JP2674844B2 - 繊維強化樹脂管の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱可塑樹脂からなる積層管の外周に補強繊
維が巻回された繊維強化樹脂管の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来から樹脂製管は、金属製管と比較して軽量であっ
て錆びない等の優れた特性を有しており、広く用いられ
ている。しかし、この樹脂製管は、金属製管に比較して
耐圧性および耐衝撃性において劣っている。そこで、こ
れらの樹脂製管に耐圧性および耐衝撃性をもたせたもの
として、熱可塑性樹脂から成形された内層樹脂管の外周
に繊維で補強した繊維強化熱可塑性樹脂からなる強化層
を設け、さらにその強化層の外周に熱可塑性樹脂層を被
覆した繊維強化樹脂管及びその製造方法が提案されてい
る(例えば、特開昭63−152786号公報参照)。この繊維
強化樹脂管の製造方法は、芯材の内層樹脂管を表面が溶
融する温度まで加熱しながら内層樹脂管の外周にフィラ
メント間に熱可塑性樹脂が含浸したストランド状の補強
繊維を巻回して融着する方法や、補強繊維を内層樹脂管
の外周に巻回した後、内層樹脂管を表面が溶融する温度
まで加熱して融着する方法等により強化層を設けた後、
強化層の外周に熱可塑性樹脂を押し出して被覆し加熱し
ている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記従来の製造方法では、熱可塑性樹脂から
成形された芯材の内層樹脂管の外周に補強繊維を融着す
るためには、内層樹脂管の表面が融着する温度になるま
で管を加熱する必要があった。その場合、加熱により軟
化した内層樹脂管は、巻回する補強繊維の張力により変
形し易く、そのため寸法精度の優れた樹脂管の成形が困
難であるといった問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決しようとするものであ
り、その目的とするところは、内層樹脂管と補強繊維が
充分に融着されており、しかも巻回融着の際に内層樹脂
管内部の変形が起こらない繊維強化樹脂管の製造方法を
提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、熱可塑性樹脂から内層管と中層管とが積層
されて成形された積層管の外周に熱可塑性樹脂と補強繊
維を一体化させた繊維複合体よりなる強化層を設けた繊
維強化樹脂管の製造方法において、繊維複合体を積層管
の内層管を構成する熱可塑性樹脂よりも融点あるいは変
形温度が低く、積層管と融着可能な熱可塑性樹脂で構成
し、この繊維複合体を積層体の中層管の外周に巻回融着
することを特徴としている。
内層樹脂管としての2層の積層管は、まず加熱融着し
た熱可塑性樹脂を押出機から金型を経て押し出し、最内
層の内層管を成形し、次いでその外周に加熱融着した別
の熱可塑性樹脂を押し出して中層管を形成することによ
り、内層管と中層管からなる積層管を成形する。
本発明において、繊維強化樹脂管の芯材となる積層管
の原料の熱可塑性樹脂は、管状に押出成形可能で、融点
あるいは変形温度の条件および層間での融着可能な条件
を満たすものであれば、樹脂管の使用目的に適した熱可
塑樹脂が使用される。例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテ
ルケトン等が挙げられ、積層管の内層管と中層管の双方
に樹脂に相互に相溶性があるものが望ましい。上記熱可
塑性樹脂は単独あるいは複数の混合物として用いても良
い。また、熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、顔料、無機充填材、強化繊維等の添加剤、充
填材、加工助剤、改質剤等を樹脂管の使用目的に応じて
加えても良い。また、積層管は上記から選択した熱可塑
性樹脂を3層以上に積層してなる積層体であってもよ
い。
積層管に巻回される繊維複合体は、多数の連続するフ
