JP3754525B2 - 加飾成形用シートおよびその製造方法並びにその加飾成形用シートを用いた繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
加飾成形用シートおよびその製造方法並びにその加飾成形用シートを用いた繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は加飾成形用シートとその製造方法、並びにその加飾成形用シートを用いた繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂発泡体からなる芯材層の表面を、繊維強化合成樹脂からなる表皮層で覆った構造を持ち、横断面が異形形状で長尺の複合発泡体は、近年、軽量で強度を要求される材料、例えば内外装用建材その他の分野で広く用いられている。
【0003】
このような複合発泡体を効率的に製造する方法として、特開平8−118484号公報に開示された方法が知られている。この公報開示の製造方法によれば、繊維強化熱可塑性樹脂シートを連続的に中空状体に賦形しながら、その内部に発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させつつ供給し、もしくは供給した後に中空状体内部で発泡させるとともに、その全体を外周規制部材に導いて中空状体外周面を所望の輪郭形状となるように賦形することにより、熱可塑性樹脂発泡体からなる芯材層の表面が繊維強化熱可塑性樹脂樹脂層からなる表皮層で覆われ、かつ、その横断面が異形形状の長尺の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を連続的に得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような製造方法によって得られる繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の表面に加飾を施す場合、
▲1▼繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を成形した後、その表面にグラビア印刷等で加飾する方法
▲2▼繊維強化熱可塑性樹脂シート表面にあらかじめグラビア印刷を施しておく方法
▲3▼繊維強化熱可塑性樹脂シート表面に、あらかじめ絵柄が施されたシートを積層一体化しておく方法
等が考えられるが、▲1▼の方法では成形品の形状が複雑な場合には印刷できない部分が発生し、▲2▼,▲3▼の方法では成形時における外周規制部材との摩擦により印刷柄が流れてしまうといった不具合が、特に複雑な形状や発泡圧力の高い場合に発生する。
【0005】
また、成形された繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の表面に凹凸の模様を形成しようとした場合にも、成形時の摩擦によって凹凸が消滅してしまったり、あるいは成形後の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の表面にエンボスロールにて凹凸を形成しようとしても、やはり複雑な形状になると凹凸を付けることができない部位が発生する。
【0006】
ここで、従来、成形品の表面に凹凸模様の加飾を施すための加飾シートの製造方法として、ロール表面に形成された凹部に電磁放射線硬化樹脂を充填するとともに、その電磁放射線硬化樹脂にフィルム基材を接触させた状態で電磁放射線を照射して電磁放射線硬化樹脂を硬化させることにより、表面に凹凸模様が形成された離型性フィルムを形成し、その離型性フィルムの凹凸面に転写層を積層する方法(特開平4−225000号)が知られており、また、この技術を利用して、上記の離型性フィルムに対して別途用意された加飾シートを絵柄および凹凸を同調させた状態で加熱プレスすることにより、加飾シートに凹凸を賦与する方法が提案されている(特開平7−88955号)。
【0007】
しかし、このような提案技術を採用した場合には、加飾シートの絵柄に応じたエンボスロールを用意する必要があって、市販の加飾シートをそのまま用いた加飾を行うことは実質的に不可能であり、また、絵柄と凹凸を同調させるために特別な設備が必要となるという問題がある。
【0008】
また、特開平2−41242号公報には、硬化していない状態では熱可塑性樹脂としての特性を示す固体をフィルム基材に塗布し、その固体上にエンボス加工を施した後に、絵柄を形成する方法が開示されている。しかし、この方法によっても、絵柄ないしは凹凸が既に形成されている加飾シートを用いた加飾を施すことはできない。
【0009】
本発明の目的は、前記した繊維強化熱可塑性樹脂層からなる表皮層と、熱可塑性樹脂発泡体からなる芯材層とからなる複合発泡体の連続製造方法等のように、加熱や加圧工程を含む成形方法によっても、加飾の絵柄や凹凸模様が消滅することがなく、また、その加飾に際して特別な設備を必要とすることなく、しかも、既存ないしは市販の加飾シートをそのまま用いることのできる加飾成形用シートとその製造方法、および、その加飾成形用シートを用いた繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の加飾成形用シートは、表面に絵柄および凹凸が形成されている加飾シートの表面に、電磁放射線硬化樹脂を密に介在させた状態で、電磁放射線を透過するフィルムが積層された構造を有していることによって特徴づけられる。
【0011】
ここで、本発明の加飾成形用シートは、成形品の表面に加飾シートを転写させることにより加飾するものであり、その転写後に電磁放射線硬化樹脂よりも外側の層を剥離するのであるが、その剥離を容易化するために、加飾シートの表面に剥離層が形成されていてもよい(請求項2)。
【0012】
また、本発明の加飾成形用シートは、加飾シートの裏面側に、複数の連続繊維が略一定の配向状態で熱可塑性樹脂と一体化された層を少なくとも1層有してなる繊維強化熱可塑性樹脂層が積層されていてもよく(請求項3)、このような構成により、前記した繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の連続製造方法に用いて、成形工程と加飾工程とを実質的に同時に行うことのできる加飾成形用シートが得られる。
【0013】
本発明の加飾成形用シートの製造方法は、表面に絵柄および凹凸が形成されている加飾シートの表面側と、紫外線を透過するフィルムの片面との少なくともいずれか一方に、粘度が10〜5000cpsの電磁放射線硬化樹脂を連続的に塗布し、その電磁放射線硬化樹脂を挟んで上記シートとフィルムを積層した後、その積層体のフィルム側の面より電磁放射線を照射することにより、上記電磁放射線硬化樹脂を硬化させることによって特徴づけられる(請求項4)。
