JPH0915523A

JPH0915523A - 光走査装置

Info

Publication number: JPH0915523A
Application number: JP18844395A
Authority: JP
Inventors: Atsutomo Yoshizawa; 敦朋吉澤
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1995-06-30
Filing date: 1995-06-30
Publication date: 1997-01-17

Abstract

(57)【要約】【目的】折り返えしミラーの振動による画像の濃度む
ら等を低減する。【構成】回転多面鏡３の走査光Ｌ₁ は折り返えしミラ
ー５によって回転ドラムＤ₁ に向かって反射され、結像
レンズ系４によって回転ドラムＤ₁ 上の感光体に結像す
る。折り返えしミラー５はミラーホルダ１０に支持さ
れ、ミラーホルダ１０は光学箱の側壁のミラー取付穴Ｈ
₁ 、Ｈ₂ を貫通し前記側壁にビス止めされる。ミラーホ
ルダ１０は、折り返えしミラー５の両端を押えバネ１
２、１３によってそれぞれミラーホルダ１０の本体１１
の底板１１ｂに向かって押圧し、折り返えしミラー５の
側面に当接される一対の回転防止部材１４によって折り
返えしミラー５の回転振動を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はレーザプリンタやレーザ
ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる光走査装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レーザプリンタやレーザファクシミリ等
の画像形成装置に用いられる光走査装置は、図５に示す
ように、半導体レーザ１０１ａを有する光源ユニット１
０１から発生されたレーザ光をシリンドリカルレンズ１
０２によって線状の光束に集光し、回転多面鏡１０３に
よってその回転軸に沿った方向（以下、「Ｚ軸方向」と
いう。）に垂直な所定の方向（以下、「Ｙ軸方向」とい
う。）に偏向走査し、球面レンズ１０４ａとトーリック
レンズ１０４ｂからなる結像レンズ系１０４および折り
返えしミラー１０５を経て回転ドラムＤ₀ （図６参照）
上の感光体に結像させる。感光体に結像する光束は、回
転多面鏡１０３の回転によるＹ軸方向の主走査と、回転
ドラムＤ₀ の回転によるＺ軸方向の副走査によって静電
潜像を形成する。

【０００３】回転多面鏡１０３の走査光Ｌ₀ は、その走
査面（ＸＹ平面）のＹ軸方向の一端においてＢＤミラー
１０６ａによって前記走査面の下方へ分離され、ＢＤセ
ンサ１０６ｂに導入され、走査開始信号に変換されて光
源ユニット１０１の半導体レーザ１０１ａに送信され
る。半導体レーザ１０１ａは走査開始信号を受信したう
えで書き込み変調を開始する。

【０００４】光源ユニット１０１、シリンドリカルレン
ズ１０２、回転多面鏡１０３、結像レンズ系１０４、折
り返しミラー１０５、ＢＤミラー１０６ａおよびＢＤセ
ンサ１０６ｂは光学箱１０７の側壁や底壁に取り付けら
れる。回転ドラムＤ₀ は光学箱１０７の下方に配設され
ており、光学箱１０７の底壁には折り返えしミラー１０
５によって反射された走査光Ｌ₀ を光学箱１０７から回
転ドラムＤ₀ に向かって取り出すための窓１０８が設け
られている。また、光学箱１０７の上部開口はふた１０
９によって閉塞されている。

【０００５】折り返えしミラー１０５は、その両端を光
学箱１０７と一体であるミラーホルダ１１０によって支
持されている。光学箱１０７内には回転多面鏡１０３の
モータやソレノイドあるいはカム等が収容されており、
これらの駆動力が光学箱１０７を介して折り返えしミラ
ー１０５に伝達され、このために折り返えしミラー１０
５が振動し、回転ドラムＤ₀ 上の結像位置がずれて画像
に濃度むらを発生する。そこで、折り返えしミラーの振
動を防ぐために折り返えしミラーの長手方向の中央部分
やその全長にわたってゴム、発泡ポリウレタン等の緩衝
部材を設けたり（特開平２−２５３２７４号公報参
照）、あるいは折り返えしミラーの長手方向の中央部分
を弾性部材によって押圧支持する（特開平４−２４６６
４号公報、特開平４−２５７８１５号公報参照）等の工
夫がなされている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、前述のように緩衝部材や押圧部材を用
いるだけでは折り返えしミラー１０５の振動による画質
の劣化を充分に低減できない。その理由は以下の通りで
ある。

