JPH09150430A - 繊維強化熱可塑性樹脂発泡体とその製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂発泡体とその製造方法

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JPH09150430A
JPH09150430A JP7312471A JP31247195A JPH09150430A JP H09150430 A JPH09150430 A JP H09150430A JP 7312471 A JP7312471 A JP 7312471A JP 31247195 A JP31247195 A JP 31247195A JP H09150430 A JPH09150430 A JP H09150430A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
reinforced thermoplastic
hollow body
sheet
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Application number
JP7312471A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sugawara
宏 菅原
Koji Fujimoto
浩司 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の長手方向のみならず幅方向(周方向)
への強度に優れ、2次加工性にも優れた繊維強化熱可塑
性樹脂発泡体と、そのような発泡体を、比較的簡単な設
備構成のもとに高能率に生産することができ、かつ、複
雑な断面形状であっても精度良く形状賦形することので
きる方法を提供する。 【解決手段】 多数の連続モノフィラメントが一方向に
引き揃えられた状態で樹脂と一体かされた繊維強化熱可
塑性樹脂からなる表皮層17aと、熱可塑性樹脂発泡体
からなる内層17bを有するとともに、表皮層17aの
近傍の内装17b中には、多数のモノフィラメントがか
らなる、目開きが3〜10mm角のネット状物13が表
皮層17aに沿って埋められた構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で比強度並び
に比剛性が高いことを要求される建材等に利用するのに
適した、長尺の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】長尺で横断面が異形形状をした成形体
で、かつ、その内部を発泡樹脂層としたものは、比強度
および比剛性に優れた成形体として、例えば建築材料そ
の他の分野において天然木材と同等にあるいはその代替
品として使用されている。このような用途においては、
比強度および比剛性を高めるため、芯材層を合成樹脂発
泡体で構成し、表皮層を繊維強化熱硬化性樹脂複合体で
構成したものが多用されている。
【0003】このような成形体の製造方法としては、従
来、あらかじめ所望の断面形状に賦形した合成樹脂発泡
体の表面に、ハンドレイアップ法により繊維強化合成樹
脂を積層する方法が採用されていた。しかし、この方法
によると、繊維強化合成樹脂の積層作業に相当の人手を
要し、同一品種の製品を大量に生産するには比能率的で
ある。
【0004】このような問題を解決すべく、あらかじめ
所望の断面形状に賦形した長尺の合成樹脂発泡体を、そ
の長手方向に連続的に移送しつつ、その表面に熱硬化性
樹脂を含浸した連続繊維を供給し、これらを引抜成形型
に導いて加熱しながら引抜成形する方法が提案されてい
る(特開平4−339635号)。
【0005】この提案によれば、従来のハンドレイアッ
プ法を用いる方法に比して省力化を達成することができ
るとともに、合成樹脂発泡体の成形ラインと、熱硬化性
合成樹脂を含浸した連続繊維の供給〜引抜成形ラインと
を直結することで、一貫生産が可能となり、大量生産を
行う際には製造コストを大幅に低減できるという利点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した提
案方法によると、芯材層となる合成樹脂発泡体を、ほぼ
製品断面に近い形状にあらかじめ成形する必要があり、
また、連続繊維に含浸させる熱硬化性樹脂は低粘度であ
るため、均一な肉厚の繊維強化合成樹脂層を得ることが
困難であり、得られた製品が均一な機械的強度を発現す
ることの妨げとなっていた。
【0007】このような問題を解決するために、加熱温
度の調整により自由に可塑状態を発現可能で、熱硬化性
樹脂に比して高粘度である熱可塑性樹脂をあらかじめ強
化繊維に含浸させ、シート状に成形したものを利用し
て、これを中空状体に賦形するとともに、その内部に発
泡性熱可塑性樹脂を供給・発泡させ、その発泡圧により
中空状体の外周面を引抜金型等の規制部材に沿わせ、所
望の断面形状に賦形する方法が考えられる。この方法に
よれば、あらかじめ略製品形状に発泡体を成形しておく
必要がなく、しかも均一な肉厚の繊維強化層を形成する
ことができる。
【0008】ところが、この方法においても、繊維強化
熱可塑性樹脂シートを中空状に賦形した際の外形形状
と、得ようとする製品の断面形状とが大きく異なる場
合、特により複雑な形状に変形させる必要がある場合に
は、中空状体に賦形された繊維強化熱可塑性樹脂シート
は、その周方向に部分的あるいは全体的に伸張されなけ
ればならなくなる。よってこのような場合、繊維強化熱
可塑性樹脂シートには、シートの長手方向には延伸され
ず引抜成形することができ、しかも幅方向には均一に延
伸できることが要求される。従って、シートの幅方向を
