JP2011165792A - 放熱性二軸延伸フィルム - Google Patents

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【課題】製膜性と放熱性とのバランスに優れた放熱性二軸延伸フィルムを提供する。
【解決手段】特定の繊維状炭素材料、ポリエステル系樹脂、熱伝導性フィラーを含む熱伝導層を形成するマトリックス材料、および特定の厚み、体積抵抗率を有する電気絶縁層を形成するマトリックス材料を、それぞれ別の押出機で溶融、積層し、溶融押出し固化成形することで、二軸方向に延伸させた放熱性二軸延伸フィルムを製造する。厚み方向の熱伝導率を0.28W/(m・K)とすることが出きる。
【選択図】なし

Description

本発明は放熱性二軸延伸フィルムに関する。
近年、CPU、MPU、パワートランジスタ、LED、レーザーダイオード等の発熱量の大きな電気素子、デバイス類(以下、これらを纏めてデバイスと記す場合がある。)の発熱量の増加に伴い、その放熱技術が大きな課題となってきている。こうした放熱技術としては、例えばヒートシンク、ヒートパイプ等をデバイスに接触させて放熱性を高めた上で空冷や水冷等により冷却する方法(例えば特許文献1〜3)、電気素子、デバイスを実装する電子実装基板の内部に、厚み方向に貫通した、もしくは面内方向に連続した高熱伝導性の層を設けた放熱性実装基板を用いる方法(例えば特許文献4〜6)、実装基板の回路上に金属板からなるヒートシンクを、半田層を介して接着固定する方法(例えば特許文献7)等が挙げられるが、それぞれ以下のような問題がある。
特許文献1〜3に例示されるような方法では、ヒートシンク、ヒートパイプの体積が一般に大きい為、放熱システムに大きな体積を必要とし、実装密度を高めにくい問題がある。
特許文献4〜6に例示されるような方法では、厚み方向に貫通した、もしくは面内方向に連続した高熱伝導性の層を設ける等、構成および製造技術が複雑になる、基板厚みが増加する等の問題がある。
特許文献7に例示されるような方法では、回路配線間の絶縁性を維持する観点から実装基板上でヒートシンクを設けられる面積が限定されたり、もしくはヒートシンクを設ける目的専用の回路配線を作成する必要が生じ、更には金属板をコの字型等の立体的に折り曲げてヒートシンクとする事から、ヒートシンクの占有体積が増加し、前記特許文献1〜3の例同様に実装密度を高めにくい問題がある。
さらに、LED、レーザーダイオード等の発光素子の実装基板では、発光素子の光出射面を開口部とする必要があり、トランジスタやCPU等のデバイスとは異なり、デバイスのパッケージに接してヒートシンク(もしくは一対で用いられる熱伝導シート)を配置する事が難しいとの問題がある。
また、熱伝導性に優れたシートに関しては、例えば特許文献8、9のようなシート面内方向への熱伝導性を高める技術が開示されているが、かかる手法は、マトリックス樹脂がシリコーン系のものであり、さらに十分な熱伝導性能を有する熱拡散性シートをより簡便な工程で得ることが求められている。
これらの問題を解決すべく、特許文献10や11が開示されている。
特開2003−273300号公報 特開2004−071643号公報 特開2005−259794号公報 特開2006−011239号公報 特開2006−308738号公報 特開2006−351976号公報 特開2005−332840号公報 特開2001−160607号公報 特開2001−261851号公報 特開2008−205453号公報 特開2009−194308号公報
しかしながら近年、上記特許文献10や11に記載されている熱拡散性シートよりもさらに生産性に優れ、コストの低い熱拡散性シートが求められるようになってきた。
そこで本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題を解決し、製膜性と放熱性のバランスに優れた放熱性二軸延伸フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の繊維状炭素材料を含む熱伝導層、および特定厚みの電気絶縁層を有し、特定の熱伝導率である放熱性二軸延伸フィルムによって前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の構成を採用するものである。
1.熱伝導層、およびその少なくとも片面に電気絶縁層を有するフィルムであって、熱伝導層が、平均繊維径0.05〜20μm、平均アスペクト比15以上である繊維状炭素材料を39質量%以下含有し、電気絶縁層の厚みが、熱伝導層の片面において31μm以下であり、かつフィルム全体において3μm以上であり、厚み方向の熱伝導率が0.28W/(m・K)以上である放熱性二軸延伸フィルム。
2.熱伝導層が熱伝導性フィラーを1〜40質量%含有する上記1に記載の放熱性二軸延伸フィルム。
3.熱伝導層の両面に電気絶縁層を有する上記1または2に記載の放熱性二軸延伸フィルム。
4.熱伝導層が、マトリックス樹脂としてポリエステル系樹脂および/またはその共重合体を含む上記1〜3のいずれか1に記載の放熱性二軸延伸フィルム。
本発明によれば、製膜性と放熱性のバランスに優れた放熱性二軸延伸フィルムを提供することができる。
<放熱性二軸延伸フィルム>
本発明の放熱性二軸延伸フィルムは、後述する熱伝導層、およびその少なくとも片面に後述する電気絶縁層を有するものである。
以下、本発明の放熱性二軸延伸フィルムを構成する各構成成分について説明する。
<熱伝導層>
本発明の放熱性二軸延伸フィルムにおける熱伝導層の仕様については以下の通りである。
本発明における熱伝導層は、後述するマトリックス材料中に、後述する繊維状炭素材料が存在してなるものである。
熱伝導層の層厚については、下限は、製膜性と放熱性のバランスをより好適にするという観点から、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、25μm以上が更に好ましく、50μm以上が特に好ましい。また、層厚の上限については、実装基板内における熱伝導層の体積や重量の割合を適性な範囲に抑えることができる、および製膜性と放熱性のバランスをより好適にするという観点から、好ましくは500μm未満、更に好ましくは300μm未満、特に好ましくは200μm未満である。
<繊維状炭素材料>
本発明における繊維状炭素材料としては、繊維状の炭素材料であって、本発明が規定する熱伝導率等の特性を満足するものであれば特に限定されないが、例えば炭素繊維、カーボンナノチューブなどを挙げる事ができる。好ましくは、炭素繊維である。炭素繊維の好ましい態様としては、後述する黒鉛化炭素短繊維やカーボンナノファイバー(例えば気相法炭素繊維)を挙げることができる。
本発明における繊維状炭素材料の平均繊維径は、0.05〜20μmである。平均繊維径が上記数値範囲にあると、製膜性および放熱性に同時に優れる。平均繊維径が小さすぎる場合は、放熱性に劣り、また繊維状炭素材料が分散し難くなる傾向にあり、製膜性に劣る傾向にある。他方、大きすぎる場合は、切断し易く製膜性に劣る傾向にある。このような観点から、好ましくは0.05〜15μm、更に好ましくは0.07〜10μmである。
