JPH09157086A - 単結晶の育成方法 - Google Patents

単結晶の育成方法

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JPH09157086A
JPH09157086A JP31896195A JP31896195A JPH09157086A JP H09157086 A JPH09157086 A JP H09157086A JP 31896195 A JP31896195 A JP 31896195A JP 31896195 A JP31896195 A JP 31896195A JP H09157086 A JPH09157086 A JP H09157086A
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JP31896195A
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Tatsuya Nozaki
竜也 野崎
Hiromasa Yamamoto
裕正 山本
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Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料融液に種結晶を接触させて結晶成長を行
う際に、原料融液と種結晶との固液界面に異常成長が起
こるのを抑制して大口径の単結晶を歩留まり良く得るこ
とができる結晶育成方法を提供する。 【解決手段】 CZ法やLEC法により単結晶を育成す
る際に、種結晶として、少なくとも原料融液の表面と接
触する下端近傍の側面が滑らかな曲面で構成されている
ようなものを用いる。すなわち、種結晶の少なくとも下
端近傍の横断面形状が、仮想の正方形101や仮想の長
方形111の頂角部を滑らかな円弧状とした形状10
0,110(すなわち、頂角部を面取りしたような形
状)、または円形120もしくは楕円形130など、角
張る部分のないような形状の種結晶を用いる。そうする
ことによって、種結晶と原料融液との固液界面に結晶の
異常成長が生じるのを抑制することができるので、単結
晶育成の歩留まりが向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種結晶を用いた単
結晶の育成方法に関し、特にチョクラルスキー法(以
下、CZ法とする。)や液体封止チョクラルスキー法
(以下、LEC法とする。)による結晶育成に適用して
有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】Si単結晶を製造する方法として、原料
融液の表面に種結晶を接触させて徐々に引き上げるCZ
法が知られている。また、GaAsやInP等の化合物
半導体単結晶は、原料融液の表面を封止剤で覆った状態
で種結晶を接触させて引き上げるLEC法により育成さ
れる。育成された結晶に対する単結晶の収率、転位密度
及び結晶性等の特性は、使用される種結晶の面方位や形
状の影響を受けて変わる。そこで、単結晶の収率、転位
密度及び結晶性等の特性を改善するために、種結晶に関
する種々の提案がなされている。
【0003】特開昭58−161999号公報には、G
aAs単結晶を育成する際、種結晶の結晶成長面を{1
00}面から±3°の範囲内で傾斜させるようにした発
明に関して開示されている。この発明によれば、原料融
液に対する種付けが容易になるとともに、育成結晶中に
双晶及び多結晶が生じ難いという効果が得られる。
【0004】特開昭60−145989号公報には、G
aAs、GaP、InAs及びInPなどの閃亜鉛鉱型
結晶構造の単結晶を育成する際に用いる種結晶につい
て、その形状を直方体棒状とし、結晶成長面の方位を実
質的に{100}面とするとともに、側面を{100}
面または結晶成長面に垂直な軸を回転軸として{10
0}面から20°以内回転させた面とした発明に関して
開示されている。この発明によれば、結晶育成中におけ
る種結晶の破損が起こり難くなり、単結晶の収率が著し
く向上するという効果が得られる。
【0005】特開昭60−180993号公報には、G
aAs単結晶を育成する際、引き上げる単結晶の外径に
近い断面寸法の種結晶を用いるようにした発明に関して
開示されている。この発明によれば、結晶肩部を形成せ
