JPH09156229A - ジアゾ感熱記録材料 - Google Patents
ジアゾ感熱記録材料Info
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Abstract
アゾニウム塩と4−ヒドロキシクマリンを用いた生保存
性及び画像保存性にすぐれた感熱記録材料を提供するこ
と。 【解決手段】ジアゾ化合物、カップリング成分及び有機
塩を含有する記録層を設けた感熱記録材料。ジアゾ化合
物として、4−ジ置換アミノ−2−アルコキシベンゼン
ジアゾニウム塩であり、カップリング成分が下記化1で
表わされる化合物を使用する。 【化1】 式中R1 、R2 、R3 、R4 は水素原子、アルキル基、
アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシ
カルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スル
ファモイル基、ハロゲン原子を表わす。
Description
プラーの組み合せを発色成分として用いる感熱記録材料
に関し、特に、感熱記録材料の記録前の生保存性、及
び、記録後の画像保存性(光堅牢性)に優れた赤発色型
ジアゾ感熱記録材料に関する。
化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を有
する化合物などのカプラーと呼ばれる化合物と反応して
容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、光
照射によって分解し、その活性を失う。そこで、ジアゾ
化合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料として
古くから利用されている(日本写真学会編「写真工学の
基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)P89〜
P117、P182〜P201参照)。
利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料に
も応用され、代表的なものとして、ジアゾ化合物とカプ
ラーを画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形成
させた後光照射して画像を定着する、光定着型感熱記録
材料が提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌第
11巻 第4号(1982)P290−296など)。
して用いたこれらの記録材料は、ジアゾ化合物の活性が
非常に高く、暗所であってもジアゾ化合物が徐々に熱分
解して反応性を失うので、記録材料としてのシェルフラ
イフが短いという欠点があった。上記したジアゾ化合物
の不安定さを改善する手段としては様々な方法が提案さ
れているが、最も有効な手段の一つとして、ジアゾ化合
物をマイクロカプセル中に内包させる方法が挙げられ
る。
セル化することにより、ジアゾニウム塩は水・塩基とい
った分解を促進させるものから隔離させるので、その分
解は著しく抑制され、これを用いた記録材料のシェルフ
ライフも飛躍的に向上する(宇佐美智正ら 電子写真学
会誌 第26巻 第2号(1987)P115〜12
5)。
させる一般的な方法は、疎水性溶媒にジアゾニウム塩を
溶解させ(油相)、これを水溶性高分子を溶解した水溶
液中(水相)に加えてホモジナイザー等で乳化分散する
と共に、マイクロカプセルの壁材となるモノマーあるい
はプレポリマーを油相側または水相側の何れかあるいは
両方に添加しておくことにより、油相と水相の界面で重
合反応を生じさせ、あるいは、ポリマーを析出させるこ
とにより高分子壁を形成させ、マイクロカプセルとする
方法である。
イクロカプセル」日刊工業新聞社(1970年発行)、
近藤 保ら著、「マイクロカプセル」三共出版(197
7年発行)などに詳しい。形成されるマイクロカプセル
壁としては、架橋ゼラチン、アルギン酸塩、セルロース
類、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ナイロ
ン樹脂など様々なものが使用可能である。
転移温度を有し、そのガラス転移温度が室温よりやや高
い壁を有するマイクロカプセルの場合には、室温におけ
るカプセル壁は物質非透過性を示す一方、ガラス転移温
度以上では物質透過性を示すため、熱応答性マイクロカ
プセルと呼ばれ、感熱記録材料に有用である。
した熱応答性マイクロカプセルとカプラーおよび塩基を
含有する感熱記録層を塗布した記録材料を作製すること
により、ジアゾニウム塩を長期間安定に保持させること
ができると共に、加熱により容易に発色画像を形成させ
ることができる上、光照射により画像を定着することも
可能となる。上述したように、マイクロカプセル化する
ことによりジアゾ化合物の安定性を飛躍的に向上させる
ことが可能である。
ンゼンジアゾニウム塩は感熱記録用発色材料として特に
優れた性能を示し、(特開平4−59288号)、バル
ビツール酸誘導体とカップリング反応させた場合には、
色相が極めて良好な赤系色素を生成することが知られて
いる(特開平4−197782号)。
−置換アミノ−2−アルコキシベンゼンジアゾニウム塩
を含有する記録材料の生保存性(コピー前保存中の地肌
着色性)、及び、発色画像の保存性(光堅牢性)が十分
でないという欠点があった。そこで、本発明者らは、上
記の欠点を解決するために鋭意検討した結果、特定の置
換基を有するジアゾ化合物と、カップリング成分として
4−ヒドロキシクマリン誘導体を併用した場合には、極
めて良好な結果を得られることを見出し本発明に到達し
た。従って本発明の目的は、4−置換アミノ−2−アル
コキシベンゼンジアゾニウム塩を用いた、生保存性及び
画像保存性に優れた感熱記録材料を提供することにあ
る。
支持体上に、ジアゾ化合物、カップリング成分及び有機
塩基を含有する記録層を設けたジアゾ感熱記録材料にお
いて、前記ジアゾ化合物が下記一般式(I)で表される
ジアゾニウム塩であると共に、前記カップリング成分が
下記一般式(II) で表される化合物であるジアゾ感熱記
録材料によって達成された。 一般式(I)
アラルキル基またはアリール基を表す。R2 とR3 は窒
素原子とともに環を形成してもよい。Xは酸アニオンを
