JPH1071684A - 電子部品を内蔵したポリエステル樹脂積層体及びその製造方法 - Google Patents

電子部品を内蔵したポリエステル樹脂積層体及びその製造方法

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JPH1071684A
JPH1071684A JP9046366A JP4636697A JPH1071684A JP H1071684 A JPH1071684 A JP H1071684A JP 9046366 A JP9046366 A JP 9046366A JP 4636697 A JP4636697 A JP 4636697A JP H1071684 A JPH1071684 A JP H1071684A
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sheet
laminate
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sheets
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Makoto Oshita
誠 尾下
Yasuki Nakayama
泰樹 中山
Hiromasa Itakura
宏政 板倉
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性、耐熱性、耐薬品性、封止性、表
面外観性等に優れた電子部品を内蔵したポリエステル樹
脂積層体を提供する。 【解決手段】 電子部品又はその複合部品がシート間に
配置された積層体であって、該シートがポリエステル樹
脂 100重量部に対して粒状無機化合物5〜50重量部、さ
らには繊維状強化材1〜40重量部を配合した組成物から
なる電子部品を内蔵したポリエステル樹脂積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品及び/又
はその複合部品がポリエステル樹脂をマトリックスとし
たシート状物の積層体中に埋め込まれた積層体であり、
機械的特性、耐熱性、耐薬品性、封止性、表面外観性等
の各種特性に優れた電子部品を内蔵したポリエステル樹
脂積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品やその複合部品の小型
化、薄型化が急速に進んでおり、それに伴って、これら
の部品の被覆や保護のための様々なパッケージング方法
が採用されるようになり、また新しいパッケージング方
法も提案されている。
【0003】ここ数年、飛躍的に実用例及びその数量の
点で市場を伸ばしているものの一つにICカードがあ
る。ICカードには、ICモジュール(通常、ICメモ
リーとマイクロプロセッサーとから構成されている。)
が部品として内蔵されているため、この部品を被覆する
必要がある。内蔵された部品を被覆する方法としては、
通常、非晶性樹脂であるポリ塩化ビニル樹脂(PVC)
シートや塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(PVC
A)シート等を積層用基材として用い、部品を内蔵させ
た後、熱プレス成形する方法が従来より用いられてき
た。
【0004】しかし、上記の非晶性樹脂からなるシート
は、機械的特性や耐熱性等が不足するため、これらの樹
脂シートを強化材もしくは芯材で複合化したものを積層
用基材として用い、内蔵された部品を被覆する方法が提
案されている。しかし、これらの方法では、積層体の製
造工程が煩雑になりコスト高になること、積層体の成形
時に異種材料間での剥離が生じ易いこと、さらには積層
体にソリが発生し易いこと等の問題があった。
【0005】一方、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)に代表される結晶性の熱可塑性ポリエステル樹脂か
らなるシートは、機械的特性、熱的特性、電気的特性等
に優れているので、多くの工業製品に利用されている。
【0006】従来のポリエステル樹脂シート、特に強化
充填材を含有していないポリエステル樹脂シートは、結
晶化度が低く成形性に優れているため、三次元成形体と
して広く用いられているが、機械的強度や耐熱性の点で
十分といえるものではなかった。
【0007】これらの特性を向上する方法として、例え
ば、特開平1−189809号公報及び同6−115040号公報に
は、強化充填材を適量配合したポリエステル樹脂シート
を積層し、熱プレス成形機により成形して結晶化度を高
め、高性能化する方法が提案されている。
【0008】しかしながら、上記した方法は、結晶化度
を高めたシートを得るための方法であって、上記公報に
は、電子部品又はその複合部品を内蔵させる方法につい
ては何ら開示されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡単な方法
