JPH09157286A - Tan−2355関連化合物、その製造法および用途 - Google Patents

Tan−2355関連化合物、その製造法および用途

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JPH09157286A
JPH09157286A JP26106596A JP26106596A JPH09157286A JP H09157286 A JPH09157286 A JP H09157286A JP 26106596 A JP26106596 A JP 26106596A JP 26106596 A JP26106596 A JP 26106596A JP H09157286 A JPH09157286 A JP H09157286A
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tan
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JP26106596A
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English (en)
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Shigetoshi Tsuboya
重利 坪谷
Mikio Shirosaki
幹雄 白▲さき▼
Takenori Ishimaru
武範 石丸
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたTRH受容体拮抗剤の提供。 【解決手段】一般式 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、R4およびR6は同一または異
なって置換されていてもよい水酸基を、R5はホルミル
基、置換されていてもよいヒドロキシメチル基、置換さ
れていてもよいヒドロキシイミノメチル基、置換されて
いてもよいヒドラゾノメチル基、置換されたアミノ基で
置換されていてもよいメチル基、またはエステル化もし
くはアミド化されていてもよいカルボキシル基を、R7
は(1)オキソ基、(2)置換されていてもよいヒドロキシイ
ミノ基、または(3)置換されていてもよい水酸基および
水素原子を、 【化2】 は単結合または二重結合を示す〕で表される化合物また
はその塩。 【効果】本発明の化合物〔I〕またはその塩は、TRH
受容体拮抗作用を有しており、意識障害、脊髄小脳変性
症の治療剤および向知性薬(Nootropic)などとして有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TRH受容体作動
作用を有し、意識障害、脊髄小脳変性症の治療剤および
向知性薬(Nootropic)として有用なTAN−2355
関連化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】TRH(Thyrotropin releasing hormon
e)は、従来から知られているホルモン作用としてのT
SH(Thyroid stimulating hormone)放出促進活性の
他に、覚醒促進作用、抗レセルピン作用(体温上昇作
用)、自発運動量増加作用、脊髄反射上昇作用(同側性
反射上昇作用)、ドーパミン作用増強作用、麻酔拮抗作
用等の中枢神経賦活作用が知られており、脳機能障害に
起因する意識障害および脊髄小脳変性症の治療薬として
有用であると共に向知性薬としても期待されている。し
かしながら、TRHは生体内酵素であるピログルタミル
ペプチダーゼやTRHアミダーゼにより分解され(医学
のあゆみ、第134巻、第4号、252頁)、短時間で
消失することが知られており、その作用に際しては頻回
投与を必要とする。こうしたTRHの欠点を改善する為
に、TRH誘導体の研究が各方面で行われている。米国
特許第5420334号には式
【化7】 〔式中、Raは水素原子またはアルキル基、Rbは水素原
子、ホルミル基、アルキル基またはカルボキシル基、R
cは水素原子またはハロゲン、Rdは水素原子またはアル
キルカルボニルオキシ基、Reは水素原子、アルキル基
またはアセトキシ基を示す〕で表され、ファルネシルト
ランスフェラーゼ阻害作用を有する化合物が記載されて
いるが、TRH受容体作動作用に関する記載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したTRHの欠点
を補う中枢神経機能障害治療効果を有するTRH受容体
の非ペプチド性作動薬(アゴニスト)の開発が求められ
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情に鑑み、TRH受容体の非ペプチド性作動薬(ア
ゴニスト)を微生物代謝産物の中に求め、鋭意探索した
結果、TAN−2355AおよびBと命名した新規化合
物を培養液中より単離することに成功した。そして、本
化合物が、TRH受容体作動物質として作用すること、
さらにイン・ビボ(in vivo)テストにおいても抗レセ
ルピン作用(体温上昇作用)を示すことを見いだした。
本発明者らは、これらの知見に基づき、さらに研究を重
ね、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)一般式
【化8】 〔式中、R1、R2、R3、R4およびR6は同一または異
なって置換されていてもよい水酸基を、R5はホルミル
基、置換されていてもよいヒドロキシメチル基、置換さ
れていてもよいヒドロキシイミノメチル基、置換されて
いてもよいヒドラゾノメチル基、置換されたアミノ基で
置換されていてもよいメチル基、またはエステル化もし
くはアミド化されていてもよいカルボキシル基を、R7
は(1)オキソ基、(2)置換されていてもよいヒドロキシイ
ミノ基、または(3)置換されていてもよい水酸基および
水素原子を、
【化9】 は単結合または二重結合を示す〕で表される化合物また
はその塩、
【0006】(2)R5がホルミル基、置換されていて
もよいヒドロキシメチル基、置換されていてもよいヒド
ロキシイミノメチル基、またはエステル化もしくはアミ
ド化されていてもよいカルボキシル基である上記(1)
記載の化合物、(3)R1、R2、R3、R4およびR6
それぞれ炭素数1ないし8のアルキル基もしくは炭素数
1ないし6のアルカノイル基で置換されていてもよい水
酸基である上記(1)記載の化合物、(4)R1、R3
4およびR6が水酸基である上記(1)記載の化合物、
(5)R2が炭素数1〜3のアルキル基で置換されてい
てもよい水酸基である(1)記載の化合物、(6)R5
がホルミル基またはヒドロキシメチル基である上記
(1)記載の化合物、(7)R7が(1)オキソ基または
(2)水酸基および水素である上記(1)記載の化合物、
【0007】(8)
【化10】 が二重結合である上記(1)記載の化合物、
【0008】(9)化合物が、式
【化11】 〔式中、R2'は水酸基またはメトキシ基を示す〕で表さ
れる上記(1)記載の化合物、
【0009】(10)アクレモニウム属に属し、式
【化12】 で表される化合物TAN−2355Aまたは式
【化13】 で表される化合物TAN−2355Bを生産する能力を
有する微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生
成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする化合物
TAN−2355AもしくはBまたはその塩の製造法、
【0010】(11)TAN−2355AまたはBを生
産する能力を持つ微生物、アクレモニウム エスピー
FLー65227株、(12)上記(1)記載の化合物
またはその塩を含有してなる医薬。(13)上記(1)
記載の化合物またはその塩を含有してなるTRH受容体
の作動薬、(14)上記(1)記載の化合物またはその
塩を含有してなる脳機能障害の予防・治療剤および(1
5)上記(1)記載の化合物またはその塩を含有してな
る向知性薬に関する。
【0011】一般式〔I〕中、R1、R2、R3、R4、R
6およびR7で表される置換されていてもよい水酸基にお
ける置換基としては、例えば、置換されていてもよい炭
化水素基または置換されていてもよいアシル基等が用い
られる。該炭化水素基としては、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基などが用いられ、炭素数1ないし19の炭
化水素基が好ましい。具体的には、例えば、(1)炭素
数1ないし8のアルキル基(例、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル等、特に炭素数1ないし3のアルキル基が好まし
い)、(2)炭素数2ないし8のアルケニル基(例、ビ
ニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−
ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、2−オクテ
ニル等、特に炭素数2ないし4のアルケニル基が好まし
い)、(3)炭素数2ないし8のアルキニル基(例、エ
チニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニ
ル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ヘキシニル、2
−オクチニル等、特に炭素数2ないし4のアルキニル基
が好ましい)、(4)炭素数3ないし6のシクロアルキ
ル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル等)、(5)炭素数6ないし14
のアリール基(例、フェニル、ナフチル等)、(6)炭
素数7ないし19のアラルキル基(例、ベンジル、フェ
ネチル、ベンズヒドリル、トリチル等)等が用いられ
る。なかでも、炭素数1ないし8のアルキル基等が好ま
しく、炭素数1ないし3のアルキル基が特に好ましい。
【0012】これらの炭化水素基は、置換可能な位置
に、例えば、(1)(a)炭素数1ないし4のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等)、(b)炭
素数1ないし6のアルカノイル基(例、ホルミル、アセ
チル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘ
キサノイル等)、(c)炭素数7ないし11のアロイル基
(例、ベンゾイル、p-トルオイル、ナフトイル等)、
(d)炭素数2ないし7のアルコキシカルボニル基(例、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカル
ボニル等)、(e)炭素数8ないし14のアラルキルオキ
シカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェ
ネチルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボ
ニル等)、(f)炭素数1ないし6のアルカンスルホニル
基(例、メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパ
ンスルホニル等)および(g)炭素数6ないし12のアレ
ーンスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、トルエン
スルホニル等)から成る群から選ばれる1ないし2個の
置換基を有していてもよいアミノ基、(2)(a)炭素数
1ないし4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、
tert-ブチル等)、(b)炭素数7ないし13のアラルキル
基(例、ベンジル、フェネチル等)、(c)炭素数1ない
し6のアルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プロ
ピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル等)および(d)炭素数7ないし11のアロイル基
(例、ベンゾイル、p-トルオイル、ナフトイル等)から
成る群から選ばれる置換基を有していてもよい水酸基、
(3)カルボキシル基、(4)炭素数2ないし5のアル
コキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル等)、(5)炭素数8ないし14のアラル
キルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニ
ル、フェネチルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキ
シカルボニル等)、(6)ニトロ基、(7)ハロゲン原
子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等を置換基と
して1ないし3個有していてもよい。
【0013】該アシル基としては、アルカノイル基、ア
ルケノイル基、シクロアルカンカルボニル基、アロイル
基、アリールアルカノイル基、アリールアルケノイル
基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基など
が用いられ、炭素数1ないし13のアシル基が好まし
い。具体的には、例えば、(1)炭素数1ないし6のア
ルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、イソプロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル等)、
(2)炭素数3ないし6のアルケノイル基(例、アクリ
ロイル、メタクリロイル、クロトノイル、イソクロトノ
イル等)、(3)炭素数4ないし7のシクロアルカンカ
ルボニル基(例、シクロプロパンカルボニル、シクロブ
タンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘ
キサンカルボニル等)、(4)炭素数7ないし11のア
ロイル基(例、ベンゾイル、ナフトイル等)、(5)炭
素数8ないし13のアリールアルカノイル基(例、フェ
ニルアセチル、フェニルプロピオニル、フェニルブチリ
ル等)、(6)炭素数9ないし13のアリールアルケノ
イル基(例、シンナモイル、アトロポイル等)、(7)
炭素数1ないし6のアルカンスルホニル基(例、メタン