表す。
で表される基としては炭素数1〜18のアルキル基、炭
素数7〜21のアラルキル基、炭素数6〜20のアリー
ル基が好ましく、これらは更に置換基を有していてもよ
い。
が置換基を有する場合の置換基としてはアルキル基、ア
リール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイ
ル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基などが
挙げられる。
の合計の炭素数の総和は油溶性の点から12以上が好ま
しく、特には14以上が好ましい。
ニオンの酸の具体例としては、例えば、下記の例が挙げ
られる。
ルカルボン酸、炭素数1から9までのポリフルオロアル
キルスルホン酸、四フッ化ホウ素、テトラフェニルホウ
素、ヘキサフルオロリン酸、芳香族カルボン酸、芳香族
スルホン酸、更に、塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化ス
ズなどを用いて錯化合物を形成させジアゾニウム塩の安
定化を行うことも出来る。
般式(III)が挙げられる。 一般式(III)
アリール基を表わす。L1 及びL2はアルキレン基を表
わし、A1 及びA2 はアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル
基、ハロゲン原子、シアノ基を表わす。L1 及びL2 、
A1 及びA2 は互いに同一でも異なっていてもよい。X
は酸アニオンを表わす。一般式(III)の好ましいものと
しては、A1 及びA2 の少なくともひとつがアルコキシ
カルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シ
アノ基であるものが挙げられる。 一般式(II)
水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基を表わす。R4 、R
5 、R6 、R7 はそれぞれ同一でも異なっても良く、R
4 とR5 、R 5 とR6 、R6 とR7 は互いに結合して環
を形成してもよい。
子、炭素数4〜36の置換又は無置換のアルキル基、炭
素数6〜20の置換又は無置換のアリール基又は炭素数
7〜21の置換又は無置換のアラルキル基、炭素数4〜
36の置換又は無置換のアルキルオキシ基、炭素数6〜
20の置換又は無置換のアリールオキシ基、炭素数4〜
36の置換又は無置換のアルキルチオ基、炭素数6〜2
0のアリールチオ基、炭素数2〜25の置換又は無置換
のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の置換又は
無置換のアシルオキシ基、炭素数2〜37の置換又は無
置換のカルバモイル基、炭素数2〜35の置換又は無置
換のスルファモイル基、ハロゲン原子が好ましい。
換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子などが挙げられ
る。
アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜
21のアラルキル基、炭素数1〜36のアルキルオキシ
基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜3
6のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ
基、炭素数2〜25のアルキルカルボニル基、炭素数7
〜35のアリールカルボニル基、炭素数2〜25のアル
コキシカルボニル基、炭素数2〜20のアシルオキシ
基、炭素数2〜37のカルバモイル基、炭素数2〜35
のアシルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基等が好まし
い。
R6 、R7 の合計の炭素数の総和は油溶性の点から12
以上が好ましく、特には14以上が好ましい。さらに一
般式(II) の好ましいものとして、一般式(IV) が挙げ
られる。 一般式(IV)
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル
基、スルファモイル基、ハロゲン原子を表わし、R10、
R11、R12はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル
基、スルファモイル基を表わす。Yは酸素原子、イオウ
原子を表わす。l+mは1〜4の整数を表わす。ただし
mは1以上を、nは1〜10の整数を表わす。R9 とし
ては水素原子、炭素数4〜36の置換又は無置換のアル
キル基、炭素数6〜20の置換又は無置換のアリール
基、ハロゲン原子が好ましい。
24の置換又は無置換のアルキル基、炭素数6〜20の
置換又は無置換のアリール基、炭素数7〜21の置換又
は無置換のアラルキル基、炭素数4〜36の置換又は無
置換のアルキルオキシ基、炭素数6〜20の置換又は無
置換のアリールオキシ基、炭素数4〜36の置換又は無
置換のアルキルチオ基、炭素数6〜20の置換又は無置
換のアリールチオ基、炭素数2〜25の置換又は無置換
のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の置換又は
無置換のアシルオキシ基、炭素数2〜37の置換又は無
置換のカルバモイル基、炭素数2〜35の置換又は無置
換のスルファモイル基が好ましい。Yは酸素原子が好ま
しい。
点が30℃〜200℃のものが好ましいが、取り扱いの
点から50℃〜150℃のものが特に好ましい。
使用前の生保存性を良好なものとするために、後に詳述
する如く、ジアゾ化合物をマイクロカプセル中に内包さ
せることが好ましいが、その際、適当な溶剤に溶解させ
て用いるため、これらの溶剤に対する適当な溶解度と、
低い水溶性とを有していることが好ましい。具体的に
は、使用する有機溶剤に対して5%以上の溶解度を有す
ると共に、水に対する溶解度は1%以下であることが好
ましい。
化合物を0.02〜3g/m2の範囲で含有させることが
好ましく、発色濃度の点から、特に0.1〜2g/m2の
範囲で含有させることが好ましい。下記化7〜化10
に、前記した本発明のジアゾ化合物の具体例を示すが、
本発明はこれによって限定されるものではない。
独で用いてもよいし、2種以上を併用することも出来
