JPS638923B2 - - Google Patents

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JPS638923B2
JPS638923B2 JP54018709A JP1870979A JPS638923B2 JP S638923 B2 JPS638923 B2 JP S638923B2 JP 54018709 A JP54018709 A JP 54018709A JP 1870979 A JP1870979 A JP 1870979A JP S638923 B2 JPS638923 B2 JP S638923B2
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JP
Japan
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compound
clathrate
cells
clathrate compound
test
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JP54018709A
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Inventor
Setsuo Takeuchi
Mutsuyuki Kochi
Akira Kawarada
Kazuya Sasaki
Tsuneo Saida
Yukio Inoe
Shinichiro Esumi
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、サリチルアルデヒドをシクロデキス
トリン(Cyclodextrin)をホスト化合物として包
接させてなるサリチルアルデヒド包接化合物を有
効成分とする新規な制癌剤に関するものである。 サリチルアルデヒドは、香料として用いられる
他、クマリンの合成原料として、また銅、ニツケ
ルの検出、定量やスカンジウムの検出などの分析
試薬として有用な物質であり、分子式C7H6O2
分子量122.12、沸点196−197℃の液体で、水に微
溶、エタノール及びエーテルその他の有機溶剤に
可溶の性質をもつクヘントウ油様の快香を有する
無色の液体である。 このように、サリチルアルデヒドは、液状物質
で酸化し易い性質をもつているために、香料とし
て用いる場合には効果の持続がむづかしく、また
本発明者によつて新たに見出された如く制癌剤と
して用いるときにはその製剤化がむづかしく、計
量、分包、服用等が困難であるという欠点があ
る。 このような問題を解決するために、本発明者
は、鋭意研究の結果、サリチルアルデヒドがシク
ロデキストリンをホスト(host)化合物として包
接化合物を形成し、粉末状のサリチルアルデヒド
−シクロデキストリン包接化合物が得られること
を見出し、且つその自動酸化が防止され、安定性
及び刺戟性において顕著な改善をもたらすことに
よつて前述の欠点を解消することに成功し、こゝ
に本発明のサリチルアルデヒド包接化合物を有効
成分とする制癌剤を完成するに至つた。 本発明において、サリチルアルデヒドをゲスト
化合物としてホストのシクロデキストリンにより
包接化合物を形成させるに当り、従来技術の包接
化合物の生成法に用いられる飽和水溶液法、混練
法及び凍結燥作法などを適宜適用することができ
る。 シクロデキストリンは、グルコースの構成単位
数によりα型、β型及びγ型などに分けられ、本
発明においていずれも用い得るが、その包接能か
らβ型が特に有効である。β−シクロデキストリ
ンは、グルコース単位数7、分子量1135、〔α〕25 D
(H2O)+162.5゜、溶解性(g/100ml・H2O、25
℃)1.85の白色の結晶性粉末であり、急性毒性
(LD50)値(g/Kg)はマウス及びラツトの経口
投与でそれぞれ>12.5及び>12の極めて安全性の
高い物質である。 上記包接化合物の生成法は、例えば、飽和水溶
液法によれば、まずβ−シクロデキストリンの飽
和水溶液を作り、前記ゲスト化合物を混合し、30
分ないし数時間撹拌すると、包接物が沈澱として
得られる。また、前記ゲスト化合物をアセトン、
エーテル等の有機溶媒に溶かしてβ−シクロデキ
ストリン飽和水溶液に加えて分散した後、同様に
撹拌して包接物を沈澱として採取することもでき
る。 また、混練法によれば、β−シクロデキストリ
ンに2〜5倍量の水を加えてスラリーとし、これ
に予め確認しておいた包接当量の前記ゲスト化合
物を入れ、乳鉢、擂漬機等でよく練つて含水包接
物を得ることができる。この包接物は、乾燥した
後、必要に応じ安定包接体を作るに適した溶媒で
