JPH09156035A - 金属部品のラミネート成形方法 - Google Patents

金属部品のラミネート成形方法

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JPH09156035A
JPH09156035A JP32159295A JP32159295A JPH09156035A JP H09156035 A JPH09156035 A JP H09156035A JP 32159295 A JP32159295 A JP 32159295A JP 32159295 A JP32159295 A JP 32159295A JP H09156035 A JPH09156035 A JP H09156035A
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resin
irradiated
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Takashi Kawamura
孝 川村
Shioji Mizuno
潮路 水野
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着剤を用いず、化学的前処理より簡便な方法
で金属部品と熱可塑性樹脂の密着性または接着性が向上
させる。 【解決手段】金属部品を熱可塑性樹脂にてラミネ−ト成
形するにおいて、該金属部品の表面に紫外線を照射した
後、該金属部品をラミネ−ト成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属部品を熱可塑性
樹脂でラミネ−ト成形する際、金属部品と熱可塑性樹脂
との密着性に優れたラミネ−ト成形方法を提供するもの
であり、例えばフィルム、成形板等の押し出し成形品と
金属箔または金属板とのラミネ−ト成形方法として有用
である。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂(熱可塑性ポリマ−または
熱可塑性高分子)は一般的に酸、アルカリ等の耐薬品性
に優れ、また熱硬化性樹時に比べ成形性サイクルが速
く、またリサイクル性がよい等の理由で雑貨品、食品容
器、機械部品、電気部品、電子部品、自動車部品等に幅
広く使用されており、その使用量は熱硬化性樹脂より多
く使用されている。特にいわゆるエンジニアリングプラ
スチックと呼ばれている熱可塑性樹脂はそれ自体優れた
耐熱性、耐薬品性、機械的強度を有しており、また成形
品の形状自由度が大きい、成形サイクルが速い等の理由
で特にガラス繊維などの強化材で強化した成形材料は、
自動車部品やエレクトロニクス関連部品等の分野に於い
て金属代替用に使用されつつあり、近年、需要を大きく
伸ばしている。
【0003】しかし、金属との密着性に欠け、例えばプ
リント基板では銅配線が剥がれやすい等の欠点を有する
ためこれらへの用途には金属との接着性良好なエポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂が一般的に使用されているのが現状であっ
た。また、金属板や金属箔との押し出しラミネ−ト成形
に於いては種々の金属接着性改良した樹脂が使用されて
いるが、金属との接着性は十分とは言えなかった。
【0004】従来、このような金属部品のラミネ−ト成
形において、金属部と熱可塑性樹脂樹脂部との密着性を
改良するため、シランカップリング剤を添加する方法、
シリコーンオイルを添加する方法、粘着性のあるエラス
トマーを添加する方法、金属部にシランカップリング剤
等のプライマ−を塗布した後、ラミネート成形する方法
等があるが熱硬化性樹脂を使用する程の効果がなく、充
分な改良とは言われなかった。
【0005】本発明は、熱可塑性樹脂を用いたラミネー
ト成形方法において、熱可塑性樹脂の化学組成を変更し
なくとも、或いは化学的前処理を行うことなく、熱可塑
性樹脂と金属との接着性を向上しうる、有効な物理的手
段の一つを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、金属部品を熱可塑性樹
脂でラミネ−ト成形する場合、該金属部品の表面を特定
の処理をした後ラミネート成形することにより、金属部
と熱可塑性樹脂部との密着性に優れたラミネ−ト成形品
を得られることを見いだし、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、金属部品を熱可塑性