本発明における繊維状炭素材料の平均アスペクト比は、15以上、好ましくは20以上である。平均アスペクト比が上記数値範囲にあると製膜性および放熱性に同時に優れる。平均アスペクト比が小さすぎると放熱性に劣る傾向にある。また、平均アスペクト比の上限は特に制限はないが、好ましくは10000以下、より好ましくは1000以下、さらに好ましくは500以下、特に好ましくは200以下である。ここで、繊維状炭素材料の平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径、板状フィラーの平均アスペクト比は平均粒子径/平均厚みで表わされる。
本発明における繊維状炭素材料の真密度は、2.0〜2.5g/ccであることが好ましい。真密度が上記数値範囲にあると放熱性の向上効果を高くすることができる。
本発明における繊維状炭素材料は、熱伝導性、分散性、流動性等の観点から、短繊維状である事が好ましく、平均繊維長は1〜4000μmである事が好ましく、より好ましくは1〜2000μm、更に好ましくは10〜1000μm、最も好ましくは50〜500μmである。また、平均アスペクト比は20〜200である事が好ましい。
尚、繊維状炭素材料には、必要に応じて、表面処理が施されていても良い。かかる表面処理としては、熱伝導層内での分散性を高めるための表面活性化処理が挙げられる。
本発明においては、かかる繊維状炭素材料の熱伝導層中における含有量は、熱伝導層の質量を基準として39質量%以下である。かかる含有量が上記数値範囲にあると製膜性に優れる。含有量が多くなると、放熱性は向上する傾向にあるが、製膜性に劣る傾向にある。このような観点から、かかる含有量は、好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
さらに、本発明においては、フィルム全体における上記繊維状炭素材料および後述する熱伝導性フィラーの合計の含有量は、フィルム全体の体積を基準として8体積%以上であることが好ましい。このような態様とすることによって放熱性の向上効果を高くすることができる。かかる含有量が少ないと、製膜性は向上する傾向にあるが、放熱性の向上効果が低くなる傾向にある。このような観点から、かかる含有量は、10体積%以上がより好ましく、12体積%以上がさらに好ましく、14体積%以上が特に好ましい。なお、熱伝導性フィラーを用いない場合は、繊維状炭素材料の含有量が上記数値範囲となるようにすればよい。
本発明においては、繊維状炭素材料、および任意に添加してもよい後述する熱伝導性フィラーを上記のような態様で含有することにより、製膜性および放熱性に同時に優れ、かつこれらのバランスに優れるものである。
放熱性をより優れたものとするための好ましい態様としては、上記繊維状炭素材料の含有量は、後述する熱伝導性フィラーを用いない場合は、熱伝導層の質量を基準として11質量%以上が好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、後述する熱伝導性フィラーを用いる場合は、好ましくは1質量%以上であればよく、さらに好ましくは3質量%以上であればよく、特に好ましくは5質量%以上であればよい。
本発明においては、上記のような繊維状炭素材料の中でも、黒鉛化炭素短繊維およびその集合体は、極めて高い熱伝導性を有するのみならず、熱的安定性、寸法安定性、化学的安定性、機械的強度等に優れ、また、製膜性の向上効果を高くすることができ、特に好ましく用いられる。
また本発明においては、繊維状炭素材料として、気相法炭素繊維を特に好ましく挙げることができる。気相法炭素繊維もまた、極めて高い熱伝導性を有するのみならず、熱的安定性、寸法安定性、化学的安定性、機械的強度等に優れ、また、製膜性の向上効果を高くすることができるからである。
(黒鉛化炭素短繊維)
本発明における黒鉛化炭素短繊維は、メソフェーズピッチを原料とし、平均繊維径5〜20μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率(CV値)が5〜20、平均アスペクト比が平均20〜10000であって、走査型電子顕微鏡での観察表面が実質的に平滑である黒鉛化炭素短繊維であることが好ましい。
黒鉛化炭素短繊維の原料となる材料としては、ナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物、石油系ピッチや石炭系ピッチといった縮合複素環化合物等が例示できる。その中でもナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物が好ましく、特にメソフェーズピッチが好ましい。メソフェーズピッチのメソフェーズ率としては少なくとも90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上である。なお、メソフェーズピッチのメソフェーズ率は、溶融状態にあるピッチを偏向顕微鏡で観察することで確認出来る。更に、原料ピッチの軟化点としては、230℃以上340℃以下が好ましい。不融化処理は、軟化点よりも低温で処理する必要がある。このため、軟化点が230℃より低いと、少なくとも軟化点未満の低い温度で不融化処理する必要があり、結果として不融化に長時間を要するため好ましくない。一方、軟化点が340℃を超えると、紡糸に340℃を超える高温が必要となり、ピッチの熱分解を引き起こし、発生したガスで糸に気泡が発生するなどの問題を生じるため好ましくない。軟化点のより好ましい範囲は250℃以上320℃以下、更に好ましくは260℃以上310℃以下である。なお、原料ピッチの軟化点はメトラー法により求めることが出来る。原料ピッチは、二種以上を適宜組合せて用いてもよい。組合せる原料ピッチのメソフェーズ率は少なくとも90%以上であり、軟化点が230℃以上340℃以下であることが好ましい。
本発明における黒鉛化炭素短繊維は、光学顕微鏡で観測した平均繊維径(D1)が5〜20μmであることが好ましい。D1が上記数値範囲にあると、製膜性と放熱性の向上効果を同時により高くすることができる。D1が5μmを下回る場合、放熱性の向上効果が低くなる傾向にある。また、ハンドリングが困難になる。逆にD1が20μmを超えると、製膜性の向上効果が低くなる傾向にある。また、加熱により皮膜を形成する際においては、隙間ができ、皮膜の付着強度が不十分になる。このような観点から、D1のより好ましい範囲は5〜15μmであり、更に好ましくは7〜13μmである。
本発明における黒鉛化炭素短繊維は、光学顕微鏡で観測した黒鉛化炭素短繊維における繊維径分散(S1)のD1に対する百分率(CV値)は5〜20であることが好ましい。CV値は小さい程、工程安定性が高く、製品のバラツキが小さいことを意味しているが、CV値が5より小さい場合は、繊維径が極めて揃っているため、短繊維の間隙に他の短繊維が入り込める余地が少なくなり、マトリックス材料と複合する際に多量の短繊維を添加するのが困難になり、熱伝導層の熱伝導率を高める上で好ましくない。逆にCV値が20より大きい場合にはマトリックス材料との複合の際の分散性が悪くなって、熱伝導層の性能均一性が低下する傾向にある。このような観点から、CV値は、より好ましくは5〜15である。
