JP2006248195A - 感熱記録材料 - Google Patents

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秀雄 永▲崎▼
Naoto Yanagihara
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Abstract

【課題】 画像耐光性が良好であり、且つ発色性に優れた感熱記録材料を提供する。
【解決手段】 支持体上に、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と反応して発色させるカプラー乳化物とを塗布する感熱記録材料の製造方法において、該カプラー乳化物が、乳化物の乳化粒径が0.3μm以上のヒドロキシクマリン系カプラー化合物乳化物、及び乳化物の乳化粒径が0.3μm未満のピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物乳化物であることを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のジアゾニウム塩と特定のカプラーの組み合わせを発色成分として用いる感熱記録材料に関し、特に発色感度と記録後の画像耐光性に優れた感熱記録材料に関する。
感熱記録はその記録装置が簡便で信頼性が高くメンテナンスが不要であることから近来発展している。その感熱記録材料としては、従来からジアゾニウム塩とカプラーとの反応を利用したものなどが広く知られている。
支持体上にジアゾニウム塩とカプラーとを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料においては、近年の記録材料の高機能化に伴い、発色感度と、画像部、非画像部の耐光性の性能向上が望まれている。これに対し、カプラーとしてヒドロキシクマリン系カプラー化合物を用いる方法(例えば、特許文献1参照)や、カプラーとしてピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン化合物を用いる方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、これらの方法には上記性能に未だ改良の余地があり、更なる発色感度と耐光性の向上が望まれていた。
特開平9−156229号公報 特開平9−319024号公報
従って本発明は、発色感度と画像耐光性が良好である感熱記録材料を提供することを目的とする。
斯かる実情の鑑み、本発明者は鋭意研究を行ったところ、下記の2つの化合物をカプラーとして使用し、これらの乳化物の乳化粒径を規定し、ジアゾニウム塩と組み合せることにより、画像耐光性が向上し、発色感度に優れた画像が得られることを見出し本発明を完成した。
即ち、上記課題は、以下の発明によって達成される。
<1> 支持体上に、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と反応して発色させるカプラー乳化物とを塗布する感熱記録材料の製造方法において、該カプラー乳化物が、乳化物の乳化粒径が0.3μm以上のヒドロキシクマリン系カプラー化合物乳化物、及び乳化物の乳化粒径が0.3μm未満のピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物乳化物であることを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
<2> ヒドロキシクマリン系カプラー化合物が次の一般式1で表される化合物であることを特徴とする<1>記載の感熱記録材料の製造方法。
Figure 2006248195
[式中、R1 、R2、R3 及びR4 は、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基若しくはニトロ基を示すか、又はR1 とR2、R2とR3、若しくはR3 とR4は互いに結合して環を形成してもよい。]
<3> ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物が次の一般式2で表される化合物であることを特徴とする<1>又は<2>記載の感熱記録材料の製造方法。
Figure 2006248195
[式中、R5 は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6は水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基又はN−置換カルバモイル基を表わし、R7は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す]
<4> ジアゾニウム塩化合物が、下記一般式3で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<3>の何れか1項の感熱記録材料の製造方法。
Figure 2006248195
〔一般式3中、R8及びR9は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。R8及びR9は、互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子であることはない。R10は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、又は置換アミノ基を表す。X-は、酸アニオンを表す。nは、1から4までの整数を表す。〕
<5> ジアゾニウム塩化合物がマイクロカプセルに内包されていることを特徴とする<1>〜<4>の何れか1項記載の感熱記録材料の製造方法。
<6> <1>〜<5>の何れか1項記載の感熱記録材料の製造方法により製造された感熱記録材料。
本発明の感熱記録材料の製造法によって得られた感熱記録材料は、発色感度と画像耐光性が良好である。
本発明は、支持体上に、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と反応して発色させるカプラー乳化物とを塗布する感熱記録材料の製造方法において、該カプラー乳化物が、乳化物の乳化粒径が0.3μm以上のヒドロキシクマリン系カプラー化合物乳化物、及び乳化物の乳化粒径が0.3μm未満のピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物乳化物であることを特徴とする感熱記録材料の製造方法である。以下、詳細に説明する。
<カプラ−>
本発明は、カプラ−乳化物が、乳化物の乳化粒径が0.3μm以上のヒドロキシクマリン系カプラー化合物乳化物、及び乳化物の乳化粒径が0.3μm未満のピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物乳化物を併用することを特徴とする。
(ヒドロキシクマリン系カプラー化合物)
本発明で用いるヒドロキシクマリン系カプラー化合物としては、次の一般式1で表されるものが好ましい。
Figure 2006248195
[式中、R1 、R2、R3 及びR4 は、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基若しくはニトロ基を示すか、又はR1 とR2、R2とR3、若しくはR3 とR4は互いに結合して環を形成してもよい。]
一般式1中、R1 、R2、R3 及びR4 としては、水素原子、炭素数4〜36の置換又は無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換又は無置換のアリール基又は炭素数7〜21の置換又は無置換のアラルキル基、炭素数4〜36の置換又は無置換のアルキルオキシ基、炭素数6〜20の置換又は無置換のアリールオキシ基、炭素数4〜36の置換又は無置換のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数2〜25の置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の置換又は無置換のアシルオキシ基、炭素数2〜37の置換又は無置換のカルバモイル基、炭素数2〜35の置換又は無置換のスルファモイル基、ハロゲン原子が好ましい。
これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