も強化繊維によって補強を施したシートを利用しようと
した場合、製品の幅方向への補強もなされて強度的に優
れた製品が得られるものの、上記理由から複雑な断面形
状・寸法を持つ製品を得ることが困難で、特に製品断面
の各コーナー部分が正確に賦形されないといった問題が
生じている。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、製品の長手方向ばか
りでなく幅方向への強度に優れ、かつ、高い寸法安定性
を持ち、しかも2次加工性に優れた繊維強化熱可塑性樹
脂発泡体と、そのような発泡体を、比較的簡単な設備構
成のもとに高能率に生産することができ、しかも複雑な
断面形状であっても精度良く形状賦形することのできる
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維強化熱可塑
性樹脂発泡体は、多数の連続モノフィラメントが一方向
に引き揃えられた状態で樹脂と一体化された繊維強化熱
可塑性樹脂からなる表皮層と、熱可塑性樹脂発泡体から
なる内層とを有するとともに、表皮層近傍の内層中に
は、多数のモノフィラメントからなる、目開きが3〜1
0mm角のネット状物が表皮層に沿って埋設されている
ことによって特徴づけられる。
【0011】また、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂発泡
体の製造方法のうち、第1方法は、多数の連続モノフィ
ラメントが一方向に引き揃えられた状態で樹脂と一体化
された繊維強化熱可塑性樹脂シートの1枚または複数枚
を、多数のモノフィラメントからなる目開きが3〜10
mm角のネット状物がその内部に収容されるように連続
的に中空状体に賦形するとともに、その中空状体の内部
に発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させながら供給し、
その発泡圧により中空状体およびその内部の発泡樹脂を
所望形状に賦形することによって特徴づけられる。
【0012】一方、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂発泡
体の製造方法のうち、第2方法は、第1方法と同様に、
多数の連続モノフィラメントが一方向に引き揃えられた
状態で樹脂と一体化された繊維強化熱可塑性樹脂シート
の1枚または複数枚を、多数のモノフィラメントからな
る目開きが3〜10mm角のネット状物がその内部に収
容されるように連続的に中空状体に賦形するとともに、
その中空状体の内部に発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給
した後、加熱によりその発泡性熱可塑性樹脂組成物を発
泡させ、その発泡圧により中空状体およびその内部の発
泡樹脂を所望形状に賦形することによって特徴づけられ
る。
【0013】ここで、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂発
泡体の各製造方法において、繊維強化熱可塑性樹脂シー
トに用いる熱可塑性樹脂は、例えば高化式フローテスタ
ーを用い、熱融着可能な温度において直径1mm×長さ
10mmのノズルから150kg/cm2 の条件で押出
したときの見かけの粘度が1×105 〜1×107 ポイ
ズ程度であるような樹脂、または架橋処理、分子量調
整、繊維との複合等によって流動性を抑制できる樹脂で
あれば特に限定されず、使用目的によって適宜選択する
ことができる。
【0014】以上のような熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ナイロン、ポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタク
リレート、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。ま
た、このような熱可塑性樹脂を主成分とする共重合体や
グラフト樹脂やブレンド樹脂、例えば塩素化ポリ塩化ビ
ニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エ
チレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ウ
レタン−塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体、シラン変性ポリエチレン、アクリル酸変性
ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレン、なども
使用可能である。
【0015】上記熱可塑性樹脂は、単独で使用されて
も、併用、すなわちポリマーアロイとして使用されても
よく、必要に応じて熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填材、補強短繊維等の
添加剤、充填材、加工助剤、改質剤等を添加してもよ
い。
【0016】また、上記繊維強化熱可塑性樹脂シートに
用いられる繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維
等の無機繊維、シリコン繊維、ボロン繊維、ビニロン繊
維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊
維、または鉄、チタン等の微細な金属繊維や、絹、綿、
麻等の天然繊維等を用いることができ、これらのうちの
単一種の繊維もしくはこれら異なる種類の混合繊維であ
ってもよく、熱可塑性樹脂と複合化され、シート化され
た状態で、成形温度領域において長手方向への引張弾性
率として10GPa以上得られれば、どのような繊維を
