JP2002284777A - 生理活性物質、その製造法および用途 - Google Patents

生理活性物質、その製造法および用途

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JP2002284777A
JP2002284777A JP2001087249A JP2001087249A JP2002284777A JP 2002284777 A JP2002284777 A JP 2002284777A JP 2001087249 A JP2001087249 A JP 2001087249A JP 2001087249 A JP2001087249 A JP 2001087249A JP 2002284777 A JP2002284777 A JP 2002284777A
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ccr7
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JP2001087249A
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Shigetoshi Tsuboya
重利 坪谷
Naoyuki Kanzaki
直之 神崎
Shigeru Kondo
滋 近藤
Hiroyuki Inuzuka
弘幸 犬塚
Giichi Ota
義一 太田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたCCR7拮抗作用を有する化合物の提
供。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよい水酸基を、R2はエ
ステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル
基を、R3は水素原子または置換されていてもよい炭化
水素基を示す。〕で表される化合物またはその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCR7拮抗作用
を有し、免疫抑制薬、ガン転移抑制薬等として有用な新
規化合物並びにその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年になって、生体内で強力な抗原提示
能を有する樹状細胞が様々な免疫応答を惹起させる細胞
であることがわかってきている(Nature, 392, 245-252
(1998))。樹状細胞前駆細胞は、通常、骨髄から血管を
経て臓器内にある程度供給されているが、炎症が起こる
と局所で産生される炎症性ケモカインにより多数集積さ
れる。また、表皮ランゲルハンス細胞や気道上皮樹状細
胞などのいわゆる常在型樹状細胞は、臓器内で異物の侵
入を絶えず監視し、異物侵入が起こるとその抗原の貪食
・プロセッシングを行う一方で、後の免疫応答を確実に
するために自らケモカインを産生し、未熟樹状細胞を次
々に炎症局所に遊走させる。抗原摂取後、樹状細胞は抗
原提示能を増強する一方で、ケモカインレセプターCCR7
の発現が起こり、CCR7のリガンドであるSLC/6CkineやEL
C/MIP-3 betaを恒常的に産生しているリンパ節や脾臓な
どの2次リンパ組織の高内皮細静脈やT細胞領域に遊走
する(J. Leukocyte Biol., 66, 252-262 (1999))。ま
た、SLC/6CkineやELC/MIP-3betaは末梢血中のナイーブ
T細胞、メモリーT細胞、B細胞に対しても経内皮遊走
を強く誘導して、リンパ組織に浸潤したリンパ球は樹状
細胞と遭遇することで抗原提示を受け活性化し増殖を開
始することが知られている (J. Exp. Med., 188, 181-1
91 (1998))。このような免疫性ケモカインによる作用を
抑制することは、リンパ球や樹状細胞の遊走やホーミン
グを抑制することで免疫応答を制御できることが予想さ
れる(Cell, 99, 23-33 (1999)) 。従って、CCR7の拮抗
剤は、アレルギー性疾患・慢性炎症疾患・自己免疫性疾
患・移植などに対する新しい治療薬になることが期待さ
れるが、現在までにCCR7拮抗作用を有する化合物の
報告は未だ見当たらない。さらに最近、ガン細胞でのCC
R7の発現が高いことが見出された(Nature,410,50-5
6、(2001))。ガン細胞がリンパ節および特定の
臓器だけに転移しやすいという事実はCCR7を介して細胞
が集積された結果である可能性がある。したがって、CC
R7の拮抗剤が新たなガンの転移抑制剤にもつながること
が示唆される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】CCR7拮抗作用を示
す薬剤は、アレルギー性疾患、慢性炎症疾患、自己免疫
性疾患などの治療薬として、さらには免疫抑制薬、ガン
転移抑制薬として期待できる。さらに、本発明は、優れ
たCCR7拮抗作用を有する化合物およびそれら化合物
を有効成分としてなる医薬組成物を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、CCR7
拮抗作用に基づく薬を探索するために、CCR7遺伝子
をヒト組織由来のcDNAライブラリーよりクローン化
して動物細胞用発現ベクターに連結し、動物細胞に導入
してCCR7発現細胞株を取得した。次にこの形質転換
細胞株を用いて、天然のリガンドであるCCケモカイン
6CkineやMIP-3 betaがCCR7に結合するのを強く阻害
する化合物を微生物代謝産物の中に求めた。鋭意探索の
結果、土壌より分離した糸状菌NF-11491株の培養物か
ら、CCR7拮抗作用を有する新規化合物が生産される
ことを見いだした。本発明者らは、これらの知見に基づ
きさらに研究を重ね、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)式
【化3】 〔式中、R1は置換されていてもよい水酸基を、R2はエ
ステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル
基を、R3は置換されていてもよい炭化水素基を示
す。〕で表される化合物またはその塩、(2)R1がア
シル基で置換されていてもよい水酸基である上記(1)
記載の化合物、(3)R1が水酸基である上記(1)記
載の化合物、(4)R2がカルボキシル基である上記
(1)記載の化合物、(5)R3が水素原子である上記
(1)記載の化合物、(6)R1がC1-6アルカノイル基
で置換されていてもよい水酸基、R2がC1-6アルキル基
でエステル化されていてもよいカルボキシル基、R3
水素原子である上記(1)記載の化合物、(7)化合物
が式
【化4】 で表される化合物である上記(1)記載の化合物、
(8)上記(1)記載の化合物のプロドラッグ、(9)
上記(1)記載の化合物を含有してなる医薬組成物、
(10)CCR7拮抗剤である上記(9)記載の組成
物、(11)CCR7関連疾患の予防・治療剤である上
記(9)記載の組成物、(12)免疫抑制薬である上記
(9)記載の組成物、(13)自己免疫疾患の予防・治
療剤である上記(9)記載の組成物、(14)慢性関節
リウマチの予防・治療剤である上記(9)記載の組成
物、(15)アレルギー性疾患の予防・治療剤である記
載の組成物、(16)アレルギー性疾患がアトピー性皮
膚炎または花粉症である上記(15)記載の組成物、
(17)ガン転移抑制薬である上記(9)記載の組成
物、(18)ペニシリウム属に属し、上記(7)記載の
化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、
培養物中に該化合物を生成蓄積せしめ、これを採取する
ことを特徴とする上記(7)記載の化合物の製造法、
(19)微生物がペニシリウム・フニクローズムNF−
11491株である上記(18)記載の製造法、(2
0)上記(7)記載の化合物の生産能を有するペニシリ
ウム・フニクローズムNF−11491、(21)CC
R7拮抗作用を有する物質を含有してなる医薬組成物、
(22)CCR関連疾患の予防・治療剤である上記(2
1)記載の組成物、(23)慢性関節リウマチの予防・
治療剤である上記(21)記載の組成物、および(2
4)CCR7拮抗作用を有する物質が非ペプチド性物質
である上記(21)記載の組成物などに関する。さらに
化合物(I)またはその塩が構造中に不斉炭素を含有す
る場合、光学活性体およびラセミ体の何れも本発明の範
囲に含まれ、化合物(I)またはその塩は水和物、無水
和物のいずれでもよい。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。式(I)
中、R1で表される置換されていてもよい水酸基として
は、例えば、式−OR4(R4は水素原子、アシル基また
は置換されていてもよい炭化水素基を示す)で示される
基等が用いられる。R4で示される「アシル基」として
は、例えば、置換されていてもよいアルカノイル基、置
換されていてもよいアロイル基、置換されていてもよい
複素環カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイ
ル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換
されていてもよいアルキルスルホニル基、置換されてい
てもよいアリールスルホニル基、置換されていてもよい
スルファモイル基、置換されていてもよいアルコキシカ
ルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカル
ボニル基などが挙げられる。これらの中では、例えば置
換されていてもよいアルカノイル基が好ましい。該「置
換されていてもよいアルカノイル基」の「アルカノイル
基」としては、例えばC1-20アルカノイル基(例えば、
ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニ
ル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノ
イル、オクタノイル、ノナノイル、ラウロイル、ウンデ
カノイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル
など)などが挙げられ、特にC1-6アルカノイル基(例
えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソプロピ
オニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルなど)
などが好ましい。該「置換されていてもよいアロイル
基」の「アロイル基」としては、例えば,C7-16アロイ
ル基(例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフ
トイルなどのナフトイルなど)などが挙げられる。該
「置換されていてもよい複素環カルボニル基」の「複素
環カルボニル基」としては、炭素原子以外にヘテロ原子
(例えば、窒素、酸素、硫黄など)を1ないし4個含む5
または6員複素環カルボニル基(例えば、3−ピロリル
カルボニルなどのピロリルカルボニル、2−イミダゾリ
ルカルボニルなどのイミダゾリルカルボニル、1−ピラ
ゾリルカルボニルなどのピラゾリルカルボニル、3−イ
ソチアゾリルカルボニルなどのイソチアゾリルカルボニ
ル、3−イソオキサゾリルカルボニルなどのイソオキサ
ゾリルカルボニル、ピラジニルカルボニル、2−ピリミ
ジニルカルボニルなどのピリミジニルカルボニル、3−
ピラジニルカルボニルなどのピラジニルカルボニル、2
−インドリジニルカルボニルなどのインドリジニルカル
ボニル、2−イソインドリルカルボニルなどのイソイン
ドリルカルボニル、1−インドリルカルボニルなどのイ
ンドリルカルボニル、2−フロイルなどのフロイル、2