本発明における黒鉛化炭素短繊維の平均繊維長(L1)は、20μm以上であることが好ましい。ここで、平均繊維長は個数平均繊維長とし、光学顕微鏡下で測長器を用い、複数の視野において所定本数を測定し、その平均値から求めることができる。L1が20μmより小さい場合は、短繊維同士が接触しにくくなり、効果的な熱伝導経路の形成が期待しにくくなる。一方、平均繊維長の上限については、樹脂への複合方法にも依存するが、安定した製造が可能であるという観点から、10mm(10000μm)以下が好ましく、1000μm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。平均繊維長が10mm(10000μm)を超えると安定製造はかなり難しくなる傾向にある。
本発明における黒鉛化炭素短繊維の平均アスペクト比は20〜10000であることが好ましく、より好ましくは20〜1000、更に好ましくは20〜500、特に好ましくは20〜200である。平均アスペクト比が上記数値範囲にあると、製膜性と放熱性の向上効果を高くすることができる。また、樹脂への分散性に優れる。
本発明における黒鉛化炭素短繊維は、六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズが30nm以上であり、さらに六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズが50nm以上であることが好ましい。結晶子サイズは六角網面の厚み方向、六角網面の成長方向のいずれも、黒鉛化に対応するものであり、熱物性を発現するためには、一定サイズ以上であることが好ましい。六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズ及び六角網面の成長方向の結晶子サイズは、X線回折法で求める事ができる。測定手法は集中法とし、解析手法としては、学振法を用いた。六角網面の厚み方向の結晶子サイズは、(002)面からの回折線を用いて求め、六角網面の成長方向の結晶子サイズは、(110)面からの回折線を用いてそれぞれ求めることができる。
また本発明における黒鉛化炭素短繊維の真密度は2.0以上である事が好ましく、より好ましくは2.1以上、さらに好ましくは2.15以上、最も好ましくは2.2以上である。また、真密度の上限は特に制限されないが、実質的には2.5以下である。真密度が上記数値範囲にあると放熱性に優れる。
本発明における黒鉛化炭素短繊維の繊維軸方向の熱伝導率は、300W/(m・K)以上である事が好ましく、より好ましくは400W/(m・K)以上、更に好ましくは500W/(m・K)以上、最も好ましくは600W/(m・K)以上である。
本発明における黒鉛化炭素短繊維は、走査型電子顕微鏡での観察表面が実質的に平坦であることが好ましい。ここで、実質的に平坦であるとは、フィブリル構造のような激しい凹凸を炭素短繊維表面に有しないことを意味する。炭素短繊維の表面に激しい凹凸のような欠陥が存在する場合には、マトリクス樹脂との混練に際して表面積の増大に伴う粘度の増大を引き起こし、成形性を悪化させる。よって、表面凹凸のような欠陥はできるだけ小さい状態が望ましい。より具体的には、走査型電子顕微鏡において1000倍で観察した像での観察視野に、凹凸のような欠陥が10箇所以下であることが好ましい。
本発明における黒鉛化炭素短繊維は、透過型電子顕微鏡での短繊維端面の観察表面は、グラフェンシートが閉じた構造になっていることが好ましい。端面がグラフェンシートとして閉じている場合には、余分な官能基の発生や、形状に起因する電子の局在化が起こらないので、短繊維が活性点を持たなくなる様になる。結果、熱硬化性樹脂の触媒活性低下による硬化阻害を抑制することができる。更には、水などの吸着を低減することができ湿熱耐久性能向上をもたらすことができる。特に、本発明における短繊維においては、短繊維の表面積に占める端面の割合が高くなることから、グラフェンシートが閉じている構造が特に好ましい。なお、グラフェンシートが閉じているとは、短繊維を構成するグラフェンシートそのものの端部が短繊維端部に露出することなく、グラファイト層が略U字上に湾曲し、湾曲部分が短繊維端部に露出している状態である。このような状態が端面全体の80%以上を占めているときに、更にこれらの効果は顕在化される。
本発明においては、上記のような黒鉛化炭素短繊維として市販品を用いることもできる。かかる市販品としては、例えば帝人製ラヒーマ、三菱樹脂製ダイアリードなどを例示することができる。
(気相法炭素繊維)
気相法炭素繊維は、原料であるベンゼン等の有機化合物を、触媒としてフェロセン等の有機遷移金属化合物とともに、キャリアーガスを用いて高温の反応炉に導入、気相熱分解させて製造することができる。製造方法としては、例えば基板上に熱分解炭素繊維を生成させる方法(特開昭60−27700号公報)、浮遊状態で熱分解炭素繊維を生成させる方法(特開昭60−54998号公報)、反応炉壁に熱分解炭素繊維を成長させる方法(特許第2778434号公報)等があり、本発明で使用する気相法炭素繊維はこれらの方法により製造することができる。
このようにして製造される気相法炭素繊維は、このまま原料として用いることができるが、気相成長後のそのままの状態では、表面に原料の有機化合物等に由来する熱分解物が付着していたり、気相法炭素繊維を形成する繊維構造の結晶性が不十分であることがある。したがって、熱分解物などの不純物を除いたり、気相法炭素繊維としての結晶構造を向上させるために、不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うことができる。原料に由来する熱分解物等の不純物を処理するためには、アルゴン等の不活性ガス中で約800〜1500℃ の熱処理を行うことが好ましい。また、炭素構造の結晶性を向上させるためには、アルゴン等の不活性ガス中で約2000〜3000℃の熱処理を行うことが好ましい。
本発明における気相法炭素繊維は、平均繊維径が50〜500nmであることが好ましく、より好ましくは70〜300nm、さらに好ましくは80〜200nmである。平均繊維径が上記数値範囲にあると、製膜性および放熱性に同時に優れる。また、平均繊維径が50nm未満だとハンドリングが困難になる。
本発明における気相法炭素繊維は、平均アスペクト比が20〜1000であることが好ましく、より好ましくは20〜500であり、さらに好ましくは20〜150である。平均アスペクト比が20以上であれば、熱伝導率の向上効果が大きくなる傾向にある。また、平均アスペクト比が上記数値範囲にあると樹脂への分散性に優れる。
本発明においては、上記のような気相法炭素繊維として市販品を用いることもできる。かかる市販品としては、例えば昭和電工製VGCFを例示することができる。
なお、かかる気相法炭素繊維の真密度、平均繊維長、熱伝導率は、繊維状炭素材料と同様の範囲ものが好ましい。
<熱伝導性フィラー>