ずに済む。また、温度変動の大きいるつぼ中心部からの
結晶成長を回避できるので、デンドライト状の結晶成長
が起こり難く、転位の少ない単結晶が得られる。
【0006】特開昭62−70293号公報には、Ga
As、GaP、InAs及びInPなどの化合物半導体
単結晶を育成する際、種結晶の結晶成長面を(10
0)、(111)または(110)面から所定角度傾斜
した面とするようにした発明に関して開示されている。
この発明によれば、エピタキシャル膜を成長させる基板
として適した良好な表面状態の単結晶ウェハを得ること
ができるとされている。
【0007】特開平1−203286号公報には、S
i、GaAs及びInPに代表されるダイヤモンド型、
閃亜鉛型または面心立方型の結晶構造の単結晶を育成す
る際、種結晶の結晶成長面を〈870〉方位とするよう
にした発明に関して開示されている。この発明によれ
ば、転位の少ない単結晶を得ることができるとされてい
る。
【0008】特開平1−203287号公報には、S
i、GaAs及びInPに代表されるダイヤモンド型、
閃亜鉛型または面心立方型の結晶構造の単結晶を育成す
る際、種結晶の結晶成長面を〈110〉方位とするよう
にした発明に関して開示されている。この発明によれ
ば、転位の少ない単結晶を得ることができるとされてい
る。
【0009】特開平4−130095号公報には、フラ
ットトップで引き上げてInP単結晶を育成する際、種
結晶下部の横断面形状を、結晶成長時にファセット面
(安定して成長する面)がP面となる辺の長さとIn面
となる辺の長さとの比が所定の範囲内に納まるような形
状とし、かつ(001)方位の種結晶を用いるようにし
た発明に関して開示されている。この発明によれば、結
晶成長初期に正方形状に結晶が成長する確率が高くな
り、単結晶成長のために非常に有効である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近時、大口径ウェハの
需要が高くなり、GaAsでは直径4インチ、InPで
は直径3インチのウェハが使用されることがある。その
ような大口径の結晶を引上げ法により工業的に製造する
際には、口径が150mm以上、場合によっては250mm
を超えるようなるつぼが使用される。
【0011】しかし、るつぼの口径が大きくなると、種
結晶の径がるつぼの口径よりもかなり小さい場合には、
原料融液と種結晶との固液界面にてデンドライト状の異
常成長が起こり、単結晶の育成が困難になるという問題
点がある。この問題は、上述した種々の従来技術をもっ
てしても解決することはできない。また、引き上げる単
結晶の外径に近い断面寸法の種結晶を用いる場合には、
育成結晶の大口径化により種結晶の径も大きくなり、種
結晶のコストが増大化するという問題点がある。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、原料融液に種
結晶を接触させて結晶成長を行う際に、原料融液と種結
晶との固液界面に異常成長が起こるのを抑制して大口径
の単結晶を歩留まり良く得ることができる結晶育成方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、大口径るつぼを用いる場合に異常成
長が起こり易くなる原因について検討を行った。その結
果、るつぼ中心部における原料融液内の径方向の温度勾
配が小さくなって、育成初期段階における結晶成長が不
安定になることと、直方体である種結晶の側面の四隅が
成長核になり易いことと、種結晶の側面と稜とでは結晶
を介した放熱効果が異なることとの相乗効果により異常
成長が起こるとの知見を得た。
【0014】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、原料を入れたるつぼを炉内に設置し、ヒーターによ
り加熱して溶融させ、原料融液表面に種結晶を接触させ
て徐々に引き上げることにより単結晶を育成するにあた
り、種結晶の少なくとも原料融液と接触する部分の近傍
の側面が曲面で構成されていることを特徴とするもので
ある。このような種結晶を用いることにより、種結晶と
原料融液との固液界面に結晶の異常成長が生じるのが抑
制される。
【0015】具体的には、前記種結晶の少なくとも原料
融液と接触する部分の近傍の横断面形状が、4つの直線
