JPH09157164A - 抗ウイルス剤 - Google Patents
抗ウイルス剤Info
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- JPH09157164A JPH09157164A JP32305895A JP32305895A JPH09157164A JP H09157164 A JPH09157164 A JP H09157164A JP 32305895 A JP32305895 A JP 32305895A JP 32305895 A JP32305895 A JP 32305895A JP H09157164 A JPH09157164 A JP H09157164A
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Abstract
を含む新規の抗ウイルス剤を提供する。 【解決手段】 脂肪族アルコールの硫酸化物及びそれら
の生理学的に許容しうる塩類からなる群から選ばれる少
なくとも1種を有効成分とする抗ウイルス剤。;1−デ
カノール硫酸化物、テトラメチルエチレングリコール硫
酸化物又はα−プロピレンクロロヒドリン硫酸化物、又
はそれらの生理学的に許容しうる塩類。
Description
し、さらに詳しくは脂肪族アルコールの硫酸化物、それ
らの塩類を有効成分とする抗ウイルス剤に関する。
(アジドチミジン、逆転写酵素阻害剤)は、エイズの発
症や進行を有意に遅らせることが明らかになった。しか
し、長期投与に基く慢性毒性、薬剤耐性エイズウイルス
変異株の出現などの問題がある。また、最近DDI(ジ
デオキシイノシン)とAZTの組み合わせ療法も承認さ
れているが、これも急性膵炎などの重篤な副作用が報告
されている。これらはいずれも構造的にモノヌクレオシ
ドであって、逆転写酵素だけでなくヒトのポリメラーゼ
にも影響し、選択性に乏しい。特開平2−178283
2号公報は、有効成分としてスルホン化ポリアミノ酸を
含有することを特徴とするレトロウイルス感染症、特に
エイズの治療及び予防に有効な薬剤を開示しているが、
これらの有効成分は分子量が500 〜500,000 ダルトンほ
どの高分子化合物であって、利用しづらく、硫酸化度な
ど構造的に明確でない。現在開発中のものとしては、プ
ロテアーゼ阻害剤、転写・翻訳阻害剤、脱殻阻害剤、H
IVのエンベロープタンパクのグリコレ−ション阻害剤
などがある。
が低く、比較的低分子量である有効成分を含む新規の抗
ウイルス剤を提供することである。
を達成するため鋭意研究を重ね、比較的低分子量の簡単
な構造の化合物を硫酸エステル化し、それらの抗ウイル
ス活性を検討した。その結果、脂肪族アルコールの硫酸
化物が抗ウイルス活性、特に抗HIV(humanimmunodef
iciency virus、ヒト免疫不全ウイルス) 活性を有する
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。従って本
発明は、脂肪族アルコールの硫酸化物、及びそれらの生
理学的に許容しうる塩類からなる群から選ばれる少なく
とも1種を有効成分とする抗ウイルス剤に関する。本発
明はまた、新規物質である、1−デカノール硫酸化物、
テトラメチルエチレングリコール硫酸化物又はα−プロ
ピレンクロロヒドリン硫酸化物、及びそれらの生理学的
に許容しうる塩類に関する。
である脂肪族アルコールの硫酸化物において、脂肪族ア
ルコールは1価アルコールでも多価アルコールでもよ
い。その脂肪族炭化水素基は飽和でも不飽和でもよく、
好ましくは飽和しているものである。また直鎖でも分岐
していてもよい。その炭素原子数は一般に2〜100が
適当であって、好ましくは2〜20である。また、該炭
化水素基は置換されていてもよく、例えばハロゲン原
子、具体的には塩素原子、フッ素原子又は臭素原子で置
換されていてもよく、好ましくは塩素原子である。また
生理学的に許容しうる塩類としては、例えばナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩、バリウム塩又はテトラブチルアンモニウム塩な
どが挙げられる。
酸化物の具体例としては、下記の化合物の硫酸化物が挙
げられる。1−プロパノール、1−デカノール、アリル
アルコール、α−プロピレンクロロヒドリン、アセトン
クロロホルム、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、2,3-ブタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、テ
