JP7143674B2 - 金属化フィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents
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- H01G4/00—Fixed capacitors; Processes of their manufacture
- H01G4/32—Wound capacitors
Description
<1> プラスチックフィルムの一方の面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第一の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV未満である第二の金属からなる膜とをこの順に備え、上記プラスチックフィルムの他方の面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第三の金属からなる膜を備える、金属化フィルム。
<2> プラスチックフィルムの片面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第一の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV未満である第二の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第三の金属からなる膜とをこの順に備える、金属化フィルム。
<3> 上記第二の金属が、亜鉛、スズ、およびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属である、<1>または<2>に記載の金属化フィルム。
<4> 上記第一の金属および第三の金属がそれぞれ、アルミニウム、マグネシウム、および金属シリコンからなる群より選択される少なくとも一種の金属である、<1>~<3>の何れか一項に記載の金属化フィルム。
<5> 上記第一~第三の金属からなる膜の合計の膜抵抗値が、6~60Ω/□である、<1>~<4>の何れか一項に記載の金属化フィルム。
<6> 上記第一~第三の金属からなる膜が、蒸着によって形成されている、<1>~<5>の何れか一項に記載の金属化フィルム。
<7> <1>~<6>の何れか一項に記載の金属化フィルムを巻回してなる、フィルムコンデンサ。
<8> プラスチックフィルムの片面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第一の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV未満である第二の金属からなる膜とをこの順に備える第一の金属化フィルムと、プラスチックフィルムの片面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第三の金属からなる膜を備える第二の金属化フィルムと、を含み、上記第一の金属化フィルムと第二の金属化フィルムとを、上記膜を備えていないプラスチックフィルムの面同士を接触させた状態で巻回してなる、フィルムコンデンサ。
本発明の一実施形態について、以下に説明する。
本発明の一態様に係るプラスチックフィルム1には、従来の金属化フィルムに用いられている一般的なプラスチックフィルムを用いることができる。具体的には、プラスチックフィルム1としては、二軸延伸されたポリプロピレン(PP)フィルムおよびポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が好適である。プラスチックフィルム1は、積層体であってもよい。
一般に、金属化フィルムを構成する種々の金属は、バンドギャップが5eV以上である酸化物を形成する金属と、バンドギャップが5eV未満である酸化物を形成する金属とに分類することができる。バンドギャップが5eV以上である酸化物は、ワイドギャップの絶縁体である。バンドギャップが5eV未満である酸化物は、ナローギャップの電子導電体である。本発明の一態様に係る金属化フィルム5においては、バンドギャップが5eV以上である酸化物を形成する金属を第一の金属および第三の金属として用い、バンドギャップが5eV未満である酸化物を形成する金属を第二の金属として用いる。
第一の金属および第三の金属としては、アルミニウム、マグネシウム、および金属シリコンからなる群より選択される少なくとも一種の金属が好ましく、アルミニウムおよびマグネシウムがより好ましく、アルミニウムがさらに好ましい。アルミニウムの酸化物(Al2O3)のバンドギャップは8eVであり、マグネシウムの酸化物(MgO)のバンドギャップは5.5eVであり、金属シリコンの酸化物(SiO2)のバンドギャップは7eVである。
第二の金属としては、亜鉛、スズ、およびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属が好ましく、亜鉛およびスズがより好ましく、亜鉛がさらに好ましい。亜鉛の酸化物(ZnO)のバンドギャップは3eVであり、スズの酸化物(SnO2)のバンドギャップは3eVであり、インジウムの酸化物(In2O3)のバンドギャップは3eVである。
第一の金属からなる膜2、第二の金属からなる膜3、および第三の金属からなる膜4の形成方法は、特に限定されないものの、蒸着によって形成されていることが好ましい。これら膜2~4は、公知の蒸着装置を用いた真空蒸着によって形成することができる。
