JP2012059867A - 実装用回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】LEDを初めとする発熱量の大きなデバイス類などの実装用回路基板に適した高放熱性を備え、さらに高反射特性を具備することにより、ディスプレイ等のバックライト反射フィルムとしての機能も備えた実装用回路基板を提供する。
【解決手段】200μm以上2000μm以下の厚みの金属層の片面にポリエステルフィルム(A)が積層された実装用回路基板であり、該ポリエステルフィルム(A)の550nmにおける全光線相対反射率が75%以上100%以下であり、かつ該ポリエステルフィルム(A)の厚み方向の熱伝導率が0.2W/(m・K)以上である実装用回路基板によって得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は実装用回路基板に関し、さらに詳しくは放熱性が高く、かつ反射率の高い実装用回路基板に関する。
従来、回路基板としてプラスチックフィルム等からなるベース基板と銅箔などを貼り合せた可撓性積層板にエッチング処理を施して回路配線パターンを形成させた回路基板が用いられているが、実装機能を備えるようなタイプでは回路基板自体の放熱特性が十分でないことがあった。そこで、金属板上に絶縁層を設け、その上に導電回路を配置した金属ベース回路基板が、熱放散性に優れることから高発熱性電子部品を実装する回路基板として用いられている(特許文献1、2、3など)。
一方、近年、CPU、MPU、パワートランジスタ、LED、レーザーダイオード等の発熱量の大きな電気素子、デバイス類(以下、これらを纏めてデバイスと記す場合がある。)の発熱量の増加に伴い、熱放散性に優れる金属ベース回路基板よりもさらに放熱性に優れる実装用回路基板の開発が求められているのが現状である。同時に、例えば薄型ディスプレイにおいて、その構成部材に対して多機能化による部材数の低減が求められているのが現状である。
特開昭61−226994号公報 特開平6−152146号公報 特開2008−16491号公報
本発明の目的は、LEDを初めとする発熱量の大きなデバイス類などの実装用回路基板に適した高放熱性を備え、さらに高反射特性を具備することにより、ディスプレイ等のバックライト反射フィルムとしての機能も備えた実装用回路基板を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、一定厚みの金属層に加え、さらに一定の熱伝導率および反射率を備えるポリエステルフィルムを積層し、LEDを初めとする発熱量の大きなデバイス類などの実装用回路基板として用いることにより、発熱量の大きなデバイス類に適した放熱性とディスプレイ等のバックライト反射フィルムとしての機能も備えた実装用回路基板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の目的は、200μm以上2000μm以下の厚みの金属層の片面にポリエステルフィルム(A)が積層された実装用回路基板であり、該ポリエステルフィルム(A)の550nmにおける全光線相対反射率が75%以上100%以下であり、かつ該ポリエステルフィルム(A)の厚み方向の熱伝導率が0.2W/(m・K)以上である実装用回路基板によって達成される。
また本発明の実装用回路基板には、好ましい態様として、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素および窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子または繊維が該ポリエステルフィルム(A)の重量を基準として5重量%以上30重量%以下の範囲でポリエステルフィルム(A)に含有されてなること、金属層および該ポリエステルフィルム(A)の間にさらに0.3W/(m・K)以上の熱伝導率のポリエステル層(B)を有すること、ポリエステルフィルムの厚みが合計厚みで5μm以上100μm以下であること、該ポリエステルフィルム(A)の片面にさらに電気絶縁層を積層してなること、該ポリエステルフィルム(A)の片面、または電気絶縁層を有する場合には電気絶縁層の片面にさらに回路形成用の金属層を積層してなること、回路形成用の金属層が銅箔またはアルミニウム箔であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含される。
本発明の実装用回路基板は、発熱量の大きなデバイス類などの実装用回路基板に適した高放熱性を備えるとともに、さらに高反射特性を具備することにより、従来であれば、例えばディスプレイの反射フィルムおよび回路基板といった複数の部材を用いて初めて可能であった機能を1つの部材で提供することができる。さらに従来の回路基板に比べて熱放散効果が高いことから、例えばLED(発光ダイオード)の実装用回路基板として用いた場合、LEDの効率および寿命を高めることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
<金属層>
本発明の金属層は200μm以上2000μm以下の厚みを有する。また、金属層の厚みの下限値は好ましくは300μmである。一方、金属層の厚みの上限値は好ましくは1500μmであり、さらに好ましくは1000μmである。金属層がかかる厚みを有することにより、金属層による十分な放熱効果が得られる。金属層厚みが下限値に満たないと金属層による放熱効果が十分でなく、一方、上限値を超える厚さにすると、回路基板にフレキシブル性が求められる場合に十分なフレキシブル性が発現しない。また金属層厚みが下限値に満たないと、ポリエステルフィルムの熱収縮の影響が大きく、はんだリフロー処理が必要な回路基板において、処理後の反りが大きくなりやすい。
