JPH09148799A - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リード端子に印加される応力が素子に直接伝
わらない構造の電子部品を提供することを目的とする。 【解決手段】 端子台２の内部に端子曲げ部８が載置さ
れるようにリード端子１と端子台２とを一体成形し、端
子台２上でリード端子１と容量素子３および圧電素子４
を電気的に接続し、端子台２の上からケース５を被せて
ケース５の開口部を樹脂７で封止した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばケースタイ
プの圧電共振子などの電子部品およびその製造方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の電子部品をケースタイプの圧電共
振子を例に説明する。

【０００３】図５に従来の典型的なケースタイプの圧電
共振子の断面図を示す。これは、リード端子１を圧入す
るための小孔を設けた端子台２に、該リード端子１を圧
入して先端を折り曲げ、その上に容量素子３および圧電
素子４を載置し、導電性接着剤６で容量素子３および圧
電素子４とリード端子１とを接着した後、ケース５を端
子台２の上から被せ、さらに前記ケース開口部を樹脂で
封止したものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記構成によると、圧
入したリード端子１が端子台２の内部において直線状と
なっているので、リード端子１に自動挿入時のカットお
よびクリンチなどによる応力が印加された場合、応力の
支持点がないので直接的に容量素子３および圧電素子４
に応力が伝わり、容量素子３および圧電素子４が破壊さ
れる恐れがあるという問題点を有していた。

【０００５】そこで本発明は、リード端子に印加される
応力が素子に直接伝わらない構造の電子部品を提供する
ことを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の電子部品は、ケースと、このケース内に収
納した端子台と、この端子台を貫通して前記ケース外に
引き出したリード端子と、前記端子台上に設けた素子と
を備え、この素子は前記リード端子と電気的に接続さ
れ、前記リード端子は前記端子台内部において曲折させ
たものである。

【０００７】この構成によると、端子台内部のリード端
子が曲折しており、リード端子に印加された応力が緩和
され直接的に素子に伝わらないので素子が破壊するのを
防ぐことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、ケースと、このケース内に収納した端子台と、この
端子台を貫通して前記ケース外に引き出したリード端子
と、前記端子台上に設けた素子とを備え、この素子は前
記リード端子と電気的に接続され、前記リード端子は前
記端子台内部において曲折させた電子部品である。この
構成によると、端子台内部のリード端子が曲折してお
り、リード端子に印加された応力が緩和され直接的に素
子に伝わらないので素子が破壊するのを防ぐことができ
る。

【０００９】請求項２に記載の発明は、端子台内部のリ
ード端子は、該リード端子の外周が丸みを持つように曲
折させた請求項１記載の電子部品であり、この構成によ
り、端子台内部のリード端子が曲折しており、リード端
子に印加された応力がより緩和され直接的に素子に伝わ
らないので素子が破壊するのを防ぐことができる。

【００１０】請求項３に記載の発明は、曲折させたリー
ド端子が端子台内部に載置されるように、射出成形機を
用いて前記リード端子と樹脂とを一体成形して端子台を
形成し、次にこの端子台上に素子を載置し、前記リード
端子と電気的に接続し、その後前記素子を覆うように前
記端子台にケースを被せる電子部品の製造方法であり、
この方法によると、端子台内部のリード端子が曲折して
おり、リード端子に印加された応力が緩和され直接的に
素子に伝わらないので素子が破壊するのを防ぐことがで
きる。

【００１１】以下本発明の実施の形態について図面を参
照しながら説明する。 （実施の形態１）図１は、本発明の第１の実施の形態で
あるケースタイプの圧電共振子の側面断面図であり、図
２はこの圧電共振子の正面断面図である。