ィラメントからなる補強繊維に熱可塑性樹脂が含浸等に
より保持されてなるもので、用いられる補強繊維として
は、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、又はアラミド繊
維もしくはビニロン等の合成繊維等の熱可塑性樹脂の成
形温度において熱的に安定な繊維が例示され、これらの
繊維は、直径1〜40μm程度の連続したフィラメント数
十〜数千本より構成されるロービングまたはヤーン等の
ストランド状、紐状またはテープ状に成形したものが一
般的であるが特に限定されない。繊維複合体の厚みは薄
いと強度に欠け、2mmをこえると巻回が困難であるの
で、0.1mm〜2mmの範囲が好適に用いられる。幅は5〜50
mm程度である。
補強繊維のフィラメントに保持される熱可塑性樹脂
は、積層管に相溶性が高く融着が可能であれば特に制限
されないが、積層管と相溶性が高く、かつ積層管の樹脂
と同等もしくはそれ以下の温度で溶融あるいは軟化する
熱可塑性樹脂が好適に使用される。
繊維複合体は、フィラメントからなるロービング又は
ヤーン等のストランド状の補強繊維を、(1)粉末体の
熱可塑性樹脂の流動床中を通過させ、フィラメント間に
熱可塑性樹脂を含浸する、(2)粉末状熱可塑性樹脂を
分散した液体の槽中を通過させたのち乾燥する、(3)
溶融した熱可塑性樹脂の槽中を通過して繊維間に熱可塑
性樹脂を付着させたのち乾燥し、そのまま繊維複合体と
するか、又は一旦、熱可塑姓樹脂を加熱溶融させるか、
又は加熱された加圧ロールによって一体化し、紐状ある
いはテープ状に成形しても良い。(1),(2)の方法
による場合には、フィラメント間に含浸された熱可塑性
樹脂は粉末状のまま使用に供することもできる。繊維複
合体中の補強繊維と熱可塑性樹脂の比率としては、補強
繊維の量が5〜80容量%の範囲で適宜の量に選ばれる。
補強繊維の量が5容量%未満では繊維による補強効果が
得られ難く、80容量%を超えると積層管との融着性に欠
け融着可能でなくなり、充分に融着した強度の大きい繊
維強化樹脂管が得られない。ここでいう融着可能とは、
双方の樹脂を溶融状態になるまで加熱し圧着したもの
が、冷却後に融着した界面が容易に切断されない状態を
いう。
本発明における繊維強化樹脂管の樹脂構成としては、
上記の積層管の内層管の原料の熱可塑性樹脂の融点ある
いは熱変形温度は、中層管及び補強繊維に含浸される熱
可塑性樹脂のそれよりも高い、という条件を満たす組合
せであれば特に限定されない。このような条件を満た
し、融着性がある組合せにすると、内層管を変形させる
ことなく被覆する熱可塑性樹脂の加熱により強化層の熱
可塑性樹脂が充分に溶融し高い融着強度が得られる点で
好ましい。積層管と繊維複合体の樹脂構成としては、例
えば、次の表−1に示すような組合せが挙げられる。
更に、本発明を図面に従って説明する。
第1図は本発明に係る製造方法の実施に用いる装置の
一例を示す概略図である。
この図において、1は熱可塑性樹脂を押し出す押出機
である。この押出機1の先端には熱可塑性樹脂を中空管
状に押し出して成形する金型2が取付けられ、この金型
2の先方にこれに並んで、押出機3に取付けられた金型
4が設けられている。金型2より押し出された内層管の
外周に金型4から熱可塑性樹脂が押し出されて中層管が
形成され、内層管と中層管とで積層管5を構成する。こ
の積層管5の外周を回転し、この積層管5の外周に繊維
複合体8を巻回する巻回装置7が金型2の先方に2個設
けられ、積層管5へ繊維複合体8の巻回された2ヵ所の
それぞれの近傍には熱風加熱装置6が設けられている。
各巻回装置7は繊維複合体8を巻いたボビン又はロール
7aを2個備え、図示していない動力装置により積層管5
の周囲を回転し、各ロール7aからテープ状繊維複合体8
を巻出して積層管5の外周に巻回すように構成してい
る。
2個の巻回装置7は、第1図に示すように、互いに反
対方向に回転するように構成することが、積層管5の外
周には補強繊維が互いに交叉するように複層配置された