る。さらに色相調整等の諸目的に応じて、一般式(I)
で表されるジアゾ化合物と既知のジアゾ化合物を併用す
ることも出来るが、一般式(I)で表されるジアゾニウ
ム塩が、使用する全ジアゾ化合物の50重量%以上であ
ることが好ましい。併用するジアゾ化合物のうち、好ま
しいものを以下に挙げる。
ン、4−ジアゾ−2−ブトキシ−5−クロル−1−ジメ
チルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−メチルベンジル
アミノベンゼン、4−ジアゾ−1−エチルヒドロキシエ
チルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−ジエチルアミノ
−3−メトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−モルホリノ
ベンゼン、4−ジアゾ−1−モルホリノ−2,5−ジブ
トキシベンゼン、4−ジアゾ−1−トルイルメルカプト
−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−ピペ
ラジノ−2−メトキシ−5−クロルベンゼン、4−ジア
ゾ−1−(N,N−ジオクチルアミノカルボニル)ベン
ゼン、4−ジアゾ−1−(4−tert−オクチルフェノキ
シ)ベンゼン、4−ジアゾ−1−(2−エチルヘキサノ
イルピペリジノ)−2,5−ジブトキシベンゼン、4−
ジアゾ−1−〔α−(2,4−ジ−tert−アミルフェノ
キシ)ブチリルピペリジノ〕ベンゼン、4−ジアゾ−1
−(4−メトキシ)フェニルチオ−2,5−ジエトキシ
ベンゼン、4−ジアゾ−1−(4−メトキシ)ベンズア
ミド−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−
ピロリジノ−2−メトキシベンゼンなど。
を、下記化11〜化14に示すが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。
るカップリング成分と共に、色相調整等の目的で、必要
に応じて、塩基性雰囲気でジアゾ化合物とカップリング
して色素を形成する公知のカップリング成分を併用する
こともできるが、使用する全カップリング成分の50重
量%以上が一般式(II) であることが好ましい。一般式
(II) で表されるカップリング成分と併用することので
きる公知のカップリング成分としては、例えば、カルボ
ニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン
化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体などがあ
り、具体例として下記のものが挙げられる。
ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒド
ロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシ−6−スルホ
−ナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホ
リノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸
オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニ
リド、ベンゾイルアセトニリド、1−フェニル−3−メ
チル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロ
フェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、2−{3
−〔α−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)−ブ
タンアミド〕ベンヅアミド}フェノール、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミノメチル)ベンゼンなど。
保存性を良好とするために、ジアゾ化合物をマイクロカ
プセルに内包させることが好ましい。この場合に使用さ
れるマイクロカプセルは、常圧で40〜95℃の沸点を
もつ非水溶媒にジアゾニウム塩、及び、互いに反応して
高分子物質を生成する同種または異種の化合物を溶解し
た溶液を、親水性保護コロイド溶液中に乳化分散した
後、反応容器を減圧にしながら系を昇温して溶媒を留去
しつつ油滴表面に壁形成物質を移動させ、かつ油滴表面
で重付加又は重縮合による高分子生成反応を進行させて
壁膜を形成させることにより製造される。
な、実質的に溶媒を含まないマイクロカプセルを使用す
ることが、良好なシェルフライフを得る点からみて好ま
しい。また、マイクロカプセル壁を形成する高分子物質
は、ポリウレタンやポリウレアの中から選ばれる少なく
とも1種であることが好ましい。以下に、本発明におけ
るジアゾニウム塩含有マイクロカプセル(ポリウレア・
ポリウレタン壁)の製造方法について述べる。
る疎水性の有機溶媒に溶解させる。この場合の有機溶媒
としては、ハロゲン化炭化水素類、カルボン酸エステル
類、リン酸エステル類、ケトン類、エーテル類の中から
選択させる少くとも1種の溶媒が好ましい。芯溶媒中に
は、更に、多価イソシアネートが壁材として添加される
(油相)。
ル、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用
意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手
段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化
分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に
行うために、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加してもよい。
カプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが
0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒
子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散
液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネー
トの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン
壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反
応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加する
ことが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反
応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリ
アミン等については成書に詳しい(岩田敬治 編 ポリ
ウレタンハンドブック日刊工業新聞社 (198
7))。
イクロカプセルの芯を形成することの疎水性有機溶媒と
しては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、
具体的にはアルキルナフタレン、アルキルジフェニルエ
タン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニ
ル、塩素化パラフィン、トリクレジルフォスフェート、
マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル類、硫酸エ
ステル類、スルホン酸エステル類などが挙げられる。こ
れらは2種以上混合して用いてもよい。
これらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いよう
とするジアゾニウム塩の溶解性の高い低沸点溶媒を併用
することもできる。具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセト
ンなどが挙げられる。また低沸点溶媒のみをカプセルの
芯に用いた場合には、カプセル化反応中に溶媒は蒸散
し、カプセル壁とジアゾ化合物が一体となって存在す
る、いわゆるコアレスカプセルが形成される。
価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシア
ネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシ
アネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレン
ジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその
水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体
(ビューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体とし
て多官能としたもの、ベンゼンイソシアネートのホルマ
リン縮合物などが挙げられる。
なる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中
に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとし
て用いることもできる。これらのポリオール又はポリア
ミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げ
られる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン
壁が形成される。
を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子
は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアク
リル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たと
えばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有
するものは、予め変成するなどして反応性をなくしてお
くことが必要である。また、界面活性剤を添加する場合
には、界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.
1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好まし
い。
リー、超音波分散機、ケディーミルなど、公知の乳化装
置を用いることができる。乳化後は、カプセル壁形成反
応を促進させるために乳化物を30〜70℃に加温する
ことが行われる。また反応中はカプセル同士の凝集を防
止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げ
たり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁
形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反
応させることにより、目的のジアゾニウム塩含有マイク
ロカプセルを得ることができる。
ーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を加
える。これらの有機塩基は、単独で用いても2種以上併
用して用いることもできる。塩基性物質としては、第3
級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン
類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、
モルホリン類等の含窒素化合物が挙げられる。
(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジ
ン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス
〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチ
オ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−
ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒ
ドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−
ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジン類;
ロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3−モ
ルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼ
ン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキ
シ)プロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリン類、N
−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリ
ジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリジン類、ト
リフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジ
ン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジ
ン類等が好ましい。
に対するカップリング成分及び塩基性物質の使用量は、
それぞれ0.1〜30重量部であることが好ましい。本
発明においては、上記した有機塩基の他にも、発色反応
を促進させる目的で発色助剤を加えることができる。発
色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高くする、もしく
は最低発色温度を低くする物質があり、カプラー、塩基
性物質、もしくはジアゾ化合物等の融解点を下げたり、
カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾ
化合物、塩基性物質、カプラー等が反応しやすい状況を
作るためのものである。
例えば低エネルギーで迅速かつ完全に熱現像が行われる
ように、感光層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導
体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタ
レン類、ヒドロキシ化合物、アミド化合物、スルホンア
ミド化合物等を加えることができる。これらの化合物
は、カップリング成分や塩基性物質の融点を低下させる
か、あるいは、マイクロカプセル壁の熱透過性を向上さ
せ、その結果高い発色濃度を可能とするものと考えられ
る。
れる。熱融解性物質は、常温では固体であって加熱によ
り融解する融点50℃〜150℃の物質であり、ジアゾ
化合物、カップリング成分、或いは塩基性物質等を溶か
す物質である。これらの化合物の具体例としては、カル
ボン酸アミド、N置換カルボン酸アミド、ケトン化合
物、尿素化合物、エステル類等が挙げられる。本発明の
記録材料においては、熱発色画像の光及び熱に対する堅
牢性を向上させ、または、定着後の未印字部分の光によ
る黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤
等を用いることが好ましい。
ロッパ公開特許、同第223739号公報、同3094
01号公報、同第309402号公報、同第31055
1号公報、同第310552号公報、同第459416
号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開
昭54−48535号公報、同62−262047号公
報、同63−113536号公報、同63−16335
1号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−
71262号公報、特開平3−121449号公報、特
開平5−61166号公報、特開平5−119449号
公報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許
第4980275号等に記載されている。
て既に用いられている公知の各種添加剤を用いることも
有効である。これらの酸化防止剤の具体例としては、特
開昭60−107384号公報、同60−107383
号公報、同60−125470号公報、同60−125
471号公報、同60−125472号公報、同60−
287485号公報、同60−287486号公報、同
60−287487号公報、同60−287488号公
報、同61−160287号公報、同61−18548
3号公報、同61−211079号公報、同62−14
6678号公報、同62−146680号公報、同62
−146679号公報、同62−282885号公報、
同63−051174号公報、同63−89877号公
報、同63−88380号公報、同63−088381
号公報、同63−203372号公報、同63−224
989号公報、同63−251282号公報、同63−
267594号公報、同63−182484号公報、特
開平01−239282号公報、同04−291685
号公報、同04−291684号公報、同05−188
687号公報、同05−188686号公報、同05−
110490号公報、同05−1108437号公報、
同05−170361号公報、特公昭48−04329
4号公報、同48−033212号公報等に記載されて
る化合物を挙げることができる。
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
−4−ヒドロキシフェニルプロパン、1,1−ビス−4
−ヒドロキシフェニル−2−エチルヘキサン、2−メチ
ル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2
−フェニルインドール等が挙げられる。
合物1重量部に対して0.05〜100重量部の割合で
あることが好ましく、特に0.2〜30重量部であるこ
とが好ましい。上記した公知の酸化防止剤はジアゾ化合
物と共にマイクロカプセル中に含有させて用いること
も、あるいはカップリング成分や塩基性物質、その他の