でICモジュール等のような電子部品をシート間に配置
でき、しかも機械的特性や耐熱性等に優れた電子部品を
内蔵したポリエステル樹脂積層体を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の配合割合の
ポリエステル樹脂組成物からなるシート(以下「ポリエ
ステル含有シート」という。)を用いることで、この目
的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) 電子部品及び/又はその複合部品がシート間に配置
された積層体であって、該シートがポリエステル樹脂 1
00重量部に対して、粒状無機化合物5〜50重量部を配合
した組成物からなるものであることを特徴とする電子部
品を内蔵したポリエステル樹脂積層体。 (2) 電子部品及び/又はその複合部品がシート間に配置
された積層体であって、該シートがポリエステル樹脂 1
00重量部に対して、粒状無機化合物5〜50重量部及び繊
維状強化材40重量部以下を配合した組成物からなるもの
であることを特徴とする電子部品を内蔵したポリエステ
ル樹脂積層体。 (3) 部品の埋め込み部を設けたシート間に、電子部品及
び/又はその複合部品を配置し、次いで熱プレス成形す
ることを特徴とする上記(1) 又は(2) に記載の電子部品
を内蔵したポリエステル樹脂積層体の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明における電子部品及び/又はその複
合部品としては、前記したICモジュールの他に、半導
体素子、抵抗器、コンデンサー、変成器スイッチ、水晶
振動子、磁気ヘッド、コネクター、液晶素子、プリント
配線板(回路基板)、コイル、トランス、スイッチ、小
型モーター、スイッチング電源、小型電池、ハイブリッ
ドIC、リードフレーム、フラットケーブル、スリット
ボード等が挙げられるが、ICモジュールが特に好まし
い。なお、これらの部品は、樹脂封止や樹脂被覆された
ものであってもよい。
【0014】本発明におけるポリエステル含有シート
は、ポリエステル樹脂と粒状無機化合物、又はポリエス
テル樹脂と粒状無機化合物と繊維状強化材とが特定の割
合で配合されたものであり、通常は厚み 0.1〜 1.0mmの
範囲のものが好ましく用いられ、厚み 0.2〜 0.6mmの範
囲のものが特に好ましく用いられる。
【0015】本発明に用いられるポリエステル樹脂は、
結晶性で熱可塑性のものであり、例えばPET、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチ
レンテレフタレート等が挙げられるが、PETが特に好
ましい。
【0016】本発明に用いられる粒状無機化合物は、そ
の粒径、形状及び化学組成によって効果は異なるが、一
般的には平面性改良材、表面平滑性改良材、強化材、機
械的特性の異方性緩和材、結晶核剤等としての機能を発
揮するものである。
【0017】上記の粒状無機化合物としては、平均粒径
が1000μmを超えるものではその効果が小さくなるの
で、通常は1000μm以下のものが好ましく、1〜 600μ
mの範囲にあるものがより好ましい。その具体例として
は、マイカ、ガラスフレーク、タルク、ワラストナイ
ト、シリカ、炭酸カルシウム、合成ケイ酸又はその塩、
亜鉛華、ハロサイトクレー、カオリン、塩基性炭酸マグ
ネシウム、石英粉、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、アルミナ等が挙げられるが、中でも、マイ
カ、ガラスフレークが好ましく、マイカが特に好まし
い。
【0018】粒状無機化合物の配合量は、機械的特性、
表面平滑性等のバランスの点で、ポリエステル樹脂 100
重量部に対して、5〜50重量部とすることが必要であ
る。この配合量が5重量部未満では、その効果が小さ
く、積層して熱プレスしたときの積層性に劣る。逆にこ
の配合量が50重量部を超えると、機械的特性等が低下す
るので好ましくない。
【0019】本発明に用いられる繊維状強化材は、耐熱
性を有し、弾性率、強度、弾性回復率等の力学特性に優
れた短繊維、ウィスカー、フィブリド等の繊維状の配合
材であり、例えばガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊
維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機繊維、アラミ
ド繊維等の有機繊維等を挙げることができる。これらの
中で力学特性、経済性等を総合的に考慮するとガラス繊
維が特に好ましい。
【0020】また、繊維状強化材の直径及び長さについ
ては特に制限されないが、繊維長が長すぎると、マトリ
ックス樹脂であるポリエステル樹脂や他の配合物と均一
に混合、分散させることが難しく、逆に短すぎると、強
化材としての効果が不十分となるため、通常は、繊維長