【0014】
この本発明の製造方法においては、加飾シート、電磁放射線硬化樹脂、および電磁放射線を透過するフィルムを含む積層体の、フィルム側の面より電磁放射線を照射する工程において、当該積層体のフィルム側の面を電磁放射線を透過することのできる緩やかな凸曲面部材に押し当てながら、その凸曲面部材を介して積層体に電磁放射線を照射する(請求項5)ことが好ましい。
【0015】
一方、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、請求項3に記載の加飾成形用シート、すなわち加飾シートの表面側に電磁放射線硬化樹脂と電磁放射線を透過するフィルムが順に積層され、同加飾シートの裏面側には繊維強化熱可塑性樹脂層が積層されてなる加飾成形用シートを、フィルム側が外側となるように連続的に中空状体に賦形しつつ、その内面に発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させながら供給するとともに、その全体を外周規制部材へと導き、その規制部材によって中空状体外側輪郭を所望の断面形状へと形状変化させることにより賦形した後、電磁放射線硬化樹脂の層を含めてその外側、もしくは、剥離層を含めてその外側を剥離することによって特徴づけられる(請求項6)。
【0016】
ここで、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法においては、加飾成形用シートを賦形して得られる中空状体の内部に、発泡性熱可塑性樹脂組成物を上記のように発泡させながら供給するのに代えて、発泡性熱可塑性樹脂組成物を中空状体内に供給した後に、その樹脂組成物を中空状体の内部で発泡させてもよい(請求項7)。
【0017】
本発明の加飾成形用シートは、表面に艶消し処理やワイピング処理等のように絵柄表面に凹凸が施されている加飾シートの表面状態を、加工時の加熱や加圧等から保護することを目的として、電磁放射線を透過するフィルムと加飾シートの表面(絵柄側)との間に、電磁放射線硬化樹脂を密に介在させた構造、換言すれば加飾シートの表面凹凸が転写された状態の電磁放射線硬化樹脂をフィルムとの間に介在させた構造を採用している。すなわち、加飾シートの表面側とフィルムとの間を密に埋める3次元硬化した電磁放射線硬化樹脂は、加工時の加熱、加圧によって可塑化することなく転写状態を保存することができ、加飾シートの凹凸を保護することができる。
【0018】
また、このような構造の加飾成形用シートを製造するための本発明方法においては、電磁放射線を透過するフィルムと加飾シートの絵柄側の面との間に、粘度が10〜5000cpsの液状の電磁放射線硬化樹脂を介在させるため、加飾シート表面の凹部の内部に電磁放射線硬化樹脂が完全に充満し、その状態で電磁放射線を照射することにより、既に表面に凹凸が形成されている加飾シート、従って市販の加飾シートを用いて、その表面側とフィルムとの間に電磁放射線硬化樹脂が密に介在した構造の加飾シートを、特別な設備を用いることなく得ることができる。
【0019】
この本発明の加飾成形用シートの製造方法において、請求項5のように、加飾シート/電磁放射線硬化樹脂/フィルムからなる積層体のフィルム側の面から電磁放射線を照射するに当たり、フィルム側の面を電磁放射線を透過することのできる緩やかな凸曲面部材に押し当てながら、その凸曲面部材を介して積層体に電磁放射線を照射することにより(図1参照)、フィルムの平滑性を維持しながら電磁放射線硬化樹脂を硬化させることができて好適である。
【0020】
ここで、前記した公報記載の提案技術においては、電磁放射線硬化樹脂によりフィルム表面に凹凸を形成する際、ロール等の凸曲面にフィルムを押し当てながらロールの外側より電磁放射線を照射する。これに対し本発明の加飾成形用シートを製造するに当たっては、加飾シート自体は電磁放射線を透過しない材料をも使用する場合も生じるため、そのような加飾シートを用いる場合には、従来技術のように成形するためには、上記の積層体を加飾シート側がロールに接する状況で電磁放射線を照射する必要が生じる。そのとき、加飾シートの凹凸レベルが小さい場合にはそれほど問題にはならないが、凹凸レベルが大きくなると、その凹凸表面の状態に影響され、フィルム側の平滑性が保持できなくなる。そこで図1に示すように、フィルム側を石英ガラス等の電磁放射線を透過する材料をR形状等の凸曲面に形成した部材にフィルム側を押し当てながらその部材を介して電磁放射線を照射して樹脂を硬化させることにより、加飾シートに形成されている凹凸に左右されずにフィルム表面の平滑性を保持しつつ、樹脂を硬化させることが可能となる。この凸曲面を有する部材は、図1のようにそれ自体回転しないものであっても、筒状等に形成してそれ自体が回転する機構を有していても構わない。
【0021】
また、請求項6および7に記載の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、上記した電磁放射線硬化樹脂による絵柄・凹凸の保護効果を利用して、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の連続製造工程において、その成形品の表面に同時に加飾を行うことを可能としたものであって、加飾シートの裏面に繊維強化熱可塑性樹脂層を積層し、表面(加飾側)に電磁放射線硬化樹脂を密に介してフィルムが積層されてなる請求項3に記載の加飾成形用シートを連続的に中空状体に賦形しつつ、その内部に発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させつつ供給し、または供給した後に発泡させ、中空状体の外周を規制部材で所望の形状に賦形するから、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の連続成形と同時にその表面に加飾を施すことができる。
【0022】
本発明の加飾シートおよびその製造方法、並びにその加飾シートを利用した繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において用いられる具体的な材料、あるいは具体的な方法は、以下に示す通りのとすることができる。
【0023】
<加飾シートについて>
一般に市販されている絵柄および凹凸を有した加飾目的のシートの全てを使用することができる。
【0024】
