に対して順圧縮
でなく剪断力として作用せしめられて、傾斜壁部64,
64に対して曲げ変形が生ぜしめられることとなる。こ
れにより、傾斜壁部64,64、ひいてはシール部材1
0が、小さなばね定数で容易に且つ大きなストローク範
囲に亘って軸方向に圧縮変形せしめられることから、シ
ール部材10を装着したことに起因する筒型マウント2
0のばね特性への悪影響が効果的に抑えられると共に、
該シール部材10の軸方向両端部の被防振連結部材(ボ
デー22およびサブフレーム24)に対する圧接状態が
有利に維持されることとなり、以て、上述の如き優れた
シール性能が安定して発揮され得るのである。
【0035】特に、本実施形態では、シール部材10の
軸方向両端面がそれぞれ円弧状外周面66とされている
ことから、シール部材10の圧縮状態に拘わらず、ボデ
ー22およびサブフレーム24に対して、全周に亘って
より安定して圧接され得ると共に、筒型マウント20へ
の荷重入力に伴うシール部材10の弾性変形時において
も、シール部材10の軸方向両端面が、ボデー22およ
びサブフレーム24に対する密接状態を維持しつつ、そ
れらボデー22とサブフレーム24の対向面上を滑らか
に変位せしめられるのであり、それ故、シール部材10
によるシール状態がより安定して維持され得ることとな
る。
【0036】また、本実施形態では、シール部材10
が、一対の傾斜壁部64,64によって外周側に開口す
る断面く字状に屈曲した形状とされていることにより、
シール部材10の軸方向両側の開口部分が大径とされて
いると共に、その内周側への倒れ込み変形が防止される
ようになっている。それ故、シール部材10を筒型マウ
ント20の内筒金具14に外挿する作業が容易とされる
と共に、取付ボルト38による内筒金具14のボデー2
2への固定に際して、それら内筒金具14とボデー22
との当接面間へのシール部材10の挟み込み等の組付不
良が軽減乃至は回避され得るのである。
【0037】以上、本発明に従う構造とされた筒型マウ
ントの組付構造体の一実施形態について、詳述してきた
が、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる
実施形態とその具体的な記載によって、限定的に解釈さ
れるものでない。
【0038】例えば、本発明において採用されるシール
部材は、前記実施形態のものに限定されるのでない。具
体的には、前記実施形態では、軸方向中央部分の小径部
62から軸方向両側に向かって形成された一対のテーパ
筒状の傾斜壁部64,64が、略一定の傾斜角度で軸方
向に拡開する形状とされていたが、かかる傾斜壁部64
の傾斜角度を部分的に乃至は漸次変化させても良い。例
えば、図6に示されているように、各傾斜壁部64の傾
斜角度(軸直角方向線に対する傾斜角度)を、軸方向外
方に行くに従って大きくして、該傾斜壁部64に対して
外周面側に凸となる湾曲形状を付与することにより、傾
斜壁部64の開口周縁部の被防振連結部材に対する圧接
力を向上させることが出来る。また、図7に示されてい
るように、各傾斜壁部64の傾斜角度を、軸方向外方に
行くに従って小さくして、該傾斜壁部64に対して内周
面側に凸となる湾曲形状を付与することにより、傾斜壁
部64のばね特性を柔らかくして、筒型マウントの軸方
向ばね特性への影響をより軽減することが可能となる。
【0039】また、シール部材10における傾斜壁部6
4,64を、軸方向で変化する肉厚寸法で形成しても良
く、例えば、軸方向外方に行くに従って薄肉となる肉厚
寸法の傾斜壁部64等を採用することも可能である。
【0040】或いはまた、図8に示されているように、
各傾斜壁部64の軸方向開口部分に対して、軸方向端面
の中央部分を周方向に連続して延びる凹溝状の切欠溝7
6を形成することによって、該切欠溝76を挟んだ内周
側と外周側に、それぞれ、周方向に連続して延びる環状
の内周側シールリップ78と外周側シールリップ80を
形成しても良い。このようなシールリップ78,80を
形成することにより、被防振連結部材に対する密接性の
向上が図られ得る。なお、図8に示されたシール部材に
おいて、切欠溝76の深さを十分に大きくすれば、内周
側シールリップ78と外周側シールリップ80によっ
て、実質的に独立した内周側と外周側の二つの傾斜壁部
を形成することも可能である。
【0041】また、図9に示されているように、一つだ
けの傾斜壁部64によって、シール部材を構成すること
も可能であり、それによって、優れた製造性とコスト性
が達成され得る。
【0042】更にまた、図10に示されているように、
三つ以上の傾斜壁部64を、傾斜方向が交互に異なるよ
うに軸方向に連接することによって、シール部材を、全
体として蛇腹形状をもって構成することも可能である。
このような蛇腹構造を採用することにより、外径寸法と
軸方向の圧縮ばね定数の増大を何れも抑えつつ、軸方向
の有効ストローク長を大きくすることが出来る。
【0043】また、図11に示されているように、シー
ル部材の軸方向下側開口部に対して、切欠部82を、周
上の少なくとも一箇所に形成することによって、その装
