JPH09149858A - 洗面化粧台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車椅子に座って使用する場合にも洗面ボール
底部が脚膝に当たりにくい洗面化粧台を提供する。 【解決手段】 キャビネット１の前面に車椅子３が挿入
可能な開口部２が形成されると共に、上面に洗面ボール
４が設けられた洗面化粧台において、洗面ボール４の奥
部を略鉛直方向に突設させて最下部５を形成し、該最下
部５から手前側に向かって傾斜面で立ち上げて洗面ボー
ル４裏面を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車椅子に座って使用す
るのに適した洗面化粧台に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のものとしては、図７に従
来例の車椅子に座って使用するのに適した洗面化粧台が
示されている。図７に示される洗面化粧台は、キャビネ
ットの上部に洗面ボール１０１を有するカウンターを形
成しており、キャビネットの手前と下方に開口部１０２
を形成しており、車椅子に座った状態で、前記開口部１
０２に脚膝を挿入して洗面化粧台を使用することを可能
としていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、洗面ボール１０１底部が略半球状であるため、車椅
子に座った状態で、前記開口部１０２に脚膝を挿入した
場合には、洗面ボールの底部が脚膝に当たり、車椅子を
奥の方まで入れることができないため、洗面化粧台の使
い勝手が悪いという不都合がある。本発明はこの点に鑑
みてなされたものであり、車椅子に座って使用する場合
に洗面ボール底部が脚膝に当たりにくい洗面化粧台を提
供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
洗面化粧台は、キャビネットの前面に車椅子が挿入可能
な開口部が形成されると共に、上面に洗面ボールが設け
られた洗面化粧台において、洗面ボールの奥部を略鉛直
方向に突設させて最下部を形成し、該最下部から手前側
に向かって傾斜面で立ち上げて洗面ボール裏面を形成し
て成ることを特徴とするものである。

【０００５】本発明の請求項２記載の洗面化粧台は、請
求項１記載の洗面化粧台において、洗面ボールの最下部
の高さを床面から５６５乃至６６５ミリメートルと成し
たことを特徴とするものである。

【０００６】本発明の請求項３記載の洗面化粧台は、請
求項１又は請求項２記載の洗面化粧台において、キャビ
ネットの前記開口部の両外側にカウンターを支持する上
下昇降可能な脚部を形成して成ることを特徴とするもの
である。

【０００７】本発明の請求項４記載の洗面化粧台は、請
求項３記載の洗面化粧台において、ジャッキを両脚部の
各々の下部に取り付けて成ることを特徴とするものであ
る。

【０００８】本発明の請求項５記載の洗面化粧台は、請
求項４記載の洗面化粧台において、キャビネットを縦方
向に三分割して左端キャビネット、中央キャビネット、
右端キャビネットとなし、前記両脚部を左端キャビネッ
ト及び右端キャビネットで構成し、左端キャビネット及
び右端キャビネットの両キャビネットの各々の下部を仕
切って仕切り板を形成し、該仕切り板と床面との間に空
間部を形成し、該空間部にジャッキを配置すると共に、
中央キャビネットを取り外し可能として成ることを特徴
とするものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一の実施形態であ
る洗面化粧台の断面図である。図２は同実施形態である
洗面化粧台の平面図である。図１及び図２に示されるよ
うに、キャビネット１の前面に車椅子３が挿入可能な開
口部２が形成されると共に、上面に洗面ボール４が設け
られた洗面化粧台において、洗面ボール４の奥部を略鉛
直方向に突設させて最下部５を形成し、該最下部５に隣
接して排水口を形成すると共に、前記最下部５から手前
側に向かって傾斜面で立ち上げて洗面ボール４裏面を形
成し、車椅子３に座ってキャビネット１の前記開口部２
に脚膝を挿入する際に、脚膝が洗面ボール４に当たりに
くい形状の洗面ボール４を備えている。

【００１０】この場合には、洗面ボール４の最下部５の
高さを床面から５６５乃至６６５ミリメートルとしてい
る。上限を６６５ミリメートルとしていることにより、
車椅子３に座ってキャビネット１の前記開口部２に脚膝
を挿入する際には、脚膝が洗面ボール４に当たらないよ
うにしてある。また下限を５６５ミリメートルとしてい
るのは車椅子３の高さを確保するためである。

【００１１】また、洗面ボール４はカウンター７と一体
的に成形されている。これにより洗面ボール４とカウン
ター７との接合部分が汚れ易く、掃除をしにくい等の不
都合がない。