【０００７】折り返えしミラー１０５の振動は、図７の
（ａ）に示すように折り返えしミラー１０５の反射面１
０５ａがこれに垂直な方向に変位するたわみ振動と、同
図の（ｂ）に示すように折り返えしミラー１０５の反射
面１０５ａの傾斜角度が変化する回転振動に分類され、
折り返えしミラー１０５の振動による回転ドラムＤ₀上
の結像点の変位は、前記たわみ振動に起因する位置ズレ
ａと、前記回転振動に起因する位置ずれｂを加算したも
のとなる。前述の緩衝部材や押圧部材は、主に折り返え
しミラー１０５のたわみ振動を抑制するだけであり、従
って、折り返えしミラー１０５の回転振動による結像点
の位置ずれを回避することはできない。

【０００８】実験によれば、たわみ振動による結像点の
位置ずれａより回転振動に起因する位置ずれｂの方が大
であることが判明しており、また、折り返えしミラー１
０５の振動による画像むらを調べたところ画像領域の全
幅に沿って均一な濃度むらを発生する傾向があることも
判明した。折り返えしミラー１０５のたわみ振動に起因
する濃度むらであれば、たわみ振動による折り返えしミ
ラー１０５の反射面１０５ａの変位はその長さの中央に
おいて振幅が最大となり従って、画像の中央部分の濃度
むらが目立つはずであるから、画像の濃度むらの主な原
因は折り返えしミラー１０５の回転振動であると判断さ
れる。

【０００９】すなわち、緩衝部材や押圧部材を用いて折
り返えしミラー１０５のたわみ振動を防ぐだけでは、折
り返えしミラー１０５の回転振動を抑制することはでき
ず、しかも画像の濃度むらの大部分は折り返えしミラー
１０５のたわみ振動よりむしろ回転振動に起因するもの
であるから、画質を充分に改善するには到らない。

【００１０】また、さらなる実験の結果、以下のような
トラブルを発生することが判明した。

【００１１】図８に示すように、押圧部材を矢印Ｐに示
すように折り返えしミラー１０５上面に垂直に押し当て
ても実際には矢印Ｑに示す方向の分力が存在するために
折り返えしミラー１０５の中央部は二点鎖線に示す形状
から実線で示すように変形する。折り返えしミラー１０
５の両端部は受け１０５ｂによって拘束支持されている
ため結果として感光ドラムＤ₀ の中央近傍で走査線が両
端に較べてｄ₀ だけ曲がってしまう。この曲がる方向は
矢印Ｐで示す押圧力の方向によって決まるものであるか
ら、押圧部材の部品精度によって大きくばらつくおそれ
がある。

【００１２】図９に示すような複数の画像形成装置を具
備した高速カラー複写機においては、各カラーステーシ
ョンの回転ドラム２０１〜２０４における走査線２０１
ａ〜２０４ａの曲がり方向と曲がりの量が管理できない
と画像の中央近傍で著しい色ずれが発生する。

【００１３】一例として、前記４本の走査線２０１ａ〜
２０４ａのうちの１つの曲がり量ｄ₀ が５０μｍで、こ
れに対して曲がりの方向が逆のものが存在すると、色ず
れ量の最大値が１００μｍとなる。色ずれの原因はこの
他にも感光ドラムの回転むら等があるから、走査光学系
による色ずれが１００μｍに達すると良質な画像を得る
ための色ずれ許容値１２０μｍを達成するのは困難であ
る。

【００１４】さらに折り返えしミラー１０５の変形を微
視的に測定すると、図１０に示すように、押圧部材によ
って押圧される部分で反射面１０５ａがポアソン比によ
って局所的に膨出するいわゆるふくれと呼ばれる現象が
起こる。これは、感光ドラムＤ₀ 上のレーザ光のスポッ
ト形状に影響を与え、その部分のスポット形状が他の部
分とは異なった形状になってしまう。その結果、画像の
濃度が局部的に変化して縦すじとなって出現する。

【００１５】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、折り返えしミラーの回
転振動を防ぎ、画像の濃度むら等を大幅に低減できる光
走査装置を提供することを目的とするものである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光走査装置は、回転多面鏡と、これによっ
て走査された走査光を感光体に向かって反射する折り返
えしミラーと、前記走査光を前記感光体に結像させる結
像手段を有し、前記折り返えしミラーを支持する支持手
段が、支持体と、その突出部に前記折り返えしミラーを
押圧する押圧支持手段と、前記支持体に対する前記折り
返えしミラーの回転を防ぐための回転防止手段を備えて
いることを特徴とする。