上記の置換基としては、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数1〜36のアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜36のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数2〜25のアルキルカルボニル基、炭素数7〜35のアリールカルボニル基、炭素数2〜25のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数2〜37のカルバモイル基、炭素数2〜35のアシルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基等が好ましい。
一般式1において、R1 、R2、R3 及びR4の合計の炭素数の総和は油溶性の点から12以上が好ましく、特には14以上が好ましい。さらに一般式1の好ましいものとして、一般式(1−1) が挙げられる。
一般式(1−1)
Figure 2006248195
[一般式(1−1) において、R11は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子を表わし、R12、R13及びR14はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基を表わす。Yは酸素原子、イオウ原子を表わす。l+mは1〜4の整数を表わす。ただしmは1以上を、nは1〜10の整数を表わす。
11 としては水素原子、炭素数4〜36の置換又は無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子が好ましい。]
12、R13及びR14は水素原子、炭素数1〜24の置換又は無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換又は無置換のアリール基、炭素数7〜21の置換又は無置換のアラルキル基、炭素数4〜36の置換又は無置換のアルキルオキシ基、炭素数6〜20の置換又は無置換のアリールオキシ基、炭素数4〜36の置換又は無置換のアルキルチオ基、炭素数6〜20の置換又は無置換のアリールチオ基、炭素数2〜25の置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の置換又は無置換のアシルオキシ基、炭素数2〜37の置換又は無置換のカルバモイル基、炭素数2〜35の置換又は無置換のスルファモイル基が好ましい。Yは酸素原子が好ましい。更に好ましくは、R12としては炭素数6〜34のカルバモイル基が好ましく、炭素数10〜30のカルバモイル基が特に好ましい。R13およびR14としては水素原子または炭素数1〜20のアルキル基が特に好ましく、その中でも水素原子または炭素数2〜15のアルキル基が特に好ましい。
次に、一般式1で表される化合物(以下、カプラーAと呼ぶことがある)の具体例を、下記に示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
(ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物)
本発明で用いるピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物としては、次の一般式2で表されるものが好ましい。
Figure 2006248195
[式中、R5 は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6は水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基又はN−置換カルバモイル基を表わし、R7は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す]
一般式2中、R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R5 で表されるアルキル基としては、総炭素数1〜29のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。R5 で表されるアリール基としては、総炭素数5〜36のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基等が挙げられる。また、R6 は水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はN−置換カルバモイル基を表わし、R6で表されるアルキル基としては、総炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。R6 で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子が挙げられる。R6で表されるアルコキシカルボニル基としては、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。R6で表されるN−置換カルバモイル基としては、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基等が挙げられ、好ましくは、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基等が挙げられる。また、R6は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を表し、R7で表されるアルキル基としては、総炭素数1〜28のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、テトラデシル基等が挙げられる。R7で表されるアラルキル基としては、総炭素数6〜38のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、ピリジルメチル基等が挙げられる。
5、R6、R7はそれぞれ更に置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、スルホニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
以下に、一般式2で表されるピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジンジオン化合物の好適な具体例を示すが、本発明はこれにより限定されるものではない。
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
一般式2で表されるピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジンジオン化合物の内、さらに次の一般式2−1で表されるものが好ましい。
Figure 2006248195
(式中、R15及びR16はアルキル基を表す。R17は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。nは、0〜4の整数を表す。)
尚、上記R17は、水素原子であることがより好ましい。
一般式2−1中、R15で表されるアルキル基は、総炭素数1〜29のアルキル基が好ましく、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよい。
上記アルキル基としては、アルキル基は、総炭素数1〜29のアルキル基が好ましく、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、エトキシカルボニルメチル基、(1−エトキシカルボニル)プロピル基、(1−エトキシカルボニル)ペンチル基、(1−フェノキシ)エチル基、[1−(2,4−ジ−t−Buフェニルオキシ)]エチル基、[1−(2,4−ジ−t−ペンチルフェニルオキシ)]エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基が好ましく、特に、メチル基、t−ブチル基が好ましい。
一般式2−1中、R16で表されるアルキル基は、総炭素数1〜29のアルキル基が好ましく、また油溶性の観点から、総炭素数の下限は8以上であることがより好ましい。また、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよい。
