JP2715821B2 - 足洗器を有するキャビネット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は足洗器を有するキャビネ
ットに係り、特に、足洗いを容易に行なえる身体洗浄装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、手を洗ったり、洗顔するために
は、手洗器又は洗面器があり、一般家庭でも手洗カウン
ター又は洗面キャビネット等で十分に手洗いや洗顔が行
なえる。

【０００３】ところで、手洗いや洗顔とは別に、足を洗
うことは、汚れそのものの除去のみならず、 長時間歩行後等における疲労回復。 油性又は水虫などの皮膚疾患の人の症状改善。

【０００４】 冷水で足を洗うことによる暑気あたり
の回復。 温水で足を洗うことによる身体暖め効果（特に冷え
性の人には有効）。 といった様々な効果があり、手軽に足洗いをできるなら
ば、より一層快適な生活が送れる。

【０００５】しかし、従来の手洗カウンターや洗面キャ
ビネット等で足を洗うのは困難であり、通常は、浴室で
足を洗う必要があることから、足洗いが容易ではなかっ
た。

【０００６】このような足洗いの煩わしさを解消するも
のとして、本出願人は「所定高さ位置に台部を有し、且
つ少なくとも非使用時に該台部の下部空間内に収納状態
とされる足洗器と、該足洗器を働かせるための操作手段
とを有する足洗装置を備えていることを特徴とする足洗
装置付洗面台。」を出願した（特開平４−６１８３５号
公報）。

【０００７】この特開平４−６１８３５号公報の足洗装
置付洗面台であれば、洗面台にて足洗いをすることがで
き、非常に便利である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】特開平４−６１８３５
号公報の足洗装置付洗面台では、所定高さ位置に腰掛け
が設けられ、この腰掛けに腰を掛けて足を洗うよう構成
されているが、この腰掛けは下部キャビネットの内側面
に支持ロッドで支持されたものであるため、安定感に欠
けるという不具合がある。

【０００９】本発明は上記従来の問題点を解決し、椅子
に腰を掛けて足洗器を使用するときの安定感が良く、足
洗いを容易に行なえ、また、椅子収納時の一体感にも優
れる足洗器を有するキャビネットを提供することを目的
とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の足洗器を有す
るキャビネットは、座部、該座部を支承する複数の脚及
び該座部後方の立壁部を有する椅子と、該椅子の座部及
び脚部を収容する椅子収容部を備えたキャビネットと、
該椅子収容部内に設置された足洗器とを備えてなり、該
椅子の前脚同志の間に前記足洗器の少なくとも前部が入
り込み得るように該足洗器の少なくとも前部の幅員を椅
子の前脚間隔よりも小さくしたことを特徴とする。

【００１１】請求項２の足洗器を有するキャビネット
は、請求項１において、前記立壁部は前記椅子収容部の
入口部に嵌合する大きさ及び形状を有しており、且つこ
の立壁部の外観を該入口部に隣接するキャビネット前面
部の外観と合致させたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明の足洗器を有するキャビネットに設けら
れた椅子は、座部と、これを支承する複数の脚と、座部
後方の背もたれとなる立壁部とを備える椅子であるた
め、非常に安定感がある。

【００１３】この椅子は、キャビネットの椅子収容部に
収容され、その際、足洗器はその少なくとも前部が椅子
の前脚同志の間に入り込むものであるため、椅子及び足
洗器はキャビネット内にコンパクトに納められる。そし
て、単に、椅子を手前側に引き出すのみで、椅子と足洗
器とを対面させた状態とすることができるため、椅子に
腰掛けて、足を前方に出して足洗器内に差し込むことに
より、楽な姿勢で容易に足を洗うことができる。

【００１４】請求項２の足洗器を有するキャビネットで
は、椅子の立壁部はキャビネットの椅子収容部の入口部
に嵌合する大きさ及び形状を有しており、且つ、その外
観はこの入口部に隣接するキャビネット前面部の外観と
合致させてあるため、椅子収容時のキャビネット前面の
一体感に優れ、見栄えが良い。