着状態下、サブフレーム等の被防振連結部材との当接面
間に排水用孔が形成されるようにしても良い。このよう
にシール部材と被防振連結部材との当接面間に形成され
た排水用孔によって、シール部材の内部に侵入した水等
を外部に排水することも可能である。また、このような
排水用孔を採用した場合には、筒型マウント20の外筒
金具16とサブフレーム等の被防振連結部材との間に排
水通路を形成する必要がなくなることから、例えば、前
記実施形態において、筒型マウント20の外筒金具16
の軸方向端面や、該外筒金具16が圧入固定される嵌着
筒部50の軸方向端面等に対して、シール部材の軸方向
下端の開口部を圧接させてシールすることも可能とな
る。
【0044】更にまた、図12に示されているように、
2つ以上の傾斜壁部64を、径方向で連接することによ
って、シール部材を構成することも可能である。特に3
つ以上の傾斜壁部を、傾斜方向が交互に異なるように径
方向で連接すれば、シール部材の被防振連結部材に対す
る当接面の数を増やしてシール性の向上を図ることも可
能となる。
【0045】さらに、本発明において採用される筒型マ
ウントの具体的構造は、何等限定されるものでなく、例
えば、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を備えた
ものや、マウントゴムの肉厚が部分的に変化せしめられ
てばね特性が調節されたもの等、従来から公知の各種の
構造の筒型マウントが採用され得る。
【0046】また、本発明は、前記実施形態に示されて
いる如く、筒型マウント20の中心軸が略鉛直方向に延
びる状態で装着される組付構造体に対して、特に有利に
適用されるものであるが、筒型マウント20の中心軸が
鉛直軸に対して傾斜した組付構造体等に対しても有効に
適用可能であることは、言うまでもない。
【0047】更にまた、前記実施形態におけるシール部
材は、ゴム弾性体の単体で形成されていたが、シール部
材の補強等の目的で、かかるシール部材に対して、金属
や樹脂等の非弾性的な部材を接着等で組み付けることも
可能である。特に、シール部材の最も内径が小さい小径
部に対して、非弾性的な部材を固着することにより、小
径部の弾性変形量を制限して、内筒部材とシール部材の
間に形成される水抜通路が安定して維持されるようにす
ること等も有効である。
【0048】また、筒型マウント20への軸方向の振動
荷重の入力時において、防振連結すべき部材の相対接近
方向における変位量を緩衝的に制限するストッパ機構
を、それら防振連結すべき部材の対向面間に配設される
シール部材によって実現することも可能である。
【0049】加えて、本発明の適用範囲が、例示の如き
自動車のボデーとサブフレームを防振連結する筒型マウ
ントの組付構造体に限定されるものでないことは、言う
までもない。
【0050】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることも、
言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた筒型マウント用シール部材および筒
型マウントの組付構造体によれば、何れも、筒型マウン
トの内筒部材と防振連結すべき部材との当接固定部位
が、シール部材によって覆われることにより、かかる当
接固定部位に対して外部空間から水等が直接的に降りか
かることが防止されると共に、もしシール部材を越えて
水等が侵入した場合でも、シール部材によって勢いが弱
められて侵入した水等は、内筒部材とシール部材の間に
形成された水抜通路を通じて速やかに排出され得る。そ
れ故、筒型マウントの内筒部材と防振連結すべき部材と
の当接固定部位を通じての、内筒部材の中心孔内への水
等の侵入が有利に且つ安定して防止されることとなり、
侵入した水等に起因する耐久性の低下等の問題が有利に
回避され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての筒型マウントの組
付構造体の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1に示された筒型マウントの組付構造体を構
成する筒型マウントを示す縦断面図である。
【図3】図1に示された筒型マウントの組付構造体を構
成するシール部材を示す縦断面図であって、図4におけ
る III−III 断面に相当する図である。
【図4】図3に示されたシール部材の平面図である。
【図5】図2に示された筒型マウントと図3に示された
シール部材を用いて、図1に示された筒型マウントの組
付構造体を得るための作業を説明するための縦断面説明
図である。
【図6】図1に示された筒型マウントの組付構造体に採
用され得るシール部材の別の具体例を示す縦断面図であ
る。
【図7】図1に示された筒型マウントの組付構造体に採
用され得るシール部材の更に別の具体例を示す縦断面図
である。
【図8】図1に示された筒型マウントの組付構造体に採
用され得るシール部材の更に別の具体例を示す縦断面図
である。
【図9】図1に示された筒型マウントの組付構造体に採