状の辺と、それら4つの辺のうちの隣り合う辺同士を滑
らかに繋ぐ4つの円弧とで囲まれてなる形状をしてお
り、前記4つの辺は、そのうちの隣り合う2つの辺のそ
れぞれの仮想の延長線同士が直交するような関係になっ
ている形であってもよい。そして、前記種結晶の少なく
とも原料融液と接触する部分の近傍の横断面形状におけ
る前記円弧部分の曲率半径が、種結晶の当該横断面に外
接する仮想の長方形のうちの最小のものの短辺の長さの
10%以上の大きさ、または種結晶の当該横断面に外接
する仮想の正方形のうちの最小のものの一辺の長さの1
0%以上の大きさになっていてもよい。前記円弧部分の
曲率半径が上述した10%以上の大きさであれば、結晶
が異常成長するのを抑制する効果が十分に得られる。
【0016】また、前記種結晶の少なくとも原料融液と
接触する部分の近傍の横断面に外接する仮想の長方形の
うちの最小のものの短辺の長さ、または前記種結晶の少
なくとも原料融液と接触する部分の近傍の横断面に外接
する仮想の正方形のうちの最小のものの一辺の長さは、
育成する単結晶の直胴部の直径の3%以上でかつ10%
以下の長さであってもよい。その理由は、仮想の長方形
の短辺または仮想の正方形の一辺の長さが上記3%未満
では大口径で長尺の単結晶を引き上げるためには種結晶
の強度が十分でなく、10%を超えると種結晶が大きく
なって不経済となってしまうからである。
【0017】あるいは、前記種結晶の少なくとも原料融
液と接触する部分の近傍の横断面形状が円形であっても
よいし、楕円形であってもよい。円形の場合にはその直
径は、育成する単結晶の直胴部の直径の3%以上でかつ
10%以下の長さであってもよい。また、楕円形の場合
にはその短軸の長さは、育成する単結晶の直胴部の直径
の3%以上でかつ10%以下の長さであってもよい。
【0018】種結晶の少なくとも原料融液と接触する部
分の近傍の横断面形状が、仮想の正方形に内接しかつそ
の仮想の正方形の四隅部に相当する4つの円弧の曲率半
径が同一であるような形状、または円形状であれば、結
晶成長が均一に起こり、好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の一例を説明す
る。
【0020】本発明の実施に供せられる単結晶引上げ装
置の一例を図1に示す。この装置は、密閉型の高圧容器
3内に略円筒状のヒーター4が配設されており、このヒ
ーター4の中央にるつぼ5が配置されている。そして、
このるつぼ5中には、ヒーター4の加熱により融解され
た原料融液6が入れられており、原料融液6の上面はB
2 3 からなる液体封止剤7で覆われている。また、る
つぼ5は支持軸8により回転及び上下動可能に支持され
ており、図示省略した変位センサによりるつぼ5の上下
方向の変位量が検知されるようになっている。9は支持
軸8の下端に設けられた支持軸回転・上下駆動機構であ
る。11はヒーター4の外周を囲繞するように配置され
た断熱部材でできた保温筒である。高圧容器3はその周
囲に巡らされたパイプ(図示省略した。)内を流れる冷
却水により冷却されている。
【0021】るつぼ5の上方からは、高圧容器3内に結
晶引上げ軸12が回転かつ上下動可能に垂下されてお
り、その下端に種結晶1を保持してるつぼ5中の原料融
液6の表面に接触させることができるようになってい
る。13は結晶引上げ軸12の上端に設けられた引上げ
軸回転・上下駆動機構である。また、例えば、結晶引上
げ軸12には、引き上げた結晶の重量を測定できる重量
センサ14及び引き上げた結晶の変位量を検知する変位
センサ(図示省略した。)が取り付けられている。
【0022】高圧容器3の側壁上部には、高圧のArガ
スを導入するためのガス導入管15が接続され、側壁下
部には、高圧容器3内の空気やArガスを外部へ排出す
るガス排出管16が接続されている。これらガス導入管
15及びガス排出管16及び圧力センサ(図示省略し
た。)などを介して高圧容器3内を加圧、減圧して内部
圧力を所定圧力に調整することができるようになってい
る。
【0023】上述した構成の引上げ装置を用いて単結晶
を育成する場合に、少なくとも原料融液6の表面と接触
する下端近傍の側面が滑らかな曲面で構成されているよ
うな種結晶1を用いる。すなわち、従来は、例えば横断
面形状が正方形の角柱状の種結晶を用いるのが一般的で
ある。しかし、その種結晶の下端面の正方形の各頂角部