本発明の放熱性二軸延伸フィルムは、上記繊維状炭素材料とは異なる熱伝導性フィラーを含有している態様が好ましい。かかる熱伝導性フィラーの含有量は、上述したフィルム全体における繊維状炭素材料および熱伝導性フィラーの合計の含有量であることが好ましい。含有量を上記数値範囲とすることによって、放熱性の向上効果を高くすることができる。なお、熱伝導性フィラーは、熱伝導層に含有されていてもよいし、電気絶縁層に含有されていてもよいし、これらの両方の層に含有されていてもよい。
また本発明においては、熱伝導層が熱伝導性フィラーを含有している態様が好ましく、製膜性の向上効果を高くすることができる。また、上述した繊維状炭素材料と熱伝導性フィラーとを同じ層に含有することによって、放熱性の向上効果をより高くすることができる。この場合、かかる熱伝導性フィラーの含有量は、熱伝導層の質量を基準として好ましくは1〜40質量%である。含有量が上記数値範囲にあると、製膜性と放熱性の向上効果をより高くすることができる。このような観点から、含有量は、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜20質量%、特に好ましくは13〜17質量%である。複数種類の熱伝導性フィラーを同時に用いる場合は、これらの合計の含有量が上記数値範囲となるようにすればよい。
このような熱伝導性フィラーとしては、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム、その他のセラミクス材料等のごとく、電気絶縁性で熱伝導性のフィラーなどが挙げられる。
<マトリックス材料>
本発明における熱伝導層のマトリックス材料として用いられる樹脂としては、特に限定はなく、各種のものを用いる事が可能であるが、その中でも特に好ましくは、溶融押し出し等によるシート成形性や、熱延伸による面内方向への伸張性に優れた熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマー樹脂が好ましく挙げられる。
これら熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリオレフィン系樹脂及びその共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリ乳酸系樹脂、ポリエステル系樹脂及びその共重合体(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート、液晶性ポリマーなど)、脂肪族ポリアミド類及びその共重合体、芳香族ポリアミド類及びその共重合体等を挙げることができる。さらに、ポリイミド類及びその共重合体、ポリアミドイミド類及びその共重合体、ポリメタクリル酸類及びその共重合体(ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリル酸エステルなど)、ポリアクリル酸類及びその共重合体、ポリアセタール類及びその共重合体、フッ素樹脂類及びその共重合体(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリスチレン類及びその共重合体(スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂など)、ポリアクリロニトリル類及びその共重合体、ポリフェニレンエーテル(PPE)類及びその共重合体(変性PPE樹脂なども含む)、ポリカーボネート類及びその共重合体、ポリフェニレンスルフィド類及びその共重合体、ポリサルホン類及びその共重合体、ポリエーテルサルホン類及びその共重合体、ポリエーテルニトリル類及びその共重合体、ポリエーテルケトン類及びその共重合体、ポリエーテルエーテルケトン類及びその共重合体、ポリケトン類及びその共重合体等が挙げられる。
熱拡散層の樹脂マトリクス材料としては、場合によっては、架橋性、硬化性の樹脂材料も利用が可能であるが、これらの中でも熱延伸性、熱圧縮/圧着性等に優れる材料が好ましく選択される。これらの樹脂としては、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、熱硬化型変性PPE系樹脂、および熱硬化型PPE系樹脂、ポリブタジエン系ゴム及びその共重合体、アクリル系ゴム及びその共重合体、シリコーン系ゴム及びその共重合体、天然ゴム、不飽和ポリエステル系樹脂等を用いることができる。
本発明においては、好ましいマトリックス材料として、ポリエステル系樹脂及びその共重合体を挙げることができ、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。このような態様とすることによって、製膜性により優れ、製膜性と放熱性のバランスをより良好なものとすることができる。
(ポリエステル系樹脂)
本発明におけるポリエステル系樹脂及びその共重合体を形成するポリエステルは、第1成分としてのジカルボン酸成分および第2成分としてのグリコール成分からなる。ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を例示できる。特に、基材フィルムの機械特性に優れるという観点から、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。また、グリコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を例示できる。特に、基材フィルムの剛直性に優れるという観点から、エチレングリコールが好ましい。
上記のポリエステルは、さらに第3成分として、上記ジカルボン酸成分あるいはグリコール成分を共重合したコポリエステルであっても良い。かかる第3成分としては、第1成分として選択されたジカルボン酸成分あるいは第2成分として選択されたグリコール成分とは異なる共重合成分を選択することができる。これらの成分の共重合量としては、全ジカルボン酸成分100モル%に対して、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下である。また、第3成分としては、三官能以上の多価カルボン酸成分あるいはポリオール成分を含んでも良いが、その場合の共重合量は、得られるポリエステルが実質的に線状となる範囲(例えば、全ジカルボン酸成分100モル%に対して5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以下)で少量共重合したポリエステルであることが好ましい。以上のような本発明におけるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートおよびその共重合体が特に好ましい。
かかるポリエステルは常法により作ることができ、ポリエステルの固有粘度(o−クロロフェノール中、35℃における固有粘度)が、0.45(単位:dl/g)以上であると、フィルムの剛性が高い等機械特性に優れるため好ましい。