用いてもよい。成形温度領域における長手方向への引張
弾性率が10GPa以下であるとシートが破断する場合
が生じ、安定して高速成形をすることができない。ま
た、上記の繊維は、発泡体の表面の円滑性を損なわせな
いためには、直径1〜50μmとすることが望ましく、
特に3〜25μmとすることが好ましい。
【0017】また、連続繊維はフィラメント1本1本が
熱可塑性樹脂中に分散し、かつ、シートの長手方向に引
き揃えられた状態のものであることが、発泡体の表面円
滑性を良好なものとする上で好ましい。
【0018】更に、シートの構成として、上記のような
シートに対して、延伸性に富む熱可塑性樹脂のみの層を
あらかじめ積層しておくなど、内部発泡樹脂の膨張に伴
うシートの幅方向への延伸や、引抜金型内部での圧縮賦
形による収縮に際しても、シートの延伸・収縮ムラが発
生しにくい加工をあらかじめ施しておくことが望まし
い。特に熱可塑性エラストマー層を形成しておくこと
が、表面性、延伸性を改善する上で好適である。
【0019】繊維強化熱可塑性樹脂シートの幅、厚みは
特に限定されないが、薄すぎるとシート自体に強度がな
くなり、厚すぎると発泡成形体の輪郭にシャープさを欠
く結果となるため、厚みは0.1〜3mmとすることが
好ましい。繊維強化熱可塑性樹脂中の繊維量は、5〜7
0容量%とすることが好ましく、5容量%未満では十分
な補強効果、成形安定性が得られず、70容量%を越え
ると十分に熱可塑性樹脂を含浸させることができず、発
泡成形体の表面性が悪くなる。
【0020】また、本発明の第1および第2方法で使用
される繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法として
は、例えば次のような方法を採用することがてきる。溶
融粘度の高い、流動しにくい熱可塑性樹脂を使用し、熱
可塑性樹脂中に連続長繊維が一方向に引き揃えられ、か
つ、強化繊維フィラメント1本1本が分散したものを得
ようとするときには、使用する熱可塑性樹脂を直径30
0μm以下の粉体とし、その粉体熱可塑性樹脂を、槽底
に設けた多孔板から空気を噴出させることにより粉体を
流動化状態にできる槽内に収容し、槽中に設置したガイ
ドロールにより誘導された繊維束を複数本通過させるこ
とによって熱可塑性樹脂付着繊維束とし、これを加熱ロ
ールを通過させることにより繊維に熱可塑性樹脂を含浸
させ、冷却ロールを通過させて繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートを得る方法を挙げることができる。
【0021】一方、溶融粘度が低い樹脂を使用する場合
には、熱可塑性樹脂を溶融状態で繊維基材中に直接的に
浸透させて繊維強化熱可塑性樹脂を得ることができる。
この際、複合化された後、熱可塑性樹脂が溶融時に自重
により流動しないものである必要がある。そのため、複
合化の後、架橋処理等により熱可塑性樹脂を高分子化
し、あるいは変性することにより溶融粘度を高くするこ
とが必要である。
【0022】本発明におけるネット状物に使用される繊
維の材質としては、前記した繊維強化熱可塑性樹脂シー
トに用いるものと同様のものを挙げることができるが、
その目開きとしては3〜10mm角のものが好適であ
り、目開きが3mm未満であると発泡樹脂がその目開き
を通じて流動することが困難となり、また、10mmを
越えると補強効果が無くなる。
【0023】本発明におけるネット状物は、通常、目開
きが3〜10mm角の織物と言えるもので、多数のモノ
フィラメントが集束された繊維体が織られてなるものが
好ましいが、モノフィラメントそのものが織られたもの
であってもよい。モノフィラメントの集束本数は、通
常、5〜1000本程度、好ましくは100〜600本
程度とされる。織り方としては、一般的な平織りや縦糸
2本にて横糸を絡めながら織る絡み織りが好適である。
縦糸、横糸それぞれの目付量としては繊維の種類によっ
て異なるが、ガラス繊維の場合20〜150g/kmが
好適である。20g/km未満であると補強効果が小さ
くなり、150g/kmを越えると縦糸、横糸それぞれ
の繊維束径が大きくなり却って界面の接着性が悪化す
る。また、ネット状物の厚みとしては0.3mm以下が
好ましく、0.3mmを越えると上記と同様に却って界
面の接着性が悪化する。
【0024】前記した繊維強化熱可塑性樹脂シートを中
空状体に賦形する際に、1枚のシートまたは複数枚のシ
ートを用いて、各シートの両側縁部を相互に重ね合わせ
るか、あるいは突き合わせた状態で、円形、矩形等、所
望の中空断面形状に賦形することがなされる。いずれの
場合も、発泡性熱可塑性樹脂を供給する前段階で各シー
トの接続部分は熱融着等により一体化され、発泡樹脂が
発泡する際、接続部分が破断しない状態であることが必
要である。
【0025】シートを中空状体に賦形するには、複数の
ガイドロールにてシートを誘導するか、一定の隙間を有
する金型内を通過させる等の方法を採用することができ
る。ネット状物を中空状体の内部に供給する方法として
は、上記と同様に適当なガイドールで中空状体内に誘導
するか、あるいはシートを上記した金型の隙間を通過さ
せる際に同時にその内側に供給する方法等を採用するこ
とができる。ただし、ネット状物はそれ自体で中空状体
として賦形する必要は必ずしもなく、成形体の幅方向の
補強効果が必要な部分に選択的に配置するといったこと
がなされてよい。また、ネット状物をあらかじめ繊維強
化熱組成樹脂シートに積層しておいもよく、その場合に
はネット状物が積層された面が内側となるようにシート
を中空状体に賦形する。
【0026】本発明で使用される発泡性熱可塑性樹脂
は、熱可塑性樹脂と発泡剤によって構成される。その熱
