JPH09149718A - 作業機 - Google Patents

作業機

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JPH09149718A
JPH09149718A JP31209295A JP31209295A JPH09149718A JP H09149718 A JPH09149718 A JP H09149718A JP 31209295 A JP31209295 A JP 31209295A JP 31209295 A JP31209295 A JP 31209295A JP H09149718 A JPH09149718 A JP H09149718A
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control
operated
lever
seedling planting
clutch
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Tatsuji Ochi
竜児 越智
Kenji Fujii
藤井  健次
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの異常を即時に停止させ、再
度そのアクチュエータを作動させない作業機を構成す
る。 【解決手段】 複数の作動対象を目標方向に作動させる
電気式の制御装置81を備え、夫々の作動対象の作動状
況を把握する判別手段を備え、作動対象が目標方向と逆
方向に作動したことを示す信号を判別手段で把握した際
には、その作動対象の作動を停止し、その作動対象を作
動させる設定器とフィードバックセンサとを特定するデ
ータをメモリ83に保持する特定手段を備え、作動対象
を作動させる状況下において、設定器とフィードバック
センサとを特定するデータがメモリ81に保持されてい
る場合には、その作動対象の作動を阻止する作動規制手
段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業機に関し、詳
しくは、作業機に備えたアクチュエータの異常作動を阻
止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】田植機の苗植付装置を例に挙げると、苗
植付装置は油圧シリンダ(アクチュエータ)の駆動力に
よって昇降自在に構成されると共に、この苗植付装置の
昇降を行う動作として、フロートの目標姿勢を決める設
定器からの設定信号と、圃場面に接地するフロートの姿
勢を計測するセンサからのフィードバック信号とが釣り
合うよう油圧シリンダに対する制御弁を操作する昇降制
御と、人為操作レバーで操作される設定器からの設定信
号と苗植付装置の対機体高さを計測するセンサからのフ
ィードバック信号とが釣り合うよう油圧シリンダに対す
る制御弁を操作する昇降制御とに切換え得るよう構成さ
れ、従来、油圧シリンダが逆方向に作動したことを前記
フィードバック用のセンサで検出した場合には油圧シリ
ンダの作動を停止するよう制御動作を設定したものが提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】又、従来例のようにア
クチュエータが逆方向に作動する等の異常作動時にアク
チュエータの作動を停止するものではアクチュエータが
実際に作動した後に異常を検出して作動を停止するの
で、作業者がアクチュエータを作動させようとして繰り
返して操作することもある。又、このような操作を行っ
た場合には、操作の都度アクチュエータが少しずつ作動
して停止する結果、アクチュエータを復元方向に操作す
るために手間が掛かること、あるいは、故障であること
に気付くまでに時間が掛かることもあり改善の余地があ
る。尚、このような異常作動は制御信号を送る信号系の
コネクタの接続不良、短絡等の制御信号系の異常に起因
して多く発生する。
【0004】本発明の目的は、作動対象が逆方向に作動
した際には、作動対象の作動を確実に停止させて作業者
に異常状態を容易に認識させ得る作業機を合理的に構成
する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、複数の
作動対象を目標方向に作動させる電気式の制御装置を備
えると共に、夫々の作動対象の作動状況を把握する判別
手段を備え、作動対象が目標方向と逆方向に作動したこ