トラメチルエチレングリコール、グリセロール、ペンタ
グリセロール、ペンタエリトリトール。上記の中でも、
1−デカノール、α−プロピレンクロロヒドリン、テト
ラメチルエチレングリコール、プロピレングリコール、
2,3-ブタンジオール、グルセロール及びペンタグリセロ
ールの硫酸化物が、比較的毒性が低く且つ抗ウイルス活
性が高いことから好ましく、より好ましくは1−デカノ
ール、α−プロピレンクロロヒドリン、テトラメチルエ
チレングリコール及びグルセロールの硫酸化物である。
ウイルスには例えばレトロウイルスといったRNAを鋳
型として逆転写酵素を用いてDNAを合成するものがあ
り、本発明の抗ウイルス剤における有効成分は、この逆
転写酵素を阻害すると考えられる。従って、脂肪族アル
コールの硫酸化物、及びそれらの生理学的に許容しうる
塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分
として使用し、逆転写酵素阻害剤とすることができる。
の方法により製造できる。また上記の硫酸化物のうち一
部は、市販されており、本発明ではそのような市販品を
使用してもよい。以下、出発原料としてアルコール類を
用い、硫酸エステル化する方法について、具体的に説明
する。使用する溶媒としてはクロロホルム、ピリジン、
DMF(ジメチルホルムアミド)などが適当であって、
特にクロロホルムが好ましい。溶媒には適当な脱水剤を
加えてから蒸留することが好ましく、脱水剤として例え
ば水酸化ナトリウムを使用することができる。溶媒の量
は、使用するアルコール類の重量に対して1〜50倍量
程度でよく、通常は5〜20倍量が適当である。硫酸化
試薬としては、公知の硫酸化エステル化試薬、例えば硫
酸、クロロ硫酸、三酸化イオウ、トリメチルシリルスル
ホン酸クロリドなどが使用できる。さらに三酸化イオウ
として、そのトリメチルアミンコンプレックス、ピリジ
ンコンプレックス、N,N-ジメチルホルムアミドコンプレ
ックスが使用できる。硫酸化試薬の添加量は、出発原料
に対して1〜50当量が適当であって、さらに2〜10
当量が好ましい。好ましくは冷却下で硫酸化試薬を添加
する。
い。使用できる不活性ガスとしては、窒素、アルゴンガ
スなどが挙げられる。反応温度及び反応時間は一般に、
50〜100℃、1〜100時間が適当である。反応温
度が高いほど反応が早く進行するので、反応時間は反応
温度に応じて適宜選択することができるが、一般的に反
応時間が長いほど収量が高くなる。反応温度及び反応時
間はまた、使用する溶媒や硫酸化試薬の種類及びそれら
の組み合わせに応じて変動させることが可能である。反
応中は、水分を防ぐために乾燥塔を付けることが好まし
く、使用する乾燥剤として塩化カルシウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどが挙げられる。
族アルコールの硫酸化物及びそれらの生理学的に許容し
うる塩の単品又は任意の混合物である。本発明の抗ウイ
ルス剤は、上記有効成分の他に、これらの有効成分を変
質させるものや有毒なものでない限り、用途に応じて適
宜選択しうる添加物を含んでもよい。本発明の有効成分
を逆転写酵素阻害剤とする場合も、適宜添加剤を含ませ
てもよい。 〔投与方法〕本発明の抗ウイルス剤は、経口及び非経口
投与のいずれも使用可能であり、経口投与する場合は、
軟・硬カプセル剤又は錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤とし
て投与され、非経口投与する場合は、注射剤、点滴剤及
び固体状又は懸濁粘稠液状として持続的な粘膜吸収が維
持できるように坐剤のような剤形で投与され得る。本発
明の抗ウイルス剤を注射剤として投与する場合、皮内、
皮下、筋肉内、腹腔内あるいは静脈内投与が可能であ
る。また、局所組織内投与、局所への塗布、噴霧、坐
剤、膀胱内注入などの外用的投与法なども用いることが
できる。
は、投与法と病気の悪性度、患者の年齢、病状や一般状
態、病気の進行度などによって一定したものではない
が、成人では通常、一日当たり有効成分として約1mg〜
10gが適当である。 〔製剤化の方法〕本発明の抗ウイルス剤における有効成
分の配合割合は、剤形によって変更し得るが、通常経口
または粘膜吸収で投与されるときは、ほぼ0.3〜15.0
重量%が適当であり、非経口投与されるときは、ほぼ0.