洗浄すれば、未包接の前記ゲスト化合物が除去さ
れ、ほぼ一定組成の安定な包接化合物となる。こ
の包接化合物は、更に通気乾燥或いは減圧乾燥す
ることによつて水分を含まない安定な包接化合物
とすることができる。 なお、上記包接化合物を生成するに当つて、上
記溶媒の他、前記ゲスト化合物を溶解し、水と混
和し得る有機溶媒として、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキサ
イド等を用いることが出来る。また、これらの包
接化合物を製造する際の温度及び撹拌の条件につ
いては特に限定されることなく、室温で十分行な
い得るが、シクロデキストリンは加温によつて水
に対する溶解性が増大し、撹拌によつて反応が促
進されるため、これらを適宜に併用すれば、目的
の包接化合物を効率よく取得することができる。 このようにして包接化合物の生成は、上記製造
過程で得られる白色の沈澱生成物としての前記ゲ
スト化合物の消失により確認し得るが、その包接
化合物の組成はメタノールで抽出、或いはDMF
に溶解した後、直接或いはエーテル等の溶媒で再
抽出してガスクロマトグラフイーにより分析する
ことによつて確認される。また、水蒸気蒸溜法
で、上記包接化合物を水に懸濁して重曹塩基性
(PH8.0)となし、水蒸気蒸溜して溜出物のガスク
ロマトグラフイーの検出強度から計算して定量す
ることができる。また、更には赤外吸収スペクト
ルによつてシクロデキストリン自体と上記包接化
合物のスペクトルを比較することによつても容易
に上記包接化合物を解認することができる。 この定量の結果、ほぼ等モルの比率で生成物中
に前記ホスト化合物が含有されていることが明ら
かにされる。 本発明で得られた包接化合物は、通気乾燥或い
は減圧乾燥することにより粘着性の全くない無臭
の白色粉末として得られ、前記ゲスト化合物が完
全に包接されているために通常の打錠機による加
圧によつても錠子表面における油状のしみ出しが
全く見られず、また特有の刺戟性は完全に解消さ
れる。 なお、上記包接化合物に薬理上許容し得る他の
賦形剤、例えば崩壊剤、希釈剤、矯味剤等を加え
ることは何ら差支えなく、常法によつて錠剤、散
剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤等の剤型に容易に
製剤化することができる。 本発明の制癌剤は、前記サリチルアルデヒド包
接化合物が制癌作用を有することの新たな知見に
基づき、本発明者が鋭意研究の結果、該化合物が
癌治療に顕著な効果を発揮し得ることを見出して
完成されたものである。 従来、癌化学療法剤として、アルキル化剤(ナ
イトロゼンマスタード類、エチレンイミン類、ス
ルフオン酸エステル類、ニトロソウレア類)、代
謝拮抗物質(メトトレキセート、フトラフール、
シトシンアラビノサイド、シクロシチジン等)、
植物性抗癌剤(コルセミド、ビンブラスチン、ボ
ドフイリン等)、抗性物質(ブレオマイシン、ア
ドリアマイシン、マイトマイシン等)、ホルモン
類(副腎ステロイド、男性ホルモン、女性ホルモ
ン)、免疫賦活剤(クレスチン、ピシバニール等)
及びポルフイリン錯塩(マーフイリン、COPP)
等が用いられているが一般に制癌物質の作用は癌
細胞だけでなく正常細胞にも作用するために毒性
が強く、重大な副作用を呈するので、感染症に対
する化学療法剤の如く大量の薬剤を使用すること
によつて十分な効果をあげることは困難な現状に
ある。このような背景の下に、従来の癌化学療法
剤の多くがSV40発癌ウイルスによる癌化細胞よ
りもエールリツヒ腫腸などの移植癌に対して感受
性が高い、いわゆる生体細胞毒性型の物質である
のに対し、本発明の制癌剤の有効成分は、SV40
発癌ウイルスによつて癌化した細胞に作用して高
い感受性を示す点において、従来の癌化学療法剤
の作用機作とは異なる特異的な制癌作用に基づく
ものと考えられ、且つ極めて安全性が高いので、
制癌剤としてすぐれた特色を有するものである。 また、この結果は、動物実験によつて更に確認
せられた。 従つて、本発明の制癌剤は、すぐれた薬効と安
全性を有するので、人、家畜、犬、猫等々の温血
動物に対する癌化学療法剤としてすぐれたものと
考えられる。 本発明の制癌剤は、経口及び非経口投与のいず
れも使用可能であり、経口投与する場合は軟・硬
カプセル剤又は錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤とし
て投与され、非経口投与する場合は、注射剤、点
滴剤及び固体状又は懸濁粘稠液状として持続的な
粘膜吸収が維持できるように坐薬のような剤型で
投与され得る。 本発明の制癌剤組成物の有効成分の割合は、剤