かかる金属層は回路基板の放熱機能を発現させるために設けられる層であり、通常回路基板上に設けられる回路を形成するための金属層とは目的が異なるのみならず、厚みの点で区別される。
用いられる金属として、銅やアルミニウム、スチールなどが挙げられる。また、かかる厚みの金属層として、一般に金属シートとして市販されているものを用いることができる。これらの金属シートは、圧延されて作成されたものや電解によって作成されたものなど、一般的な方法で得られるものである。
これら金属層の積層方法としては、接着剤を介する方法や、貼り合せるポリエステルフィルム表層を溶融させ、直接シールする方法などが挙げられる。かかる接着剤として、耐熱性の観点から硬化性樹脂が例示される。好適な硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、脂環式オレフィン重合体などが挙げられる。
<ポリエステルフィルム(A)>
本発明のポリエステルフィルム(A)は、上述の厚みの金属層の片面に積層され、該ポリエステルフィルム(A)の550nmにおける全光線相対反射率が75%以上100%以下であり、かつ該ポリエステルフィルム(A)の厚み方向の熱伝導率が0.2W/(m・K)以上であることを要する。かかる特性を有するポリエステルフィルム(A)を金属層に積層することにより、CPU、MPU、パワートランジスタ、LED、レーザーダイオード等の発熱量の大きな電気素子、デバイス類デバイス類からの発熱を十分に放熱できるとともに、反射フィルムとしての機能を備えるものである。
(ポリエステル)
かかるポリエステルフィルム(A)を構成するポリエステルは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体との重縮合によって得られるポリマーである。かかるジカルボン酸成分として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸およびセバシン酸が挙げられ、またジオール成分として、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。これらのジカルボン酸成分およびジオール成分を重縮合して得られるポリエステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが好ましく、特に耐熱性の観点から、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
本発明のポリエステルはホモポリマーであってもよく、また共重合体、2種以上のポリエステルとの混合体のいずれであってもかまわない。共重合体または混合体における従たる成分は、全酸成分を基準として10モル%以下、さらに5モル%以下であることが好ましい。共重合成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分が挙げられる。
かかるポリエステルは公知の方法を適用して製造することができる。例えば、ジオール成分とジカルボン酸成分および必要に応じて共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造することができる。また、これらの原料モノマーの誘導体をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造してもよい。
ポリエステルの固有粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃において、0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40dl/g以上0.80dl/g以下であることがさらに好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品強度が不足することがある。一方、固有粘度が0.80dl/gを超える場合は重合時の生産性が低下する傾向にある。
ポリエステルフィルム(A)におけるこれらポリエステル成分の含有量は、該フィルムの重量を基準として70重量%以上95重量%以下である。
またポリエステルフィルム(A)は配向フィルムであることが好ましく、二軸配向フィルムであることがさらに好ましい。二軸配向フィルムであることにより、LEDなどのデバイス類を実装する際に十分な耐熱性、フィルム表面性などが得られる。
(添加剤)
ポリエステルフィルム(A)は、該フィルム重量を基準として5重量%以上30重量%以下の範囲で、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素および窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子または繊維を含有する。かかる種類の添加剤を多量にポリエステルフィルム(A)中に含むことにより、ポリエステルフィルム(A)の熱伝導率を0.2W/(m・K)以上とすることができる。
該添加剤の含有量の下限値は、より好ましくは10重量%である。一方、かかる添加剤の含有量の上限値は、より好ましくは27重量%、さらに好ましくは25重量%である。添加剤の含有量が下限値に満たない場合、全光線相対反射率が下限値より低くなり、反射フィルム並みの反射光や白度が得られないことがある。同時に、LEDなどのデバイス類からの発熱を十分に放散できる程度の熱伝導率が得られない。一方、上限値を超える範囲で添加剤を含有量しても、さらなる反射率および熱伝導率が得られないばかりか、フィルム製膜時に切断が発生しやすくなる。