や角柱体の側面の稜となる部分が特異点となり、その特
異点が結晶育成初期段階で成長核となりやすいこと、ま
た結晶の各頂部や稜と側面部とは放熱性に異方性が有る
こと、またるつぼが大口径となることで動径方向への温
度勾配が低下しやすいこと、などの相乗効果により、デ
ンドライト状の異常成長が起こると推測される。そこ
で、本発明に係る育成方法においては、従来のように特
異点となるような頂角部や稜の部分を有しない種結晶1
を用いる。そうすることによって、種結晶1と原料融液
6との固液界面に結晶の異常成長が生じるのを抑制する
ことができるので、単結晶育成の歩留まりが向上する。
【0024】そのような種結晶1の具体例として、種結
晶1の少なくとも下端近傍の横断面形状が、図1
(a),(b)に示すように、仮想の正方形101(二
点鎖線で示した。)や仮想の長方形111(二点鎖線で
示した。)の頂角部を滑らかな円弧状とした形状10
0,110(すなわち、頂角部を面取りしたような形
状)、または図1(c),(d)に示すように、円形1
20もしくは楕円形130など、角張る部分のないよう
な形状のものが挙げられる。そして、種結晶1が、その
少なくとも下端近傍において仮想の正方形101の頂角
部を円弧状としたような横断面形状を有するもの(図1
(a)参照)である場合には、その円弧部分の曲率半径
は、その仮想の正方形101(仮想の正方形が複数ある
場合には、最小のもの)の一辺の長さの10%以上の大
きさであるとよい。あるいは、種結晶1が、その少なく
とも下端近傍において仮想の長方形111の頂角部を円
弧状としたような横断面形状を有するもの(図1(b)
参照)である場合には、その円弧部分の曲率半径は、そ
の仮想の長方形111(仮想の長方形が複数ある場合に
は、最小のもの)の短辺の長さの10%以上の大きさで
あるのが適当である。円弧部分の曲率半径がそのような
大きさであれば、結晶が異常成長するのを抑制する効果
が十分に得られる。
【0025】また、種結晶1は、前記仮想の正方形10
1(最小初のもの)の一辺の長さ、または前記仮想の長
方形111(最小のもの)の短辺の長さが、育成する単
結晶の直胴部の直径の3%以上でかつ10%以下の長さ
となるような大きさであるとよい。そうすれば、種結晶
1が小さくて経済的であるとともに、大口径で長尺の単
結晶を引き上げる際に、種結晶1が育成結晶の重さに十
分耐え得る強度を有するからである。同じ理由により、
種結晶1の少なくとも下端近傍の横断面形状が円形12
0(図1(c)参照)や楕円形130(図1(d)参
照)の場合には、円形120の直径または楕円形130
の短軸の長さは、それぞれ育成する単結晶の直胴部の直
径の3%以上でかつ10%以下の長さであるのが適当で
ある。
【0026】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の
特徴とするところを明らかとする。なお、本発明は、以
下の各実施例により何ら制限されるものではない。
【0027】(実施例1)図1に示した構成の単結晶引
上げ装置を使用した。また、種結晶1として、その成長
面の横断面形状が一辺の長さ6mmの仮想の正方形の四隅
部を約2mmの曲率半径で面取りしたような形状のGaA
s単結晶を用いた。種結晶1の結晶成長面を<100>
方位とした。
【0028】10kgの高純度GaAs原料と1.7kgの
2 3 からなる封止剤を口径200mmのるつぼ5に充
填した。高圧容器3内の空気を真空ポンプ(図示省略し
た。)で排気した後、容器3内にArガスを20atm と
なるように導入してArガス雰囲気とした。ヒーター4
に給電してるつぼ5を加熱し、るつぼ5内の封止剤と原
料を融解した。しかる後、ヒーター4ヘの供給電力を制
御して結晶と原料融液6との固液界面の形状が下凸状に
なるように炉内の温度分布を調整し、種結晶1を原料融
液6の表面に接触させた。結晶引上げ軸12を時計回り
に6rpm 、るつぼ5を反時計回りに20rpm でそれぞれ
回転させながら、毎時6〜10mmの速さで種結晶1を引
き上げて、直径110mm(4インチ)、結晶長200m
m、成長方位〈100〉のGaAs単結晶を育成した。
【0029】このGaAs単結晶の育成を25回行った
ところ、異常成長は全く観察されなかった。得られた各
結晶を調べた結果、25本の結晶はいずれも全てGaA
s単結晶であることが確認された。