スルホニル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル
等)、(8)炭素数6ないし12のアレーンスルホニル
基(例、ベンゼンスルホニル等)等が用いられる。なか
でも、炭素数1ないし6のアルカノイル基等が好まし
く、炭素数1ないし4のアルカノイル基が特に好まし
い。これらのアシル基は、置換可能な位置に、前述の炭
化水素基における置換基と同様の置換基を1ないし3個
有していてもよい。R1、R2、R3、R4およびR6で表
わされる置換されていてもよい水酸基としては、例え
ば、炭素数1ないし8のアルキル基(特に、メチルなど
の炭素数1ないし3のアルキル基など)、炭素数1ない
し6のアルカノイル基(特に、ホルミル、アセチルなど
の炭素数1ないし4のアルカノイル基など)などで置換
されていてもよい水酸基などが好ましい。
【0014】一般式〔I〕中、R5で表される置換され
ていてもよいヒドロキシメチル基における置換基は、前
述のR1等で表される置換されていてもよい水酸基にお
ける置換基と同様のものが用いられる。一般式〔I〕
中、R5で表される置換されていてもよいヒドロキシイ
ミノメチル基における置換基は、前述のR1等で表され
る置換されていてもよい水酸基における置換基と同様の
ものが用いられる。なかでも、炭素数7ないし19のア
ラルキル基等が好ましく、例えば、ベンジル基等が特に
好ましい。一般式〔I〕中、R5で表される置換されて
いてもよいヒドラゾノメチル基における置換基、及びR
5で表される置換されたアミノ基で置換されていてもよ
いメチル基の「置換されたアミノ基」における置換基と
しては、例えば、置換されていてもよい炭化水素基が用
いられる。置換されていてもよい炭化水素基としては、
前述のR1で表される置換されていてもよい水酸基にお
ける置換基として定義された置換されていてもよい炭化
水素基と同様のものが用いられる。なかでも炭素数1な
いし8のアルキル基が好ましく、炭素数1ないし3のア
ルキル基が特に好ましい。
【0015】一般式〔I〕中、R5で表されるエステル
化されたカルボキシル基としては、例えば、薬理学的に
享受しうるもの、あるいは生体内においてはじめて薬理
学的に享受しうるものに変化するものなどが用いられ
る。エステル化されたカルボキシル基としては、例え
ば、式−COOR8〔式中、R8は置換されていてもよい
炭化水素基を示す〕で表される基などが好ましい。R8
で表される炭化水素基は、前述の炭化水素基と同様のも
のが用いられる。このような炭化水素基は、置換可能な
位置に、前述の炭化水素基における置換基と同様な置換
基を1ないし3個有していてもよい。一般式〔I〕中、
5で表されるアミド化されたカルボキシル基として
は、例えば、薬理学的に享受しうるもの、あるいは生体
内においてはじめて薬理学的に享受しうるものに変化す
るものが用いられる。アミド化されたカルボキシル基と
しては、例えば、式−CON(R9)R10〔式中、R9
よびR10は、同一または異なって水素原子あるいは置換
されていてもよい炭化水素基を示す〕で表される基など
が好ましい。R9およびR10で表される置換されていて
もよい炭化水素基は、R8と同様のものが用いられる。
5としては、例えば、ホルミル基、ヒドロキシメチル
基、炭素数7ないし19のアラルキル基で置換されてい
てもよいヒドロキシイミノメチル基(例えば、ヒドロキ
シイミノメチル基、ベンジルオキシイミノメチル基な
ど)、1ないし2個の炭素数1ないし6のアルキル基で
置換されていてもよいヒドラゾノメチル基(例えば、ジ
メチルヒドラゾノメチル基など)、炭素数1ないし6の
アルキル基でモノ−もしくはジ−置換されたアミノ基で
置換されていてもよいメチル基(例えば、メチル基、ジ
メチルアミノメチル基など)、カルボキシル基などが好
ましい。
【0016】一般式〔I〕中、R7で表される置換され
ていてもよいヒドロキシイミノ基における置換基は、前
述の置換されていてもよい水酸基における置換基(置換
されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよ
いアシル基)と同様のものが用いられる。なかでも、炭
素数7ないし19のアラルキル基等が好ましく、例え
ば、ベンジル基等が特に好ましい。R7としては、例え
ば、オキソ基、炭素数7ないし19のアラルキル基で置
換されていてもよいヒドロキシイミノ基(例えば、ヒド
ロキシイミノ基、ベンジルオキシイミノメチル基な
ど)、水酸基および水素原子などが好ましい。本発明の
化合物〔I〕としては、各記号の中から任意に選択した
基を適当に組み合わせた全ての化合物が好ましいが、R
3およびR4が同一の置換基である場合が好ましく、
1、R3およびR4が同一の置換基である場合がより好
ましい。
【0017】本発明の化合物〔I〕の中でも、具体的に
次の化合物等が好適である。 R1、R2、R3、R4およびR6が炭素数1ないし8の
アルキル基または炭素数1ないし6のアルカノイル基で
置換されていてもよい水酸基であり、R5がホルミル基
またはヒドロキシメチル基であり、R7がオキソ基また
は水素と水酸基であり、
【化14】 が二重結合である化合物〔I〕。
【0018】R1、R3、R4およびR6が水酸基であ
り、R2が水酸基またはメトキシ基であり、R5がホルミ
ル基であり、R7がオキソ基であり、
【化15】 が二重結合である化合物〔I〕。
【0019】より具体的には、後述する実施例で得られ
る下記の〔表1〕または〔表2〕に示される化合物1〜
15および化合物16などが好適である。
【0020】
【化16】
【0021】
【表1】
【0022】
【化17】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるTAN−23
55Aおよび/またはBを生産する微生物としては、例
えば、アクレモニウム(Acremonium)属に属し、TAN
−2355Aおよび/またはBを生産する微生物であれ
ばいずれのものでも良い。例えば、石川県輪島市の土壌
より分離された糸状菌の一菌株FL−65227株が使
用し得る例として挙げられる。本菌株は以下の性質を示
す。 (I)培養的性質 (1)麦芽エキス寒天培地 生育は中程度、24℃、2週間後のコロニーの直径は2
8mmであった。表面は平坦で薄く、ビロード状の菌糸
体よりなり、中央部に放射状のしわと菌糸束が見られ、
薄い灰白色の菌糸がわずかに認められる。外縁は規則正
しく縁取られている。気生菌糸の発達は悪く、分生子の
形成はよい。中央部は淡赤紫色を呈し、中間部及び外周
部は灰白色を呈する。裏面は淡クリーム色を呈する。可
溶性色素の生成は認められない。 (2)バレイショ・ブドウ糖寒天培地 生育は中程度で24℃、2週間後のコロニーの直径は2
8mmであった。表面はやや盛り上がった、縄状の菌糸
体よりなり、中央部は縄状の菌糸束が見られる。外縁は
規則正しく縁取られている。気生菌糸の発達は悪いが、
分生子の形成はよい。中央部は淡赤橙色、中間部及び外
周部は淡紫色を呈する。裏面は淡紫灰色ないし暗紫灰色
を呈する。可溶性色素の生成は認められない。pH3〜
pH12のいずれでも生育は良好、生育温度範囲は10
℃〜33℃で25℃〜29℃が至適生育温度である。3
5℃では生育しない。
【0025】(3)ツァペック寒天培地 生育は中程度で24℃、2週間後のコロニーの直径は2
3mmであった。表面は平坦で、縄状の菌糸体よりな
り、外縁は規則正しく縁取られている。中央部から周辺
部にかけて灰白色を呈する。裏面は、クリーム色を呈す
る。可溶性色素の生成は認められない。 (4)オートミール寒天培地 生育は中程度で24℃、2週間後のコロニーの直径は3
1mmであった。表面は薄く、光沢のある菌糸体よりな
り、外縁は規則正しく縁取られている。表面、裏面とも
灰白色を呈する。可溶性色素の生成は認められない。
【0026】 (II)形態学的特徴 菌 糸 :無色。隔壁あり。直径は0.6〜0.9μm。 表面は滑面。しばしば太い菌糸束を形成する。 フィアライド:基部に隔壁を持つフィアライドが菌糸または菌糸束の上にほぼ 直立に多数単生する。ほとんど分枝しない。 基部から先端に向かってなだらかに細くなる。 無色で表面は滑面。長さは26〜31μm。 基部の直径は0.6〜1.0μm。 先端部の直径は0.5〜0.7μm。 分生子 :フィアロ型分生子。無色で表面は滑面。円筒形。一細胞。 0.8〜1.0x3.0〜3.5μm。 フィアライド先端に粘性のある球状の分生子塊を形成する。 厚膜胞子および菌核の形成は認められない。
【0027】以上の諸性質を基に、D.Malloch著、宇田
川俊一訳「かびの分離・培養と同定」(昭和58年、医
歯薬出版株式会社)51頁記載の同定検索表と照合すると
本菌は、分生子は1細胞からなり、コロニー、分生子及
び他の器官は無色又は明色、分生子は外生で連鎖しな
い、菌糸は隔壁を有する、フィアライドは菌糸にそって
単生する事などからアクレモニウム(Acremonium)属に
属することが明らかであり、本菌株を、アクレモニウム
エスピー(Acremonium sp.)FL−65227株と称
することができる。本菌株は、平成7年7月20日に財
団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO−327
02として、また平成7年10月4日に通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に、受託番
号FERM BP−5256としてそれぞれ寄託されて
いる。本発明の化合物TAN−2355Aおよび/また
はBは、この菌株に限らず、遺伝子操作技術を含め、自
体公知の方法により、それから誘導される本化合物の生
産能を有する変異株をはじめ、当該生産能を有する微生
物を培地中で培養し、本化合物を培地中に生成蓄積せし
め、それを採取することにより製造できる。
【0028】本発明の化合物TAN−2355Aおよび
/またはB生産菌の培養に用いる培地は、該生産菌が利
用し得る栄養源を含むものなら液体状でも固体状でもよ
いが、大量に処理するときには液体培地を用いるのがよ
り適当である。培地には、当該化合物生産菌が同化し得
る炭素源、窒素源、無機物質、微量栄養源を適宜配合す
る。炭素源としては、例えばグルコース、乳糖、ショ
糖、麦芽糖、デキストリン、澱粉、グリセリン、マンニ
トール、ソルビトール、油脂類(綿実油、大豆油、ラー
ド油、チキン油など)、n-パラフィンなどが、窒素源と
しては、例えば、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、大
豆粉、コーン・スティープ・リカー、ペプトン、生大豆
粉、綿実粉、トマトペースト、ピーナッツミール、廃糖
蜜、尿素、アンモニア塩類(硫酸アンモニウム、塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウムな
ど)などを用いる。さらに、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウムなどを含む塩類、鉄、マンガ
ン、亜鉛、コバルト、ニッケルなどの金属塩類、リン
酸、ほう酸などの塩類や酢酸、プロピオン酸などの有機
酸の塩類を適宜用いてもよい。その他、アミノ酸(グリ
シン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、リジ
ン、メチオニン、プロリンなど)、ペプチド(ジペプチ
ド、トリペプチドなど)、ビタミン類(B1、B2、ニコチ
ン酸、B12、Cなど)、核酸類(プリン、ピリミジン、
その誘導体など)などを含有させてもよい。また、培地
中のpHを調整する目的で無機または有機の酸またはア
ルカリ類、緩衝剤などを加え、あるいは消泡の目的で油
脂類、界面活性剤などの適量を添加してもよい。
【0029】培養の手段は、静置培養、振とう培養ある
いは通気撹拌培養法等の手段を用いても良い。大量の処
理には、いわゆる深部通気撹拌培養によるものが望まし
い。培養の条件は、培地の状態、組成、菌株の種類、培
養の手段によって異なるが、通常、約12℃〜44℃の
温度、初発pH約5〜9付近を選択するのがよい。とり
わけ培養中期の温度は約14℃〜30℃の温度、初発p
H約6〜8の条件が望ましい。培養時間は前記の諸条件
により異なるが、例えば、生理活性物質濃度が最大とな
るまで培養するのが望ましい。これに要する時間は、液
体培地を用いる振とう培養または通気撹拌培養の場合、
通常約1〜14日間である。培養液から目的とする化合
物TAN−2355Aおよび/またはBを採取する方法
を以下に述べる。該化合物は脂溶性であるので、この性
質を利用する一般手段を採用すればよい。まず、培養液
または培養濾過液を水と混和しない有機溶媒、例えばジ
クロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル等
のエステル類、メチルイソブチルケトン等のケトン類あ
るいはイソブタノール等のアルコール類などを加え、T
AN−2355Aおよび/またはBを抽出する。得られ
た有機溶媒層を水で洗浄後、濃縮するとTAN−235
5Aおよび/またはBを含有する粗物質を得ることがで
きる。
【0030】粗物質をさらに精製し、純粋なTAN−2
355AまたはBを得るには、周知の種々のクロマトグ
ラフィ−法が有利に用いられる。担体としては、例え
ば、活性炭、シリカゲル、微結晶セルロース、吸着性樹
脂など化合物の吸着性の差を利用するもの、または分子
ふるい性樹脂など化合物の分子量の差を利用するもの等
が有利に用いられる。これら担体から目的とする化合物
を溶出するためには、担体の種類、性質によって組み合
わせが異なるが、適当な有機溶媒(例、ジクロロメタ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トルエン
等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、ア
セトン等のケトン類、メタノ−ル、エタノール、イソブ
タノ−ル等のアルコ−ル類、アセトニトリル等のニトリ
ル類など)、有機酸(例、酢酸、ギ酸等)、水溶液〔例
えば、水、アルカリ(例、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸水素ナトリウム等)含有水溶液、酸(例、
塩酸、酢酸、ギ酸、リン酸等)含有水溶液、塩類含有水
溶液(例、食塩水、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液等)な
ど〕の単独あるいは適宜の割合の混合溶媒が用いられ
る。さらに詳しくは、担体としては、例えば、クロマト
用活性炭(武田薬品工業社製)、キ−ゼルゲル60(メ
