JPH09147775A - 走査電子顕微鏡用対物レンズ - Google Patents

走査電子顕微鏡用対物レンズ

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JPH09147775A
JPH09147775A JP7307457A JP30745795A JPH09147775A JP H09147775 A JPH09147775 A JP H09147775A JP 7307457 A JP7307457 A JP 7307457A JP 30745795 A JP30745795 A JP 30745795A JP H09147775 A JPH09147775 A JP H09147775A
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JP
Japan
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objective lens
heat
yoke
heat conductor
sample
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7307457A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Honda
和広 本田
Noriyuki Kamata
範幸 鎌田
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Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円錐状の対物レンズ先端部の加熱を防止する
ことができる走査電子顕微鏡用対物レンズを実現する。 【解決手段】 円錐状の対物レンズの外側(外側ヨーク
3の外側)には、熱伝導係数の高い材料、例えば、アル
ミニュームや銅で形成された熱伝導体6がヨークに密着
させて配置されている。熱伝導体6は中空の円錐体形状
に形成されており、その一部が切り欠かれている。この
切り欠かれている部分7は、試料5の傾斜方向であり、
切り欠き部7は傾斜した試料5と対向するように設けら
れている。その結果、熱伝導体6により試料5の傾斜角
θが制限を受けないように構成されている。なお、熱伝
導体6の上部は、熱容量の大きい部材、例えば、鏡筒8
に接触されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、ヨークが円錐状に形成
された走査電子顕微鏡用対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡により半導体ウエハ等を
観察するため、試料を大きく傾斜できるようにヨークの
外側形状を円錐形状(コニカル形状)に形成させた対物
レンズが開発されている。図1は従来の円錐形状の対物
レンズを示している。図中1は外側が円錐形状の対物レ
ンズヨークであり、パーマロイ等の磁性体で形成されて
いる。
【0003】ヨーク1は内側ヨーク2と外側ヨーク3と
を有しており、内側ヨーク2と外側ヨーク3との間に
は、電流を流すことにより磁界を発生させ、電子ビーム
を集束させる励磁コイル4が設けられている。5は試料
であり、外側ヨーク3の形状は、試料5を大きく傾斜さ
せても試料5と外側ヨークが衝突しないように、円錐形
状とされている。
【0004】また、対物レンズの収差係数を低くするた
め、コイル4に流す電流と内側ヨーク2と外側ヨーク3
との形状によって決まる軸上磁束密度分布Bのピーク値
をできる限り試料5に近付ける必要があり、そのため、
内側ヨーク2と外側ヨーク3との間のギップGの位置
が、対物レンズの先端部に近付けられている。なお、図
2にコイル4による発熱に対し、ヨーク2,3の熱の流
れを矢印で示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した対物レンズに
おいては、対物レンズの収差係数を低くするために、熱
発生源である励磁コイル4が対物レンズの下方に位置す
ることになる。その結果、必然的にヨーク2,3の先端
部に熱が溜まりやすい構造となってしまう。また、試料
5を大きく傾斜させるために対物レンズの先端(外側ヨ
ークの先端)は尖っており、先端部の温度は他の部分に
比べて急激に上昇する。
【0006】更に、対物レンズの先端部の内側には、図
示していないが、偏向コイルや非点補正コイル等の構成
部品が配置されるために、コイル4はより外側に配置せ
ざるを得ず、このことから、外側ヨーク3の肉厚は薄く
しなければならず、特に外側ヨーク3の先端部の熱伝導
は悪いものとなる。
【0007】更に、ヨークの材料として用いられるパー
マロイ等の磁性体は、熱伝導率が低く、熱が伝わりにく
い性質を有していること、そして、対物レンズは真空中
に配置されている関係で発熱体表面からは輻射のみでは
効率良く放熱できない特徴があることから、対物レンズ
先端は高い温度に加熱されることになる。