【００１２】この圧電共振子は、図２に示すようにリー
ド端子１と端子台２とを一体成形し、端子台２の上面よ
り突出したリード端子１を折り曲げ、この上に容量素子
３および圧電素子４を載置してリード端子１と電気的導
通が図れるように導電性接着剤６によって接続する。そ
して端子台２にケース５を被せ、端子台２の上面とケー
ス５で覆われた空洞１０の機密を保つためにケース５の
開口部を樹脂７によって封止する。この圧電共振子が従
来と著しく異なる点は、リード端子１と端子台２の一体
成形による構造およびその製造方法である。

【００１３】図１の断面図に示すように、端子台２は内
部に線材であるリード端子１を曲折させた曲げ部８およ
び曲げ部９を有しているために、従来のように端子台２
にリード端子１を圧入して形成することは出来ない。そ
のため、あらかじめリード端子１を加工して曲げ部８お
よび曲げ部９を設け、これを射出成形機を用いて端子台
２の内部に前記曲げ部８および曲げ部９が載置されるよ
うに、リード端子１と樹脂とを一体成形する。このよう
にして形成された端子台２は、リード端子に印加される
応力に対して曲げ部８が応力緩和の支持点となり、端子
台２の上部の容量素子３および圧電素子４に応力が伝わ
らない。さらに、リード端子１と樹脂を一体成形するこ
とによって、リード端子１と樹脂との間に圧入では得ら
れない接着力が生じ、前記応力支持部と併せて、端子台
２はリード端子１に印加される応力の緩和に効果を発揮
し、容量素子３および圧電素子４を物理的に安定に保つ
構造となる。

【００１４】（実施の形態２）図３に本発明にかかる第
２の実施の形態を示す。

【００１５】この実施の形態では、リード端子１の曲げ
部１１の曲がり具合を変えることにより、リード端子１
が端子台２の上面から突出する位置に自由度を持たせる
ことを可能にしたものである。これにより、リード端子
１の端子台２の上面に形成した折り曲げ部を長くするこ
とが可能になり、特に安定して容量素子３および圧電素
子４を載置しなければならない場合には有効である。

【００１６】（実施の形態３）図４に本発明にかかる第
３の実施の形態を示す。

【００１７】この実施例では、第１および第２の実施の
形態の特徴を併せ持っており、曲げ部１２および曲げ部
１３が端子台２の内部に形成されている。

【００１８】なお、本発明はケースタイプの圧電共振子
のみならず、他のケースタイプの電子部品にも同様に適
用できる。

【００１９】また、本発明は上記実施の形態のような３
端子形電子部品に限らず、２端子または４端子以上の電
子部品にも同様に適用できる。

【００２０】

【発明の効果】以上本発明によると、端子台内部のリー
ド端子が曲折しているので、リード端子に印加された応
力が緩和され直接的に素子に伝わらないので素子が破壊
するのを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態におけるケースタイ
プの圧電共振子の側面断面図

【図２】本発明の第１の実施の形態におけるケースタイ
プの圧電共振子の正面断面図

【図３】本発明の第２の実施の形態におけるケースタイ
プの圧電共振子の断面図

【図４】本発明の第３の実施の形態におけるケースタイ
プの圧電共振子の断面図

【図５】従来の圧電共振子の断面図

【符号の説明】

１ リード端子 ２ 端子台 ３ 容量素子 ４ 圧電素子 ５ ケース

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケースと、このケース内に収納した端子
   台と、この端子台を貫通して前記ケース外に引き出した
   リード端子と、前記端子台上に設けた素子とを備え、こ
   の素子は前記リード端子と電気的に接続され、前記リー
   ド端子は前記端子台内部において曲折させた電子部品。
2. 【請求項２】 端子台内部のリード端子は、このリード
   端子の外周が丸みを持つように曲折させた請求項１記載
   の電子部品。
3. 【請求項３】 曲折させたリード端子が端子台内部に載
   置されるように、射出成形機を用いて前記リード端子と
   樹脂とを一体成形して端子台を形成し、次にこの端子台
   上に素子を載置し、前記リード端子と電気的に接続し、
   その後前記素子を覆うように前記端子台にケースを被せ
   る電子部品の製造方法。