【００１７】回転防止手段が、折り返えしミラーの反射
面に直交する面に当接される一対の回転防止部材である
とよい。

【００１８】押圧支持手段が、折り返えしミラーの反射
面に垂直に当接される一対の押えバネを有するとよい。

【００１９】

【作用】折り返えしミラーを支持する支持手段が、折り
返えしミラーの回転を防ぐための回転防止手段を備えて
いるため、回転多面鏡の駆動部のモータ等の振動が光学
箱を介して折り返えしミラーに伝わっても折り返えしミ
ラーが回転振動を起こすおそれはない。折り返えしミラ
ーの振動に伴う画像の濃度むらは、主に折り返えしミラ
ーの回転振動に起因するものであるため、回転防止手段
によって折り返えしミラーの回転振動を防ぐことで画像
の濃度むら等を大幅に低減し、画像形成装置の画質の向
上に大きく貢献できる。

【００２０】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

【００２１】図１は一実施例による光走査装置を説明す
るもので、これは、半導体レーザを有する光源ユニット
１から発生されたレーザ光をシリンドリカルレンズ２に
よって線状の光束に集光し、回転多面鏡３によって所定
の走査方向に偏向走査し、シリンドリカルレンズ４ａと
トーリックレンズ４ｂからなる結像手段である結像レン
ズ系４および折り返しミラー５を経て回転ドラムＤ₁ 上
の感光体に結像させる。感光体に結像する光束は、回転
多面鏡３の回転による主走査と、回転ドラムＤ₁ の回転
による副走査によって静電潜像を形成する。

【００２２】回転多面鏡３の走査光Ｌ₁ は、その走査面
の一端に達したものが図示しないＢＤセンサに導入さ
れ、走査開始信号に変換されて光源ユニット１の半導体
レーザ１ａに送信される。半導体レーザ１ａは走査開始
信号を受信したうえで書き込み変調を開始する。

【００２３】光源ユニット１、シリンドリカルレンズ
２、回転多面鏡３、結像レンズ系４、折り返しミラー５
等は、図示しない光学箱の側壁や底壁に取り付けられ
る。回転ドラムＤ₁ は光学箱の下方に配設されており、
光学箱の底壁には折り返しミラー５によって反射された
走査光Ｌ₁ を光学箱から回転ドラムＤ₁ に向かって取り
出すための窓が設けられている。

【００２４】折り返えしミラー５を光学箱の側壁に固定
する支持手段であるミラーホルダ１０は、一対の側板１
１ａと底板１１ｂからなる断面Ｕ字形の支持体である本
体１１と、該本体１１の底板１１ｂに向かって折り返え
しミラー５の両端をそれぞれ押圧する第１、第２の押え
バネ１２、１３と、本体１１の両側板１１ａから突出す
る回転防止手段である一対の回転防止部材１４を有し、
本体１１の両端部分は光学箱の側壁に設けられたミラー
取付穴Ｈ₁ 、Ｈ₂ にそれぞれ嵌挿され、図示しないビス
等によって光学箱の側壁に固定される。

【００２５】図２に拡大して示すように、ミラーホルダ
１０の本体１１の底板１１ｂには突出部である第１ない
し第３の支持部材１５〜１７が突出しており、折り返え
しミラー５の両端を第１および第２の押えバネ１２，１
３によって各支持部材１５〜１７に押圧することで折り
返えしミラー５をミラーホルダ１０の本体１１に組み付
ける。各押えバネ１２，１３による押圧力は、折り返え
しミラー５の反射面５ａに対して垂直に作用するもので
あり、このように折り返えしミラー５を保持する押圧力
を折り返えしミラー５の反射面５ａに対して垂直に作用
させると、前記押圧力によって反射面５ａの面精度を損
なうことなく、折り返えしミラー５をミラーホルダ１０
に対して堅固に固定することができる。

【００２６】本体１１の両側板１１ａから突出する一対
の回転防止部材１４のうちの一方は側板１１ａをプレス
等によって打ち出し加工することによってこれと一体的
に形成された固定側の回転防止部材であり、他方の回転
防止部材１４は、本体１１とは別体として製作されたね
じ等の調節自在な可動側の回転防止部材であり、本体１
１の側板１１ａに設けられたビス穴に螺着される。な
お、両回転防止部材１４の頭部は、ガラス材あるいはプ
ラスチックで製作された折り返えしミラー５の反射面５
ａに直交する面である側面５ｂに当接されたときに応力
集中を起こさないように球形状に加工されている。