01〜10重量%が適当である。また本発明の有効成分
を製剤化するに当たっては、常法に従えばよく、水溶
液、油性製剤などにして注射用製剤とすることができる
他、カプセル剤、錠剤、細粒剤、顆粒剤などの剤形に製
剤化して経口用に、また局所投与用に供することができ
る。有効成分に長時間の保存に耐える安定性及び耐酸性
を付与して、薬効を完全に持続させるために、さらに医
薬的に許容し得る皮膜を施して製剤化すれば、優れた安
定性を有する抗ウイルス剤とすることができる。
面活性剤、賦形剤、滑沢剤、佐剤及び医薬的に許容し得
る皮膜形成物質などを挙げれば、次のとおりである。本
発明のウイルス剤の崩壊、溶出を良好にするために、界
面活性剤、例えばアルコール、エステル類、ポリエチレ
ングリコール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類、
硫酸化脂肪アルコール類などの1種又は2種以上を添加
することができる。また、賦形剤として、例えば蔗糖、
乳糖、デンプン、結晶セルロース、マンニット、軽質無
水珪酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸
マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カル
ボキシメチルセルロースカルシウムなどの1種又は2種
以上を組み合わせて添加することができる。滑沢剤とし
ては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化
油などを1種又は2種以上添加することができる。また
矯味剤及び矯臭剤として、食塩、サッカリン、糖、マン
ニット、オレンジ油、カンゾウエキス、クエン酸、ブド
ウ糖、メントール、ユーカリ油、リンゴ酸などの甘味
剤、香料、着色剤、保存料などを含有させてもよい。
えばココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳
酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質などを含有さ
せることができる。また皮膜形成物質としては、セルロ
ース・糖類などの炭水化物誘導体として酢酸フタル酸セ
ルロース(CAP)、またアクリル酸系共重合体、二塩
基酸モノエステル類などのポリビニル誘導体としてアク
リル酸メチル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メ
チル・メタクリル酸共重合体が挙げられる。また、上記
皮膜形成物質をコーティングするに際し、通常使用され
るコーティング助剤、例えば可塑剤の他、コーティング
操作時の薬剤相互の付着防止のための各種添加剤を添加
することによって皮膜形成剤の性質を改良したり、コー
ティング操作をより容易にすることができる。
発明をさらに詳細に説明する。
g、及びクロロホルム20mlを55℃にて、窒素雰囲
気下93時間反応させた。反応終了後、二層となるの
で、上清のクロロホルム層を除去後、塩化メチレンでク
ロロホルムを洗浄した。冷却した12gの炭酸水素ナト
リウムを含む水200mlを注ぎ、不溶物は濾過して除
去した。次にろ液にテトラブチルアンモニウムハイドロ
ジェンスルフェイト6.8g、炭酸水素ナトリウム1.8g
を含む水100mlを加え、塩化メチレンで抽出した。
塩化メチレン層は、硫酸マグネシウムで洗浄後、濃縮・
乾固した。残査に、アンバーライトIR 120B
(Na+ ) 200mlと水200mlを加え、室温で一
夜撹拌した。濾過によりアンバーライトを除去後、水溶
液を塩化メチレンで洗浄後凍結乾燥した。その結果、テ
トラメチルエチレングリコール硫酸ナトリウム 0.25
gを得た。このようにして合成したテトラメチルエチレ
ングリコール硫酸ナトリウムのIRを測定した。結果は
下記のとおりである。 IR:νmax ,cm-1(KBr)(図1に示す) 3450, 2960, 1640, 1350, 1200, 1040, 920, 780, 620,
530
g、及びクロロホルム20mlを55℃にて、窒素雰囲
気下93時間反応させた。反応終了後、二層となるの
で、上清のクロロホルム層を除去後、塩化メチレンでク
ロロホルムを洗浄した。冷却した12gの炭酸水素ナト
リウムを含む水200mlを注ぎ、不溶物は濾過して除
去した。次にろ液にテトラブチルアンモニウムハイドロ
ジェンスルフェイト6.8g、炭酸水素ナトリウム1.8g
を含む水100mlを加え、塩化メチレンで抽出した。
