JPH09146631A - 故障診断システム - Google Patents

故障診断システム

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JPH09146631A
JPH09146631A JP30607995A JP30607995A JPH09146631A JP H09146631 A JPH09146631 A JP H09146631A JP 30607995 A JP30607995 A JP 30607995A JP 30607995 A JP30607995 A JP 30607995A JP H09146631 A JPH09146631 A JP H09146631A
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failure
tree
question
cause
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JP30607995A
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English (en)
Inventor
Kiichi Shimada
紀一 島田
Seiji Koide
誠二 小出
Takashi Kanbayashi
隆 神林
Noriyuki Iwamoto
則幸 岩元
Shigeru Matsuzaka
茂 松坂
Hajime Sakano
肇 坂野
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 質問と回答とのやり取りで費やされる労力と
時間とを節約できると共に知識を簡素化できる故障診断
システムを提供する。 【解決手段】 プラント等の診断対象からその各部の入
出力等の状態データを取得し、診断対象を実地調査した
調査結果を入力し、推論エンジン10により、これら状
態データ及び調査結果から故障原因を推定する。ツリー
作成手段3は、調査結果が不定の調査項目及びこの調査
項目に伴う故障原因をツリー状にレイアウトする。従っ
て、実地調査を行う前にツリーを作成し、このツリーに
沿って実地調査することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、故障診断装置が逐
次繰り出す質問に操作員が回答する形式で推論を進める
故障診断システムに係り、特に、質問と回答とのやり取
りで費やされる労力と時間とを節約できると共に知識を
簡素化できる故障診断システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11に示されるように、機械や各種機
械を組み合わせてなるプラントを診断対象101とし、
その故障を診断する故障診断装置103は、その診断の
手掛かりとして各部に取り付けられたセンサの出力信号
や各部を制御している制御信号を用いることが一般的で
ある。これらの機械を制御するためにシーケンサ等の制
御計算機102が設けられているものは、この制御計算
機102にその制御対象である機械やプラントのセンサ
データや制御量が入出力状態として把握されているの
で、この入出力状態を監視することで、故障診断が可能
である。
【0003】しかし、センサデータや制御量の入出力状
態だけでは的確な診断結果が得られないことがある。例
えば、センサが作動しないという状態からはセンサの不
良という故障状況が推定されるが、そのセンサを作動さ
せるべき機械系に異物が混入しているというような故障
原因までは判断できない。
【0004】そこで、入出力状態からは知ることのでき
ない事象については、操作員が各部を実地に調査してそ
の結果を故障診断装置103に入力するようになってい
る。ただし、操作員がやみくも調査するのではなく、故
障診断装置103が調査事項を決めて操作員に指示す
る。この指示は操作員に対する質問として提示される。
例えば、「装置は手動で動きますか。」と質問する。こ
れを受けて、操作員が実際の機械を手動で動かしてみて
その調査結果を回答する。故障診断装置103は、この
回答を基に推論を進め、次の質問を繰り出す。この質問
内容はそれに先立つ回答内容によって異なるが、例え
ば、「制御盤のLEDは全点灯または全消灯しています
か。」という内容となる。これを受けた操作員は、今度
は制御盤を調査することになる。このようにして故障診
断装置103は、操作員によって入力される調査結果の
回答に呼応して逐次、質問を繰出し、最終的に故障原因
を特定する。
【0005】図12には、故障診断装置103の表示装
置131に表示された対話記録の一例を示した。ここに
は、故障診断装置103が繰り出した質問と操作員が鍵
盤132から打ち込んだ回答とがその順序で表示され、