発色助剤と共に、固体分散物として、もしくは適当な乳
化助剤と共に乳化物にして用いることも、あるいはその
両方の形態で用いることもできる。また酸化防止剤を単
独または複数併用することができるのは勿論である。ま
た、保護層に添加または存在させることもできる。
もよい。更にこれらの酸化防止剤を組み合わせて複数用
いる場合には、アニリン類、アルコキシベンゼン類、ヒ
ンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、ハイドロ
キノン誘導体、りん化合物、硫黄化合物の様に構造的に
分類し、互いに異なる構造のものを組み合わせてもよい
し、同一のものを複数組み合わせることもできる。
塩基性物質、その他の発色助剤等と共に、サンドミル等
により水溶性高分子と共に固体分散して用いることもで
きるが、適当な乳化助剤と共に乳化物にして用いること
が特に好ましい。好ましい水溶性高分子としては、マイ
クロカプセルを調製する時に用いられる水溶性高分子が
挙げられる(例えば、特開昭59−190886号参
照)。この場合、水溶性高分子溶液に対してカップリン
グ成分、塩基性物質、発色助剤はそれぞれ5〜40重量
%になるように投入される。分散されたあるいは乳化さ
れた粒子サイズは10μm以下であることが好ましい。
黄変を軽減する目的で、光重合性組成物等に用いられる
遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合物)
を加えることができる。このような遊離基発生剤として
は、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾイ
ンエーテル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシ
ルオキシムエステル類などが挙げられる。添加する量
は、ジアゾ化合物1重量部に対して、遊離基発生剤を
0.01〜5重量部とすることが好ましい。
ン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビニ
ルモノマーと呼ぶ)を用いることもできる。ビニルモノ
マーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレン
性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する化
合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態をも
つものである。それらの例としては、不飽和カルボン酸
及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミンと
のアミド化合物等が挙げられる。
対して0.2〜20重量部の割合で用いることが好まし
い。前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジアゾ化合
物と共にマイクロカプセル中に含有させて用いることも
できる。本発明では以上の素材の他に酸安定剤としてク
エン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン
酸等を添加することができる。
したマイクロカプセル、カップリング成分、及び有機塩
基、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、紙や合
成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード塗
布、エアナイス塗布、グラビア塗布、ロールコーティン
グ塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等
の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜30g
/m2の感熱層を設けることが好ましい。本発明の記録材
料においては、マイクロカプセル、カップリング成分、
塩基などが同一層に含まれていても良いが、別層に含ま
れるような積層型の構成をとることもできる。また、支
持体の上に特願昭59−177669号明細書等に記載
されているような中間層を設けた後、感熱層を塗布する
こともできる。
感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用いられる紙
支持体はいずれも使用することができる他、アルキルケ
テンダイマー等の中性サイズ剤によりサイジングされ
た、pHが5〜9の中性紙(特願昭55−14281号
記載のもの)、特開昭57−116687号記載された
ステキヒトサイズ度とメートル坪量との関係を満たし、
かつベック平滑度が90秒以上の紙、特開昭58−13
6492号に記載された光学的表面粗さが8μm以下
で、かつ厚みが30〜150μの紙、特開昭58−69
091号に記載されている密度0.9g/cm3 以下でか
つ光学的接触率が15%以上の紙、特開昭58−690
97号に記載されたカナダ標準濾水度(JIS P81
21)で400cc以上に叩解処理されたパルプより抄造
してなる塗布液のしみこみを防止した紙、特開昭58−
65695号に記載のヤンキーマシーンにより抄造され
た原紙の光沢面を塗布面とし発色濃度及び解像力を改良
した紙。特開昭59−35985号に記載された原紙に
コロナ放電処理を施し、塗布適性を改良した紙なども用
いることができる。
樹脂フィルムは、現像過程での加熱に対しても変形せ
ず、寸法安定性を有する公知の材料の中から任意に選択
することができる。このようなフィルムとしては、ポリ
エチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート
等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム
等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン等のポリオ
レフィンフィルム等が挙げられる。これらは、単体であ
るいは貼り合わせて用いることができる。支持体の厚み
としては、20〜200μmのものが用いられる。
録層上にサーマルヘッドで印字する際の、スティッキン
グやヘッド汚れ等を防止したり記録材料に耐水性を付与