【００１２】さらに、この洗面化粧台は、洗面ボール４
に隣接して入れ歯専用ボール６を備えており、入れ歯専
用ボール６の中に入れ歯を入れて洗浄することを可能と
している。

【００１３】入れ歯専用ボール６は直径１０センチメー
トル程度の小さなものであり、洗面ボール４に隣接して
これと一体的に形成されている。また、入れ歯専用ボー
ル６は蓋を備えており、入れ歯専用ボール６を使用しな
い場合は蓋で塞ぐことができると共に、入れ歯専用ボー
ル６の使用中においても蓋で塞ぐことにより、入れ歯が
他人の目につくことを防止でき、衛生的である。

【００１４】以下に、この洗面化粧台の使用方法につい
て説明する。車椅子３に座ってこの洗面化粧台を使用し
て洗顔等を行う場合には、車椅子３を移動させて、この
洗面化粧台の手前に位置させ、キャビネット１に形成さ
れた開口部２に脚膝を入れ、車椅子３を停止する。

【００１５】この場合、洗面ボール４の奥部を略鉛直方
向に突設させて最下部５を形成し、該最下部５に隣接し
て排水口を形成すると共に、前記最下部５から手前側に
向かって傾斜面で立ち上げて洗面ボール４裏面を形成し
ているため、洗面ボール４底部に脚膝が当たりにくい。

【００１６】この状態では、脚膝を入れて洗面化粧台に
近づくことができるため洗面化粧台の使い勝手がよい状
態で、洗顔等を行うことができる。

【００１７】また、車椅子３を使用する高齢者は、殆ど
の人が入れ歯をしているが、この洗面化粧台には、洗面
ボール４に隣接して入れ歯専用ボール６が設置されてい
るため、入れ歯専用ボール６の中に入れ歯を投入して、
入れ歯の洗浄を行うことができる。

【００１８】従って、入れ歯をコップ等の中に入れて洗
浄を行う必要がなく、また入れ歯専用ボール６中に入れ
歯を投入して、入れ歯専用ボール６に蓋をして入れ歯を
隠した状態で洗浄を行うことができるため、入れ歯が他
人の目につきやすい等の不都合がなく、簡易且つ衛生的
に入れ歯の洗浄を行うことができる。

【００１９】なお、洗面化粧台使用後は、車椅子３に座
った状態で、車椅子３を移動させて、キャビネット１に
形成された開口部２から脚膝を出して、希望する場所に
移動する。

【００２０】図３は本発明の別の実施形態である洗面化
粧台の正面図である。図４は同実施形態である洗面化粧
台の断面図であり、最下位置の状態である。図３及び図
４に示されるように、この洗面化粧台は、キャビネット
１の開口部２の両外側に上下昇降自在の脚部を形成し、
両脚部とカウンター７とを一体的に上下昇降させること
により洗面化粧台を上下昇降させるものであるが、この
場合は、キャビネット１を縦方向に三分割して左端キャ
ビネット１ａ、中央キャビネット１ｂ、右端キャビネッ
ト１ｃとなし、前記脚部を左端キャビネット１ａ及び右
端キャビネット１ｃで構成している。

【００２１】左端キャビネット１ａは、その下部を仕切
って仕切り板１３を形成し、仕切り板１３と断面略Ｌ字
状の台輪１１の底板１２との間に空間部１０を形成し、
該空間部１０に昇降手段としてのジャッキ８を配置して
いる。なお、台輪１１は釘等により常に床面に固定され
ており、左端キャビネット１ａ、中央キャビネット１
ｂ、右端キャビネット１ｃの下端にそれぞれ配置されて
いる。

【００２２】ジャッキ８は空間部１０内において、左端
キャビネット１ａの仕切り板１３と台輪１１の底板１２
とに固定されている。図３及び図４に示すように、左端
キャビネット１ａの仕切り板１３の前部には化粧板９ａ
がとりつけられている。該化粧板９ａは洗面化粧台を最
下位置から上に移動した場合に正面から見てジャッキ８
が露出しないようにこれを覆い隠すものである。

【００２３】このように、ジャッキ８を空間部７に納め
ることにより、左端キャビネット１ａの空間部７以外の
部分は収納スペースとして使用できるため、収納スペー
スを確保することができる。また、昇降手段としてジャ
ッキ８を使用することにより、洗面ボール４を上下昇降
させる際に微調整が可能である。