強化層を形成することができ、耐圧性に優れた繊維強化
樹脂管が得られる点で好ましい。補強繊維が全て単一方
向に配置されると、管に応力がかかった場合に繊維のず
れが生じ、繊維により補強した効果が充分に発揮されな
い可能性がある。強度的にさらに優れた物性を得るた
め、繊維複合体は、補強繊維が互いに交差するように複
層配置することが望ましい。
外面に繊維複合体8が巻回された積層管5の外面にさ
らに熱可塑性樹脂を被覆するための熱可塑性樹脂を押し
出す押出機9と、この押出機9の先端には被覆金型10が
取り付けられ、さらにこの被覆金型10から先方にかけ
て、順次、水槽等の冷却装置12と、、引取機13とが設け
られている。
押出機1は通常の樹脂管の成形に用いられる押出機等
各種の型式の押出機が使用される。
次に、上記装置を用いて本発明の繊維強化樹脂管を製
造する方法を説明する。
押出機1から押し出された熱可塑性樹脂は、金型2を
通過することで中空状の内層管が成形され、この内層管
の外周に押出機3から金型4を経て熱可塑性樹脂を押出
して中層管を成形し、これにより積層管5が成形され
る。続いて、巻回装置7を回転させながらフィラメント
間に熱可塑性樹脂が含浸した繊維複合体8を積層管5の
外周に隙間および重なりが発生しないように巻回する。
2つの巻回装置7はそれぞれ反対向きに回転させて、順
次、巻回融着を行う。
積層管に繊維複合体を巻回して融着し、強化層を形成
する方法としては、巻回による方法が簡単で合理的であ
る。管の軸方向の強度、寸法精度が要求される場合は、
繊維複合体を管軸方向に沿って囲繞した状態で融着して
もよい。積層管に繊維複合体を巻回する方法としては、
繊維複合体を巻き付けたロールもしくはボビン状のもの
を管の周りに回転させ、管軸方向が送られてくる樹脂管
に順次巻回する方法や、一旦成形された樹脂管を適当な
長さで切断した後、管を回転させて巻回する方法がある
が、管を押出から連続的に製造する場合には前者の方が
適している。繊維複合体を積層管に融着する方法として
は、繊維複合体を成形ダイより押し出された直後の高温
状態の積層管に速やかに巻回して融着させてもよいし、
あるいは一旦冷却した積層管を、熱風もしくは赤外線ヒ
ーターなどで積層管の外周表面が溶融する程度に繊維複
合体と積層管を別々に若しくは同時に加熱し、繊維複合
体を積層管に巻回して融着一体化させてもよい。この加
熱の時間は、積層管の表面のみが溶融し中心側の表面は
溶融しないように急速に加熱することが好ましい。
積層管の外面に繊維複合体を巻回融着する際、積層管
が変形するのを防止するために、金型の樹脂出口より押
し出し方向に突出する内コアを設け、この内コアの外側
位置で繊維複合体を積層管の外周に巻回する方法、ある
いは金型の先端より積層管の内部に冷却空気を吹き込み
積層管の内面を冷却しつつ繊維複合体を巻回する等の変
形防止対策を行ってもよい。
続いて、繊維複合体が巻回された積層管5および繊維
複合体8を熱風加熱装置6により外周から加熱して融着
し一体化する。このようにして繊維複合体8が巻回され
た管状体11aは、被覆金型10へ導かれて、この管状体11a
の外周に、押出機9より押し出された熱可塑性樹脂が被
覆されて外層が形成される。
続いて、冷却装置12へ供給されて冷却され、続いて引
取機13で引き取られて繊維強化樹脂管11が得られる。
第2図は、繊維強化樹脂管の製造方法の実施に用いる
装置の他の例を示す概略説明図である。上記第1図に示
す一例は、積層管にテープ状繊維複合体を巻回する方法
であるのに対し、この実施例は、ロービング又はヤーン
等のストランド状の繊維複合体を用いた繊維強化樹脂管
の製造方法である。
第2図において、第1図に示すものに相当する部分に
ついては、同一符号を付して説明を省略する。
第2図において、17は巻回装置で、1個は押出機1の
近傍に設けられ、ストランド状の繊維複合体18を金型2
で形成された積層管5の外周の長手の管軸にそって供給
する。鼓形の加熱ロール16が積層管5の周囲に設けら