すなわち、材質は特に限定されない。電磁放射線硬化樹脂が硬化する際に強固に密着してしまうような材質の場合、例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、および塩化ビニル共重合体等で成形されたシートは電磁放射線硬化樹脂に接着してしまうのであるが、このような材質の樹脂からなる加飾シートを用いる場合、その表面に剥離層を形成すればよい。また、加飾シートの裏面側に繊維強化熱可塑性樹脂層を形成する場合には、その繊維強化熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂組成物と熱融着する材質からなる加飾シートを用いることにより、これらの積層に当たっては簡単に熱圧着により成形できるために好適であるが、熱融着しないものでも接着剤を介して積層一体化すればよいので、加飾シートの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、アラミド、ポリフェニレンサルファイド、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー等の従来公知の熱可塑性樹脂や合成紙、布、金属泊等も含まれる。
【0025】
また、加飾シートの凹凸の高さ(深さ)は、0.1μm(艶消しのために必要な凹凸レベル)〜2mm(屋外用途で遠くから見て凹凸が認識されるレベルは400μm以上が必要)であり、0.1μm以下であると鏡面と変わらない表面状態となり、2mmを越えると凹凸の凹部にボイドを巻き込まずに電磁放射線硬化樹脂を充満させることが困難となる。
【0026】
<剥離層について>
電磁放射線硬化樹脂に対して密着する材質からなる加飾シートを用いる場合に加飾シートの表面に形成する剥離層としては、(1)加飾シートとは強固に接着するが電磁放射線硬化樹脂とは接着しないもの、(2)加飾シート表面とは弱く接着し、電磁放射線硬化樹脂とは強固に接着するもの、(3)電磁放射線硬化樹脂、加飾シートともに弱く接着するもの等、場合によって適宜に選択することができる。例えば元々の加飾シートの表面状態をそのまま保持したい場合は(2)、(3)のものを選択すべきであり、加飾シート表面を保護する機能を剥離層に持たせたい場合には(1)を選択すればよい。
【0027】
剥離層を形成する樹脂としては、セルロース誘導体、アクリル系樹脂、ビニル重合体、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂や電磁放射線硬化樹脂等が挙げられ、厚みは0.1μm〜10μmとすればよい。
【0028】
<フィルムについて>
電磁放射線を透過するフィルムの材質としては、一般に市販されているものの中で電磁放射線を透過することのできる全てのフィルムが使用可能である。しかし、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の成形と同時に加飾を行う場合には、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を成形する温度条件等、熱成形によってフィルムが溶融軟化して、外周規制部材との摩擦等により剥離して、加飾層を保護することのできないものは使用できない。樹脂としてはポリエステル、ポリアミド、アクリル系樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスチレン、フッ素系樹脂等が挙げられる。例えば、繊維強化熱可塑性樹脂シートおよび発泡性熱可塑性樹脂組成物に使用する熱可塑性樹脂の主成分をポリ塩化ビニル樹脂とすると、その成形温度は約200°Cであるので、その温度において溶融軟化せず、かつ、電磁放射線を透過するフィルムとして、耐熱性を有するポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルム等を挙げることができる。
【0029】
また、このフィルムの厚みは10〜100μm、好ましくは20μm〜60μmである。10μm以下であると、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の連続製造工程に用いる場合に外周規制部材の表面にある微細な凹凸を拾ってしまい、100μm以上であると成形される繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の外側輪郭がシャープにならないという問題が生じる。
【0030】
<電磁放射線硬化樹脂について>
電磁放射線硬化樹脂としては、電子線硬化系および紫外線硬化系を挙げることができるが、設備が比較的廉価である紫外線硬化系を用いることが好適である。
【0031】
紫外線硬化系の樹脂組成物としては、主成分であるエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の紫外線重合性オリゴマー、組成物の粘度調整、硬化後の保護層の硬度等の物性を調整するための単官能、多官能アクリレート等の紫外線重合性モノマー、紫外線を吸収して励起され、ラジカルを発生してラジカル反応を開始させるためのベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサンソン系等の光開始剤や、酸素の悪影響を防止するアミン系、キノン系の光開始助剤、重合に関与しないフリーラジカルを除去するための安定剤および熱重合禁止剤を配合したものを用いる。
【0032】
以上の組成物に配合する各構成剤において具体的に好適に用いられるものとして、紫外線重合性モノマーとしては、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。光開始剤としては、当該光開始剤の分子自体が分子開裂してラジカルを開始するものが熱的に安定であり、好適に用いることができる。例えば、ベンゾインエーテル、α,α−ジエトキシアセトフェノンや、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられ、その他比較的熱的に安定なベンゾフェノンやチオキサンソン、キサンソン等も使用できる。光開始助剤としては、3級アミンを分子中に持つ比較的高分子である、4−ジエチルアミノイソアミルベンゾエート等が挙げられる。
【0033】
更に、本発明の目的を達成するためには、熱成形においても、凹凸を保持し、また、絵柄が流れないようにしなければならず、電磁放射硬化樹脂の硬化後の樹脂に求められる性能としては、フィルムと強固に接着し、熱成形時の加熱によって界面が剥離せず、かつ、硬化した樹脂自体は粘弾性を有するが可塑性は有しない、つまり、熱によって変形しないものである必要がある。よって電磁放射線硬化樹脂は3次元硬化するもの、つまりその配合組成中に多官能のオリゴマーあるいはモノマーを一定比率で含有するものを用いることが好ましい。