可塑性樹脂としては、従来から知られている押出発泡成
形可能な全ての熱可塑性樹脂が挙げられ、例えばポリ塩
化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等を挙げる
ことができ、更にこれら相互の、あるいは他の熱可塑性
樹脂とのアロイ、共重合体を挙げることもできる。
【0027】また、上記の熱可塑性樹脂は、単独または
複数の混合物として用いられてもよい。更に、必要に応
じて熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料、無機充填材、補強短繊維等の、添加剤、充填
材、加工助剤、改質剤等が加えられてもよい。
【0028】本発明における発泡性熱可塑性樹脂組成物
を製造するために、上記の熱可塑性樹脂に発泡性を付与
する方法としては、押出成形温度またはこれを越える
温度で分解し、N2 ,CO,CO2 等を主成分とするガ
スを発生する熱分解型の発泡剤を熱可塑性樹脂に必要量
混合して押出す方法、押出成形温度またはこれを越え
る温度において揮発性を有する液体をあらかじめ必要量
含浸せしめた発泡性熱可塑性樹脂組成物を押出成形する
方法、押出成形時に押出機の途中から気体または揮発
性液体を溶融樹脂中に注入しながら押出成形する方法、
等を適宜に採用することがてきるが、の方法が各種熱
可塑性樹脂に容易に適用できる点において好ましい。
【0029】上記で用いられる分解型発泡剤として
は、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、N,N′−ジニトロペンタメチレンテトラミ
ン、p,p′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリア
ジン、5−フェニルテトラゾール等の有機発泡剤、重炭
酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩ないしは重
炭酸塩、ほう水酸化ナトリウム等の水酸化物、亜硝酸ア
ンモニウム等の亜硝酸塩、水、酸と反応して水素を発生
する軽金属(マグネシウム、アルミニウム)等の無機発
泡剤等が挙げられる。
【0030】一方、上記、の方法で用いられる揮発
性液体としては、例えばイソペンタン、ヘプタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トリクロロトリフルオ
ロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン等のふっ化脂
肪族炭化水素等を挙げることができる。
【0031】以上のような各発泡剤の配合量は、発泡性
熱可塑性樹脂組成物の所望発泡倍率によって適宜選択す
ることができ、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜
15重量部の範囲で配合することが好ましい。
【0032】ここで、熱可塑性樹脂に対してより良好な
発泡性を付与するために、架橋処理を行ってもよく、そ
の架橋処理には、例えば可視光線、紫外線、α線、β
線、γ線、X線または電子線等の活性エネルギー線、熱
エネルギー、水等の、従来より公知の方法を採用するこ
とができる。
【0033】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製
造方法のうち、第1方法において、中空状体に賦形した
繊維強化熱可塑性シートの内面に発泡性熱可塑性樹脂組
成物を供給するには、押出成形方法を採用することがで
きる。発泡性熱可塑性樹脂は中空状体の内側表面に均一
に積層されるように押出成形することが、シートの厚み
ムラを少なくする上で好適である。押出される発泡樹脂
の断面形状は、上記の要件を満足できれば特に制約はな
い。ただし、発泡樹脂を中空状体の内面に沿わせるよう
に中空状に押出すことがより好ましく、繊維強化熱可塑
性樹脂シートからなる中空状体の内面に一旦発泡性樹脂
を積層させてから内部に向かって発泡指せることによ
り、中空状体と発泡性熱可塑性樹脂との界面にボイドが
混入することを防止することができ、表面性、界面接着
性の良い発泡成形体が得られる。
【0034】また、本発明の第2方法において、中空状
体に賦形した繊維強化熱可塑性樹脂シートの内部に供給
する方法としては、発泡性熱可塑性樹脂組成物をシート
状、ロッド状、ペレット状等の形状として供給する方法
等を採用することができ、この場合、発泡性熱可塑性樹
脂組成物としては、このようなシート状やロッド状に成
形する際に、発泡しないかまたは完全に発泡が完了して
いない状況で成形可能で、中空状体への供給後の加熱に
より発泡可能となるような樹脂を採用すればよい。
【0035】本発明の第1方法および第2方法におい
て、熱可塑性樹脂発泡体は、シートとの界面において均
一に積層されてさえおれば、その内部まで充満された状
態で成形される必要は特になく、引抜金型での圧縮賦形
時にシート状繊維複合体表面を金型内面に押し当てるだ
けの発泡圧力が得られればよく、例えば金型コアを金型
冷却部位まで延長して発泡を規制し、最終成形体随所に
空隙部分を成形してもよいし、発泡樹脂押出量または引
き取り速度を周期的に変化させることにより中空状繊維
複合体の内部に発泡樹脂が充満した部位と非充満部位を
任意に形成してもよい。
【0036】上記において十分な発泡圧力が得られない
までに非充満部位を形成する場合、特に発泡樹脂を中空
状にて中空状繊維複合体内に積層する場合等には、その
非充満部位に金型内部を通じて空気配管を施し、この配
管を通じて発泡体内部に空気内圧を付与し、繊維複合体
外面を金型内表面に押し当てつつ成形できるようにする
か、通常の真空サイジングによって形状を付与してもよ
い。