上記アルキル基としては、例えば、上記R15で表されるアルキル基の例として列挙した化合物等が挙げられる。これらの中でも、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、(1−フェノキシ)エチル基が好ましく、特に、n−ヘキサデシル基、(1−フェノキシ)エチル基が好ましい。
一般式2−1中、R17で表されるアルキル基は、総炭素数1〜29のアルキル基が好ましく、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよい。
上記アルキル基としては、例えば、例えば、上記R15で表されるアルキル基の例として列挙した化合物等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましく、特に、メチル基が好ましい。
一般式2−1中、R15、R16及びR17で表されるアルキル基は、それぞれ更に置換基を有していてもよく、置換基としては、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基等が挙げられる。
一般式2−1中、R17で表されるアルコキシ基は、総炭素数1〜29のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基等を挙げることができる。また、特に、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が好ましい。
一般式2−1中、R17で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、特に、塩素原子が好ましい。
一般式2−1で表されるカプラーは、特願2004−138984号に記載の方法によって製造することができる。
以下に、一般式2−1で表される化合物(以下、カプラーCと呼ぶことがある)の好適な具体例を示すが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
Figure 2006248195
(乳化物)
次に、本発明に用いるカプラー化合物は、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることが好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもできる。更に、カプラー化合物、有機塩基は別々に乳化分散することも、混合してから高沸点有機溶剤に溶解し、乳化分散することも可能である。本発明におけるカプラー化合物は、融点が65℃以下なので容易に乳化できる。また、前記カプラーの使用量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
この場合に使用される高沸点有機溶剤は、例えば、特開平2−141279号公報に記載の高沸点オイルの中から適宜選択することができる。中でも、乳化分散物の乳化安定性の観点から、エステル類が好ましく、リン酸トリクレジルが特に好ましい。上記オイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
前記有機溶剤に、更に溶解助剤として、低沸点の補助溶剤を加えることもでき、該補助溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等を好適に挙げることができる。場合に応じて、高沸点オイルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用いることもできる。
また、水相中に保護コロイドとして含有させる水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができ、中でも、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ましい。
また、水相中に含有させる界面活性剤としては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤であって、上記保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。該界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
カプラー化合物乳化物の乳化粒径をコントロールするには、ホモジナイザー、ホモミキサー、ディゾルバー、ナノマイザー、コントンゴーリン、コロイドミル、ケーディミルなど、公知の乳化装置を用い、乳化装置の回転数および乳化時間を調整する方法が挙げられる。
なお、カプラー化合物乳化物の粒径は動的光散乱式粒径分布測定装置で40℃の温水中、測定光の透過率が70-72%になるように乳化物を加えた状態で測定した時のメジアン径の測定値とする。
ヒドロキシクマリン系カプラー化合物乳化物の粒径は、0.3μm以上であるが、0.3μm〜10μmが好ましく、特に0.35μm〜7μmが好ましく、さらに0.40μm〜3μmが好ましい。一方、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物乳化物乳化粒径は0.3μm未満であるが、0.01μm〜0.3μm未満が好ましく、0.1μm〜0.3μm未満が特に好ましく、さらに0.15μm〜0.25μmが好ましい。
また、ヒドロキシクマリン系カプラー化合物とピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物との使用比率は、モル比で9:1〜1:9が好ましく、特に8:2〜4:6がより好ましく、7:3〜5:5が特に好ましい。
本発明では、更に色相調整等の諸目的に応じて、塩基性雰囲気でジアゾニウム塩とカップリングして色素を形成する公知のカプラーを併用することもできるが、使用する全カプラーの50質量%以上が一般式1及び2で表されるカプラーであることが好ましい。
上記の併用できる公知のカプラーとしては、例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体などがあり、具体的には、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシ−6−スルホナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、ベンゾイルアセトニリド、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、2−{3−〔α−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブタンアミド〕ベンズアミド}フェノール、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミノメチル)ベンゼン等が挙げられる。
<ジアゾニウム塩化合物>
本発明に用いるジアゾニウム塩化合物としては、特に限定されないが、下記一般式3で表される化合物が好ましい。
Figure 2006248195
〔一般式3中、R8及びR9は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、又は置換若しくは無置換アリール基を表す。R8及びR9は、互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子であることはない。R10は、水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキルチオ基、置換若しくは無置換アリールチオ基、ハロゲン原子、又は置換アミノ基を表す。X-は、酸アニオンを表す。nは、1から4までの整数を表す。R8とR9は互いに結合して環を形成してもよい。
8、R9及びR10がアルキル基である場合、総炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、直鎖、分岐鎖、環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基等が挙げられる。置換基はさらに置換基を有していてもよい。このような置換若しくは無置換のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、メトキシエチル、エトキシエチル、アセトキシエチル基等が挙げられる。