その後に、最終的に特定された故障原因が表示されてい
る。
【0006】以上のような対話型の故障診断装置103
がエキスパートシステムによって好適に構成されること
はよく知られている。エキスパートシステムは、診断対
象についての専門知識を蓄積した知識ベースと、この専
門知識を運用して推論を進める推論エンジンとからな
り、診断対象からの入出力等の状態データと対話による
調査結果とを入力とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の故障
診断装置が故障原因を特定するためには、操作員が調査
事項になっている機器や制御盤を実際に調査する必要が
あり、調査結果の回答に呼応して質問が繰り出される度
に操作員が機器や制御盤と故障診断装置との間を往復し
なくてはならない。プラントでは、故障診断装置が設置
されている管理室と機器や制御盤が設置されている現場
とが離れいてるのが普通であり、しかも現場は広大かつ
高層に建てられていることが多い。このため、操作員は
最終的な診断結果を得るまでに相当の距離を移動するこ
とになると共に、時間も浪費される。
【0008】また、プラントでは、同じ構造の機器が複
数設置されることが多く、これらの機器には同様の診断
知識が必要となる。ところが、通常これらの機器の入出
力には別々の番号が付され、故障診断装置には別々の入
出力として扱われるので、それぞれの機器毎に診断知識
を用意しなければならない。このため知識ベースが大き
くなる。また、診断知識を改修する際には、いちいちそ
れぞれを同じように改修する必要があり、不便である。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、質問と回答とのやり取りで費やされる労力と時間と
を節約できると共に知識を簡素化できる故障診断システ
ムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、プラント等の診断対象からその各部の入出
力等の状態データを取得する手段と、上記診断対象を実
地調査した調査結果を入力する手段と、これら状態デー
タ及び調査結果から故障原因を推定する推論エンジン
と、上記調査結果が不定の調査項目及びこの調査項目に
伴う故障原因をツリー状にレイアウトするツリー作成手
段とを備えたものである。
【0011】上記推論エンジンが、まず、上記状態デー
タから故障状況を推定し、この故障状況から故障原因を
特定するための調査項目を質問として提示し、その調査
結果の回答に応じて推論を進めて逐次、質問を繰り出
し、最終的に故障原因を特定してもよい。
【0012】上記ツリー作成手段が、上記質問に対し回
答を模擬的に発生する模擬回答発生部と、その模擬回答
の都度繰り出される質問を模擬回答の履歴と共に記憶す
る記憶部と、この記憶内容に基づき質問をツリー状にレ
イアウトするレイアウト部とを備えてもよい。
【0013】上記質問ツリーに模擬回答の如何によらず
同じ故障原因が特定される枝があるとき、この枝を縮退
させる縮退処理部を備えてもよい。
【0014】上記状態データを取得する手段が、上記診
断対象の共通する各部の状態データを共通データに加工
し、上記推論エンジンが共通データから共通する故障原
因を推定してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示されるように、本発明に
係る故障診断システムは、主に、プラント等の診断対象
からその各部の入出力等の状態データを取得すると共に
診断対象の共通する各部の状態データを共通データに加
工する状態データ編集部1と、この状態データ編集部か
ら状態データを受けとると共に診断対象を実地調査した
調査結果を対話によって獲得し、これら状態データ及び
調査結果から故障原因を推定するエキスパートシステム
2と、調査結果が不定の調査項目及びこの調査項目に伴
う故障原因をツリー状にレイアウトするツリー作成手段
3とからなる。
【0016】診断対象101には、従来と同じように
(図11参照)、センサの出力信号を取り出すと共に制
御信号を与える制御計算機102が接続され、この制御
計算機102よりセンサデータや制御量を入出力データ
として取り出すことができる。この入出力データは、バ
イナリーデータであり、例えばオンオフ動作をする1つ
のセンサの情報が1ビットの1又は0で表現される。ま
た、制御計算機102は動作シーケンス中から異常を発
見し、予め割り当てたアラームコードを発生するように
なっている。さらに、診断対象101の各部にはこれ特
定するための機器番号が割り当てられている。本発明の
実施形態では、従来の故障診断装置103に図1の故障
診断システムを置き換える。
【0017】図1の故障診断システムに用いられる状態
データは、入出力データ4、アラームコード5及び機器