が 0.1〜10mmで、直径が9〜15μmの範囲にあるものが
使用される。中でも、繊維状強化材がガラス繊維である
場合には、繊維長が 0.1〜7mmのものが好ましく、0.3
〜5mmのものが特に好ましい。
【0021】繊維状強化材の配合量は、機械的特性や表
面平滑性等のバランスの点で、ポリエステル樹脂 100重
量部に対して40重量部以下とすることが必要である。こ
の配合量が40重量部を超えると、積層体の異方性が顕著
になり、表面平滑性も悪くなる。
【0022】また必要に応じ、マトリックス樹脂である
ポリエステル樹脂との界面接着力を向上させ、補強効果
を向上させる目的で、種々の化合物で処理した繊維状強
化剤を使用することが有効である。繊維状強化材がガラ
ス繊維の場合には、例えばビニルエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン等のシラン系処理剤、メタクリレート
クロミッククロリド等のクロム系処理剤で処理したもの
が好ましい。
【0023】本発明においては、上記配合物以外に、必
要に応じて熱安定剤、酸化安定剤、光安定剤、滑剤、顔
料、可塑剤、架橋剤、耐衝撃性向上剤、難燃剤、難燃助
剤、帯電防止剤等の各種のプラスチック添加剤を併用す
ることができる。
【0024】特に耐熱性が要求される用途には、シート
押出成形時には架橋せず、熱プレス成形時あるいは熱プ
レス成形後に、高温熱処理、紫外線照射もしくは電子線
照射等の高エネルギー処理により架橋させることのでき
る後架橋型の架橋剤を配合させることが極めて有効であ
り、本発明におけるポリエステル含有シートに対して
は、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシ
アヌレート等のアリル基を有する架橋剤が好ましく用い
られる。
【0025】次に、電子部品及び/又はその複合部品
(以下「電子部品等」という。)を内蔵したポリエステ
ル樹脂積層体の製造方法について説明する。
【0026】本発明の方法においては、まず初めに、シ
ート間に部品の埋め込み部を設ける必要がある。この
際、シートを2枚用いる場合には、挿入しようとする部
品の外形寸法とほぼ同じ程度あるいはやや大きめになる
ように、両方のシートもしくは一方のシートをエンドミ
ル等によって切削加工を行えばよい。また、シートを3
枚以上用いる場合には、打抜機によって部品の外形寸法
とほぼ同じ程度あるいはやや大きめになるように、中間
層に用いるシートを打抜き加工を行えばよい。
【0027】次に、上記の加工シートを2枚もしくは3
枚以上積層して部品の埋め込み部を設け、この部品の埋
め込み部を設けたシート間に、電子部品等を配置し、次
いで熱プレス成形を行うことが必要である。
【0028】この際、部品の埋め込み部には、接着剤を
用いて電子部品等を配置することが好ましい。接着剤と
しては、熱硬化性樹脂系接着剤、熱可塑性樹脂系接着
剤、弾性系接着剤、エマルジョン系接着剤、ホットメル
ト系接着剤、エラストマー系接着剤等のいずれもが使用
できるが、中でも、一液性の接着剤で、20℃での粘度が
1000Pa・s 以下のものが、作業上取扱い易いので好適に
用いられる。
【0029】熱プレス成形時の温度は、ポリエステル樹
脂のガラス転移点より高くし、なおかつ挿入する電子部
品等に熱的損傷を与えないように、通常80〜 150℃、好
ましくは 100〜 120℃とし、昇温速度は、通常3〜20℃
/分、好ましくは5〜10℃/分とする。プレス圧は、シ
ート間の接着性と電子部品等の圧力による損傷とのバラ
ンスを考慮し、通常 0.5〜5 MPa、好ましくは1〜3 M
Paとするのが適当である。さらに、熱プレス成形の保持
時間は、通常2〜20分、好ましくは5〜15分である。本
発明で用いられるポリエステル含有シートでは、積層し
てこのような熱プレス成形により積層体を得ようとする
場合、シート間に接着剤を塗布する必要はない。ただ
し、部品の埋め込み部に用いる接着剤をシート間に使用
してもかまわない。
【0030】熱プレス成形の際にはプレス板が用いられ
るが、プレス板としては通常、金属板が好ましく、中で
もアルミ合金板が、軽量である点で特に好ましい。さら
に、プレス板の表面は鏡面状あるいはマット状仕上げの
ものが用いられる。
【0031】また、熱プレス成形時には、PETフィル
ムやPVCフィルムに代表される化粧フィルムに接着剤
を塗布したものを、必要に応じて被プレス体の最外層に
あてがってもよい。
【0032】本発明の電子部品を内蔵したポリエステル
樹脂積層体は、機械的強度が高く、耐熱性、耐薬品性、
寸法安定性、電気絶縁性、封止性等に優れ、かつ、生産
工程が簡素なため、種々の電子部品を内蔵させることが
可能である。また、2枚もしくは3枚以上のシートを積
層・熱プレス成形することができるので、挿入する電子
部品等の厚みに制限されることはない。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例における測定法及び評価法は次