とを示す信号を判別手段で把握した際には、その作動対
象の作動を停止させ、かつ、その作動対象を特定するデ
ータ、あるいは、その作動対象を作動させる設定系とフ
ィードバック系とを特定するデータを記憶手段に保持す
る特定手段を備え、作動対象を作動させる状況下におい
て、その作動対象を特定するデータ、あるいは、その作
動対象を作動させる設定系とフィードバック系とを特定
するデータが記憶手段に保持されている場合には、その
作動対象の作動を阻止する作動規制手段を備えている点
にあり、その作用は次の通りである。
【0006】〔作用〕上記特徴によると、制御装置の制
御時に作動対象が目標方向と逆方向に作動した場合には
判別手段が異常作動を把握し、この把握結果に基づいて
作動停止手段が作動対象の作動を停止すると共に、その
作動対象を特定するデータあるいは、その作動対象を作
動させる設定系とフィードバック系とを特定するデータ
を記憶手段に保持するものとなり、この保持の後に、そ
の作動対象を作動させる状況が発生した際には記憶手段
に保持されたデータに基づいて、その作動対象、あるい
は、その作動対象を作動させる設定系とフィードバック
系が特定され作動規制手段が作動を阻止するものとな
る。つまり、作動対象が逆方向に作動する状況を判別し
た場合には、一時的に逆方向への作動を許すものの、保
持されたデータに基づいて、その作動対象の再作動を確
実に阻止するものとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング
操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2
を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共
に、この走行機体3の後部にエンジン4からの動力が伝
えられる静油圧式の無段変速装置5、及び、ミッション
ケース6を配置し、又、走行機体3の中央部に運転座席
7を配置し、走行機体3の後端部に対しアクチュエータ
としてのリフトシリンダ8で駆動昇降するリンク機構9
の後端位置に前後向き姿勢のローリング軸芯X周りで姿
勢変更自在に作業装置としての苗植付装置Aを連結し、
又、走行機体3の前部の両側部にラインマーカ10を備
えて作業機としての田植機を構成する。
【0008】前記苗植付装置Aは苗載せ台11に載置さ
れたマット状苗Wを機体の走行速度と同期して回転する
ロータリケース12に備えた植付アーム13によって切
出して圃場面Sに植え付ける作動を行う系を備えると共
に、下部に複数の整地フロート14を備えて8条植え用
に構成され、又、この苗植付装置Aの後部位置に苗植付
作動と同期して圃場面S下に肥料を供給する施肥装置B
を備えている。尚、前記ラインマーカ10は先端が圃場
面Sに突入する姿勢に倒伏して圃場面Sに溝を形成し得
る作用姿勢と圃場面Sから上方に離間する非作用とに切
換自在に構成されている。尚、作用姿勢にあるラインマ
ーカ10は苗植付装置Aの上昇限界までの上昇操作と連
動して非作用姿勢に切換えられる(操作系は詳述せ
ず)。
【0009】図4に示すように、複数の整地フロート1
4は後部位置に形成された横向き軸芯Y周りで揺動自在
に苗植付装置Aの側に支持され、これらのうち左右方向
での中央位置の整地フロート(以下、センタフロート1
4Cと称する)は、植付深さ調節軸15に一体形成した
アーム状部材16の揺動端に対して前記軸芯Y周りで揺
動自在に支持されると共に、その前部を下方に向けて付
勢する感知圧設定用のバネ17を備え、又、該センタフ
ロート14Cと一体揺動するアーム18とフロートセン
サ19の操作アーム19Aとをロッド20を介して連係
することで該フロート14Cの揺動姿勢をフロートセン
サ19で計測できるよう構成されている。更に、植付深
さ調節軸15を回動操作した場合に感知圧設定用のバネ
17の付勢力を維持するようバネ受け側の位置を維持
し、かつ、該フロート14Cの姿勢をフロートセンサ1
9で正確に検出するようフロートセンサ19の操作アー
ム19Aの軸芯周りでのフロートセンサ19のケースの
姿勢を補正する補正リンク21を備えている。又、この
フロートセンサ14Cは苗植付装置Aを圃場面Sの高さ
変化に追従させて自動昇降する制御時(以下、自動昇降
制御と称する)に圃場面Sに対する苗植付装置Aの高さ
を制御系にフィードバックする機能を有する。
【0010】図1,図2,図5に示すように、前記運転