れ、繊維複合体18の外周から積層管5を加熱し、積層管
5に繊維複合体18を融着させる。更に、他の巻回装置17
が加熱ロール16の先方に設けられ、1回めの繊維複合体
18を融着させた積層管5の外周を回転し、この外周にさ
らにストランド状の繊維複合体18を巻回する。
なお、上記において、巻回装置を2個設けた場合につ
いて説明したが、その数は特に限定されることなく、成
形する強化層の厚さや所望の物性により適宜決定され
る。例えば、巻回装置を1個設けても良く、3個以上設
けても良い。
また、繊維複合体を積層管に巻回して融着する方法と
しては、繊維複合体を成形ダイより押し出された直後の
高温状態の積層管に速やかに巻回して融着させてもよい
し、あるいは一旦冷却した積層管を、熱風もしくは赤外
線ヒーターなどで積層管の外周表面が、溶融する程度に
繊維複合体と積層管を別々に若しくは同時に加熱し、繊
維複合体を積層管に巻回して融着一体化させてもよい。
この加熱の時間は、積層管の外面のみが溶融し管内側の
表面は溶融しないように急速に加熱することが好まし
い。また、積層管に繊維複合体が巻回する方法として
は、管を押出しから連続的に製造する例について示して
いるが、一旦成形された管を適当な長さで切断した後、
管を回転させて巻回する方法であっても差し支えない。
また、積層管の外周へ繊維複合体の融着を、熱風加熱装
置により行う例について示したが、遠赤外線ヒーター、
赤外線ヒーター等の加熱手段により軟化温度以上に加熱
する装置としても差し支えない。予めフィラメントに熱
可塑性樹脂が含浸した繊維複合体を用いる例について示
したが、繊維複合体を形成する工程を巻回装置に設け、
フィラメント補強繊維から連続的に繊維複合体の形成と
巻回とを行ってもよい。
また、上記においては、施工その他の関係で、管の外
壁寸法の精度が要求され、巻回された繊維複合体が管の
外表面に存在していると、製品として不都合な場合があ
るので、熱可塑性樹脂を押出成形し被覆する工程を加
え、4層構造の複合管にした例について説明している
が、4層構造に限られるものではなく、3層構造として
も差し支えない。このようにすると、巻回された繊維複
合体が管の外表面に存在している場合でも、管の寸法精
度がよくなり、製品として不都合な場合が生ずるのを防
ぐことができる。
(作 用) 加熱溶融した熱可塑性樹脂を押出機から金型を経て押
出して成形した内層管の外周に、この内層管の樹脂より
融点あるいは熱変形温度が低い熱可塑性樹脂を押出して
積層管を成形し、巻回装置をこの積層管の周囲を回転さ
せながら、巻出装置から繊維複合体を巻出して繊維複合
体の巻回を行い、積層管および繊維複合体を熱風加熱装
置により積層管の表面温度が、繊維複合体を構成する樹
脂を融着可能な程度まで加熱して融着せしめる。このと
き、繊維複合体を積層管の内層よりも融点あるいは熱変
形温度が低い熱可塑性樹脂を用いることにより、繊維複
合体を融着する際の積層管の表面温度が、繊維複合体を
構成する樹脂を融着可能な程度の温度に達するのみであ
るため、複合繊維体を融着する際の管の変形を最小限に
することができる。
(実施例) 本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
実施例1(第1図参照) まず押出機に熱安定剤、滑剤などを配合した塩素化ポ
リ塩化ビニル(塩素化率66.5%,熱変形温度95℃)を供
給し、温度約200℃の成形ダイ2内で内径23mmの内層管
を押し出す。押出機3により同様にポリ塩化ビニル(熱
変形温度72℃)を供給し、温度約180℃のクロスヘッド
ダイ4内で内層管の外周に押出して中層管を形成し、内
層管が塩素化ポリ塩化ビニル、中層管がポリ塩化ビニル
よりなる2層積層管5を成形する。得られた積層管5の
内層管および中層管の肉厚はそれぞれ約2mmおよび1mmで
あった。成形された内層管5はその外表面温度が下がら
ぬよう熱風加熱装置6で加熱しながら巻回装置7により
繊維複合体8を巻回融着させる。ここで用いた繊維複合
体は厚さ約0.5mm、幅約20mm程度のテープ状のもので、