ルク社製、ドイツ)、微結晶セルロース〔例、アビセル
(旭化成社製)、フナセル(フナコシ株式会社製)
等〕、吸着性樹脂(例、ダイヤイオンHP−20または
SP−207、アンバーライトXAD−IまたはII
等)、分子ふるい性樹脂〔例、セファデックスLH−2
0(ファルマシア社製、スウェーデン)等〕などが有利
に用いられる。
【0031】さらに、化合物を精製する場合に、分取用
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法も有利に用
いられる。この方法を適用する場合、担体としては、例
えば、オクタデシルシラン(ODS)系、ポリマー系お
よびシリカゲル系のものが有利に用いられる。例えば、
ODSの場合、YMCゲル(ワイエムシイ社製)あるい
はTSKゲル(東ソー社製)などが、ポリマー系の場
合、ポリマーにオクタデシル基を導入したODP(旭化
成社製)あるいはポリマーにポリアミンを導入したNH
2P(旭化成社製)などが用いられ、移動相としてはメ
タノールあるいはアセトニトリルと水あるいは塩類含有
水溶液の混合溶液などが有利に用いられる。TAN−2
355AおよびBは酸性物質なので、自体公知の方法に
よりナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、
カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との
塩などの塩基付加塩としても得ることができる。後述す
る実施例2で得られたTAN−2355AおよびBは、
NMRスペクトルおよびその他の物理化学的データの詳
細な検討により、下記の構造式を有するものと決定し
た。
【化18】
【0032】次に、本発明の化合物〔I〕またはその塩
の製造法について述べる。 〔製造法1〕一般式〔I〕においてR1、R2、R3
4、R6またはR7が置換された水酸基である化合物ま
たはその塩は、例えば、一般式〔I〕においてR1
2、R3、R4、R6またはR7が水酸基である化合物ま
たはその塩を、塩基の存在下、脱離基を有する化合物と
反応させることにより製造することができる。脱離基を
有する化合物とは、化学反応によって容易に置換される
官能基を有する化合物を表し、具体的には、例えば、ハ
ロゲン化物(例、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化
プロピル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化
ペンチル、臭化アリル、臭化ベンジル等)、スルホン酸
エステル類(例、メタンスルホン酸メチル、p-トルエン
スルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、ベン
ゼンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸
メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル等)、硫
酸エステル類(例、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等)な
どが用いられる。
【0033】塩基としては、例えば、水素化アルカリ金
属(例、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、水素
化アルカリ土類金属(例、水素化カルシウム等)、アル
カリ金属のアルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド等)、アルカリ金属の水酸化物
(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカ
リ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物
(例、水酸化カルシウム等)、3級アミン(例、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン、シクロヘキ
シルジメチルアミン、N-メチルモルホリン等)、2級ア
ミン(例、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、
ジシクロヘキシルアミン等)、芳香族塩基(例、ピリジ
ン、ルチジン、コリジン等)、アルキルリチウム(例、
メチルリチウム、ブチルリチウム等)などが用いられ
る。本反応は、通常溶媒中で行うことできる。該溶媒と
しては、例えば、アミド類(例、ホルムアミド、N,N-ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル
ピロリドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホ
キシド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲ
ン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン
等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニ
トリル等)、エステル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル
等)など、あるいはこれらの適宜の割合の混合物などが
用いられる。反応温度は、反応が進行する限り特に限定
されないが、通常約−70℃ないし150℃、好ましく
は約−30℃ないし80℃で行われる。反応時間は、用
いられる原料、塩基、反応温度、溶媒の種類により異な
るが、通常数十分から数十時間反応させる。
【0034】〔製造法2〕一般式〔I〕においてR5
置換されたヒドロキシメチル基である化合物またはその
塩は、例えば、一般式〔I〕においてR5がヒドロキシ
メチル基である化合物またはその塩を、前述と同様に、
塩基の存在下、脱離基を有する化合物と反応させること
により製造することができる。 〔製造法3〕一般式〔I〕においてR5が置換されたヒ
ドロキシイミノメチル基である化合物またはその塩は、
例えば、一般式〔I〕においてR5がヒドロキシイミノ
メチル基である化合物またはその塩を、前述と同様に、
塩基の存在下、脱離基を有する化合物と反応させること
により製造することができる。 〔製造法4〕一般式〔I〕においてR7が置換されたヒ
ドロキシイミノ基である化合物またはその塩は、例え
ば、一般式〔I〕においてR7がヒドロキシイミノ基で
ある化合物またはその塩を、前述と同様に、塩基の存在
下、脱離基を有する化合物と反応させることにより製造
することができる。
【0035】〔製造法5〕一般式〔I〕においてR1
2、R3、R4、R6またはR7がアシル基で置換された
水酸基である化合物またはその塩は、例えば、一般式
〔I〕においてR1、R2、R3、R4、R6またはR7が水
酸基である化合物またはその塩を、アシル化反応に付す
ことにより製造することができる。水酸基のアシル化
は、溶媒中で原料化合物とアシル化剤、例えば有機酸
(例、有機カルボン酸、有機スルホン酸等)あるいはそ
の反応性誘導体を反応させることにより行なうことがで
きる。有機酸の反応性誘導体としては、例えば、酸ハラ
イド、酸無水物、混合酸無水物、活性エステルなどが用
いられ、このような反応性誘導体を具体的に述べると次
の通りである。 (1)酸ハライド ここで酸ハライドとしては、例えば、酸クロリド、酸ブ
ロミドなどが用いられる。 (2)酸無水物、混合酸無水物 ここで酸無水物としては、例えば、脂肪族カルボン酸
(例えば、酢酸、吉草酸、ヘキサン酸など)からなる混
合酸無水物、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸な
ど)からなる混合酸無水物、対称型酸無水物などが用い
られる。 (3)活性エステル ここで活性エステルとしては、例えば、メチルエステ
ル、エチルエステル、メトキシメチルエステル、プロパ
ルギルエステル、4-ニトロフェニルエステル、2,4-ジニ
トロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、
ペンタクロロフェニルエステル、メシルフェニルエステ
ルなどのエステルのほか、1-ヒドロキシ-1H-2-ピリド
ン、N-ヒドロキシサクシンイミド、N-ヒドロキシフター
ルイミド、1-ハイト゛ロキシヘ゛ンソ゛トリアソ゛ール(HOBT)などとのエステル
が用いられる。
【0036】カルボン酸と直接反応させる場合には、例
えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、
塩酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボ
ジイミド(WSC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド
(DIC)などの縮合剤が用いられる。これらの縮合剤
は、上述の活性エステル、例えば、1-ヒドロキシ-1H-2-
ピリドン、N-ヒドロキシサクシンイミド、N-ヒドロキシ
フタールイミド、 1-ハイドロキシベンゾトリアゾール
(HOBT)などとのエステル合成に用いてもよい。本反応に
おいて塩基の存在下実施される場合があり、用いられる
塩基としては、例えば、3級アミン(例、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N-メチ
ルピペリジン、N-メチルピロリジン、シクロヘキシルジ
メチルアミン、N-メチルモルホリン等)、2級アミン
(例、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシ
クロヘキシルアミン等)、芳香族塩基(例、ピリジン、
ルチジン、コリジン等)、アルカリ金属の水酸化物
(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカ
リ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物
(例、水酸化カルシウム等)などが用いられる。
【0037】本反応は通常溶媒中で行うことができる。
該溶媒としては、例えば、アミド類(例、ホルムアミ
ド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N-メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例、ジ
メチルスルホキシド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン
等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジク
ロロメタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類
(例、アセトニトリル等)、エステル類(例、酢酸エチ
ル、ギ酸エチル等)など、あるいはこれらの適宜の割合
の混合物などが用いられる。反応温度は、反応が進行す
る限り特に限定されないが、通常約−50℃ないし15
0℃、好ましくは約−30℃ないし80℃で行われる。
反応時間は、用いられる原料、塩基、反応温度、溶媒の
種類により異なるが、通常数十分から数十時間反応させ
る。
【0038】〔製造法6〕一般式〔I〕においてR5
アシル基で置換されたヒドロキシメチル基である化合物
またはその塩は、例えば、一般式〔I〕においてR5
ヒドロキシメチル基である化合物またはその塩を、前述
と同様なアシル化反応に付すことにより製造することが
できる。
【0039】〔製造法7〕一般式〔I〕においてR5
アシル基で置換されたヒドロキシイミノメチル基である
化合物またはその塩は、例えば、一般式〔I〕において
5がヒドロキシイミノメチル基である化合物またはそ
の塩を、前述と同様なアシル化反応に付すことにより製
造することができる。
【0040】〔製造法8〕一般式〔I〕においてR7
アシル基で置換されたヒドロキシイミノ基である化合物
またはその塩は、例えば、一般式〔I〕においてR7
ヒドロキシイミノ基である化合物またはその塩を、前述
と同様なアシル化反応に付すことにより製造することが
できる。
【0041】〔製造法9〕一般式〔I〕においてR5
ヒドロキシメチル基、R7が水素と水酸基である化合物
またはその塩は、例えば、一般式〔I〕においてR5
ホルミル基、R7がオキソ基である化合物またはその塩
を、還元反応に付すことにより製造することができる。
ホルミル基あるいはオキソ基の還元は、例えば、水素化
ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水
素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いた反応を行
うのが有利である。反応は、反応に悪影響を与えない溶
媒中で行うことができる。該溶媒としては、例えば、ア
ミド類(例、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド
等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール
等)、環状エーテル(例、テトラヒドロフラン等)な
ど、もしくはこれらの適宜の割合の混合物が用いられ
る。反応温度は、反応が進行する限り特に限定されない
が、通常約−50℃ないし150℃、好ましくは約−3
0℃ないし80℃で行われる。反応時間は、用いられる
原料、反応温度、溶媒の種類により異なるが、通常数十
分から数十時間反応させる。
【0042】〔製造法10〕一般式〔I〕においてR5
が置換されていてもよいヒドロキシイミノメチル基、R
7が置換されていてもよいヒドロキシイミノ基である化
合物またはその塩は、例えば、一般式〔I〕においてR
5がホルミル基、R7がオキソ基である化合物またはその
塩と、置換されていてもよいヒドロキシアミン(例、ヒ
ドロキシルアミン、O-メチルヒドロキシルアミン、O-ベ
ンジルヒドロキシルアミン等)またはその塩を反応させ
ることにより製造することができる。反応は、反応に悪
影響を与えない溶媒中で行うことができる。該溶媒とし
ては、例えば、アミド類(例、ホルムアミド、N,N-ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピ
ロリドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキ
シド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン
化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン
等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニ
トリル等)、エステル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル
等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール
等)、水など、あるいはこれらの適宜の割合の混合物な
どが用いられる。
【0043】本反応において塩基の存在下実施される場
合があり、用いられる塩基としては、例えば、3級アミ
ン(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジ
ン、シクロヘキシルジメチルアミン、N-メチルモルホリ
ン等)、2級アミン(例、ジ-n-ブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等)、芳香族塩
基(例、ピリジン、ルチジン、コリジン等)、アルカリ
金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類
金属の水酸化物(例、水酸化カルシウム等)などが用い
られる。反応温度は、反応が進行する限り特に限定され
ないが、通常約−50℃ないし150℃、好ましくは約
−30℃ないし80℃で行われる。反応時間は、用いら
れる原料、反応温度、溶媒の種類により異なるが、通常
数十分から数十時間反応させる。
【0044】〔製造法11〕一般式〔I〕においてR5
がカルボキシル基である化合物またはその塩は、例え
ば、一般式〔I〕においてR5がホルミル基である化合
物またはその塩を、酸化反応に付すことにより製造する
ことができる。酸化反応で用いられる酸化剤としては、
例えば、セレン誘導体(例、酸化セレン等)、過酸類
(例、過酢酸、過ギ酸、過安息香酸、m-クロロ過安息香
酸等)、過酸エステル類(例、過安息香酸 tert-ブチ
ル、m-クロロ過安息香酸 tert-ブチル等)、クロム酸類
(例、無水クロム酸、クロム酸硫酸、クロム酸酢酸
等)、クロム酸塩類(例、クロム酸カリウム、クロム酸
ナトリウム、クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピ
リジニウム等)、重クロム酸塩類(例、重クロム酸カリ
ウム、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸ピリジニウム
等)、過マンガン酸塩類(例、過マンガン酸カリウム、
過マンガン酸ナトリウム等)、過ハロ酸類(例、過ヨウ
素酸、過臭素酸、過塩素酸等)、過ハロ酸塩類(例、過
ヨウ素酸ナトリウム、過臭素酸カリウム、過塩素酸ナト
リウム等)、過酸化物(例、過酸化水素、ブチルヒドロ
ペルオキシド等)、酸化金属(例、酸化銀、酸化水銀
等)、亜ハロゲン酸(例、亜塩素酸、亜臭素酸等)、亜
ハロゲン酸塩類(例、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カ
ルシウム等)などが用いられる。
【0045】本反応は通常溶媒中で行うことができる。
該溶媒としては、例えば、アミド類(例、ホルムアミ
ド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N-メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例、ジ
メチルスルホキシド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン
等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジク
ロロメタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類
(例、アセトニトリル等)、エステル類(例、酢酸エチ
ル、ギ酸エチル等)、ケトン類(例、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アルコー
ル類(例、メタノール、エタノール、tert-ブタノール
等)、水など、あるいはこれらの適宜の割合の混合物な
どが用いられる。反応温度は、反応が進行する限り特に
限定されないが、通常約−70℃ないし150℃、好ま
しくは約−30℃ないし80℃で行われる。反応時間
は、用いられる原料、反応温度、溶媒の種類により異な
るが、通常数十分から数十時間反応させる。
【0046】〔製造法12〕一般式〔I〕においてR5
がエステル化されたカルボキシル基である化合物または
その塩は、例えば、一般式〔I〕においてR5がカルボ
キシル基である化合物またはその塩を、エステル化反応
に付すことにより製造することができる。エステル化反
応は、自体公知の方法、例えば、次に示す方法により行
われる。 (1)原料化合物をジアゾアルカン(例、ジアゾメタ
ン、フェニルジアゾメタン、ジフェニルジアゾメタン
等)と反応させる。 (2)原料化合物を活性化アルキルハライド(例、ヨウ
化メチル、臭化ベンジル等)と反応させる。 (3)原料化合物を酸触媒または縮合剤の存在下、アル
コール(例、メタノール、エタノール、ベンジルアルコ
ール等)と反応させる。酸触媒としては、例えば塩酸、
硫酸、カンファースルホン酸等が、縮合剤としては、例
えばN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、塩
酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジ
イミド(WSC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(D
IC)等が用いられる。 (4)原料化合物を活性エステルに導き、アルコール
(例、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール
等)と反応させる。活性エステルとしては、例えば1-ヒト゛
ロキシ-1H-2-ピリドン、N-ヒドロキシサクシンイミド、N-
ヒドロキシフタールイミド、 1-ハイドロキシベンゾト
リアゾール等とのエステルが用いられる。 (5)原料化合物を酸ハロゲン化物(例、エチルクロロ
ホルメート、ベンジルクロロホルメート等)と反応さ
せ、酸無水物に導き、アルコール(例、メタノール、エ
タノール、ベンジルアルコール等)と反応させる。
【0047】本反応において塩基の存在下実施される場
合があり、用いられる塩基としては、例えば3級アミン
(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジ
ン、シクロヘキシルジメチルアミン、N-メチルモルホリ
ン等)、2級アミン(例、ジ-n-ブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等)、芳香族塩
基(例、ピリジン、ルチジン、コリジン等)、アルカリ
金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類
金属の水酸化物(例、水酸化カルシウム等)などが用い
られる。本反応は通常溶媒中で行われる。該溶媒として
は、例えばアミド類(例、ホルムアミド、N、N-ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロ
リドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシ
ド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン化
炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、
エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル
等)、エステル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル等)、
アルコール類(例、メタノール、エタノール等)など、
あるいはこれらの適宜の割合の混合物などが挙げられ
る。反応温度は、反応が進行する限り特に限定されない
が、通常約−50℃ないし150℃、好ましくは約−3
0℃ないし80℃で行われる。反応時間は、用いられる
原料、塩基、反応温度、溶媒の種類により異なるが、通
常数十分から数十時間反応させる。
【0048】〔製造法13〕一般式〔I〕においてR5
がアミド化されたカルボキシル基である化合物またはそ
の塩は、例えば、一般式〔I〕においてR5がカルボキ
シル基である化合物またはその塩をアミド化反応に付す
ことより製造することができる。アミド化反応は、例え
ば、カルボン酸あるいはその反応性誘導体と、一般式 HNR910 〔III〕 〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕で表される化
合物またはその塩とを反応させることにより行うことが
できる。カルボン酸の反応性誘導体としては、例えば、
酸ハライド、活性エステルなどが用いられ、このような
反応性誘導体を具体的に述べると次の通りである。 (1)酸ハライド ここで酸ハライドとしては、例えば、酸クロリド、酸ブ
ロミドなどが用いられる。 (2)活性エステル ここで活性エステルとしては、例えば、メチルエステ
ル、エチルエステル、メトキシメチルエステル、プロパ
ルギルエステル、4-ニトロフェニルエステル、2,4-ジニ
トロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、
ペンタクロロフェニルエステル、メシルフェニルエステ
ルなどのエステルの他、1-ヒドロキシ-1H-2-ピリドン、
N-ヒドロキシサクシンイミド、N-ヒドロキシフタールイ
ミド、 1-ハイドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)など
とのエステルが用いられる。
【0049】カルボン酸と直接反応させる場合には、例
えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、
塩酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボ
ジイミド(WSC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド
(DIC)などの縮合剤が用いられる。これらの縮合剤
は、上述の活性エステル、例えば1-ヒドロキシ-1H-2-ピ
リドン、N-ヒドロキシサクシンイミド、N-ヒドロキシフ
タールイミド、 1-ハイドロキシベンゾトリアゾール(HO
BT)などとのエステル合成に用いてもよい。本反応にお
いて塩基の存在下実施される場合があり、用いられる塩
基としては、例えば3級アミン(例、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N-メチル
ピペリジン、N-メチルピロリジン、シクロヘキシルジメ
チルアミン、N-メチルモルホリン等)、2級アミン
(例、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシ
クロヘキシルアミン等)、芳香族塩基(例、ピリジン、
ルチジン、コリジン等)、アルカリ金属の水酸化物
(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカ
リ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物
(例、水酸化カルシウム等)などが用いられる。
【0050】本方法においては、化合物1モルに対して
カルボン酸の反応性誘導体を通常1モル用いるが、反応
に支障のない限り過剰に用いることもできる。塩基を用
いる場合、塩基の使用量は用いられる原料化合物、カル
ボン酸の反応性誘導体の種類、その他の反応条件によっ
て異なるが、化合物1モルに対して通常約1ないし5モ
ル、好ましくは約1ないし3モルである。本反応は通常
溶媒中で行うことができる。該溶媒としては、例えば、
アミド類(例、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、
スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、芳香
族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン化炭化水素類
(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類
(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エス
テル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル等)など、あるい
はこれらの適宜の割合の混合物などが用いられる。反応
温度は、反応が進行する限り特に限定されないが、通常
約−50℃ないし150℃、好ましくは約−30℃ない
し80℃で行われる。反応時間は、用いられる原料、塩
基、反応温度、溶媒の種類により異なるが、通常数十分
から数十時間反応させる。
【0051】〔製造法14〕一般式〔I〕において
【化19】 が単結合を表す化合物またはその塩は、例えば、一般式
〔I〕において
【化20】 が二重結合を表す化合物またはその塩を、還元反応に付
すことにより製造することができる。
【0052】二重結合の還元は、例えば、パラジウム触
媒(例、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム活性炭
素、パラジウム黒等)、白金触媒(例、酸化白金、白金
黒等)またはロジウム触媒等を用いた接触水素添加を行
うのが有利である。反応は、反応に悪影響を与えない溶
媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、アミド類
(例、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド等)、
アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、環状
エーテル(例、テトラヒドロフラン等)、有機カルボン
酸(例、酢酸、プロピオン酸等)、水など、もしくはこ