添加剤として粒子形状のものを用いる場合、その平均粒子径は、好ましくは0.1〜3.0μm、さらに好ましくは0.2〜2.5μm、特に好ましくは0.3〜2.0μmである。平均粒子径が下限値に満たないと分散性が低下して粒子の凝集が発生しやすいため、生産工程上のトラブルが発生しやすく、またフィルムに粗大突起を形成し、ファインピッチな回路形成が困難なことがある。一方、平均粒子径が上限値を超えるとフィルムの表面が粗くなり、同様にファインピッチな回路形成が困難なことがある。
かかる平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求められる値である。
添加剤として繊維形状のものを用いる場合、平均繊維径は0.05〜20μmであることが好ましい。平均繊維径がかかる範囲にあると、製膜性および放熱性に同時に優れる。平均繊維径が小さすぎる場合は、放熱性が低下することがあり、また繊維状材料が分散し難くなる傾向にあり、製膜性が低下する傾向にある。他方、平均繊維径が大きすぎる場合は、フィルムが切断し易く製膜性が低下することがある。このような観点から、平均繊維径はより好ましくは0.05〜15μm、更に好ましくは0.07〜10μmである。
繊維形状の添加剤の平均アスペクト比は15以上が好ましく、さらに好ましくは20以上である。平均アスペクト比がかかる範囲にあると放熱性に優れ、また製膜性にも優れる。平均アスペクト比が小さすぎると放熱性が低下することがある。また、平均アスペクト比の上限は特に制限されないが、好ましくは10000以下、より好ましくは1000以下、さらに好ましくは500以下、特に好ましくは200以下である。ここで、繊維状材料の平均アスペクト比は、平均繊維長/平均繊維径で表わされ、板状である場合の平均アスペクト比は、平均長径/平均厚みで表わされる。
また、繊維形状の添加剤の平均繊維長は1〜4000μmであることが好ましく、より好ましくは1〜2000μm、更に好ましくは10〜1000μm、最も好ましくは50〜500μmである。
これら平均繊維径、平均繊維長は、走査型電子顕微鏡を用いて50本測定した平均値より求めることができる。
上述した種類の添加剤のうち、酸化チタンとしてルチル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンが例示されるが、ルチル型酸化チタンはアナターゼ型のものよりも光線を長時間ポリエステルフィルム(A)に照射した後の黄変が少なく、反射率を保持できる点で好ましい。
これら添加剤は、必要に応じて表面処理が施されていてもよい。かかる表面処理として、ポリエステルフィルム内での分散性を高めたり、ポリエステルとの界面密着性を高めるための表面活性化処理が挙げられ、例えばシロキサン、エポキシシラン、アミノシラン、ビニルシラン、アルミナなどの処理が挙げられる。表面処理を行い、添加剤の分散性を高めたり、ポリエステル相との界面におけるボイドが発生しにくくなることにより、放熱機能がより向上する。
(その他添加剤)
ポリエステルフィルム(A)には、その他の添加剤として、ポリエステル以外の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤などを本発明の目的を逸脱しない範囲内で、必要に応じて混合して含有させてもよい。
これらの添加剤を含む場合、その含有量はポリエステルフィルム(A)の重量を基準として5重量%以下であることが好ましく、さらに3重量%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム(A)は、フィルムを構成するポリエステルと実質的に非相溶な樹脂成分を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、ポリエステルフィルム(A)の重量を基準として、その含有量が通常0〜3重量%、好ましくは0〜1%、さらに好ましくは0〜0.5%であることをいう。ポリエステルと非相溶な樹脂を実質的に含有すると、延伸によりポリエステルとの界面にボイドが生じやすく、その断熱効果により十分な放熱機能が生じなくなることがある。
(全光線相対反射率)
該ポリエステルフィルム(A)の550nmにおける全光線相対反射率は75%以上100%以下であり、好ましくは75%以上98%以下、さらに好ましくは75%以上95%以下である。
該反射率が下限値に満たない場合、例えば本発明の回路基板をLED実装用の回路基板として用いた場合、視認側と反対方向の光線を効率的に反射させることができず、LED光線の効率的な利用につながらず、ディスプレイ輝度の向上が十分でない。
ここで全光線相対反射率は、分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−3101PC」)に積分球を取り付け、BaSO白板の反射率を100%とし、フィルムサンプルについて測定光入射(反射)角5゜、550nmで測定した反射率をもとに、相対的な反射率(%)を求めることで得られる。
かかる反射率特性は、添加剤の説明において記載した種類の粒子または繊維を用い、前述の数値範囲の量をポリエステルフィルム(A)中に含有させることにより得ることができる。
(熱伝導率)
該ポリエステルフィルム(A)の厚み方向の熱伝導率は0.2W/(m・K)以上である。かかる熱伝導率は、好ましくは0.2W/(m・K)以上5W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.2W/(m・K)以上2W/(m・K)以下、特に好ましくは0.2W/(m・K)以上0.5W/(m・K)以下である。