型によつて変更し得るが、通常、経口又は粘膜吸
収に投与されるとき、ほぼ0.3〜80.0重量%が適
当であり、非経口投与されるときは、ほぼ0.01〜
80.0重量%が適当である。 また、本発明の有効成分を製剤化するに当つて
は、上記化合物は常法に従い、水溶性懸濁液、油
性製剤などにして皮下或いは静脈注射用製剤とす
ることができる他、カプセル剤、錠剤、細粒剤等
の剤型に製剤化して経口用に供することができ
る。 本発明の有効成分の製剤化に用いられる界面活
性剤、賦形剤、滑沢剤、佐剤及び医薬的に許容し
得る皮膜形成物質等を挙げれば、次のとおりであ
る。 本発明の組成物の崩壊、溶出を良好ならしめる
ために、界面活性剤、例えばアルコール、エステ
ル類、ポリエチレングルコール誘導体、ソルビタ
ンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類
等の1種又は2種以上を添加することができる。 また、賦形剤として、例えば蔗糖、乳糖、デン
プン、結晶セルロース、マンニツト、軽質無水珪
酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミ酸
マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カル
シウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシ
ウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等
の1種又は2種以上を組合せて添加することがで
きる。 滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシ
ウム:タルク、硬化油等を1種又は2種以上添加
することができ、また矯味剤及び矯臭剤として、
食塩、サツカリン、糖、マンニツト、オレンジ
油、カンゾウエキス、クエン酸、ブドウ糖、メン
トール、ユーカリ油、リンゴ酸等の甘味剤、香
料、着色剤、保存料等を含有させてもよい。 懸濁剤、湿濁剤の如き佐剤としては、例えばコ
コナツト油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳
酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質等を含
有させることができる。 また、上記包接化合物を長時間の保存に耐える
安定性及び耐酸性を附与して薬効を完全に持続さ
せるために、更に医薬的に許容し得る皮膜を施し
て製剤化すれば、すぐれた安定性を有する制癌剤
組成物とすることができる。 皮膜形成物質としては、セルロース・糖類等の
炭水化物誘導体として酢酸フタル酸セルロース
(CAP)、またアクリル酸系共重合体、二塩基酸
モノエステル類等のポリビニル誘導体としてアク
リル酸メチル・メタアクリル酸共重合体、メタア
クリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体が挙げ
られる。 また、上記皮膜形成物質をコーテイングするに
際し、通常使用されるコーテイング助剤、例えば
可塑剤の他、コーテイング操作時の薬剤相互の付
着防止のための各種添加剤を添加することによつ
て皮膜形成剤の性質を改良したり、コーテイング
操作をより容易ならしめることができる。 また、投与量は、所望の治療効果及び治療期間
によつて左右されるが、大人では通常、1日当り
上記包接化合物として5.0〜10000mg、小人では通
常、5.0〜5000mgである。 次に、上記化合物の制癌活性を確認した後述の
SV40による制癌性試験法について述べる。 C3Hマウスの腎細胞をSV40発癌ウイルスで癌
化させた細胞W2K・11を供試細胞とし、これを
次の方法によつて培養した。 (1) 増殖培養液の調製 イーグルMEM培地9.4gを蒸留水900mlに溶
かし、120℃、15分間加圧滅菌し、冷却後、仔
牛血清100ml及び別途115℃、15分間加圧滅菌し
た10%炭酸水素ナトリウム液を3〜5ml加えて
PH7.1〜7.2に補正する。接地使用直前にミリポ
ア・フイルターで過したL−グルタミン
(2.92g/100ml)溶液10mlを加える。 なお、供試細胞の保存には、更に最終濃度10
%のジメチルスルホキサイドを加える。 (2) 移殖細胞の調製 ジープ・フリーザー(−80℃)で保存された
供試細胞を室温で溶解させ、670g、5分間遠
心分離して上清を捨て、沈殿した細胞を増殖培
地50mlに懸濁した後にルー・フラスコに移し、
37℃で培養すると、細胞はフラスコ底面に附着
しながら増殖を始め、3〜4日で十分に増殖す
る。培養液をデカントし、次いで0.2%トリプ