れらの適宜の割合の混合物が用いられる。反応温度は、
反応が進行する限り特に限定されないが、通常約−50
℃ないし150℃、好ましくは約−30℃ないし80℃
で行われる。反応時間は、用いられる原料、触媒、反応
温度、溶媒の種類により異なるが、通常数十分から数十
時間反応させる。
【0053】〔製造法15〕一般式〔I〕においてR5
が置換されていてもよいヒドラゾノメチル基である化合
物またはその塩は、例えば、一般式〔I〕においてR5
がホルミル基である化合物またはその塩と、置換されて
いてもよいヒドラジン(例、ジメチルヒドラジン、フェ
ニルヒドラジン等)またはその塩を反応させることによ
り製造することができる。反応は、反応に悪影響を与え
ない溶媒中で行うことができる。該溶媒としては、例え
ば、アミド類(例、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン
等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド
等)、芳香族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン化炭
化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エ
ーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル
等)、エステル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル等)、
アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、水な
ど、あるいはこれらの適宜の割合の混合物などが用いら
れる。本反応において酸の存在下実施される場合があ
り、用いられる酸としては、例えば、無機酸(例、塩
酸、硫酸、リン酸等)、有機酸(例、酢酸、プロピオン
酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、メタンス
ルホン酸等)などが用いられる。反応温度は、反応が進
行する限り特に限定されないが、通常約−50℃ないし
150℃、好ましくは約−30℃ないし80℃で行われ
る。反応時間は、用いられる原料、反応温度、溶媒の種
類により異なるが、通常数十分から数十時間反応させ
る。
【0054】〔製造法16〕一般式〔I〕においてR5
が置換されたアミノ基で置換されたメチル基である化合
物またはその塩は、例えば、一般式〔I〕においてR5
がホルミル基である化合物またはその塩と、置換された
アミン(例、ジメチルアミン、ジエチルアミン等)また
はその塩を、還元的縮合反応に付すことにより製造でき
る。還元法としては、例えば、1)複合水素化合物(例、
水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウ
ム、水素化リチウムアルミニウム等)、ジボラン、ナト
リウム、ナトリウムアマルガム、亜鉛−酸などによる還
元、2)パラジウム触媒(例、パラジウム/硫酸バリウ
ム、パラジウム活性炭素、パラジウム黒等)、白金触媒
(例、酸化白金、白金黒等)またはロジウム触媒等を用
いた接触水素添加還元、3)鉛、白金を陰極とした電解還
元などが挙げられる。反応は、反応に悪影響を与えない
溶媒中で行うことができる。該溶媒としては、例えば、
アミド類(例、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、
スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、芳香
族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン化炭化水素類
(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類
(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エス
テル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル等)、アルコール
類(例、メタノール、エタノール等)、水など、あるい
はこれらの適宜の割合の混合物などが用いられる。反応
温度は、反応が進行する限り特に限定されないが、通常
約−50℃ないし150℃、好ましくは約−30℃ない
し80℃で行われる。反応時間は、用いられる原料、反
応温度、溶媒の種類により異なるが、通常数十分から数
十時間反応させる。
【0055】〔製造法17〕一般式〔I〕においてR5
がメチル基である化合物またはその塩は、例えば、一般
式〔I〕においてR5がホルミル基である化合物または
その塩を、製造法14と同様の還元反応に付すことによ
り製造することができる。
【0056】上述の製造法によって得られた本発明の化
合物〔I〕は、塩として用いてもよく、好ましくは薬理
学的に許容される塩が用いられる。このような塩として
は、化合物〔I〕が酸性基を有する場合、例えば、アル
カリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)との塩、アル
カリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウム等)との
塩などの塩基付加塩が用いられる。化合物〔I〕が塩基
性基を有する場合、例えば、無機酸(例、塩酸、硫酸、
リン酸等)との塩あるいは有機酸(例、酢酸、プロピオ
ン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、メタン
スルホン酸等)との塩などの酸付加塩が用いられる。本
発明の化合物は、骨格中に不斉炭素を持つため異性体が
存在し得るが、それらの各異性体、およびそれらの混合
物も本発明に含まれる。またその置換基に不斉炭素を有
する場合も同様に立体異性体を生ずるが、それらの各異
性体、およびそれらの混合物も本発明に含まれる。
【0057】本発明の化合物〔I〕またはその塩は、特
にTRH受容体の作動薬として有効であり、ヒトおよび
哺乳動物(例、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ブ
タ、ウシ、サル等)における医薬として、特に脳機能障
害に起因する意識障害および脊髄小脳変性症の治療薬、
あるいは向知性薬などとして有用である。本発明の化合
物〔I〕またはその塩は、毒性も低く、安全に用いられ
る。本発明の化合物〔I〕またはその塩を、例えばヒト
に投与する場合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に
許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物
として経口的または非経口的に安全に投与することがで
きる。上記医薬組成物としては、経口剤として、例えば
散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤等が、非経口剤とし
て、例えば注射剤、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製
剤、経皮製剤等)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤等)等
が用いられる。これらの製剤は、製剤工程において通常
一般に用いられる自体公知の方法により製造することが
できる。
【0058】経口剤は、本発明の化合物〔I〕またはそ
の塩に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン、
マンニトールなど)、崩壊剤(例、炭酸カルシウム、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、結合剤
(例、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロ
ピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステ
アリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール600
0など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要によ
り、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のた
め自体公知の方法でコーティングすることにより製造さ
れる。コーティング剤としては、例えば、エチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリオキシエチレ
ングリコール、セルロースアセテートフタレート、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびオイ
ドラギット(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・ア
クリル酸共重合物)などが用いられる。
【0059】注射剤は、本発明の化合物〔I〕またはそ
の塩を分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパ
ウダー社製、米国)、HCO 60(日光ケミカルズ
製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセル
ロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メ
チルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコー
ル、クロロブタノールなど)、等張化剤(例、塩化ナト
リウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖など)な
どと共に水性注射剤として、あるいはオリーブ油、ゴマ
油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコ
ールなどに溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤とし
て成形することにより製造することができる。外用剤
は、本発明の化合物〔I〕またはその塩を固状、半固状
または液状の組成物とすることにより製造される。例え
ば、上記固状の組成物は、本発明化合物をそのまま、あ
るいは賦形剤(例、ラクトース、マンニトール、デンプ
ン、微結晶セルロース、白糖など)、増粘剤(例、天然
ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)な
どを添加、混合して粉状とすることにより製造される。
上記液状の組成物は、注射剤の場合とほとんど同様で、
油性あるいは水性懸濁剤とすることにより製造される。
半固状の組成物は、水性または油性のゲル剤、あるいは
軟膏状のものがよい。また、これらの組成物は、いずれ
もpH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水
酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香
酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウ
ムなど)などを含んでいてもよい。
【0060】坐剤は、本発明の化合物〔I〕またはその
塩を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の組成
物とすることにより製造される。該組成物に用いる油性
基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド〔例、
カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社
製)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナ
マイトノーベル社製)など〕、あるいは植物油(例、ゴ
マ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。水性基
剤としては、例えば、ポリエチレングリコール類、プロ
ピレングリコールなどが挙げられる。また、水性ゲル基
剤としては、例えば、天然ガム類、セルロース誘導体、
ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
本発明の化合物〔I〕またはその塩を、ヒトに用いる場
合の投与量は、対象疾病の種類、程度、患者の年齢など
で変動し得るが、経口的に投与する場合、通常有効成分
として、1日成人(体重50Kg)1人当たり約1mgな
いし1g、とりわけ約4mgないし200mgが疾病の
治療に用いられることが好ましい。これらの製剤は、1
日1回又は2〜3回に分けて投与することができる。本
発明の化合物〔I〕またはその塩を、注射剤として非経
口的に皮下、静脈内または筋肉内に投与する場合、その
投与量は1日成人(体重50Kg)1人当たり約0.5m
gないし200mg、好ましくは約1mgないし50m
gである。これらの製剤は、1日1回又は2〜3回に分
けて投与することができる。
【0061】
【実施例】以下に、実施例および試験例を挙げて本発明
を更に詳しく説明するが、これによって本発明が限定さ
れるものではない。なお、パーセント(%)は、特に断
りの無い限り、重量/容量パーセントを示す。また、溶
媒の混合比率は、特に断りの無い限り、容量比を示す。
NMRスペクトルは、ブルカーAC−300型スペクト
ルメーター(1H NMR ;300 MHz, 13C NMR ; 75 MHz)を
用いて測定した。内部基準としてテトラメチルシランを
用い、全δ値をppmで示した。また、本明細書中の記号
は次のような意味を有する。s:シングレット,d:ダブ
レット,t:トリプレット,dd:ダブルダブレット,m:
マルチプレット,Q:4級炭素,CH:メチン,CH2:メチ
レン,CH3:メチル
【0062】
【実施例1】TAN−2355AおよびBの製造 ポテト・デキストロース・ブロス(ディフコ社製、米
国)24g,寒天20gと水1リットルからなる斜面培
地上で、28℃で7日間培養したアクレモニウム属の一
菌株FL−65227株を、2%ブドウ糖、3%麦芽
糖、1.5%生大豆粉、1%コーン・ステイープ・リカ
ー、0.5%ポリペプトン、0.3%酵母エキス及び