ガラス繊維のロービングを開繊したのち、その繊維間に
酢酸ビニル塩化ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率10
%、熱変形温度64℃)をよく含浸させ、成形したもので
ある。また、使用した巻回装置は、繊維複合体を巻き付
けたロールを2つ備えた円盤状のもので、積層管5を中
心として回転することにより管の周りに繊維複合体を巻
き付ける仕組みになっており、この様な円盤状の巻回装
置を2つ用いることにより繊維複合体を角度を変えて2
層積層した。なお、繊維複合体中のガラス繊維量は30wt
%であった。繊維複合体の巻回された管は、押出機9よ
り供給される塩素化ポリ塩化ビニルで被覆成形され、冷
却装置12で冷却サイジングされた後引取機13で引き取ら
れる。以上の工程により連続的に製造された4層構造の
繊維強化樹脂管は、層間の接着性も良く、管内面の変形
もほとんど伴わなかった。
実施例2(第2図参照) まず押出機1にナイロン6−6(融点255℃)を供給
し、温度約280℃の成形ダイ内で内径23mmの内層管を押
し出す。続いて押出機3により同様にナイロン12((融
点175℃)を供給し、温度約210℃のクロスヘッドダイ4
内で内層管の外周に押出し中層管を形成し、内層管がナ
イロン6−6、中層管がナイロン12よりなる2層積層管
5を成形する。得られた積層管5の内層管および中層管
の肉厚はそれぞれ約2mmおよび1mmあった。成形された積
層管の外表面に予熱された繊維複合体18を管軸方向に配
置し、鼓形加熱ロール16で内層管15に押圧、融着させ、
その後、熱風加熱装置により管表面を加熱しながら巻回
装置17により繊維複合体を管外周に巻回・融着させる。
ここで用いた繊維複合体は、外径約0.5mmの紐状のもの
で、補強繊維はガラス繊維、繊維間に保持されている樹
脂はナイロン12であり、繊維複合体中のガラス繊維量は
約25wt%であった。繊維複合体の巻回された管は、押出
機9より供給されるナイロン12で被覆成形され、冷却装
置12で冷却・サイジングされた後、引取機13で引き取ら
れる。以上の工程により連続的に製造された繊維強化樹
脂管は、層間の接着性も良く、管内面の変形もほとんど
伴わなかった。
(発明の効果) 本発明の繊維強化樹脂管の製造方法によれば、従来の
方法と異なり、フィラメント間に熱可塑性樹脂が保持さ
れてなる繊維複合体を熱可塑性樹脂からなる積層管の外
周に巻回し、両熱可塑性樹脂を融着せしめて強化層を形
成するので、強化層における強化繊維の分布が均一とな
り、得られた繊維強化樹脂管の外周に発生する凹凸が極
小となり、寸法精度が良い。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ本発明の繊維強化樹脂
管の製造方法の実施に用いられる製造装置の一例を示す
概略説明図である。 1,3,9;押出機、2,4;金型 5;積層管、6;熱風加熱装置 7,17;巻回装置、8,18;繊維複合体 10;被覆金型、11;繊維強化樹脂管 12;冷却装置、13;引取機 14;加熱ロール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂を押出成形した内層管
    の外面に、該内層管を形成する樹脂よりも融点あるいは
    熱変形温度が低く、かつ前記内層管と融着可能な熱可塑
    性樹脂を前記内層管の外周に押出成形して中間層となる
    中層管を形成して2層積層管を製造する工程、 (B)多数のフィラメントよりなる補強繊維に、前記積
    層管の内層管の熱可塑性樹脂よりも融点あるいは熱変形
    温度が低く、しかも前記積層管と融着可能な熱可塑性樹
    脂が保持されてなる繊維複合体を、前記積層管の中層管
    の外周に巻回あるいは囲繞して融着させる工程、 を含むことを特徴とする繊維強化樹脂管の製造方法。
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