−テノイルなどのテノイル、ニコチニル、イソニコチニ
ル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ピ
ペラジノカルボニルなど)などが挙げられる。
【0007】該「置換されていてもよいカルバモイル
基」としては、カルバモイル基、モノ置換カルバモイル
基、ジ置換カルバモイル基などが用いられ、その置換基
としては、例えばC1-6アルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
など)、C6-14アリール基(例えば、フェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチルなど)、C7-16アラルキル基(例
えば、ベンジルなどのフェニル−C1-6アルキルな
ど)、C1-6アルカノイル基(例えば、アセチル、プロ
ピオニル、イソプロピオニル、ブチリルなど)、C7-16
アロイル基(例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2
−ナフトイルなど)、5または6員の複素環カルボニル
基(例えば、3−ピロリルカルボニルなどのピロリルカ
ルボニル、2−イミダゾリルカルボニルなどのイミダゾ
リルカルボニル、1−ピラゾリルカルボニルなどのピラ
ゾリルカルボニル、3−イソチアゾリルカルボニルなど
のイソチアゾリルカルボニル、3−イソオキサゾリルカ
ルボニルなどのイソオキサゾリルカルボニル、ピラジニ
ルカルボニル、2−ピリミジニルカルボニルなどのピリ
ミジニルカルボニル、3−ピラジニルカルボニルなどの
ピラジニルカルボニル、2−インドリジニルカルボニル
などのインドリジニルカルボニル、2−イソインドリル
カルボニルなどのイソインドリルカルボニル、1−イン
ドリルカルボニルなどのインドリルカルボニル、2−フ
ロイルなどのフロイル、2−テノイルなどのテノイル、
ニコチニル、イソニコチニル、モルホリノカルボニル、
ピペリジノカルボニル、ピペラジノカルボニルなど)な
どが挙げられる。該「置換されていてもよいカルバモイ
ル基」の好ましい例としては、例えばモノ−またはジ−
1-6アルカノイル−カルバモイル基(例えば、アセチ
ルカルバモイルなど)などが挙げられる。該「置換され
ていてもよいチオカルバモイル基」としては、チオカル
バモイル基、モノ置換チオカルバモイル基、ジ置換チオ
カルバモイル基などが用いられ、その置換基としては、
例えばC1-6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなど)、C
6-14アリール基(例えば、フェニル、1−ナフチル、2
−ナフチルなど)、C7-16アラルキル基(例えば、ベン
ジルなど)、C1-6アルカノイル基(例えば、アセチ
ル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリルな
ど)、C7-16アロイル基(例えば、ベンゾイル、1−ナ
フトイル、2−ナフトイルなど)、5または6員の複素
環カルボニル基(例えば、3−ピロリルカルボニルなど
のピロリルカルボニル、2−イミダゾリルカルボニルな
どのイミダゾリルカルボニル、1−ピラゾリルカルボニ
ルなどのピラゾリルカルボニル、3−イソチアゾリルカ
ルボニルなどのイソチアゾリルカルボニル、3−イソオ
キサゾリルカルボニルなどのイソオキサゾリルカルボニ
ル、ピラジニルカルボニル、2−ピリミジニルカルボニ
ルなどのピリミジニルカルボニル、3−ピラジニルカル
ボニルなどのピラジニルカルボニル、2−インドリジニ
ルカルボニルなどのインドリジニルカルボニル、2−イ
ソインドリルカルボニルなどのイソインドリルカルボニ
ル、1−インドリルカルボニルなどのインドリルカルボ
ニル、2−フロイルなどのフロイル、2−テノイルなど
のテノイル、ニコチニル、イソニコチニル、モルホリノ
カルボニル、ピペリジノカルボニル、ピペラジノカルボ
ニルなど)などが挙げられる。該「置換されていてもよ
いチオカルバモイル基」の好ましい例としては、例えば
モノ−またはジ−C1-6アルカノイル−チオカルバモイ
ル基(例えば、アセチルチオカルバモイルなど)などが
挙げられる。
【0008】該「置換されていてもよいアルキルスルホ
ニル基」の「アルキルスルホニル基」としては、例えば
1-20アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロ
ピルスルホニルなど)などが挙げられ、特にC1-6アル
キルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチル
スルホニル、プロピルスルホニルなど)などが好まし
い。該「置換されていてもよいアリールスルホニル基」
の「アリールスルホニル基」としては、例えばC6-14
リールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、1
−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルなど)
などが挙げられる。該「置換されていてもよいスルファ
モイル基」としては、スルファモイル基、モノ置換スル
ファモイル基、ジ置換スルファモイル基などが用いら
れ、その置換基としては、例えばC1-6アルキル基(例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチルなど)、C6-14アリール基(例えば、フ
ェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、C7-16
ラルキル基(例えば、ベンジルなどのフェニル−C1-6
アルキルなど)などが挙げられる。該「置換されていて
もよいアルコキシカルボニル基」の「アルコキシカルボ
ニル基」としては、例えばC1-20アルコキシ−カルボニ
ル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルな
ど)などが挙げられ、特にC1-6アルコキシ−カルボニ
ル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニルなど)などが好ましい。該
「置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基」
の「アリールオキシカルボニル基」とは、C6-14アリー
ルオキシ−カルボニル基(例えば、フェノキシカルボニ
ル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキ
シカルボニルなど)などを示す。
【0009】前記の「置換されていてもよい炭化水素
基」の「炭化水素基」としては、例えば、脂肪族炭化水
素基または環状炭化水素基が用いられる。該「脂肪族炭
化水素基」としては、例えば炭素数1ないし20の脂肪
族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基など)などが挙げられる。該「環状炭化水素
基」としては、例えば炭素数3ないし20の環状炭化水
素基(例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル
基、アリール基など)などが挙げられる。該「アルキル
基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、2
−プロピル、1−エチルプロピル、ブチル、1−メチル
プロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチ
ル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチ
ル、ペンチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプ
ロピル、ヘキシルなどのC1- 10アルキル基などが用いら
れ、なかでもメチル、エチル、プロピル、2−プロピ
ル、1−エチルプロピル、ブチル、1−メチルプロピ
ル、2−メチルプロピルなどのC1-6アルキル基が好ま
しく、特にメチル、エチルなどのC1-3アルキル基が好
ましい。該「アルケニル基」としては、例えばエテニ
ル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニル、
2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペ
ニル、1−メチル−2−プロペニル、2−ペンテニル、
3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3
−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどのC2-10アルケニル
基などが用いられ、なかでもエテニル、2−プロペニ
ル、1−メチルエテニル、ブテニル、2−メチル−1−
プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−メチル
−2−プロペニルなどのC2-6アルケニル基が好まし
い。該「アルキニル基」としては、例えばエチニル、2
−プロピニル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2
−イル、1−ペンチン−3−イル、3−ペンチン−1−
イル、4−ペンチン−2−イル、3−ヘキシン−1−イ
ルなどのC2-10アルキニル基などが用いられ、なかでも
エチニル、2−プロピニル、2−ブチン−1−イル、3
−ブチン−2−イルなどのC2-6アルキニル基が好まし
い。該「シクロアルキル基」としては、例えばシクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどのC3-10シクロアルキル基などが用いられ、シク
ロプロピル、シクロブチルなどのC3-7シクロアルキル
基が好ましい。該「シクロアルケニル基」は、例えばシ
クロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、
シクロヘキサジエニルなどのC3-10シクロアルケニル基
などが用いられ、なかでもシクロブテニル、シクロペン
テニル、シクロヘキセニルなどのC3-7シクロアルケニ
ル基が好ましい。該「アリール基」としては、例えばフ
ェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどのC6-14アリ
ール基などが用いられ、なかでもフェニルなどのC6-10
アリール基が好ましい。
【0010】R4で示される「炭化水素基」およびR4
示される「アシル基」としての「アルカノイル基、アロ
イル基、複素環カルボニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基」が有していてもよい置換基と
しては、本発明の目的が達成される限り、特に限定され
ないが、それぞれ同一または異なって、例えば、アミノ
基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基(例え
ば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イ
ソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノな
ど)、モノ−またはジ−C6-10アリールアミノ基(例え
ば、フェニルアミノ、ジフェニルアミノなど)、モノ−
またはジ−C7-11アラルキルアミノ基(例えば、ベンジ
ルアミノなどのフェニル−C1-5アルキルアミノ、ジベ
ンジルアミノなどのジ(フェニル−C1-5アルキル)ア
ミノなど)、アジド基、ニトロ基、ハロゲン(例えば、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル基、
