JPH0584847A - 繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法

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JPH0584847A
JPH0584847A JP3250637A JP25063791A JPH0584847A JP H0584847 A JPH0584847 A JP H0584847A JP 3250637 A JP3250637 A JP 3250637A JP 25063791 A JP25063791 A JP 25063791A JP H0584847 A JPH0584847 A JP H0584847A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
layer
pipe
reinforcing
fiber composite
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JP3250637A
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Koichi Adachi
浩一 足立
Kiyoyasu Fujii
清康 藤井
Hiroshi Sugawara
宏 菅原
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化合成樹脂管の製造方法に於いて、合
成樹脂として熱可塑性樹脂を用い、且つ強化繊維として
連続した繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維複合体を用い
て製造することにより、耐圧性、耐衝撃性及び寸法精度
に優れた製品を得ることを目的とする。 【構成】 図1において、シート状繊維複合体A1を内
金型2と外金型7との間を連続的に移送しつつ、その内
面に押出機3から溶融した熱可塑性樹脂B1を押し出し
つつ、融着・積層して2層管を形成し、引き続きこの2
層管を冷却金型9に導入しつつ管内を気体により加圧し
て外径規制と冷却とを行い、しかる後、その外面にテー
プ状繊維複合体C1をスパイラル状に巻付け、加熱融着
して積層するようにしたので、テープ状繊維複合体C1
を巻付ける時に、その巻付け力により2層管が変形する
のを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂と強化繊
維とからなる繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂管は、金属管と比較して軽量で
かつ錆びないという優れた特性を有しているため、従来
から広く用いられている。しかしながら、合成樹脂管
は、金属管より耐圧性及び耐衝撃性において劣ってい
る。そこでこの問題を解決するため、内層となる熱可塑
性樹脂管の外面に、液状の熱硬化性樹脂を含浸した強化
繊維を配置し、これを加熱硬化して強化層を形成し複合
管とする技術が多く知られている(例えば特公昭62−
773号公報参照)。
【0003】ところが、この種の複合管は強化層が熱硬
化性樹脂で形成されているため、内層の熱可塑性樹脂管
との接着力が弱く、複合管に温水を流す等の高温条件下
で使用すると、内層の熱可塑性樹脂層と強化層との線膨
張率の差により、両層の間で界面剥離が発生するという
問題があった。
【0004】そこで、この問題を解決するために、本出
願人は、熱可塑性樹脂からなる内層の外周に、連続繊維
が管の長手方向に配置された第1の強化層と、連続繊維
が管の周方向に配置された第2の強化層とからなる複合
管であって、これらの強化層を形成する樹脂として熱可
塑性樹脂を用いる技術を先に提案した(特願平1−29
8509号公報参照)。
【0005】つまり、かくすることにより、これら各層
の界面では強固に融着一体化したものが得られること、
管の長手方向に配置された第1の強化層の連続繊維によ
り管の線膨張が抑制され且つ熱収縮が抑制されること、
管の周方向に配置された第2の強化層により管の耐圧
性、耐衝撃性が向上すること等の優れた作用効果が得ら
れる技術である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】ところが、この複合
管の製造工程では、内層の熱可塑性樹脂は、未だ充分に
軟らかい段階にあり、第2の強化層形成用の繊維複合体
の巻付け時の締め付け力の調整、或いは、更に熱可塑性
樹脂外層を形成する場合はその樹脂の押し出し時におけ
る樹脂圧力如何では、管が変形し、寸法精度に優れた繊
維強化樹脂管の製造が困難な場合があり、特に、製造速
度を上げるとその傾向が強くなるという問題があった。
【0007】本発明は、強化層を形成する樹脂として熱
可塑性樹脂を用い、且つ耐圧性及び耐衝撃性に優れ、し