0.3%塩化ナトリウムを含む40mlの種培地(pH
6.0)に接種し、200ml容三角フラスコ中で、2
8℃、48時間回転振盪上で培養し、種培養液を得た。
得られた種培養液1mlを4%ブドウ糖、2%シュクロ
ース、2%生大豆粉、1%プロフロ、0.5%炭酸カル
シウム、0.05%アクトコール(武田薬品工業社
製)、及び0.02%シリコン(新越化学工業)の主培
地(pH7.0)40mlを含む200ml容三角フラ
スコ中に移植し、24℃、撹拌・200回転/分の条件
で5日間培養した。
【0063】
【実施例2】TAN−2355AおよびBの単離 実施例1で得られた培養液(2.5リットル)を濾過補
助剤(ハイフロスーパーセル、ジョンズ・マンビル・プ
ロダクト社製、米国)を用いて濾過した。濾液(2リッ
トル)のpHを3.0に調整後、酢酸エチル(2リット
ル)で抽出し、2%炭酸水素ナトリウム水(1リット
ル)、水(1リットル)で順次洗浄した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固し、残渣にヘキサン
を加え、ヘキサン可溶画分をデカンテーションにより除
去してヘキサン不溶画分(1.38g)を油状物として
得た。得られた油状物をシリカゲル(キ−ゼルゲル6
0、50g)のカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸
エチル(400ml、Fr.1−4)、酢酸エチル/メ
タノ−ル(49:1、400ml、Fr.5−8)で溶
出分画した。Fr.2−5を濃縮乾固してTAN−23
55Bを含有する粗粉末I(384mg)、Fr.6−
8を濃縮乾固してTAN−2355Aを含有する粗粉末
II(176mg)を得た。TAN−2355Bを含有す
る粗粉末Iは再度、シリカゲル(25g)のカラムクロ
マトグラフィーに付し、クロロホルム中メタノールを順
次添加した溶出液で溶出し、クロロホルム/メタノール
(49:1)溶出画分からTAN−2355Bを含有す
る粗粉末III(209mg)を得た。粗粉末IIを分取H
PLC〔カラム;YMC-Pack SH-363-15, ODS(ワイエム
シイ社製)、移動相;45%(v/v)アセトニトリル/
0.02Mリン酸緩衝液(pH6.3)、流速;10m
l/分〕に付し、分析用HPLCでTAN−2355A
の単一ピークを与える画分を集め、減圧下アセトニトリ
ルを留去し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して、TAN−
2355A(化合物1、8mg)を白色粉末として得
た。粗粉末IIIも分取HPLC〔カラム;YMC-Pack SH-3
63-15, ODS、移動相;48%(v/v)アセトニトリル/
0.02Mリン酸緩衝液(pH6.3)、流速;10m
l/分〕に付し、分析用HPLCでTAN−2355B
の単一ピークを与える画分を同様に処理して、TAN−
2355B(化合物2、22mg)を白色粉末として得
た。
【0064】 〔TAN−2355A〕 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:-14゜(c 0.56, MeOH,25℃) 3)分子量:EI−マススペクトル;m/z 532(M+) 4)元素分析値:(%)(水分0.5モルとして計算) 計算値;C, 64.31; H, 7.63 実測値;C, 64.24; H, 7.62 5)分子式:C29H40O9 6)UVスペクトル:メタノ−ル中 極大値(ε);238 nm (40,000), 288 nm(19,000), 330 nm (肩、4,400) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波数,cm-1)。(図1) 3420, 2970, 2930, 2880, 1700, 1630, 1410, 1290, 1250, 1230, 1070 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重クロロホルム中,δppm (図2) 213.2 (Q), 193.7 (CH), 162.9 (Q), 161.2 (Q), 142.2 (Q), 135.9 (CH), 133. 5 (Q), 132.9 (CH), 129.1 (CH), 115.7 (Q), 114.7 (Q), 108.5 (CH), 100.3 ( CH), 76.3 (CH), 76.0 (CH), 73.6 (CH), 69.6 (CH), 61.8 (CH2), 53.5 (CH), 48.5 (Q), 41.5 (CH2), 40.8 (CH), 31.1 (CH2), 21.7 (CH2), 18.5 (CH3), 16. 3 (CH3), 12.7 (CH3), 10.3 (CH3), 8.9 (CH3) 9)呈色反応:陽性;塩化第2鉄、リンモリブデン酸、モーリッシュ試薬 陰性;ドラ−ゲンドルフ、坂口試薬 10)高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS, 6.0 x 150 mm(ワイエムシイ社製) 移動相;50%(v/v)アセトニトリル/0.02Mリン酸緩衝液(pH6.3) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;3.9分 11)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒;酢酸エチル Rf値;0.11
【0065】 〔TAN−2355B〕 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:-15゜(c 0.60, MeOH,25℃) 3)分子量:EI−マススペクトル;m/z 546(M+) 4)元素分析値:(%)(水分0.5モルとして計算) 計算値;C, 64.85; H, 7.80 実測値;C, 64.83; H, 7.58 5)分子式:C30H42O9 6)UVスペクトル:メタノ−ル中 極大値(ε);238 nm (41,000), 288 nm(20,000), 330 nm (肩、4,700) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波数,cm-1)。(図3) 3430, 2970, 2930, 2880, 1700, 1410, 1290, 1260, 1230, 1100, 1080 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重クロロホルム中,δppm (図4) 212.6 (Q), 193.7 (CH), 163.0 (Q), 161.3 (Q), 142.2 (Q), 136.1 (CH), 133. 5 (Q), 132.8 (CH), 129.3 (CH), 115.7 (Q), 114.7 (Q), 108.3 (CH), 100.0 ( CH), 78.8 (CH), 76.4 (CH), 75.9 (CH), 73.9 (CH), 62.0 (CH2), 60.8 (CH3), 53.6 (CH), 48.5 (Q), 41.6 (CH2), 40.9 (CH), 31.1 (CH2), 21.7 (CH2), 18. 5 (CH3), 16.3 (CH3), 12.7 (CH3), 10.4 (CH3), 8.8 (CH3) 9)呈色反応:陽性;塩化第2鉄、リンモリブデン酸、モーリッシュ試薬 陰性;ドラ−ゲンドルフ、坂口試薬 10)高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS, 6.0 x 150 mm(ワイエムシイ社製) 移動相;50%(v/v)アセトニトリル/0.02Mリン酸緩衝液(pH6.
3) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;5.7分 11)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒;酢酸エチル Rf値;0.34
【0066】
【実施例3】TAN−2355A(40.0 mg) をピリジ
ン (1.0 ml) に溶解後、無水酢酸 (1.0 ml) を加え、室
温で3時間静置した。反応液を濃縮乾固し、化合物3
(46.6mg) を白色粉末として得た(収率 84%)。 EI-MS (m/z); 742 (M+) 元素分析値 C39H50O14 として 計算値 C 63.06, H 6.78 (%) 実測値 C 63.13, H 6.71 (%)1 H NMR δppm (CDCl3); 0.69(3H,s), 0.81(3H,d,J=6.5H
z), 0.82(3H,d,J=6.7Hz), 1.64(1H,m), 1.86(3H,s), 1.
93(2H,m), 2.01(3H,s), 2.03(3H,s), 2.06(3H,s), 2.08
(3H,s), 2.34(3H,s), 2.38(2H,m), 2.40(1H,m), 2.62(3
H,s), 3.34(2H,d,J=6.9Hz), 3.97(1H,m), 4.21(1H,dd,J
=3.0,12.4Hz), 4.25(1H,dd,J=5.4,12.4Hz), 5.16(1H,
m), 5.21(1H,m), 5.27(1H,m), 5.32(1H,m), 5.34(1H,
m), 5.38(1H,d,J=16.0Hz), 5.84(1H,d,J=16.0Hz), 6.78
(1H,s), 10.20(1H,s).
【0067】
【実施例4】TAN−2355B(50.0 mg) を実施例
3と同様に行い、化合物4 (64.3 mg) を白色粉末とし
て得た(収率 98%)。 EI-MS (m/z); 714 (M+) 元素分析値 C38H50O13・0.25H2O として 計算値 C 63.45, H 7.08 (%) 実測値 C 63.47, H 7.04 (%) H NMR δppm (CDCl3); 0.68(3H,s), 0.80(3H,
d,J=6.5Hz), 0.82(3H,d,J=6.8Hz), 1.65(1H,m), 1.84(3
H,d,J=0.8Hz), 1.93(2H,m), 2.00(3H,s), 2.09(3H,s),
2.10(3H,s), 2.34(3H,s), 2.39(2H,m), 2.40(1H,m), 2.
62(3H,s), 3.32(2H,d,J=6.9Hz), 3.45(1H,m), 3.47(3H,
s), 3.79(1H,m), 4.24(1H,dd,J=6.2,12.0Hz), 4.46(1H,
dd,J=2.2,12.0Hz), 5.16(1H,m), 5.22(1H,m), 5.26(1H,
m), 5.27(1H,m), 5.37(1H,d,J=16.0Hz), 5.83(1H,d,J=1
6.0Hz), 6.78(1H,s), 10.20(1H,s).
【0068】
【実施例5】TAN−2355A(100 mg) をメタノー
ル (5 ml) に溶解後、水素化ホウ素ナトリウム (10 mg)
を加え、室温で 30 分攪拌した。反応液を酢酸エチル
に溶解後、水で洗浄した。水層を pH 6 に調整後、酢酸
エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わせた後、水およ
び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、濃縮し、化合物5 (98.2 mg) を白色粉末として得
た (収率 95%)。 元素分析値 C29H44O9・H2O として 計算値 C 62.80, H 8.36 (%) 実測値 C 62.51, H 8.43 (%)1 H NMR δppm (CD3OD); 0.73(3H,d,J=6.6Hz), 0.86(3H,
d,J=7.2Hz), 0.93(3H,s), 1.33(3H,m), 1.61(2H,m), 1.
82(1H,m), 1.88(3H,s), 2.23(3H,s), 3.35-3.53(5H,m),
3.63(2H,m), 3.80(1H,m), 3.88(1H,m), 4.75(2H,s),
4.88(1H,d,J=7.4Hz), 5.20(1H,d,J=16.1Hz), 5.48(1H,
t,J=7.1Hz), 5.85(1H,d,J=16.0Hz), 6.54(1H,s).
【0069】
【実施例6】TAN−2355B(100 mg) を実施例5
と同様に行い、化合物6 (98.0 mg)を白色粉末として得
た (収率 97%)。 元素分析値 C30H46O9・H2O として 計算値 C 63.36, H 8.51 (%) 実測値 C 63.07, H 8.43 (%)1 H NMR δppm (CD3OD); 0.73(3H,d,J=6.5Hz), 0.86(3H,
d,J=7.1Hz), 0.93(3H,s), 1.32(3H,m), 1.60(2H,m), 1.
83(1H,m), 1.88(3H,s), 2.23(3H,s), 3.17(1H,t,J=9.0H
z), 3.33-3.54(4H,m), 3.58(3H,s), 3.60-3.87(4H,m),
4.75(2H,s), 4.85(1H,m), 5.20(1H,d,J=16.0Hz), 5.48
(1H,t,J=6.9Hz), 5.85(1H,d,J=16.0Hz), 6.51(1H,s).
【0070】
【実施例7】TAN−2355A(100 mg)をDMF(ジ
メチルホルムアミド)(3 ml)に溶解後、炭酸カリウム
(31.2 mg)、ヨウ化メチル (14.1 μl)を加え、室温で
3時間攪拌後、さらに、炭酸カリウム (10.0 mg)、ヨウ
化メチル(28.2 μl)を加え、室温で14時間攪拌し
た。反応液を濃縮後、酢酸エチルに溶解し、水、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エ
チル層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、ヘキサン中酢酸エチルを順次添加した溶出液で
溶出、100%酢酸エチル溶出画分を濃縮し、化合物7(8
6.1 mg)を白色粉末として得た(収率 84%)。 元素分析値 C30H42O9・1.3H2O として 計算値 C 63.21, H 7.88 (%) 実測値 C 63.15, H 7.80 (%)1 H NMR δppm (CDCl3); 0.68(3H,s), 0.80(3H,d,J=7.1H
z), 0.82(3H,d,J=7.1Hz), 1.62(1H,m), 1.93(5H,m), 2.