【0037】中空状体内にネット状物を挿入し、かつ、
発泡樹脂を供給して中空状体内部で発泡を完了させると
ともに、引抜金型等によってその断面を変化させて所望
の異形形状に賦形した後、これに連結あるいは一定間隔
をおいて設けた、同一断面形状を有する冷却金型内に挿
入し、冷却固化することにより、表皮層として繊維強化
熱可塑性樹脂層、内層として熱塑性樹脂発泡層を備え、
かつ、表皮層近傍の内層に、ネット状物が埋められてな
る横断面異形形状の発泡体が得られる。
【0038】<作用>連続モノフィラメントが長手方向
に引き揃えられ、かつ、樹脂と一体化された繊維強化樹
脂層を最外層に備え、その最外層の内側表面近傍に、こ
れに沿って多数のモノフィラメンを集束して目開きを3
〜10mmとしたネット状物を配し、その更に内層に熱
可塑性樹脂発泡体を設けた構造を持つ本発明の繊維強化
熱可塑性樹脂発泡体によれば、最外層の繊維強化熱可塑
性樹脂層の存在により優れた寸法安定性を付与すること
ができ、また、ネット状物の存在により長手方向のみな
らず幅方向、周方向にも補強され、強度的に優れた樹脂
発泡体となる。しかも、このような構造体に対して最終
的に断面形状を付与すべく可塑状態で賦形する際におい
て、あるいは当該発泡体を加熱軟化させて2次加工を施
す際において生じる断面形状の変化時に、最外層の熱可
塑性樹脂層は連続モノフィラメントが長手方向に引き揃
えられているが故に外部または内部からの圧力の作用に
より全体的または部分的に横方向(周方向)に延伸可能
であり、また、ネット状物はその方向には延伸されない
ものの、発泡樹脂がネット状物の目開きを通じて繊維強
化熱可塑性樹脂層とネット状物の界面部分に自由に流入
することができるため、その樹脂圧力により繊維強化熱
可塑性樹脂層が延伸されために、複雑な断面形状の製品
でもコーナー部等においても正確な賦形が可能となる。
【0039】また、本発明の各製造方法によれば、繊維
強化熱可塑性樹脂シートを中空状体に賦形し、かつ、そ
の内部に上記したネット状物を収容した状態で、発泡性
熱可塑性樹脂組成物を発泡させながら供給し(第1方
法)、もしくは供給後に発泡させる(第2方法)ため、
上記した構造を持つ繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を連続
的、かつ、効率的に製造することかでき、また、ネット
状物は3〜10mm角の目開きを備えているため、発泡
性熱可塑性樹脂組成物が繊維強化熱可塑性樹脂シートか
らなる中空状体内で発泡させ、その発泡圧によって中空
状体およびその内部の発泡樹脂を所望の断面形状に賦形
する工程において、発泡樹脂がネット状物の目開きを介
して自由に中空状体側に流れてその内面に圧力を付与す
ることができるため、複雑な断面形状を得る場合にも正
確な賦形が可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第1方法並びに第
2方法において用いられる繊維強化熱可塑性樹脂シート
12とネット状物13とからなる積層シート14の製造
方法について述べる。
【0041】図1はその積層シート13の製造装置の一
例の説明図である。この例においては、2つの流動槽1
01aと101bを設けるとともに、加熱炉102およ
び加圧ロール103a,103bを設けて、各流動槽1
01a,101bにはその内部に粉体樹脂組成物10を
収容し、底面からのエアの噴出によって粉体樹脂組成物
10を流動化させることができるようにしている。この
ような粉体樹脂組成物10を収容して流動化させた各流
動槽101a,101b内に、ロービング状ガラス繊維
束11を通過させることでその各フィラメントに粉体樹
脂組成物10を付着させる。その状態で加熱炉102お
よび加圧ロール103a,103bを通過させて加熱・
加圧することによって、樹脂組成物10を溶融させ、ガ
ラス繊維束11に含浸させることで、連続繊維が長手方
向に配された繊維強化熱可塑性樹脂シート12が得られ
る。
【0042】また、その繊維強化熱可塑性樹脂シート1
2を製造する工程において、加熱炉102の手前側の加
圧ロール103aの直前から、上段側の流動槽101a
を経て粉体樹脂組成物10が付着したロービング状ガラ
ス繊維束11の上面に沿わせて、ガラス繊維からなるネ
ット状物13を供給した。これにより、繊維強化熱可塑
性樹脂シート12の片面にネット状物13が積層されて
なる積層シート14が得られる。
【0043】次に、以上のようにして得られた積層シー
ト14を用いた、本発明の第1方法の実施の形態につい
て述べる。図2は第1発明を適用した繊維強化熱可塑性
樹脂発泡体の製造装置の模式的断面図で、図3は図2に
おけるA−A断面図である。
【0044】図1に示した装置により製造された、繊維
強化熱可塑性樹脂シート12の片面にネット状物13が
積層されてなる積層シート14は、巻き戻しロール21
に巻き付けられ、金型22に供給される。
【0045】金型22は外金型221とコア金型222
とからなり、積層シート14を中空状体15に賦形し、
かつ、その内部に発泡性熱可塑性樹脂組成物16を発泡
させながら押出すことができるようになっている。
【0046】すなわち、金型22の積層シート14が供
給される側の端面には、そのシート14を挿入するため
のU字形の隙間が形成されているとともに、その隙間は
外金型221とコア金型222の間で下流側(図中右方
向)へと向かうに従って徐々に真円の円筒形に変化し、
ここを積層シート14が通過することにより、その断面
形状はU字形から真円形の中空状体15へと賦形されて
いく。積層シート14は、ネット状物13が下面となる
ように金型22内に挿入され、従ってこのネット状物1
3は、得られる中空状体15の内周面に沿った状態で中