【0030】(実施例2)図1に示した構成の単結晶引
上げ装置を使用した。また、種結晶1として、その成長
面の横断面形状が一辺の長さ6mmの仮想の正方形の四隅
部を約2mmの曲率半径で面取りしたような形状のInP
単結晶を用いた。種結晶1の結晶成長面を<100>方
位とした。
【0031】5kgの高純度InP原料と1.2kgのB2
3 からなる封止剤を口径150mmのるつぼ5に充填
し、直径80mm、結晶長150mm、成長方位〈100〉
のInP単結晶を育成した。その他の条件は上記実施例
1と同じであった。
【0032】このInP単結晶の育成を20回行ったと
ころ、異常成長は全く観察されなかった。得られた各結
晶を調べた結果、20本の結晶はいずれも全てInP単
結晶であることが確認された。
【0033】(比較例1)図1に示した構成の単結晶引
上げ装置を使用し、種結晶1として、その成長面の横断
面形状が一辺の長さ6mmの正方形状のGaAs単結晶を
用いた。その他の条件を上記実施例1と同じにしてGa
As単結晶の育成を20回行ったところ、12回につい
ては異常成長が起こったことが観察された。その異常成
長が起こった12回のうちの10回については、異常成
長の発生を早期に発見することができたので、種結晶の
異常成長が生じた部分を溶解させて再度結晶引上げを行
った。その結果、5本の結晶は多結晶化しており、15
本しかGaAs単結晶が得られなかった。
【0034】(比較例2)図1に示した構成の単結晶引
上げ装置を使用し、種結晶1として、その成長面の横断
面形状が一辺の長さ6mmの正方形状のInP単結晶を用
いた。その他の条件を上記実施例2と同じにしてInP
単結晶の育成を20回行ったところ、13回については
異常成長が起こったことが観察された。その異常成長が
起こった13回のうちの10回については、異常成長の
発生を早期に発見することができたので、種結晶の異常
成長が生じた部分を溶解させて再度結晶引上げを行っ
た。その結果、7本の結晶は多結晶化しており、13本
しかInP単結晶が得られなかった。
【0035】なお、上記各実施例においては種結晶1の
横断面形状は正方形の四隅部を面取りしたような形状で
あるとしたが、それに限らず、長方形の四隅部を面取り
したような形状、円形状または楕円形状であってもよ
い。
【0036】また、上記各実施例においては種結晶1の
結晶成長面を〈100〉方位としたが、それに限らず、
本発明では結晶成長面の方位として従来から知られてい
る方位を用いることができる。その理由は、本発明者ら
の研究によれば、種結晶の結晶成長面の方位は異常成長
に影響を及ぼさないことが判明したからである。
【0037】さらに、上記各実施例では口径が150mm
または200mmのるつぼ5を用いたが、本発明は、特に
口径が150mm以上のるつぼを用いる場合に有効であ
る。
【0038】さらにまた、上記各実施例では、GaAs
やInPなどの閃亜鉛鉱型結晶構造の化合物半導体単結
晶を育成したが、本発明は、Si単結晶やその他の酸化
物単結晶を育成する場合にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る単結晶育成方法によれば、
原料を入れたるつぼを炉内に設置し、ヒーターにより加
熱して溶融させ、原料融液表面に種結晶を接触させて徐
々に引き上げることにより単結晶を育成するにあたり、
種結晶の少なくとも原料融液と接触する部分の近傍の側
面が曲面で構成されているようにしたため、種結晶と原
料融液との固液界面に結晶の異常成長が生じるのが抑制
されるので、大口径の単結晶を育成する際の歩留まりが
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶育成方法において使用される
種結晶の横断面形状の例を示す図である。
【図2】本発明の実施において使用した単結晶引上げ装
置の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 種結晶 4 ヒーター 5 るつぼ 6 原料融液 7 液体封止剤 101 仮想の正方形 111 仮想の長方形

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を入れたるつぼを炉内に設置し、ヒ
    ーターにより加熱して溶融させ、原料融液表面に種結晶