39(3H,m), 2.57(3H,s), 3.40-3.74(6H,m), 3.82(3H,s),
3.92(2H,m), 4.97(1H,d,J=6.8Hz), 5.43(1H,d,J=16.0H
z), 5.46(1H,t,J=6.1Hz), 5.88(1H,d,J=15.9Hz), 6.64
(1H,s), 10.40(1H,s).
【0071】
【実施例8】TAN−2355A(120 mg)をメタノー
ル(3 ml)に溶解後、硫酸ヒドロキシルアミン(44.3 m
g)、トリエチルアミン(75.3 μl)を加え、室温で2
4時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルに溶解
し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。酢酸エチル層を濃縮後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン中酢酸エチルを順次添
加した溶出液で溶出、100% 酢酸エチル溶出画分を濃縮
し、化合物8 (102 mg) を白色粉末として得た (収率 8
0%)。 元素分析値 C29H42N2O9・0.9H2O として 計算値 C 60.17, H 7.63, N 4.84 (%) 実測値 C 60.15, H 7.74, N 4.43 (%)1 H NMR δppm (C5D5N); 0.67(3H,d,J=6.4Hz), 0.75(3H,
s), 1.14(3H,d,J=6.6Hz), 1.35(1H,m), 1.56(2H,m), 1.
74(1H,m), 2.09(3H,s), 2.22(2H,m), 2.23(3H,s), 3.85
(1H,m), 3.94(1H,m), 4.13(1H,m), 4.26-4.43(4H,m),
4.57(1H,m), 5.42(1H,d,J=16.1Hz), 5.66(1H,d,J=7.1H
z), 6.12(1H,d,J=16.0Hz), 6.16(1H,t,J=7.2Hz), 7.06
(1H,s), 8.86(1H,s), 11.83(1H,s), 12.34(1H,s), 13.7
0(1H,s).
【0072】
【実施例9】実施例8と同様にTAN−2355A(12
0 mg)、O−ベンジルヒドロキシルアンモニウムクロリ
ド(129 mg)、トリエチルアミン(113 μl)から、化
合物9(134 mg)を白色粉末として得た(収率 80%)。 元素分析値 C4354N2O9・0.5H2O として 計算値 C 68.69, H 7.37, N 3.73 (%) 実測値 C 68.43, H 7.32, N 3.54 (%)1 H NMR δppm (CDCl3); 0.63(3H,s), 0.72(3H,d,J=6.5H
z), 0.90(3H,d,J=6.8Hz), 1.26(2H,m), 1.63(2H,m), 1.
92(3H,s), 2.15(2H,m), 2.32(3H,s), 3.37(1H,m), 3.45
-3.74(5H,m), 3.84(1H,m), 3.95(1H,m), 4.89(1H,d,J=
6.8Hz), 5.07(2H,s), 5.17(2H,s), 5.35(1H,d,J=16.0H
z), 5.44(1H,m), 5.89(1H,d,J=16.0Hz), 6.38(1H,s),
7.24-7.44(10H,m), 8.49(1H,s), 10.61(1H,s).
【0073】
【実施例10】TAN−2355A(200 mg)をDMF
(4 ml)に溶解後、ヨウ化メチル(2.33 ml)、酸化銀
(I)(652 mg)を加え、室温で5時間攪拌した。反応
液を濾過後、濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出、酢
酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、ヘキサン中酢酸エチルを順次添加し
た溶出液で溶出し、20%酢酸エチル溶出画分を濃縮
し、粗物質(70.8 mg)を得た。これを、分取HPLC
〔カラム;YMC-Pack SH-343-20, ODS(ワイエムシイ社
製)、移動相;75%(v/v)アセトニトリル/水、流
速;10ml/分〕に付し、分析用HPLCで目的物の
単一ピークを与える画分を集め、減圧下アセトニトリル
を留去し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して、化合物10
(39.4 mg)を白色粉末として得た(収率 17%)。1 H NMR δppm (CDCl3); 0.69(3H,s), 0.80(3H,d,J=6.6H
z), 0.81(3H,d,J=6.8Hz), 1.62(1H,m), 1.89(3H,s), 1.
92(2H,m), 2.38(3H,m), 2.56(3H,s), 3.27(3H,m), 3.38
(3H,s), 3.45(1H,m), 3.52(2H,m), 3.55(3H,s), 3.60(3
H,s), 3.65(2H,m), 3.67(3H,s), 3.80(3H,s), 4.91(1H,
d,J=7.2Hz), 5.35(1H,d,J=16.0Hz), 5.50(1H,t,J=6.8H
z), 5.88(1H,d,J=16.0Hz), 6.67(1H,s), 10.39(1H,s).
【0074】
【実施例11】TAN−2355A(120 mg)をエタノ
ール(3 ml)に溶解後、酢酸(2.6 μl)、ジメチルヒ
ドラジン(51.3 μl)を加え、80℃で1時間攪拌し
た。反応液を濃縮後、水を加え、酢酸エチルで抽出、酢
酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。濃縮乾固して、化合物11(126 m
g)を白色粉末として得た(収率 97%)。 元素分析値 C31H46N2O8・H2O として 計算値 C 62.81, H 8.16, N 4.73 (%) 実測値 C 62.73, H 8.07, N 4.59 (%)1 H NMR δppm (CDCl); 0.68(3
H,s), 0.80(3H,d,J=7.6Hz),
0.83(3H,d,J=7.0Hz), 1.62
(1H,m), 1.91(2H,m), 1.93
(3H,s), 2.35(3H,s), 2.39
(3H,m) 2.92(6H,s),3.48−3.
74(6H,m), 3.84(1H,m), 3.9
6(1H,m), 4.89(1H,d,J=6.8H
z), 5.37(1H,d,J=16.0Hz),
5.51(1H,t,J=6.8Hz), 5.89
(1H,d,J=16.0Hz), 6.36(1H,
s), 7.60(1H,s), 12.61(1H,
s).
【0075】
【実施例12】TAN−2355A(200 mg)を
無水メタノール(5 ml)に溶解後、塩酸ジメチルアミン
(306 mg)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(47.1 m
g)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液を濃縮
後、水を加え、酢酸エチルで抽出、酢酸エチル層は、
水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。濃縮後、分取HPLC〔カラム;YMC-Pack SH-343-
5, ODS(ワイエムシイ社製)、移動相;40%(v/v)ア
セトニトリル/0.01Mリン酸緩衝液(pH 6.3)、流
速;10ml/分〕に付し、分析用HPLCで目的物の
単一ピークを与える画分を集め、減圧下アセトニトリル
を留去し、pH 9.0 に調整後、酢酸エチルで抽出した。
抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾
固して、化合物12(81.4mg、収率 39%)、化合物13
(74.4 mg、収率 37%)をそれぞれ白色粉末として得
た。
【0076】〔化合物12〕 元素分析値 C31H47NO8・2H2O として 計算値 C 62.29, H 8.60, N 2.34 (%) 実測値 C 62.32, H 8.33, N 2.40 (%)1 H NMR δppm (CDCl3); 0.68(3H,s), 0.81(3H,d,J=7.2H
z), 0.83(3H,d,J=7.1Hz), 1.63(1H,m), 1.84-1.99(2H,
m), 1.92(3H,s), 2.19(3H,s), 2.31(6H,s), 2.39(3H,
m), 3.48-3.69(8H,m), 3.83(1H,dd,J=4.9,11.9Hz), 3.9
5(1H,dd,J=3.4,11.9Hz), 4.87(1H,d,J=7.1Hz), 5.37(1
H,d,J=16.0Hz), 5.50(1H,t,J=6.8Hz), 5.89(1H,d,J=16.
0Hz), 6.31(1H,s). 〔化合物13〕 元素分析値 C29H42O9・H2O として 計算値 C 63.02, H 8.03 (%) 実測値 C 62.86, H 8.03 (%)1 H NMR δppm (CDCl3); 0.68(3H,s), 0.79(3H,d,J=6.6H
z), 0.82(3H,d,J=6.2Hz), 1.60(1H,m), 1.92(3H,s), 1.
98(2H,m), 2.23(3H,s), 2.28(1H,m), 2.54(2H,m), 3.35
-3.54(5H,m), 3.61(1H,m), 3.68(1H,m), 3.88(1H,m),
4.76(2H,s), 4.88(1H,d,J=7.4Hz), 5.39(1H,d,J=16.1H
z), 5.56(1H,t,J=7.3Hz), 5.90(1H,d,J=16.0Hz), 6.55
(1H,s).
【0077】
【実施例13】化合物3(200 mg)をt−ブチルアルコ
ール(9 ml)に溶解後、レゾルシノール(77.0 mg、1
0mM酢酸緩衝液(pH 3.9、4 ml)に溶解)、亜塩素酸
ナトリウム(58.4 mg、水 2 ml に溶解)を加え、室温
で2時間攪拌した。反応液を pH3.0 に調整後、酢酸エ
チルで抽出し、酢酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン中酢酸エ
チルを添加した溶液で洗浄後、酢酸エチル中メタノール
を順次添加した溶出液で溶出、100%酢酸エチルと5
0%メタノール/酢酸エチル溶出画分を濃縮乾固した。
得られた乾固物をメタノール(7.5 ml)に溶解後、1N
水酸化ナトリウム水(1.31 ml)と水(2.0 ml)を加
え、室温で30分攪拌した。反応液に水を加え pH 3.0
に調整後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層は、水、
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
濃縮後、分取HPLC〔カラム;YMC-Pack SH-343-5, O
DS(ワイエムシイ社製)、移動相;25%(v/v)アセト
ニトリル/0.01Mリン酸緩衝液(pH 6.3)、流速;1
0ml/分〕に付し、分析用HPLCで目的物の単一ピ
ークを与える画分を集め、減圧下アセトニトリルを留去
し、pH 3.0 に調整後、酢酸エチルで抽出した。抽出液
を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固し
て、化合物14(35.9 mg、収率 24%)、化合物15(3
4.1 mg、収率 22%)をそれぞれ白色粉末として得た。
【0078】〔化合物14〕 元素分析値 C31H42O11・H2O として 計算値 C 61.17, H 7.29 (%) 実測値 C 61.37, H 7.51 (%)1 H NMR δppm (CD3OD); 0.69(3H,s), 0.79(3H,d,J=6.4H
z), 0.82(3H,d,J=5.6Hz), 1.60(1H,m), 1.89(3H,s), 1.
91-2.07(2H,m), 2.22(3H,s), 2.26(1H,m), 2.41(3H,s),
2.53(2H,m), 3.32-3.62(6H,m), 3.69(1H,dd,J=5.8,12.
1Hz), 3.90(1H,dd,J=1.9,12.1Hz), 5.00(1H,d,J=7.1H
z), 5.43(1H,m), 5.44(1H,d,J=16.1Hz), 5.90(1H,d,J=1
6.1Hz), 7.01(1H,s). 〔化合物15〕 元素分析値 C29H40O10・H2O として 計算値 C 61.47, H 7.47 (%) 実測値 C 61.48, H 7.56 (%)1 H NMR δppm (CD3OD); 0.69(3H,s), 0.79(3H,d,J=6.5H
z), 0.82(3H,d,J=6.4Hz), 1.60(1H,m), 1.92(3H,s), 1.
