JPH09157834A - 金属蒸着フィルムおよびそれを用いてなるコンデンサ - Google Patents
金属蒸着フィルムおよびそれを用いてなるコンデンサInfo
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- JPH09157834A JPH09157834A JP7316388A JP31638895A JPH09157834A JP H09157834 A JPH09157834 A JP H09157834A JP 7316388 A JP7316388 A JP 7316388A JP 31638895 A JP31638895 A JP 31638895A JP H09157834 A JPH09157834 A JP H09157834A
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Abstract
蒸着層、フィルムの長手方向に連続して形成された金属
の未蒸着部からなるフリーマージン、および保安機構を
形成あるいは金属蒸着層を分画するパターンマージンを
有する金属蒸着フィルムにおいて該パターンマージンの
表面抵抗が1×102 〜1×1012Ω/□であることを
特徴とする金属蒸着フィルム。 【効果】パターンマージンを半導電性にすることによっ
て、パターンマージン際で発生する破壊、コロナ放電が
抑制され、静電容量の低下抑制と保安機能性維持の両特
性を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムを提供できる
ようになった。
Description
着高分子フィルムとそれを用いたコンデンサに関するも
のである。
ため、保安機構を形成する種々のパターンマージン(未
蒸着部)を有する金属蒸着フィルムが数多く提案されて
いる。例えば特公昭14−3419号、特公昭63−9
648号、特公昭63−9653号、特公昭63−96
54号、特公昭63−36127号、特公平1−302
84号、特公平1−30285号各公報、英国特許第8
76274号明細書、ヨーロッパ特許公開第00175
56号公報などを挙げることができる。
には、蒸着膜を分割し、小容量のコンデンサの集合体と
なるパターンマージンを設けることが提案されている。
るいは特開平6−310368号公報には、パターンマ
ージンによって分割された小容量のコンデンサ間を、ヒ
ューズ機能を有する狭小の蒸着膜でつなぐ構造が提案さ
れている。
て蒸着膜にヒューズ機能をもたせ、蒸着膜が自己回復
(セルフヒーリング)に失敗したときに該ヒューズ機能
を働かせ、コンデンサの破壊を防ぐことを目的としたも
の、あるいは蒸着膜を分割することによって形成された
少容量のコンデンサにかかる電圧を小さくしたものであ
る。
た金属蒸着フィルムを用いたコンデンサは静電容量の低
下が大きいことが問題となっている。
主たる原因は自己回復の失敗によりヒューズ機能が働い
たことによるものではなく、パターンマージン近傍で破
壊、あるいは、コロナ放電がおき、ヒューズ機能が働い
たこと、および蒸着膜が酸化し、絶縁化したことによる
ものであることがわかった。
ジンを形成することによって生じる該パターンマージン
近傍での破壊、あるいはコロナ放電の発生を抑制し、パ
ターンマージンのもつ本来の安全性向上性能を生かした
コンデンサ用金属蒸着フィルム、およびそれを用いたコ
ンデンサを提供するものである。
金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの少なくとも片面
に、金属蒸着層、フィルム長手方向に連続して形成され
た金属の未蒸着部からなるフリーマージン、及び保安機
構を形成あるいは金属蒸着層を分画するパターンマージ
ンを有する金属蒸着フィルムにおいて該パターンマージ
ンの表面抵抗が1×102 〜1×1012Ω/□であるこ
とを特徴とする金属蒸着フィルムである。
蒸着フィルムの概略図面を図1に示す。なお、本発明は
本実施態様例に限定されるものではない。
ルムであり、2は高分子フィルム、3は金属蒸着層、4
はフリーマージン、5はパターンマージンである。
半合成、合成高分子樹脂をフィルム状に成型したもの
で、中でも合成高分子樹脂からなる高分子フィルム耐熱
性、機械特性、電気特性、物理化学的特性の点からより
好ましい。
ィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネイト樹
脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポアリ
レート樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアリ
レン樹脂などを挙げることができる。特にポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネリ
ト、ポリスチレンが機械特性、電気特性の点からより好
ましい。中でもポリプロピレン、およびポリエチレンテ
レフタレートが交流耐電圧(AC耐電圧)が高いことか
ら特に好ましい。
Ag、Au、Sn、Si、Ti、Co、Niあるいはこ
れらの合金など導電性を有するものであれば特に限定さ
れるもないが、Al、Zn、Cu、Snなどが耐コロナ
劣化性が少なく好ましい。中でもAl−Znの合金が耐
湿性、耐コロナ劣化性及び自己回復特性の点でより好ま
しく、中でも蒸着合金膜中のAl含有量比{(Al含有
量×100)/(Al含有量+Zn含有量)}が金属蒸
着層表面C1 、金属蒸着層中央C2 、高分子フィルム界
面でC3 とするとC2 <C1 、かつC2 <C3 と連続的
に変化し、かつ金属蒸着層全体のAlの含有量比が0.