座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降制御とミッション
ケース6に内蔵された植付クラッチCの入り切り操作と
を行う昇降レバー24を備えると共に、運転座席7の前
方位置のステアリングハンドル25の左側部には前記無
段変速装置5を変速操作する主変速レバー26を備え、
運転座席7の左側部には前記ミッションケース6の内部
のギヤ変速系を変速操作する副変速レバー27を備え、
ステアリングハンドル25のポスト部の右側部には強制
的な苗植付装置Aの昇降と前記ラインマーカ10の作用
姿勢への切換とを行う切換レバー28(操作具の一例)
を備え、パネル部29の右側部にはエンジン4の回転数
を設定するアクセルレバー30を備えている。
【0011】前記昇降レバー24は、図10に示すよう
にガイド31に形成された経路に沿って操作自在に構成
され、該昇降レバー24を経路内の「下降」位置より前
方側に設定すると苗植付装置Aを下降させ、「上昇」位
置より後方側に設定すると苗植付装置Aを上昇させ、
「中立」位置に設定すると苗植付装置Aをそのレベルに
維持し、又、該昇降レバー10を「入」位置に設定する
と植付クラッチCを入り操作すると共に、苗植付装置A
に備えたセンタフロート14Cが接地する状態で所定の
対圃場高さを維持する自動昇降制御を可能にし、「切」
位置に設定すると植付クラッチCを切り操作し、更に、
該昇降レバー24を「自動」位置に設定すると前記切換
レバー28の操作に従って苗植付装置Aの昇降を許容す
ると同時に苗植付装置Aの上昇時には植付クラッチCを
自動的な切り操作を可能にするものであり、その基端部
には該レバー24の操作位置を検出するポテンショメー
タ型の昇降レバーセンサ32を備えている。
【0012】前記主変速レバー26は図2,図6に示す
ように、中立位置Nを挟んで前進位置Fと後進位置Rと
の間で無段階に操作自在に構成され、この主変速レバー
26の基端には操作位置を計測するポテンショメータ型
の主変速レバーセンサ33を備えている。又、前記副変
速レバー27は図2に示すように、後方側で苗植付作業
に適した低速の走行速度を得る「植付」位置と、前方側
で路上での移動に適した高速の走行速度を得る「移動」
位置とに切換操作自在に構成され、この副変速レバー2
7を「植付」位置に操作したことを検出する副変速スイ
ッチ34を備えている。又、切換レバー28は図5に示
すように、略水平姿勢となる中立位置Nにバネ(図示せ
ず)で復帰するよう付勢されると共に、この中立位置N
を基準にその端部を上方に変位させた姿勢の上昇位置U
と、その端部を下方に変位させた姿勢の下降位置Dと、
この下降位置Dを基準にして端部を後方に変位させた右
マーカ操作位置Rと、その端部を前方に変位させた左マ
ーカ操作位置Lとに操作自在に構成され、該切換レバー
28を下降位置Dに操作して苗植付装置Aを作業高さま
で下降させた後に、再度、切換レバー28を下降位置D
に操作した場合には植付クラッチCを入り操作するもの
となっており、基端部には上昇位置Uに操作されたこと
を検出する上昇用の切換レバースイッチ35と下降位置
Dに操作されたことを検出する下降用の切換レバースイ
ッチ35とを備えている。尚、この切換えレバー28の
基端部には該レバーが左右のマーカ操作位置L,Rに操
作されたことを検出するスイッチを備えているが図示し
ない。前記アクセルレバー30は同図に示すように、高
速限界位置Maxと低速限界位置Minとの間で無段階
に操作できるよう構成され、その基端部には操作位置を
計測するポテンショメータ型のアクセルセンサ36を備
えている。
【0013】図6に示すように、パネル部29の左側部
には自動昇降制御の制御感度を設定するようダイヤル3
9Aで回動操作されるポテンショメータ型の制御感度設
定器39を備え、下部の左位置にはノブ40Aで押し操
作される車速制御スイッチ40を備え、下部の右位置に
はキー(図示せず)で回動操作されるエンジン4の始動
と電気回路の通電とを行うキースイッチ38を備え、中
央位置には表示部を形成している。前記制御感度設定器
39は図8に示すように、「1」〜「7」との7段の位
置に操作自在に構成され、小さい数字の側に操作するほ
ど軸芯Y周りでのセンタフロート14Cの目標姿勢を前
下がり側に変更して感知圧設定用のバネ17の付勢力を
低下させ、低い感知圧で感度の高い自動昇降制御を行
い、逆に、大きい数字の側に操作するほど軸芯Y周りで