番号6とからなり、状態データ編集部1は、この状態デ
ータ(4,5,6)をオンライン又はフレキシブルディ
スク等を介してオフラインで取得することができる。
【0018】状態データ編集部1はプラント情報ベース
7を装備しており、このプラント情報ベース7には、入
出力データのビットを実際の入出力名称に対応付け、ア
ラームコードを警報内容に対応付けるための具体的なプ
ラント情報が格納されている。状態データ編集部1は、
プラント情報を用いて状態データを入出力名称や警報内
容を表す文字列に変換すると共に、機器番号が異なり同
一構造の機器については状態データを共通化し、このよ
うにして編集・加工した状態データに機器番号を添えて
ファイル8を介するか又は直接にエキスパートシステム
2へ入力するようになっている。
【0019】エキスパートシステム2は、診断対象につ
いての専門知識を蓄積した知識ベース9と、この専門知
識を運用して推論を進める推論エンジン10とからな
り、状態データから知ることのできない事象について
は、対話により入力するようになっており、対話によっ
て推論が進められる。
【0020】ツリー作成手段3は、エキスパートシステ
ム2から質問を受けとると、エキスパートシステム2に
模擬回答を与え、故障原因の特定結果を受けとると、模
擬回答をやり直すようにして対話を行い、これによって
仮想的な診断を押し進め、実際には調査結果が出てない
にも拘らずその調査項目に伴う故障原因をエキスパート
システム2から取り出すことができる。そして、このよ
うな調査項目と故障原因とをツリー状にレイアウトして
調査シート11に印字出力するようになっている。図1
において、ツリー作成手段3は、ツリー用データ作成部
12と帳票作成部13とに別れている。
【0021】図2に示されるように、ツリー作成手段3
は、エキスパートシステム2からの質問及び故障原因の
特定結果に対し回答を模擬的に発生する模擬回答発生部
21と、その都度エキスパートシステム2から繰り出さ
れる質問及び故障原因の特定結果を模擬回答の履歴と共
に記憶する記憶部22と、この記憶内容に基づき質問を
ツリー状にレイアウトして質問ツリーを作成するレイア
ウト部23と、質問ツリーに模擬回答の如何によらず同
じ故障原因が特定される枝があるとき、この枝を縮退さ
せる縮退処理部24と、質問ツリーを調査シート11に
印字出力する印字出力手段25とを備えている。この質
問ツリーは調査シート11に印字され操作員が現場に持
って行けるようになっている。なお、ツリー作成手段3
は、エキスパートシステム2とは独立に構成することが
できるが、エキスパートシステム2と同一のコンピュー
タに組み込むなどして一体的に構成することができる。
【0022】ここで、質問ツリーとは、複数の質問がツ
リー構造状に関連付けられ、そのツリーの枝別れのとこ
ろに質問が置かれ、末端の枝の先に診断結果が置かれる
ものである。枝別れしている枝は、その質問に対する回
答に相当する枝であり、その枝をたどると次に繰り出さ
れる質問の枝別れ又は診断結果に当たるようになってい
る。
【0023】この実施形態にあっては、エキスパートシ
ステム2の繰り出す質問がYesかNoかを問う選択枝
形式になっており、これに対応し、模擬回答発生部21
は質問に対しYes及びNoの模擬回答を発生するよう
になっている。なお、質問は3つ以上の選択枝を有する
ものであってもよく、模擬回答発生部21は質問に対し
全ての選択枝について模擬回答を発生すればよい。
【0024】次に動作を説明する。
【0025】ここでは、診断対象となるプラントとし
て、自動車をパレット上に乗せ、そのパレットを台車で
搬送する方式の立体式自動駐車場プラントを例にとり説
明する。ただし、この種の駐車場プラント特有の用語に
ついての説明は省略する。
【0026】制御計算機102は動作シーケンス中に入
出力等の異常を発見し、予め割り当てたアラームコード
を発生する。このアラームの時点でラッチした状態デー
タが図1の故障診断システムに取り込まれる。このやり
取りにおける伝文の構造は、図3に示されるように、伝
文名31、機台番号32、データ33とからなり、詳し
くは、伝文名31、機台番号32、ダミー、端末番号、
機器番号34、アラーム番号35、発生時刻、駆動記録
個数、シーケンサバイト数が順に並び、その後に、所定
バイトに区切られた駆動記録36が複数個並び、シーケ
ンサデータ37で終わっている。従って、この伝文から
入出力データ4、アラームコード5及び機器番号6の状
態データを取り込むことができる。
【0027】状態データ編集部の動作を説明する。
【0028】状態データ編集部1は、プラント情報ベー
ス7のプラント情報を用いて状態データを入出力名称や
警報内容を表す文字列に変換する。プラント情報ベース
7には、図4に示されるように、機器番号41と機器名