1-6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなど)、C6-10
リールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフチルオ
キシ、2−ナフチルオキシなど)、C7-11アラルキルオ
キシ基(例えば、ベンジルオキシなど)、ホルミルオキ
シ基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ基(例えば、
アセトキシ、プロピオニルオキシなど)、C6-10アリー
ル−カルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシな
ど)、C7-11アラルキル−カルボニルオキシ基(例え
ば、ベンジルカルボニルオキシなどのフェニル−C1-5
アルキル−カルボニルオキシなど)、スルホニルオキシ
基、C1-6アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メチ
ルスルホニルオキシなど)、メルカプト基、C1-6アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピ
ルチオ、イソプロピルチオなど)、C6-10アリールチオ
基(例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナ
フチルチオなど)、C 7-11アラルキルチオ基(例えば、
ベンジルチオなどのフェニル−C1-5アルキルチオな
ど)、ホスホノオキシ基、シアノ基、カルバモイル基、
モノ−またはジ−C1-6アルキルカルバモイル基(例え
ば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチ
ルカルバモイル、ジエチルカルバモイルなど)、モノ−
またはジ−C6-10アリールカルバモイル基(例えば、フ
ェニルカルバモイル、ジフェニルカルバモイルなど)、
モノ−またはジ−C7-11アラルキルカルバモイル基(例
えば、ベンジルカルバモイルなどのフェニル−C1-5
ルキル−カルバモイル、ジベンジルカルバモイルなどの
ジ(フェニル−C1−5アルキル)−カルバモイルな
ど)、カルボキシル基、C1-6アルコキシ−カルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
など)、C6-10アリールオキシ−カルボニル基(例え
ば、フェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボ
ニル、2−ナフチルオキシカルボニルなど)、C7-11
ラルキルオキシ−カルボニル基(例えば、ベンジルオキ
シカルボニルなどのフェニル−C1-5アルキルオキシ−
カルボニルなど)、ホルミル基、C1-6アルキル−カル
ボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、イソプロ
ピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルな
ど)、C 6-10アリール−カルボニル基(例えば、ベンゾ
イル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C7-11
アラルキル−カルボニル基(例えば、ベンジルカルボニ
ルなどのフェニル−C1-5アルキル−カルボニルな
ど)、スルホ基、C1-6アルキルスルフィニル基(例え
ば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなど)、
6-10アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスル
フィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルス
ルフィニルなど)、C1-6アルキルスルホニル基(例え
ば、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)、C
6-10アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニ
ル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル
など)、C1-6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チルなど)、C2-6アルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル、2−ブテニルなど)、C2-6アルキニル基(例えば、
エチニル、プロパルギルなど)、C3-6シクロアルキル
基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシルなど)、C3-6シクロアルケニ
ル基(例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シ
クロヘキセニル、シクロヘキサジエニルなど)、C6-10
アリール基(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナ
フチルなど)、1ないし3環式複素環基(例えば、窒
素、酸素、硫黄から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個
含む5または6員の単環式、二環式または三環式複素環
基:ピリジル、ピラジル、ピリミジル、キノリル、イソ
キノリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリ
ル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリ
ル、フリル、ベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエニ
ル、ベンズイミダゾリル、キナゾリル、ピロリジニル、
ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラ
ゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニ
ル、インドリジル、イソインドリジル、モルホリニルな
ど)、1ないし3環式複素環チオ基(例えば、前記の複
素環基にチオ基が結合した基、具体的には、4−ピリジ
ルチオなどのピリジルチオ、2−ピリミジルチオなどの
ピリミジルチオ、1,3,4−チアジアゾール−2−イル
チオなどのチアジアゾリルチオ、5−テトラゾリルチオ
などのテトラゾリルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオな
どのベンゾチアゾリルチオ、8−キノリルチオなどのキ
ノリルチオなど)などが用いられる。これらの置換基
は、前記「炭化水素基」および「アルカノイル基、アロ
イル基、複素環カルボニル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基」上に化学的に許容される範囲
において置換され、この置換基の数は1ないし5、好ま
しくは1ないし3個である。ただし、置換基の数が2個
以上の場合は同一または異なっていてもよい。これらの
置換基は、化学的に許されるならば、さらに、アミノ
基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基、ニトロ
基、ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-6アルコキシ基、
1-6アルキル−カルボニルオキシ基、スルホニルオキ
シ基、C1-6アルキルスルホニルオキシ基、メルカプト
基、C1-6アルキルチオ基、ホスホノオキシ基、シアノ
基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1-6アルキル
カルバモイル基、カルボキシル基、C1-6アルコキシ−
カルボニル基、ホルミル基、C1-6アルキル−カルボニ
ル基、スルホ基、C1-6アルキルスルフィニル基などか
ら選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよ
い。
【0011】式(I)中、R2で表される「エステル化
またはアミド化されていてもよいカルボキシル基」中、
「エステル化されたカルボキシル基」としては、例え
ば、薬理学的に許容されうるもの、あるいは生体内にお
いてはじめて薬理学的に許容されうるものに変化するも
のなどが用いられる。エステル化されたカルボキシル基
としては、例えば、式−COOR5〔式中、R5は置換さ
れていてもよい炭化水素基を示す〕で表される基などが
好ましい。R5で表される炭化水素基は、前述のR4で示
される炭化水素基と同様のものなどが用いられる。この
ような炭化水素基は、置換可能な位置に、前述の炭化水
素基における置換基と同様な置換基を1ないし3個有し
ていてもよい。式(I)中、R2で表される「エステル
化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基」
中、「アミド化されたカルボキシル基」としては、例え
ば、薬理学的に許容されうるもの、あるいは生体内にお
いてはじめて薬理学的に許容されうるものに変化するも
のが用いられる。アミド化されたカルボキシル基として
は、例えば、式−CON(R6)R7〔式中、R6および
7は、同一または異なって水素原子あるいは置換され
ていてもよい炭化水素基を示す〕で表される基などが好
ましい。R6およびR7で表される「置換されていてもよ
い炭化水素基」としては、R4で表される「置換されて
いてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。式
(I)中、R3で表される「置換されていてもよい炭化
水素基」としては、R4で表される「置換されていても
よい炭化水素基」と同様のものが用いられる。式(I)
中、R1は、好ましくはアシル基(例、C1-6アルカノイ
ル)で置換されていてもよい水酸基であり、特に好まし
くは水酸基である。式(I)中、R2は好ましくは、C
1-6アルキル基でエステル化されていてもよいカルボキ
シル基(例、カルボキシル、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニルなど)であり、特に好ましくはカルボキ
シル基である。式(I)中、R3は好ましくは水素原子
である。
【0012】次に、本発明における化合物の製造法につ
いて述べる。式(I)においてR1が水酸基、R2がカル
ボキシル基、R3が水素原子である化合物NF−114
91は、微生物を用いることにより製造できる。本製造
法に使用される微生物としてはペニシリウム属に属し、
NF−11491を生産する能力を有する微生物であれ
ば何れのものでもよい。その一例としては、メキシコの
土壌から新たに分離されたNF−11491株があげら
れる。
【0013】本菌株は以下の性質を示す。 1.形態学的特徴 NF−11491株は、麦芽エキス寒天培地、バレイシ
ョ−ブドウ糖寒天培地およびオートミール寒天培地等で
良好に生育する。気生菌糸は分枝を繰り返し、無色で隔
壁を有する。その表面は滑らかで、直径は0.8−1.8μm
である。分生子柄は、無色で気生菌糸上に直立して形成
される。その表面は滑面で、大きさは10−23×0.8−1.8
μmである。メトレは3本から5本が束生し、大きさは7.2
−8.4×1.6−2.4μm、ペニシリは複輪生体で対称型、フ
ィアライドはメトレ1本につき3本から5本が輪生体を
形成し、大きさは6.2−10.2×1.2−1.8μmである。分生
子は、フィアロ型分生子で、一細胞である。形は楕円形
から円筒形を示し、暗緑色で、表面は平滑である。フィ
アライドの先端に連鎖して形成され、大きさは3.0−3.8
×2.1−2.6μmである。