前記R8、R9及びR10がアリール基である場合、総炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。置換基はさらに置換基を有していてもよい。
前記R10がアルコキシ基である場合、総炭素数1〜25のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、1−エチルプロポキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。
前記R10がアリールオキシ基である場合の例としては、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。
前記R10がアルキルチオ基である場合のアルキル基としては、炭素数1〜30のものが好ましく、直鎖、分岐鎖、環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。このような置換又は無置換のアルキルチオ基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、sec−ペンチルチオ基等が挙げられる。
前記R10がアリールチオ基である場合のアリール基としては、炭素数6〜30のものが好ましく、そのようなアリールチオ基としては、フェニルチオ、ナフチルチオ基等が挙げられる。アリールチオ基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。置換基はさらに置換基を有していてもよい。
前記R10がハロゲン原子である場合の例としては、フッ素、塩素、臭素及び沃素等が挙げられる。
前記R10が置換アミノ基である場合、置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールスルホニル基を挙げることができ、その具体例は、R3がアルキル基又はアリール基である場合の具体例と同じである。2つの置換基は同一でも異なっていてもよい。また、置換基は一つ(即ち、他方は水素原子)であってもよい。置換基はさらに置換基を有していてもよい。
一般式3で表されるジアゾニウム塩化合物のベンゼン環は、前記R10で表される基により、複数個置換されていてもよい。即ち、前記一般式3において、nは、1〜4の整数を表し、1〜2であるのが好ましい。
一般式3において、酸アニオン(X-)のXの例としては、総炭素数1〜20のパーフルオロアルキルカルボン酸(例えば、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロデカン酸、パーフルオロドデカン酸)、総炭素数1〜20のパーフルオロアルキルスルホン酸(例えば、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロヘキサデカンスルホン酸)、総炭素数7〜50の芳香族カルボン酸(例えば、4,4−ジ−t−ブチルサリチル酸、4−t−オクチルオキシ安息香酸、2−n−オクチルオキシ安息香酸、4−n−ヘキサデシル安息香酸、2,4−ビス−n−オクタデシルオキシ安息香酸、4−n−デシルナフトエ酸)、炭素数6〜50の芳香族スルホン酸(例えば、1,5−ナフタレンジスルホン酸、4−t−オクチルオキシベンゼンスルホン酸、4−n−ドデシルベンゼンスルホン酸)、4,5−ジ−t−ブチル−2−ナフトエ酸、テトラフッ化ホウ酸、テトラフェニルホウ酸、ヘキサフルオロリン酸等が挙げられる。その中でも、炭素数6〜16のパーフルオロアルキルカルボン酸、総炭素数6〜16のパーフルオロアルキルスルホン酸、総炭素数10〜40の芳香族カルボン酸、炭素数10〜40の芳香族スルホン酸、テトラフッ化ホウ酸、テトラフェニルホウ酸、ヘキサフルオロリン酸等が好ましい。
前記一般式3で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例(例示化合物1〜70)を下記に示すが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
Figure 2006248195
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Figure 2006248195
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前記一般式3のうち、次の一般式3−1で表されるジアゾニウム塩化合物が特に好ましい。
Figure 2006248195
(式中、R18、R19、R20、R21及びR22はアルキル基を表す。X-は酸アニオンを表す。)
一般式3−1中、R18で表されるアルキル基は、総炭素数1〜29のアルキル基が好ましく、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、エトキシカルボニルメチル基、(1−エトキシカルボニル)プロピル基、(1−エトキシカルボニル)ペンチル基、(1−フェノキシ)エチル基、[1−(2,4−ジ−t−Buフェニルオキシ)]エチル基、[1−(2,4−ジ−t−ペンチルフェニルオキシ)]エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。これらの中でも、n−ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、特に、3−ペンチル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。
一般式3−1中、R19〜R22で表されるアルキル基は、総炭素数1〜29のアルキル基が好ましく、また油溶性の観点から、総炭素数の下限は4以上であることがより好ましい。また、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよく、R19とR20及び/又はR21とR22はそれぞれ連結して環を形成してもよい。
上記アルキル基としては、例えば、R18で表されるアルキル基の例として列挙した化合物等が挙げられる。これらの中でも、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基が好ましく、特に、n−ブチル基、イソブチル基が好ましい。
一般式3−1中、R18及びR19〜R22で表されるアルキル基は、それぞれ更に置換基を有していてもよく、置換基としては、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基等が挙げられる。
一般式3−1中、X-で表される酸アニオンの酸としては、例えば、炭素数1〜9までのポリフルオロアルキルカルボン酸、炭素数1〜9までのポリフルオロアルキルスルホン酸、四フッ化ホウ素、テトラフェニルホウ素、ヘキサフルオロリン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられ、特にヘキサフルオロリン酸が好ましい。尚、本発明においては、更に、塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化スズなどを用いて錯化合物を形成させジアゾニウム塩を安定化させても良い。
以下に、一般式3−1で表されるジアゾニウム塩の好適な具体例を示すが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
Figure 2006248195
Figure 2006248195
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Figure 2006248195
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本発明で使用するジアゾニウム塩は、その融点が30℃〜200℃のものが好ましいが、取り扱い性の点から50℃〜150℃のものが特に好ましい。
また、本発明においては、感熱記録材料の使用前の生保存性を良好なものとするために、後に詳述する如く、ジアゾニウム塩をマイクロカプセル中に内包させることが好ましいが、その際、適当な溶剤に溶解させて用いるため、これらの溶剤に対する適当な溶解度と、低い水溶性とを有していることが好ましい。具体的には、使用する有機溶剤に対して5%以上の溶解度を有すると共に、水に対する溶解度は1%以下であることが好ましい。