【0034】
<電磁放射線硬化樹脂の塗布方法について>
電磁放射線硬化樹脂は、塗布する温度領域においてその粘度が10〜5000cpsとなるようにオリゴマー/モノマーの配合比率等により調整し、フィルム上にナイフコーター、接触コーター、ロッドコーター、絞りコーター、押出コーティング等の従来より知られているコーティング技術の中から、使用する樹脂粘度および加飾シートの凹凸のレベルによって最適なものが選択される。例えば凹部の深さが200μm以下の比較的小さい凹凸の場合には、ナイフコーターや接触コーター等が好適に用いられ、上記以上の深い凹凸の場合には、絞りコーターが好適に用いられる。このような塗工機により電磁放射線硬化樹脂をフィルムに塗布した後、加飾シートを積層してもよいし、その逆でもよく、絞りコーターを用いる場合にはフィルム、加飾シートをそれぞれに対応するロール上に供給し、そのロール上で電磁放射線硬化樹脂をフィルム/加飾シート間に供給することも可能である。いずれの場合もフィルム/加飾シートの間隙にボイドを巻き込まないように塗布しなければならない。ボイドを巻き込むと、その後の工程で電磁放射線により樹脂を硬化させる際に、ボイド部分の加飾シート表面が変形してしまい、元来の加飾シートの表面状態を維持することができなくなってしまう。
【0035】
<電磁放射線硬化樹脂の硬化方法>
電磁放射線硬化フィルムを硬化させるための具体的な方法としては、加飾シート/フィルム間に電磁放射線硬化樹脂が塗布・積層されてなる積層体を、連続的に電磁放射線照射装置に供給し、電磁放射線をフィルム側より照射することによって電磁放射線硬化樹脂を硬化させる方法を挙げることができる。
照射する電磁放射線については、紫外線、電子線等が挙げられるが、その照射源や照射装置は従来から公知のものを使用することができ、照射時間や出力等については、使用する電磁放射線硬化樹脂によって調整される。
【0036】
例えば、紫外線照射装置としては、照射源に低圧・高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、パルスキセノンランプ、無電極放電ランプが用いられ、電子線照射装置としては、照射源としてパンテグラフ型、共振変圧型などの公知の電子線加速器が用いられる。
【0037】
<繊維強化熱可塑性樹脂層について>
▲1▼熱可塑性樹脂の種類
本発明の加飾成形用シートにおける加飾シートの裏面側に積層される繊維強化熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂の種類は特に限定されないが、例えばポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタアクリレートや熱可塑性エラストマーが挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂を主成分とする共重合体やグラフト樹脂、例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、シラン変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
【0038】
また、上記熱可塑性樹脂は単独で使用されても、併用すなわちポリマーアロイとして使用されてもよく、熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填材、補強短繊維等の添加剤、充填材、加工助剤、改質剤等が添加されてもよい。
【0039】
▲2▼繊維強化熱可塑性樹脂層中の熱可塑性樹脂の条件
本発明において、繊維強化熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂は、溶融粘度が1×105 〜1×107 ポイズの高粘度の熱可塑性樹脂を用いることにより、中空状体を賦形するための外周規制部材としての引抜金型等の内部での断面変化の際にも繊維強化熱可塑性樹脂層の厚みムラを抑制することができ、成形性に優れた繊維強化熱可塑性樹脂層が得られ、好適である。
【0040】
熱可塑性樹脂の粘度が1×105 ポイズ以下であると、発泡樹脂の圧力により強化層の厚みムラが生じ、1×107 ポイズ以上であると、製品の断面形状が単純断面形状ならば成形できるが、複雑な形状になると発泡樹脂の圧力で賦形することが難しくなり、成形性が悪くなる。
【0041】
また、外周規制部材としての引抜金型において、繊維強化熱可塑性樹脂層が伸長される場合があり、このような場合には、伸長性に富んだ熱可塑性樹脂を用いるのが好ましく、伸長性を向上させるために架橋処理を施してもよい。
【0042】
更に、繊維強化熱可塑性樹脂層には気密性が要求され、この気密性は、繊維強化熱可塑性樹脂層中の強化繊維の体積割合や、強化繊維と熱可塑性樹脂との密着性、上記した断面変化、伸長変化の程度によるが、気密性を付与するために繊維強化熱可塑性樹脂中に別途延伸性、気密性に富む熱可塑性樹脂のみの層を設けてもよい。
【0043】
▲3▼強化繊維の種類
本発明において、繊維強化熱可塑性樹脂層に用いられる強化繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、シリコン繊維、ボロン繊維等の無機繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ビニロン等の有機合成繊維、鉄、チタン等の金属繊維や、絹、綿、麻等の天然繊維等、補強繊維として使用可能な全ての繊維を使用することができ、これらのうちの単一種の繊維、もしくはこれらのうちの互いに異なる複数種類の混合繊維であってもよい。
【0044】
上記繊維は、得られる繊維強化熱可塑性樹脂層の耐衝撃性を維持しつつ表面円滑性を損なわないためには、直径1〜50μm、特に3〜25μmとすることが好ましく、連続繊維が略一定の配向で樹脂と一体化されてなる層が少なくとも1層あればよく、他は長さ10μm以上の長繊維または連続繊維を用いるのが好ましい。
【0045】
また、補強効果、気密性を得るために、繊維はフィラメント1本1本の間に熱可塑性樹脂が十分に含浸し、保持された状態のものが好ましい。そこで、繊維と樹脂との接着性を高めるために、従来よりガラス繊維に施されている表面処理や、繊維と樹脂との親和性を改善するための前処理を繊維に施してもよい。