5〜15wt%、より好ましくは8〜12wt%となる
Al−Znの合金からなる金属蒸着層が特に好ましい。
中でもAlの含有量比C2 <C1 ≦C3 となる分布をす
るAl−Znの合金が自己回復性の劣化が少なくより好
ましい。
ましく、特に3〜15Ω/□が良い。またメタリコンと
の密着性を向上させるため、メタリコンの密着部2〜5
程度の金属蒸着層を厚く、いわゆるヘビーエッジにした
場合の、電極部(アクティブ部)の抵抗を6〜12Ω/
□にする事によって特に耐圧を向上させる。
電極と他方の電極との間の絶縁をとるために設けるもの
で金属蒸着フィルムの一方の端に長手方向に連続して設
けられた金属蒸着層のない部分をさす。
着ボケを生じさせるように金属蒸着層を形成させ、かつ
フリーマージン部はオイルで覆われていることがフリー
マージン際での破壊を抑止でき、静電容量の低下を押さ
えれられることからとくに好ましい。蒸着ボケとはマー
ジン部において蒸着膜の厚みがマージン内側へ徐々に薄
くなっていく状態をさし、光学顕微鏡で観察した場合、
金属蒸着膜の暗い部分からマージン部の明るい部分にか
け、好ましくは0.05〜1mm、より好ましくは0.
1〜0.5mm、特に好ましくは0.2〜0.3mm明
るさが変化する領域がある状態をさす。
プマージン法やオイルマージン法などがあるが、上記の
性能を条件により付与できることからオイルマージン法
がより好ましい。
ジンによって金属蒸着層を分画したり、あるいは分画し
た金属蒸着層の間に狭小の金属蒸着層で連結するように
マージンを設け、該狭小の金属蒸着層がヒューズとして
の役割を果たすよう保安機構性を付与するなどのために
設けられたマージンをさす。従来は例えば特開平7−1
76447号公報のごとくパターンマージンは分画され
た金属蒸着層間の絶縁を保つため、十分なマージン幅と
絶縁抵抗を有することが求められていたが、本発明では
本パターンマージンの表面抵抗を1×102 〜1×10
12Ω/□、より好ましくは1×104 〜1×1010Ω/
□の半導電性にすることによってパターマージン際での
破壊、コロナ放電を抑制できることを見出し静電容量の
低下を押さえることを可能にしたものである。1×10
2 Ω/□未満では分画した金属蒸着層間の絶縁が不十分
でコンデンサが破壊に至る確率が高く、1×1012Ω/
□を超えた場合は静電容量低下をおさえる効果が少な
い。
は特に限定されないが、真空蒸着によって金属蒸着層を
形成する前に高分子フィルム表面にパターマージンのパ
ターン状にオイルを蒸着、または印刷し、次いで金属を
蒸着することによってパターン状に金属が蒸着されない
未蒸着部からなるパターンマージンが形成されるが、高
分子フィルム表面に蒸着、または印刷するオイル量を制
御することによって薄い金属蒸着層が形成され、半導電
性のパターンマージン5を形成することができる。パタ
ーンマージン5を形成するオイルはフッ素系やシリコー
ン系オイルが用いられるが、半導電性のパターンマージ
ンを形成するうえで、特にシリコーンオイルが好まし
い。中でもジメチルポリシロキサン、およびフェニルメ
チルポリシロキサンが好ましく、特に重量平均分子量M
Wが300≦MW≦800で、かつ数平均分子量MNと
の比が1.0≦MW/MN≦1.1のフェニルメチルポ
リシロキサンが好ましい。
ーマージン4の各々の表面をオイルで覆うことがより好
ましく、オイル6で覆うことによりパターンマージン5
の表面抵抗を安定化させることができる。さらに金属蒸
着層3、及びフリーマージン4の表面をオイルで覆うこ
とによりコンデンサの含浸剤がより均一に入り、コロナ
放電の発生をおさえる。このためオイルとしては含浸剤
と相溶するオイルを用いることが好ましく、一般的にパ
ターンマージン5の表面抵抗を安定させる上でシリコー
ンオイルが優れている。なお金属蒸着層表面のオイルは
一部金属蒸着層に吸収されるようである。
ィルム表面にフリーマージン、パターンマージン、金属
蒸着層を形成後、これらの表面にオイルを真空蒸着する
ことによって形成できる。
巻回、又は、積層し、次いでプレス、メタリコン、熱処
理、電極取り付け、含浸、外挿など通常の方法でコンデ
ンサを作成することによって、静電容量低下の少ない、
保安性に優れたコンデンサを作成することができる。
着している場合は、プレス成型する際は通常のプレス条