本発明においては、感熱記録層中にジアゾニウム塩を0.02〜3g/m2の範囲で含有させることが好ましく、発色濃度の点から、特に0.1〜2g/m2の範囲で含有させることがより好ましい。
ジアゾニウム塩は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。更に色相調整等の諸目的に応じて、一般式3で表されるジアゾニウム塩と公知のジアゾニウム塩を併用することもできるが、一般式3で表されるジアゾニウム塩が、使用する全ジアゾニウム塩の50質量%以上であることが好ましい。併用するジアゾニウム塩のうち、好ましいものを以下に挙げる。
上記の併用できる公知のジアゾニウム塩としては、4−ジアゾ−1−ジメチルアミノベンゼン、4−ジアゾ−2−ブトキシ−5−クロル−1−ジメチルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−メチルベンジルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−エチルヒドロキシエチルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−ジエチルアミノ−3−メトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−モルホリノベンゼン、4−ジアゾ−1−モルホリノ−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−トルイルメルカプト−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−ピペラジノ−2−メトキシ−5−クロルベンゼン、4−ジアゾ−1−(N,N−ジオクチルアミノカルボニル)ベンゼン、4−ジアゾ−1−(4−tert−オクチルフェノキシ)ベンゼン、4−ジアゾ−1−(2−エチルヘキサノイルピペリジノ)−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−〔α−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリルピペリジノ〕ベンゼン等が挙げられる。
<マイクロカプセル>
本発明の感熱記録材料は、その使用前の生保存性を良好とするために、ジアゾニウム塩をマイクロカプセルに内包させることが好ましい。
この場合に使用されるマイクロカプセルは、常圧で40〜95℃の沸点をもつ非水溶媒にジアゾニウム塩、及び、互いに反応して高分子物質を生成する同種又は異種の化合物を溶解した溶液を、親水性保護コロイド溶液中に乳化分散した後、反応容器を減圧にしながら系を昇温して溶媒を留去しつつ油滴表面に壁形成物質を移動させ、且つ油滴表面で重付加又は重縮合による高分子生成反応を進行させて壁膜を形成させることにより製造される。
本発明においては、特に、後記するような、実質的に溶媒を含まないマイクロカプセルを使用することが、良好なシェルフライフを得る点からみて好ましい。また、マイクロカプセル壁を形成する高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
以下に、本発明におけるジアゾニウム塩含有マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法について述べる。
ます、ジアゾニウム塩はカプセルの芯となる疎水性の有機溶媒に溶解させる。この場合の有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、ケトン類、エーテル類の中から選択させる少くとも1種の溶媒が好ましい。芯溶媒中には、更に、多価イソシアネートが壁材として添加される(油相)。
一方、水相としては、ポリビニルアルコール、ゼラチンなどの水溶性高分子を溶解した水溶液を用意し、次いで前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散を行う。このとき水溶性高分子は乳化分散の安定化剤として作用する。乳化分散を更に安定に行うために、油相或いは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加してもよい。
多価イソシアネートの使用量は、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネートの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。
水相中にポリオールを添加しておけば、多価イソシアネートとポリオールが反応してポリウレタン壁を形成することもできる。反応速度を速めるために反応温度を高く保ち、或いは適当な重合触媒を添加することが好ましい。多価イソシアネート、ポリオール、反応触媒、或いは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい〔岩田敬治 編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987)〕。
前記のジアゾニウム塩を溶解し、マイクロカプセルの芯を形成する疎水性有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニルのような芳香族炭化水素、塩素化パラフィン、トリキシリルフォスフェート、トリクレジルフォスフェートのようなリン酸エステル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステルのようなカルボン酸エステル類、硫酸エステル類、スルホン酸エステル類などが挙げられる。これらは2種以上混合して用いてもよい。
カプセル化しようとするジアゾニウム塩のこれらの溶媒に対する溶解性が劣る場合には、用いようとするジアゾニウム塩の溶解性の高い低沸点溶媒を併用することもできる。具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトンなどが挙げられる。また低沸点溶媒のみをカプセルの芯に用いた場合には、カプセル化反応中に溶媒は蒸散し、カプセル壁とジアゾニウム塩が一体となって存在する、いわゆるコアレスカプセルが形成される。
マイクロカプセル壁の原料として用いる多価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレンジイソシアネート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びその水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートを主原料とし、これらの2量体或いは3量体(ビューレット或いはイソシヌレート)の他、トリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体として多官能としたもの、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物などが挙げられる。
更に、ポリオール又はポリアミンを、芯となる疎水性溶媒中又は分散媒となる水溶性高分子溶液中に添加しておき、マイクロカプセル壁の原料の一つとして用いることもできる。これらのポリオール又はポリアミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁が形成される。
このようにして調整されたカプセルの油相を分散する水溶性高分子水溶液に用いる水溶性高分子は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が5以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例としては、ポリビニルアルコール及びその変性物、ポリアクリル酸アミド及びその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらの水溶性高分子は、イソシアネート化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たとえばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有するものは、予め変性するなどして反応性をなくしておくことが必要である。