【００１５】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
いて詳細に説明する。

【００１６】第１図は本発明の一実施例を示す一部切り
欠き斜視図、第２図はその椅子収納状態を示す正面図で
ある。

【００１７】第１、２図に示すキャビネット１は、本発
明を洗面キャビネットに適用したものであって、カウン
ター２には洗面器３と水栓４とが設けられている。な
お、第１、２図において、給水配管や排水配管は図示を
省略してある。

【００１８】カウンター２の下部、即ち、キャビネット
１の側板１Ａ，１Ｂ間は椅子収容部５となっており、こ
の椅子収容部５の奥側の壁面に接するように、足洗器６
が配置されている。

【００１９】この足洗器６は、足を収容する容器６Ａ
と、この容器６Ａ内に吐水する吐水ノズル６Ｃと、排水
口６Ｄと、水飛散防止のためのカバー６Ｂとで主に構成
されている。

【００２０】椅子７は、座部７Ａと、座部を支承する４
本のキャスター付きの脚７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ（ただ
し、脚７ｃは図示せず。また、７ｄは前脚である。）
と、座部７Ａの後方の立壁部７Ｂとで主に構成され、こ
の立壁部７Ｂにはタオル掛けを兼ねたグリップ７Ｃが設
けられている。

【００２１】本実施例のキャビネットにおいては、足洗
器６Ａの足収容用容器６Ａは、その手前側の幅員が椅子
７の前脚７ａ、７ｄの間隔よりも小さくとられており、
椅子７をキャビネット１の椅子収容部５に収納した際、
第１図の破線で示す如く、椅子７の前脚７ａ、７ｄが足
洗器６の容器６Ａの手前側の部分に跨がり、容器６Ａの
手前側部分が椅子７の座部７Ａの下方に位置するように
構成されている。

【００２２】なお、椅子７の立壁部７Ｂの下部には蹴込
み７Ｄが設けられており、洗面器３の使用時に、足がつ
かえないように構成されている。

【００２３】このようなキャビネットであれば、椅子７
のグリップ７Ｃを持って手前側に引き出し、この椅子７
に腰掛けて足を足洗器６の容器６Ａに入れ、吐水ノズル
６Ｃから湯又は水を吐水させて、楽な姿勢で足を洗うこ
とができる。

【００２４】足を洗った後は、椅子７をキャビネット１
の椅子収容部５に押し込み、通常の洗面キャビネットと
して使用することができる。その際、椅子７は、キャビ
ネット１の側板１Ａ、１Ｂの前縁に対して、立壁部７Ｄ
の前面が面一となるようにぴったりと納まるため、見栄
えが良い。

【００２５】なお、足洗器６の吐水ノズルの操作部は、
水栓４と共用としても良く、別途、カウンター上或いは
側板内面又は外面に設けても良く、また、足洗器の適当
箇所に設けたフットスイッチであっても良い。

【００２６】第３図は本発明の足洗器を有するキャビネ
ットの他の実施例を示す椅子収容部の一部切り欠き斜視
図である。

【００２７】本実施例の足洗器を有するキャビネットに
おいて、キャビネット１１の椅子収容部１５に配設され
た足洗器１６は、その全体の幅員が、破線で示す椅子の
前脚１７ａ、１７ｄの間隔よりも小さく構成されてお
り、図示しない椅子は、その収納時にあっては、キャビ
ネット１１の奥側の壁面近傍にまで押し込まれるように
構成されている。

【００２８】なお、このキャビネット１１には底板１８
が設けられている。この底板１８と床面Ｆとの間には段
差があるが、この底板１８の椅子のキャスター付きの脚
１７ａ〜１７ｄが通る手前側両端部は傾斜面１８Ａ、１
８Ｂとされており、キャスター付きの脚１７ａ〜１７ｄ
を円滑に走行させることができ、椅子を容易に引き出
し、また、押し込むことができるように構成されてい
る。