のセンタフロート14Cの目標姿勢を前上がり側に変更
して感知圧設定用のバネ17の付勢力を上昇させ、高い
感知圧で低い感度の自動昇降制御を行わせるよう機能す
る。
【0014】前記表示部には図6,図7に示すように、
燃料の残量を指針の位置で表示する燃料メータ41、及
び、ブザー42を備えると共に、5つのランプ43Aの
点灯数からエンジン4の回転速度を示す回転数表示機構
43と、前記施肥装置Bの肥料の残量低下時に点灯する
「肥料切れ」ランプ44と、苗載せ台11に載置したマ
ット状苗Wの残量の低下時に点灯する「苗切れ」ランプ
45と、苗植付装置Aの植付作動条数を減ずるための各
条クラッチ(図示せず)を切り操作した際に点灯する
「あぜぎわ」ランプ46と、植付クラッチCが切り状態
にある際に点灯する「植付け」ランプ47とを備え、前
記ラインマーカ10が作用姿勢にある場合に、左右一対
のものの一方を点灯させ、何れのラインマーカ10も作
用姿勢にない場合には中央位置のものを点灯させるマー
カランプ48を備えている。又、昇降レバー24が「自
動」位置にある場合に点灯する「オート」ランプ49
と、苗植付装置Aが作業高さにあり、副変速レバー27
が「植付」位置にあり、主変速レバー26が前進域若し
くは後進域にあり、リンク機構9が上限以外に姿勢にあ
って自動ローリング制御が可能な状態にある場合に点灯
する「ローリング」ランプ50と、車速制御スイッチ4
0がON状態でエンジン回転数が2000rpm以上に
なるようアクセルレバー30が設定されソフトクルーズ
が可能な状態にある場合に点灯する「クルーズ」ランプ
51と、車速制御スイッチ40がON状態で切換レバー
28の操作で苗植付装置Aを上限まで上昇させた際に走
行速度が自動的に減じられ、かつ、植付クラッチCが切
り状態に達した際に点灯する「自動減速」ランプ52と
を備え、又、これらの下方位置には4桁の数字とアルフ
ァベットを表示できる液晶ディスプレイ53を備えてい
る。尚、夫々の制御動作については後述する。
【0015】図9に示すように、運転座席7の右側部に
備えたコントロールボックス56の表面にはダイヤル5
7Aで操作されるパネル表示スイッチ57と、ダイヤル
58Aで設定されるローリング角設定器58と、ノブ5
9Aで操作されるローリングスイッチ59とを備えてい
る。
【0016】図2に示すように、エンジン4からの動力
を主クラッチD、及び、伝動軸60を介して前記無段変
速装置5に伝える伝動系が形成されると共に、この無段
変速装置5の後面に前記ミッションケース6を連結し、
このミッションケース6からの変速動力を後車輪2に対
する差動ケース部61に伝える伝動系を形成し、走行用
の変速動力を中間伝動軸62を介して前車輪1の差動ケ
ース63に伝える伝動系が形成されている。又、エンジ
ン4の出力軸の近傍位置にエンジン4の回転数を計測す
る回転数センサ64を備え、前記主クラッチDはステッ
プに備えた主クラッチペダル65の踏み込み操作で切り
操作され、踏み力を開放することで入り状態に復帰する
よう構成され、この主クラッチペダル65の操作位置か
ら主クラッチDの状態を判別するよう入り検出用と切り
検出用の主クラッチスイッチ66,66が備えられてい
る。
【0017】又、無段変速装置5の変速操作用のトラニ
オン軸67の変速アーム67Aと電動型の変速モータ6
8とセクタギヤ85、操作ロッド86を連動連係してあ
り、セクタギヤ85の姿勢から無段変速装置5の変速状
態を計測するポテンショメータ型の変速センサ69を備
え、植付クラッチCは電動式のクラッチモータ70で入
り切り操作自在に構成されると共に、近傍位置に入り状
態検出用と切り状態検出用とのクラッチスイッチ71,
71を備え、リンク機構9は上部のトップリンク9Tと
下部のロアーリンク9Lとで構成されると共に、トップ
リンク9Tの揺動姿勢から苗植付装置Aの高さを計測す
るポテンショメータ型のリンクセンサ80を基端部に備
えている。
【0018】図4に示すように、トップリンク9Tの後
端とロアーリンク9Lの後端とに連結する縦リンク9V
の下端に形成した支持部に対して苗植付装置Aが前記軸
芯X周りでローリング自在に支持されると共に、この縦
リンク9Vの上部位置のフレーム72に対して回動自在
に支承したネジ軸73を正逆方向に駆動する電動型のロ
ーリングモータ74を備え、このネジ軸73に螺合する
ナット部材75と、苗植付装置Aの反苗載せ面の側に配
置した縦フレーム76との間に操作ロッド77と操作バ