また、界面活性剤を添加する場合には、界面活性剤の添加量は、油相の質量に対して0.1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好ましい。
乳化は、ホモジナイザー、ホモミキサー、ディゾルバー、ナノマイザー、コントンゴーリン、コロイドミル、ケーディミルなど、公知の乳化装置を用いことができる。乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。
また、反応中に改めて凝集防止用の分散剤を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的のジアゾニウム塩含有マイクロカプセルを得ることができる。
<塩基性物質>
本発明においては、ジアゾニウム塩とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で塩基性物質を加える。塩基性物質としては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジン類;
N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。これらの塩基性物質は1種を用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明においては、ジアゾニウム塩1質量部に対するカプラー成分の使用量は、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
また、ジアゾニウム塩1質量部に対する塩基性物質の使用量は、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.2〜3質量部がより好ましい。
<発色助剤>
本発明においては、上記した塩基性物質の他にも、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えることができる。
発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高くする、若しくは最低発色温度を低くする物質があり、カプラー、塩基性物質、若しくはジアゾニウム塩等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾニウム塩、塩基性物質、カプラー等が反応しやすい状況を作るためのものである。
本発明の発色助剤に含まれるものとして、例えば低エネルギーで迅速且つ完全に熱現像が行われるように、感光層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、アミド化合物、スルホンアミド化合物等を加えることができる。これらの化合物は、カプラー成分や塩基性物質の融点を低下させるか、或いは、マイクロカプセル壁の熱透過性を向上させ、その結果高い発色濃度を可能とするものと考えられる。
本発明の発色助剤には熱融解性物質も含まれる。熱融解性物質は、常温では固体であって加熱により融解する融点50℃〜150℃の物質であり、ジアゾニウム塩、カプラー、或いは塩基性物質等を溶かす物質である。これらの化合物の具体例としては、カルボン酸アミド、N−置換カルボン酸アミド、ケトン化合物、尿素化合物、エステル類が挙げられる。
<酸化防止剤>
本発明の記録材料においては、熱発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させ、又は、定着後の未印字部分の光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることが好ましい。
上記の酸化防止剤については、例えばヨーロッパ公開特許第223739号公報、同第309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、アメリカ特許第4814262号明細書、同第4980275号明細書等に記載されている。
更に、感熱記録材料や感圧記録材料において既に用いられている公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの酸化防止剤の具体例としては、特開昭60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同63−088381号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平01−239282号公報、同04−291685号公報、同04−291684号公報、同05−188687号公報、同05−188686号公報、同05−110490号公報、同05−1108437号公報、同05−170361号公報、特公昭48−043294号公報、同48−033212号公報に記載されてる化合物を挙げることができる。
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニルプロパン、1,1−ビス−4−ヒドロキシフェニル−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
これらの酸化防止剤の添加量は、ジアゾニウム塩1質量部に対して0.05〜100質量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜30質量部であることが好ましい。
上記した公知の酸化防止剤はジアゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有させて用いても、カプラーや塩基性物質、その他の発色助剤と共に、固体分散物として用いても、適当な乳化助剤と共に乳化物にして用いても、或いはその両方の形態で用いてもよい。また酸化防止剤を単独又は複数併用することができるのは勿論である。また、保護層に添加又は存在させることもできる。
これらの酸化防止剤は同一層に添加しなくてもよい。更にこれらの酸化防止剤を組み合わせて複数用いる場合には、アニリン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、りん化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに異なる構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを複数組み合わせることもできる。
<その他の添加物>
本発明の記録材料には、定着後の地肌部の黄変を軽減する目的で、光重合性組成物等に用いられる遊離基発生剤(光照射により遊離基を発生する化合物)を加えることができる。このような遊離基発生剤としては、芳香族ケトン類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、アゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキシムエステル類などが挙げられる。添加する量は、ジアゾニウム塩1質量部に対して、遊離基発生剤を0.01〜5質量部とすることが好ましい。
また同様に黄変を軽減する目的で、エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、ビニルモノマーと呼ぶ)を用いることもできる。ビニルモノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有する化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形態をもつものである。それらの例としては、不飽和カルボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミンとのアミド化合物が挙げられる。
ビニルモノマーはジアゾニウム塩1質量部に対して0.2〜20質量部の割合で用いることが好ましい。
前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジアゾニウム塩と共にマイクロカプセル中に含有させて用いることもできる。
本発明においては、以上の添加物の他、酸安定剤としてクエン酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加することもできる。
<感熱記録材料の作製>