件より、より高い温度で、かつ強い圧力で長い時間プレ
スする方が成型安定性が良いが、プレス条件を選定する
ことは当該業者においては当然のことである。
定溶し、この定溶液をICP発行分光分析法にてAlお
よびZnを定量した。ICP発光分析装置はセイコー電
子工業(株)製、SPS1200VR型を用いた。
析装置にて、蒸着層の表面よりArイオンエッチングし
ながらAl及びZnの定量分析を行った。
ム/min 測定条件 加速電圧 :3kV スリットNo :5 試料電流 :8×10−6 A 試料傾斜角度 :72度 ビーム径 :10μm
蒸着層表面より蒸着層中央にかけ徐々に低下し、つい
で、増大し、最大点に達し、次いで、また低下してい
く、最大点の位置とし、この点のAl含有量比をC3 と
する。
0倍の倍率にて測定する。
ィルムを切断し、パターンマージンの両側の金属蒸着層
を電極とし、抵抗Rs(Ω)を測定、次の式でパターン
マージンの表面抵抗ρs(Ω/□)を算出した。
ンマージン幅(mm)]×Rs(Ω)
た。装置は総研電機(株)製、AUTOMATIC S
CHERING BRIGE DAC−PSC−20W
型を用いた。
し、2000時間後の容量変化 ΔC=[(テスト後の容量−テスト前の容量)/(テス
ト前の容量)]×100 を測定した。又コンデンサを分解し、容量減少のモード
を調べた。
るが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
量(実施例1〜5、及び比較例1、2)、あるいはAl
(比較例3)を図1(A)のように蒸着した。実施例1
〜5と比較例1〜2では、真空蒸着機内で差出ロールよ
り差出した高分子フィルムに、まずパターンマージンの
パターンを彫刻したロールを用いパターンマージン状に
MW=520、M/MN=1.0のメチルフェニルポリ
シロキサンオイルを印刷し、次いで、マージンノズルを
用いフリーマージンの2倍の幅に同シリコーンオイルを
蒸着した。引き続きAl蒸着後連続してZnを蒸着した
後、該金属蒸着フィルム全面に同じシリコーンオイルを
蒸着後金属蒸着フィルムを巻き取った。
節し、パターンマージンの表面抵抗を制御した。又金属
蒸着層中の平均Al含有量が9.5wt%、C1 =1
6.1wt%、C2 =4.6wt%、C3 =48.2w
t%になるようAl蒸発源とZn蒸発源の温度を制御し
た。又金属蒸着層の膜抵抗はメタリコン密着部を4Ω/
□、アクティブ部8Ω/□とした。
ィルムで通常の方法によりまず彫刻ロールにてパーフル
オロポリエーテルオイルを印刷後、マージンノズルを用
いて同フッ素オイルを蒸着し、フリーマージン形成し、
次いでAlを蒸着し、作成した。Al蒸発源の温度を制
御し金属蒸着層の膜抵抗は4Ω/□にした(ヘビーエッ
ジではない)。
金属蒸着リールを作成した。各々の金属蒸着リールの幅
aは50mm、フリーマージン4の幅bは2mm、パタ
ーンマージン5の幅cは0.35mm、ヒューズ部の幅
dは0.35mm、金属蒸着層を分画したピッチの幅e
は50mmにした。
ル)を用い通常の方法で20μFの偏平型のコンデンサ
を作成し、各々のコンデンサの連続耐用試験を行った。
これらの結果を表1に示す。表1のごとく、実施例、特
に実施例2〜4に優れた特性を示した。
によって、パターンマージン際で発生する破壊、コロナ
放電が抑制され、静電容量の低下抑制と保安機能性維持
の両特性を有するコンデンサ用金属蒸着フィルムを提供
できるようになった。
略蒸着パターン図と断面図である。尚(B)は(A)の
X−X´部の断面図である。
属蒸着層のAlとZnの組成量分布の一例を示した概略
図である。
幅 e:パターンマージンで金属蒸着層を分画した、パター
ンマージンの間隔
Claims (7)
- 【請求項1】 高分子フィルムの少なくとも片面に、金
属蒸着層、フィルムの長手方向に連続して形成された金
属の未蒸着部からなるフリーマージン、および保安機構
を形成あるいは金属蒸着層を分画するパターンマージン
を有する金属蒸着フィルムにおいて該パターンマージン
の表面抵抗が1×102 〜1×1012Ω/□であること
を特徴とする金属蒸着フィルム。 - 【請求項2】 パターンマージンの表面抵抗が1×10
4 〜1×1010Ω/□であることを特徴とする請求項1