【００２４】左端キャビネット１ａは、仕切り板１３の
他に側板と扉を備えると共に前記空間７の前面を仕切り
板１３の前部に取り付けられた化粧板９ａで覆ってい
る。

【００２５】中央キャビネット１ｂは、左扉と右扉と左
端キャビネット１ａの側板と右端キャビネット１ｃの側
板から構成されており、左扉は左端キャビネット１ａの
側板に上下２個の丁番で取り付けられている。右扉は右
端キャビネット１ｃの側板に上下２個の丁番で取り付け
られている。従って、中央キャビネット１ｂには、空間
部７は形成されておらず、ジャッキ８は配置されていな
い。

【００２６】そして、中央キャビネット１ｂと中央キャ
ビネット１ｂの下に配置された台輪１１は取り外し可能
であり、これらを取り外すことにより、前記開口部２を
形成することとしており、この状態が図６に示される。
なお、中央キャビネット１ｂの左扉は左端キャビネット
１ａの側板に取り付けられた丁番を外すことにより、右
扉は右端キャビネット１ｃの側板に取り付けられた丁番
を外すことにより、取り外す事が出来る。台輪１１は釘
等を抜くことにより床面から取り外す事が出来る。

【００２７】図６は本発明の別の実施形態である洗面化
粧台の斜視図であり、中央キャビネット１ｂと中央キャ
ビネット１ｂの下に配置された台輪１１を取り外して開
口部２を形成した状態である。

【００２８】右端キャビネット１ｃは扉と仕切り板１３
と側板と化粧板９ｃとを備えており、左端キャビネット
１ａと略同様の構成としている。

【００２９】そして、左端キャビネット１ａと右端キャ
ビネット１ｃとの上部にカウンター７を取り付けてい
る。これにより、左端キャビネット１ａと右端キャビネ
ット１ｃとカウンター７とを一体として上下昇降させる
ものである。なお、洗面ボール４は図１に示すものと同
一のものを使用している。

【００３０】以下に、この洗面化粧台の使用方法につい
て説明する。車椅子３に座ってこの洗面化粧台を使用し
て洗顔等を行う場合には、先ず中央キャビネット１ｂと
中央キャビネット１ｂの下に配置された台輪１１を取り
外して下部のキャビネット１に開口部２を形成する。

【００３１】次いで、車椅子３を移動させて、この洗面
化粧台の手前に位置させ、開口部２に脚膝を入れ、車椅
子３を停止する。この際に洗面ボール４底部に脚膝が当
たることがなく、洗面ボール４が使い易いように、カウ
ンター７の高さを調整する。洗面洗面ボール４の高さ調
整は左端キャビネット１ａ下部のジャッキ８と右端キャ
ビネット１ｃ下部のジャッキ８を上下昇降させることに
より行う。ジャッキ８を上下昇降させることにより左端
キャビネット１ａと右端キャビネット１ｃとカウンター
７とを一体として上下昇降させることができる。なお、
左端キャビネット１ａ下部のジャッキ８と右端キャビネ
ット１ｃ下部のジャッキ８とはチェーンで繋いで連動さ
せてもよいし、それぞれ別個に動かしてもよい。

【００３２】例えば、洗面化粧台を最下位置の状態から
少し上に移動させた状態が図５に示される。図５は本発
明の別の同実施形態である洗面化粧台の断面図であり、
最下位置の状態から少し上の位置に移動させた状態であ
る。このように、ジャッキ８により、上下位置の微調整
が容易である。また洗面化粧台を最下位置の状態からに
移動させた場合にも化粧板９によりジャッキ８を覆うた
め、ジャッキ８が露出して、洗面化粧台の外観を損なう
ということもない。なお、洗面化粧台の配管にはフレキ
シブルなホース１４が使用され、洗面化粧台の上下位置
の移動に対処している。

【００３３】さらに、この上下昇降可能な洗面化粧台は
車椅子３に座って使用するのに便利であり、また車椅子
３に座って使用する場合に限られず、子供でも大人でも
使い勝手が良好であるとともに、使用者のライフステー
ジに合わせて使用することができる。

【００３４】また中央キャビネット１ｂは車椅子３に座
って使用しない時は、収納スペースとして活用でき、車
椅子３に座って使用する時にのみ中央キャビネット１ｂ
と中央キャビネット１ｂの下に配置された台輪１１を取
り外して開口部２を形成して使用できる。これにより収
納スペースを確保できると共に、必要に応じて容易に車
椅子３にも対応できるため、多目的に活用できる。