本発明の記録材料は、ジアゾニウム塩(好ましくは、マイクロカプセル化されたもの)、カプラー、及び塩基性物質、その他の添加物を含有した塗布液を調製し、紙や合成樹脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等の塗布方法により塗布乾燥して、固型分2.5〜30g/m2の感熱記録層を設けることが好ましい。
本発明の記録材料においては、マイクロカプセル、カプラー、塩基などが同一層に含まれていてもよいが、別層に含まれるような積層型の構成をとることもできる。また、支持体の上に特開昭61−054980号公報等に記載されているような中間層を設けた後、感熱記録層を塗布することもできる。
本発明における支持体としては、通常の感圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用いられる紙支持体はいずれも使用することができる他、アルキルケテンダイマー等の中性サイズ剤によりサイジングされた、pHが5〜9の中性紙(特開昭56−112383号公報のもの)、特開昭57−116687号公報に記載されたステキヒトサイズ度とメートル坪量との関係を満たし、且つベック平滑度が90秒以上の紙、特開昭58−136492号公報に記載された光学的表面粗さが8μm以下で、且つ厚みが30〜150μmの紙、特開昭58−69091号公報に記載されている密度0.9g/cm3以下で且つ光学的接触率が15%以上の紙、特開昭58−69097号公報に記載されたカナダ標準濾水度(JIS P8121)で400cc以上に叩解処理されたパルプより抄造してなる塗布液のしみこみを防止した紙、特開昭58−65695号公報に記載のヤンキーマシーンにより抄造された原紙の光沢面を塗布面とし発色濃度及び解像力を改良した紙。特開昭59−35985号公報に記載された原紙にコロナ放電処理を施し、塗布適性を改良した紙なども用いることができる。
また本発明において支持体として使用できる合成樹脂フィルムとしては、現像過程での加熱に対しても変形せず、寸法安定性を有する公知の材料の中から任意に選択することができる。このようなフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
これらの支持体は、単体で或いは貼り合わせて用いることができる。また、支持体の厚みとしては、20〜200μmのものが好ましい。
本発明においては、必要に応じて、サーマルヘッドで印字する際の、スティッキングやヘッド汚れ等を防止したり記録材料に耐水性を付与する目的で、感熱記録層上に、ポリビニルアルコール等を主成分とし、各種の顔料や離型剤等を添加した保護層(以下単に保護層と呼ぶ)を更に設けることが好ましい。
このようにして得られる本発明の感熱記録材料の記録面にサーマルヘッド等で加熱すると、マイクロカプセル化されたジアゾニウム塩を用いた場合であれば、ポリウレアやポリウレタン等のカプセル壁が軟化し、カプセル外のカプラーと塩基性物質がカプセル内に進入して発色する。記録後は、ジアゾニウム塩の吸収波長の光を照射することにより、ジアゾニウム塩が分解してカプラーとの反応性を失うため、画像の定着が行なわれる。
定着用光源としては、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯などを用いることができる。この発行スペクトルは、記録材料で用いたジアゾニウム塩の吸収スペクトルとほぼ一致していることが、効率良く光定着させることができる点で好ましい。
また、本発明の感熱記録材料は、原稿を用いて露光し、画像形成部以外のジアゾニウム塩を分解して潜像を形成させた後、記録材料を加熱して現像し、画像を得ることもできる。
<多色感熱記録材料>
本発明において、上記感熱記録層を複数積層してもよく、各感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録材料を得ることもできる。この多色感熱記録材料については、特開平4−135787号公報、同4−144784号公報、同4−144785号公報、同4−194842号公報、同4−247447号公報、同4−247448号公報、同4−340540号公報、同4−340541号公報、同5−34860号公報等に記載されている。
その層構成は特に限定されるものではないが、特に感光波長の異なる2種のジアゾニウム塩とそれぞれのジアゾニウム塩と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層と、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物とを組み合わせた感熱記録層とを積層した多色感熱記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を含む第1の感熱記録層、最大吸収波長が365±40nmであるジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第2の感熱記録層、最大吸収波長が425±40nmであるジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第3の感熱記録層とするものである。この例において、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録が可能となる。
この多色感熱記録材料の記録方法は、まず第3の感熱記録層を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーを発色させる。次に425±40nmの光を照射して第3の感熱記録層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩を分解させたのち、第2の感熱記録層が発色するに十分な熱を加え、該層に含まれているジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。このとき第3の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩は分解しており発色能力が失われているので発色しない。更に365±40nmの光を照射して第2の感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩を分解し、最後に第1の感熱記録層が発色する十分な熱を加えて発色させる。このとき第3、第2の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩は分解しており発色能力が失われているので発色しない。
以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下実施例中の「部」及び「%」は、特に説明のない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(実施例1)
−ジアゾ感熱記録材料の作製−
(ジアゾ化合物含有カプセル液(i)の調製):酢酸エチル19部に化合物(E−26)2.8部、トリクレジルフォスフェート10部を添加して均一に混合した。次いでこの混合液に壁剤としてタケネートD−110N(武田薬品工業製)7.6部を加えて均一に混合し、I液を得た。次に、このI液にフタル化ゼラチンの8重量%水溶液46.1部、水17.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの10%水溶液2部を加え、40℃、10000r.p.m.で10分間乳化分散した。得られた乳化物に水20部を加えて均一化した後、攪拌しながら40℃で3時間カプセル化反応を行わせてカプセル液(i)を得た。カプセルの粒径は0.35μmであった。
(カプラー乳化分散液(ii)の調製)
酢酸エチル10.5部にカプラーC(化合物C−5)4.3部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンを11.7部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールを11.7部、トリフェニルグアニジン11.7部、トリクレジルフォスフェート1.4部、マレイン酸ジエチルエステル0.7部を溶かしII液を得た。次に、石灰処理ゼラチンの15重量%水溶液143.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ10%水溶液13.1部、水126.5部を40℃で均一に混合した中にII液を添加しホモジナイザーを用いて40℃、8000r.p.m.で10分間乳化分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪拌して酢酸エチルを除いた後、揮散した酢酸エチルと水の重量を加水により補い、カプラー乳化分散液(ii)を得た。カプセルの粒径は0.27μmであった。