樹脂でラミネ−ト成形する際、該金属部品表面に紫外線
を照射した後、熱可塑性樹脂を用いて、ラミネート成形
する事を特徴とする金属部品のラミネ−ト成形方法に関
するものである。
【0008】本発明で使用される熱可塑性樹脂には、一
般的な熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂には結
晶性熱可塑性樹脂、非晶性熱可塑性樹脂の2種類あるが
本発明はこれらの中でどちらの熱可塑性樹脂でも使用可
能であり、あるいは結晶性熱可塑性樹脂と非晶性熱可塑
性樹脂との混合物でも使用できる。さらに熱可塑性樹脂
に、必要に応じて熱硬化性樹脂を加えても差し支えな
い。
【0009】本発明で用いられる熱可塑性樹脂とは、加
熱により、軟化、外力により変形流動し、外力を除去す
るとその形状を保持し、これを繰り返し行いことが可能
で、冷却し固化すれば充分な強度を有する樹脂であ
る〔”新版 高分子辞典 (朝倉書店発行、高分子学
会、高分子辞典編集委員会編)”参照。〕。
【0010】具体的には、該高分子辞典あるいは”実用
プラスチック事典((株)産業調査会発行 実用プラス
チック事典編集委員会編)”にも記載されている様な熱
可塑性樹脂が挙げられる。
【0011】これらに記載されているものを例示する
と、汎用熱可塑性樹脂として、例えば高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線上低密度ポリエチレン、酢
酸ビニル共重合樹脂およびアクリル酸エチル共重合樹脂
等のエチレンとアクリル酸あるいはアクリル酸エステル
との共重合体、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペン
テン−1、ポリブテン−1等のα−オレフィン系(共)
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタク
リル樹脂、ポリビニルアルコ−ル、ポリスチレン系樹
脂、ABS樹脂、AS樹脂等がある。
【0012】また汎用エンジニアリング樹脂と呼ばれて
いるものでは、例えばポリカ−ボネ−ト、ポリオキシメ
チレン、ポリテレフタル酸ブチレン(ポリブチレンテレ
フタレ−ト)、ポリフタル酸エチレン(ポリエチレンテ
レフタレ−ト)、ポリフェニレンオキシド、ノルボルネ
ン系ポリマ−、ポリアミド等が挙げられる。また高性能
エンジニアリング樹脂としてはポリフェニレンサルファ
イド、ポリエ−テルイミド、ポリエ−テルケトン、ポリ
アミドイミド、ポリアリルエ−テルニトリル、ポリブチ
レンナフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリス
ルフォン、ポリエ−テルスルフォン、ポリエ−テルエ−
テルケトン、ポリアリレ−ト、アロマティックポリエス
テルやアロマティックポリアミドで代表とされるいわゆ
る液晶ポリマ−等が挙げられる。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂には、さらに熱可塑
性エラストマ−も含まれる。熱可塑性エラストマ−とは
常温では架硫ゴム状のゴム弾性体としての挙動をとり、
高温では可塑化されて、プラスチック加工機で成形でき
る高分子材料である〔該高分子辞典あるいは”実用プラ
スチック用語辞典((株)プラスチック・エ−ジ社発行
大阪市立工業研究所編)”等参照。〕。
【0014】この熱可塑性エラストマ−としては、例え
ば、ハ−ドセグメントがポリスチレンからなるスチレン
系エラストマ−、ハ−ドセグメントがポリエチレンまた
はポリプロピレンからなるオレフィン系エラストマ−、
ハ−ドセグメントが結晶性ポリ塩化ビニルからなる塩ビ
系エラストマ−、ハ−ドセグメントが熱可塑性ポリエス
テルからなるポリエステル系エラストマ−、ハ−ドセグ
メントにウレタン構造を持つウレタン系エラストマ−、
ハ−ドセグメントがポリアミドからなるポリアミド系エ
ラストマ−、ハ−ドセグメントがフッ素樹脂からなるフ
ッ素系エラストマ−、ハ−ドセグメントが液晶ポリマ−
からなる液晶ポリマ−系エラストマ−等が挙げられる。
【0015】また本発明では、熱可塑性樹脂は、上記し
た通り限定されるものではなく、いわゆる該高分子辞典
で記載されているような熱可塑性樹脂を意味している。
熱可塑性樹脂には、これら熱可塑性樹脂の2種以上をブ