    を接触させて徐々に引き上げることにより単結晶を育成
    するにあたり、種結晶の少なくとも原料融液と接触する
    部分の近傍の側面が曲面で構成されていることを特徴と
    する単結晶の育成方法。
  2. 【請求項2】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面形状は、4つの直線状の辺と、
    それら4つの辺のうちの隣り合う辺同士を滑らかに繋ぐ
    4つの円弧とで囲まれてなる形状をしており、前記4つ
    の辺は、そのうちの隣り合う2つの辺のそれぞれの仮想
    の延長線同士が直交するような関係になっていることを
    特徴とする請求項1記載の単結晶の育成方法。
  3. 【請求項3】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面形状における前記円弧部分の曲
    率半径は、種結晶の当該横断面に外接する仮想の長方形
    のうちの最小のものの短辺の長さの10%以上の大きさ
    であることを特徴とする請求項2記載の単結晶の育成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面に外接する仮想の長方形のうち
    の最小のものの短辺の長さは、育成する単結晶の直胴部
    の直径の3%以上でかつ10%以下の長さであることを
    特徴とする請求項2または3記載の単結晶の育成方法。
  5. 【請求項5】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面形状における前記円弧部分の曲
    率半径は、種結晶の当該横断面に外接する仮想の正方形
    のうちの最小のものの一辺の長さの10%以上の大きさ
    であることを特徴とする請求項2記載の単結晶の育成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面に外接する仮想の正方形のうち
    の最小のものの一辺の長さは、育成する単結晶の直胴部
    の直径の3%以上でかつ10%以下の長さであることを
    特徴とする請求項2または5記載の単結晶の育成方法。
  7. 【請求項7】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面形状は円形であることを特徴と
    する請求項1記載の単結晶の育成方法。
  8. 【請求項8】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面の円形の直径は、育成する単結
    晶の直胴部の直径の3%以上でかつ10%以下の長さで
    あることを特徴とする請求項7記載の単結晶の育成方
    法。
  9. 【請求項9】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接触
    する部分の近傍の横断面形状は楕円形であることを特徴
    とする請求項1記載の単結晶の育成方法。
  10. 【請求項10】 前記種結晶の少なくとも原料融液と接
    触する部分の近傍の横断面の楕円形の短軸の長さは、育
    成する単結晶の直胴部の直径の3%以上でかつ10%以
    下の長さであることを特徴とする請求項9記載の単結晶
    の育成方法。
JP31896195A 1995-12-07 1995-12-07 単結晶の育成方法 Pending JPH09157086A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103194792A (zh) * 2013-04-16 2013-07-10 江西豪安能源科技有限公司 一种用于制造准单晶籽晶用9英寸直拉单晶硅的生长方法
CN107916449A (zh) * 2016-10-07 2018-04-17 丰田自动车株式会社 SiC单晶的制造方法

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CN103194792B (zh) * 2013-04-16 2016-02-03 江西豪安能源科技有限公司 一种用于制造准单晶籽晶用9英寸直拉单晶硅的生长方法
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