JP3117492B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法

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JP3117492B2 JP03188600A JP18860091A JP3117492B2 JP 3117492 B2 JP3117492 B2 JP 3117492B2 JP 03188600 A JP03188600 A JP 03188600A JP 18860091 A JP18860091 A JP 18860091A JP 3117492 B2 JP3117492 B2 JP 3117492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂と強化繊
維とからなる繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化合成樹脂管は金属管に比べて軽
量であり錆びることもなく、又一般の合成樹脂管に比べ
て衝撃に強くて高強度であるから、配管用部材としての
みならず、構造用部材としても使用されている。
【0003】この繊維強化合成樹脂管は、強化繊維とし
てガラス繊維、炭素繊維、有機繊維等を用い、マトリッ
クス樹脂として液状の熱硬化性樹脂をこの強化繊維に付
着乃至含浸させ、これを芯金(マンドレル)上に連続的
に巻付け、しかる後、芯金と共に加熱炉に入れて加熱
し、熱硬化性樹脂が硬化したならば芯金を抜き取るとい
う、所謂フイラメントワインディング法によって製造さ
れていた。
【0004】ところが、この熱硬化性樹脂を用いたフイ
ラメントワインディング法では、加熱硬化に長時間を必
要とし、生産性に劣るという欠点があったので、最近で
は、例えば特開昭62−244622号公報に記載され
ているように、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を
用いる方法が提案されている。この方法では熱可塑性樹
脂は溶融状態で強化繊維に供給され、含浸せしめられ
る。そしてこの樹脂を含浸した強化繊維を芯金に巻き付
けた後、この樹脂の軟化温度以上に加熱し、しかる後こ
れを金型に入れて加圧冷却し、芯金を抜き取るという方
法である。
【0005】この方法によれば、従来の上記熱硬化性樹
脂に見られた欠点は解消され、若干生産性が向上するの
は確かである。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可
塑性樹脂を含浸した強化繊維同士を用いて管状体を成形
する場合、この樹脂の軟化温度以上の温度に加熱した段
階で、強化繊維のみが表面に浮き出し、この強化繊維の
みが浮き出した表面部分同士を加圧して管状体に成形し
たのでは、繊維同士の融着が不十分となり、得られる管
状体の品質上に問題があった。
【0007】又、芯金を抜き取る工程は依然として必要
であり、生産性の改善は充分とは言い難く、更に、芯金
の長さ以上のものを連続的に製造することが出来ないと
いう問題もあった。
【0008】本発明は、芯金を使用する方法ではある
が、これを抜き取る工程を必要とせずしかも長尺の繊維
強化熱可塑性樹脂管を能率よく連続的に製造する方法を
提供すること、及び強化繊維が表面に浮き出して繊維同
士の融着が不十分とならないような製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、一端が支持され
た略横断面円形のマンドレルに、その支持端側から長手
方向に配された連続強化繊維に熱可塑性樹脂が保持され
てなるシート状繊維複合体を供給し、マンドレル上を前
進させつつマンドレルを密に囲ましめることにより管状
体となす工程と、管状体をマンドレルにそってそのまま
前進させつつその外周に、長手方向に配された連続強化
繊維に熱可塑性樹脂が保持されてなるテープ状またはひ
も状繊維複合体をスパイラル状に巻き付けて管状体に積
層し融着する工程とを有し、上記シート状繊維複合体