に記載の金属蒸着フィルム。 - 【請求項3】 金属蒸着層及び/またはパターンマージ
ンの表面がオイルで覆われていることを特徴とする請求
項1または請求項2に記載の金属蒸着フィルム。 - 【請求項4】 フリーマージンが蒸着ボケを有し、かつ
表面がオイルで覆われていることを特徴とする請求項1
〜請求項3のいずれかに記載の金属蒸着フィルム。 - 【請求項5】 金属蒸着層の金属がAl−Zn合金から
なり、金属蒸着層全体のAlの含有量比{Al含有量×
100/(Al含有量+Zn含有量)}が1〜15wt
%で、かつ金属蒸着層表面のAlの含有量比をC1 、金
属蒸着層の中間のAlの含有量比をC2 、金属蒸着層と
高分子フィルム界面のAlの含有量比をC3 とするとC
2 <C1 、かつC2 <C3 であることを特徴とする請求
項1〜請求項4のいずれかに記載の金属蒸着フィルム。 - 【請求項6】 Alの含有量比がC2 <C1 <C3 であ
ることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記
載の金属蒸着フィルム。 - 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
金属蒸着フィルムを用いたことを特徴とするコンデン
サ。
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JP31638895A JP3539017B2 (ja) | 1995-12-05 | 1995-12-05 | 金属蒸着フィルムおよびそれを用いてなるコンデンサ |
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---|---|
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6329496B1 (en) | 1998-07-29 | 2001-12-11 | Nippon Steel Corporation | Method for processing chlorine-containing organic compounds |
US6436168B1 (en) | 1998-08-28 | 2002-08-20 | Nippon Steel Corporation | Treatment process for resins or organic compounds, or waste plastics containing them |
JP2009049139A (ja) * | 2007-08-17 | 2009-03-05 | Nichicon Corp | 金属化フィルムコンデンサ |
JP2011231389A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Nichicon Corp | 金属化フィルムおよびその製造方法、ならびに該金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサ |
JP2012222127A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | Okaya Electric Ind Co Ltd | 金属化フィルムコンデンサ |
CN108140483A (zh) * | 2015-10-21 | 2018-06-08 | 松下知识产权经营株式会社 | 金属化膜的制造方法 |
WO2023054294A1 (ja) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | ルビコン株式会社 | コンデンサの製造方法および製造システム |
-
1995
- 1995-12-05 JP JP31638895A patent/JP3539017B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2023054294A1 (ja) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | ルビコン株式会社 | コンデンサの製造方法および製造システム |
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