99(2H,m), 2.26(1H,m), 2.52(2H,m), 2.54(3H,s), 3.33
-3.53(5H,m), 3.58(1H,m), 3.68(1H,dd,J=5.6,12.1Hz),
3.89(1H,dd,J=1.9,12.1Hz), 5.01(1H,d,J=7.2Hz), 5.4
0(1H,d,J=16.0Hz), 5.55(1H,t,J=7.3Hz),5.90(1H,d,J=1
6.0Hz), 6.57(1H,s).
【0079】
【実施例14】TAN−2355A(120 mg)をメタノ
ール(6 ml)に溶解後、パラジウム活性炭素(10%、12
mg)を加え、水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。触
媒を濾過後、反応液を濃縮乾固し、化合物16(114 m
g)を白色粉末として得た(収率97%)。 元素分析値 C29H46O8・H2O として 計算値 C 64.42, H 8.95 (%) 実測値 C 64.22, H 8.60 (%)1 H NMR δppm (CDCl3); 0.54(3H,s), 0.84(3H,d,J=6.6
Hz), 0.88(3H,d,J=6.6Hz), 0.97(3H,d,J=5.4Hz), 1.15-
1.66(7H,m), 1.81(1H,m), 1.96(2H,m), 2.09(3H,s), 2.
20(3H,s), 2.31(2H,m), 2.44(1H,m), 2.63(2H,m), 3.42
(1H,m), 3.64(3H,m), 3.86(2H,m), 4.82(2H,m), 6.47(1
H,s).
【0080】
【試験例1】ラジオ・レセプター測定法を用いたTRH
レセプター結合阻害試験 レセプター結合試験は以下の方法で行った。10%の透
析ウシ胎児血清(GIBCO #26300)を含むア
ルファMEM培地(GIBCO #12000)に懸濁
したヒト下垂体型TRH受容体を発現したCHO(チャ
イニーズハムスター卵母細胞)細胞(TRHR #1
3、参考文献〔EP 638645 A1実施例1〜
4〕)を30000cells/wellになるようにCulturePla
te96(Packard#6005180)に接着させ、炭酸ガス培養装置
(Napco Model 6300)中で、5%炭酸ガス下37℃で20
〜28時間培養した。細胞の接着したプレートから培養
液を吸引除去し、1%グルタルアルデヒド(和光純薬#0
72-02262)を含む0.2ml/wellのダルベッコリ
ン酸緩衝液(ICN #28-103-05)を添加し細胞をプレート
上に固定した。このプレートをマイクロプレートウオッ
シャー(Biotec AMW-96SII)を用い0.3mlのHEPES-Na
OH緩衝液(25mM, pH7.5)で2回洗浄した後、12.5
nCi/wellの3H−TRH(第一化学薬品 NET-57
7)と測定試料をCaCl2・2H2O(0.2g/L)、MgSO4・7H2O(0.2g
/L)を含むHEPES-NaOH緩衝液(25mM, pH7.5)と共に0.
2ml/wellになるよう添加し混和した。結合反応は、氷
水冷下に16−18時間静置させて行った。反応後、マ
イクロプレートウオッシャー(BIO-RAD Model 1550)を用
い0.3ml/wellのHEPES-NaCl 緩衝液(25mM,pH
7.5)で3回洗浄し、洗浄液を取り除いた後、MicroScint
i-20(Packard #6013621)200uL/wellを加え、
TOSPSEAL-A(Packard #6005185)を用い密封した。TopCou
nt(Packard)シンチレーションカウンターを用いプレー
ト上の細胞に結合した放射能活性を測定した。その結
果、TAN−2355AのIC50値(50%の結合阻害
を与える濃度)は52μg/mlであった。
【0081】
【試験例2】アラキドン酸放出促進活性試験 10%の透析ウシ胎児血清(GIBCO BRL #26300)を含む
アルファMEM培地(GIBCO BRL #12000)に懸濁したヒ
ト下垂体型TRH受容体を発現したCHO細胞(TRH
#13)を100,000 cells/wellになるように24穴プレ
ート(NuncMultidish 24 #143982)に接着させ、炭酸ガス
培養装置(Napco Model 6300)中で5%炭酸ガス下37℃
で18−20時間培養した。細胞の接着したプレートか
ら培養液を吸引除去し、40nCi/wellの3H−アラキドン酸
(第一化学薬品、NET−298Z)を含む新鮮培地
0.5ml/wellを添加し炭酸ガス培養装置(ESPE
C BNA-121D)中で、5%炭酸ガス下37℃で5時間培養
した。この細胞を0.05%のウシ血清アルブミン(Sig
ma A-7030)と0.02%のアジ化ナトリウムを含むハンクス
平衡緩衝液(GIBCO BRL #11201)で3回洗浄した後、この
緩衝液と共に試料を0.4ml/wellになるよう添加し、室温
下30分間静置した。対照として終濃度1 nM のTRH
を添加したものを使用した。反応後、プレートを軽く撹
拌し全反応液をミニバイアル(ZINSSER ANALTIC ; MINIS
2000)にとり、4 ml/バイアルの液体シンチレータA
(和光純薬 #287-50461)を加え混和し1時間以上静
置し安定化した。放射能活性は液体シンチレーションカ
ウンター(BECKMAN LC6500)を用い、通常1分間の測定
を行った。また、非特異的なアラキドン酸放出を見るた
めに、TRH受容体遺伝子を導入していないCHO細胞
をTRHR#13と同様に用いて行った。TAN−23
55Aの結果を図5に示した。この結果より、本発明化
合物が優れたアラキドン酸放出促進活性用を有すること
がわかる。
【0082】
【試験例3】レセルピン誘発体温低下拮抗試験 抗レセルピン作用は以下の方法で行った。被検動物とし
て8週齢の雄の BALB/c マウス(日本チャールスリバ
ー)を一群5匹を使用して行った。サンプルはアラビア
ゴムと混合後、生理食塩水に懸濁した。コントロールと
して、アラビアゴムを溶解した生理食塩水を用いて、3
mg/kg投与量で行った。マウスにレセルピン(アポ
プロン注、第一製薬)を3mg/kgで皮下注射を行
い、18時間飼育した後直腸温を直腸温度計(Physitem
p社製、モデル BAT-12)を用いて測定し、投与前の直腸
温とした。30分後にサンプル(コントールも同様)を
腹腔内に投与し、投与後15,30,60,120,1
80,240分後に直腸温を上記方法で測定し、投与後
の直腸温とした。体温上昇は投与後の直腸温より投与前
の直腸温を差し引いて算出した。TAN−2355Aの
結果を図6に示した。この結果より、本発明化合物が優
れた抗レセルピン作用を有することがわかる。
【0083】
【試験例4】毒性試験 TAN−2355Aをマウスに500mg/kg腹腔内
投与しても死亡例を認めなかった。
【0084】
【発明の効果】本発明の化合物〔I〕またはその塩は、
TRH受容体作動作用を有しており、アラキドン酸放出
促進活性、レセルピン誘発体温低下拮抗作用を示す。さ
らには、脳機能障害に起因する意識障害および脊髄小脳
変性症の治療薬、あるいは向知性薬などとして有用であ
る。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】TAN−2355AのIRスペクトルを示す。
【図2】TAN−2355Aの13C NMRスペクトル
を示す。
【図3】TAN−2355BのIRスペクトルを示す。
【図4】TAN−2355Bの13C NMRスペクトル
を示す。
【図5】ヒト下垂体型TRH受容体を発現したCHO細
胞にTAN−2355Aを添加した時のアラキドン酸放
出促進活性を調べた結果を示す。縦軸は、1分間に崩壊
する放射性原子の数を示し、アラキドン酸の放出量を表
している。
【図6】レセルピンを投与したマウスに対するTAN−
2355Aのレセルピン誘発体温低下拮抗作用を調べた
結果を示す。横軸は、投与後の経過時間を示し、縦軸は
体温上昇を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/14 C12N 1/14 B C12P 19/44 C12P 19/44 //(C12N 1/14 C12R 1:645) (C12P 19/44 C12R 1:645)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、R4およびR6は同一または異
    なって置換されていてもよい水酸基を、R5はホルミル
    基、置換されていてもよいヒドロキシメチル基、置換さ
    れていてもよいヒドロキシイミノメチル基、置換されて
    いてもよいヒドラゾノメチル基、置換されたアミノ基で
    置換されていてもよいメチル基、またはエステル化もし
    くはアミド化されていてもよいカルボキシル基を、R7
    は(1)オキソ基、(2)置換されていてもよいヒドロキシイ
    ミノ基、または(3)置換されていてもよい水酸基および
    水素原子を、 【化2】 は単結合または二重結合を示す〕で表される化合物また
    はその塩。
  2. 【請求項2】R5がホルミル基、置換されていてもよい
    ヒドロキシメチル基、置換されていてもよいヒドロキシ
    イミノメチル基、またはエステル化もしくはアミド化さ
    れていてもよいカルボキシル基である請求項1記載の化
    合物。
  3. 【請求項3】R1、R2、R3、R4およびR6がそれぞれ
    炭素数1ないし8のアルキル基もしくは炭素数1ないし
    6のアルカノイル基で置換されていてもよい水酸基であ
    る請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】R1、R3、R4およびR6が水酸基である請
    求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】R2が炭素数1〜3のアルキル基で置換さ
    れていてもよい水酸基である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】R5がホルミル基またはヒドロキシメチル
    基である請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】R7が(1)オキソ基または(2)水酸基および
    水素である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】 【化3】 が二重結合である請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】化合物が、式 【化4】 〔式中、R2'は水酸基またはメトキシ基を示す〕で表さ
    れる請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】アクレモニウム属に属し、式 【化5】 で表される化合物TAN−2355Aまたは式 【化6】 で表される化合物TAN−2355Bを生産する能力を
    有する微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生
    成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする化合物
    TAN−2355AもしくはBまたはその塩の製造法。
  11. 【請求項11】TAN−2355AまたはBを生産する
    能力を持つ微生物、アクレモニウム エスピー FLー
    65227株。
  12. 【請求項12】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる医薬。
  13. 【請求項13】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなるTRH受容体の作動薬。
  14. 【請求項14】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる脳機能障害の予防・治療剤。
  15. 【請求項15】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる向知性薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002074725A1 (fr) * 2001-03-15 2002-09-26 Arigen, Inc. Nouveaux ligands de superfamille de recepteurs nucleaires et procede de production et d'utilisation de ces derniers
US8071633B2 (en) 2004-09-09 2011-12-06 Shionogi & Co., Ltd. Pharmaceutical composition for treating spinocerebellar ataxia
WO2017119515A1 (en) * 2016-01-05 2017-07-13 Nrl Pharma, Inc. Ascochlorin derivative and use thereof as ampk activator
US11298358B2 (en) 2017-05-18 2022-04-12 Tatsuo Hoshino Combination therapy using ascochlorin derivative

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