ネ78を介装してナット部材75の左右方向への移動で
苗植付装置Aをローリング自在に構成してある。又、軸
芯X周りでの苗植付装置Aのローリング姿勢を検出する
よう重錘の姿勢を計測するポテンショメータを有するロ
ーリングセンサ79を備えている。
【0019】図1に示すように、運転座席7の下方位置
にマイクロプロセッサ(図示せず)を備えた制御装置8
1を配置してあり、この制御装置81の制御系は図11
に示すように構成され、この制御系では制御装置81に
対して前記スイッチ類、前記センサ類からの信号が入力
する入力系が形成されると共に、前記リフトシリンダ8
を制御する電磁式の昇降バルブ82、前記クラッチモー
タ70、前記ローリングモータ74、前記変速モータ6
8、前記パネル表示系に対する出力系が形成され、又、
センサ類の補正値を保持するEEPROM型のメモリ8
3(記憶手段の一例)に対する入出力系が形成され、こ
の制御系では作動対象が逆方向に作動したことを示す状
況が把握された場合には、その作動を停止すると共に、
その作動対象に係わる設定系(設定器の類)と、フィー
ドバック系(リンクセンサ等)と、作動対象となるアク
チュエータ若しくはドライバ、制御バルブ等を特定する
メモリ83に書込み、エンジン4を一端停止させた後で
もメモリに83に書き込まれた設定系とフィードバック
系とで作動対象を作動させる制御を行おうとした場合に
は、事前にその作動を阻止する動作が設定され、苗植付
装置Aの昇降系を例に挙げて、その制御動作を以下に説
明する。
【0020】図12のフローチャートに示すように、作
動対象が逆方向に作動したことを示す信号が発生した際
に処理を行うための判別ルーチンが構成され、この判別
ルーチンではレバー等の操作具が操作された場合のよう
に、電動モータ、リフトシリンダ8等のアクチュエータ
を作動させる条件が成立した場合には作動モード(設定
系とフィードバック系とアクチュエータ等との組合せ)
をレジスタ(制御装置81のマイクロプロセッサ内に存
在する)にセットすると共に、アクチュエータを作動さ
せるための信号が出力された後に、フィードバック信号
を入力して作動方向を判別する(#101〜#107ス
テップ)。
【0021】次に、作動方向が逆方向である場合には、
設定系とフィードバック系とを特定するコードをメモリ
83に書込み、更に、その制御作動を停止させる停止コ
ードをレジスタにセットする(#108,#109ステ
ップ)作動を行う。この作動をアクチュエータの作動時
に並列的に行うよう動作が設定されたものであり、設定
系とフィードバック系とを特定するコード(制御モード
を特定し得るコード)がメモリ83に書込まれた場合に
は、その制御モードでのアクチュエータの作動を事前に
阻止し、停止コードがレジスタにセットされた場合には
制御モードの作動を中断するよう制御ルーチンがセット
されている。又、この制御動作で#102〜#107ス
テップで判別手段Eが構成され、#108ステップで特
定手段Fが構成されている。
【0022】手動昇降ルーチンは図13のフローチャー
トに示すように、昇降レバーセンサ32からの信号の判
別で昇降レバー24が「入」位置にある場合には、クラ
ッチスイッチ71からの信号に基づいて該クラッチCが
切り状態にある場合にのみクラッチモータ70で該クラ
ッチCを入り操作し、又、昇降レバー24が「下降」位
置にある場合には、クラッチスイッチ71からの信号に
基づいて該クラッチCが入り状態にある場合にのみクラ
ッチモータ70で該クラッチCを切り操作する植付クラ
ッチCの操作処理を行う(#201〜#203ステッ
プ)。
【0023】次に、レジスタの内容を参照して、現在の
制御モードに対応する停止コードが存在せず、メモリ8
3の内容を参照して現在の制御モードに対応するモード
コードが存在しない場合にはフロートセンサ19からの
信号に基づいて作業高さにない場合には苗植付装置Aが
作業高さに達するまで昇降バルブ82を操作して苗植付
装置Aを下降させる(#204〜#207ステップ)。
【0024】次に、昇降レバーセンサ32からの信号の
判別で昇降レバー24が「中立」位置にある場合には、
クラッチスイッチ71からの信号に基づいて該クラッチ
Cが入り状態にある場合にのみクラッチモータ70で該
クラッチCを切り操作する植付クラッチCの操作処理の
みを行い(#208,#209ステップ)、次に、昇降
レバーセンサ32からの信号の判別で昇降レバー24が