塩化メチレン層は、硫酸マグネシウムで洗浄後、濃縮・
乾固した。残査に、アンバーライトIR 120B
(Na+ ) 200mlと水200mlを加え、室温で一
夜撹拌した。濾過によりアンバーライトを除去後、水溶
液を塩化メチレンで洗浄後凍結乾燥した。その結果、α
−プロピレンクロロヒドリン硫酸ナトリウム 0.18g
を得た。このようにして合成したα−プロピレンクロロ
ヒドリン硫酸ナトリウムのIRを測定した。結果は下記
のとおりである。 IR:νmax ,cm-1(KBr)(図2に示す) 3470, 2950, 1740, 1650, 1460, 1380, 1220, 1060, 92
0
ルム20mlを55℃にて、窒素雰囲気下93時間反応
させた。反応終了後、二層となるので、上清のクロロホ
ルム層を除去後、塩化メチレンでクロロホルムを洗浄し
た。冷却した12gの炭酸水素ナトリウムを含む水20
0mlを注ぎ、不溶物は濾過して除去した。次にろ液に
テトラブチルアンモニウムハイドロジェンスルフェイト
6.8g、炭酸水素ナトリウム1.8gを含む水100ml
を加え、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン層は、
硫酸マグネシウムで洗浄後、濃縮・乾固した。残査に、
アンバーライトIR 120B (Na+ ) 200ml
と水200mlを加え、室温で一夜撹拌した。濾過によ
りアンバーライトを除去後、水溶液を塩化メチレンで洗
浄後凍結乾燥した。その結果、1−デカノール硫酸ナト
リウム0.81gを得た。このようにして合成した1−デ
カノール硫酸ナトリウムのIRを測定した。結果は下記
のとおりである。 IR:νmax ,cm-1(KBr)(図3に示す) 3420, 2920, 1740, 1620, 1140, 1000, 830, 620
トランスフォームされたヒトT細胞株であるMT−4細
胞(Gann Monogr., Vol. 28, pp219〜228 (1982))と、
HIVの一種であるHTLV−III Bを使用した。実験
方法は、パウエル等の方法に従った(Pauwels 等、J. V
irol. Methods ,Vol. 20, pp309〜321(1988))。96穴
マクロタイタープレートに、種々の濃度のテトラメチル
エチレングリコール硫酸ナトリウム、α−プロピレンク
ロロヒドリン硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナ
トリウムの各薬剤と、HTLV−III Bに感染させた直
後のMT−4細胞(2.5×104 個/ウェル、MOI:0.
01)を加えた。炭酸ガスインキュベーターで37℃5
日間培養した後、MTT法で、吸光度を測定することに
より生存細胞数を測定した。なお、HTLV−III Bに
感染したMT−4細胞は、薬剤無添加で上記と同様に培
養したところ、5日後に完全に死滅した。なお対照とし
て、HTLV−III B感染させないMT−4細胞に薬剤
無添加で同様に培養を行い、生存細胞数を測定した。上
記生存細胞数より有効率(%)を以下のようにして求め
た。 (各薬剤添加した時の生存細胞数/対照における生存細
胞数)×100 その結果を表1に示す。表中、テトラメチルエチレング
リコール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロロヒドリ
ン硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナトリウムを
それぞれ、TE-S-Na 、PC-S-Na 及びDN-S-Na と記す。
対照と比較してHTLV−III B感染により死滅してゆ
く細胞を50%に抑える濃度)を求めたところ、テトラ
メチルエチレングリコール硫酸ナトリウム、α−プロピ
レンクロロヒドリン硫酸ナトリウム及び1−デカノール
硫酸ナトリウムで、それぞれ、88.4μg/ml、75.5μ
g/ml及び667.6μg/mlであった。
て、HTLV−IIIBに非感染のMT−4細胞の増殖に及
ぼす薬剤の影響を観察した。試験例1と同様、実験方法
は、パウエル等の方法に従った(Pauwels 等、J. Viro
l. Methods ,Vol. 20, pp309〜321(1988))。96穴マ
クロタイタープレートに、種々の濃度のテトラメチルエ
チレングリコール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロ
ロヒドリン硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナト
リウムの各薬剤と、HTLV−IIIB非感染MT−4細胞
を加えた。炭酸ガスインキュベーターで37℃5日間培
養した後、MTT法で、吸光度を測定することにより生
存細胞数を測定した。対照として、薬剤無添加でHTL
V−IIIB非感染MT−4細胞を同様に培養して、生存細
胞数を測定した。上記生存細胞数より生存率(%)を以
下のようにして求めた。 (各薬剤添加した時の生存細胞数/対照における生存細
胞数)×100 その結果を表2に示す。表中、テトラメチルエチレング
リコール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロロヒドリ
ン硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナトリウムを
それぞれ、TE-S-Na 、PC-S-Na 及びDN-S-Na と記す。
コール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロロヒドリン
硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナトリウムのい
ずれも、1,000 μg/mlにおいて、HTLV−III B非感
染MT−4細胞の高い生存率を示した。
ル、2,3-ブタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリ
セロール及びペンタグリセロールの各硫酸化物(ナトリ
ウム塩)について、上記試験例1と同様の試験を行い、
有効率を求め、さらにEC50を求めた。また試験例2と
同様の試験を行い、生存率を求め、HTLV−III B非
感染MT−4細胞の増殖に及ぼす影響を、薬剤無添加の
ときの細胞生存数と比較して50%の細胞が生き残る濃
度(CC50)で表した。下記表3に、テトラメチルエチ
レングリコール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロロ
ヒドリン硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナトリ
ウムも含めて、各種薬剤のEC50値及びCC50値をまと
める。
活性が高く、またCC50値が高い程、細胞毒性が低いこ
とから、上記薬剤の中でもとりわけ、テトラメチルエチ
レングリコール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロロ
ヒドリン硫酸ナトリウム、1−デカノール硫酸ナトリウ
ム、プロピレングリコール硫酸ナトリウム、2,3-ブタン
ジオール硫酸ナトリウム、グリセロール硫酸ナトリウム
及びペンタグリセロール硫酸ナトリウムが優れているこ
とがわかる。
プロピレンクロロヒドリン硫酸ナトリウム及び1−デカ
ノール硫酸ナトリウムについて、逆転写酵素阻害活性を
測定した。反応液60μl は、逆転写酵素20μl 、薬
剤溶液20μl 、ポリ(rA)−オリゴ(dT)15+ヌ
クレオチド20μl を含む。逆転写酵素としては、HI
V由来のものを使用した。上記反応液を37℃、1時間
恒温槽にて反応させた。更に、200mU/ml抗DI
G−PODを200μl 添加し、37℃、1時間反応さ
せた。この液に1mg/ml ABTS基質200μl を
添加し、ポジティブサンプルが緑色になるまで室温放置
した。マイクロタイタープレートリーダーを用いて、4
90nmの吸収を測定した。阻害率は、薬剤無添加のも
の(反応液60μl 中、逆転写酵素20μl 、薬剤の代
わりに希釈用バッファー20μl 、ポリ(rA)−オリ
ゴ(dT)15+ヌクレオチド20μl を含む)と比較し
て求めた。結果は下記表4に示す。
て、200μg/mlの濃度にて、テトラメチルエチレ
ングリコール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロロヒ
ドリン硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナトリウ
ムを各々添加し3日間培養したところ、細胞の増殖に対
する抑制を示さなかった。
コール硫酸ナトリウム、α−プロピレンクロロヒドリン
硫酸ナトリウム及び1−デカノール硫酸ナトリウムを各
々100mg/kg 腹腔内投与したところ、顕著な毒性は観
察されなかった。
g 含有するように粉末ブドウ糖5gを加えてバイアルに
無菌的に分配し、密封した上、窒素、ヘリウム等の不活