該ポリエステルフィルム(A)がかかる熱伝導率特性を備えることにより、さらに一定厚みの金属層と積層させて、CPU、MPU、パワートランジスタ、LED、レーザーダイオード等の発熱量の大きな電気素子、デバイス類などの回路基板として用いた場合に、これらデバイス類からの発熱を十分に放熱することができる。
ここで本発明における熱伝導率とは、レーザーフラッシュ法により求めた熱拡散率α、JIS K7123に準じて測定した比熱容量Cp、および密度ρより、下記式(1)から熱伝導度λ(W/cm・K)を求め、単位換算を実施した値で表わされる。
熱伝導度λ=α・Cp・ρ ・・・(1)
なお、厚み方向の熱伝導率は、フィルムサンプルを25mmφに切り取り、その厚み方向を測定方向として測定することにより求めることができる。
かかる熱伝導率特性は、添加剤の説明において記載した種類の粒子または繊維を用い、前述の数値範囲の量をポリエステルフィルム(A)中に含有させることにより得ることができ、さらに含有量を多くするに従い熱伝導率特性は向上する。また含有量が少ない範囲においては、さらにポリエステル相と添加剤との密着がよく、界面におけるボイドが少ないほど従い熱伝導率特性が向上する。
<ポリエステル層(B)>
本発明の実装用回路基板において、金属層と該ポリエステルフィルム(A)との間に、さらに熱伝導率の高いポリエステル層(B)を有してもよく、ポリエステル層(B)の熱伝導率は0.3W/(m・K)以上であることが好ましい。かかるポリエステル層(B)を用いることで回路基板の放熱性をさらに高めることができる。
ポリエステル層(B)の熱伝導率はポリエステルフィルム(A)の熱伝導率よりも高いことが好ましく、具体的にはポリエステルフィルム(A)の熱伝導率よりも少なくとも0.05W/(m・K)高いことが好ましい。
(ポリエステル)
ポリエステル層(B)を構成するポリエステルとして、含有量を除き、ポリエステル(A)に記載したポリエステルを用いることができる。ポリエステル層(B)におけるポリエステル含有量は、ポリエステル層(B)の重量を基準として50重量%以上90重量%以下であることが好ましい。
(添加剤)
ポリエステルフィルム(A)に記載した酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素および窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子または繊維を用いることができる。これらの添加剤を用いる場合、その含有量はポリエステル層(B)の重量を基準として10重量%以上50重量%以下の範囲で含有することが好ましく、かつポリエステルフィルム(A)における含有量より多いことが好ましい。
これらの添加剤の粒径、繊維径などはポリエステルフィルム(A)の記載に準じる。
また、これらの添加剤以外に、酸化アルミニウムの粒子または繊維、炭素系の繊維などを用いてもよく、これらの粒径、繊維径などはポリエステルフィルム(A)における添加剤の記載に準じる。
炭素系の繊維として、例えば炭素繊維、カーボンナノチューブなどを挙げることができ、これらの中でも炭素繊維が好ましい。炭素繊維として、黒鉛化炭素短繊維やカーボンナノファイバー(例えば気相法炭素繊維)を挙げることができる。
これらの添加剤の中でも、炭素系の繊維は高い熱伝導率を付与できる点で好ましいが、ポリエステルフィルム(A)に用いると該フィルム(A)面の反射率特性を高めることができないことから、反射率特性を必要としないポリエステル層(B)において用いることが好ましい。
(熱伝導率)
該ポリエステル層(B)の厚み方向の熱伝導率は0.3W/(m・K)以上であることが好ましく、より好ましくは0.35W/(m・K)以上6W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.40W/(m・K)以上5W/(m・K)以下である。かかる熱伝導率特性のポリエステル層(B)を金属層とポリエステルフィルム(A)の間に設けることにより、回路基板としての放熱効果をさらに高めることができる。
熱伝導率の測定方法はポリエステルフィルム(A)の記載に準じる。
<電気絶縁層>
本発明において、ポリエステルフィルム(A)の片面にさらに電気絶縁層を積層してもよい。具体的にはフィルム(A)の電気抵抗が低い場合に、かかる電気絶縁層を積層することが好ましい。
かかる電気絶縁層として、少なくとも1E13(Ω・cm)以上の体積電気抵抗率を有することが好ましく、より好ましくは1E14(Ω・cm)以上である。
電気絶縁層の厚みは30μm以下であることが好ましい。電気絶縁層の厚みをかかる範囲にすることによって、回路基板上に実装したデバイス類から生じる熱をポリエステルフィルム(A)や金属層に放熱することができる。電気絶縁層の厚みがかかる範囲を超えると電気絶縁層の熱抵抗が大きくなり、熱の流れを阻害するようになる。
このような観点から、電気絶縁層厚みは、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
また、電気絶縁層の厚みは2μm以上であることが好ましい。電気絶縁層の厚みをかかる範囲にすることによって、電気絶縁性能が十分に保たれ、その上に設ける回路からの電気を遮断することができる。
これら電気絶縁層を構成する材料は特に限定されないが、熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、本発明における他の層との積層のしやすさの点で、ポリエステルフィルム(A)に記載された種類のポリエステルを電気絶縁層の重量を基準として90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上用いることが好ましい。
