JPH09149905A - 内視鏡用処置具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は操作部本体に対する外套シースと折止
めコイルの固定部の破損が防止できる内視鏡用処置具を
提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は外套シース５の基端部外周に折止
めコイル１１が取り付けられ、操作部本体４に外套シー
ス５と折止めコイル１１を固定した内視鏡用処置具にお
いて、前記操作部本体４に外套シース５の基端を突き当
てる突当て部１７を設けたものである。外套シース５の
基端を操作部本体４に突き当たることにより、外套シー
ス５に高荷重の圧縮力がかかった場合、その荷重は前記
突当て部１７にかかるため、その他の固定部等には高荷
重がかからなくでき、固定部等の破損を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、操作部本体に固定
した外套シースの基端部外周に折止め部材を被嵌した内
視鏡用処置具に関する。

【０００２】

【従来の技術】鉗子や高周波スネア等の種々の内視鏡用
処置具が提案されている。例えば実開平４−１２０７１
０号公報では鉗子を具体例とした内視鏡用処置具が示さ
れている。

【０００３】一般的な内視鏡用処置具は操作部本体に外
套シースを取り付け、外套シースの先端にはカップやス
ネアワイヤ等の処置部を設け、その外套シースの内部に
挿通した操作ワイヤを進退して処置部を操作するように
構成してある。また、外套シースの折れを防止するため
に、その外套シースの基端部外周には操作部本体に固定
された折止めコイルを被嵌してある。

【０００４】また、操作部本体に対しての外套シースの
取付け手段は折止めコイルの外周ピッチを利用して操作
部本体の接続孔に折止めコイルをねじ込むと共にその折
止めコイルの外周に塗布した接着剤によって固着するも
のである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この従来の取付け手段
では外套シースが折止めコイルを介して操作部本体に固
定されることになる。そして、外套シースと折止めコイ
ルに加わった荷重はその固定部に集中する。特に処置部
を作動させるために操作ワイヤを牽引する場合のように
外套シースに高荷重の圧縮力がかかると、この圧縮力が
外套シースと折止めコイルとの固定部に集中的にかかっ
てしまう。この圧縮力が繰り返し加わることにより、固
定部が緩んだり外れたりしてしまうという問題点があっ
た。

【０００６】本発明は前記課題に着目してなされたもの
で、その目的とするところは操作部本体に対する外套シ
ースと折止めコイルの固定部の破損が防止できる内視鏡
用処置具を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は外套シースの基
端部外周に折止め部材が取り付けられ、操作部本体に前
記外套シースと前記折止め部材を固定した内視鏡用処置
具において、前記操作部本体に前記外套シースの基端を
突き当てる突当て部を設けたものである。外套シースの
基端を操作部本体に突き当たることにより、外套シース
に高荷重の圧縮力がかかった場合、その荷重を前記突当
て部で受けるため、その他の固定部等には高荷重がかか
らなくすることができ、固定部等の破損を防止できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
第１実施形態を説明する。本発明は種々の内視鏡用処置
具に適用可能なものであるが、この実施形態ではその代
表として内視鏡用生検鉗子のものである。

【０００９】（構成）この生検鉗子１は操作部２と挿入
部３とからなり、操作部２は操作部本体４を備える。挿
入部３はコイルからなる外套シース５を備えてなり、外
套シース５は先端側に位置する軟質コイル６と操作部側
に位置する硬質コイル７とからなり、軟質コイル６と硬
質コイル７をレーザー溶接により同軸的に連結して構成
されている。軟質コイル６の先端にはカップ（処置部）
８が取着されている。カップ８は外套シース５内に挿通
した操作用ワイヤ９を進退することによって開閉される
ようになっている。

【００１０】操作部側硬質コイル７の手元端近傍部外周
には折止め部材として例えば折止めコイル１１が被嵌さ
れている。この折止めコイル１１はその先端側部分が疎
巻きコイル部１１ａであり、操作部本体側部分が密巻き
コイル部１１ｂとして形成されている。そして、折止め
コイル１１の操作部本体側における部分の密巻きコイル
部１１ｂが操作部本体４にねじ込んで取着されている。

【００１１】操作部本体４はその先端側に円筒状の形状
を呈した接続筒（先端側操作部本体）１２を設けてな
り、この接続筒１２の内孔１３の内周面中間部分には前
記折止めコイル１１の密巻き部１１ｂの外周をねじ込め
る雌ねじ部１４が形成されている。この雌ねじ部１４は
折止めコイル１１の密巻き部１１ｂをねじ込み、接着剤
等により固着されている。操作部側硬質コイル７と、こ
れに被嵌した折止めコイル１１の操作部本体側密巻きコ
イル部１１ｂの両者は、固着剤（半田付やろう付けや接
着剤等）により固定された固定部１５を形成している。

【００１２】そして、この固着状態において、外套シー
ス５の操作部側硬質コイル７の基端側は折止めコイル１
１の基端から基端側へ突き出して延出している。接続筒
１２の内孔１３の基端側はテーパ状に縮径され、前記操
作用ワイヤ９及びそのワイヤ９の基端外周に配設された
操作パイプ２０とを通す孔部分１６を残して端面を突当
て部１７として形成している。突当て部１７の径はその
操作部側硬質コイル７の基端部分の径と略等しく、突当
て部１７には硬質コイル７の基端部分ががたつくことな
く適合して位置決め状態で嵌合し、この状態で、外套シ
ース５の操作部側硬質コイル７の基端が突当て部１７の
端面に突き当る。このため、操作部側硬質コイル７が通
過できずに位置決めされた状態で取り付けられている。