と、テープ状もしくはひも状繊維複合体とは、それぞれ
が積層され融着される部分に、予め熱可塑性樹脂からな
る融着用樹脂層が設けられていることを特徴とする繊維
強化熱可塑性樹脂管の製造方法をその要旨とするもので
ある。
【0010】本発明において、シート状、テープ状また
はひも状繊維複合体に用いられる強化繊維としては、熱
可塑性樹脂の強化用として用いられる従来公知の全ての
ものが使用できる。
【0011】具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シリ
コン・チタン・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属繊維
等の無機繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、液晶ポリ
マー繊維、ポリエステル繊維、ボリアミド繊維等の有機
繊維が挙げられる。
【0012】そして、この連続強化繊維からシート状、
テープ状またはひも状繊維複合体を得るには、直径が1
〜数10μmの連続した繊維よりなるロービング状或い
はストランド状のものの多数本を、一方向に並設した状
態で連続的に移送することにより複合体を形成する場合
と、ロービングを織成したロービングクロスや、ストラ
ンドを所定の長さに切断してランダム方向に分散させ均
一な厚みに積層したチョップドストランドマットのよう
にクロス状やネット状に加工されたものを複合体にして
用いる場合とがある。
【0013】又、上記シート状、テープ状もしくはひも
状の繊維複合体を形成する場合に、これに更に短い強化
繊維を別途混入させてもよい。また、この複合体に用い
られる強化繊維は、同じ種類のものから構成してもよ
く、或いは異なる種類のものから構成してもよい。
【0014】シート状、テープ状またはひも状の繊維複
合体における強化繊維による熱可塑性樹脂の保持状態と
しては、連続繊維のフィラメント一本一本の間に、樹脂
が充分に含浸し、保持した状態のものが好ましく、この
ような保持状態にあることが、管体の水密性、繊維と樹
脂との接着性を高める為に必要であって、そのために
は、後述するシート状、テープ状またはひも状繊維複合
体の製造方法の前段階で、既に予めフィラメント間に熱
可塑性樹脂を付着乃至含浸させておくという表面処理を
施すのが好ましい。
【0015】本発明に於いて、強化繊維に保持される熱
可塑性樹脂としては、特に限定するものではなく、管体
の使用目的に対応して、適切な樹脂が選択的に使用され
る。その樹脂として例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテル・エーテ
ルケトン等が挙げられる。
【0016】又、シート状繊維複合体と、テープ状もし
くはひも状繊維複合体とにおいて、それぞれが積層され
融着される部分に、予め設けておく融着用樹脂層に用い
る熱可塑性樹脂としては、上記強化繊維に保持される熱
可塑性樹脂と、同じ系統の樹脂を用いてもよく、又他の
系統の樹脂を用いてもよいが、この融着用樹脂層として
用いる樹脂は、当然樹脂同士の熱融着性に優れたものが
好ましく、更に同じ系統の樹脂同士が好ましい。
【0017】用いられる熱可塑性樹脂の具体例として
は、上記の他に、ポリ酢酸ビニル及び酢酸ビニルとジブ
チルフタレートやエチレンとの共重合体、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘ
キシル等を主成分とし、必要により更にこれらとメタク
リレート、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等
を共重合して得られる重合体、ポリエステル、ポリウレ
タン等が挙げられる。
【0018】そして、上記した強化繊維に保持される熱
可塑性樹脂や、融着用樹脂層を構成する熱可塑性樹脂
は、単独で或いは複数の種類のものを組み合わせて用い
ることができる。
【0019】更に、上記熱可塑性樹脂には、場合によっ