また、回路基板としての反射特性を確保するために、用いる電気絶縁層は透明であることが好ましく、具体的には全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
<回路形成用の金属層>
ポリエステルフィルム(A)の片面または電気絶縁層をさらに有する場合には電気絶縁層の片面に、さらに回路形成用の金属層(以下、回路形成層と称することがある)を積層することが好ましい。かかる回路形成層に用いる金属は公知のものを用いることができ、銅箔、アルミニウム箔が例示される。
これら金属層は、圧延して作成されたものや電解により作成されたものなど、一般的な方法で得られるものである。
回路形成用の金属層は、放熱性発現のために設けられる金属層とは厚み、機能の点で異なっており、回路形成用の金属層厚みは一般的に10〜100μm程度である。
回路形成用の金属層の積層方法として、接着剤を介する方法や積層する層の表層を溶融させ直接シールする方法、メッキやスパッタリングなどによって直接金属層を形成させる方法などが挙げられる。
接着剤については、特に言及するものではないが、耐熱性の観点から硬化性樹脂が好ましい。好適な硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、脂環式オレフィン重合体などが挙げられる。所望に応じて、その他の成分を接着剤に配合することができる。配合剤としては、紫外線吸収剤、軟質重合体、フィラー、熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、乳剤、充填剤、硬化剤、難燃剤などが挙げられ、その配合割合は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
<ポリエステルフィルム厚み>
ポリエステルフィルムの厚みは、合計厚みで5μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上100μm以下、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。フィルム厚みが下限値に満たないと、特に繊維形状の添加剤を多量に添加することが難しい場合がある。一方、ポリエステルフィルム厚みが上限値を超えると、本発明のポリエステルフィルムによる放熱効果が十分に発現しないことがある。
ここで、ポリエステルフィルムの合計厚みとは、ポリエステルフィルム(A)単層の場合はポリエステルフィルム(A)の層厚みを、またポリエステルフィルム(A)およびポリエステル層(B)の積層構成の場合は、ポリエステルフィルム(A)の厚みとポリエステル層(B)の厚みの合計をそれぞれ指す。
<ポリエステルフィルムの熱収縮率>
本発明のポリエステルフィルムは、200℃で10分間熱処理後の熱収縮率が、フィルム長手方向(以下、連続製膜方向、縦方向、MD方向と称することがある)、フィルム幅方向(以下、横方向、TD方向と称することがある)の両方向においてそれぞれ−3%以上3%以下であることが好ましく、より好ましくは−2%以上2%以下、さらに好ましくは−1%以上1%以下である。
かかる熱収縮率は、ポリエステルフィルムがポリエステルフィルム(A)およびポリエステル層(B)の積層構成の場合には、積層フィルムとしての熱収縮率で表される。
LEDなどを実装する工程温度は、通常170℃〜200℃をメインの加工温度とし、瞬間的な最高温度は250℃に達することがあり、フィルム温度としては200℃近辺にまで上昇する。そのため、実装温度でのフィルム寸法変化が大きいと、回路基板としたときに反り返りやしわ、回路の剥がれなどが発生し、良好な回路を形成できないことがあるため、かかる数値範囲の熱収縮率特性であることが好ましい。
かかる熱収縮率特性を得る方法として、9倍〜16倍の面積延伸倍率でフィルム二軸延伸を行い、その後、200℃以上250℃の範囲で熱固定処理を施す方法が例示される。また、フィルム長手方向および幅方向の両方向における熱収縮率特性を満たすために、かかる面積延伸倍率の範囲内で、長手方向及び幅方向の延伸倍率を同程度、具体的には延伸倍率差が0.3倍以内となる範囲で行うことが好ましい。
<ポリエステルフィルムの製膜方法>
以下に本発明のポリエステルフィルムを得る方法を以下に具体的に述べるが、以下の例に特に限定されるものではない。
ポリエステルフィルム(A)を構成するポリエステル組成物は、押出機に供給してTダイよりシート状に成形される。
また、さらにポリエステル層(B)、電気絶縁層を積層させる場合、ポリエステル層(B)、ポリエステルフィルム(A)および電気絶縁層を共押出法により積層させた状態でフィルムを製膜することが好ましい。共押出法として、それぞれのポリエステル組成物を別々の押出機に供給した後、フィードブロックを用いて積層し、かかる積層物をTダイを通じてシート状に成形する方法が例示される。
つづいてTダイより押し出されたシート状成形物を表面温度10〜60℃の冷却ドラムで冷却固化し、この未延伸フィルムを例えばロール加熱または赤外線加熱によって加熱した後、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。縦延伸温度はポリエステルのガラス転移点(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40℃高い温度とするのが好ましい。縦延伸倍率は、2.5倍以上4.0倍以下の範囲で行うことが好ましく、さらに2.8倍以上3.9倍以下の範囲で行うことが好ましい。縦延伸倍率が下限に満たない場合、フィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られないことがある。また縦延伸倍率が上限を超える場合、熱収縮が大きくなることがある。