空状に賦形されることになる。
【0047】コア金型222は、積層シート14が中空
状体15に賦形される途上の開口部分を通って上流側端
部か下向きに屈曲しており、その屈曲下端において樹脂
押出機23に連結されている。また、このコア金型22
2には、下流側に向けて円形に開口する樹脂吐出口22
2aが形成されているとともに、この樹脂吐出口222
aはコア金型222内に形成された円筒状の樹脂流路2
22bを介して樹脂押出機23に連通しており、その樹
脂押出機23から押出される発泡性熱可塑性樹脂組成物
16を中空状体15の内面に沿わせて発泡させながら吐
出すようになっている。
【0048】金型22の下流側には、断熱材24、加熱
金型25、断熱材26および冷却金型27を順に配し、
更にその下流側に引き取り機28を設けている。加熱金
型25は、垂直断面が入口部分において直径29mmの
円形であり、その断面形状が出口部分では27×27m
mの矩形へと徐々に変化する上流側の金型25aと、そ
れに隣接して、垂直断面が入口部分において27×27
mmの矩形で、その断面形状が下流側へと向かうに従っ
て徐々に変化し、出口部分において図3に示すような異
形の矩形形状となった下流側の金型25bによって構成
されているとともに、これらの周囲には樹脂を可塑状態
に維持するためのヒータ250が配置されている。従っ
て、この加熱金型25を通過することにより、ネット状
物13を繊維強化熱可塑性樹脂シート12の内側に巻き
込んだ状態の中空状体15と、その内部の発泡樹脂1
6′の断面形状は、発泡樹脂16′の発泡圧によって、
真円から矩形を経て図3に示す異形形状へと変化してい
く。
【0049】加熱金型25よりも下流側に位置する断熱
材26および冷却金型27の断面形状も図3に示すもの
と同じとなっており、加熱金型25を経て図3に示すよ
うな形状に賦形された中空状体15およびその内部の発
泡樹脂16′は、冷却金型27を経ることによって軟化
温度以下に冷却され、図4に断面図を模式的に示すよう
に、最外層に繊維強化熱可塑性樹脂層17a,内層に熱
可塑性樹脂発泡体層17bを有するとともに、その熱可
塑性樹脂発泡体層17bの外周近傍に、繊維強化熱可塑
性樹脂層17aに沿った状態でネット状物13が埋め込
まれた構造を持つ繊維強化熱可塑性樹脂発泡体17が得
られる。この繊維強化熱可塑性樹脂発泡体17は、引き
取り機28によって引き取られる。
【0050】以上の実施の形態によれば、繊維強化熱可
塑性樹脂シート12の内側にネット状物13が位置する
ように中空状体15に賦形された積層シート14内での
発泡性熱可塑性樹脂組成物16の発泡圧により、中空状
体15が加熱金型25の内面に押しつけられて賦形され
る際に、ネット状物13の目開きを3〜10mm角とし
ておくことで、発泡樹脂16′がそこを自由に通過して
最外層の繊維強化熱可塑性樹脂シート12を内部から押
圧するため、図4に示したような複雑な断面形状への成
形に際しても、各コーナー部分において賦形不足等を生
じることなく、正確な賦形を行うことが可能である。
【0051】また、このようにして得られた繊維強化熱
可塑性樹脂発泡体17は、最外層の繊維強化熱可塑性樹
脂層17aの存在により寸法安定性に優れているととも
に、ネット状物13の存在によって横方向(周方向)へ
の強度に優れたものとなると同時に、加熱圧プレス等の
2次加工を施すに当たっても、上記した加熱金型25に
よる賦形時と同様に、内層の熱可塑性樹脂発泡層17b
の樹脂がネット状物13の目開きを自由に出入りできる
ため、2次加工性にも優れた発泡体となる。
【0052】次に、本発明の第2方法の実施の形態につ
いて述べる。図5は第2方法を適用した繊維強化熱可塑
性樹脂発泡体の製造装置の模式的断面図で、図6(A)
および(B)はそれぞれ図5のA−AおよびB−B断面
図である。
【0053】この例においては、前記した図1に示した
装置で得られる積層シートを2枚、すなわち繊維強化熱
可塑性樹脂シート12a,12bの片面にネット状物1
3a,13bが積層されてなる2枚の積層シート14
a,14b用い、これらを上部および下部の巻き戻しロ
ール31a,31bに巻き付けるとともに、発泡性熱可
塑性樹脂シート18を後部巻き戻しロール31cに巻き
付け、これらを加熱金型34、加熱変形金型35および
冷却金型36に導くとともに、引き取り機37によって
引き取るように構成している。
【0054】加熱金型34の上流側には、2枚の積層シ
ート14a,14bの側縁部をそれぞれ折り曲げて、こ
れら両シート14a,14bが、それぞれに積層されて
いるネット状物13a,13bが内側に向くように、互
いに向き合う形でそれぞれL字形とした状態で加熱金型
34内に導くための賦形板32が設けられているととも
に、各シート14a,14bおよび18を予備加熱する
ための遠赤外線ヒータ33が上下に配されている。
【0055】加熱金型34の垂直断面形状は一様であ
り、図6(A)に示すような薄い矩形状となっている。
また、加熱変形金型35の垂直断面形状は、その入口部
分において加熱金型34の垂直断面形状と同等である
が、その形状は出口側へと向かって徐々に変化し、出口
部分では図6(B)に示すような所望の異形形状となっ
ている。この加熱変形金型35の下流側に位置する冷却
金型36の垂直断面形状は、加熱変形金型35の出口部
分における形状と同等である。
【0056】さて、以上の装置構成において、各巻き戻
しロール31a,31bおよび31cから巻き戻された
積層シート14a,14bおよび発泡性熱可塑性樹脂シ
ート18は、図6(A)に示すように、ネット状物13
a,13bを内側にして互いに向き合うL字形の2枚の
積層シート14a,14bの間に、発泡性熱可塑性樹脂