「上昇」位置にある場合には、クラッチスイッチ71か
らの信号に基づいて該クラッチCが入り状態にある場合
にのみクラッチモータ70で該クラッチCを切り操作す
る植付クラッチCの操作処理を行い、レジスタの内容を
参照して、現在の制御モードに対応する停止コードが存
在せず、メモリの内容を参照して現在の制御モードに対
応するモードコードが存在しない場合には(#210〜
#213ステップ)、リンクセンサ80からの信号に基
づいて苗植付装置Aが上限にない場合に昇降バルブ82
を操作して該苗植付装置Aを上限まで上昇させる制御を
行う(#214,#215ステップ)。
【0025】又、レジスタの内容を参照した結果、現在
の制御モードに対応する停止コードが存在する場合、メ
モリ83の内容を参照した結果、現在の制御モードに対
応するモードコードが存在する場合(#204,#20
5,#212,#213ステップ)及び、下降作動によ
って苗植付装置Aが作業高さまで下降した場合、上昇作
動によって苗植付装置Aが上限まで上昇した場合にはバ
ルブ82を中立位置に操作して苗植付装置Aの昇降を停
止するものとなっている(#216ステップ)。尚、作
業高さとは苗植付装置Aが上限にある場合のフロートセ
ンサ19の信号値と比較してセンタフロート14Cが接
地した結果、該フロートセンサ19の値が所定以上変化
した状態を云う。尚、この制御動作のうち#204,#
213,#216ステップを併せて作動規制手段Gが構
成されている。
【0026】強制昇降ルーチンの作動のうち上昇制御は
図14のフローチャートに示すように、昇降レバーセン
サ32からの信号に基づいて昇降レバー24が「自動」
位置にある場合には切換レバースイッチ35からの信号
に基づいて切換えレバー28が上昇位置Uに操作された
ことを判別した場合には、レジスタの内容を参照して、
現在の制御モードに対応する停止コードが存在せず、メ
モリ83の内容を参照して現在の制御モードに対応する
モードコードが存在しない場合にのみ、リンクセンサ7
1からの信号に基づいて苗植付装置Aが上限にない場合
にはクラッチモータ70で植付クラッチCを切り操作す
る植付クラッチの操作処理を行った後、昇降バルブ82
を操作して該苗植付装置Aを上限まで上昇させる制御を
行い(#301〜#307ステップ)、又、レジスタの
内容を参照した結果、現在の制御モードに対応する停止
コードが存在する場合、メモリの内容を参照した結果、
現在の制御モードに対応するモードコードが存在する場
合(#303,#304ステップ)及び、上昇作動で苗
植付装置Aが上限まで上昇した場合にはバルブ82を中
立位置に操作して苗植付装置Aの上昇を停止するものと
なっている(#308ステップ)。尚、この制御動作の
うち#304,#308ステップを併せて作動規制手段
Gが構成されている。
【0027】強制昇降ルーチンの作動のうち下降制御は
図15のフローチャートに示すように、昇降レバーセン
サ32からの信号に基づいて昇降レバー24が「自動」
位置にある場合には切換レバースイッチ35からの信号
に基づいて切換レバー28が下降位置Dに操作されたこ
とを判別した場合には、レジスタの内容を参照して、現
在の制御モードに対応する停止コードが存在せず、メモ
リ83の内容を参照して現在の制御モードに対応するモ
ードコードが存在しない場合にのみ、昇降バルブ82を
操作してフロートセンサ19からの信号に基づいて苗植
付装置Aが作業高さに達するまで該苗植付装置Aを下降
させ続けるものとなっている(#401〜#406ステ
ップ)。又、レジスタの内容を参照した結果、現在の制
御モードに対応する停止コードが存在する場合、メモリ
83の内容を参照した結果、現在の制御モードに対応す
るモードコードが存在する場合(#403,#404ス
テップ)及び、下降作動で苗植付装置Aが作業高さまで
下降した場合にはバルブ82を中立位置に操作して苗植
付装置Aの下降を停止するものとなっている(#407
ステップ)。尚、この制御動作のうち#404,#40
7ステップを併せて作動規制手段Gが構成されている。
【0028】このように昇降を例にしたもので、苗植付
装置Aの昇降が逆方向に行われたことをリンクセンサ8
0からのフィードバック信号に基づいて判別した場合に
は、その制御モード、即ち、手動昇降制御の場合には昇
降レバーセンサ32とリンクセンサ80と昇降バルブ8
2との組合せ、強制昇降制御の場合に切換レバースイッ
チ35とリンクセンサ80と昇降バルブ82との組合せ