得られた縦延伸フィルムは、続いて横延伸を行い、その後熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとすることが好ましい。
横延伸処理はポリエステルのガラス転移点(Tg)より20℃高い温度から始め、ポリエステルの融点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。かかる横延伸開始温度は、好ましくは(Tg+40)℃以下、横延伸最高温度は、好ましくはTmより(100〜40)℃低い温度である。
横延伸倍率は、2.5倍以上4.0倍以下の範囲で行い、さらに2.8倍以上3.9倍以下の範囲で行うことが好ましい。横延伸倍率が下限に満たない場合、フィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られないことがある。また横延伸倍率が上限を超える場合、熱収縮が大きくなることがある。
その後、熱固定処理が施されることが好ましく、高温条件下での寸法安定性を高めることができる。熱固定処理は、好ましくは(Tm−100℃)以上、さらに好ましくは(Tm−70)℃〜(Tm−40)℃の範囲で行うことができ、例えばポリエチレンナフタレートフィルムの場合、220℃〜250℃の範囲で行うことが好ましい。
熱固定処理後、150℃〜250℃の温度条件で1〜3%の熱弛緩処理を行うことが好ましく、さらにオフライン工程にて150〜250℃で5分以上熱処理(アニール処理)し、50〜80℃で除冷するアニール処理を施すことが好ましい。オフライン工程で行うアニール処理は、かかる熱処理条件の範囲内で温度を高くするか、または処理時間を長くすることにより、熱収縮率を小さくすることができる。アニール処理時間の上限は特に制限されないが、長すぎるとフィルム物性が低下する可能性があるため、高々1時間であることが好ましい。
また、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にさらに塗布層を形成してもよく、例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。
<回路基板の製造方法>
本発明の回路基板において、ポリエステルフィルム(A)と一定厚みの金属層は、例えば接着剤を介する方法、あるいは貼り合せるポリエステルフィルム(A)の表面を溶融させて直接シールする方法を用いて積層することができる。
またポリエステル層(B)を一定厚みの金属層とポリエステルフィルム(A)との間に用いる場合、金属層上に、ポリエステル層(B)、ポリエステルフィルム(A)を順次、接着剤で貼り合せてもよいが、貼り合せを簡略化させるために、ポリエステル層(B)とポリエステルフィルム(A)とは、予め上述のフィルム製膜方法で共押出法により積層化されていることが好ましい。
またポリエステルフィルム(A)上に電気絶縁層をさらに積層させる場合も、可能な範囲で予め共押出法にて積層化されていることが好ましい。
ポリエステルフィルム(A)の片面、または電気絶縁層を有する場合には電気絶縁層の片面にさらに回路形成用の金属層を設ける方法は特に限定されないが、接着剤を介する方法、積層する相手層の表層を溶融させ直接シールする方法、メッキやスパッタリングなどによって直接金属層を形成させる方法などが例示される。
<用途>
本発明の実装用回路基板は、CPU、MPU、パワートランジスタ、LED、レーザーダイオード等の発熱量の大きな電気素子、デバイス類を実装する回路基板として好適に用いることができる。特に従来の反射フィルムの性能も兼ね備えることから、LED等といったディスプレイの光源として用いられる用途の回路基板として好適に使用される。
以下、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量%および重量%を意味する。
1.層厚み
フィルムサンプルの断面を株式会社日立サイエンスシステムズ製の走査電子顕微鏡(S−4300SE/N形)で観察した。また金属層については電子マイクロメータ(アンリツ(株)製の商品名「K−312A型」)を用い、針圧30gで測定した。
2.熱伝導率
キセノンフラッシュアナライザ(NETZSCH社製;LFA447)により、厚み方向の熱拡散率α(cm/sec)を測定し、別に測定した比熱容量Cp(J/g・K)と密度ρ(g/cc)から、厚み方向の熱伝導率λ(W/cm・K)をλ=α・Cp・ρで求め、単位換算を実施した値を用いて評価を行った。
なお、厚み方向の熱拡散率αはフィルムサンプルを25mmφに切り取り測定した。
また、密度ρは、硝酸カルシウム水溶液を用いて密度勾配管法にて測定して得ることができる。
また、比熱容量Cpは、JIS K 7123に準じて測定された値である。
3.全光線相対反射率
分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−3101PC」)に積分球を取り付け、BaSO白板の反射率を100%とし、フィルムサンプルについて測定光入射(反射)角5゜、550nmで測定した反射率をもとに、相対的な反射率(%)を求めた。
4.基板温度
シリコーンラバーヒーター(10V, 30W)の片面にアルミ粘着両面テープを用いて30mm角のSUS板を貼り合わせた。
下記の方法で作成した金属積層基板を100mm角に切り取り、金属積層基板のポリエステルフィルム(A)上にシリコーンラバーヒーターのSUS板側がフィルム(A)と対向するよう積層し、シリコーンラバーヒーターに直流電源で0.1Aの電流を流した状態で60分間置いた後、基板上の4隅に熱電対を貼り付けて基板表面温度の平均を測定した。
