JPH09150340A - ワーク位置決め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの左右方向，前後方向及び回転方向等
の各方向に対し、各当接体を容易に調整して位置決めす
る。 【解決手段】 平板状のベース１の両側の前側及び後側
に側面用移動孔７を形成し、ベース１の前部，後部に前
後面用移動孔８を形成し、各側面用移動孔７毎に側面用
当接体９を設け、各前後面用移動孔８毎に前後面用当接
体１０を設け、各移動孔７，８に挿通した移動杆４の一
端を各当接体９，１０又は締付体３に一体に固着し、移
動杆４の他端を締付体３又は各当接体９，１０に螺合
し、ベース１上のワーク６の周面に各当接体９，１０を
当接し、締付体３により各当接体９，１０を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベース上のワーク
の位置決めを行うワーク位置決め装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、同一形状の多数のワークにねじ
締め等の組立作業を行う場合、まず最初のワークをベー
ス上の所定の位置に載置し、ワークの位置決めを行い、
その後ワークを位置決めされたベース上の位置に順次載
置して組立作業を行う。

【０００３】つぎに、この種ワーク位置決め装置の従来
例１を、斜視図及びワークの平面図を示した図４Ａ，
Ｂ、平面図を示した図５Ａを参照して説明する。

【０００４】それらの図において、１は平板状のベー
ス、２は左右方向の移動孔であり、ベース１の両側の前
部及び後部にそれぞれ上下に貫通して形成されている。
３は移動孔２に嵌入しない大きさの円板状の締付体であ
り、移動孔２毎にベース１の下面にそれぞれ設けられて
いる。４は下端が締付体３に固着され，移動孔２に挿通
された円柱状の移動杆であり、上端部の周面にねじが形
成されている。５は移動孔２に嵌入しない大きさのＬ字
形の当接体であり、移動孔２毎にベース１の上面に設け
られ、当接体５の下面のねじ孔に移動杆４の上端部が螺
合している。６はベース１上に載置された平面が四角形
のワークであり、所定の位置に載置されたワーク６の各
コーナ部に当接体５が当接され、締付体３により当接体
５が固定され、ワーク６の位置決めが行われている。

【０００５】つぎにワーク６の位置決めについて詳細に
説明する。まず、締付体３による移動杆４の当接体５へ
の螺合を緩め、各当接体５を外側方向に移動しておき、
図５Ａに示すように、ロボット等に対し、同一形状の多
数のワークのうちの最初のワーク６をベース１上の所定
の位置に載置し、各当接体５を内側方向に移動し、ワー
ク６の両側の前部，後部のコーナ部を両側の前部，後部
の当接体５により挟み込み、各締付体３の締め付けによ
り各当接体５を固定している。

【０００６】つぎに、従来例２を示した図５Ｂは、各移
動孔２が前後方向に形成されたものであり、各当接体５
によりワーク６の各コーナ部を前後方向から挟み込んで
いる。

【０００７】さらに、従来例３を示した図５Ｃは、４個
の移動孔２がベース１の中心部に対してほぼ放射状に形
成されたものであり、各当接体５によりワーク６の各コ
ーナ部を斜方向から挟み込んでいる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の前記各装置にお
いて、図６Ａに示すように、当接体５のコーナ部のＲに
対し、ワーク６のコーナ部のＲが小さい場合、ワーク６
のコーナ部の両側の面が当接体５のコーナ部の両側の内
面に当接し、問題はない。

【０００９】しかし、図６Ｂに示すように、ワーク６の
コーナ部が直角の場合、ワーク６のコーナ部が当接体５
のＲの内面に当接し、ワーク６のコーナ部の両側の面と
当接体５のコーナ部の両側の内面との間にギャップが生
じ、ワーク６の位置決めが困難になる。

【００１０】そのため、図６Ｃに示すように、ワーク６
のコーナ部の両側の面が当接体５のコーナ部の両側の内
面に当接するように、当接体５のコーナ部に逃げ加工を
する必要があるという問題点がある。

【００１１】さらに、図５Ａ，Ｂの従来例１，２の場
合、位置決めの調整が左右方向又は前後方向しかできな
く、また、図５Ｃの従来例３の場合、ワーク６のほぼ相
似形の変化にしか対応できないという問題点がある。

【００１２】さらに、各従来例の場合、当接体５のコー
ナ部の両側に直交する２面を有するため、回転方向の調
整が全くできないという問題点がある。

【００１３】本発明は、前記の点に留意し、左右方向，
前後方向及び回転方向等に対し、調整を容易にして位置
決めできるワーク位置決め装置を提供することを目的と
する。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のワーク位置決め装置は、平板状のベースの
両側の前側及び後側に上下に貫通して形成された側面用
移動孔と、ベースの前部及び後部に上下に貫通して形成
された前後面用移動孔と、ベースの上面に各側面用移動
孔毎に設けられ，平面が四角形のワークの側面のみに当
接する，側面用移動孔に嵌入しない大きさの側面用当接
体と、ベースの上面に各前後面用移動孔毎に設けられ，
ワークの前面及び後面のみに当接する，前後面用移動孔
に嵌入しない大きさの前後面用当接体と、ベースの下面
に，各移動孔毎に設けられた，各移動孔に嵌入しない大
きさの締付体と、各移動孔に挿通し，一端が各当接体又
は締付体に一体に固着され，他端が締付体又は各当接体
に螺合した移動杆とを備えたものである。