また、上記ポリエステルにおいては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微粒子、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の耐熱性ポリマーからなる有機微粒子を含有させて、滑り性を向上したり、透明性を調整したりすることもできる。このほかに、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンコポリマー、オレフィン系アイオノマーのような他の樹脂、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等を必要に応じて含有することもできる。
本発明においては、マトリックス材料としては、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが特に好ましく用いられる。ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの主たるジカルボン酸成分はナフタレンジカルボン酸であり、主たるグリコール成分はエチレングリコールである。ここで「主たる」とは、ポリエステルの全ジカルボン酸成分100モル%を基準として80モル%以上、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上を意味する。また、かかるジカルボン酸成分として、具体的には2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸が挙げられ、2,6−ナフタレンジカルボン酸が特に好ましい。
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、ホモポリマーであっても共重合体または他のポリエステルとの混合体のいずれであってもかまわない。共重合体または混合体における他の成分は、ポリエステル繰返し構造単位のモル数を基準として20モル%以下、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下である。
共重合成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分を用いることができ、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。これらの化合物は1種のみ用いてもよく、2種以上を用いることができる。ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの場合、これらの中でも、イソフタル酸、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、公知の方法を適用して製造することができる。例えば、ジオールとジカルボン酸および必要に応じて共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造することができる。また、これらの原料モノマーの誘導体をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造してもよい。
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの固有粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃において、0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40dl/g以上0.80dl/g以下であることがさらに好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足することがある。一方固有粘度が0.80dl/gを超える場合は重合時の生産性が低下することがある。
<電気絶縁層>
本発明においては、熱伝導層の少なくとも片面に電気絶縁層を有する。
電気絶縁層は各種用途で必要とされるレベルの電気絶縁性を有する事が好ましく、例えば体積抵抗率として、少なくとも1E13(Ω・cm)以上であることが好ましく、より好ましくは1E14(Ω・cm)以上である。
電気絶縁層の厚みは、熱伝導層の片面において31μm以下である。ここで厚みは、熱伝導層の片面に複数の電気絶縁層を有する場合は、それらの合計の厚みを指す。電気絶縁層の厚みを上記数値範囲とすることによって、放熱性に優れる。かかる厚みが31μmを超えると、層の熱抵抗が大きく成り、熱の流れを阻害するようになるので好ましくない。このような観点から、かかる厚みは、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
また、電気絶縁層の厚みは、フィルム全体において3μm以上である。ここで厚みは、フィルム中に複数の電気絶縁層を有する場合は、それらの合計の厚みを指す。電気絶縁層の厚みを上記数値範囲とすることによって、製膜性に優れる。また、電気絶縁性に優れる。かかる厚みが3μm未満では電気絶縁性の十分な確保が難しく、また製膜性に劣る。このような観点から、かかる厚みは、より好ましくは4μm以上、さらに好ましくは5μm以上、特に好ましくは10μm以上である。
また、熱伝導層(熱伝導層を複数層有する場合は、それらの合計の厚み)の厚みと電気絶縁層の厚み(電気絶縁層を複数層有する場合は、それらの合計の厚み)との比率は、熱伝導層の厚み/電気絶縁層の厚み=97/3〜39/61であることが好ましく、このような数値範囲とすることによって製膜性と放熱性のバランスにより優れる。かかる比率において、電気絶縁層の厚みが厚すぎると、放熱性の向上効果が低くなる傾向にあり、他方薄すぎると、製膜性の向上効果が低くなる傾向にある。このような観点から、かかる比率は、より好ましくは96/4〜40/60、さらに好ましくは90/10〜50/50、特に好ましくは90/10〜60/40である。
これら電気絶縁層のマトリクス材料としては、特に限定はないが、本発明において熱伝導層に用いられるものと同じマトリクス材料や、その共重合材料および/または変性材料が最も好適である。
尚、電気絶縁層は、層の熱伝導性を高める目的で、上述の熱伝導性フィラーを添加しても良い。また、繊維状炭素材料を含むこともできる。一方、これらの熱伝導性フィラーや繊維状炭素材料の含有量が多すぎると、製膜時にフィルムが破断しやすくなる傾向にあり、製膜性の向上効果が低くなる傾向にある。このような観点からは、電気絶縁層は、熱伝導性フィラーや繊維状炭素材料を実質的に含有しない態様(好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である態様)が好ましい。
本発明においては、上記のような電気絶縁層を、熱伝導層の両面に有する態様(例えば、電気絶縁層/熱伝導層/電気絶縁層の3層構成など)が好ましく、このような態様とすることによって、とりわけ放熱性と製膜性を同時により向上することができる。また、本発明においては、熱伝導層と電気絶縁層とを、例えば交互に各々複数層有する、例えば4層以上の多層構造としてもよい。さらには、30層以上、100層以上、200層以上のごとく超多層構造としてもよい。
<フィルム製造方法>