【0046】
▲4▼強化繊維の形態
繊維強化熱可塑性樹脂層内部での繊維形態としては、上記したように少なくとも1層、連続繊維が略一定の方向に配された層を有していれば他は特に限定されず、例えば、長繊維がランダムに配向した状態、または長繊維が相互に絡み合ったマット状、連続繊維が集束されたストランド状、繊維を2次元および3次元に織ったクロス状、更に連続フィラメント1本1本が熱可塑性樹脂中に分散し、かつ、シートの長手方向に引き揃えられた状態のもの等が挙げられる。
【0047】
また、繊維強化熱可塑性樹脂層はこれらの各種形態の繊維からなる層を相互に積層した複数層の積層体であってもよい。
▲5▼繊維強化熱可塑性樹脂層の条件
以上の各条件のほかに、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の表皮層を形成する繊維強化熱可塑性樹脂層の条件としては、厚みは特に限定されないが、薄いと補強効果がなく、厚いと賦形が困難となるため、厚みは0.1〜5mm程度とすることが好ましい。繊維強化熱可塑性樹脂層中の繊維量は、少ないと十分な補強効果、成形安定性を得ることができず、また、多いと熱可塑性樹脂が含浸できず融着が困難となり、却って補強効果、気密性が低下するので、5〜70容量%とすることが好ましい。
【0048】
また、繊維強化熱可塑性樹脂層は成形途上に発生する剪断抵抗の殆ど全てを担うことになるため、成形温度領域において、その長手方向への引張強度、弾性率共に、上記剪断抵抗レベルに合わせて設計される必要があるが、例として、後述する実施例に挙げた繊維強化熱可塑性樹脂層は、引張強度、弾性率レベルがそれぞれ50MPa、5GPa以上のものであり、成形途上において繊維強化熱可塑性樹脂層が長手方向に歪むことなく、また破断することなく、安定して成形することができた。
【0049】
▲6▼繊維強化熱可塑性樹脂層の製造方法
本発明における繊維強化熱可塑性樹脂層は、例えば繊維強化熱可塑性樹脂シートとして製造されるが、その製造方法はについては特に限定されるものではないが、例えば以下のようにして製造することができる。
【0050】
一方向に引き揃えられて配された繊維形態を有する繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ようとするときには、流動槽の内部に粉体状熱可塑性樹脂を入れ、槽底に設けた多孔板から空気を噴出させることにより流動化状態として、その中にガイドロールにより誘導された繊維束を複数本通過させ、熱可塑性樹脂付着繊維束とし、その後、加熱ロールを通過させることによって繊維に熱可塑性樹脂を含浸させ、冷却ロールを通過させて所望の繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る。
【0051】
また、繊維がランダムな状態で配されている層を有する繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ようとするときには、その層は、上記と同等の方法により得られた熱可塑性樹脂付着繊維束を、ロータリーカッターで細断して無端ベルト上に落下させて集積し、その後、その上方に設けた別の無端ベルトとの間で挟みつつ加圧して加熱炉内を通過させ、細断された繊維に熱可塑性樹脂を含浸させ、その後冷却ガイドロールを通過させることによって得ることができる。
【0052】
一方、粘度が低い樹脂を使用する場合には、熱可塑性樹脂を溶融状態で繊維基材中に直接含浸させて繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ることができる。この際、複合化された後、熱可塑性樹脂が溶融時に自重により落下しないものである必要がある。そのため、複合化の後、架橋処理等により熱可塑性樹脂を高分子化し、あるいは変性することにより、溶融粘度を高くすることが必要である。
【0053】
また、請求項1または2の加飾形成用シートの加飾シートの裏面側に繊維強化熱可塑性樹脂層を積層して請求項3の加飾成形用シートを得るに当たり、その積層方法は特に限定されないが、(1)加飾シートと繊維強化熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂が互いに熱融着可能な樹脂であれば、少なくとも上記の両層のうち少なくとも一方を熱融着可能な温度にまで加熱し、積層して接着する方法を採用することができ、また、(2)加飾シートと繊維強化熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂が互いに熱融着が不可能な樹脂であれば、これら両層の界面に接着剤を塗布することにより接着積層することも可能である。
【0054】
<熱可塑性樹脂発泡体層について>
▲1▼熱可塑性樹脂発泡体層に使用される熱可塑性樹脂の条件
請求項6,7の発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において、芯材層となる熱可塑性樹脂発泡体層に使用される熱可塑性樹脂としては、発泡体として連続的に成形できるものであれば基本的に使用可能であるが、繊維強化熱可塑性樹脂層に使用される熱可塑性樹脂と熱融着性を有するものが好ましい。しかし、接着剤層を介して接合され、成形での加熱および冷却固化されて後、繊維強化熱可塑性樹脂層と当該発泡体層が容易に剥離しないものであれば使用可能である。また、成形温度領域において、繊維強化熱可塑性樹脂層とともに可塑化状態となり、かつ、繊維強化熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂よりも粘度の低い、流動しやすいものであることが好ましい。また、製品用途にもよるが、発泡体自体には硬質、軟質の別は問わない。
【0055】
▲2▼熱可塑性樹脂発泡体層の条件
熱可塑性樹脂発泡体層の条件としては、発泡倍率は1.5倍から30倍が好ましく、更に好適な範囲は1.5倍から5倍である。発泡倍率が1.5倍を下回ってくると、断面変化させ難くなり、30倍以上であると成形時の加熱により発泡セルが破泡してしまい、気密性と発泡圧力を保持することができなくなる。
【0056】
<繊維強化熱可塑性樹脂層を伴う加飾成形用シートを中空状に賦形する方法>
加飾シートの裏面側に繊維強化熱可塑性樹脂層が積層されてなる加飾成形用シートを中空状体に賦形する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、実施例において後述する金型を用いる方法のほかに、合成樹脂性のシューやロール等で徐々に曲げていく方法が挙げられる。中空状体に賦形する際には、遠赤外線ヒータやブロアで加熱し、熱可塑性樹脂を軟化状態としながら賦形を行う。