【００１５】従って、４個の側面用当接体の位置が側面
用移動孔により調整でき、少なくとも２個の前後面用当
接体の位置が前後面用移動孔により調整でき、ワークの
両側面にそれぞれ２個ずつの側面用当接体が当接し、ワ
ークの前面及び後面に前後面用当接体が当接するように
したため、ワークのコーナ部の形状に関係なく、ワーク
の左右，上下及び回転等各方向に対し、各当接体を容易
に調整でき、ワークの位置決めを行うことができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】実施の１形態につき、平面図の図
１，一部の切断正面図の図２及びベースの図３Ａを参照
して説明する。それらの図において、図４ないし図５と
同一符号は同一もしくは相等するものを示し、異なる点
はつぎのとおりである。

【００１７】７は左右方向の側面用移動孔であり、ベー
ス１の両側の前側及び後側に上下に貫通して形成されて
いる。８は前後方向の前後面用移動孔であり、ベース１
の前部及び後部の両側に上下に貫通して形成されてい
る。９はベース１の上面に側面用移動孔７毎に設けられ
た円柱状の側面用当接体であり、ワーク６の側面のみに
当接し、側面用移動孔７に嵌入しない大きさを有してい
る。

【００１８】１０はベース１の上面に前後面用移動孔８
毎に設けられた円板状の前後面用当接体であり、ワーク
６の前面及び後面のみに当接し、前後面用移動孔８に嵌
入しない大きさを有し、各移動孔７，８に、下端が円板
状の締付体３に固着された移動杆４が挿通され、移動杆
４の上端が各当接体９，１０に螺合している。

【００１９】そして、図４Ｂに示すように、ワーク６の
縦の長さをＬ、横の長さＷとし、当接体の直径をＤとし
た場合、前後面用移動孔８の中心の前後のピッチは、Ｌ
＋Ｄであり、側面用移動孔７の中心の左右のピッチは、
Ｗ＋Ｄである。

【００２０】つぎに、ワーク６の位置決めについて説明
する。従来と同様、各締付体３を緩め、各当接体９，１
０を外側方向に移動しておき、図１に示すように、ロボ
ット等に対し、最初のワーク６をベース１上の所定の位
置に載置し、各当接体９，１０を内側方向に移動し、ワ
ーク６の左側面及び右側面に側面用当接体９を当接し、
ワーク６の前面及び後面に前後面用当接体１０を当接
し、ワーク６を左右方向及び前後方向から点接触で挟み
込む。

【００２１】そして、前記形態の場合、前後面用移動孔
８を、ベース１の前部及び後部の両側に形成したが、図
３Ｂに示すように、ベース１の前部及び後部の中央に１
カ所だけ形成してもよい。

【００２２】さらに、各当接体９，１０の形状は図示に
限らず、四角形，三角形，半円形等であってもよく、こ
の場合、ワーク６へは面接触する。なお、各移動孔７，
８の形状も、各当接体９，１０，締付体３が各移動孔
７，８に嵌入しない大きさの丸孔であってもよい。

【００２３】また、移動杆４の下端を締付体３に固着
し、移動杆４の上端を各当接体９，１０に螺合するよう
にしたが、移動杆４の上端を各当接体９，１０に固着
し、移動杆４の下端を締付体３に螺合するようにしても
よく、この場合、締付体３はナットであってもよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、つぎに記載する効果を奏する。本発明のワ
ーク位置決め装置は、平板状のベース１の両側の前側及
び後側に側面用移動孔７を形成し、ベース１の前部，後
部に前後面用移動孔８を形成し、各側面用移動孔７毎に
側面用当接体９を設け、各前後面用移動孔８毎に前後面
用当接体１０を設け、各移動孔７，８に挿通した移動杆
４の一端を各当接体９，１０又は締付体３に一体に固着
し、移動杆４の他端を締付体３又は各当接体９，１０に
螺合するようにしたため、４個の側面用当接体９の位置
を側面用移動孔７により調整し、少なくとも２個の前後
面用当接体１０の位置を前後面用移動孔８により調整
し、ワーク６の両側面にそれぞれ２個ずつの側面用当接
体９を当接し、ワーク６の前面及び後面に前後面用当接
体１０を当接することができる。

【００２５】従って、ワーク６のコーナ部の形状に関係
なく、ワーク６の左右上下及び回転等各方向に対し、各
当接体９，１０を容易に調整することができ、ワーク６
の位置決めを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の１形態の平面図である。

【図２】図１の一部の切断正面図である。

【図３】Ａは図１のベースの平面図、Ｂは図１の変形例
の平面図である。

【図４】Ａは従来例１の斜視図、Ｂは図４Ａのワークの
平面図である。

【図５】Ａ，Ｂ，Ｃはそれぞれ従来例１，２，３の平面
図である。

【図６】Ａ，Ｂ，Ｃはワークの形状が異なった場合の一
部の拡大平面図である。

【符号の説明】

１ ベース ３ 締付体 ４ 移動杆 ６ ワーク ７ 側面用移動孔 ８ 前後面用移動孔 ９ 側面用当接体 １０ 前後面用当接体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平板状のベースの両側の前側及び後側に
   上下に貫通して形成された側面用移動孔と、 前記ベースの前部及び後部に上下に貫通して形成された
   前後面用移動孔と、 前記ベースの上面に前記各側面用移動孔毎に設けられ，
   平面が四角形のワークの側面のみに当接する，前記側面
   用移動孔に嵌入しない大きさの側面用当接体と、 前記ベースの上面に前記各前後面用移動孔毎に設けら
   れ，前記ワークの前面及び後面のみに当接する，前記前
   後面用移動孔に嵌入しない大きさの前後面用当接体と、 前記ベースの下面に，前記各移動孔毎に設けられた，前
   記各移動孔に嵌入しない大きさの締付体と、 前記各移動孔に挿通し，一端が前記各当接体又は前記締
   付体に一体に固着され，他端が前記締付体又は前記各当
   接体に螺合した移動杆とを備えたワーク位置決め装置。