5.熱収縮率
フィルムサンプルに30cm間隔で標点をつけ、荷重をかけずに200℃のオーブンで10分間熱処理を実施し、熱処理後の標点間隔を測定して、フィルム連続製膜方向(MD方向)と、製膜方向に垂直な方向(TD方向)において、下記式にて熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)
={(熱処理前標点間距離−熱処理後標点間距離)/熱処理前標点間距離}×100
6.はんだリフロー後の反り
下記の方法で作成した金属積層基板を10cm×10cmに切り取り、260℃10秒間をピークとするはんだリフローを通した後ガラス板状に置き、4隅の反り量(mm)の平均を測定した。
<金属積層基板の作成方法>
作成したポリエステルフィルム(A)に以下の接着剤(a)を塗布し、該接着層面に、実施例、比較例それぞれに記載した厚みの金属板を貼り合わせた。その後、80℃で1時間、さらに140℃で1時間の熱処理後、室温まで自然に冷却し取り出した。
さらにポリエステル層(B)を積層したサンプルにおいては、ポリエステル層(B)側の面に実施例、比較例に記載した厚みの金属板を貼り合せた以外は、ポリエステルフィルム(A)を用いた金属積層基板の作成方法と同様の方法で作成した。
<接着剤(a)の作成方法>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、大日本インキ化学(株)製、「EPICLON 850」を7.5g、フェノールノボラ型エポキシ樹脂として、大日本インキ化学(株)製、「EPICLON N−770−70M」3.6g、アクリル樹脂(合成法:混合機及び冷却器を備え付けた反応器にエチルアクリレート75部、ブチルアクリレート25部を入れ、80〜85℃に加熱し、重合触媒t−ブチルパーオキシベンゾエート0.05部、メチルエチルケトン2部を添加し、4〜8時間保温し、重合率20〜30%反応させた重合体を得る。冷却後メタノールを加えポリマーを沈澱させ、上澄み液を取り除く。ポリマー中に残ったメタノールを乾燥させ、続いてメチルエチルケトン添加し、固形分15%の液を得た。)を66.7g、エポキシ樹脂用硬化剤として、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(四国化成(株)製、商品名「キュアゾールC11Z−CN」)を0.04g、溶剤としてトルエンを45g加え、均一に溶解して接着剤組成物を調整した。
[実施例1]
ポリエステルとしてポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂を用い、平均粒子径0.3μmの球状酸化チタンをフィルム(A)重量を基準として15重量%の含有量となるよう添加し、かかる樹脂組成物(A)を290℃に加熱された押出機に供給し、290℃のダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度60℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを140℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に3.0倍で延伸し、60℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き150℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に3.1倍で延伸した。その後テンタ−内で250℃の熱固定を行い、250℃で2%の弛緩後、均一に除冷して、室温まで冷やして25μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルム(A)を得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルム(A)、および金属層として1000μm厚みのアルミ板を用い、上記の「金属積層基板の作成方法」に記載された方法によって金属ベース基板を作成した。
得られた特性を表1に示す。本実施例は基板温度の上昇が小さく、熱放散性の高い基板であった。またポリエステルフィルム(A)面の反射率も78%と高かった。
[実施例2]
金属層として300μm厚みのアルミ板を用いた以外は実施例1と同様の方法で金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。本実施例は、基板温度の上昇が小さく、熱放散性の高い基板であり、かつ高い反射率が得られた。
[実施例3]
100μm厚みのポリエステルフィルム(A)を用いた以外は実施例1と同様の方法で金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。
[実施例4]
ポリエステルフィルム(A)に添加する添加剤として窒化硼素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製;BNパウダーPT−180)を用いた以外は実施例1と同様の方法で金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。
[実施例5]