用され得るシール部材の更に別の具体例を示す縦断面図
である。
【図10】図1に示された筒型マウントの組付構造体に
採用され得るシール部材の更に別の具体例を示す縦断面
図である。
【図11】図1に示された筒型マウントの組付構造体に
採用され得るシール部材の更に別の具体例を示す縦断面
図である。
【図12】図1に示された筒型マウントの組付構造体に
採用され得るシール部材の更に別の具体例を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
10 シール部材 12 組付構造体 14 内筒金具 16 外筒金具 18 マウントゴム 20 筒型マウント 22 ボデー 24 サブフレーム 38 取付ボルト 62 小径部 60 凹溝 64 傾斜壁部 70 水抜通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 浩行 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 菅本 辰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 清水 真澄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J043 AA13 CB13 DA07 3J048 AA01 BA07 BA08 BA17 DA03 EA15 3J059 AE10 BA23 BC06 GA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向に離間して配設された内筒部材と
    外筒部材をマウントゴムで連結せしめた筒型マウントを
    用い、振動伝達系を構成する部材を防振連結するに際し
    て、防振連結すべき一方の部材に対して当接固定される
    内筒部材の軸方向一端部からの該内筒部材の中心孔内へ
    の水等の侵入を防止するシール部材であって、 軸方向に傾斜して延びる筒状乃至は環状の弾性変形可能
    な傾斜壁部を有しており、前記マウントゴムから軸方向
    一方の側に突出せしめられた前記内筒部材に外挿され
    て、該内筒部材が固定される防振連結すべき一方の部材
    と前記外筒部材が固定される防振連結すべき他方の部材
    との軸方向対向面間で軸方向に圧縮された状態で装着さ
    れると共に、かかる装着状態下で、該内筒部材の外周面
    との間を軸方向に延びる水抜通路を形成するようにした
    ことを特徴とする筒型マウント用シール部材。
  2. 【請求項2】 前記傾斜壁部が、外周側に開口する断面
    く字状に屈曲して形成されている請求項1に記載の筒型
    マウント用シール部材。
  3. 【請求項3】 前記傾斜壁部において、防振連結すべき
    各部材にそれぞれ当接せしめられる軸方向両端面が、断
    面アール形状をもって周方向に延びるように形成されて
    いる請求項1又は2に記載の筒型マウント用シール部材
  4. 【請求項4】 軸方向において内径寸法が最も小さい小
    径部に対して、内周面上を軸方向に延びる凹溝を少なく
    とも一つ設けた請求項1乃至3の何れかに記載の筒型マ
    ウント用シール部材
  5. 【請求項5】 径方向に離間して配設された内筒部材と
    外筒部材をマウントゴムで連結せしめた筒型マウント
    を、振動伝達系を構成する部材間に組み付けた筒型マウ
    ントの組付構造体であって、 前記筒型マウントのマウントゴムから軸方向一方の側に
    突出せしめられた前記内筒部材に対して、前記請求項1
    乃至4の何れかに記載のシール部材を外挿し、該シール
    部材を、内筒部材が固定された防振連結すべき一方の部
    材と外筒部材が固定された防振連結すべき他方の部材と
    の軸方向対向面間で軸方向に圧縮した状態で装着せしめ
    ると共に、該内筒部材の外周面と該シール部材の内周面
    との間を軸方向に延びる水抜通路を形成したことを特徴
    とする筒型マウントの組付構造体。
  6. 【請求項6】 前記シール部材に当接せしめられる、前
    記筒型マウントによって防振連結すべき他方の部材と、
    前記筒型マウントの外筒部材との間に、軸方向に延びる
    排水通路を形成した請求項5に記載の筒型マウントの組
    付構造体。
  7. 【請求項7】 前記筒型マウントの内筒部材において、
    防振連結すべき一方の部材に当接固定される側とは軸方
    向反対側に位置する軸方向他端部から軸直角方向外方に
    広がって、前記外筒部材側に対して軸方向に対向位置す
    るストッパ部を設け、該ストッパ部の該外筒部材側に対
    する当接によって、かかる筒型マウントにおける内筒部
    材と外筒部材の軸方向の相対変位量が制限されるように
    した請求項5又は6に記載の筒型マウントの組付構造
    体。
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