する目的で、感熱記録層上に、ポリビニルアルコール等
を主成分とし、各種の顔料や離型剤等を添加した保護層
(以下単に保護層と呼ぶ)を、感熱記録上に更に設ける
ことが好ましい。
熱記録材料の記録面にサーマルヘッド等で加熱すると、
ポリウレアあるいはポリウレタンのカプセル壁が軟化
し、カプセル外のカプラーと塩基化合物がカプセル内に
進入して発色する。記録後は、ジアゾ化合物の吸収波長
の光と照射することにより、ジアゾ化合物が分解してカ
プラーとの反応性を失うため、画像の定着が行われる。
ノンランプ、水銀灯などが用いられる。この発光スペク
トルは、記録材料で用いたジアゾ化合物の吸収スペクト
ルとほぼ一致していることが、効率良く光定着させるこ
とができるので好ましい。また、本発明の感熱記録材料
は、原稿を用いて露光し、画像形成部以外のジアゾ化合
物を分解して潜像を形成させた後、記録材料を加熱して
現像し、画像を得ることもできる。
記録材料とすることもできる。この多色感熱記録材料
(感光感熱記録材料)については、特開平4−1357
87号公報、同4−144784号公報、同4−144
785号公報、同4−194842号公報、同4−24
7447号公報、同4−247448号公報、同4−3
40540号公報、同4−340541号、同5−34
860号等に記載されている。具体的には異なる色相に
発色する感熱記録層を積層することにより得ることがで
きる。層構成としては特に限定されるものではないが、
特に感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物をそ
れぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応して異なった
色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層
(B層、C層)と、電子供与性無色染料と電子受容性化
合物とを組み合わせた感熱記録層とを積層した多色感熱
記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性
無色染料と電子受容性化合物を含む第1の感熱記録層
(A層)、極大吸収波長360nm±20nmであるジアゾ
ニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応し
て呈色するカプラーを含有する第2の感熱記録層(B
層)、極大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム
塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色
するカプラーを含有する第3の感熱記録層(C層)とす
るものである。この例において、各感熱記録層の発色色
相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シ
アンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録
が可能となる。
第3の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジ
アゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400±
20nmの光を照射してC層中に含まれている未反応のジ
アゾニウム塩化合物を分解させたのち、第2の感熱記録
層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれ
ているジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させ
る。このときC層も同時に強く加熱されるが、すでにジ
アゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われて
いるので発色しない。さらに360±20nmの光を照射
してB層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解し
て、最後に第1の感熱記録層(A層)が発色する十分な
熱を与えて発色させる。このときC層、B層の感熱記録
層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化
合物は分解しており発色能力が失われているので発色し
ない。本発明のジアゾ感熱記録材料は上記のような多色
感熱記録材料とすることが好ましい。
ノ−2−アルコキシベンゼンジアゾニウム塩を発色剤と
して使用しているので、高品位の赤色系画像を得ること
ができる。また、ジアゾニウム塩とカプラーの組合せと
して特殊な組合せを採用しているので、記録した画像の
光堅牢性も良好である。
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。 実施例1 〔本発明のカプセル液Aの調製〕:酢酸エチル19部に
本発明の(A−4)2.8部、トリクレジルフォスフェ
ート10部を添加して均一に混合した。次いでこの混合
液に壁剤としてタケネートD−110N(武田薬品工業
製)7.6部を加えて均一に混合し、I液を得た。次
に、このI液にフタル化ゼラチンの8重量%水溶液4
6.1部、水17.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダの10%水溶液2部を加え、40℃、10000
r.p.m.で10分間乳化分散した。得られた乳化物に水2
0部を加えて均一化した後、攪拌しながら40℃で3時
間カプセル化反応を行わせてカプセル液Aを得た。カプ
セルの粒径は0.35μmであった。
製〕:酢酸エチル10.5部に明細書中で具体例として
記載した化合物(B−1)3.0部、1,1−(p−ヒ
ドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンを4.0部、
4,4′−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフ
ェノールを8.0部、トリフェニルグアニジン4.0
部、トリクレジルフォスフェート0.64部、マレイン
酸ジエチルエステル0.32部を溶かしII液を得た。次