【0014】2.寒天培地上での性状 (1)麦芽エキス寒天培地: 生育は比較的速く、24
℃、2週間後のコロニーの直径は 60 mm であった。表
面は羊毛状から縄状の菌糸体よりなり、外縁はほぼ規則
正しく縁取られている。気生菌糸の発達は良好であり、
分生子の形成は旺盛である。中央部から中間部にかけて
淡褐黄色を呈し、分生子の形成に伴って暗緑色を呈す
る。周辺部は淡黄白色を呈する。裏面中央部から中間部
にかけてオレンジ色を呈し、周辺部は淡黄色を呈する。
可溶性色素の生成は認められない。 (2)バレイショ−ブドウ糖寒天培地:生育は比較的速
く、24℃、2週間後のコロニーの直径は 65 mm であっ
た。表面は羊毛状から縄状の菌糸体よりなり、外縁はほ
ぼ規則正しく縁取られている。気生菌糸の発達は良好で
あり、分生子の形成は旺盛である。中央部から中間部に
かけて淡褐黄色を呈し、分生子の形成に伴って暗緑色を
呈する。周辺部は淡白色を呈する。裏面中央部から中間
部にかけてオレンジ色を呈し、周辺部は淡黄色を呈す
る。可溶性色素の生成は認められない。 (3)オートミール寒天培地:生育は比較的速く、24
℃、2週間後のコロニーの直径は 70 mm であった。表
面は縄状の菌糸体よりなり、外縁は規則正しく縁取られ
ている。気生菌糸の発達は良好であり、分生子の形成は
旺盛である。中央部から中間部にかけてオリーブグリー
ン色を呈し、周辺部は白色を呈する。裏面中央部から中
間部にかけて淡緑灰色を呈し、周辺部は淡黄白色を呈す
る。可溶性色素の生成は認められない。 (4)プレーンアガー培地(2%素寒天培地):生育は
やや遅く、24℃、2週間後のコロニーの直径は 35 mm
であった。表面は平坦な菌糸体よりなり、外縁は規則正
しく縁取られている。気生菌糸の発達は悪いが、分生子
の形成は良好である。中央部から周辺部にかけて、ほと
んど無色の淡黄白色を呈し、分生子形成に伴い、部分的
に暗緑色を呈する。裏面も同様に、中央部から周辺部に
かけてほとんど無色の淡黄白色を呈し、部分的に暗緑色
を呈する。可溶性色素の生成は認められない。
【0015】3.生理学的性質 本菌株の生育条件をバレイショ−ブドウ糖寒天培地で調
べた。生育温度範囲は、6℃〜32℃で、至的温度は14℃
〜20℃である。またpH3〜pH9のいずれでも生育は良
好である。以上の菌学的性状を基に、マロック著「カビ
の分離・培養と同定」(Moulds:their Isolation, Cul
tivation and Identification)を検索したところ、本
菌株はペニシリウム属に属することが明らかである。つ
ぎに、ピット著「ザ・ジーナス・ペニシリウム」(The G
enus Penicillium and Its Teleomorphic StatesEupeni
cillium and Talaromyces.)およびラミレズ著「マニュ
アル・アンド・アトラス・オブ・ザ・ペニシリア」(Ma
nual and Atlas of the Penicillia)の Penicillium
属に含まれる種の諸性質と照合した結果、ペニシリウム
・フニクローズム(Penicillium funiculosum Thom)の
菌種記載と一致した。したがって、NF−11491
株をペニシリウム・フニクローズムNF−11491
(Penicillium funiculosum Thom NF-11491)と称す
る。本菌株は、平成13年3月19日から経済産業省
産業技術総合研究所 生命工学工業技術研究所に寄託番
号FERM BP−7517として、平成13年3月9
日から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IF
O 33214として寄託されている。
【0016】ペニシリウム属菌は、微生物の一般的性質
として自然的または変異剤によって変異を起こしうる。
例えば、X線、ガンマー線、紫外線等の放射線の照射、
種々の薬剤による処理または薬剤を含有する培地上での
培養、その他の手段で変異させて得られる多くの変異
株、あるいは自然的に得られる多くの変異株であって
も、NF−11491を生産する性質を有するものはす
べて本発明の方法に利用できる。本発明方法の培養に用
いられる培地は、用いられる菌株が利用し得る栄養源を
含むものなら液状でも固体状でもよいが、大量に処理す
るときに液状培地を用いるのがより適当である。培地に
は、当該化合物生産培地が同化し得る炭素源、窒素源、
無機物質、微量栄養源を適宜配合する。炭素源として
は、例えばグルコース、乳糖、ショ糖、麦芽糖、デキス
トリン、澱粉、グリセリン、マンニトール、ソルビトー
ル、油脂類(綿実油、大豆油、ラード油、チキン油な
ど)、n-パラフィンなどが、窒素源としては、例えば、
肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、乾燥酵母、大豆
粉、コーン・スティープ・リカー、ペプトン、生大豆
粉、綿実粉、トマトペースト、ピーナッツミール、廃糖
蜜、尿素、アンモニア塩類(硫酸アンモニウム、塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウムな
ど)などを用いる。さらに、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウムなどを含む塩類、鉄、マンガ
ン、亜鉛、コバルト、ニッケルなどの金属塩類、リン
酸、ほう酸、硫酸などの塩類や酢酸、プロピオン酸など
の有機酸の塩類を用いてもよい。その他、アミノ酸(グ
リシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、リ
シン、メチオニン、プロピンなど)、ペプチド(ジペプ
チド、トリペプチドなど)、ビタミン類(B1、B2、ニコ
チン酸、B12、Cなど)、核酸類(プリン、ピリミジン、
その誘導体など)などを含有させてもよい。もちろん、
培地中のpHを調整する目的で無機または有機の酸または
アルカリ類、緩衝剤などを加え、あるいは消泡の目的で
油脂類、界面活性剤などの適量を添加して差し支えな
い。培養の手段は静置培養、振とう培養あるいは通気攪
拌培養法等の手段を用いてもよい。大量の処理には、い
わゆる深部通気攪拌培養によるものが望ましい。培養の
条件は培地の状態、組成、菌株の種類、培養の手段によ
って異なるが、通常、約18℃〜28℃の温度、初発pH約6
〜7の条件が望ましい。培養時間も前記の諸条件により
一定しないが、諸生理活性物質濃度が最大となるまで培
養するのが望ましい。これに要する時間は、液体培地を
用いる振とう培養または通気攪拌培養の場合、通常約6
〜10日間である。
【0017】上記のように培養することによって、後述
する化合物NF−11491が生成蓄積され、化学的性
質に従って培養物から抽出、精製することが可能であ
る。培養物から目的とする化合物NF−11491を採
取する方法を以下に述べる。該化合物は脂溶性であるの
で、この性質を利用する一般手段を採用すればよい。ま
ず培養物または培養濾過液を水と混和しない有機溶媒、
例えばジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸
エチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン等のケ
トン類あるいはイソブタノール等のアルコール類などを
加え、NF−11491を抽出する。得られた有機溶媒
層を水で洗浄後、濃縮するとNF−11491を含有す
る粗物質が得られる。粗物質をさらに精製し、純粋なN
F−11491を得るには周知の種々のクロマトグラフ
ィ−法が有利に用いられる。担体としては活性炭、シリ
カゲル、微結晶セルロース、吸着性樹脂など化合物の吸
着性の差を利用するもの、または分子ふるい性樹脂など
化合物の分子量の差を利用するもの等が有利に用いられ
る。これら担体から目的とする化合物を溶出するために
は担体の種類、性質によって組み合わせが異なるが、適
当な有機溶媒(例、ジクロロメタン、クロロホルム等の
ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素
類、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル等のエ
ステル類、アセトン等のケトン類、メタノ−ル、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、イソブタノ−ル等のア
ルコ−ル類、アセトニトリル等のニトリル類など)、有
機酸(例、酢酸、ギ酸等)、水溶液〔例えば、水、アル
カリ(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水
素ナトリウム等)含有水溶液、酸(例、塩酸、酢酸、ギ
酸、リン酸等)含有水溶液、塩類含有水溶液(例、食塩
水、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液等)など〕の単独あるい
は適宜の割合の混合溶媒が用いられる。さらに詳しく
は、担体としてクロマト用活性炭(武田薬品工業社
製),キ−ゼルゲル60(メルク社製、ドイツ)、微結
晶セルロース〔例、アビセル(旭化成社製)、フナセル
(フナコシ株式会社製)等〕、吸着性樹脂〔例、ダイヤ
イオンHP−20、セパビーズSP−207またはSP
−850(三菱化学社製)、アンバーライトXAD−I
またはII(ローム・アンド・ハース社製、米国)等〕、
分子ふるい性樹脂〔例、セファデックスLH−20(フ
ァルマシア社製,スウェーデン)等〕などが有利に用い
られる。また、本発明においては目的化合物を精製する
場合に、分取用高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)法も有利に用いられる。この方法を適用する場合、
担体としてはオクタデシルシラン(ODS)系、ポリマ
ー系およびシリカゲル系のものが有利に用いられる。例
えばODSの場合、YMCゲル(ワイエムシイ社製)あ
るいはTSKゲル(東ソー社製)などが、ポリマー系の
場合、ポリマーにオクタデシル基を導入したODP(昭
和電工社製)、ポリマーにオクチル基を導入したC8P
(昭和電工社製)あるいはポリマーにポリアミンを導入
したNH2P(昭和電工社製)などが用いられ、移動相
としては水、酸含有水溶液、塩類含有水溶液、メタノー
ル、アセトニトリルなどの単独あるいは適宜の割合の混
合溶液が有利に用いられる。さらに、本発明においては
目的化合物を精製する場合に結晶化も有利に用いられ
る。結晶化に用いる溶媒としては、例えばクロロホル
ム、酢酸エチル、エーテル、ヘキサンなどの単独あるい
は適宜の割合の混合溶液が用いられる。
【0018】後述する実施例2で得られたNF−114
91の物理化学的性質を以下に示す。 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+68°(c=0.50、メタノール、
25℃) 3)分子量:FAB−マススペクトル;m/z800(M
−H)- 4)元素分析値:(%)(水分1モルとして計算) 計算値;C, 73.22; H, 9.46; N, 1.71 実測値;C, 73.57; H, 9.40; N, 1.68 5)分子式:C5075NO7 6)UVスペクトル:λmax (ε) メタノール中;272 nm (11,500) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。 3420, 2960, 2930, 2860, 1720, 1700, 1650, 1610, 14
60, 1400, 1190 8)13C NMR スペクトル:125 Mz, CDCl3中,δppm 以下のシグナルが認められる(図1) 14.1, 17.2, 18.0, 18.5, 19.7, 19.9, 20.0, 20.1, 2
1.0, 22.7, 26.2, 29.1,29.2, 29.3, 29.5, 29.6, 29.