ては熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料のような添加剤、或いは無機充填材、加工助
剤、改質剤、補強繊維等が添加される。また更に、その
他強化繊維との接着性を改良するための改質を施すのは
任意である。
【0020】連続強化繊維に、熱可塑性樹脂を保持させ
る方法としては、公知の方法がすべて採用可能であっ
て、例えば、(1)連続強化繊維を、粉体状熱可塑性樹
脂の流動床中を通過させ、粉体状熱可塑性樹脂を繊維フ
ィラメントに付着させた後加熱し、繊維と樹脂とを一体
化せしめる方法、(2)連続強化繊維を熱可塑性樹脂の
エマルジョン中を通過させた後、加熱して繊維と樹脂と
を一体化するか、或いはエマルジョン中を通過させた後
一旦乾燥させ、その後に溶融温度以上に加熱して一体化
する方法、(3)溶融粘度が低い樹脂の場合には、連続
強化繊維をこの溶融樹脂を満たした槽中に浸漬する方
法、(4)連続強化繊維にフイルム状熱可塑性樹脂を積
層し、加熱加圧する方法等が採用される。
【0021】又、前記複合体中の繊維量は、5〜70容
量%であって、5容量%以未満では充分な補強効果が得
られず、70容量%を超えると融着が困難である。又、
本発明では上述したとおり、シート状繊維複合体と、テ
ープ状もしくはひも状繊維複合体とにおいて、それぞれ
が積層される部分に、予め融着用樹脂層を設けておくこ
とが必要であって、その方法としては、(1)これら複
合体の所定箇所に、所定厚みの熱可塑性樹脂製のフイル
ムを積層する方法、(2)移送されつつある複合体の所
定箇所に、粉体状の熱可塑性樹脂を散布する等して供給
し、加熱融着する方法、(3)これら複合体の所定箇所
に、予め熱可塑性樹脂エマルジョンもしくは有機溶剤溶
液を塗布後乾燥する方法、等が挙げられる。
【0022】そして、この融着用樹脂層の厚みとして
は、複合体中の強化繊維の1フィラメントの直径以上と
するのが好ましく、具体的には該直径の3〜5倍程度の
厚みとするのが好ましい。
【0023】シート状繊維複合体の幅は、使用するマン
ドレルの外周長さとほぼ同一かまたはそれを超える長さ
のものが好ましい。前者の場合には1枚のシート状繊維
複合体の両端を突き合わせ、後者の場合には両縁部を重
ね合わせた状態で管状体に賦形する。またマンドレルの
外周長さ未満の幅を有するシート状繊維複合体を複数枚
使用し、これらでマンドレルを密に囲んで管状体に賦形
してもよい。
【0024】尚、マンドレルは横断面が円形である場合
が殆どであるが、四隅のRが大きい方形であってもよ
く、この場合シート状繊維複合体から得られる管状体
は、所謂角パイプと称されるものである。
【0025】シート状繊維複合体の厚みは、一般に0.
1〜10mmであり、特に0.5〜5mmが好ましい。
0.1mm未満では、マンドレル上を前進させながら管
状体に賦形するのに強度が不十分であり、また10mm
を超えると管状体に賦形するのが困難となる。
【0026】テープ状繊維複合体の場合には、通常幅1
0〜100mm、厚み0.1〜10mmのものが、また
ひも状繊維複合体の場合には、直径が0.1〜10mm
のものが使用される。厚み及び直径が0.1mm未満で
あると補強効果が充分でなく、10mmを超えると巻付
けにくくなる。
【0027】巻き付けるテープ状もしくはひも状繊維複
合体は、1本もしくは複数本のいずれでもよい。複数本
の場合には、全てを同一方向に巻付けてもよいし、巻角
度をそれぞれ変えて巻き付けてもよく、更には巻き方向
をそれぞれ変えてもよい。
【0028】テープ状もしくはひも状繊維複合体を管状
体の外周に融着するには、これを1本もしくは複数本加
熱しながら巻き付けるか、または巻き付けた後にこれを
管状体とともに加熱し、両者の熱可塑性樹脂を互いに融
着する。
【0029】
【作用】本発明は、一端が支持された横断面略円形のマ
ンドレルに、その支持端側から長手方向に配された連続
強化繊維に熱可塑性樹脂が保持されてなるシート状繊維
複合体を供給し、マンドレル上を前進させつつマンドレ
ルを密に囲ましめることにより管状体となし、この管状