かも寸法精度のよい繊維強化熱可塑性樹脂管を能率よく
生産することのできる製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明は、長手方向に配さ
れた連続強化繊維に、熱可塑性樹脂が保持されてなるシ
ート状繊維複合体から、管状体を連続成形する工程と、
管状体を前進させつつその内面に沿って、押出機より内
層用熱可塑性樹脂を溶融状態で押出して積層し、第1強
化層を有する熱可塑性樹脂内層を形成することにより2
層管とする工程と、この2層管をそのまま前進させつつ
冷却金型内に導入すると共に、管内を気体により加圧し
て、積層された内層用熱可塑性樹脂をその軟化温度以下
の温度に冷却する工程と、2層管をそのまま前進させつ
つ、その外周に、長手方向に配された連続強化繊維に熱
可塑性樹脂が保持されてなるテープ状またはひも状繊維
複合体を、第1強化層にスパイラル状に巻き付けると共
にこれを融着させ、第1強化層の外面に第2強化層を形
成することにより3層管とする工程とを有することを特
徴とする繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法をその要旨
とするものである。
【0009】即ち本発明は、複合管を成形する際に、第
1強化層を有する熱可塑性樹脂内層を形成して2層管と
した後、冷却金型内に導入すると共に、管内に圧力気体
を導入して、2層管の外面が冷却金型の内面を摺動する
ようになし、外径を規制するとともに2層管を冷却し、
その次の第2強化層の形成、或いは熱可塑性樹脂外層の
形成工程に入っても、2層管に悪影響を与えないように
したことを骨子とするものである。
【0010】本発明において、第1及び第2強化層に用
いられる連続強化繊維としては、熱可塑性樹脂の強化用
として用いられる従来公知の全てのものが使用できる。
具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チタン
・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属繊維等の無機繊
維、アラミド繊維、ビニロン繊維、エコノール繊維、ポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維が挙げら
れる。
【0011】そして、この連続強化繊維からシート状、
テープ状またはひも状の繊維複合体を得るには、直径が
1〜数10μmの連続した繊維よりなるロービング状或
いはストランド状のものが用いられる。又、シート状、
テープ状またはひも状繊維複合体に用いられる強化繊維
は、各繊維複合体間において、同じ種類及び異なる種類
のいずれでもよい。
【0012】また連続強化繊維は、長手方向に配される
が、これの他に長手方向に配された連続強化繊維と直交
ないし交差する連続強化繊維または有限長さの繊維を配
してもよいし、有限長さの繊維からなるクロス状繊維材
やネット状繊維材を配することも可能である。
【0013】上記の連続強化繊維に、熱可塑性樹脂を保
持させたものとしては、連続繊維のフィラメント一本一
本の間に、樹脂が充分に捕捉され、又は含浸した状態の
ものやこれらの樹脂を熱融着一体化したものが好まし
く、このような保持状態にあることが、管体の水密性、
繊維と樹脂との接着性を高める為に必要である。そのた
めには、後述するシート状、テープ状またはひも状繊維
複合体の製造方法の前段階で、既に予めフィラメント間
に熱可塑性樹脂を付着乃至含浸させておくという表面処
理を施すのが好ましい。
【0014】内層用熱可塑性樹脂としては、管状に押し
出し成形可能なものであればとくに限定されないが、具
体的には、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、
ポリスルホン、ポリエーテル・エーテルケトン等が挙げ
られる。
【0015】そして、これらの熱可塑性樹脂は、管の使
用目的に応じて単独でまたは複数の混合物として用いる
ことができる。又、前記熱可塑性樹脂には、熱安定剤、
可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、強化
繊維のような添加剤、無機充填材、加工助剤、改質剤な
どを配合してもよい。
【0016】前記連続強化繊維に保持される熱可塑性樹
脂としては、特に限定するものではなく、内層用熱可塑
性樹脂と同一である必要は格別になく、融着性のよい熱
可塑性樹脂であればよい。
【0017】しかしながら、第2強化層用の繊維複合体
の熱可塑性樹脂は、内層用熱可塑性樹脂に対する融着性
よりも、直接に接する直下の第1強化層に用いられてい
る熱可塑性樹脂に対する融着性の方が大きいものとする
方が好ましく、このようにすれば、第1強化層と第2強
化層との層間接着性がより高くなり、優れた繊維強化樹
脂管が得られる。
【0018】連続強化繊維に、熱可塑性樹脂を保持させ