【0008】上記に加えて、電子ビームの加速電圧が高
いほど、試料5の表面に電子ビームを集束させる電流が
大きくなるため、発熱量は更に大きくなる。このため、
ヨークに水冷ジャケットなどを設けて対物レンズ先端の
温度を低めることも考えられるが、対物レンズの先端部
には試料以外の他の構成要素が多く位置していること、
水冷ジャケットなどを設けると全体の構造が複雑とな
り、また、メンテナンスもしずらくなる欠点が生じる。
【0009】上記したように、試料5の傾斜観察が可能
な円錐状の対物レンズでは、対物レンズの先端部(ヨー
クの先端部)の温度上昇が激しく、コイル4が断線した
り、ヨークの先端が変形したりする問題が生じている。
また、ヨーク先端部では、温度上昇が激しく、熱が伝わ
りにくいため、温度が一定になるまでには多大な時間を
要し、この間、熱による対物レンズの形状が変形(膨
脹)し続け、かつ、熱抵抗も上昇し続けるため、観察す
る2次電子像が視野上で静止しない、いわゆる熱ドリフ
トが起こる問題もある。
【0010】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、円錐状の対物レンズ先端部の過熱
を防止することができる走査電子顕微鏡用対物レンズを
実現するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に基づく
走査電子顕微鏡用対物レンズは、ヨークと励磁コイルと
を備え、ヨークの外側の形状が円錐状に形成されている
対物レンズであって、ヨークの外側に熱伝導体を設けた
ことを特徴としている。
【0012】請求項1の発明では、ヨークの外側に熱伝
導体を設け、熱伝導体を介してコイルの発熱を効率良く
放熱する。請求項2の発明に基づく走査電子顕微鏡用対
物レンズは、請求項1の発明に加えて、熱伝導体の試料
の傾斜方向に切り欠きを設けたことを特徴としている。
【0013】請求項2の発明では、熱伝導体の試料の傾
斜方向に切り欠きを設け、試料の傾斜角を大きくする。
請求項3の発明に基づく走査電子顕微鏡用対物レンズ
は、請求項1の発明に加えて、熱伝導体にヒートパイプ
を設け、熱伝導体の熱をヒートパイプを介して熱容量の
大きい部材に逃がすように構成したことを特徴としてい
る。
【0014】請求項3の発明では、熱伝導体にヒートパ
イプを設け、熱伝導体の熱をヒートパイプを介して熱容
量の大きい部材に逃がし、コイルの発熱を効率良く放熱
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図3は本発明の一例を示し
ており、図1の従来装置と同一番号は同一構成要素を示
す。この実施の形態で、円錐状の対物レンズの外側(外
側ヨーク3の外側)には、熱伝導係数の高い材料、例え
ば、アルミニュームや銅で形成された熱伝導体6がヨー
クに密着させて配置されている。
【0016】熱伝導体6は中空の円錐体形状に形成され
ており、図4の斜視図に示すようにその一部が切り欠か
れている。この切り欠かれている部分7は、試料5の傾
斜方向であり、切り欠き部7は傾斜した試料5と対向す
るように設けられている。その結果、熱伝導体6により
試料5の傾斜角θが制限を受けないように構成されてい
る。なお、熱伝導体6の上部は、熱容量の大きい部材、
例えば、鏡筒8に接触されている。このような構成の動
作を次に説明する。
【0017】コイル4で発生する熱量は、コイル4の抵
抗値をR,コイル4に流れる電流量をIとすると、I2
R(W)となる。また、ある加速電圧V0 の時の試料5
の表面に電子ビームを集束させるために必要なフォーカ
ス電流量をI0 とすると、加速電圧V1 の時のフォーカ
ス電流量I1 は、I1 =√(V1 /V0 )・I0 の関係
があり、I1 2 =(V1 /V0 )・I0 2 となって、発
生熱量は加速電圧に対して線形に上昇する。
【0018】この発生熱量の一部は内側ヨーク2を伝わ
って鏡筒8に伝わるが、その多くは、外側ヨーク3の外
側を経由して熱伝導体6に伝わり、熱伝導体6の上方か
ら鏡筒8に熱が効率良く伝わる。その結果、円錐状の対
物レンズの先端に熱が止まることはなく、低い温度に保
たれる結果、熱ドリフトを小さくすることができる。こ
の時の熱の流れを図5において矢印で示す。
【0019】図6に時間に対する対物レンズ先端(外側
ヨーク3先端)での温度をプロットした温度曲線を示
す。図中点線の曲線R1 が図1で示した従来の対物レン
ズの先端部の温度変化曲線であり、実線の曲線R2 が図
3に示した本発明に基づく対物レンズの先端部の温度変
化曲線である。なお、t1 はコイル4に電流を流し始め
た時刻を示している。
【0020】この図6に示すように、従来の対物レンズ
では、コイル4で発生した熱の逃げる経路が狭く(熱抵
抗が大きい)、対物レンズ先端での温度が急上昇してし
まい、その後も、熱伝導率が悪いために長い時間を掛け
て緩やかに上昇し、最終的には一定温度T1 (例えば1
00℃)に収束する。
【0021】一方、本発明に基づく対物レンズでは、コ
イル4で発生した熱は、内側ヨーク2だけではなく、そ