6, 31.6, 31.9, 33.2, 34.0, 34.6, 34.8, 35.5,36.0,
36.1, 38.6, 39.6, 40.3, 41.4, 41.8, 43.0, 43.2, 4
6.6, 54.9, 61.0,70.0, 86.1, 103.5, 116.8, 125.5, 1
32.5, 135.2, 146.2, 149.7, 167.8, 172.0, 178.7, 18
0.9, 189.4 10)高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;Shodex Asahipak ODP-50 4E, 4.6 x 250 mm
(昭和電工社製) 移動相;90%(v/v)アセトニトリル/0.05%トリフ
ルオロ酢酸水 流 速;1.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;8.0分 11)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒;クロロホルム/メタノール(9:1) Rf値;0.37
【0019】NF−11491の構造式は下記式の通り
である。
【化5】
【0020】式(I)においてR1が炭化水素基で置換
された水酸基である化合物またはその塩は、例えば式
(I)においてR1が水酸基である化合物またはその塩
を、塩基の存在下、脱離基を有する化合物と反応させる
ことにより製造することができる。反応に際して、原料
の反応に関与すべきでない官能基の保護、ならびにその
保護基の脱離などは、自体公知の手段から適宜選択しう
る。脱離基を有する化合物とは、化学反応によって容易
に置換される官能基を有する化合物を表し、具体的には
ハロゲン化物(例、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ
化プロピル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ
化ペンチル、臭化アリル、臭化ベンジル等)、スルホン
酸エステル類(例、メタンスルホン酸メチル、p-トルエ
ンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、ベ
ンゼンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン
酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル等)、
硫酸エステル類(例、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等)
などが用いられる。塩基としては,例えば水素化アルカ
リ金属(例、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、
水素化アルカリ土類金属(例、水素化カルシウム等)、
アルカリ金属のアルコキシド(例、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド等)、アルカリ金属の水酸化
物(例、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等)、アル
カリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム,炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類金属の水酸
化物(例、水酸化カルシウム等)、3級アミン(例、ト
リメチルアミン,トリエチルアミン,トリプロピルアミ
ン,N-メチルピペリジン,N-メチルピロリジン,シクロ
ヘキシルジメチルアミン,N-メチルモルホリン等)、2
級アミン(例、ジ-n-ブチルアミン,ジイソブチルアミ
ン,ジシクロヘキシルアミン等)、芳香族塩基(例、ピ
リジン、4-ジメチルアミノピリジン、ルチジン、コリジ
ン等),アルキルリチウム(例、メチルリチウム、ブチ
ルリチウム等)などが用いられる。本反応は通常溶媒中
で行われる。該溶媒としては、例えばアミド類(例、ホ
ルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチル
アセトアミド、N-メチルピロリドン等)、スルホキシド
類(例、ジメチルスルホキシド等)、芳香族塩基類
(例、ピリジン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロ
ロホルム,ジクロロメタン等)、エーテル類(例、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、
ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エステル類
(例、酢酸エチル,ギ酸エチル等)など、あるいはこれ
らの適宜の割合の混合物などが挙げられる。反応温度
は、反応が進行する限り特に限定されないが,通常−7
0℃ないし150℃,好ましくは−30℃ないし80℃
で行われる。反応時間は、用いられる原料,塩基,反応
温度,溶媒の種類により異なるが,通常数十分から数十
時間反応させる。
【0021】式(I)においてR1がアシルオキシ基で
ある化合物またはその塩は、例えば式(I)においてR
1が水酸基である化合物またはその塩を、アシル化反応
に付すことにより製造することができる。反応に際し
て、原料の反応に関与すべきでない官能基の保護、なら
びにその保護基の脱離などは、自体公知の手段から適宜
選択しうる。水酸基のアシル化は、溶媒中で原料化合物
とアシル化剤、例えば有機酸(例、有機カルボン酸等)
あるいはその反応性誘導体を反応させることにより行な
うことができる。有機酸の反応性誘導体としては,例え
ば酸ハライド、酸無水物、活性エステルなどが用いら
れ,このような反応性誘導体を具体的に述べると次の通
りである。 1) 酸ハライド ここで酸ハライドとしては,例えば酸クロリド,酸ブロ
ミドなどが用いられる。 2) 酸無水物,混合酸無水物 ここで酸無水物としては,例えば脂肪族カルボン酸
(例,酢酸,吉草酸,ヘキサン酸等)または芳香族カル
ボン酸(例,安息香酸等)からなる混合酸無水物あるい
は対称型酸無水物などが用いられる。 3) 活性エステル ここで活性エステルとしては,例えばメチルエステル,
エチルエステル,メトキシメチルエステル,プロパルギ
ルエステル,4-ニトロフェニルエステル,2,4-ジニトロ
フェニルエステル,トリクロロフェニルエステル,ペン
タクロロフェニルエステル,メシルフェニルエステルな
どのエステルの他,1-ヒドロキシ-1H-2-ピリドン,N-ヒ
ドロキシこはく酸イミド,N-ヒドロキシフタールイミ
ド, 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)などとのエ
ステルが用いられる。カルボン酸と直接反応させる場合
には、例えばN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)、塩酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(WSC),N,N'-ジイソプロピルカルボジイ
ミド(DIC)などの縮合剤が用いられる。これらの縮合
剤は、上述の活性エステル、例えば1-ヒドロキシ-1H-2-
ピリドン,N-ヒドロキシこはく酸イミド、N-ヒドロキシ
フタールイミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
T)などとのエステル合成に用いてもよい。本反応におい
て塩基の存在下実施される場合があり,用いられる塩基
としては,例えば3級アミン(例、トリメチルアミン,
トリエチルアミン,トリプロピルアミン,N-メチルピペ
リジン,N-メチルピロリジン,シクロヘキシルジメチル
アミン,N-メチルモルホリン等)、2級アミン(例、ジ
-n-ブチルアミン,ジイソブチルアミン,ジシクロヘキ
シルアミン等)、芳香族塩基(例、ピリジン、4-ジメチ
ルアミノピリジン、ルチジン、コリジン等)、アルカリ
金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム,
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類
金属の水酸化物(例、水酸化カルシウム等)などが用い
られる。本反応は通常溶媒中で行われる。該溶媒として
は、例えばアミド類(例、ホルムアミド、N,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピ
ロリドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキ
シド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン
化炭化水素類(例、クロロホルム,ジクロロメタン
等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニ
トリル等)、エステル類(例、酢酸エチル,ギ酸エチル
等)など、あるいはこれらの適宜の割合の混合物などが
挙げられる。反応温度は、反応が進行する限り特に限定
されないが,通常約−50℃ないし150℃,好ましく
は−30℃ないし80℃で行われる。反応時間は、用い
られる原料,塩基,反応温度,溶媒の種類により異なる
が,通常数十分から数十時間反応させる。
【0022】一般式(I)においてR2がエステル化さ
れたカルボキシル基である化合物またはその塩は、例え
ば、一般式(I)においてR2がカルボキシル基である
化合物またはその塩を、エステル化反応に付すことによ
り製造することができる。エステル化反応は、自体公知
の方法、例えば、次に示す方法により行われる。 (1)原料化合物をジアゾアルカン(例、ジアゾメタ
ン、フェニルジアゾメタン、ジフェニルジアゾメタン
等)と反応させる。 (2)原料化合物を活性化アルキルハライド(例、ヨウ
化メチル、臭化ベンジル等)と反応させる。 (3)原料化合物を酸触媒または縮合剤の存在下、アル
コール(例、メタノール、エタノール、ベンジルアルコ
ール等)と反応させる。酸触媒としては、例えば塩酸、
硫酸、カンファースルホン酸等が、縮合剤としては、例
えばN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、塩
酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジ
イミド(WSC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(D
IC)等が用いられる。 (4)原料化合物を活性エステルに導き、アルコール
(例、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール
等)と反応させる。活性エステルとしては、例えば1-ヒ
ドロキシ-1H-2-ピリドン、N-ヒドロキシこはく酸イミ
ド、N-ヒドロキシフタールイミド、 1-ヒドロキシベン
ゾトリアゾール等とのエステルが用いられる。 (5)原料化合物を酸ハロゲン化物(例、エチルクロロ
ホルメート、ベンジルクロロホルメート等)と反応さ
せ、酸無水物に導き、アルコール(例、メタノール、エ
タノール、ベンジルアルコール等)と反応させる。
【0023】本反応において塩基の存在下実施される場
合があり、用いられる塩基としては、例えば3級アミン
(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジ
ン、シクロヘキシルジメチルアミン、N-メチルモルホリ
ン等)、2級アミン(例、ジ-n-ブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等)、芳香族塩
基(例、ピリジン、ルチジン、コリジン等)、アルカリ
金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類
金属の水酸化物(例、水酸化カルシウム等)などが用い
られる。本反応は通常溶媒中で行われる。該溶媒として
は、例えばアミド類(例、ホルムアミド、N、N-ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロ
リドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシ
ド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン化
炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、
エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル
等)、エステル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル等)、
アルコール類(例、メタノール、エタノール等)など、
あるいはこれらの適宜の割合の混合物などが挙げられ
る。反応温度は、反応が進行する限り特に限定されない
が、通常約−50℃ないし150℃、好ましくは約−3
0℃ないし80℃で行われる。反応時間は、用いられる
原料、塩基、反応温度、溶媒の種類により異なるが、通
常数十分から数十時間反応させる。
【0024】一般式(I)においてR2がアミド化され
たカルボキシル基である化合物またはその塩は、例え
ば、一般式(I)においてR2がカルボキシル基である
化合物またはその塩をアミド化反応に付すことより製造
することができる。アミド化反応は、例えば、一般式
(I)においてR2がカルボキシル基で表されるカルボ
ン酸またはその塩あるいはその反応性誘導体と、一般式 HNR67 (III) 〔式中、各記号は前記と同意義を有する〕で表される化
合物またはその塩とを反応させることにより行うことが
できる。カルボン酸の反応性誘導体としては、例えば、
酸ハライド、活性エステルなどが用いられ、このような
反応性誘導体を具体的に述べると次の通りである。 (1)酸ハライド ここで酸ハライドとしては、例えば、酸クロリド、酸ブ
ロミドなどが用いられる。 (2)活性エステル ここで活性エステルとしては、例えば、メチルエステ
ル、エチルエステル、メトキシメチルエステル、プロパ
ルギルエステル、4-ニトロフェニルエステル、2,4-ジニ
トロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、
ペンタクロロフェニルエステル、メシルフェニルエステ
ルなどのエステルの他、1-ヒドロキシ-1H-2-ピリドン、
N-ヒドロキシこはく酸イミド、N-ヒドロキシフタールイ
ミド、 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)などと
のエステルが用いられる。
【0025】カルボン酸と直接反応させる場合には、例
えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、
塩酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボ
ジイミド(WSC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド
(DIC)などの縮合剤が用いられる。これらの縮合剤