【００３５】なお、洗面化粧台使用後は、車椅子３にに
座った状態で、車椅子３を移動させて、下部のキャビネ
ット１に形成された開口部２から脚膝を出して、希望す
る場所に移動する。

【００３６】

【発明の効果】本発明の請求項１記載の洗面化粧台は、
洗面ボールの奥部を略鉛直方向に突設させて最下部を形
成し、該最下部から手前側に向かって傾斜面で立ち上げ
て洗面ボール裏面を形成しているため、車椅子に座って
使用する際に洗面ボール底部が脚膝に当たりにくいよう
な洗面化粧台を提供することができる。

【００３７】本発明の請求項２記載の洗面化粧台は、請
求項１記載の洗面化粧台の効果に加えて、洗面ボールの
最下部の高さを床面から５６５乃至６６５ミリメートル
としているため、車椅子に座って使用する際に洗面ボー
ル底部が脚膝に当たることはない。

【００３８】本発明の請求項３記載の洗面化粧台は、請
求項１又は請求項２記載の洗面化粧台の効果に加えて、
洗面ボールを上下昇降させることにより、車椅子に座っ
て使用する場合にさらに使い勝手を向上させることがで
きると共に、車椅子に座って使用する場合に限られず子
供でも大人でも使い勝手が良好であり、使用者のライフ
ステージに合わせて使用することができる。

【００３９】本発明の請求項４記載の洗面化粧台は、請
求項３記載の洗面化粧台の効果に加えて、昇降手段とし
てジャッキを使用することにより、洗面ボールを上下昇
降させる際に微調整が可能である。

【００４０】本発明の請求項５記載の洗面化粧台は、請
求項４記載の洗面化粧台の効果に加えて、中央キャビネ
ットは車椅子に座って使用しない時は、収納スペースと
して活用できる。これにより収納スペースを確保できる
と共に、必要に応じて容易に車椅子にも対応できるた
め、多目的に活用できる。さらに、ジャッキを空間部に
納めることにより、左端キャビネットと右端キャビネッ
トの空間部以外の部分は収納スペースとして使用できる
ため収納スペースを確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一の実施形態である洗面化粧台の断面
図である。

【図２】同上実施形態である洗面化粧台の平面図であ
る。

【図３】本発明の別の実施形態である洗面化粧台の正面
図である。

【図４】同上実施形態である洗面化粧台の断面図であ
り、最下位置の状態である。

【図５】同上実施形態である洗面化粧台の断面図であ
り、最下位置の状態から少し上の位置に移動させた状態
である。

【図６】同上実施形態である洗面化粧台の斜視図であ
り、開口部を形成した状態である。

【図７】従来例の洗面化粧台である。

【符号の説明】

１ キャビネット １ａ 左端キャビネット １ｂ 中央キャビネット １ｃ 右端キャビネット ２ 開口部 ３ 車椅子 ４ 洗面ボール ５ 最下部 ７ カウンター ８ ジャッキ １３ 仕切り板

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビネットの前面に車椅子が挿入可能
   な開口部が形成されると共に、上面に洗面ボールが設け
   られた洗面化粧台において、洗面ボールの奥部を略鉛直
   方向に突設させて最下部を形成し、該最下部から手前側
   に向かって傾斜面で立ち上げて洗面ボール裏面を形成し
   て成ることを特徴とする洗面化粧台。
2. 【請求項２】 洗面ボールの最下部の高さを床面から５
   ６５乃至６６５ミリメートルと成したことを特徴とする
   請求項１記載の洗面化粧台。
3. 【請求項３】 キャビネットの前記開口部の両外側にカ
   ウンターを支持する上下昇降可能な脚部を形成して成る
   ことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の洗面化粧
   台。
4. 【請求項４】 ジャッキを両脚部の各々の下部に取り付
   けて成ることを特徴とする請求項３記載の洗面化粧台。
5. 【請求項５】 キャビネットを縦方向に三分割して左端
   キャビネット、中央キャビネット、右端キャビネットと
   なし、前記両脚部を左端キャビネット及び右端キャビネ
   ットで構成し、左端キャビネット及び右端キャビネット
   の両キャビネットの各々の下部を仕切って仕切り板を形
   成し、該仕切り板と床面との間に空間部を形成し、該空
   間部にジャッキを配置すると共に、中央キャビネットを
   取り外し可能として成ることを特徴とする請求項４記載
   の洗面化粧台。