が制御装置81のマイクロプロセッサ内に存在するレジ
スタ(図示せず)対してセットされることによって、そ
の組合せに対応する制御動作が即時に停止すると同時
に、EEPROM型のメモリ83に対して、その組合せ
が書込まれることによって、エンジン4を停止した後で
も同じ制御モードの制御を行おうとした場合にも苗植付
装置Aが昇降作動する以前に作動が阻止されるものとな
る。尚、このように制御モードによって作動の可否を判
別するので苗植付装置Aを昇降させる場合でも、故障の
発生箇所によっては昇降レバー24による昇降が不能で
も切換レバー28による昇降が可能な場合もある。
【0029】その結果、作動の停止で作業者は異常の発
生を容易に認識できるものとなり、アクチュエータを不
必要に作動させることがない。又、この異常な作動が行
われた場合にはコネクタ等の配線の故障、設定器の故
障、センサの故障、制御バルブの故障、電動モータのド
ライバの故障であるか作業者が判断することは困難であ
ることから、この故障の判別は専用の機器を用いて判断
できるものとなっており、又、メモリ83に書込まれた
モードコードも専用の機器を用いて消去できるものとな
っている。
【0030】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態
以外に、例えば、アクチュエータが逆方向に作動した場
合には、アクチュエータの制御モードに拘わらず、その
時点以後のアクチュエータの作動を阻止するよう制御動
作を設定することも可能である。
【0031】
【発明の効果】従って、作動対象が逆方向に作動したと
判別された際には、原因の如何に拘わらず作動対象の作
動を確実に停止させて作業者に異常状態の発生を容易に
認識させると共に、作動対象を不要に作動させず異常状
態の拡大を抑制し得る作業機が合理的に構成されたので
ある。
【0032】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図
【図2】田植機の伝動系の概略を示す側面図
【図3】フロートセンサの配置を示す側面図
【図4】苗植付装置のローリング構造を示す正面図
【図5】ステアリングハンドル近傍の部材配置を示す側
面図
【図6】パネル部の平面図
【図7】表示部の拡大平面図
【図8】制御感度設定器の操作位置関係を示す拡大平面
【図9】コントロールボックスの平面図
【図10】昇降レバーの操作経路の平面図
【図11】制御系のブロック回路図
【図12】判別ルーチンのフローチャート
【図13】手動昇降ルーチンのフローチャート
【図14】強制昇降ルーチンでの上昇動作のフローチャ
ート
【図15】強制昇降ルーチンでの下降動作のフローチャ
ート
【符号の説明】
81 制御装置 83 記憶手段 E 判別手段 F 特定手段 G 作動規制手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 23/02 302 0360−3H G05B 23/02 302J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の作動対象を目標方向に作動させる
    電気式の制御装置(81)を備えると共に、夫々の作動
    対象の作動状況を把握する判別手段(E)を備え、作動
    対象が目標方向と逆方向に作動したことを示す信号を判
    別手段(E)で把握した際には、その作動対象の作動を
    停止させ、かつ、その作動対象を特定するデータ、ある
    いは、その作動対象を作動させる設定系とフィードバッ
    ク系とを特定するデータを記憶手段(83)に保持する
    特定手段(F)を備え、作動対象を作動させる状況下に
    おいて、その作動対象を特定するデータ、あるいは、そ
    の作動対象を作動させる設定系とフィードバック系とを
    特定するデータが記憶手段(81)に保持されている場
    合には、その作動対象の作動を阻止する作動規制手段
    (G)を備えている作業機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006254770A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Yanmar Co Ltd 田植機

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