シン溶液〔イーグルMEM培地(日本製薬(株)
製)4.7g、重曹0.6g及びトリプシン/gを蒸
留水500mlに溶かし、ミリポア・フイルターで
過した溶液〕10mlを加えて室温で2〜3分間
トリプシン処理した後、トリプシン溶液をデカ
ントする。更に新鮮な増殖培地50mlを加え、駒
込ピペツトで附着している細胞を洗い落して細
胞浮遊液とする。一部はルー・フラスコを用い
て継代培養する。 (3) 細胞培養と被験化合物の投与 前記細胞浮遊液1.8mlをデイスポーザル・シ
ヤーレ(直径35mm)に分注し、炭酸ガスインキ
ユベーター(5%CO2、95%air)中で37℃、
24時間培養する。 この時点で被験化合物の溶液0.2mlを投与し
て培養を継続する。 細胞増殖の状態は、倒立顕微鏡を用いて連日
観察し、投与後、48時間に細胞の生存数を数え
る。なお、被験化合物は、蒸留水又はエタノー
ル(最終濃度2%)に溶解させた後、ミリポ
ア・フイルターで過する。 (4) 細胞数の数え方 被験化合物投与後、48時間のシヤーレをデカ
ントして上清(培養液)を捨て、前記0.2%ト
リプシン溶液1.0mlでシヤーレの底に附着した
細胞を処理すると単細胞になる。これをデカン
トしてトリプシン溶液を除去し、10ミリモルの
燐酸緩衝液(PH7.0)を含む生理食塩水で細胞
浮遊液を作り、その一部の1ないし2滴を血球
計算板にとり、カバーグラスをかぶせて顕微鏡
下で細胞数を数える。 供試細胞増殖の抑制率は、次式により求め
た。 抑制率(%)=(被験化合物無投与シヤーレ中の細胞数)
−(被験化合物投与シヤーレ中の細胞数)/(被験化合
物無投与シヤーレ中の細胞数)×100 次に、サリチルアルデヒドの毒性については、
低分子構造のために代謝において速かに生体外に
排泄されるので副作用を生じないこと、またラツ
トによるMLDs・c・値は1.0g/Kg〔Handbook
of Toxicology、P・262(1956年)参照〕であつ
て従来既知の制癌物質に比し極めて低毒性であ
る。 以下に、本発明のサリチルアルデヒド包接化合
物の製造に関する参考例とサリチルアルデヒド包
接化合物を有効成分とする制癌剤に関する製剤例
及び試験例について詳述する。 参考例 1 β−シクロデキストリン150gを水3000mlに40
℃で溶解させた後、サリチルアルデヒド(東京化
成工業(株)製)21gを加えて40℃でマグネチツクス
ターラーで2時間撹拌し、室温(20℃)まで冷却
すると、白色の沈澱物が得られる。この沈澱物を
取し、通気乾燥して120gの包接化合物が得ら
れた。 得られた包接化合物をβ−シクロデキストリン
(対照)と比較するため、赤外吸収スペクトルを
測定した結果、第1図のβ−シクロデキストリン
に比し第2図の上記サリチルアルデヒド−シクロ
デキストリン包接化合物は、明らかに差違が認め
られ、上記包接化合物であることが確認された。 即ち上記包接化合物の特徴的吸収極大値として
次の値(cm-1)を挙げることが出来る。 1680、1658、1630、1500、1470及び1280 参考例 2 β−シクロデキストリン150gを水3000mlに40
℃で溶解させた後、サリチルアルデヒド21gを加
えて室温で1日放置すると、白色の沈澱物が得ら
れる。この沈澱物を取し、通気乾燥して100g
の包接化合物が得られた。 参考例 3 β−シクロデキストリン150gを水3000mlに溶
解し、一方サリチルアルデヒド21gをメタノール
100mlに溶解した溶液と混合し、室温で2日放置
すると、白色の沈澱物が得られ、更にこの沈澱物
を取して通気乾燥して100gの包接化合物が得
られた。 参考例 4 メタノールに代えてアセトン100mlを用いた他
は、すべて参考例3と同一の方法により100gの
包接化合物が得られた。 製剤例 1 (注射・点滴剤) 参考例1の包接化合物500mgを含有するように
粉末ぶどう糖5gを加えてバイアルに無菌的に分
配し、密封した上、窒素、ヘリウム等の不活性ガ
スを封入して冷暗所に保存する。使用前に、0.85
%生理的食塩水500mlを添加して静脈内注射剤と
し1日、10〜500mlを症状に応じて静脈内注射又
は点滴で投与する。 製剤例 2 (注射・点滴剤) 例考例1の包接化合物50mgを用いた他は、製剤
例1と同様の方法により軽症用静脈内注射剤と
し、1日、10〜500mlを症状に応じて静脈内注射
又は点滴で投与する。 製剤例 3 (注射剤・カプセル剤) 参考例1の包接化合物30mgを精製ゴマ油1g及
びステアリン酸アルミニウムゲル100mgに溶解し
密封した上、窒素、ヘリウム等の不活性ガスを封
入して冷暗所に保存し、皮下注射用製剤とする。
症状に応じて1日に1回、1〜10mlを皮下注射で