に、石灰処理ゼラチンの15重量%水溶液49.1部、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ10%水溶液9部、
水35部を40℃で均一に混合した中にII液を添加しホ
モジナイザーを用いて40℃、10000r.p.m.で10
分間乳化分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪
拌して酢酸エチルを除いた後、揮散した酢酸エチルと水
の重量を加水により補い、カップリング成分/塩基乳化
液Bを得た。
水4.4部、石灰処理ゼラチンの15重量%水溶液1.
9部を40℃で均一に混合した後、カプラー/塩基乳化
液B8.3部を添加し、均一に混合し、感熱記録層塗布
液Cを得た。 〔保護層塗布液Dの調液〕:ポリビニルアルコール(重
合度1700、鹸化度88%)10%水溶液32部、水
36部を均一に混合し、保護層塗布液Dを得た。
ートした印画紙用支持体上に、ワイヤーバーで感熱記録
層塗布液C、保護層塗布液Dの順に、順次塗布と50℃
での乾燥を行い、目的のジアゾ感熱記録材料を得た。固
形分としての塗布量は、各々6.4g/m2、1.05g
/m2であった。
社製サーマルヘッド(KST型)を用い、単位面積あた
りの記録エネルギーが0〜40mJ/mm2 となるように
サーマルヘッドに対する印加電力及びパルス幅を決めジ
アゾ感熱記録層に熱印字し、画像を得た後、発光中心波
長が365nm、出力40Wの紫外線ランプを用いて15
秒間全面光照射した。得られた試料の画像部及び地肌部
の濃度をマクベス濃度計にて測定した。
を32000LUXの蛍光灯耐光性試験機で72時間連
続で光照射し画像部及び地肌部の変褪色試験を行った。
画像濃度測定はマクベス濃度計にて初期の反射濃度が約
1.1の濃度変化を調べた。
は、室温保存したジアゾ感熱記録シートと、60℃で3
0%RHの条件下に72時間強制保存したジアゾ感熱記
録シートの、熱板による発色濃度及び地肌濃度の差を測
定して比較した。着色濃度の変化は、マクベス反射濃度
計により測定した。
わりに本発明の(A−5)、(A−6)、(A−7)、
(A−8)を用いてカプセル液を得た他は実施例1と同
様な操作を行った。
〔(n−オクタデシル)オキシプロピル〕−3−フェニ
ル−2,4,6−(1H、3H、5H)−ピリミジント
リオンを用いてカップリング成分/塩基乳化液を得た他
は実施例1と同様な操作を行った。
々、2−(n−ヘキシル)オキシ−4−<N−〔1−メ
チル−2−(4−メトキシフェノキシ)〕エチル、N−
n−ヘキシル>アミノベンゼンジアゾニウムヘキサフル
オロフォスフェート、2−(n−ヘキシル)オキシ−4
−〔N−(1−メチル−2−フェノキシ)エチル、N−
n−ヘキシル〕アミノベンゼンジアゾニウムヘキサフル
オロフォスフェートを用いてカプセル液を得た他は実施
例1と同様な操作を行った。
肌濃度測定の結果は表1に示した通りである。
は表2に示した通りである。
(B−2)を用いてカプラー/塩基乳化物液を得た他は
実施例1と全く同様な操作を行い、記録材料を作成し画
像を形成させた。マクベス濃度計を用いて発色部及び地
肌部の濃度を測定した。
(B−4)を用いてカプラー/塩基乳化物液を得た他は
実施例1と全く同様な操作を行い、記録材料を作製し画
像を形成させた。マクベス濃度計に用いて発色部及び地
肌部の濃度を測定した。
(B−6)を用いてカプラー/塩基乳化物液を得た他は
実施例1と全く同様な操作を行い、記録材料を作製し画
像を形成させた。マクベス濃度計を用いて発色部及び地
肌部の濃度を測定した。
(B−8)を用いてカプラー/塩基乳化物液を得た他は
実施例1と全く同様な操作を行い、記録材料を作製し画
像を形成させた。マクベス濃度計を用いて発色部及び地
肌部の濃度を測定した。
(B−10)を用いてカプラー/塩基乳化物液を得た他
は実施例1と全く同様な操作を行い、記録材料を作製し
画像を形成させた。マクベス濃度計を用いて発色部及び
地肌部の濃度を測定した。
(2−テトラデシルオキシフェニル)−シクロヘキサン
−1,3−ジオンを用いてカプラー/塩基乳化物液を得
た他は実施例1と全く同様な操作を行い、記録材料を作
製し画像を形成させた。マクベス濃度計を用いて発色部
及び地肌部の濃度を測定した。
ェニル−3−オクチルオキシカルボニルピラゾリ−5−
オンを用いてカプラー/塩基乳化物液を得た他かは実施
例1と全く同様な操作を行い、記録材料を作製し画像を
形成させた。マクベス濃度計を用いて発色部及び地肌部
の濃度を測定した。
(2′,5′−ジブチルオキシ−4′−クロロフェニ
ル)−4,4−ジメチル−3−オキソペンタアミドを用
いてカプラー/塩基乳化物液を得た他は実施例1と全く
同様な操作を行い、記録材料を作製し画像を形成させ
た。マクベス濃度計を用いて発色部及び地肌部の濃度を
測定した。
を表4に示す。
を用いたジアゾ感熱記録シートが、発色濃度の低下が少
なくかつ地肌白色度の高い優れた生保存性を示し、また
発色部分の保存性(光堅牢性)に優れていることが実証
された。
Claims (2)
- 【請求項1】 支持体上にジアゾ化合物、カップリング
成分及び有機塩基を含有する記録層を設けたジアゾ感熱
記録材料において、前記ジアゾ化合物が下記一般式
(I)で表わされるジアゾニウム塩化合物であると共
に、前記カップリング成分が下記一般式(II)で表わさ
れる化合物であることを特徴とするジアゾ感熱記録材
料。 一般式(I) 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 はアルキル基、アラルキル基ま
たはアリール基を表わす。R2 とR3 は窒素原子ととも
に環を形成してもよい。Xは酸アニオンを表わす。 一般式(II) 【化2】 式中、R4 、R5 、R6 、R7 はそれぞれ水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原
子、シアノ基またはニトロ基を表わす。R 4 、R5 、R
6 、R7 はそれぞれ同一でも異なっても良く、R4 とR
5 、R5 とR6 、R6 とR7 は互いに結合して環を形成
してもよい。 - 【請求項2】 ジアゾ化合物がマイクロカプセルに内包
されている請求項1に記載のジアゾ感熱記録材料。
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