本発明の放熱性二軸延伸フィルムは、熱伝導層を形成するためのマトリックス材料、および電気絶縁層を形成するためのマトリックス材料を、それぞれ別の押出機で溶融し、積層し、溶融押出し固化成形したシートを二軸方向に延伸することで製造することができる。
かかるフィルム製膜方法は、公知の製膜方法を用いて製造することができ、例えば熱伝導層用に調製したマトリックス材料としての樹脂を十分に乾燥させた後、かかる樹脂の融点〜(融点+70)℃の温度で押出機内で溶融する。同時に電気絶縁層用に調製したマトリックス材料としての樹脂を十分に乾燥させた後、他の押出機に供給し、かかる樹脂の融点〜(融点+70)℃の温度で溶融する。続いて、両方の溶融樹脂をダイ内部で積層する方法、例えばマルチマニホールドダイを用いた同時積層押出法により、積層された未延伸フィルムが製造される。かかる同時積層押出法によると、一つの層を形成する樹脂の溶融物と別の層を形成する樹脂の溶融物はダイ内部で積層され、積層形態を維持した状態でダイよりシート状に成形される。ここで、熱伝導層を形成するためのマトリックス材料と混合する繊維状炭素材料は、あらかじめ樹脂を製造する工程(例えば重合工程)において添加して混合してもよいし、樹脂(一般的にはポリマーチップとして取り扱われる)を乾燥する前に添加して、十分に混合を行ってもよいし、乾燥後に添加、混合を行なってもよい。乾燥後に添加、混合を行なう場合は、押出機に投入する前であってもよいし、押出機内で樹脂に添加し、混合してもよい。
次いで、ダイより押し出されたシート状成形物を表面温度10〜60℃の冷却ドラムで冷却固化し未延伸フィルムを得て、この未延伸フィルムを例えばロール加熱または赤外線加熱によって加熱した後、逐次または同時に二軸延伸を行なう。例えば、逐次二軸延伸の場合は、まず機械軸方向(縦方向、長手方向、MDという場合がある。)に延伸して縦延伸フィルムを得る。かかる縦延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸温度は樹脂(積層形態を有するシート状成形物において主たる層を形成する樹脂を指す。)のガラス転移点温度(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40℃高い温度とするのが好ましい。
縦延伸倍率は、好ましくは1.1倍以上2.0倍以下の範囲、より好ましくは1.2倍以上1.8倍以下の範囲、さらに好ましくは1.3倍以上1.7倍以下の範囲、特に好ましくは1.3倍以上1.5倍以下の範囲である。縦延伸倍率が低すぎる場合は、放熱フィルムとしての強度が十分でないことがある他、フィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られないことがある。また、マトリックス材料の配向が低くなる傾向にあり、それにより放熱性の向上効果が低くなる傾向にある。他方、縦延伸倍率が高すぎる場合は、ボイドの形成等により放熱性の向上効果が低くなる傾向にある。また、製膜中に破断が発生しやすくなる傾向にあり、製膜性の向上効果が低くなる傾向にある。
得られた縦延伸フィルムは、続いて機械軸方向と垂直な方向(横方向、幅方向、TDと呼称する場合がある。)に延伸を行い、その後熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、かかる処理はフィルムを走行させながら行う。
横延伸処理は樹脂のガラス転移点温度(Tg)より20℃高い温度から始め、樹脂の融点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。かかる横延伸開始温度は、好ましくは(Tg+40)℃以下である。また横延伸最高温度は、好ましくはTmより(100〜40)℃低い温度である。横延伸開始温度が低すぎるとフィルムに破れが生じやすい。また横延伸最高温度が(Tm−120)℃より低いと、得られたフィルムの熱収縮率が大きくなり、また幅方向の物性の均一性が低下しやすい。一方、横延伸最高温度が(Tm−30)℃より高いとフィルムが柔らかくなりすぎ、製膜中にフィルムの破れが起こり易くなる傾向にあり、生産性の向上効果が低くなる。
横延伸過程の昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが、通常は段階的に昇温する。例えば、ステンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、各ゾーンごとに所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。
横延伸倍率は、好ましくは2.1倍以上4.0倍以下の範囲、より好ましくは2.5倍以上3.5倍以下の範囲、さらに好ましくは2.8倍以上3.2倍以下の範囲、特に好ましくは2.8倍以上3.0倍以下の範囲である。横延伸倍率が低すぎる場合は、生産性の向上効果が低くなる傾向にあり、またマトリックス樹脂の配向が低くなる傾向にあるため放熱性の向上効果が低くなる傾向にある。また、フィルムの強度が低くなる傾向にある他、フィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られないことがある。他方、横延伸倍率が高すぎる場合は、ボイド形成等により放熱性の向上効果が低くなる傾向にある。また、製膜中に破断が発生しやすくなる傾向にあり、製膜性の向上効果が低くなる傾向にある。
本発明においては、上記のごとく特定の縦延伸倍率および横延伸倍率の範囲を同時に採用することは、特に好ましい製造方法である。このような延伸条件を採用することによって、フィルムや繊維状炭素材料を適度に配向させ、一方でフィルム中のボイドの発生を抑制し、放熱性の向上効果をより高くすることができる。また、横延伸倍率に対して縦延伸倍率を低めに設定することによって、横延伸時のフィルム破断を抑制し、製膜性の向上効果をより高くすることができる。また、横延伸倍率が高いことは、生産性の向上効果がより高くなり好ましい。
二軸延伸されたフィルムは、その後熱固定処理が施される。熱固定処理を施すことにより、得られたフィルムの高温条件下での寸法安定性を高めることができる。熱固定処理は、好ましくは(Tm−100℃)以上、さらに好ましくは(Tm−70)℃〜(Tm−40)℃の範囲で行うことができ、特に220℃〜250℃の範囲で行うことが好ましい。
熱固定処理後、150℃〜250℃の温度条件で1〜3%の熱弛緩処理、オフライン工程にて150〜250℃で5分以上熱処理(アニール処理)、50〜80℃で除冷するアニール処理等を施しても良い。オフライン工程で行うアニール処理は、かかる熱処理条件の範囲内で温度を高くするか、または処理時間を長くすることにより、熱収縮率を好ましい範囲にすることができる。アニール処理時間の上限は特に制限されないが、長時間すぎるとフィルム物性が低下する可能性があるため、高々1時間であることが好ましい。
このようにして得られた二軸延伸フィルムの少なくとも片面に、さらに塗布層を形成する際は、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用してもよい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて用いることができる。