【0057】
なお、本発明でいう「中空状体」とは、シートの端部どうしが突き合わされ、あるいは単純に重なりあわされて賦形されているもののほか、加飾成形用シートの一方の端には加飾シートを一部設けずに繊維強化熱可塑性樹脂層のみの領域を設け、その繊維強化熱可塑性樹脂層のみの領域において他方の端部と重なりあわせることで中空状体に賦形してもよい。
【0058】
また、繊維強化熱可塑性樹脂層を有する加飾成形用シートを中空状体に賦形する際、複数枚のシートを用い、それぞれの端部どうしを重ね合わせて全体として1つの中空状体に賦形してもよい。
【0059】
更に、当然のことではあるが、加飾シートは加飾の必要な部分にのみ繊維強化熱可塑性樹脂層に対して積層されていればよく、中空状体の全表面に加飾シートが積層されている必要はない。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を適用して実際に加飾成形用シート並びに繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を製造した実施例を、比較例とともに述べる。
【0061】
(実施例1)
加飾シートとフィルムの間に電磁放射線硬化樹脂を介在させてなる加飾成形用シートを、以下の方法により製造した。
【0062】
電磁放射線を透過するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製:TYPE=SC,厚み38μm,内面コロナ処理品)を用いた。このフィルムを以下、フィルムAと称する。
【0063】
加飾シートとしては、表面に凹凸を有する木目柄の加飾シートを用いた。具体的には、軟質塩化ビニル樹脂シート表面にフッ素樹脂層を有した市販の加飾シート(凸版印刷株式会社製:製品名TOOPANスーパーEX,正目模様,凹部深さ=50〜90μm)であり、以下、この加飾シートを加飾シートBと称する。
【0064】
電磁放射線硬化樹としては、紫外線によって硬化する下記の〔表1〕に示した配合の樹脂組成物(粘度=500cps/25°C)を用いた。以下、この樹脂組成物を樹脂組成物Cと称する。
【0065】
【表1】
【0066】
製造装置は図1に示した構造のものを用い、以下の手順にて加飾成形用シートを製造した。
すなわち、繰り出し機1から上記のフィルムAを繰り出し、張力および位置調整することのできるガイドバー2を介してロールコーター3aに誘導した。また、これに対向して、繰り出し機4から上記加飾シートBをその加飾面(凹凸面)を上に向けた状態で繰り出し、ガイドバー5を介してロールコーター3bに誘導した。ロールコーター3a,3bを経たフィルムAと加飾シートBは、加飾シートBの加飾面がフィルムA側に向いた状態で相互に積層されるようにした。この積層に先立ち、ロールコーター3a上に配された塗布装置6により、フィルムAのコロナ処理を施した面に30g/m2 の割合で樹脂組成物Cを塗布した。これにより、フィルムAと加飾シートBは、樹脂組成物Cを介在させた状態で相互に積層されることになる。この積層体を、以下、積層シートD1と称する。ここで、樹脂組成物Cは前記のように粘度が500cpsと低粘度であるため、この積層工程において樹脂組成物Cは加飾シートBの加飾面に形成されている凹凸の凹部内を含めてフィルムAと加飾シートBとの間に密に充満した。
【0067】
ロールコーター3a,3bの下方には硬化炉7を配置しており、この硬化炉7内には、石英等の紫外線を透過する部材を曲率半径1000mmに加工してなる曲面部材8と、その曲面部材8の凹曲面側(内面側)から100mm離れて配置された、高圧水銀灯(160W/cm)を主体とする紫外線照射装置9を収容している。
【0068】
ロールコーター3a,3bを経てフィルムA/加飾シートCの間に樹脂組成物Cを充満させた積層シートD1は、ガイドバーを経て硬化炉7内に誘導した。硬化炉7内において積層シートD1は、フィルムA側が曲面部材8の凸曲面側(外周面側)に沿うように押しつけられながら移送されるよう、複数のガイドバーにより誘導した。そして、その曲面部材8の凹面側から紫外線照射装置9からの紫外線を照射した。これにより、積層シートD1内の樹脂組成物Cは、積層シートD1が曲面部材8に押しつけられながら移送される間に、紫外線を透過する曲面部材8およびフィルムAを介して紫外線が照射されて硬化し、加飾成形用シートD2となる。この樹脂組成物Cの硬化後の加飾成形用シートD2は、ガイドバーにより一対の引取ロール10の間に導き、引取速度=5m/分にて引き取って巻取機11に巻き取った。
【0069】
得られた加飾成形用シートD2は、図2にその模式的断面図を示すように、加飾シートB上に形成されていた凹部にも樹脂組成物Cが充満し、かつ、樹脂組成物Cからなる層が厚み30μmで形成されていた。
【0070】
(実施例2)
実施例1で得た加飾成形用シートD2に繊維強化熱可塑性樹脂シートを積層して繊維強化熱可塑性樹脂層付きの加飾成形用シートFを製造し、更にそのシートFを用いて繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を製造した。
【0071】
▲1▼繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造
ガラス繊維束(日東紡績(株)製:4400g/km、繊維径23μm)を12本引き揃えて、下記の〔表2〕に示す配合のポリ塩化ビニル樹脂の粉体がエアにより流動している槽内に引き込み、ガラス繊維束をフィラメント単位に解しつつ、ガラスフィラメントにポリ塩化ビニル樹脂粉を付着させた。このポリ塩化ビニル樹脂が付着したガラス繊維を平面状に引き揃えた状態で、220°Cに加熱されたピンチロールで10kg/cmにて加圧しながら加熱し、ポリ塩化ビニル樹脂を溶融させてガラス繊維間に浸入させた。次いで冷却ピンチロールで冷却し、幅170mm、厚み0.5mmのガラス繊維強化ポリ塩化ビニルシート(このシートを、以下、繊維強化シートE1と称する)と、同じ厚みで幅が100mmのガラス繊維強化ポリ塩化ビニルシート(このシートを、以下、繊維強化シートE2と称する)を得た。
【0072】
【表2】
【0073】
▲2▼繊維強化熱可塑性樹脂シートと加飾成形用シートの積層
上記繊維強化シートE1を170°Cに加熱するとともに、その中央部分に、実施例1で得た幅160mmの加飾成形用シートD2をピンチロールにて積層し、熱融着させることにより、図3に模式的断面図を示すように、繊維強化シートE1と加飾成形用シートD2が積層融着一体化されてなる加飾成形用シートFを得た。