てシート状繊維複合体となす方法としては、公知の方法
がすべて採用可能であって、例えば、(1)連続強化繊
維を、粉体状熱可塑性樹脂の流動床中を通過させ、粉体
状熱可塑性樹脂を繊維フィラメントに付着させた後加熱
し、繊維と樹脂とを一体化せしめる方法、(2)連続強
化繊維を熱可塑性樹脂のエマルジョン中を通過させて熱
可塑性樹脂をフィラメント間に含浸させ、続いて溶融温
度以上に加熱して繊維と樹脂とを一体化するか、或いは
エマルジョン中を通過させた後一旦乾燥させ、その後に
溶融温度以上に加熱して一体化する方法、(3)溶融粘
度が低い樹脂の場合には、束状連続強化繊維をこの溶融
樹脂を満たした槽中に浸漬して樹脂を含浸する方法、
(4)連続強化繊維にフイルム状熱可塑性樹脂を積層
し、加熱加圧する方法等が採用される。
【0019】又、前記繊維複合体中の繊維量は、5〜7
0容量%であって、5容量%未満では充分な補強効果が
得られず、70容量%を超えると融着が困難である。第
1強化層用シート状繊維複合体の幅は、これより成形さ
れる管状体の外周長さとほぼ等しく、また厚みは第1強
化層の所望厚みにより決められるが、通常は0.1〜3
mmである。
【0020】第2強化層用繊維複合体の幅及び厚みはと
くに限定されないが、テープ状繊維複合体の場合には、
幅10〜100mm、厚み0.1〜3mmのものが、ま
たひも状繊維複合体の場合には、直径が0.5〜5mm
のものが使用される。
【0021】巻き付けるテープ状もしくはひも状繊維複
合体は、1本もしくは複数本のいずれでもよい。複数本
の場合には、全てを同一方向に巻付けてもよいし、巻角
度をそれぞれ変えて巻き付けてもよく、更には巻付け位
置を成形方向にずらし、巻き方向をそれぞれ変えてもよ
い。
【0022】テープ状もしくはひも状繊維複合体を第1
強化層の外周に融着するには、これを1本もしくは複数
本加熱しながら巻き付けるか、または巻き付けた後にこ
れを管状体とともに加熱し、熱可塑性樹脂同士を互いに
融着する。
【0023】本発明において用いる冷却金型は、通常の
合成樹脂の押出成形の際、外径規制の為に使用されるも
のでよく、通常は、その金型内に冷却水の流通路が設け
られた構造のものが多い。又、2層管が摺動する金型内
面は、サンドブラスト加工その他の手段により粗面にす
るのは任意である。
【0024】
【作用】本発明においては、先ず、シート状繊維複合体
からなる第1強化層に対して、押出機から溶融樹脂を押
し出して、その内周面にこれを融着積層し、熱可塑性樹
脂内層を形成しており、しかもこの2層管は、その後冷
却金型内に導入すると共に、管内に圧力気体を導入し
て、2層管の外面が冷却金型の内面を摺動するようにな
し、外径を規制するとともに2層管の熱可塑性樹脂内層
を、その軟化温度以下の温度に冷却するので、充分に固
化されており、その次の段階である第2強化層の形成、
或いは熱可塑性樹脂外層の形成工程に移行した際に、2
層管に対して締め付け力が働いても、管が変形したり、
管厚に厚みむらが発生したりすることがなく、寸法精度
に優れた管を成形することができる。
【0025】
【実施例】先ず、この発明の実施に使用する装置につ
き、図面を参照して説明する。以下の説明において、前
とは図面においてその右方向を指すものとする。
【0026】図1は、装置全体を2つに分割して示す図
であって、同図(イ)は製造装置全体のほぼ後半分を示
す図であり、同図(ロ)はそのほぼ前半分を示す図であ
る。そして、図1に分割して示された製造装置は、第1
強化層用シート状繊維複合体A1が巻回されている巻き
戻しロール1と、その前方に配置され、かつ先端部が前
向き直角に折り曲げられ、その外周部が横断面円形の内
金型2となされた内層用熱可塑性樹脂押出機である第一
の押出機3と、その折り曲げ付近の一側方に配置された
加熱手段4と、内金型2を両側から挟んで設けられ、第
1強化層用シート状繊維複合体A1を、管状に賦形する
ための一対の鼓状賦形ロール5とを有している。また、
6はコアであって、第一の押出機3の先端部の軸芯に設
けられ、且つこのコア6と内金型2とによって形成され
る環状の樹脂出口より、第1強化層用シート状繊維複合
体A1から形成された管状体A2の内面に、熱可塑性樹
脂を押し出すのである。
【0027】またこのコア6は、後方から前方に向け
て、先端近くに、逆円錐状に太くなる拡径部を有する基
部6aと、その前方に設けられ、成形した2層管に、圧
力空気発生装置23よりの圧送空気を噴出する通気孔2
2を設けた小径の支承部6bと、更にテープ状またはひ
も状繊維複合体を巻き付けるところまで突き出した突出
部6cとから形成されている。
【0028】本製造装置は、更に内金型2の先端近傍
の、外側の位置から前方にまたがって設置されている外
金型7と、外金型7の前方でかつこれと同心状に断熱材
8を介して配置された冷却金型9と、冷却金型9の前方
に配置されたテープ状繊維複合体C1の巻付機10と、