【００１３】ところで、操作部側硬質コイル７と折止め
コイル１１との固定部の位置は操作部側硬質コイル７の
手元側端面から折止めコイル１１手元側端面までの距離
「Ｌ」が、前記突当て部１７の端面から雌ねじ部１４の
手元端までの距離「ｌ」より長くなるように寸法設定さ
れている。

【００１４】これにより、折止めコイル１１を接続筒１
２にねじ込むと、必ず硬質コイル７の手元側端が前記突
当て部１７の端面に突き当たるようになる。そして、操
作部側硬質コイル７の手元側端が突当て部１７の端面に
突き当たるまで、操作部側硬質コイル７と折止めコイル
１１をねじ込み、この部分を接着剤等により固着するよ
うにしている。

【００１５】また、接続筒１２は操作部本体４の先端に
嵌合されるとともに、この両者は溶剤や超音波等の溶着
により固定されている。操作部本体４には操作用スライ
ダ１８が進退自在に配設されている。操作用スライダ１
８には前記操作用ワイヤ９及び操作パイプ２０の手元端
が連結されている。操作部本体４の手元端には親指リン
グ１９が設けられている。

【００１６】（作用）この生検鉗子１を使用する場合に
は、カップ８を閉じた状態で、生検鉗子１の挿入部３を
内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿通し、カップ８の
部分を内視鏡先端から突き出して体腔内の目的部位に誘
導する。次に、操作用スライダ１８を進退することによ
り、カップ８を開閉して体腔内の組織を生検する。

【００１７】このカップ８を閉じるとき、操作用ワイヤ
９を牽引するため、先端側軟質コイル６及び手元側硬質
コイル７からなる外套シース５には高荷重の圧縮力がか
かるが、この圧縮荷重は前記手元側硬質コイル７の手元
端面が突き当てられた接続筒１２の突当て部１７の端面
で受け止められる。このため、他の接続部である特に固
定部１５に高荷重が集中的にかかるのを防止できる。

【００１８】（効果）前述したとおり、特に固定部１５
に高荷重が集中的にかかるのを防止できるため、繰り返
し荷重等による特に固定部１５の破損を未然に防止でき
る。

【００１９】なお、本発明は前述した実施形態のものに
限定されるものではなく、例えば前記実施形態における
外套シースや折止め部材はコイル状部材によってそれぞ
れ構成したが、弾性チューブ状のものであってもよいも
のである。また、外套シースの基端を突き当てる突当て
部についても、操作部本体の内孔の端面で形成するので
はなく、突起等の部分で形成するものでもよい。

【００２０】［付記］ (1) 外套シースの基端部外周に折止め部材が取り付けら
れ、操作部本体に前記外套シースと前記折止め部材を固
定した内視鏡用処置具において、前記操作部本体に前記
外套シースの基端を突き当てる突当て部を設けたことを
特徴とする内視鏡用処置具。

【００２１】(2) 外套シースの基端部外周に折止め部材
が取り付けられ、操作部本体に該折止め部材をねじ込む
と共に前記外套シースと前記折止め部材を操作部本体に
固定した内視鏡用処置具において、前記操作部本体に前
記外套シースの基端を突き当てる突当て部を設けたこと
を特徴とする内視鏡用処置具。

【００２２】(3) 操作部本体の突当て部の端面から折止
め部材の基端までの長さを、操作部本体の突当て端面か
ら折止め部材がねじ込まれる操作部本体のねじ部の基端
までの長さより、長くしたことを特徴とする付記第２項
に記載の内視鏡用処置具。

【００２３】(4) 前記折止め部材はコイル部材からなる
ことを特徴とする付記第１〜３項に記載の内視鏡用処置
具。(5) 前記操作部本体は外套シースの基端部を嵌挿す
る内孔を形成すると共に、前記内孔は前記外套シースの
基端部を嵌着するように形成したことを特徴とする付記
第１〜４項に記載の内視鏡用処置具。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、外
套シースに高荷重の圧縮力がかかった場合、その荷重は
前記突当て部でかかり、他の固定部等への負荷が軽減す
るため、繰り返し荷重等に対して高い耐久性を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の第１実施形態に係る内視鏡用
生検鉗子の要部を示す断面図、（ｂ）は本発明の第１実
施形態に係る内視鏡用生検鉗子の斜視図。

【符号の説明】

１…生検鉗子、２…操作部、３…挿入部、４…操作部本
体、５…外套シース、８…カップ（処置部）、９…操作
用ワイヤ、１１…折止めコイル、１２…接続筒（先端側
操作部本体）、１３…内孔、１５…固定部、１７…突当
て部、１８…スライダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外套シースの基端部外周に折止め部材が取
   り付けられ、操作部本体に前記外套シースと前記折止め
   部材を固定した内視鏡用処置具において、前記操作部本
   体に前記外套シースの基端を突き当てる突当て部を設け
   たことを特徴とする内視鏡用処置具。