【0074】
▲3▼発泡性熱可塑性樹脂組成物
ポリ塩化ビニルを主成分とする下記の〔表3〕に示す配合を発泡性熱可塑性樹脂組成物Gとして用いた。配合に際しては、スーパーミキサを用いて樹脂温度が100°Cになるまで行った。
【0075】
【表3】
【0076】
▲4▼繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造装置およびその金型
繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造装置および金型を、図4に模式的断面図で示す。
【0077】
一方のシート繰り出し機101に加飾成形用シートFを巻回するとともに、他方のシート繰り出し機102には繊維強化シートE2を巻回した。
シート繰り出し機101から繰り出した加飾成形用シートFは、押出機103に装着された押出金型104と、その外周を囲むような形状を有する金型105の間に挿入される。押出金型104と金型105の間には、図5に図4におけるX−X′で示す箇所での加飾成形用シートFの断面図を示すような形状で通過することのできる間隙が形成されている。また、図示はしていないが、押出金型104の下流側(図中左方)には、加飾成形用シートFを平板状から図5に示す断面形状に徐々に賦形していくことのできる賦形治具およびそのシートFを加熱軟化させるための熱風加熱装置を配している。
【0078】
また、金型105の下方には繊維強化シートE2を導入するための導入孔1051が形成されており、この導入孔1051から導入された繊維強化シートE2は、図5の形状に賦形された加飾成形用シートFの開口部分を塞ぐように加飾成形用シートFに対して重ねられ、図6に図4におけるY−Y′で示す箇所での断面図を示すように、2つのシートFとE2によって全体として中空状体Tを形成するようになっている。なお、繊維強化シートE2と加飾成形用シートFとは、加飾成形用シートFの開口部分の両側に形成される折り返し部分に対して、それぞれ5mmの幅で重なるようになっている。また、図示を省略しているが、金型105の下方には、導入孔1051に導入される繊維強化シートE2をその前段で加熱軟化させるための熱風加熱装置が配設されている。
【0079】
押出金型104は、金型105と共同して加飾成形用シートFを図5の形状に賦形するための水平のコア金型部1041と、このコア金型部1041から直角に下方に屈曲し、加飾成形用シートFの開口部分を通って押出機103に連結される鉛直部1042を有しており、これらの全体を通じて、中空状体Tの内部に向けて開口する円形の樹脂流路1043が複数本並列に形成されている。そして、この樹脂流路1043を介して押出機103から供給される発泡性樹脂組成物Gを、中空状体T内に押し出せるようになっている。
【0080】
押出金型104および金型105の下流側には、賦形金型107が設けられている。この賦形金型107の断面形状は、その上流端(押出金型104,金型105との接合部分)においては図6に示した中空状体Tの断面形状と同等であるが、下流端においては、図7に図4におけるZ−Z′で示す箇所での製品の断面形状、つまり製品の最終断面形状と同等の形状となっており、その間、徐々に断面形状が変化している。
【0081】
この賦形金型107および前記した金型105は、それぞれの外周面に設けられた加熱用ヒーター107aおよび105aにより所望温度に加熱できるようになっている。
【0082】
賦形金型107の下流側には、断熱材108を介して冷却金型109が連結されている。この断熱材108および冷却金型109の断面形状は賦形金型107の下流端における形状と全く同じである。そして、冷却金型109の下流側には成形品を引き取るための引取機110が設けられている。
【0083】
▲5▼繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造
以上の製造装置並びに金型において、押出金型104を170°Cに温度調整した状態で、加飾成形用シートFを熱風加熱装置にて100°Cに加熱軟化させつつ、賦形治具によって図5の形状に賦形し、押出金型104と金型105の間に形成された間隙内にその上流側開口部から挿入して通過させる一方、金型105の導入孔1051に対し、熱風加熱装置により100°Cに加熱軟化させた繊維強化シートE2を挿入し、シートFとE2により図6に示した中空状体Tを連続的に得た。同時に、その中空状体Tの内部に、押出機103の内部で205°Cに加熱混練した発泡性樹脂組成物Gを樹脂流路1043を介して発泡させながら押出した。その後、中空状体Tおよびその内部の樹脂組成物Gの全体を、180°Cに加熱した賦形金型107内に導入し、発泡性樹脂組成物Gの発泡圧力により中空状体Tの外周面を賦形金型107の内周面に押し当てつつ引取機110で引き取ることにより緩やかに断面変化させ、図7に示した形状に賦形した後、冷却金型109で冷却し、更に加飾成形用シートFの表面側のフィルムAおよび樹脂組成物Cを剥離することにより、図7に一点鎖線を付した領域に加飾シートBが配された繊維強化熱可塑性樹脂からなる表皮層と、熱可塑性樹脂発泡体からなる芯材層を備えてなる断面異形形状の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0084】
この繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の表面の加飾シートBは、元来の表面状態がそのまま保存されていることが確認された。
(実施例3)
実施例2と同じ製造装置および金型を用いて、加飾成形用シートFおよび繊維強化シートE2を上記と全く同じ中空状体Tに賦形するとともに、その内部に、押出機103の内部で180°Cに加熱混練した発泡性樹脂組成物Gを発泡させずに供給し、賦形金型107を220°Cに温度調整して樹脂組成物Gを加熱することにより発泡させ、その発泡圧力によって全体を実施例1と全く同じ形状に賦形した後、冷却金型109により冷却し、更にフィルムAと樹脂組成物Cを剥離することによって、実施例2と同じ繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を得た。この実施例3により製造した繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の表面の加飾シートBについても、元来の表面状態がそのまま保存されていることが確認された。
【0085】