称42とを対応させたデータ対応表リスト43が格納さ
れており、また、図5に示されるように、機器各部の入
出力名称51と伝文中のバイト位置52及びビット位置
53とを対応させたデータ対応表54が格納されてい
る。そこで、データ対応表リスト43を用い、機器番号
6を機器番号41に適用ことにより機器名称42を参照
する。例えば、機器番号が1なら機器名称は「リフト
1」である。次いで、「リフト1」用のデータ対応表5
4を用い、入出力データ4のバイト位置52及びビット
位置53に対応する入出力名称51を参照する。例え
ば、入出力データ4の406バイト目の0ビット位置に
“1”があれば、「パレタイズ手前上昇極限」の名称を
持つセンサが論理値=1の状態にあることになる。ま
た、プラント情報ベース7には、図6に示されるよう
に、アラームコード61とメッセージ62とを対応させ
たアラームリスト63が格納されているので、取り込ん
だアラームコード5をアラームコード61に適用するこ
とによりメッセージ62を参照する。例えば、アラーム
コード5が1002であれば、メッセージは「昇降過負
荷」となる。
【0029】これと共に、状態データ編集部1は、共通
データの加工を行う。これは、プラント中に同一構造の
機器が複数設けられているときに、同じ診断知識を適用
できるようにすることを目的としている。例えば、図5
に示されている入出力群は、図4の「リフト1」のもの
であるが、「リフト2」にも全く同じ入出力群が存在す
る。そこで、「リフト1」の状態データも「リフト2」
の状態データも同じデータとして扱えるようにする。た
だし、診断結果をどの機器に適用するかを判別できるよ
うに、加工した状態データには機器番号6を添える。
【0030】エキスパートシステムの動作(前半)を説
明する。
【0031】エキスパートシステム2は、状態データ編
集部1からのアラームにより故障の発生を感知すると、
そのときの状態データにより知識ベース9の知識を運用
し、故障状況を推定する。知識ベース9には、図7に示
されるように、機器と知識ファイル名とを対応させた知
識対応表71が格納されており、機器を指定すればその
機器のための診断知識を利用することができる。知識フ
ァイルの内容は説明を省略する。また、知識ファイルを
運用して故障状況を推定する方法は、従来と同じであ
る。
【0032】ここで、機器番号が1の入庫リフトの欄と
機器番号が2の出庫リフトの欄とを比較すると、知識フ
ァイル名が同一である。これは、前述のように「リフト
1」と「リフト2」とが共通化されていることに関連
し、この共通の機器に同一診断知識を適用するようにし
たものである。
【0033】エキスパートシステムの動作(後半)及び
ツリー作成手段の動作(前半)を説明する。
【0034】エキスパートシステム2は、前記のように
して推定した故障状況内容をツリー作成手段3に伝え
る。そして、その故障原因を特定するべく制御対象の調
査事項を質問として(ここではYesかNoか選択枝形
式)で提示すると共に回答を待つ。ツリー作成手段3の
記憶部22は、故障状況内容を記憶すると共に、提示さ
れた質問を第1回目の質問として記憶する。また、模擬
回答発生部21は、この質問に対しYes及びNoの模
擬回答を発生し、まずYesを回答する。Noの回答は
Yesで始まる下位ツリーの応答が終了するまで保留と
なる。Yesの回答を受けたエキスパートシステム2は
この回答を基に推論を進め、次の質問を繰り出すか又は
故障原因の特定結果を出す。記憶部22は、この質問又
は故障原因の特定結果を第1回目のYes回答に続く質
問又は故障原因の特定結果として記憶し、模擬回答発生
部21は、質問が得られた場合、この質問に対してYe
s及びNoの模擬回答を発生する。故障原因の特定結果
が得られた場合、上位ツリーについて保留中であったN
oの回答に戻る。このようにして、模擬回答発生部21
により全てのYes・Noの選択枝について模擬回答が
行われたとき、記憶部22には考え得る全ての質問及び
故障原因の特定結果が模擬回答の履歴と共に記憶される
ことになる。
【0035】ツリー作成手段の動作(後半)を説明す
る。
【0036】記憶部22には考え得る全ての質問及び故
障原因の特定結果が模擬回答の履歴と共に記憶されてい
る。この質問に対応する調査項目は実地には未調査であ
るから、調査結果が不定の調査項目及びこの調査項目に
伴う故障原因が記憶されていることになる。レイアウト
部23は、これら記憶内容に基づき質問ツリーを作成
し、印字出力手段25は、質問ツリーを図8に示される
ような調査シート11に印字出力する。
【0037】図8に示されるように、質問ツリーの頂点
には、入出力状態から推定された故障状況、「近接スイ
ッチ不良」と「近接スイッチ故障」とが印字されてい
る。そして質問1>から質問6>までの質問がYes・