その巻付け位置の一側方に配置された加熱手段11と、
加熱手段11の前方に配置された外層熱可塑性樹脂押し
出し用第2の押出機12と、第2の押出機12の先端に
冷却金型9と同心状に設けられた被覆金型13と、被覆
金型13の前方に配置された冷却装置14と、冷却装置
14の前方に配置された引取機15とを具えている。
【0029】図2は、図1におけるII−II線にて切断
し、矢印方向にみた断面図であり、図3は、同じくIII
−III 線にて切断し、矢印方向にみた断面図であって、
図3にも示すように、内金型2と一対の鼓状賦形ロール
5との間には、成形すべき管状体A2の厚み分の間隙が
設けられている。尚、図4は、シート状繊維複合体A1
から管状体A2を形成するため、一対の賦形ロール5を
用いる代わりに、外金型27を、上記外金型7より後方
に延長して内金型2の全体を覆うようにした変形例を示
す。
【0030】上記シート状繊維複合体A1及びテープ状
繊維複合体C1は、図5に示す流動床装置16を用いて
製造する。この流動床装置16の槽底は多孔板17で形
成されており、気体供給路から送られてきた空気や窒素
等の気体Gが、多孔板17の下方からこれの多数の孔を
通って上方に噴出せしめられる。その結果、流動床装置
16の槽内に入れられた粉体状熱可塑性樹脂は、噴出気
体Gによって流動化状態となり流動床Rが形成される。
流動床装置16の槽内及びその前後壁上端には、連続強
化繊維を案内するためのガイドロール(もしくはガイ
ド)18が設けられている。
【0031】上記流動床装置16を用い、巻き戻しロー
ル19から多数の連続フィラメントよりなる束状の連続
強化繊維F1の10本を、巻取りロール20によりひね
りが生じないようにしながら巻戻し、粉体状熱可塑性樹
脂の流動床R中を通過させ、連続強化繊維F1の各フィ
ラメントに、粉体状熱可塑性樹脂を付着させる。粉体状
熱可塑性樹脂としては、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体(酢酸ビニル量8%、平均粒径=250μm)を用
い、強化繊維としては、直径23μmのフィラメントよ
りなるロービング状ガラス繊維(4400tex)を用
いた。
【0032】さらに、この粉体状熱可塑性樹脂付着強化
繊維F2を約180℃に加熱された一対の加熱ロール2
1を通過させて、加熱・加圧し、熱可塑性樹脂を溶融さ
せてこれを強化繊維と一体化せしめ、厚み0.6mmのシ
ート状繊維複合体F3を得、これを巻取りロール20に
巻き取った。このシート状繊維複合体F3の熱可塑性樹
脂と強化繊維との容量割合は、熱可塑性樹脂75%、強
化繊維25%であった。
【0033】上記シート状繊維複合体F3を切断し、連
続強化繊維が長手方向に配された幅91mm、厚み0.6
mmのシート状繊維複合体A1を、また連続強化繊維が長
さ方向に配された幅23.5mm、厚み0.6mmのテープ
状繊維複合体C1をそれぞれ得た。
【0034】上記のようにして製造された第1強化層用
シート状繊維複合体A1を図1の巻戻しロール1に移
し、これを巻戻しつつ加熱手段4である熱風発生機によ
り熱風を吹き付けて加熱し、つぎに第1強化層用シート
状繊維複合体A1の両縁部を重ね合わせて賦形ロール5
と内金型2とにより外径29mm、厚み0.6mmの管状体
A2に連続成形する。
【0035】賦形ロール5により成形された管状体A2
を、内金型2と外金型7との間の環状間隙に導き入れ
る。この際内金型2、外金型7及びコア6aは、200
℃に加熱されており、ここで重合両縁部は融着される。
【0036】重合両縁部が重合された管状体A2を前進
させつつ、その内面に沿って、第1の押出機3より内層
用熱可塑性樹脂B1を溶融状態で押し出して管状体A2
の内面に溶融樹脂層B2を形成した後、これを冷却金型
9に導き、圧力空気発生装置23からの常温の圧送空気
を、通気孔22を経て圧送することによりサイジングし
ながら、溶融樹脂層B2を79℃以下まで冷却し、強化
繊維が軸方向に配された第1強化層A3を有する厚み
1.5mmの熱可塑性樹脂内層B3を形成することにより
外径29mmの2層管となす。ここで、内層用熱可塑性樹
脂B1としては、塩素化ポリ塩化ビニル(軟化温度約1
15〜120℃)を用いた。
【0037】2層管をそのまま前進させつつ、その外周
に、巻付機10により第2強化層用テープ状繊維複合体
C1を軸方向に対して75°の角度でスパイラル状に巻
き付けると共に、加熱手段11である赤外線ヒーターに
より、2層管及びテープ状繊維複合体C1を加熱し、後
者を第1強化層A3に融着して第1強化層A3の外面に
強化繊維がほぼ周方向に配された第2強化層C2を形成
することにより3層管となす。
【0038】本実施例では、後述するようにこの3層管
の外層に、更に熱可塑性樹脂外層を形成するのである
が、この熱可塑性樹脂外層の形成は必ずしも必要としな