レンドしたいわゆるポリマ−アロイ系熱可塑性樹脂もま
た含まれる。
【0016】熱可塑性樹脂は、一般に結晶性熱可塑性樹
脂と非晶性熱可塑性樹脂とに分けられるが、これらの2
種類の樹脂はラミネート成形品の用途によって使い分け
が出来る。耐薬品性が必要な用途では、結晶性熱可塑性
樹脂が好ましく用いられる。また特に金属との密着性が
特に必要な場合は非晶性熱可塑性樹脂が好ましく用いら
れる。
【0017】本発明の結晶性熱可塑性樹脂とは分子配列
がかなりの秩序を持ち、明瞭な結晶性X線回折が認めら
れる高分子物質である〔該高分子辞典あるいは該実用プ
ラスチック用語辞典参照。〕。
【0018】結晶性熱可塑性樹脂としては、具体的には
例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、酢酸ビニル共重合樹脂およびアク
リル酸エチル共重合樹脂等のエチレンとアクリル酸ある
いはアクリル酸エステルとの共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1等
のα−オレフィン系(共)重合体、ポリ塩化ビニリデン
等がある。また汎用エンジニアリング樹脂と呼ばれてい
るものではポリオキシメチレン、ポリテレフタル酸ブチ
レン(ポリブチレンテレフタレ−ト)、ポリフタル酸エ
チレン(ポリエチレンテレフタレ−ト)、ポリアミド等
が挙げられる。
【0019】また高性能エンジニアリング樹脂の中のそ
れとしては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ−テ
ルケトン、ポリアリルエ−テルニトリル、ポリブチレン
ナフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエ−テ
ルエ−テルケトン、アロマティックポリエステルやアロ
マティックポリアミドで代表とされるいわゆる液晶ポリ
マ−等が挙げられる。
【0020】さらにハ−ドセグメントに結晶層を持つ熱
可塑性エラストマ−も、結晶性熱可塑性樹脂に含まれ
る。ハ−ドセグメントがポリエチレンまたはポリプロピ
レンからなるオレフィン系エラストマ−、ハ−ドセグメ
ントが結晶性ポリ塩化ビニルからなる塩ビ系エラストマ
−、ハ−ドセグメントがポリエステルからなるポリエス
テル系エラストマ−、ハ−ドセグメントにウレタン構造
を持つウレタン系エラストマ−、ハ−ドセグメントがポ
リアミドからなるポリアミド系エラストマ−、ハ−ドセ
グメントがフッ素樹脂からなるフッ素系エラストマ−、
ハ−ドセグメントが液晶ポリマ−からなる液晶ポリマ−
系エラストマ−等が挙げられる。
【0021】非晶性熱可塑性樹脂とはハロ−状のX線回
折しか観測されない高分子物質であるが、結晶化度が非
常に低い樹脂も非晶性熱可塑性樹脂にはいる。具体的に
は、例えばポリ塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリビニ
ルアルコ−ル、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、AS
樹脂等がある。また汎用エンジニアリング樹脂と呼ばれ
ているものではポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンオキ
シド、ノルボルネン系ポリマ−等が挙げられる。また高
性能エンジニアリング樹脂としては、ポリエ−テルイミ
ド、、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリエ−テ
ルスルフォン、ポリアリレ−ト等が挙げられる。さらに
熱可塑性エラストマ−も含まれ、ハ−ドセグメントがポ
リスチレンからなるスチレン系エラストマ−等が挙げら
れる。
【0022】本発明ではラミネートされる金属部品との
密着性をさらに向上させる目的で、必要に応じて無機充
填材及び/又は有機充填材(B)を、熱可塑性樹脂
(A)に併用することが出来、この場合は、構成成分
が、充填材(B)と熱可塑性樹脂(A)とを含む熱可塑
性樹脂組成物となる。また、熱可塑性樹脂(A)に繊維
状強化材を用いても差し支えない。好ましい充填材およ
び/または強化材としては、粉粒状、平板状、鱗片状、
針状、球状または中空状および繊維状が挙げられる。
【0023】この様なものとしては、具体的には例えば
硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、、