Noで枝分れする質問ツリーが印字されている。
【0038】操作員は、調査シート11を現場に持って
行き、質問ツリーをたどりながら調査を行うことにな
る。このとき、質問ツリーには、状態データから推定し
た故障状況を開始点とし最終的に故障原因を特定するま
での探索経路が必ず含まれている。従って、必ず故障原
因が特定される。例えば、図12の従来技術と同じケー
スでは、質問1>[No]、質問2>[Yes]、質問
3>[No]、質問4>[Yes]となり、故障原因が
「メカブレーキ未解放」に特定される。その間、操作員
は一度も管理室には戻る必要がない。従来技術では、故
障原因が特定されるまでに、管理室から制御盤へ2回、
管理室からモータへ2回行き来している。このようにし
て、操作員の行き来する労力と時間とを大幅に節約する
ことができる。
【0039】なお、予め調査事項をツリー状にレイアウ
トして印刷してある調査シートを用いることは現実的で
ない。予め印刷するものは、どのような故障状況が起き
るか前もって判らないので、あらゆる故障状況を想定
し、必要な全ての調査事項をツリー状にレイアウトして
印刷しなければならない。しかし、そのようなあらゆる
故障状況を想定した印刷物は膨大なページ数となり、保
管や取扱いが不便である。また、故障知識が更新される
と、予め印刷した調査シートは使用できなくなる。
【0040】その点、本発明の調査シートは予め印刷し
たものではなく、模擬回答で対話することによりエキス
パートシステム2から引き出したものである。本発明の
質問ツリーはエキスパートシステム2が状態データによ
り故障状況を絞り込んだ後に作成するものであるから、
そのとき発生している故障に関連した調査事項のみから
なる1ページ程度の簡素で取扱いやすい質問ツリーにな
ると共に、故障知識が更新されても何等不都合は生じな
い。
【0041】図9には、駐車場プラントの故障診断シス
テムで使用される調査シート11を示した。機器名称は
「入庫リフト」、警報メッセージは「過負荷」であり、
これらは状態データから得たものである。故障状況は
「サーマルトリップ」であり、これは推論によって得た
ものである。そしてこの故障状況を頂点とする質問ツリ
ーは、ツリー作成手段によって作成されたものである。
【0042】次に、縮退処理について説明する。
【0043】縮退処理部24は、質問ツリーに模擬回答
の如何によらず同じ故障原因が特定される枝があると
き、この枝を縮退させるものである。枝の縮退とは、図
10(a)に示されるように、2本の枝を有する枝分れ
で構成されるツリーにおいて、その一部である図10
(b)のように、上位の枝分れ151の枝152に下位
の枝分れ153があり、下位の枝分れ153の2本の枝
154,155の先に同一の診断結果A,Aが置かれて
いるものとしたとき、この下位の枝分れ153は診断結
果Aを得るには役立っておらず、上位の枝分れ151の
枝152の先に診断結果Aが置かれているのに等しいの
で、図10(c)のように、下位の枝分れ153を取り
除き、上位の枝分れ151の枝152の先に診断結果A
を置くようにすることである。
【0044】縮退の効果は、エキスパートシステム2の
繰り出す質問が、結果的に冗長なものであったとき、こ
の質問を取り除いて操作員の負担を少なくすることにあ
る。エキスパートシステムにあっては、冗長な質問が出
ることがしばしばであるが、知識ベースの知識量が膨大
であるため、冗長な質問が出る原因となる知識を事前に
発見することは事実上不可能である。従って、対話を進
めていくなかで結果的に冗長な質問が出ることは避けら
れない。しかし、本発明にあっては、対話が模擬回答に
よって最後まで進められ、しかる後に質問ツリーを作成
しているので、この質問ツリーの中から冗長な質問を発
見し取り除くことができる。
【0045】ところで、本発明のツリー作成手段は、実
地の調査結果を用いて実際の診断を進めるのではなく、
仮想的に診断を進めるべくYes・No等の模擬回答を
繰り返すだけであり、質問の内容は単に印字のために記
憶するだけである。つまり、エキスパートシステム2が
繰り出してくる質問の具体的内容には無関係に動作す
る。それどころか、診断対象1の機械やプラントの用途
・種類にも、エキスパートシステム2の持つ専門知識の
内容にも全く無関係に動作する。従って、ツリー作成手
段は対話型のエキスパートシステム2が用いられるあら
ゆる技術分野に利用できる汎用性の高いものである。
【0046】さらに、本発明のツリー作成手段は、専門
知識の調査(デバッグ)にも利用できる。即ち、専門家
がエキスパートシステム2に専門知識を教え込むに際し
て、冗長な質問が出るような原因となる知識データを教
え込んでしまうと、知識ベースの知識量が膨大であるた
め、これを発見することは事実上不可能である。そこ