の通りである。 (a) 極限粘度 フェノールとテトラクロロエタンとの等重量混合物を溶
媒として、温度20℃で測定した。 (b) ペレット成形性 ポリエステル樹脂組成物の混練物をストランド状に押出
し、冷却後、切断してペレット化する際の状況によって
次の3段階で評価した。 ○:ストランド切れが全く発生しない △:ストランド切れが一部発生するがペレット化は可能 ×:ストランド切れが多発し、ペレット化が不能 (c) シート成形性 シートを押出成形する際の状況によって次の3段階で評
価した。 ○:シート切れが全く発生しない △:シート切れが一部発生するがシート化は可能 ×:シート切れが多発し、シート化が不能 (d) 表面平滑性 積層体の表面粗さを、表面粗さ計(ミツトヨ社製、サー
フテスト 201)で測定し、最大高さRmax の数値を指標
として次の3段階で評価した。 ○:Rmax が30μm未満 △:Rmax が30μm以上60μm未満 ×:Rmax が60μm以上 (e) 積層性 積層体のシート間、及びシートとICモジュール間の接
着状況を次の3段階で評価した。 ○:層間剥離が全く発生しない △:層間剥離が端部で発生 ×:層間剥離が全面で発生し、熱プレス成形による積層
が不能 (f) 曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D790 に基づいて測定した。 (g) 熱変形温度 ASTM D648 に基づいて、負荷荷重1.82 MPaで測定した。
【0034】実施例1 極限粘度0.78のPET 100重量部に、粒状無機化合物と
して平均粒径 100μmのマイカ(レプコ社製)17重量部
を配合し、二軸押出機を用いて 280℃で溶融混練した
後、ストランド状に押出し、冷却後、切断することによ
りペレットを得た。このペレットを用い、Tダイを備え
た押出シート成形装置で厚み 0.5mmのポリエステル含有
シートを作製した。次に、このシートをカード形状(54
mm×86mm)に打抜き加工し、図1に示すような大きさ
(20mm×30mm、深み0.25mm)に、NC加工機を用いてこ
のカードを切削加工し、挿入するICモジュールの埋め
込み部を作製した。次いで、図1で示した2枚の切削加
工カードを、図2のように重ね合わせ、その埋め込み部
に、弾性系接着剤(セメダイン社製、スーパーX)を塗
布したICモジュール(20mm×30mm、厚み 0.5mm)を埋
め込み、被プレス体とした。そして、この被プレス体
を、熱プレス成形機を用いて、圧力2 MPaで常温から12
0 ℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、120 ℃の温度に10
分間保持した後、速やかに冷却することにより、電子部
品(ICモジュール)を内蔵した厚み 0.8mmのポリエス
テル樹脂積層体(図3)を得た。なお、熱プレス成形機
の使用時には、プレス板としてアルミ合金製のマット板
を用いた。これらの積層体は、その表面に凸凹やそり等
はなく、優れた外観及び機械的特性を有していた。
【0035】実施例2 実施例1に用いたペレットを使用し、Tダイを備えた押
出シート成形装置で厚み0.25mmと厚み 0.5mmのポリエス
テル含有シートを作製した。次に、これらのシートをカ
ード形状(54mm×86mm)に打抜き加工し、さらに厚み
0.5mmのカードについては図4に示すような大きさ(20m
m×30mm、深み 0.5mm)に打抜き加工し、挿入するIC
モジュールの埋め込み部を作製した。次いで、図4に示
すように、厚み 0.5mmのカード1枚を中間層、厚み0.25
mmのカード2枚を外層として重ね合わせ、その埋め込み
部に、弾性系接着剤(セメダイン社製、スーパーX)を
塗布したICモジュール(20mm×30mm、厚み 0.5mm)を
埋め込み、被プレス体とした。そして実施例1と同様な
方法で成形して、電子部品を内蔵した厚み 0.8mmのポリ
エステル樹脂積層体(図3)を得た。この積層体は、そ
の表面に凸凹やそり等はなく、優れた外観及び機械的特
性を有していた。
【0036】実施例3 極限粘度0.78のPET 100重量部に、粒状無機化合物と
して平均粒径 100μmのマイカ(レプコ社製)21重量
部、及び繊維状強化材として直径13μm、長さ3mm の
ガラス繊維(日本電気硝子社製)25重量部を配合し、二
軸押出機を用いて280℃で溶融混練した後、ストランド
状に押出し、冷却後、切断することによりペレットを得
た。このペレットを用い、Tダイを備えた押出シート成
形装置で厚み 0.5mmのポリエステル含有シートを作製し
た。次いで、このシートを用い、実施例1と同様にし
て、電子部品を内蔵した厚み0.8mmのポリエステル樹脂
積層体を得た。この積層体は、その表面に凸凹やそり等
はなく、優れた外観及び機械的特性を有していた。
【0037】実施例4〜5 マイカ及びガラス繊維の配合量を表1のように変えた他