(カプラー乳化分散液(iii)の調製)
酢酸エチル10.5部にカプラーA(化合物A−2)4.9部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンを11.7部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールを11.7部、トリフェニルグアニジン11.7部、トリクレジルフォスフェート1.4部、マレイン酸ジエチルエステル0.7部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ70%メタノール溶液3.2部、を溶かしII液を得た。次に、石灰処理ゼラチンの15重量%水溶液143.8部、水126.5部を40℃で均一に混合した中にII液を添加しホモジナイザーを用いて40℃、6000r.p.m.で8分間乳化分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪拌して酢酸エチルを除いた後、揮散した酢酸エチルと水の重量を加水により補い、カプラー乳化分散剤(iii)を得た。カプセルの粒径は0.41μmであった。
(塗布液(iv)の調液):
カプセル液(i)を6部、水4.4部を40℃で均一に混合した後、カプラー乳化分散液(ii)4.2部、カプラー乳化分散液(iii)4.2部を添加し、均一に混合し、感熱記録層塗布液(iv)を得た。
(保護層塗布液(v)の調液):
ポリビニルアルコール(重合度1700、鹸化度88%)10%水溶液32部、水36部を均一に混合し、保護層塗布液Eを得た。
(塗布)
上質紙にポリエチレンをラミネートした印画紙用支持体上に、ワイヤーバーで感熱記録層塗布液(iv)、保護層塗布液(v)の順に、順次塗布と50℃での乾燥を行い、目的のジアゾ感熱記録材料を得た。固形分としての塗布量は、各々6.4g/m2 、1.05g/m2 であった。
(2)画像記録
(熱記録):京セラ株式会社製サーマルヘッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネルギーが0〜40mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに対する印加電力及びパルス幅を決めジアゾ感熱記録層に熱印字し、画像を得た。
(光定着):熱記録後、発光中心波長が365nm、出力40Wの紫外線ランプを用いて15秒間全面光照射した。
(3)記録紙の性能試験
(耐光性試験)
低エネルギー(23mJ/mm2)、中エネルギー(32mJ/mm2)及び高低エネルギー(37mJ/mm2)で熱記録した試料に、スーパーキセノンウエザオメーター(スガ試験機(株)製)を用い、4.8時間照射、1.2時間停止サイクルで4サイクル光照射し、画像部の退色試験を行った。マクベス濃度計によって濃度変化(色素残存率[%])を求めた。
耐光性試験の結果は下記表1に示した。
(実施例2)
実施例1で用いたカプラーC(化合物C−5)をカプラーC(化合物C−17)に変更し、またカプラー乳化分散液(iii)の乳化粒径およびカプラーA/カプラーCのモル混合比率を表1のように変更した以外は実施例1と同様に製造し、性能試験を行った。
(実施例3)
実施例1で用いたカプラーA(化合物A−2)をカプラーA(化合物A−1)に変更し、カプラーA/カプラーCのモル混合比率を下記表1のように変更した以外は実施例1と同様に製造し、性能試験を行った。
(比較例1)
実施例1で用いたカプラー乳化分散液(ii)を用いない以外は実施例1と同様に製造し、性能試験を行った。
(比較例2)
実施例1で用いたカプラー乳化分散液(iii)を用いない以外は実施例1と同様に製造し、性能試験を行った。
(比較例3)
実施例1で用いたカプラーの混合比率と同一条件で実施例1のカプラー乳化分散液Bの調製法で2種のカプラーを混合して乳化を行い、実施例1と同様の性能試験を行った。
(5)評価判定
低エネルギー(23mJ/mm2)発色部の反射濃度が0.20以上かつ低エネルギー印画部の耐光性試験における残存率が95%以上、更に高エネルギー(37mJ/mm2)発色部の濃度が1.75以上であるものが優れた感熱記録材料であると判定した。
Figure 2006248195
これらの結果から、カプラーAのみの場合は感熱記録材料は耐光性が不十分、カプラーCのみを用いた感熱記録材料は発色感度が不十分だった。カプラーAとカプラーCを範囲外で混合し用いた比較例の感熱記録材料は感度または耐光性が不十分であった。一方、本発明に係るカプラーAとカプラーCをある割合で混合し、ジアゾ化合物とを用いた実施例の感熱記録材料は、優れた発色感度が得られ、耐光性に優れることがわかった。
本発明により良好な発色性と耐光性を両立させた感熱記録材料を提供することができる。

Claims (6)

  1. 支持体上に、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と反応して発色させるカプラー乳化物とを塗布する感熱記録材料の製造方法において、該カプラー乳化物が、乳化物の乳化粒径が0.3μm以上のヒドロキシクマリン系カプラー化合物乳化物、及び乳化物の乳化粒径が0.3μm未満のピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物乳化物であることを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
  2. ヒドロキシクマリン系カプラー化合物が次の一般式1で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料の製造方法。
    Figure 2006248195
    [式中、R1 、R2、R3 及びR4 は、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基若しくはニトロ基を示すか、又はR1 とR2、R2とR3、若しくはR3 とR4は互いに結合して環を形成してもよい。]
  3. ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンジオン系カプラー化合物が次の一般式2で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の感熱記録材料の製造方法。
    Figure 2006248195
    [式中、R5 は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6は水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基又はN−置換カルバモイル基を表わし、R7は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す]
  4. ジアゾニウム塩化合物が、下記一般式3で表される化合物であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の感熱記録材料の製造方法。
    Figure 2006248195
    〔一般式3中、R8及びR9は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。R8及びR9は、互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子であることはない。R10は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、又は置換アミノ基を表す。X-は、酸アニオンを表す。nは、1から4までの整数を表す。〕
  5. ジアゾニウム塩化合物がマイクロカプセルに内包されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の感熱記録材料の製造方法。
  6. 請求項1から5の何れか1項記載の感熱記録材料の製造方法により製造された感熱記録材料。
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