体をマンドレルにそってそのまま前進させつつその外周
に、長手方向に配された連続強化繊維に熱可塑性樹脂が
保持されてなるテープ状またはひも状繊維複合体の少な
くとも一つをスパイラル状に巻き付けて管状体に積層し
融着するようにしたから、マンドレルの長さに制限され
ることなく管状体を成形することができ、又成形後にマ
ンドレルを抜き取る必要がない。
【0030】又本発明は、上記シート状繊維複合体と、
テープ状もしくはひも状繊維複合体とを積層する際に、
それぞれが積層され融着される部分に、予め熱可塑性樹
脂からなる融着用樹脂層を設け、加熱融着するようにし
たので、積層の際に、加熱状態にあって巻回の張力等の
力が働いても、強化繊維が複合体の表面に浮き出ること
がない。
【0031】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。先ず、この発明の実施に使用する装置
につき、説明するが、以下の説明において前とは各図面
において右方向をいうものとする。実施例1 図1乃至図3に示す繊維強化熱可塑性樹脂管の製造装置
は、シート状繊維複合体A1が巻回されている巻き戻し
ロール1と、その前方に配置され、かつ先端部が前向き
直角に折り曲げられ、シート状繊維複合体A1の巻き戻
し方向に延びている横断面円形(外径48mm)のマン
ドレル2と、マンドレル2の後部一側方に配置された加
熱手段3と、その前方においてマンドレル2を両側から
挟んでいる一対の鼓状賦形ロール4と、その前方に前後
して配置され、かつ2本のテープ状繊維複合体B、Cを
それぞれ巻き付ける第1巻付機5及び第2巻付機6と、
両巻付け位置の一側方に配置された第1加熱手段7及び
第2加熱手段8と、第2巻付機6の前方に配置された引
取機10とを備えている。
【0032】マンドレル2と一対の鼓状賦形ロール4と
の間には、成形すべき管状体A2の厚み分の間隙が設け
られている。マンドレル2の巻き戻しロール1側の端部
は支持体(図示しない)により支持固定されており、他
端は第2巻付機6の若干前方までのびている。
【0033】上記3つの繊維複合体A1、B、Cは、第
4図に示す流動床装置11を用いて製造する。この流動
床装置11の槽底は多孔板12で形成されており、気体
供給路から送られてきた空気や窒素等の気体Gが、多孔
板12の下方からこれの多数の孔を通って上方に噴出せ
しめられる。その結果、流動床装置11の槽内に入れら
れた粉体状熱可塑性樹脂は、噴出気体によって流動状態
となり流動床Rが形成される。流動床装置11の槽内及
びその前後壁上端には、連続強化繊維を案内するための
ガイドロール13が設けられている。
【0034】上記流動床装置11を用い、巻き戻しロー
ル14から多数の連続フィラメントよりなる束状の連続
強化繊維F1を12本、巻取りロール15によりひねり
が生じないようにしながら巻戻し、粉体状熱可塑性樹脂
の流動床R中を通過させ、束状強化繊維F1の各フィラ
メントに、粉体状熱可塑性樹脂を付着させる。粉体状熱
可塑性樹脂としては、塩素化塩化ビニル樹脂(平均重合
度=700、塩素化度=64重量%、平均粒径=200
μm)を用いた。強化繊維としては、直径23μmのフ
ィラメントよりなるロービング状ガラス繊維(4400
tex)を用いた。
【0035】さらに、この粉体状熱可塑性樹脂付着強化
繊維F2の上方に、巻き戻しロール19から塩素化塩化
ビニル樹脂の延伸フイルム(平均重合度=700、塩素
化度=64重量%、膜厚=75μm)を繰り出し、粉体
状熱可塑性樹脂付着強化繊維F2の上方からこれに重ね
合わせるように案内し、230℃に加熱された一対の加
熱ロール16と、その次に配置されたピンチロール17
との間を通過させて、加熱加圧し、粉体状熱可塑性樹脂
と共に、この塩素化塩化ビニル樹脂の延伸フイルムを軟
化乃至溶融させて、これを強化繊維F2と積層一体化せ
しめ、かくして融着用樹脂層を形成し、厚みが1mmの
シート状繊維複合体F3を製造した。このF3の繊維含
有量は45容量%であった。
【0036】次に、上記シート状繊維複合体F3を切断
し、幅151mm、厚み1mmのシート状繊維複合体A