は、実施例3と同様にして、電子部品を内蔵した厚み
0.8mmのポリエステル樹脂積層体を得た。これらの積層
体は、その表面に凸凹やそり等はなく、優れた外観及び
機械的特性を有していた。
【0038】上記実施例1〜5におけるペレット成形
性、シート成形性、及び積層体の特性を表1にまとめて
示す。
【0039】
【表1】
【0040】比較例1〜2 マイカの配合量を表2のように変えた他は、実施例1と
同様にして、電子部品を内蔵した厚み 0.8mmのポリエス
テル樹脂積層体を得た。比較例1は、ペレット成形性、
シート成形性に劣るものであった。比較例2は、積層体
の表面平滑性、積層性、機械的特性及び耐熱性に劣るも
のであった。
【0041】比較例3 厚み 0.5mmのポリエステル含有シートに代えて、厚み
0.5mmのPETシートを用いた以外は、実施例1と同様
にして、電子部品を内蔵した厚み 0.8mmのPET樹脂積
層体を得ようとしたが、目的とする積層体を得ることが
できなかった。
【0042】比較例4 厚み 0.5mmのポリエステル含有シートに代えて、厚み
0.5mmのPVCシート(タキロン社製、ETSP-1380 )を
用いた以外は、実施例1と同様にして、電子部品を内蔵
した厚み 0.8mmのPVC樹脂積層体を得た。この積層体
は、その表面に凸凹やそり等はなく、優れた外観を有す
るものであったが、機械的特性及び耐熱性に著しく劣る
ものであった。
【0043】上記比較例1〜4におけるペレット成形
性、シート成形性、及び積層体の特性を表2にまとめて
示す。
【0044】
【表2】
【0045】比較例5〜7 マイカ及びガラス繊維の配合量を表3のように変えた他
は、実施例3と同様にして、電子部品を内蔵した厚み
0.8mmのポリエステル樹脂積層体を得た。比較例5は、
ペレット成形性及びシート成形性に劣るものであった。
比較例6は、ペレット成形性、シート成形性及び積層体
の表面平滑性に劣るものであった。比較例7は、チップ
化が不能で積層体を得ることができなかった。
【0046】上記比較例5〜7におけるペレット成形
性、シート成形性、及び積層体の特性を表3にまとめて
示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、機械的特性、耐熱性、
耐薬品性、封止性、表面外観性等に優れた電子部品を内
蔵したポリエステル樹脂積層体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削加工カードの断面図である。
【図2】2枚の切削加工カードを重ね合わせたときの断
面図である。
【図3】ICモジュールを内蔵したポリエステル樹脂積
層体の斜視図である。
【図4】3枚のカードを重ね合わせたときの側面図であ
る。
【符号の説明】
1 切削加工カード 2 埋め込み部 3 ICモジュール 4 ポリエステル樹脂積層体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品及び/又はその複合部品がシー
    ト間に配置された積層体であって、該シートがポリエス
    テル樹脂 100重量部に対して、粒状無機化合物5〜50重
    量部を配合した組成物からなるものであることを特徴と
    する電子部品を内蔵したポリエステル樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 電子部品及び/又はその複合部品がシー
    ト間に配置された積層体であって、該シートがポリエス
    テル樹脂 100重量部に対して、粒状無機化合物5〜50重
    量部及び繊維状強化材40重量部以下を配合した組成物か
    らなるものであることを特徴とする電子部品を内蔵した
    ポリエステル樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 部品の埋め込み部を設けたシート間に、
    電子部品及び/又はその複合部品を配置し、次いで熱プ
    レス成形することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    電子部品を内蔵したポリエステル樹脂積層体の製造方
    法。
JP9046366A 1996-06-27 1997-02-28 電子部品を内蔵したポリエステル樹脂積層体及びその製造方法 Pending JPH1071684A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1057656A1 (en) * 1998-11-20 2000-12-06 Unitika Ltd. Three-layer polyester resin sheet for cards and polyester resin laminates made by using the same
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