シート18が挟み込まれた状態で加熱金型34内に導入
される。2枚の積層シート14a,14bは、賦形板3
2による賦形と加熱金型34内での加熱により、L字形
の両側縁部が一定量だけ重ね合わされた状態で互いに融
着し、全体として断面が薄い矩形状をした中空状体19
となり、その内部に発泡性熱可塑性樹脂シート18が収
容された状態となる。また、加熱金型34による適度に
温度調整された加熱と、適度に調整された引き取り速度
により、発泡性熱可塑性樹脂シート18は発泡を開始し
て発泡樹脂18′となり、加熱変形金型35内へと導か
れる。
【0057】加熱変形金型35内において中空状体19
およびその内部の発泡樹脂18′は、引き続く加熱によ
り可塑状態に維持され、発泡樹脂18′の発泡圧によっ
てこの加熱変形金型35の内面に中空状体19の外面が
押しつけられ、図6(B)に示した断面形状に賦形され
た後、冷却金型36によって軟化温度以下に冷却され、
表面層に繊維強化熱可塑性樹脂層、内層に熱可塑性樹脂
発泡層を備え、かつ、その熱可塑性樹脂発泡層の表面近
傍に、繊維強化熱可塑性樹層に沿ってネット状物が埋め
込まれた構造を持つ繊維強化熱可塑性樹脂発泡体となっ
て、引き取り機37に引き取られる。
【0058】以上の実施の形態により得られる繊維強化
熱可塑性樹脂発泡体は、前記した実施の形態と同様、最
外層の繊維強化熱可塑性樹脂層の存在により寸法安定性
に優れ、また、ネット状物の存在によって横方向(周方
向)への強度に優れたものとなり、更に加熱圧プレス等
の2次加工を施すに当たっても、内層の熱可塑性樹脂発
泡層の樹脂がネット状物の目開きを自由に出入りできる
ため、2次加工性にも優れた発泡体となる。
【0059】また、以上の実施の形態における加熱変形
金型35による賦形工程にさいしても、ネット状物の目
開きを介して自由に発泡樹脂が出入りするため、コーナ
ー部を含む複雑な形状への賦形に際しても正確に賦形が
可能である。
【0060】更に、以上の実施の形態において特に注目
すべき点は、積層シート14a,14b内に発泡性熱可
塑性樹脂組成物(発泡性熱可塑性樹脂シート18)を挿
入した後に加熱によって発泡させる点であり、この方法
によれば、中空状体19の内部に樹脂押出用の金型を挿
入する必要がなく、従って中空状体19の断面形状を薄
くしたりその断面積を小さくすることが可能となり、最
終的に得ようとする成形品の断面形状が薄い場合や断面
積が小さい場合において、中空状体19の断面形状や断
面積もそれに合わせることができ、賦形工程の効率化を
図ることができる。
【0061】
【実施例】次に、以上の各実施の形態に係る製造装置を
用いて、実際に繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を製造した
例について述べる。
【0062】(実施例1)図1に示した装置において、
流動層101a,101b内に収容する粉体樹脂組成物
10として、組成がポリ塩化ビニル樹脂(溶融粘度;
5.3×105 poise)100重量部、錫系熱安定
剤2.0重量部、アクリル加工助剤3重量部、ポリエチ
レンWAX1.0重量部からなるものを、ミキサーにて
100°Cにて混練して、粒子径を80μmとしたもの
を用いた。
【0063】また、ガラス繊維束11として、直径23
μmのフィラメントより構成されるロービング状のもの
(4400tex)を用い、これを24本ずつ上下2段
に配してそれぞれ流動槽101a,101b内を通過さ
せて粉体樹脂組成物10を付着させ、加熱炉102およ
び加圧ロール103a,103bに導いて210°Cに
加熱し、加圧することで粉体樹脂組成物10を溶融・含
浸させ、厚み0.5mmの繊維強化熱可塑性樹脂シート
12を得るとともに、加圧ロール103aの手前からガ
ラス繊維からなるネット状物13を供給して積層シート
14を得た。このネット状物13は、目開き5mm角、
縦目付量33g/km、横目付量67g/km(各繊維
体を形成するモノフィラメントの集束本数は、縦方向は
約200本、横方向は約400本であった)のものを用
いた。
【0064】以上のようにして得られた積層シート14
を幅91mmに揃え、図2の装置の巻き戻しロール21
に巻き付け、金型22により、ネット状物13が内側に
位置するように積層シート14の両端を重ね合わせずに
突き合わせ、外径29.0mm、厚み0.5mmの中空
状体15に連続的に賦形し、その内部に発泡性熱可塑性
樹脂組成物16を発泡させながら供給した。
【0065】発泡性熱可塑性樹脂組成物16としては、
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度=800)100重量部、
錫系熱安定剤2.5重量部、滑剤0.5重量部、アクリ
ル加工助剤8重量部、CaCO3 5重量部、ジオクチル
フタレート2重量部、重炭酸ナトリウム3.5重量部か
らなる樹脂組成物をを、あらかじめ160°C以下の樹
脂温度にて、スクリュー径30mmの2軸押出機にて混
練ペレット化したものを用いた。
【0066】また、図2における押出機23として、ス
クリュー径40mmの単軸押出機(L/D=30、圧縮
比2.5)を用い、上記の発泡性熱可塑性樹脂組成物1
6を樹脂温度190°Cにて中空状体15の内面に押出
・積層すると同時に発泡を開始させ、更に、加熱金型2
5により樹脂温度を180°Cに保持して発泡を完了さ
せた後、冷却金型27にて外層表面温度を60°Cにま
で冷却することで、図4に示した構造を持つ繊維強化熱
可塑性樹脂発泡体17を、成形速度1.5m/分にて連
続的に、かつ、正確な賦形のもとに製造することができ
た。
【0067】(実施例2)図1の装置を用いて、粉体樹
脂組成物10としてポリエチレン樹脂(溶融粘度;1.