は、上述の活性エステル、例えば1-ヒドロキシ-1H-2-ピ
リドン、N-ヒドロキシこはく酸イミド、N-ヒドロキシフ
タールイミド、 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
T)などとのエステル合成に用いてもよい。本反応におい
て塩基の存在下実施される場合があり、用いられる塩基
としては、例えば3級アミン(例、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N-メチルピペ
リジン、N-メチルピロリジン、シクロヘキシルジメチル
アミン、N-メチルモルホリン等)、2級アミン(例、ジ
-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン等)、芳香族塩基(例、ピリジン、ルチジ
ン、コリジン等)、アルカリ金属の水酸化物(例、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭
酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナ
トリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例、水酸
化カルシウム等)などが用いられる。
【0026】本反応は通常溶媒中で、一般式(I)にお
いてR2がカルボキシル基である化合物に対して、一般
式(III)で表される化合物を0.5ないし10モル等
量用いて行なわれる。該溶媒としては、例えば、アミド
類(例、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、スルホ
キシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、芳香族塩基
類(例、ピリジン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ク
ロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(例、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エステル
類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル等)など、あるいはこ
れらの適宜の割合の混合物などが用いられる。反応温度
は、反応が進行する限り特に限定されないが、通常約−
50℃ないし150℃、好ましくは約−30℃ないし8
0℃で行われる。反応時間は、用いられる原料、塩基、
反応温度、溶媒の種類により異なるが、通常数十分から
数十時間反応させる。
【0027】式(I)においてR3が置換されていても
よい炭化水素基である化合物またはその塩は、例えば式
(I)においてR3が水素原子である化合物またはその
塩を、塩基の存在下、脱離基を有する化合物と反応させ
ることにより製造することができる。反応に際して、原
料の反応に関与すべきでない官能基の保護、ならびにそ
の保護基の脱離などは、自体公知の手段から適宜選択し
うる。脱離基を有する化合物とは、化学反応によって容
易に置換される官能基を有する化合物を表し、具体的に
はハロゲン化物(例、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨ
ウ化プロピル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化ブチル、ヨ
ウ化ペンチル、臭化アリル、臭化ベンジル等)、スルホ
ン酸エステル類(例、メタンスルホン酸メチル、p-トル
エンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、
ベンゼンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホ
ン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル
等)、硫酸エステル類(例、ジメチル硫酸、ジエチル硫
酸等)などが用いられる。塩基としては,例えば水素化
アルカリ金属(例、水素化ナトリウム、水素化カリウム
等)、水素化アルカリ土類金属(例、水素化カルシウム
等)、アルカリ金属のアルコキシド(例、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド等)、アルカリ金属の
水酸化物(例、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム
等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム,炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ土類金
属の水酸化物(例、水酸化カルシウム等)、3級アミン
(例、トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリプロ
ピルアミン,N-メチルピペリジン,N-メチルピロリジ
ン,シクロヘキシルジメチルアミン,N-メチルモルホリ
ン等)、2級アミン(例、ジ-n-ブチルアミン,ジイソ
ブチルアミン,ジシクロヘキシルアミン等)、芳香族塩
基(例、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ルチジ
ン、コリジン等),アルキルリチウム(例、メチルリチ
ウム、ブチルリチウム等)などが用いられる。本反応は
通常溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばアミド
類(例、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,
N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、ス
ルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、芳香族
塩基類(例、ピリジン等)、ハロゲン化炭化水素類
(例、クロロホルム,ジクロロメタン等)、エーテル類
(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エス
テル類(例、酢酸エチル,ギ酸エチル等)など、あるい
はこれらの適宜の割合の混合物などが挙げられる。反応
温度は、反応が進行する限り特に限定されないが,通常
−70℃ないし150℃,好ましくは−30℃ないし8
0℃で行われる。反応時間は、用いられる原料,塩基,
反応温度,溶媒の種類により異なるが,通常数十分から
数十時間反応させる。
【0028】後述の実施例によって得られた化合物の構
造式を下記に示す。
【化6】
【0029】以下、式(I)で表される化合物またはそ
の塩を化合物(I)と称することもある。本発明の化合
物(I)の塩としては薬理学的に許容しうる塩基付加塩
または酸付加塩があげられる。塩基付加塩としては、例
えばアルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)との
塩あるいはアルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネ
シウム等)との塩などが挙げられる。酸付加塩として
は、例えば無機酸(例、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、
硫酸、リン酸等)との塩あるいは有機酸(例、酢酸、プ
ロピオン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、ク
エン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸、メタ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ケイ皮酸、フ
マル酸、リンゴ酸、シュウ酸等)との塩などが挙げられ
る。本発明の化合物(I)は、自体公知の手段、例え
ば、溶媒抽出、液性変換、転溶、晶出、再結晶、クロマ
トグラフィーなどによって単離、精製することができ
る。また、本発明の化合物(I)の原料化合物またはそ
の塩は、前記と同様の公知の手段などによって単離、精
製することができるが、単離することなくそのまま反応
混合物として次の工程の原料として供されてもよい。本
発明の化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置
異性体または回転異性体を含有する場合には、これらも
本発明の化合物に包含されるとともに、自体公知の合成
手法、分離手法によりそれぞれ単品として得ることがで
きる。例えば、本発明の化合物に光学異性体が存在する
場合には、該化合物から分割された光学異性体も本発明
に包含される。光学異性体は自体公知の方法により製造
することができる。具体的には、光学活性な合成中間体
を用いるかもしくは最終物のラセミ体の混合物を常法に
従って光学分割することにより光学異性体を得る。
【0030】光学分割法としては、自体公知の方法、例
えば、下記の分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステ
レオマー法などが用いられる。 (1)分別再結晶法 ラセミ体と光学活性な化合物とで塩を形成させ、これを
分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を
経てフリーの光学異性体を得る方法。 (2)キラルカラム法 ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラ
ルカラム)にかけて分離する方法。例えば、液体クロマ
トグラフィーの場合、ENANTIO-OVM(トーソー社製)な
どのキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、
種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液など)、有機溶媒
(例、エタノール、メタノール、アセトニトリルなど)
を単独あるいは混合した溶液として展開させることによ
り、光学異性体を分離する。また、例えば、ガスクロマ
トグラフィーの場合、CP-Chirasil-DeX CB(ジーエルサ
イエンス社製)などのキラルカラムを使用して分離す
る。 (3)ジアステレオマー法 ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によって
ジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段
(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法など)な
どを経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的
な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより
光学異性体を得る方法。例えば、本発明の化合物が分子
内に水酸基または1ないし2級アミノ基を有する場合、
該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MTPA[α−
メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢
酸]、(−)−メントキシ酢酸など)などとを縮合反応
に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体
のジアステレオマーが得られる。一方、本発明の化合物
がカルボン酸を有する場合、該化合物と光学活性アミン
またはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、
それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマー
が得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分
解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、もと
の化合物の光学異性体に変換される。
【0031】本発明の化合物(I)またはその塩のプロ
ドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等
による反応により化合物(I)に変換する化合物、すな
わち酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて化合物
(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を受
けて化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物
(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ
基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例
えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、ア
ラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メト
キシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジ
ノメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル
化された化合物等);化合物(I)の水酸基がアシル
化、アルキル化、りん酸化、ホウ酸化された化合物(例
えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイ
ル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、
フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボ
ニル化された化合物等);化合物(I)のカルボキシ基
がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物
(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエ
ステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミ
ノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル
化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタ
リジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3
−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロ
ヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルア
ミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合