性ガスを封入して冷暗所に保存する。使用前に0.85%生
理食塩水500mlを添加して静脈内注射剤として1日10〜5
00ml を症状に応じて静脈内注射または点滴で投与す
る。
用した他は、実施例1と同様の方法により軽症用静脈内
注射剤を製造し、1日、10〜500ml を症状に応じて静脈
内注射または点滴で投与する。
びステアリン酸アルミニウムゲル100mg に溶解し密封し
た上、窒素、ヘリウム等の不活性ガスを封入して冷暗所
に保存し、皮下注射用製剤とする。症状に応じて1日
に、1回1〜10mgを皮下注射で投与する。また、前記製
剤を0.5ml ずつカプセルに分注して経口用カプセル剤と
し、1日、1〜10カプセルを症状に応じて経口投与す
る。
(ロ)各々1,000 個を製造した。 [A] (イ) (ロ) テトラメチルエチレン 100 (g) 50 (g) グリコール硫酸ナトリウム 乳糖 99.4 49.7 ヒドロキシプロピルセルロース 0.6 0.3 ステアリン酸マグネシウム 2.0 1.0 [B] (イ) (ロ) 酢酸フタル酸セルロース 6.0 (g) 4.0 (g) ヒドロキシプロピルメチル 6.0 4.0 セルロースフタレート [A] の成分を各々取り、よく混合し、この混合物を直接
に加圧するか、またはよく練合した後、押出し型製粒機
のスクリーンを通して顆粒成形を行い、十分によく乾燥
したものを加圧して錠剤を製造した。次に、成形された
錠剤によく溶解させた[B] の基材を被覆して腸溶性の錠
剤とする。
粒状に成形し、それをよく乾燥して篩別し、ビン、ヒー
トシール包装などに適した顆粒剤を製造した。次に、こ
の顆粒を浮遊流動させながら、溶解した[B] の基材を被
覆し、腸溶性の顆粒剤とする。
(イ)は大人用、(ロ)は小人用である。 [A] (イ) (ロ) グリセロール硫酸ナトリウム 100 (g) 50 (g) 乳糖 24.6 74.4 ヒドロキシプロピルセルロース 0.4 0.4 [B] (イ) (ロ) 酢酸フタル酸セルロース 10 (g) 10 (g) ヒドロキシプロピルメチル 10 10 セルロースフタレート 上記の成分で実施例5に記載したのと同様の方法でカプ
セルに適した腸溶性の顆粒剤を製造し、その組成物をカ
プセルに充填して腸溶性カプセルとした。
は、低毒性であり、且つ顕著な抗ウイルス活性を示す。
従って、本発明は優れた抗ウイルス剤を提供でき、また
本発明の抗ウイルス剤は特に抗エイズウイルス剤として
有用である。上記有効成分はまた逆転写酵素阻害剤とし
ても有用である。
ル硫酸ナトリウムの赤外線吸収スペクトルである。
硫酸ナトリウムの赤外線吸収スペクトルである。
の赤外線吸収スペクトルである。
Claims (5)
- 【請求項1】 脂肪族アルコールの硫酸化物及びそれら
の生理学的に許容しうる塩類からなる群から選ばれる少
なくとも1種を有効成分とする抗ウイルス剤。 - 【請求項2】 硫酸化物が、1−デカノール、テトラメ
チルエチレングリコール、α−プロピレンクロロヒドリ
ン又はグリセロールの硫酸化物である請求項1記載の抗
ウイルス剤。 - 【請求項3】 塩類がナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩又
はテトラブチルアンモニウム塩である請求項1又は2記
載の抗ウイスル剤。 - 【請求項4】 ウイルスがエイズウイルスである請求項
1〜3のいずれか1項記載の抗ウイルス剤。 - 【請求項5】 1−デカノール硫酸化物、テトラメチル
エチレングリコール硫酸化物又はα−プロピレンクロロ
ヒドリン硫酸化物、又はそれらの生理学的に許容しうる
塩類。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32305895A JP3964943B2 (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 抗ウイルス剤 |
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---|---|---|---|
JP32305895A JP3964943B2 (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 抗ウイルス剤 |
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---|---|---|---|
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