5×105 poise)100重量部からなり、粒子径
100μmのものを用い、これを、実施例1と全く同じ
ガラス繊維束11を各流動槽101a,101bを通過
させることによって付着させた後、加熱炉102および
加圧ロール103a,103bによって約210°Cに
加熱・加圧することで粉体樹脂組成物10を溶融・含浸
させ、厚み0.5mmの繊維強化熱可塑性樹脂シート1
2a,12bを得るとともに、ガラス繊維からなるネッ
ト状物13a,13bを加圧ロール103aの手前から
供給することにより、繊維強化熱可塑性樹脂シート12
a,12bの片面に、実施例1で用いたのと同じネット
状物13a,13bが積層されてなる積層シート14
a,14bを得た。
【0068】また、発泡性熱可塑性樹脂シート18とし
て、その組成を高密度ポリエチレン100重量部、ポリ
プロピレン100重量部、シラングラフトポリプロピレ
ン56重量部、アゾジカルボンアミド4重量部とし、こ
れをスクリュー径30mmの2軸押出機に供給し、18
0°Cにて溶融混練するとともに、厚み1.5mm状の
シート状に押出し、これを68mmにカットした後、9
8°Cの熱水に1時間浸漬したものを用いた。
【0069】その発泡性熱可塑性樹脂シート18を図5
における巻き戻しロール31cに巻き付けるとともに、
上記の積層シート14aと14bをそれぞれ幅72mm
と71mmにカットしたものを上部巻き戻しロール31
aおよび下部巻き戻しロール31bに巻き付けた。そし
て、賦形板32により、ネット状物13a,13bが内
側となるように積層シート14a,14bの縁部を相互
に約6mm重ね合わせつつ、幅60mm、厚み6mmの
中空状体19に賦形し、その内部に発泡性熱可塑性樹脂
シート18を挿入し、遠赤外線ヒータ33を経て加熱金
型34内に導入した。加熱金型34内で発泡性熱可塑性
樹脂シート18が発泡を開始するように温度および速度
を調整し、中空状体19内部に発泡樹脂18′が充満し
た後に加熱変形金型35に導き、幅60mm、厚み6m
mの矩形状から図6(B)に示した断面形状へと賦形し
た。続いて冷却金型36によって表面温度40°Cにま
で冷却することにより、表面に塩化ビニル樹脂とガラス
繊維からなる繊維強化熱可塑性樹脂層、内部にポリエチ
レン、ポリプロピレン樹脂からなる発泡層を有し、か
つ、その発泡層の表面近傍にガラス繊維からなるネット
状物が埋め込まれた繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を得
た。発泡層の発泡倍率は3倍で、成形速度は1.2m/
分であった。
【0070】(比較例)図1に示した装置において、ネ
ット状物13を図中二点鎖線で示す位置から供給し、長
手方向に配された強化ガラス繊維の間にネット状物13
が挟み込まれた状態の繊維強化熱可塑性樹脂シートを製
造し、これを図2に示した製造装置の巻き戻しロール2
1に巻き付けた。そして、実施例1における積層シート
14に代えて上記のシートを用いるほかは、実施例1と
全く同じ条件にて成形を行った。
【0071】得られた成形品の断面図を図7に示す。図
中矢印で示すコーナー部分において所望の形状が得られ
ず、正確な賦形が行えないことが判明した。
【0072】
【発明の効果】本発明に各製造方法によれば、長手方向
および幅方向(周方向)に繊維補強された軽量で高強度
の発泡体を、複雑な断面形状でも正確に、かつ、連続的
に成形することが可能となった。また、本発明の繊維強
化熱可塑性樹脂発泡体は、使用されている樹脂が全て熱
可塑性樹脂であるため、それ自体を再び加熱してプレス
成形等により2次加工することが可能であり、その場
合、ネット状物の目開きを内層の発泡層を形成する樹脂
が自由に出入り可能であるため、形状賦形が良好なもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各方法において用いられる積層シート
14,14a,14bの製造装置の例の説明図
【図2】本発明の第1方法を適用した繊維強化熱可塑性
樹脂発泡体の製造装置の実施の形態の構成を示す模式的
断面図
【図3】図2におけるA−A断面図
【図4】図2の装置で得られた、本発明の繊維強化熱可
塑性樹脂発泡体の実施の形態の断面図
【図5】本発明の第2方法を適用した繊維強化熱可塑性
樹脂発泡体の製造装置の実施の形態の構成を示す模式的
断面図
【図6】図5におけるA−A断面図(A)およびB−B
断面図(B)
【図7】比較例により製造された繊維強化熱可塑性樹脂
発泡体の断面図
【符号の説明】
12,12a,12b 繊維強化熱可塑性樹脂シート 13,13a,13b ネット状物 14,14a,14b 積層シート 15,19 中空状体 16 発泡性熱可塑性樹脂組成物 17 繊維強化熱可塑性樹脂発泡体 17a 繊維強化熱可塑性樹脂層 17b 熱可塑性樹脂発泡層 18 発泡性熱可塑性樹脂シート 21 巻き戻しロール 22 金型 221 外金型 222 コア金型 23 樹脂押出機 25 加熱金型 27 冷却金型 28 引き取り機 31a,31b,31c 巻き戻しロール 32 賦形板 34 加熱金型 35 加熱変形金型 36 冷却金型 37 引き取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントが一方向に
    引き揃えられた状態で樹脂と一体化された繊維強化熱可
    塑性樹脂からなる表皮層と、熱可塑性樹発泡体からなる
    内層とを有するとともに、表皮層近傍の内層中には、多
    数のモノフィラメントからなる、目開きが3〜10mm
    角のネット状物が表皮層に沿って埋設されていることを
    特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂
    発泡体を製造する方法であって、多数の連続モノフィラ
    メントが一方向に引き揃えられた状態で樹脂と一体化さ
    れてなる繊維強化熱可塑性樹脂シートの1枚または複数
    枚を、多数のモノフィラメントからなる目開きが3〜1
    0mm角のネット状物がその内部に収容されるように連
    続的に中空状体に賦形するとともに、その中空状体の内
    部に発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させながら供給
    し、その発泡圧により中空状体およびその内部の発泡樹
    脂を所望形状に賦形することを特徴とする繊維強化熱可
    塑性樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂
    発泡体を製造する方法であって、多数の連続モノフィラ
    メントが一方向に引き揃えられた状態で樹脂と一体化さ
    れた繊維強化熱可塑性樹脂シートの1枚または複数枚
    を、多数のモノフィラメントからなる目開きが3〜10
    mm角のネット状物がその内部に収容されるように連続
    的に中空状体に賦形するとともに、その中空状体の内部
    に発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給した後、加熱により
    その発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させ、その発泡圧
    によって中空状体およびその内部の発泡樹脂を所望形状
    に賦形することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂発泡
    体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013532596A (ja) * 2010-08-06 2013-08-19 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 連続強化繊維層を備えた成形プラスチック多層構成部品およびその製造方法
JPWO2015181870A1 (ja) * 2014-05-26 2017-04-20 日産自動車株式会社 複合材料成形体及びその製造方法

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