【００２９】このキャビネット１１においても、足を洗
う際には椅子を椅子収容部１５から引き出し、この椅子
に腰掛けて足を足洗器１６の容器１６Ａに入れ、楽な姿
勢で足を洗うことができる。そして、足を洗った後は、
椅子を椅子収容部１５に押し込んで収納しておくことが
できる。なお、図中、１６Ｂは、足洗器１６の水飛散防
止用のカバー、１６Ｃは吐水ノズル、１６Ｄは排水口で
ある。

【００３０】第４図は本発明の更に別の実施例を示す足
洗器を有するキャビネットの斜視図である。本実施例の
キャビネット２１は、長尺のカウンター２２の正面向っ
て右側に洗面器２３及び水栓２４が設けられ、かつ、こ
の洗面器２３の下部は収納部となっており、その前面に
扉３１が設けられている。

【００３１】一方、キャビネット２１の正面向って左側
の部分は、カウンター２２の下部に椅子収容部５が形成
され、足洗器６が設置されると共に椅子７が出し入れ可
能に設けられている。なお、この椅子収容部５、足洗器
６及び椅子７の構成は第１図に示すキャビネットのもの
と同様であるので、同一機能を奏する部材に同一符号を
付して、その説明を省略する。

【００３２】このキャビネット２１においても、椅子７
を引き出して足洗器６で容易に足を洗うことができる。
また、足を洗った後は、第４図の２点鎖線７′の如く、
椅子７を椅子収容部５に押し込めておくことができる。

【００３３】本実施例においても、椅子７の立壁部７Ｂ
の大きさ及び形状は椅子収容部５の入口部にぴったりと
嵌合するように構成されている。

【００３４】本実施例においては、立壁部７Ｂの外観を
隣接する収納部の扉３１等の外観と合致させており、キ
ャビネット２１の本体部と、収納された椅子７との一体
感に優れ、見栄えが良い。外観を一致させるためには、
材質や色調、模様を合致させれば良い。

【００３５】なお、図示の実施例はいずれも本発明の一
実施例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何
ら図示のものに限定されるものではない。

【００３６】例えば、椅子はキャスター付き脚部により
移動させるものに限らず、ガイドレール等に沿って引き
出すようにするものであっても良い。また、キャスター
等の可動手段を有さず、単に床面を滑らせて出し入れす
るものであっても良い。

【００３７】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の足洗器を有
するキャビネットによれば、安定感のある椅子に腰掛け
て楽な姿勢で容易に足を洗うことができる。しかも、こ
の椅子は、非使用時にはキャビネット内にコンパクトに
納めることができる。

【００３８】請求項２の足洗器を有するキャビネットで
は、椅子収容時のキャビネット前面の一体感に優れ、見
栄えが良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の足洗器を有するキャビネットの一実施
例を示す一部切り欠き斜視図である。

【図２】図１に示す足洗器を有するキャビネットの椅子
収納状態を示す正面図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す要部の一部切り欠き
斜視図である。

【図４】本発明の足洗器を有するキャビネットの別の実
施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，１１，２１ キャビネット ２，２２ カウンター ３，２３ 洗面器 ４，２４ 水栓 ５，１５ 椅子収容部 ６，１６ 足洗器 ７ 椅子 ７Ａ 座部 ７Ｂ 立壁部 ７Ｃ グリップ ７ａ，７ｂ，７ｄ，１７ａ〜１７ｄ キャスター付きの
脚

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 座部、該座部を支承する複数の脚及び該
   座部後方の立壁部を有する椅子と、該椅子の座部及び脚
   部を収容する椅子収容部を備えたキャビネットと、該椅
   子収容部内に設置された足洗器とを備えてなり、 該椅子の前脚同志の間に前記足洗器の少なくとも前部が
   入り込み得るように該足洗器の少なくとも前部の幅員を
   椅子の前脚間隔よりも小さくしたことを特徴とする足洗
   器を有するキャビネット。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記立壁部は前記椅
   子収容部の入口部に嵌合する大きさ及び形状を有してお
   り、且つこの立壁部の外観を該入口部に隣接するキャビ
   ネット前面部の外観と合致させたことを特徴とする足洗
   器を有するキャビネット。