ドロマイト、クレー、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス
粉、金属粉、グラファイト、炭化珪素、チッ化珪素、シ
リカ、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、カーボンブ
ラックなどの粉粒状充填材、雲母、ガラス板、セリサイ
ト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛などの平板状も
しくは鱗片状充填材、シラスバルーン、金属バルーン、
ガラスバルーンなどの中空状充填材、ガラス繊維、ミル
ドガラス、炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、
金属繊維、アスベスト、ウォラストナイトなどの繊維状
充填材、芳香族ポリアミド繊維等の有機繊維状充填材を
挙げることが出来る。
【0024】充填材(B)を熱可塑性樹脂(A)に併用
し熱可塑性樹脂組成物とする場合には、熱可塑性樹脂
(A)30〜99体積%と、無機充填材及び/又は有機
充填材(B)70〜1体積%とを併用する様にする。こ
れら充填材(B)の使用量は、熱可塑組性樹脂に対して
0を越えて〜80体積%、好ましくは0を越えて〜70
体積%である。80体積%を越えると成形性を著しく低
下させ、かつ密着性、接着性も低下するので好ましくな
い。
【0025】本発明で金属表面に照射される紫外線と
は、可視光線の短波長端360〜400nmを上限と
し、下限は1nmまでの波長範囲の電磁波を意味してい
る。好ましく使用される紫外線の波長領域は360〜5
0nmの波長領域である。照射時間は、特に制限されな
いが、通常30秒〜10分程度である。
【0026】また本発明では、金属との密着性をより向
上させる目的で、必要に応じて金属部品に紫外線を照射
する前に該金属表面を種々の表面処理しても差し支えな
い。表面処理方法としては公知の方法が取られ、特に限
定されるものではないが、例えば物理的あるいは化学的
な錆除去処理(サンドブラスト、ショットブラスト、等
による研磨、酸洗による錆除去)、脱脂処理(アルカリ
法、溶剤法)、防食処理(酸処理、エッチングプライマ
−処理)等が挙げられる〔”塗装技術ハンドブック(日
刊工業新聞社発行、日本塗装技術協会編)”参照。〕。
【0027】本発明では、更にまた本発明の要旨を逸脱
しない範囲に於て、熱可塑性樹脂には、例えば水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン等
の無機難燃剤、ハロゲン系、リン系等の有機難燃剤、結
晶核材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、分散剤、シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、発泡剤、
架橋剤、着色剤、可塑剤等の添加剤を添加することがで
きる。
【0028】本発明で用いる熱可塑性樹脂又は熱可塑性
樹脂組成物の製造方法としては、一般的な方法が用いら
れる。最も一般的な方法は配合物を適当な混合機例えば
タンブラー、ヘンシェルミキサー、タンブラー等で均一
に混合し、押出機に供給して、結晶性樹脂の場合は該樹
脂の融点以上(融点+100℃)以下の温度で、非晶性
樹脂の場合は該樹脂のガラス転移温度以上の温度で溶融
混練し、ストランド状に押し出したものを冷却し、切断
し、成形材料用の製品(例えばペレット)とする。
【0029】金属部品との成形方法としては金属部品の
表面を必要に応じて表面処理し、紫外線を必要に応じた
時間照射した後、押出成形、圧縮成形等により金属部品
をラミネート成形する方法が取られる。
【0030】より具体的には、上記熱可塑性樹脂又は熱
可塑性樹脂組成物のペレットは、例えば後述する紫外線
照射された金属部品の当該照射部分と熱可塑性樹脂又は
熱可塑性樹脂組成物と溶融共押出するとか、圧縮成形す
るとかして、ラミネートすることが出来る。溶融した状
態の熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂組成物を紫外線照射
された金属部品の当該照射部分に接触する様に圧縮成形
してもよい。
【0031】ラミネートに用いる金属部品としては、例
えばアルミニウム、銅、チタン、ステンレス等のフィル
ム、シート、板等が挙げられる。この金属部品に対し