【００２７】両回転防止部材１４は折り返えしミラー５
の側面５ｂに当接されて折り返えしミラー５の回転振動
を防止する。折り返えしミラー５が前述のように反射面
５ａに垂直な押圧力によってミラーホルダ１０の本体１
１の底板１１ｂに押圧されてこれに固定されているのみ
であれば、回転多面鏡３の駆動部のモータ等の振動が光
学箱を介して折り返えしミラー５に伝わると図３の
（ｂ）に示すような回転振動が起こり、このために回転
ドラムＤ₁ 上の走査光Ｌ₁ の結像点がずれて画像に濃度
むら等が発生する。そこで、折り返えしミラー５の両側
面５ｂにそれぞれ回転防止部材１４を当接し、折り返え
しミラー５の回転振動を防ぐことでこれに起因する濃度
むら等の画像の劣化を回避するものである。

【００２８】ミラーホルダ１０に対する折り返えしミラ
ー５の組み付けは、調節自在な可動側の回転防止部材１
４をゆるめて両方の押えバネ１２，１３をはね上げた状
態で底板１１ｂの支持部材１５〜１７に折り返えしミラ
ー５を当接し、押えバネ１２，１３を開放してこれらを
反射面５ａの両端部に押圧したうえで、可動側の回転防
止部材１４を締め付けることによって行なわれる。この
ときの締め付けトルクは、例えば、可動側の回転防止部
材１４としてＭ３〜Ｍ４のネジを用いた場合には、約
０．５〜２．０ｋｇｆ・ｃｍが適切である。

【００２９】第１ないし第３の支持部材１５〜１７と両
押えバネ１２，１３および両回転防止部材１４の配設位
置は、図３の（ａ）に示すように、折り返えしミラー５
の反射面５ａが走査光Ｌ₁ を反射する領域すなわち有効
領域Ｓ₁ を避けてその外側に設けるのが望ましい。ま
た、第１、第２の支持部材１５，１６は第１の押えバネ
１２に対向して配設され、第３の支持部材１７のみが第
２の押えバネ１３に対向して配設される。折り返えしミ
ラー５の回転振動は第２の押えバネ１３によって押圧さ
れる部分で最も発生しやすい傾向を有するため、回転防
止部材１４の配設位置は第３の支持部材１７を挟むよう
にその両側に設けるのが効果的である。

【００３０】なお、両回転防止部材１４の間に折り返え
しミラー５の端部を挟持したときにその挟持力のずれの
ためにモーメントが発生し、図４に示すように折り返え
しミラー５の一端にねじれが生じることがある。このよ
うなねじれは回転ドラムＤ₁上の走査線の端部に傾きｄ₁
となって現われるが、光学箱にミラーホルダ１０を固
定するときにその位置を調節することで容易にキャンセ
ルすることができる。

【００３１】

【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。

【００３２】折り返えしミラーの回転振動を防ぎ、画像
の濃度むらや色ずれを大幅に低減できる。このような光
走査装置を用いることで、画像形成装置の高性能化を大
きく促進できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例による光走査装置を説明する図であ
る。

【図２】図１の装置の折り返えしミラーとミラーホルダ
のみを示す斜視図である。

【図３】図２の装置を示すもので、（ａ）はその平面
図、（ｂ）は側面図である。

【図４】折り返えしミラーにねじれを発生した状態を説
明する図である。

【図５】一従来例による光走査装置を示す平面図であ
る。

【図６】図５の装置を示す断面図である。

【図７】折り返えしミラーの振動を説明する図である。

【図８】折り返えしミラーの変形を説明する図である。

【図９】カラー複写機を説明する図である。

【図１０】折り返えしミラーのふくれを説明する図であ
る。

【符号の説明】

３回転多面鏡４結像レンズ系５折り返えしミラー１０ミラーホルダ１１本体１２，１３押えバネ１４回転防止部材１５〜１７支持部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転多面鏡と、これによって走査された
走査光を感光体に向かって反射する折り返えしミラー
と、前記走査光を前記感光体に結像させる結像手段を有
し、前記折り返えしミラーを支持する支持手段が、支持
体と、その突出部に前記折り返えしミラーを押圧する押
圧支持手段と、前記支持体に対する前記折り返えしミラ
ーの回転を防ぐための回転防止手段を備えていることを
特徴とする光走査装置。
【請求項２】回転防止手段が、折り返えしミラーの反
射面に直交する面に当接される一対の回転防止部材であ
ることを特徴とする請求項１記載の光走査装置。
【請求項３】押圧支持手段が、折り返えしミラーの反
射面に垂直に当接される一対の押えバネを有することを
特徴とする請求項１または２記載の光走査装置。