で、本発明によるデバッグは、状態データのシミュレー
ションによりエキスパートシステム2を動作させると共
にツリー作成手段4により質問ツリーを作成し、前記縮
退処理と同様にしてこの質問ツリーの中から冗長な質問
を発見する。この場合、縮退処理のようにこれを取り除
くのでなく、バグとして指摘する。専門家は指摘された
冗長な質問を基に、その原因となる知識データを発見す
ることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0048】(1)質問と回答とのやり取りで費やされ
る労力と時間とを節約できる。特に、故障診断システム
と現場とが離れおり、しかも現場が広大・高層に建てら
れているような場合に、操作員の行き来する労力と時間
とを大幅に節約できる。
【0049】(2)診断知識の共通化により知識ベース
や処理コンピュータの作業メモリが小さくできる。ま
た、診断知識のメンテナンスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す故障診断システムの
構成図である。
【図2】本発明によるツリー作成手段の内部構成図であ
る。
【図3】本発明の故障診断システムが状態データを取得
する伝文の構造図である。
【図4】本発明によるプラント情報ベースに格納される
データ対応表リストの概念図である。
【図5】本発明によるプラント情報ベースに格納される
データ対応表の概念図である。
【図6】本発明によるプラント情報ベースに格納される
アラームリストの概念図である。
【図7】本発明による知識ベースに格納される知識対応
表の概念図である。
【図8】本発明による調査シートの平面図である。
【図9】本発明による調査シートの平面図である。
【図10】本発明による縮退処理の説明図である。
【図11】従来例を示す故障診断システムの構成図であ
る。
【図12】従来の故障診断システムの対話記録が表示さ
れた表示装置の正面図である。
【符号の説明】
1 状態データ編集部 2 エキスパートシステム 3 ツリー作成手段 10 推論エンジン 11 調査シート 21 模擬回答発生部 22 記憶部 23 レイアウト部 24 縮退処理部 101 診断対象
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神林 隆 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社本社内 (72)発明者 岩元 則幸 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社本社内 (72)発明者 松坂 茂 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内 (72)発明者 坂野 肇 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラント等の診断対象からその各部の入
    出力等の状態データを取得する手段と、上記診断対象を
    実地調査した調査結果を入力する手段と、これら状態デ
    ータ及び調査結果から故障原因を推定する推論エンジン
    と、上記調査結果が不定の調査項目及びこの調査項目に
    伴う故障原因をツリー状にレイアウトするツリー作成手
    段とを備えたことを特徴とする故障診断システム。
  2. 【請求項2】 上記推論エンジンが、まず、上記状態デ
    ータから故障状況を推定し、この故障状況から故障原因
    を特定するための調査項目を質問として提示し、その調
    査結果の回答に応じて推論を進めて逐次、質問を繰り出
    し、最終的に故障原因を特定することを特徴とする請求
    項1記載の故障診断システム。
  3. 【請求項3】 上記ツリー作成手段が、上記質問に対し
    回答を模擬的に発生する模擬回答発生部と、その模擬回
    答の都度繰り出される質問を模擬回答の履歴と共に記憶
    する記憶部と、この記憶内容に基づき質問をツリー状に
    レイアウトするレイアウト部とを備えたことを特徴とす
    る請求項2記載の故障診断システム。
  4. 【請求項4】 上記質問ツリーに模擬回答の如何によら
    ず同じ故障原因が特定される枝があるとき、この枝を縮
    退させる縮退処理部を備えたことを特徴とする請求項3
    記載の故障診断システム。
  5. 【請求項5】 上記状態データを取得する手段が、上記
    診断対象の共通する各部の状態データを共通データに加
    工し、上記推論エンジンが共通データから共通する故障
    原因を推定することを特徴とする請求項1〜4いずれか
    記載の故障診断システム。
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