の多くは外側ヨーク3を経由して熱伝導率の高い熱伝導
体6に伝わり、速やかに鏡筒8に排熱されるため、短時
間に比較的低い一定温度T2(例えば50℃)に収束す
る。しかも、収束温度T2 は、従来の対物レンズに比べ
て約1/2となる。また、熱伝導体6の熱伝導率が高い
ため、従来の対物レンズのように、緩やかに温度が上昇
し続けることはなく、速やかに一定温度T2 2 に収束
するため、熱ドリフトは極端に少なくなる。
【0022】図7は本発明の他の実施の形態を示してお
り、この形態では、熱伝導体6にヒートパイプ9の一端
が接触して設けられている。ヒートパイプ9の他端は、
熱容量の大きい部材、例えば、鏡筒8に接触されてい
る。このような構成でも、熱伝導体6とヒートパイプ9
を介して外側ヨーク3の熱は効率良く放熱される。
【0023】以上本発明の実施の形態を説明したが、本
発明は上記形態に限定されない。例えば、試料の傾斜角
がそれほど大きくない場合には、熱伝導体を切り欠く必
要はない。また、内側と外側ヨークを有した対物レンズ
を例に説明したが、単磁極の対物レンズ等、他のタイプ
の対物レンズにも本発明を適用することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、ヨークと励磁コイルとを備え、ヨークの外側の形状
が円錐状に形成されている対物レンズであって、外側ヨ
ークの外側に熱伝導体を設けるように構成したので、円
錐状の対物レンズの先端温度を下げることができる。
【0025】また、水冷ジャケット等の構造物を対物レ
ンズ内側に設ける必要がないので、シンプルな構造で対
物レンズ先端の温度を下げることができる。更に、対物
レンズの温度を低く保つことができるので、熱ドリフト
が少なく2次電子像の観察を行うことができる。
【0026】請求項2の発明では、熱伝導体の試料の傾
斜方向に切り欠きを設けたので、試料の傾斜角を大きく
することができる。請求項3の発明では、熱伝導体にヒ
ートパイプを設け、熱伝導体の熱をヒートパイプを介し
て熱容量の大きい部材に逃がすように構成したので、請
求項1の発明と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の対物レンズを示す図である。
【図2】図1の対物レンズにおける熱の流れを示す図で
ある。
【図3】本発明に基づく対物レンズを示す図である。
【図4】図3の対物レンズに用いた熱伝導体の斜視図で
ある。
【図5】図3の対物レンズにおける熱の流れを示す図で
ある。
【図6】対物レンズ先端の温度変化曲線を示す図であ
る。
【図7】ヒートパイプを用いた本発明の実施の形態を示
す図である。
【符号の説明】
1 ヨーク 2 内側ヨーク 3 外側ヨーク 4 コイル 5 試料 6 熱伝導体 7 切り欠き部 8 鏡筒 9 ヒートパイプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨークと励磁コイルとを備え、ヨークの
    外側の形状が円錐状に形成されている対物レンズであっ
    て、ヨークの外側に熱伝導体を設けた走査電子顕微鏡用
    対物レンズ。
  2. 【請求項2】 熱伝導体の試料の傾斜方向に切り欠きを
    設けた請求項1記載の走査電子顕微鏡用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 熱伝導体にヒートパイプを設け、熱伝導
    体の熱をヒートパイプを介して熱容量の大きい部材に逃
    がすように構成した請求項1記載の走査電子顕微鏡用対
    物レンズ。
JP7307457A 1995-11-27 1995-11-27 走査電子顕微鏡用対物レンズ Withdrawn JPH09147775A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007519194A (ja) * 2004-01-21 2007-07-12 イツェーテー インテグレイテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フュール ハルブライタープリュッフテヒニク ミット ベシュレンクテル ハフツング 荷電粒子ビーム用の集束レンズ
JP2014160678A (ja) * 2014-05-12 2014-09-04 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線装置
US9159533B2 (en) 2008-04-14 2015-10-13 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle beam apparatus permitting high-resolution and high-contrast observation

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Effective date: 20030204