物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造する
ことができる。また、化合物(I)のプロドラッグは、
広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計
163〜198頁に記載されているような生理的条件で
化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0032】本発明の化合物(I)またはその塩あるい
はそのプロドラッグ(以下、本発明の化合物と略記す
る)は、毒性が低く、優れたCCR7拮抗作用などの医
薬用生理活性作用を有しており、例えば、免疫抑制剤、
またはアレルギー性疾患,慢性炎症疾患,自己免疫性疾
患などの疾患の予防・治療剤として有用である。また、
本発明の化合物は、臓器移植時の拒絶反応の抑制剤、移
植片対宿主(GVH)病の抑制剤としても有用である。
さらに、本発明の化合物は、慢性蕁麻疹、アトピー性皮
膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、過敏性
肺臓炎、湿疹、疱疹性皮膚炎、乾癬、好酸球性肺炎(P
IE症候群)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、花粉
症、喘息、関節炎(例、慢性関節炎、慢性関節リウマ
チ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎、
滑膜炎)、毒血症(例、敗血症、敗血症性ショック、内
毒素性ショック、グラム陰性敗血症、トキシックショッ
ク症候群)、炎症性腸疾患(例、クローン病、潰瘍性大
腸炎)、炎症性肺疾患(例、慢性肺炎、珪肺、肺サルコ
イドーシス、肺結核)、悪液質(例、感染による悪液
質、癌性悪液質、後天性免疫不全症候群(エイズ)によ
る悪液質)、動脈硬化症、クロイツフェルト−ヤコブ
病、ウイルス感染(例、サイトメガロウイルス、インフ
ルエンザウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルス感
染)、全身性エリスマトーデス、多発性硬化症、橋本氏
病、シェーグレン症候群、壊死性血管炎、自己免疫性溶
血性貧血、自己免疫性血小板減少性紫斑病、グレーブス
病(バゼドウ病)、重症筋無力症、インスリン依存性糖
尿病、尋常性天疱瘡、慢性腎炎、エイズ脳症、髄膜炎、
狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、肝炎などの疾患の
予防・治療剤として有用である。さらに、本発明の化合
物はCCR7発現の見られるガン(例、乳ガン、前立腺
ガン、膵ガン、胃ガン、肺ガン、結腸ガン、大腸ガン、
食道ガン、十二指腸ガン、舌ガン、咽頭ガン、直腸ガ
ン、非小細胞肺ガン、肺小細胞ガン、肝臓ガン、腎臓ガ
ン、胆管ガン、子宮体ガン、子宮頸ガン、卵巣ガン、膀
胱ガン、皮膚ガン、甲状腺ガン、陰茎ガン、小児固形ガ
ン)のリンパ節および肺等の臓器への転移抑制剤として
も有用である。従って、本発明の化合物を含有する医薬
組成物は、例えば自己免疫疾患等に対する安全な予防・
治療剤として、ヒト等の哺乳動物(例えば、人、犬、
猫、サル、ラット、マウス、馬、牛等)に経口的又は非
経口的に投与することができ、通常経口的な投与が好ま
しい。さらに、CCR7拮抗作用を有する物質を含有す
る医薬組成物は、例えば上記の疾患、特に関節炎、慢性
関節リウマチなどに対する安全な予防・治療剤として、
ヒト等の哺乳動物(例えば、人、犬、猫、サル、ラッ
ト、マウス、馬、牛等)に経口的又は非経口的に投与す
ることができ、通常経口的な投与が好ましい。CCR7
拮抗作用を有する物質としては、例えば、非ペプチド性
の物質などが用いられ、より具体的には、本発明の化合
物が好ましく用いられる。
【0033】経口投与する場合の剤形の例としては、例
えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、
丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を
含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等があげられる。ま
た、非経口投与する場合の剤形としては、例えば注射
剤、注入剤、点滴剤、坐剤等があげられる。本発明製剤
中の本発明の化合物の含有量は、通常2〜85重量%、
好ましくは5〜70重量%である。本発明の化合物を上
記の剤形に製造する方法としては、当該分野で一般的に
用いられている公知の製造方法を適用することができ
る。また、上記の剤形に製造する場合には、必要に応じ
て、その剤形に製する際に製剤分野において通常用いら
れる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活
性剤、懸濁化剤、乳化剤等を適宜、適量含有させて製造
することができる。例えば、本発明の化合物を錠剤に製
する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含
有させて製造することができ、丸剤及び顆粒剤に製する
場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を含有させて製造
することができる。また、散剤及びカプセル剤に製する
場合には、賦形剤等を、シロップ剤に製する場合には、
甘味剤等を、乳剤及び懸濁剤に製する場合には、懸濁化
剤、界面活性剤、乳化剤等を含有させて製造することが
できる。賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、
でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マン
ニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫
酸カルシウム等があげられる。結合剤の例としては、5
〜10重量%デンプンのり液、10〜20重量%アラビ
アゴム液又はゼラチン液、1〜5重量%トラガント液、
カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム
液、グリセリン等があげられる。崩壊剤の例としては、
でんぷん、炭酸カルシウム等があげられる。滑沢剤の例
としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、
ステアリン酸カルシウム、精製タルク等があげられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビ
トール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等があ
げられる。界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナト
リウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エ
ステル、ステアリン酸ポリオキシル40等があげられ
る。懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸
ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
メチルセルロース、ベントナイト等があげられる。乳化
剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチ
ン、ポリソルベート80等があげられる。更に、本発明
化合物(I)を上記の剤形に製造する場合には、所望に
より、製剤分野において通常用いられる着色剤、保存
剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適宜、適量添
加することができる。本発明の化合物を含有する本発明
製剤は、安定かつ低毒性で安全に使用することができ
る。その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種
類、投与経路等によって異なるが、経口的に投与する場
合、通常、本発明の化合物を有効成分として、1日自己
免疫疾患患者成人(体重50Kg)1人当たり約2mgない
し1g、とりわけ約10mgないし500mgが疾病の治療
に用いられることが好ましい。これらの製剤は、1日1
−3回に分けて投与することができる。本発明の化合物
あるいはその塩を、注射剤として非経口的に皮下、静脈
内または筋肉内に投与する場合、その投与量は1日自己
免疫疾患患者成人1人当たり約1mgないし200mg、好
ましくは2mgないし100mgである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に実施例、実験例、製剤例を
挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによっ
て本発明が限定されるものではない。なお、培地におけ
るパーセント(%)は、特に断りのない限り、重量/容
量パーセントを表す。混合溶媒において混合比を示した
数値は各溶媒の容量混合比である。実験例に記載の遺伝
子操作法は、成書(Maniatis ら、モレキュラー・クロ
ーニング、Cold Spring Harbor Laboratory、1989
年)に記載されている方法もしくは試薬の添付プロトコ
ールに記載されている方法などに従った。NMRスペク
トルは、ブルカーDRX500型スペクトルメーターを
用いて測定した。内部基準としてテトラメチルシランを
用い、全δ値をppmで示した。
【0035】
【実施例】実施例1 NF−11491の培養 バレイショ−ブドウ糖斜面寒天培地に培養したペニシリ
ウム・フニクローズムNF-11491株を2L容坂口フラスコ
内のグルコース2%、マルトース3%、ポリペプトン0.
5%、大豆粉1.5%、コーン・スティープ・リカー1%、
酵母エキス0.3%、食塩0.3%、寒天0.15%を含む500 ml
の種培地(pH 7.0)に接種し、24℃、4日間往復振とう
機上で培養した。この培養液1Lを200 L容タンク内のグ
ルコース1%、デキストリン4%、大豆粉0.5%、麦芽
エキス0.5%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.2%、
硫酸マグネシウム七水和物0.05%、硫酸第一鉄7水和物
0.05%、硫酸マンガン五水和物0.05%、燐酸二水素カリ
ウム0.1%、炭酸カルシウム0.5%および消泡剤としてア
クトコール0.05%、シリコーン0.02%を含む120 Lの主
培地(pH 7.5)に接種し、毎分100 Lの無菌空気を通気
し、回転数毎分120〜150回転で溶存酸素量3ppmに制御
しながら24℃、7日間培養し、主培養液を得た。
【0036】実施例2 NF−11491(化合物1)
の単離 実施例1で得られた培養液(150リットル)のpHを
3.0に調整後、酢酸エチル(150リットル)で抽出
し、濾過補助剤(ラジオライト#600、昭和化学工業
社製)を用いて濾過した。得られた有機層を水(50リ
ットル)で洗浄後、濃縮し油状物(183g)を得た。
得られた油状物をシリカゲル(キ−ゼルゲル60、メル
ク社製、500g)のカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン/酢酸エチル〔4:1(4リットル)およ
び2:1(4リットル)〕で順次洗浄後、ヘキサン/酢
酸エチル〔1:1(4リットル)〕で溶出した。溶出液
を濃縮して得られた乾固物(8.0g)を、セファデッ
クスLH−20(ファルマシア社製、2.4リットル)
のカラムクロマトグラフィーに付し、メタノールで溶出
分画(100mlx30)した。有効画分(Fr.15
〜17)を濃縮して得られた乾固物(2.3g)を、セ
ファデックスLH−20(1.1リットル)のカラムク
ロマトグラフィーに付し、アセトンで溶出分画(20m
lx60)した。有効画分(Fr.32〜37)を濃縮
し、粗物質(1.6g)を得た。得られた粗物質のうち
100mgを2回に分けて分取HPLC〔カラム;Shod
ex Asahipak C8P-50 10E(昭和電工社製)、移動相;7
5%(v/v)アセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢
酸水、流速;4.5ml/分〕に付し、溶出容量170
−200mlの画分を集めた。減圧下アセトニトリルを
留去後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固してNF−1149
1(化合物1、70mg)を得た。
【0037】実施例3 化合物2の調製 化合物1(50mg)をメタノール(0.5ml)に溶解
し、トリメチルシリルジアゾメタンを溶解させたヘキサ
ン溶液(10v/v%、東京化成社製、442μl)を
加えて室温で30分間反応させた。反応液を濃縮後、シ
リカゲル(2.5g)のカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム(30ml)、クロロホルム/メタノ
ール〔49:1(25ml)〕で溶出分画(5mlx1
1)した。Fr.4〜8を集め濃縮乾固して、化合物2
(45mg)を得た。 FAB−マススペクトル;m/z814(M−H)- 13 C NMR スペクトル:125 Mz, CDCl3中,δppm、以下の
シグナルが認められる。 14.1, 17.2, 18.0, 18.3, 19.7, 19.9, 20.1, 20.1, 2
0.9, 22.7, 26.2, 29.1,29.2, 29.3, 29.5, 29.6, 29.
6, 31.5, 31.9, 33.1, 33.7, 34.7, 34.8, 35.5,36.0,
36.1, 38.6, 39.7, 40.3, 41.5, 41.9, 43.0, 43.2, 4
6.7, 51.8, 54.8,61.1, 70.1, 86.0, 103.5, 117.2, 12
5.3, 132.5, 135.1, 146.2, 149.3, 167.6, 171.8, 17
5.8, 178.6, 189.4
【0038】実施例4 化合物3の調製 化合物2(41mg)をピリジン(0.5ml)に溶解
し、無水酢酸(0.5ml)を加えて室温で3時間攪拌
した。反応液を濃縮後、酢酸エチルを加え、0.1N塩
酸、水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、濃縮して得られた乾固物(28mg)を、分取
HPLC〔カラム;Shodex Asahipak C8P-50 10E、移動
相;85%(v/v)アセトニトリル/0.05%トリフル
オロ酢酸水、流速;3ml/分〕に付し、溶出容量22
0−250mlの画分を集めた。減圧下アセトニトリル
を留去後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して化合物3(1
7mg)を得た。 FAB−マススペクトル;m/z856(M−H)- 13 C NMR スペクトル:125 Mz, CDCl3中,δppm、以下の
シグナルが認められる。 14.1, 17.2, 18.0, 18.2, 19.7, 19.8, 20.0, 20.1, 2
0.9, 21.4, 22.7, 26.2,27.7, 29.1, 29.2, 29.3, 29.