1を、また幅30mm、厚み1mmのテープ状繊維複合
体Cを得た。これらシート状、テープ状繊維複合体A
1、Cは、いずれも片面に塩素化塩化ビニル樹脂の延伸
フイルムからなる融着用樹脂層を積層したものとして得
られた。又、テープ状繊維複合体Bについては、同様の
製造方法、即ち、図4において巻き戻しロール19を上
下に設け、粉体状熱可塑性樹脂付着強化繊維F2の上方
のみならず、下方からも塩素化塩化ビニル樹脂の延伸フ
イルムを繰り出し、積層一体化する方法により、両面に
塩素化塩化ビニル樹脂の延伸フイルムからなる融着用樹
脂層を積層したものを得た。
【0037】上記のようにして製造され且つ長手方向に
配された連続強化繊維に、熱可塑性樹脂が保持されてな
るシート状繊維複合体A1を、図1の巻き戻しロール1
に移し、これを巻き戻しつつ加熱手段3である遠赤外線
ヒーターによって加熱しながら、マンドレル2にその支
持端側から支持部を避けて供給し、マンドレル2上を前
進させつつ、その両縁部を突き合わせた状態で賦形ロー
ル4によりマンドレル2を密に囲ましめて、外径50m
mの管状体A2を形成する。
【0038】このとき、当然のことながら融着用樹脂層
が外側に位置するように配慮する必要がある。次に、管
状体A2をそのまま前進させつつ、その外周に、第1巻
付機5によりテープ状繊維複合体Bを、軸方向に対して
約79°の角度でスパイラル状に巻き付けると共に、第
1加熱手段である熱風発生機7から熱風を吹きつけ、管
状体A2及びテープ状繊維複合体Bの、両者が積層され
る面側を加熱して融着し、外径が52mmの2層管A3
を得た。
【0039】更に、2層管A3をそのまま前進させつつ
その外周に、第2巻付機6によりテープ状繊維複合体C
を、軸方向に対してテープ状繊維複合体Bとは反対方向
に約80°の角度で、その融着用樹脂層が内側に位置す
るようにして、同じくスパイラル状に巻き付けると共
に、第2加熱手段8である熱風発生機から熱風を吹きつ
け、2層管A3とテープ状繊維複合体Cとを、両者が積
層される面側を加熱して融着し、外径が54mmの3層
管A4を得た。
【0040】引き続き、3層管A4を前進させつつ、冷
却手段である水槽9で冷却し、次いで、引取機10で引
き取りつつ、図5に示すような3層の連続繊維強化層
イ、ロ及びハよりなる内径48mm、外径54mmの繊
維強化熱可塑性樹脂管Dを連続的に製造した。なお、こ
の実施例で使用されるマンドレル2は、複合管の引き取
りを容易にする為に、マンドレル全体を加熱、温調出来
るようにしてもよい。実施例2 実施例1と以下の点が相違するのみで、他は実施例1と
同じ工程を経て、第6図に示すような2層の連続繊維強
化層ニ、ホよりなる内径48mm、外径56mmの繊維
強化熱可塑性樹脂管Eを製造した。 .粉体状熱可塑性樹脂として、ペレット状ポリプロピ
レン樹脂を冷凍粉砕して得た粉体状(平均粒径250μ
m)のものを用いた。 .強化繊維F1として、実施例1と同じロービング状
ガラス繊維を26本用いた。 .シート状繊維複合体F3を、第7図に示した装置に
より製造した。即ち、この装置は、流動床装置11を出
たところに、粉体状の熱可塑性樹脂の供給装置21が設
けられ、流動床装置11を出た段階で得られる粉体状熱
可塑性樹脂付着強化繊維F2の上面に、上記粉体状の熱
可塑性樹脂の供給装置21によって、粉体状ポリプロピ
レンを塗布した後、加熱ロール16及びピンチロール1
7を通過させて加熱加圧し、ポリプロピレンを溶融させ
てこれを強化繊維と一体化せしめ、厚み2mm、繊維含
有量50容量%のシート状繊維複合体F3を成形した。 .上記シート状繊維複合体F3を切断し、幅151m
m、厚み2mmのシート状繊維複合体A1及び幅40m
m、厚み2mmのテープ状繊維複合体Cを準備した。 .管状体A2の外径を52mmとした。このとき、粉
体状ポリプロピレンを供給して積層して形成した融着用
樹脂層が外側になるように配置した。 .テープ状繊維複合体Cの融着用樹脂層が、上記管状
体A2と接触するように加熱手段7により加熱しながら