ポリエステルフィルム(A)を構成する樹脂組成物として実施例1における樹脂組成物(A)を用い、さらにポリエステル層(B)を構成する樹脂組成物として、ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂、および気相成長炭素繊維(昭和電工製、商品名「VGCF−H」)をポリエステル層(B)の重量を基準として10重量%の含有量となるよう添加した樹脂組成物(B)を用い、それぞれの樹脂組成物を290℃に加熱された2台の押出機にそれぞれ供給し、フィードブロックを用いた以外は実施例1と同様の方法で二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルム、および金属層として1000μm厚みのアルミ板を用い、上記の「金属積層基板の作成方法」に記載された方法によって金属ベース基板を作成した。得られた特性を表1に示す。
[実施例6]
ポリエステル層(B)の樹脂組成物をポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂のみとし、添加剤を用いなかったこと、およびポリエステル層(B)の厚みを変更した以外は実施例5と同様の方法で金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。
[実施例7]
実施例1に記載した方法で得た25μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルム(A)の片面に、2μm厚みのポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを電気絶縁層とし、接着剤(a)を3μm厚みとなるよう塗布して貼り合せた。
得られた積層ポリエステルフィルムを用い、「金属積層基板の作成方法」に記載された方法において、ポリエステルフィルム(A)側の面に接着剤(a)を塗布し、表1に記載した厚みの金属板を貼り合わせ、80℃で1時間、さらに140℃で1時間の熱処理後、室温まで自然に冷却し取り出して金属ベース基板を作成した。得られた特性を表1に示す。
[比較例1]
金属層を用いなかった以外は実施例1と同様の方法で基板を作成した。得られた特性を表1に示す。本比較例は基板温度の上昇が大きく、熱放散性の低い基板であった。
[比較例2]
金属層として50μm厚みのアルミ板を用いた以外は実施例1と同様の方法で金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。本比較例は基板温度の上昇が大きく、熱放散性の低い基板であった。また、金属層厚みが薄いため、ポリエステルフィルムの熱収縮の影響が大きく、はんだリフロー後の反りが大きかった。
[比較例3]
125μm厚みのポリエステルフィルム(A)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。本比較例は基板温度の上昇が大きく、熱放散性の低い基板であった。
[比較例4]
ポリエステルフィルム(A)の樹脂組成物をポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂のみとし、添加剤を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。本比較例は基板温度の上昇が大きく、熱放散性の低い基板であった。
[比較例5]
ポリエステルフィルム(A)を構成する添加剤の種類を酸化アルミニウムに変更し、その含有量を15重量%とした以外は、実施例1と同様の方法で金属積層基板を作成した。得られた特性を表1に示す。本比較例のフィルムは反射率特性が低かった。
Figure 2012059867
本発明の実装用回路基板は、発熱量の大きなデバイス類などの実装用回路基板に適した高放熱性を備えるとともに、さらに高反射特性を具備することにより、従来であれば、例えばディスプレイの反射フィルムおよび回路基板の複数の部材で初めて可能であった機能を1つの部材で提供することができる。さらに従来の回路基板に比べて熱放散効果が高いことから、例えばLED(発光ダイオード)の実装用回路基板として用いた場合、LEDの効率および寿命を高めることができる。

Claims (7)

  1. 200μm以上2000μm以下の厚みの金属層の片面にポリエステルフィルム(A)が積層された実装用回路基板であり、該ポリエステルフィルム(A)の550nmにおける全光線相対反射率が75%以上100%以下であり、かつ該ポリエステルフィルム(A)の厚み方向の熱伝導率が0.2W/(m・K)以上であることを特徴とする実装用回路基板。
  2. 酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素および窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子または繊維が該ポリエステルフィルム(A)の重量を基準として5重量%以上30重量%以下の範囲でポリエステルフィルム(A)に含有されてなる請求項1に記載の実装用回路基板。
  3. 金属層および該ポリエステルフィルム(A)の間に、さらに0.3W/(m・K)以上の熱伝導率のポリエステル層(B)を有する請求項1または2に記載の実装用回路基板。
  4. ポリエステルフィルムの厚みが合計厚みで5μm以上100μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の実装用回路基板。
  5. 該ポリエステルフィルム(A)の片面にさらに電気絶縁層を積層してなる請求項1〜4のいずれかに記載の実装用回路基板。
  6. 該ポリエステルフィルム(A)の片面、または電気絶縁層を有する場合には電気絶縁層の片面にさらに回路形成用の金属層を積層してなる請求項1〜5のいずれかに記載の実装用回路基板。
  7. 回路形成用の金属層が銅箔またはアルミニウム箔である請求項6に記載の実装用回路基板。
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