い。そして、3層管を被覆金型13に導き、第2の押出
機12により溶融可塑化された外層用熱可塑性樹脂を第
2強化層C2の外周に押し出して、これを被覆し、厚み
1mmの熱可塑性樹脂外層Dを形成した後、冷却装置1
4で冷却サイジングを施し、4層管となす。なお、外層
用熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニルを用いた。上
記一連の工程を引取機15により引き取って行い、図6
に示すような4層の複合管よりなる、内径24.8m
m、外径32.2mmの繊維強化樹脂管Eを連続的に製
造した。
【0039】上記において、加熱手段4を配する代わり
に、一対の賦形ロール5にヒーターを内蔵せしめ、これ
をシート状繊維複合体A1の軟化温度以上に加熱するよ
うにしてもよい。
【0040】冷却サイジングを行う冷却装置14として
は、水槽が一般的であるが、これに限られるものではな
い。尚、加熱手段4の位置は図示の場所に限定されない
し、場合によってはこれを省くこともできる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、内層、第1強化層及び
第2強化層の各界面において、それぞれ熱可塑性樹脂
を、順次連続的に融着一体化させることができる。
【0042】また、従来の繊維強化熱可塑性樹脂管の製
造方法よりも、変形や厚みむらがなく、寸法精度のよい
繊維強化熱可塑性樹脂管を容易に且つ連続的に得ること
ができる。
【0043】そして、得られた繊維強化熱可塑性樹脂管
の第1強化層には、管の軸方向に連続強化繊維が配され
ているので、管の線膨張が抑制され、その結果、熱収縮
量が少なくなって、各層の界面での剥離が発生しにくく
なる。
【0044】また、第2強化層には、管のほぼ周方向に
連続強化繊維が配されているので、管の耐圧性及び耐衝
撃性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる繊維強化熱可塑性樹脂管
の製造装置の一部切欠平面図であり、装置全体を2つに
分割して示す図であって、同図(イ)は製造装置全体の
ほぼ後半分を示す図であり、同図(ロ)はそのほぼ前半
分を示す図である。
【図2】図1のII−II線にて切断し、矢印方向に見た断
面図である。
【図3】図1のIII −III 線にて切断し、矢印方向に見
た断面図である。
【図4】管状体成形の為の装置の変形例を示す一部切欠
部分平面図である。
【図5】流動床装置を含むシート状繊維複合体F3を製
造するための装置の一例を示す垂直断面図である。
【図6】本発明の実施により得られた繊維強化熱可塑性
樹脂管の一部切欠斜視図であって、外層、第2強化層及
び第1強化層が順次一部切欠されている。
【符号の説明】
A1 第1強化層用シート状繊維複合体 A2 管状体 A3 第1強化層 B1 内層用熱可塑性樹脂 B3 熱可塑性樹脂内層 C1 第2強化層用テープ状繊維複合体 C2 第2強化層 D 熱可塑性樹脂外層 E 繊維強化樹脂管 F1 連続強化繊維 F3 シート状繊維複合体 R 流動床 2 内金型 3 第一の押出機 6 コア 6a 基部 6b 支承部 6c 突出部 7 外金型 8 断熱材 9 冷却金型 22 通気孔 23 圧力空気発生装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 11/08 B 7123−3J // B29K 105:08 4F B29L 9:00 4F 23:22 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に配された連続強化繊維に、熱
    可塑性樹脂が保持されてなるシート状繊維複合体から、
    管状体を連続成形する工程と、管状体を前進させつつそ
    の内面に沿って、押出機より内層用熱可塑性樹脂を溶融
    状態で押出して積層し、第1強化層を有する熱可塑性樹
    脂内層を形成することにより2層管とする工程と、この
    2層管をそのまま前進させつつ冷却金型内に導入すると
    共に、管内を気体により加圧して、積層された内層用熱
    可塑性樹脂をその軟化温度以下の温度に冷却する工程
    と、2層管をそのまま前進させつつ、その外周に、長手
    方向に配された連続強化繊維に熱可塑性樹脂が保持され
    てなるテープ状またはひも状繊維複合体を、第1強化層
    にスパイラル状に巻き付けると共にこれを融着させ、第
    1強化層の外面に第2強化層を形成することにより3層
    管とする工程とを有することを特徴とする繊維強化熱可
    塑性樹脂管の製造方法。
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Cited By (7)

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