投与する。 また、前記製剤を0.5mlづつカプセルに分注し
て経口用カプセル剤とし、1日、1〜10カプセル
を症状に応じて経口投与する。 製剤例 4 (腸溶性錠剤) 参考例1で得られた包接化合物を用い、以下の
成分組成で腸溶性錠剤大人用(イ)及び小人用(ロ)各々
1000個を製造した。
〔A〕
主 剤 (サリチルアルデヒド包接化合物) 100(g) 乳 糖 737 ヒドロキシプロピルセルロース 3 〔B〕 酢酸フタル酸セルロース 80(g) ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート 80 〔A〕の成分を各々とり、よく混合した後、常
法に従つて粒状に成形し、それをよく乾燥して篩
別し、ビン、ヒートシール包装などに適した顆粒
剤を製造した。次に、この顆粒を浮遊流動させな
がら溶解した〔B〕の基材を被覆し、腸溶性の顆
粒剤とする。この顆粒剤は、日局の崩壊試験器を
用いて崩壊試験を行つたところ、PH1.2の人工胃
液に1時間振盪しても崩壊しない。PH7.5の人工
腸液では5分で崩壊した。 製造例 6 (腸溶性カプセル剤) 以下の成分で腸溶性カプセル剤1000個を製造し
た。
【表】 ルセルロースフタレート
上記の成分で製剤例5に記載した同様の方法で
カプセル用に適した腸溶性の顆粒剤を製造し、そ
の組成物をカプセルに充填して腸溶性カプセルと
した。 このカプセルは、日局の崩壊試験器を用いて崩
壊試験を行つたところ、PH1.2の人工胃液に1時
間振盪しても崩壊または溶出を認めず、PH7.5の
人工腸液に5分で崩壊または全量が溶出した。 試験例 1 (SV40法) 参考例1の包接化合物を用い、前記試験法によ
りSV40発癌ウイルスによつて癌化したC3Hマウ
スの癌細胞W2K・11の増殖抑制率(%)を算出
すると、次のとおりの結果が得られた。
〔考察〕
試験例の結果から明らかなように、上記被験化
合物は、すぐれた制癌活性を有することが立証さ
れた。 なお、上記被験化合物は従来の癌化学療法剤の
多くが動物の移殖癌に比し、SV40発癌ウイルス
による癌化細胞に活性が極めて低いのに対して上
記化合物がこれに作用して抑制効果を示し、且つ
極めて低毒性であることは極めて特徴的であるこ
とに注目すべきである。 即ち、従来の細胞毒性型の制癌剤の多くは動物
の実験腫瘍、即ち移植癌に対して顕著な活性を示
すのに比し臨床的には多くの問題点を残してお
り、有効例は極めて少いのが実状であつて、これ
は移植癌と初発癌との間の根本的な差異に基づく
ものと考えられ、人為的な初発癌ともいえる
SV40ウイルス誘発癌に活性を有し、且つ低毒性
である上記化合物は極めて特徴的な制癌活性を有
するものと認められるものである。 試験例 2 (動物実験) 4〜5週令のICRマウス10匹を用い、腹腔内に
ザルコーマ180(Sarcoma180)(腹水型)の細胞
数1×104を接種し、接種後、24時間してから上
記被験化合物の水溶液(20mg/Kg×2回)を20日
間連続して腹腔内注射で投与して延命効果を調べ
たところ、延命日数(処置/対照)は>28.9/
18.2で、延命率は>159%(60日以上生存)であ
り、顕著な延命効果が認められた。また、同様
に、P388(腹水型)の細胞数1×105を接種し、
接種後、24時間してから上記被験化合物の水溶液
(5mg/Kg×2回)を7日間連続して腹腔内注射
で投与して延命効果を調べたところ、延命日数は
>16.4/9.8で、延命率は>167%(30日以上生
存)であり、顕著な延命効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、β−シクロデキストリンの赤外吸収
スペクトル、第2図は、サリチルアルデヒド−シ
クロデキストリン包接化合物の赤外吸収スペクト
ルをそれぞれ示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 サリチルアルデヒド包接化合物を有効成分と
    する制癌剤。 2 経口投与形態による特許請求の範囲第1項記
    載の制癌剤。 3 非経口投与形態による特許請求の範囲第1項
    記載の制癌剤。
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JPS5083454A (ja) * 1973-11-26 1975-07-05

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JPS5083454A (ja) * 1973-11-26 1975-07-05

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