5, 29.6, 29.6, 31.9, 33.1, 34.0, 34.7, 34.7,34.8,
35.9, 36.2, 37.6, 38.5, 39.8, 40.2, 41.5, 43.0, 4
3.2, 46.3, 51.8,54.8, 60.9, 72.5, 86.0, 103.6, 11
8.0, 125.1, 132.5, 135.2, 146.4, 148.1,167.5, 170.
2, 171.6, 175.8, 178.6, 189.4
【0039】実験例1 (1)ヒトCCR7ケモカインレセプターのクローニン
グ ヒト胸腺 cDNAからPCR法でCCR7遺伝子のクロ
ーニングを行った。0.5ngの胸腺cDNA(クローンテッ
ク,Quick-Clone cDNA)を鋳型とし、Birkenbach M.
らが報告(J. Virol, 67(4),2209−2220(1993))
しているCCR7遺伝子塩基配列を参考に作製したプラ
イマーセット 5’-TTGAATTCCAGAGAGCGTCATGGACCTGGG-3’と 5’-CCGTCGACCCAGGCAGAAGAGTCGCCTATG-3’を 各50 pmol ずつ添加し、TaKaRa Pyrobest DNA Polymera
se(宝酒造)を使用して、PCR反応をGene Amp PCR S
ystem 9700(Applied Biosystems))にて行った(反応
条件:94.0℃で1分間、63.8℃で1分間、68.0℃で1.5分
間を40サイクル)。 (2)ヒトCCR7発現用プラスミドの作製 上記で得られたPCR断片を制限酵素Eco RI(宝酒造)とS
al I(宝酒造)で消化した後、アガロースゲル電気泳動
してDNA断片を回収した。そのDNA断片とEco RIと
Sal Iで消化した動物細胞用発現プラスミド pMSRαneo
(特開平11−193281号公報)を混合し、DNA
Ligation Kit Ver.2(宝酒造)で連結して、大腸
菌JM109のコンピテントセルを形質転換することで
プラスミド pCCR7を得た。 (3)ヒトCCR7発現用プラスミドのCHO−K1細
胞への導入と発現 10%ウシ胎児血清(GIBCO BRL)を含むハムF12培
地(GIBCO BRL)を用いてセルカルチャーフラスコ 150
cm2(コーニングコースター)で生育させたCHO−K
1細胞を0.5g/L トリプシン−0.2g/L EDT
A(GIBCO BRL)で剥がした後、細胞をPBS(GIBCO B
RL)で洗浄して遠心(1000rpm,5分)し、PBS
で懸濁した。次に、ジーンパルサー(バイオラッド社)
を用いて、下記の条件に従って、DNAを細胞に導入し
た。即ち、0.4cm ギャップのキュベットに1×107
胞と15μg のヒトCCR7発現用プラスミド pCCR7を加
え、電圧0.25kV、キャパシタンス960μF 下で
エレクトロポレーションした。その後、細胞を10%ウ
シ胎児血清を含むハムF12培地に移し、24時間培養
後、再び細胞を剥がして遠心し、次に、ジェネティシン
(GIBCO BRL)を500μg/mlになるように加えた1
0%ウシ胎児血清を含むハムF12培地で懸濁し、10
4 細胞/mlとなるように希釈して96ウエルプレート
(コーニングコースター)に播種して、ジェネティシン
耐性株を得た。次に、得られたジェネティシン耐性株を
96ウエルプレート(Poly-D-Lysin 96 well White Opa
que Plate, ベクトンディキンソン)で培養した後、耐
性株の中からCCR7発現細胞を選択した。即ち、20
0pMの〔125I〕−MIP-3 beta(アマーシャム)を含む
アッセイバッファー(50mM HEPES(同仁化学),1mM CaC
l2,5mM MgCl2,0.5%BSA,0.05% Azide,pH 7)中で室温
にて60分間結合反応を行った。次に、アッセイバッファ
ーを吸引除去後、氷冷したアッセイバッファーで洗浄
し、マイクロシンチ−20(パッカード)を100μl/ウ
エルで添加し撹拌した。そして、トップカウント(パッ
カード)で放射活性を測定することで、〔125I〕−MIP
-3 betaが特異的に結合した細胞、CCR7/CHO株を
選択した。 (4)CCR7拮抗作用に基づく化合物の評価 96ウエルマイクロプレートに1×104 細胞/ウエル
でCCR7/CHO株を播種し、72時間培養して培地を
吸引除去後、試験化合物(10μM)を含んだアッセイ
バッファーを各ウエルに加え、〔125I〕MIP-3beta(ア
マーシャム)を100pMになるように添加後、室温で6
0分間反応した。次に、アッセイバッファーを吸引除去
後、冷却したアッセイバッファーで2回洗浄した。次
に、100μlのマイクロシンチ−20(パッカード)を各ウ
エルに加え、トップカウント(パッカード)で放射活性
を計測した。前記の方法に従って、試験化合物のCCR
7結合阻害率を測定した。結果を〔表1〕に示す。
【0040】
【0041】 製剤例1 (1)化合物1 10.0mg (2)乳糖 60.0mg (3)コーンスターチ 35.0mg (4)ゼラチン 3.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 化合物1 10.0mgと乳糖60.0mgおよびコーンスタ
ーチ35.0mgの混合物を10%ゼラチン水溶液0.03
ml(ゼラチンとして3.0mg)を用い、1mmメッシュの
篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥し再び篩過し
た。かくして得られた顆粒をステアリン酸マグネシウム
2.0mgと混合し、圧縮した。得られた中心錠を、蔗
糖,二酸化チタン,タルクおよびアラビアゴムの水懸液
による糖衣でコーティングした。コーティングが施され
た錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得た。
【0042】 製剤例2 (1)化合物1 10.0mg (2)乳糖 70.0mg (3)コーンスターチ 50.0mg (4)可溶性デンプン 7.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 化合物1 10.0mgとステアリン酸マグネシウム3.0
mgを可溶性デンプンの水溶液0.07ml(可溶性デンプ
ンとして7.0mg)で顆粒化した後、乾燥し、乳糖70.
0mgおよびコーンスターチ50.0mgと混合した。混合
物を圧縮して錠剤を得た。
【0043】
【発明の効果】本件化合物(I)またはその塩あるいは
そのプロドラッグは、優れたCCR7拮抗作用を有して
おり、自己免疫疾患などの疾患に対する安全な予防・治
療剤薬、免疫抑制剤、ガン転移抑制剤などとして有用で
ある。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例2で得られたNF−11491の
13C−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/06 A61P 37/06 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 C12N 1/14 C12N 1/14 A C12P 17/06 C12P 17/06 //(C12N 1/14 C12R 1:80 C12R 1:80) (C12P 17/06 C12R 1:80) (72)発明者 犬塚 弘幸 茨城県つくば市並木4丁目16番地の1 207号 (72)発明者 太田 義一 大阪府高槻市清水台1丁目6番17号 Fターム(参考) 4B064 AE46 BA09 BE14 BH05 BH07 CA05 CC12 CE07 CE08 DA01 DA05 4B065 AA67X AC14 BA22 BC05 BC09 BC14 BD16 CA18 CA44 4C062 HH66 HH69 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BA08 MA01 MA04 NA14 ZA96 ZB07 ZB08 ZB13 ZB15 ZB26 ZC42

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよい水酸基を、R2はエ
    ステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル
    基を、R3は水素原子または置換されていてもよい炭化
    水素基を示す。〕で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】R1がアシル基で置換されていてもよい水
    酸基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1が水酸基である請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】R2がカルボキシル基である請求項1記載
    の化合物。
  5. 【請求項5】R3が水素原子である請求項1記載の化合
    物。
  6. 【請求項6】R1がC1-6アルカノイル基で置換されてい
    てもよい水酸基、R2がC1-6アルキル基でエステル化さ
    れていてもよいカルボキシル基、R3が水素原子である
    請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】化合物が式 【化2】 で表される化合物である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  9. 【請求項9】請求項1記載の化合物またはそのプロドラ
    ッグを含有してなる医薬組成物。
  10. 【請求項10】CCR7拮抗剤である請求項9記載の組
    成物。
  11. 【請求項11】CCR7関連疾患の予防・治療剤である
    請求項9記載の組成物。
  12. 【請求項12】免疫抑制薬である請求項9記載の組成
    物。
  13. 【請求項13】自己免疫疾患の予防・治療剤である請求
    項9記載の組成物。
  14. 【請求項14】慢性関節リウマチの予防・治療剤である
    請求項9記載の組成物。
  15. 【請求項15】アレルギー性疾患の予防・治療剤である
    請求項9記載の組成物。
  16. 【請求項16】アレルギー性疾患がアトピー性皮膚炎ま
    たは花粉症である請求項15記載の組成物。
  17. 【請求項17】ガン転移抑制薬である請求項9記載の組
    成物。
  18. 【請求項18】ペニシリウム属に属し、請求項7記載の
    化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、
    培養物中に該化合物を生成蓄積せしめ、これを採取する
    ことを特徴とする請求項7記載の化合物またはその塩の
    製造法。
  19. 【請求項19】微生物がペニシリウム・フニクローズム
    NF−11491株である請求項18記載の製造法。
  20. 【請求項20】請求項7記載の化合物の生産能を有する
    ペニシリウム・フニクローズムNF−11491。
  21. 【請求項21】CCR7拮抗作用を有する物質を含有し
    てなる医薬組成物。
  22. 【請求項22】CCR関連疾患の予防・治療剤である請
    求項21記載の組成物。
  23. 【請求項23】慢性関節リウマチの予防・治療剤である
    請求項21記載の組成物。
  24. 【請求項24】CCR7拮抗作用を有する物質が非ペプ
    チド性物質である請求項21記載の組成物。
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