<フィルム特性>
本発明の放熱性二軸延伸フィルムは、厚み方向の熱伝導率が0.28W/(m・K)以上である。かかる熱伝導率を上記数値範囲とすることによって、放熱性に優れる。このような観点から、かかる熱伝導率は、好ましくは0.30W/(m・K)以上、より好ましくは0.31W/(m・K)以上、さらに好ましくは0.35W/(m・K)以上、特に好ましくは0.40W/(m・K)以上である。また、厚み方向の熱伝導率の上限は、0.50W/(m・K)未満であることが好ましい。これにより製膜性の向上効果を高くすることができる。このような観点から、厚み方向の熱伝導率の上限は、より好ましくは0.48以下、さらに好ましくは0.45以下、特に好ましくは0.42以下である。
また、本発明の放熱性二軸延伸フィルムは、面方向の熱伝導率が0.78W/(m・K)以上20W/(m・K)未満であることが好ましい。かかる熱伝導率が上記数値範囲にあると、製膜性と放熱性の向上効果を高くすることができる。熱伝導率は、下限値未満であると、面内での熱伝導、熱拡散を効率的に行う事が難しくなる傾向にあり、放熱性の向上効果が低くなる。他方、20W/(m・K)以上であると製膜性の向上効果が低くなる。このような観点から、面方向の熱伝導率は、より好ましくは0.80W/(m・K)以上20W/(m・K)未満、さらに好ましくは0.82W/(m・K)以上20W/(m・K)未満である。
このような熱伝導率を達成するためには、繊維状炭素材料の種類および含有量、電気絶縁層の厚み、製膜条件などを適宜調整すればよい。例えば、繊維状炭素材料の含有量を多くしたり、電気絶縁層の厚みを薄くしたりすると、熱伝導率は高くなる傾向にある。また、放熱性フィラーを用いると、熱伝導率は高くなる傾向にある。
本発明においては、放熱性二軸延伸フィルムの面方向の熱伝導率と層厚(フィルム全体の厚み)を乗じた値は、78W・μm/(m・K)以上1000W・μm/(m・K)未満であることが好ましく、本発明においては、このような態様となるように、熱伝導層の熱伝導率および層厚を選択することが好ましい。かかる値が上記数値範囲にあると、面内での熱輸送能力および製膜性に同時に優れる。かかる値は、78W・μm/(m・K)未満では、面内での熱輸送能力が不十分になりやすい。他方、1000W・μm/(m・K)以上では、製膜性に劣る。このような観点から、熱伝導層の面方向の熱伝導率と層厚を乗じた値は、より好ましくは80W・μm/(m・K)以上500W・μm/(m・K)以下、更に好ましくは82W・μm/(m・K)以上200W・μm/(m・K)以下である。
熱伝導率はプローブ法、ホットディスク法、レーザーフラッシュ法等の方法によって測定できるが、熱伝導率の値は測定手法によって異なる値を示す場合が多く、特に数W/(m・K)〜数十W/(m・K)の範囲では差が大きくなる傾向にある。従って、従来技術との性能比較においては、他の方法で測定された熱伝導率の値ではなく、同一の方法で測定された熱伝導率の値にて比較検討が為されるべきである。
尚、本発明および実施例の開示においてはレーザーフラッシュ法を用いており、本手法により相対比較が為されるべきである。
以下、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、「PEN」はポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを、「PET」はポリエチレンテレフタレートを表わす。
1.フィルム各層の厚み
フィルムサンプルを長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製;エポマウント)にて包埋した。包埋したサンプルをミクロトーム(LEICA製;ULTRACUT UCT)で幅方向に垂直に切断、5nm厚の薄膜切片にした。透過型電子顕微鏡(日立S−4300)を用いて、加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定した。
2.熱伝導率
キセノンフラッシュアナライザ(NETZSCH社製;LFA447)により、厚み方向および面方向の熱拡散率α(cm/sec)を測定し、別に測定した比熱容量Cp(J/g・K)と密度ρ(g/cc)から、厚み方向および面方向の熱伝導率λ(W/cm・K)をλ=α・Cp・ρで求め、単位換算を実施した値を用いて評価を行った。
なお、厚み方向の熱拡散率αはサンプルを25mmφに切り取り測定した。面方向の熱拡散率αは、サンプルをMD、TD長手で2mm×10mmにそれぞれ切り取ったものを、10mmの辺を上にして10mm幅になるよう並べて測定し、平均値を面方向の熱拡散率αとした。
また、密度ρは、硝酸カルシウム水溶液を用いて密度勾配管法にて測定して得ることができる。
また、比熱容量Cpは、JIS K 7123に準じて測定された値である。
3.体積抵抗率(電気絶縁性評価)
JIS K 6911に従い、アドバンテスト社製;デジタル超高抵抗/微少電流系を用いて、100Vの電圧での体積抵抗(Rv)を測定し、次式にて体積抵抗率(ρv)を計算した。
ρv=18.84×Rv
なお、電気絶縁層の体積抵抗率については、同様のマトリックス材料および厚みを有するフィルムの体積抵抗率の値を用いた。
4.製膜性
連続製膜機にて1万m製膜した時のフィルムが切断した回数に応じて下記の通り評価した。
○:破断なし(0回)
△:1〜2回
×:3回以上
5.平均繊維径、平均繊維長、平均アスペクト比
平均繊維径は、JIS R7607に準じ、黒鉛化炭素短繊維は光学顕微鏡、気相法炭素繊維および熱伝導性フィラーは走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて60本測定し、その平均値から求めた。
平均繊維長は、個数平均繊維長であり、黒鉛化炭素短繊維は光学顕微鏡、気相法炭素繊維および熱伝導性フィラーは走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて2000本測定(10視野、200本ずつ測定)し、その平均値から求めた。倍率は糸長さに応じて適宜調整した。
アスペクト比は平均繊維径、平均繊維長を用いて次式にて計算した。
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
6.真密度
比重法にて測定した。
[実施例1]
熱伝導層を形成するためのマトリックス材料としてPEN樹脂を用い、繊維状炭素材料として黒鉛化炭素短繊維(帝人(株)製;Raheama R−A301、平均繊維径8μm、平均繊維長200μm以下、真密度2.2g/cc、平均アスペクト比25)を、熱伝導層の質量を基準として20質量%の含有量となるよう添加し、かかる樹脂組成物を押出機に供給し、290℃で溶融混練した。
一方、電気絶縁層を形成するためのマトリックス材料として、PEN樹脂を他方の押出機に供給し、290℃で溶融混練した。