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。尚、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。尚、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。尚、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明の実施形態1に係る金属化フィルム5に相当する金属化フィルムを作製した。具体的には、プラスチックフィルム1として、二軸延伸されたポリプロピレンフィルム(幅50mm、長さ55m、厚さ5μm)を用いた。第一~第三の金属として、この順に、アルミニウム、亜鉛、アルミニウムを選択した。即ち、プラスチックフィルムに蒸着する金属をアルミニウム/亜鉛/アルミニウムの三層構造とした。第一~第三の金属からなる膜2~4におけるアクティブ部(電極として機能する部位)の合計の膜抵抗値は、50Ω/□であった。そして、上記金属化フィルムを巻回してフィルムコンデンサを作製した。当該フィルムコンデンサの静電容量は、20μFであった。
本発明の実施形態2に係る第一の金属化フィルムに相当する金属化フィルムを作製した。具体的には、プラスチックフィルム11として、実施例1と同様の二軸延伸されたポリプロピレンフィルムを用いた。第一および第二の金属として、この順に、アルミニウム、亜鉛を選択した。即ち、プラスチックフィルムに蒸着する金属をアルミニウム/亜鉛の二層構造とした。第一および第二の金属からなる膜2,3におけるアクティブ部の合計の膜抵抗値は、50Ω/□であった。そして、上記金属化フィルムを巻回してフィルムコンデンサを作製した。当該フィルムコンデンサの静電容量は、20μFであった。
本発明の実施形態2に係る第二の金属化フィルムに相当する金属化フィルムを作製した。具体的には、プラスチックフィルム12として、実施例1と同様の二軸延伸されたポリプロピレンフィルムを用いた。第三の金属として、アルミニウムを選択した。第三の金属からなる膜4におけるアクティブ部の膜抵抗値は、50Ω/□であった。そして、上記金属化フィルムを巻回してフィルムコンデンサを作製した。当該フィルムコンデンサの静電容量は、20μFであった。
上記実施例1および比較例1,2の結果から、本発明の一態様によれば、互いにトレードオフの関係にある、より高い電界(電位傾度)で使用することと、リプル電流が大きい使用条件においても長寿命であることとを両立する(同時に達成する)ことができるフィルムコンデンサを提供することができることが分かった。
2 第一の金属からなる膜
3 第二の金属からなる膜
4 第三の金属からなる膜
2a~4a 酸化物
5~7 金属化フィルム
10 フィルムコンデンサ
Claims (8)
- プラスチックフィルムの一方の面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第一の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV未満である第二の金属からなる膜とをこの順に備え、上記プラスチックフィルムの他方の面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第三の金属からなる膜を備え、前記第一~第三の金属からなる膜の合計の膜抵抗値が、40~60Ω/□である、金属化フィルム。
- プラスチックフィルムの片面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第一の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV未満である第二の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第三の金属からなる膜とをこの順に備える、金属化フィルム。
- 上記第一~第三の金属からなる膜の合計の膜抵抗値が、6~60Ω/□である、請求項2に記載の金属化フィルム。
- 上記第二の金属が、亜鉛、スズ、およびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属である、請求項1~3の何れか一項に記載の金属化フィルム。
- 上記第一の金属および第三の金属がそれぞれ、アルミニウム、マグネシウム、および金属シリコンからなる群より選択される少なくとも一種の金属である、請求項1~4の何れか一項に記載の金属化フィルム。
- 上記第一~第三の金属からなる膜が、蒸着によって形成されている、請求項1~5の何れか一項に記載の金属化フィルム。
- 請求項1~6の何れか一項に記載の金属化フィルムを巻回してなる、フィルムコンデンサ。
- プラスチックフィルムの片面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第一の金属からなる膜と、酸化物のバンドギャップが5eV未満である第二の金属からなる膜とをこの順に備える第一の金属化フィルムと、
プラスチックフィルムの片面に、酸化物のバンドギャップが5eV以上である第三の金属からなる膜を備える第二の金属化フィルムと、を含み、
上記第一の金属化フィルムと第二の金属化フィルムとを、上記膜を備えていないプラスチックフィルムの面同士を接触させた状態で巻回してなる、フィルムコンデンサ。
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