(比較例1)
加飾シートBを繊維強化熱可塑性樹脂シートE1に直接熱圧着させようと試みたが、これら両者が相互に熱融着可能な温度(150°C)まで加熱し、線圧0.5kg/cmで加圧すると、加飾シートBの表面の凹凸は全て消滅してしまった。
【0086】
(比較例2)
幅160mmの加飾シートBを繊維強化シートE1の中央部に接着剤にて接着したものを用いて、他は実施例2と全く同じ製造装置および金型を用い、かつ、全く同じ条件にて繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を製造した。
【0087】
得られた繊維強化熱可塑性樹脂発泡体に配された加飾シートBは、その表面の絵柄が全て流れてしまい、また、加飾シートBはその一部が剥離していた。
(比較例3)
加飾シートBの絵柄側にフィルムAを積層してなる積層体を、幅160mmの繊維強化シートE1の中央部に150°Cにて融着一体化させたものを用いて、実施例2と全く同じ製造装置および金型を用い、かつ、全く同じ条件にて繊維強化熱可塑性樹脂発泡体を製造した後、フィルムAを剥離した。
【0088】
加飾シートBの表面の絵柄の流れは殆ど無いが、凹凸は完全に消失していた。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、表面に絵柄と凹凸が形成された加飾シートの表面側に、電磁放射線を透過するフィルムを配するとともに、これら両者の間に電磁放射線硬化樹脂を密に充填した構造を有し、この構造は、一般に市販されている加飾シートをそのまま利用し、比較的粘度の低い電磁放射線硬化樹脂をフィルムとの間に介在させてフィルム側から電磁放射線を照射することによって容易に得られるものであるから、特別な設備を設けることなく、加熱・加圧成形においても加飾シートの当初の表面状態を損なうことなく、加飾シートを成形品の基材と熱融着により強固に接着させることのできる加飾成形用シートが得られる。
【0090】
また、このような加飾成形用シートのフィルムとは反対側の面に繊維強化熱可塑性樹脂層を積層したものを用いることにより、繊維強化熱可塑性樹脂層により発泡樹脂層が覆われてなる繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の連続成形工程と同時にその表面の加飾を行うことが可能となり、軽量で高強度かつ複雑な異形断面形状を有し、しかもその表面の任意領域が加飾された成形品を極めて能率的に製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の加飾成形用シートの製造装置の構成図
【図2】本発明の実施例1で得た加飾成形用シートの構造を示す模式的断面図
【図3】本発明の実施例2で製造した加飾成形用シートFの構造を示す模式的断面図
【図4】本発明の実施例2,3の繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造装置並びに金型の構成を示す模式的断面図
【図5】図3のX−X′で示す箇所での加飾成形用シートFの断面図
【図6】図3のY−Y′で示す箇所での中空状体Tの断面図
【図7】図3のZ−Z′で示す箇所での成形品の断面図(製品の最終断面図)
【符号の説明】
1,4 シート繰り出し機
3a,3b ロールコーター
6 塗布装置
7 硬化炉
8 曲面部材
9 紫外線照射装置
101,102 シート繰り出し機
103 押出機
104 押出金型
1041 コア金型部
1042 鉛直部
1043 樹脂流路
105 金型
1051 導入孔
107 賦形金型
109 冷却金型
110 引取機
T 中空状体
Claims (7)
- 表面に絵柄および凹凸が形成された加飾シートの表面側に、電磁放射線硬化樹脂を密に介在させた状態で、紫外線を透過するフィルムが積層されてなる加飾成形用シート。
- 上記加飾シートの表面に剥離層が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の加飾成形用シート。
- 上記加飾シートの裏面側に、複数の連続繊維が略一定の配向状態で熱可塑性樹脂と一体化された層を少なくとも1層有してなる繊維強化熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の加飾成形用シート。
- 表面に絵柄および凹凸が形成されている加飾シートの表面側と、紫外線を透過するフィルムの片面との少なくともいずれか一方に、粘度が10〜5000cpsの電磁放射線硬化樹脂を連続的に塗布し、その電磁放射線硬化樹脂を挟んで上記シートとフィルムを積層した後、その積層体のフィルム側の面より電磁放射線を照射することにより、上記電磁放射線硬化樹脂を硬化させることを特徴とする加飾成形用シートの製造方法。
- 上記電磁放射線硬化樹脂に上記積層体のフィルム側の面より電磁放射線を照射する際、当該積層体のフィルム側の面を電磁放射線を透過することのできる緩やかな凸曲面部材に押し当てながら、その凸曲面部材を介して積層体に電磁放射線を照射することを特徴とする、請求項4に記載の加飾成形用シートの製造方法。
- 請求項3に記載の加飾成形用シートを、フィルム側が外側となるように連続的に中空状体に賦形しつつ、その内面に発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させながら供給するとともに、その全体を外周規制部材へと導き、その規制部材によって中空状体外側輪郭を所望の断面形状へと形状変化させることにより賦形した後、上記電磁放射線硬化樹脂の層を含めてその外側、もしくは、剥離層を含めてその外側を剥離することを特徴とする、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
- 請求項3に記載の加飾成形用シートを、フィルム側が外側となるように連続的に中空状体に賦形しつつ、その内部に発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給した後に、その樹脂組成物を中空状体内部で発泡させるとともに、その全体を外周規制部材へと導き、その規制部材によって中空状体外側輪郭を所望断面形状へと形状変化させることにより賦形した後、上記電磁放射線硬化樹脂の層を含めてその外側、もしくは、剥離層を含めてその外側を剥離することを特徴とする、繊維強化熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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