それぞれ溶融した状態で、電気絶縁層/熱伝導層/電気絶縁層の3層(厚み比率;電気絶縁層:熱伝導層:電気絶縁層=5:90:5)に積層し、かかる積層構造を維持した状態でダイスリットより押出した後、表面温度60℃に設定したキャスティングドラム上で冷却固化させて3つの層からなる未延伸フィルムを作成した。
この未延伸フィルムを140℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に1.5倍で延伸し、60℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き150℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に3.0倍で延伸した。その後テンタ−内で235℃の熱固定を行い、均一に除冷して、室温まで冷やして全体の厚みが100μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。なお、繊維状炭素材料と熱伝導性フィラー含有量(体積%)は、PETの密度を1.41g/cm、PENの密度を1.36g/cm、その他は各材料の真密度を用いて計算した。
[実施例2〜6]
繊維状炭素材料の種類および含有量、各層の厚み比率を表1に示すとおりとした以外は実施例1と同様の方法によって二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
[実施例7]
熱伝導層を形成するためのマトリックス材料としてPET樹脂を用い、繊維状炭素材料として黒鉛化炭素短繊維(帝人(株)製;Raheama R−A301、平均繊維径8μm、平均繊維長200μm以下、真密度2.2g/cc、平均アスペクト比25)を、熱伝導層の質量を基準として30質量%の含有量となるよう添加し、かかる樹脂組成物を押出機に供給し、280℃で溶融混練した。
一方、電気絶縁層を形成するためのマトリックス材料として、PET樹脂を他方の押出機に供給し、280℃で溶融混練した。
それぞれ溶融した状態で、電気絶縁層/熱伝導層/電気絶縁層の3層(厚み比率;電気絶縁層:熱伝導層:電気絶縁層=5:90:5)に積層し、かかる積層構造を維持した状態でダイスリットより押出した後、表面温度20℃に設定したキャスティングドラム上で冷却固化させて3つの層からなる未延伸フィルムを作成した。
この未延伸フィルムを80℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に1.5倍で延伸し、20℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に3.0倍で延伸した。その後テンタ−内で220℃の熱固定を行い、均一に除冷して、室温まで冷やして全体の厚みが100μmの二軸延伸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
[実施例8]
繊維状炭素材料として黒鉛化炭素短繊維(帝人(株)製;Raheama R−A301、平均繊維径8μm、平均繊維長200μm以下、真密度2.2g/cc、平均アスペクト比25)を熱伝導層の質量を基準として5質量%、および、熱伝導性フィラーとしてアルミナ球状粒子(昭和電工(株)製;アルミナビーズCB−A05S、平均粒径3μm、密度3.98g/cc、平均アスペクト比1)を熱伝導層の質量を基準として15質量%の含有量となるように添加した以外は実施例1と同様の方法によって二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
[実施例9]
繊維状炭素材料として気相法炭素繊維(昭和電工(株)製;VGCF−SA、平均繊維径0.08μm、平均繊維長10μm以下、真密度2.0g/cc、平均アスペクト比125)を熱伝導層の質量を基準として5質量%、および、熱伝導性フィラーとしてアルミナ球状粒子(昭和電工(株)製;アルミナビーズCB−A05S、平均粒径3μm、密度3.98g/cc、平均アスペクト比1)を熱伝導層の質量を基準として15質量%の含有量となるように添加した以外は実施例1と同様の方法によって二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
縦延伸倍率を3.0倍とした以外は実施例2と同様の方法によって二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2〜5]
繊維状炭素材料の種類および含有量、各層の厚み比率を表1に示すとおりとした以外は実施例1と同様の方法によって二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
なお、比較例5は、フィルム破断が多発し、サンプルを得ることができなかった。
[比較例6]
黒鉛化炭素短繊維の代わりに、アルミナ球状粒子(昭和電工(株)製;アルミナビーズCB−A05S、平均粒径3μm、密度3.98g/cc、平均アスペクト比1)を、熱伝導層の質量を基準として20質量%の含有量となるように添加した以外は実施例1と同様の方法によって二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
[比較例7]
黒鉛化炭素短繊維の代わりに、窒化硼素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製;BNパウダーPT−180、平均厚み0.08μm、平均粒径1μm、真密度2.25g/cc、平均アスペクト比12.5)を、熱伝導層の質量を基準として10質量%の含有量となるよう添加した以外は実施例1と同様の方法によって二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性を表1に示す。
Figure 2011165792
本発明の放熱性二軸延伸フィルムは、放熱性に優れる。また同時に製膜性に優れるため、生産性が高く、低コストである。そのため、発熱性の素子が実装された各種の実装基板等で広く利用する事ができ、特にLEDチップ等の発光素子等の実装基板として好適に利用する事ができる。

Claims (4)

  1. 熱伝導層、およびその少なくとも片面に電気絶縁層を有するフィルムであって、熱伝導層が、平均繊維径0.05〜20μm、平均アスペクト比15以上である繊維状炭素材料を39質量%以下含有し、電気絶縁層の厚みが、熱伝導層の片面において31μm以下であり、かつフィルム全体において3μm以上であり、厚み方向の熱伝導率が0.28W/(m・K)以上である放熱性二軸延伸フィルム。
  2. 熱伝導層が熱伝導性フィラーを1〜40質量%含有する請求項1に記載の放熱性二軸延伸フィルム。
  3. 熱伝導層の両面に電気絶縁層を有する請求項1または2に記載の放熱性二軸延伸フィルム。
  4. 熱伝導層が、マトリックス樹脂としてポリエステル系樹脂および/またはその共重合体を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の放熱性二軸延伸フィルム。
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