て、ラミネート接着する部分に紫外線が照射される。
【0032】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を、好まし
い例をもとに説明する。結晶性熱可塑性樹脂及び/又は
非晶性熱可塑性樹脂に、必要に応じて、更に無機充填材
及び/又は有機充填材をも含めた上で、溶融温度未満の
温度で所定時間乾燥を行い水分を除去した後、前記樹脂
又は組成物の溶融温度以上、(溶融温度+100℃)以
下の温度で成形できる様に準備する。
【0033】波長領域360〜50nmの紫外線を、ラ
ミネート成形しようとする金属部品の要接着部分に、3
0〜10分照射してから、当該照射部分と前記溶融状態
の樹脂又は組成物とが接触する様にしてラミネートを行
い、溶融しない温度まで冷却してラミネート成形品を得
る。
【0034】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。本
発明は、これら実施例に限定されるものでないことは勿
論である。
【0035】実施例1及び比較例1 タフテックM1913〔旭化成工業(株)製、無水マレ
イン酸変性水添スチレン−ブタジェン系共重合体〕を用
い、表−1に示す条件で圧縮成形によりアルミ箔(厚み
100μm)の紫外線を照射した面にラミネート成形
(熱可塑性樹脂厚み100μm)し、JIS K685
4に準じたT型剥離試験用試験片を作成した。アルミ箔
への紫外線照射は、以下の装置で4分間照射した。
【0036】(紫外線照射装置) セン特殊光源株式会社製 PL11−1102WS 紫外線波長:184.9nm及び253.7nm(低圧水銀ランプ)
【0037】接着試験は表−1の条件にて、ラミネート
した成形品をJIS K6854に準拠してT型剥離試
験(試験片幅25mm、引張速度200mm/min)
を行った。比較例として紫外線を照射しないアルミ箔を
用いて同様にT型剥離試験を行った。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2及び比較例2 旭化成工業(株)製タフテックM1913に代えて、無
水マレイン酸変性エチレン−エチルアクリレート系共重
合体〔ナックエースGB301、日本ユニカー(株)
製〕を用い、表−2に示す条件を採用する以外が、実施
例1及び比較例1と同様の操作を行った。
【0040】
【表2】
【0041】表−1及び2の結果から明らかなように、
紫外線照射しないものと、紫外線照射したものとの対比
においては、後者に当たる本発明の方法は、アルミ箔へ
の接着性により優れていることがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明の成形方法は、予め金属部品に紫
外線照射して金属部品のラミネ−ト成形を行うので、接
着剤を必要とせずにラミネートを行える他、煩雑であっ
た化学的前処理を原則として行う必要もなく、熱可塑性
樹脂と金属部品とのラミネートを行うことが出来るとい
う格別顕著な効果を奏する。
【0043】この様に本発明は金属部品のラミネ−ト成
形に有効である。特に金属箔、金属板。金属パイプ等へ
のラミネ−ト成形における金属部品と熱可塑性樹脂の密
着性、接着性向上に有効である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部品を熱可塑性樹脂でラミネ−ト成
    形する際、該金属部品表面に紫外線を照射した後、熱可
    塑性樹脂(A)を用いて、ラミネート成形する事を特徴
    とする金属部品のラミネ−ト成形方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)が、更に無機充填材
    及び/又は有機充填材(B)をも含んだものである請求
    項1記載の成形方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂(A)30〜99体積%と、
    無機充填材及び/又は有機充填材(B)70〜1体積%
    としてラミネ−ト成形方法を行う請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂(A)が、結晶性熱可塑性樹
    脂及び/又は非晶性熱可塑性樹脂である請求項1又は2
    記載の成形方法。
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