巻回し溶融一体化し、2層管A3とした。このとき、巻
付け角度は76°、2層管の外径は56mmであった。 .第2巻付機6及び第2加熱手段8を使用せずに、2
層管を前進させつつ冷却手段9により冷却した。
【0041】
【発明の効果】本発明は、一端が支持された横断面略円
形のマンドレルに、その支持端側から長手方向に配され
た連続強化繊維に熱可塑性樹脂が保持されてなるシート
状繊維複合体を供給し、マンドレル上を前進させつつマ
ンドレルを密に囲ましめることにより管状体となし、こ
の管状体をマンドレルにそってそのまま前進させつつそ
の外周に、長手方向に配された連続強化繊維に熱可塑性
樹脂が保持されてなるテープ状またはひも状繊維複合体
をスパイラル状に巻き付けて管状体に積層し融着するよ
うにしたから、マンドレルの長さに制限されることなく
管状体を成形することができ、又成形後にマンドレルを
抜き取る必要がない。
【0042】又本発明は、上記シート状繊維複合体と、
テープ状またはひも状繊維複合体として、それぞれが積
層される部分に、予め熱可塑性樹脂からなる融着用樹脂
層が設けられたものを使用するようにしたので、積層の
際に、加熱状態にあって巻回の張力等の力が働いても、
強化繊維が複合体の表面に浮き出ることがない。
【0043】したがって、本発明は、製造工程が簡略化
され、作業性が向上するとともに、品質の優れたもの
を、能率よく製造することができる。又、長尺物ができ
ることから用途範囲が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられる繊維強化熱可塑性樹
脂管の製造装置の1例を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線にて切断し、矢印方向に見た断
面図である。
【図3】図1のIII −III 線にて切断し、矢印方向に見
た断面図である。
【図4】流動床装置を含むシート状繊維複合体F3を製
造するための装置の一例を示す垂直断面図である。
【図5】本発明の実施例1により得られた繊維強化熱可
塑性樹脂管の一部切欠斜視図である。
【図6】本発明の実施例2により得られた繊維強化熱可
塑性樹脂管の一部切欠斜視図である。
【図7】流動床装置を含むシート状繊維複合体F3を製
造するための装置の他の一例を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
A1 シート状繊維複合体 A2 管状体 A3 2層管 A4 3層管 B テープ状繊維複合体 C テープ状繊維複合体 D 繊維強化熱可塑性樹脂管 E 繊維強化熱可塑性樹脂管 F1 強化繊維 F2 粉体状熱可塑性樹脂付着強化繊維 F3 シート状繊維複合体 R 流動床 2 マンドレル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 70/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が支持された横断面略円形のマンド
    レルに、その支持端側から長手方向に配された連続強化
    繊維に熱可塑性樹脂が保持されてなるシート状繊維複合
    体を供給し、マンドレル上を前進させつつマンドレルを
    密に囲ましめることにより管状体となす工程と、管状体
    をマンドレルにそってそのまま前進させつつその外周
    に、長手方向に配された連続強化繊維に熱可塑性樹脂が
    保持されてなるテープ状またはひも状繊維複合体をスパ
    イラル状に巻き付けて管状体に積層し融着する工程とを
    有し、上記シート状繊維複合体と、テープ状もしくはひ
    も状繊維複合体とは、それぞれが積層され融着される部
    分に、予め熱可塑性樹脂からなる融着用樹脂層が設けら
    れていることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂管の製
    造方法。
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